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水質データの信頼性に関する二,三の考察 利用統計を見る

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水質データの信頼性に関する二,三の考察

今岡正美

平山公明

片山けい子

小林美咲 (昭和52年8月31日受理)

Confidence in Water Quality Data

MasaharuIMAOKA KimiakiHIRAYAMA KeikoKATAYAMA

MisakiKOBAYASHI Abstract  In many cases, water quality data have some differences from the correct values with some causes involving analytical methods and conditions in which samples were preserved.  This experiment was carried out to examine the fluctuation of analytical values and the effect of conditions of sample preservation.  It was found that the且uctuation of measured values of both total solids and dissolved solids was comparatively large, and that in determination of biochemical oxygen demand, dissolved oxygen concentration of diluted sample 15 min after preparation was little deviated, however dissolved oxygen value of the sample after five days’incubation sometimes showed amarked且uctuation. Chloride ion concentration did not change when sample preservation was prolonged, but biochemical oxygen demand and chemical oxygen demand values varied considerably, so that it is necessary to analyze them as early as possible.

1.はじめに

 河川調査などの際,水質分析は試料採取直後に,同 一試料,同一項目について数回行い,その平均値をと ることが最も望ましいけれども,そのためには,極め て多くの労力と時間を現在では必要とする。実際は, 採水した試料は一・旦冷蔵庫等に保存し,相当日数を費 して,各項目につき一回ないし数回の水質試験により 水質データを求めていることが多いと思われる。山梨 大学の衛生工学研究室では,甲府市環境部と共同でこ こ数年来定期的に甲府市内の河川の水質汚濁状況調査 を続けているが,現状では,約30地点,それぞれ約20 項目にわたる水質試験に,各項目1回の測定で1週間 ないし2週間を必要とする。試験回数を増やせぽ,そ れだけ試料保存期間ものびることにもなり,その間の 水質変化が予想される。  水質データの信頼性におよぼす要素は,採水地点, 採水位置,採水時刻,採水間隔など多くの要因が考え られ,最終的にはこれら全部の要素を考慮する必要が あるが,その一部として,測定の際の影響および試料 の保存について,実用的にどの程度まで注意が必要か を知るための,二,三の実験と考察を行った。 2. 浮遊物質(SS)の測定 *前山梨大学工学部助手 2.1実験方法 浮遊物質(SS)の測定は下水試験方法14節ろ紙法1こ

(2)

よった。試料100mlより得られる蒸発残留物(TS) と東洋ろ紙NO−5Bによる試料100mlのろ過水より 得られる蒸発残留物(DS)とを測定し,両者の差TS −DS=SSとして浮遊物質を求める。なお,105°Cでの 蒸発皿の乾燥時間,およびデシケータにおける放冷時 間はそれぞれ1時間とする。  試料は,比較的水質のきれいな荒川の千松橋と,汚 濁のすすんでいる濁川の省路橋とで採水したもの,ま た,対照実験として蒸留水およびカオリン30mg/t, 40mg/1懸濁液を用い,それぞれの値を測定した。河 川水はTS, DSともに同一試料についておのおの10回 測定したので,SSの値としては10×10=100通りの 組みあわせが考えられる。また対照実験ではおのおの 6回測定し,それぞれ36通りのSS値を得た。

 2.2SS測定の実験結果

 実験結果を表一2.1から表一2.5に示す。表一2.1は千 松橋について,TSおよびDSおのおの10回測定し, 小さい数値から大きい数値の順に整理し,TS, DSそ 表一2.3TSとDSの組みあわせによるSSの値    (蒸留水)       (単位:mg/の 4 6 10 12 13 14 3 6 6 7 8 10 一1  2  2  3  4  6 −3 0 0  1 2 4 −7 −4 −4 −3 −2  0 −9 −6 −6 −5 −4 −2 −10 −7 −7 −6 −5 −3 −11 −8 −8 −7 −6 −4 平均値 6.7

平⇒9・・1

1−… 表一2.1TSとDSの組みあわせによるSSの値(荒川千松橋流心)        (単位:mg/の 90 93 94 95 95 95 100 100 101 106 85   92   93   95   96   99 102 104 105 106 一5  2  3  5  6 −8 −1  0  2  3 −−X  −2  −1   1   2 −10  −3  −2   0   1 −10  −3  −2   0   1 −10 −3 −2  0  1 −15  −8  −7  −5  −4 −15  −8  −7  −5  −4 −16  −9  −8  −6  −5 −21 −14 −13 −11 −10 9 6 5 4 4 4 一1 −1 −2 −7−4−2 12 9 8 7 7 7 2 2 1 14 15 11 12 10 11 9 10 9 10 9 10 4 5 4  5 3  4  −1 16 13 12 11 11 11 6 6 5 0 平均値       (実験者 平山公明) 表一2.4TSとDSの組みあわせによるSSの値     (40mg〃カオリン懸濁液)       (単位:mg/の

肌7

11 12 13 16 16 17 35  38  38  40  42  44 24  27  27  29  31  33 23  26  26  28  30  32 22  25  25  27  29  31 19  22  22  24  26  28 19  22  22  24  26  28 18  21  21  23  25  27 平均値 139・5 平均値・4・・1 平均値1・⇒ 1・5・・ 1…       (実験者 平山公明) 表一2.5TS, DS, SSの平均値と標準偏差 (1974年11月29日採水,実験者 小林美咲) 表一2.2TSとDSの組みあわせによるSSの値(濁川省路橋)       (単位:mg/1) 検  水 246 249 253 253 254 257 257 260 260 261 265 267 269 270 273 277 278 278 279 285 19 16 12 12 11 8 8 5 5 4 21 18 14 14 13 10 10 7 7 6 23 20 16 16 15 12 12 9 9 8 24 21 17 17 16 13 13 10 10 9 27 24 20 20 19 16 16 13 13 12 31 28 24 24 23 20 20 17 17 16 32 29 25 25 24 21 21 18 18 17 32 29 25 25 24 21 21 18 18 17 33 30 26 26 25 22 22 19 19 18 39 36 32 32 31 28 28 25 25 24     千松橋流心 平均値 274.1 省 路 橋 蒸 留 水 30mg〃 カオリ ン 懸 濁液

平⇒… 1

1・9・・ (1974年12月20日採水,実験者 小林美咲) 40mg〃 カオリ ン 懸 濁 液 試験項目

TS

DS

SS

TS

DS

SS

TS

DS

SS

TS

DS

SS

TS

DS

SS 平 均値 (mg/の 97.7 96.9 0.8 標準偏差 (mg/1) 6.7 4.7 7.9 274.1 255.0 19.1  6.7  9.8 −3.1 56.2 36.0 20.2 39.5 14.2 25.3 6.3 4.9 7.7 2.3 4.0 4.3 5.3 10.9 13.1 3.2 2.4 3.8

(3)

れそれの平均値からSSの平均値を求めたものであ る。また,一回の測定の際にあり得る100通りのSS の組みあわせを,用いたTSおよびDSの各組の交わ る枠内に示している。以下同様である。表一2.5には, 平均値と標準偏差を計算したものをまとめて示してあ る。  2.3SS測定に関する考察  測定結果のぱらつきの原因としては,試験方法すな わち,器具,測定者によるもの,試料中のSSとして 測定されるべき物質の分布のぼらつきによるもの,あ るいは時間経過による変動の差異などが主なものと考 えられるが,ここでは前2者について考察する。  SS測定は蒸発皿に残った物質の重量を測定するこ とが基本的操作で,重量分析のひとつであり,わずか の重量の差を問題にする場合は,一般に誤差が大きく なるといわれている。また実際問題として,表一2.1な どに示すように,時おりマイナスの値が得られること もあり,これが研究対象にSSを選んだ理由でもある。  測定結果については,蒸留水はTS, DS, SSとも に0,カオリン懸濁液ではTS, SSはカオリン混入量 に,DSは0になることが期待される。しかし実験結 果は表一2.5に示すとおりであり期待される値と若干異 なる。蒸留水のSSが一3,1mg/1と負の値をとるこ とについては,ろ過操作中のろ紙成分の溶出1),ある いはろ紙の一・部のはく離がありうることであり,この ような現象がSSがマイナスの値をとることのひとつ の原因として考えられる。カオリソ懸濁液に対して は,使用したろ紙NO. 5Bは目孔の大きさは2.2μm で,やや迅速定量用と示されている。したがって,カオ リン粒子のうちの微小なコnイド状のものの一部は, ろ過されないでろ紙を通過するものもあり得るであろ う。このことが,SSの測定値が期待される値よりも小 さいことの原因のひとつであると思われる。実験操作 方法に関して,たとえぽ30mg/1カオリソ懸濁液のTS が56.2mg/1, DSが36. Omg/1とやや大きいので再 検査したところ,今度はTSは45.7mg/1,DSは26.5 mg/1という値が得られ,したがってSSは19.2mg /1となり前の20.2mg/1の値と大差なかった。他の 測定値からも,TS, DSは測定のたびごとに値がかわ ることが予想されるが,これは蒸発,乾燥,放冷等の 条件が場合により異なることによるのであろう。これ に対してSSがほぼ一定した値が得られるのは, TS とDSは同時に同一条件で測定していることに関係し ていると思われる。  標準偏差についてみてみると,30mg/1カオリン懸 濁液の場合がやや大きいが,一応蒸留水も含めて,5 mg/1程度の値はこの試験法では実験操作上やむを得 ないものと思われる。実際の河川水の場合はいく分高 く,5∼8mg/1となっている。これは試料そのものが 原因か個人差があるのか不明であるが,試料中の含有 物濃度による影響は少ないことが示されている。した がって,測定値の変動は実験操作上やむを得ない部分 が大きいことが示され,結局5∼10mg/1の変動は常 にあり得ると考えねぽならず,SSの値が小さいほど その影響を受けやすい。 3. 生物化学的酸素要求量(BOD)の測定  3.1 実験方法  生物化学的酸素要求量(BOD)の測定はJIS K−0102 によった。試料は荒川(千松橋)と濁川(省路橋)の もので,希釈倍率は予備試験の結果それぞれ,1およ び2倍とした。溶存酸素濃度の測定は,ウィソクラー 法のナトリウムアザイド変法を用いた。BOD値は,ふ 卵ビンに試料調整して15分後の溶存酸素濃度(DO15) から,5日後の溶存酸素濃度(DO5)を差し引いた値 に希釈倍率をかけて求めた。DO,sおよびDO5をそれ ぞれ10回測定したので,BODの値は10×10・・=・100通 りの組みあわせが考えられる。また,対照実験として 蒸留水のDO15の測定を行った。荒川の千松橋では排 水口のある右岸側と流水の中央部の2か所より採水し た。  BODの測定は溶存酸素濃度を測定することが基本 的な操作で,酸素により遊離したヨウ素をチオ硫酸ナ トリウム溶液で滴定するもので,容量分析のひとつで あり重量分析より高い精度が期待される。  BODの測定は既に自動測定器が実用化されている が,高価なために多量の試料を短期間で測定するには まだ適していない。

 3.2BOD測定の実験結果

 実験結果を表一3.1,表一3.2に示す。表一3.2は表一3.1

に示してあるDO値を組みあわせて100通りのBOD

値をつくり,度数分布表にしてまとめたものである*。 図一3.1にDO15, DO5, BODの平均値を,図一3.2には それぞれの標準偏差を示す*。  3.3 BOD測定に関する考察  BODの測定値が変動をもつ要因として,植種や希 釈率等の影響も考えられるが,BODの測定は溶存酸 素濃度(DO)の測定が実験操作上大きな部分をしめる ので,ここでは,DOの測定値に関する変動について *省路橋のBODは希釈した場合の値である。実際のBOD  はこの値を2倍する。

(4)

表一3.1溶存酸素濃度の測定値 (単位:mg/の 検

水已目i

測 定 値

1平均値騨偏差

蒸留水

千松橋流心 千松橋右岸 省 路橋 DO15 DO15 DO5 DO15 DO5 DO15 DO5 7.82  7.85  7.87  7.90  7.94  7.95  7.95  7.98  8.00  8.02 8.08   8.13 7.51  7.59  7.63  7.64  7.73  7.73  7.77  7.78  7.82  7.90 7.14  7.18  7.19  7.21  7.25  7.26  7.27  7.31  7.31  7.43 7.38   7.39  7.39   7.42   7.43  7.47   7.48   7.49   7.56   7.64 6.37   6.37   6.37   6.42   6.46   6.50   6.50   6.50   6.51   6.67 7.22   7.35   7.40   7.47   7.48   7.51  7.53   7.60   7.69   7.69 3.19  3.27   3.52   3.61  3.65  3.65   3.70   3.73   3.78   4.25 7.96 7.71 7.26 7.47 6.47 7.49 3.64 0.093 0.117 0.083 0.083 0.092 0.147 0.290 (実験者平山公明) 表一3.2BODの度数分布表 (a)千松橋流心 (b)省路橋 範囲(m・/1)1代表値(m・〃)1度数 範 囲(mg/1) 代表値(mg/1) 度  数 0.05∼0.09 0.10∼0.14 0.15∼0ご19 0.20∼0.24 0.25∼0.29 0.30∼0.34 0.35∼0.39 0.40∼0.44 0.45∼0.49 0.50∼0.54 0.55∼0.59 0.60∼0.64 0.65∼0.69 0.70∼0.74 0.75∼0.79 0.07 0.12 0.17 0.22 0.27 0.32 0.37 0.42 0.47 0.52 0.57 0.62 0.67 0.72 0.77 1 0 1 5 4 13 10 9 16 13 14 8 2 3 1 (1977年7月19日採水,実験者 平山公明) 2.90∼2.99 3.00∼3.09 3.10∼3.19 3.20∼3.29 3.30∼3.39 3.40∼3.49 3.50∼3.59 3.60∼3.69 3.70∼3.79 3.80∼3.89 3.90∼3.99 4.00∼4。09 4.10∼4.19 4.20∼4.29 4.30∼4.39 4.40∼4.49 4.50∼4.59 2.95 3.05 3.15 3.25 3.35 3. 45 3.55 3.65 3.75 3.85 3.95 4.05 4.15 4.25 4.35 4.45 4.55 1 0 2 4 1 4 4 6 16 17 16 10 4 7 3 3 2      0 蒸留水 荒川(千松橋右 岸) 荒川(千松橋流心) 濁川(省路橋)     図一3.1

       口

       囮

       ■

  DO, BOD(mg/1) 2    4    6 DO15 DO5

BOD

8 DO, BODの平均値      0 蒸留水 荒川(‡憎

荒川匡噸

濁川(省路橋)      図一3.2         口         吻         ■   DO, BOD(mg/1) 0.1   0.2   0.3 DOI5 DO5 BOD O.4 DO, BODの標準偏差

(5)

考察した。蒸留水のDO測定結果をみると,平均値 8.Omg/1,標準偏差は0.1mg/1,平均値に対する標準 偏差の割合は1.25パーセントでありかなりよい精度が 得られる。BODの低い比較的きれいな千松橋の水で は,DO15, DO5とも標準偏差は蒸留水の場合とほとん ど変わらないが,比較的汚染されている省路橋の水で は,DO、5の標準偏差も蒸留水の場合に比べて1.5倍と 少し増加しており,DO5では3倍にもなっている。その 結果,BODの標準偏差は希釈した状態でも千松橋に 比べて著しく大きくなり,これに希釈倍率を乗ずると 更に大きくなる。標準偏差にはDOの測定における誤 差も含まれるが,BOD値が大きい場合にはDO5で試 料間にばらつきが生ずることの影響が大きく,汚染さ れた水の場合は,希釈操作等の試料調製の際に十分か くはんしても,ふ卵びんにつめる時にある程度の差異 を生じ,5日間のふ卵期間にその差異が拡大されると 考えられる。  BOD値の測定は試験回数すなわち,同一試料測定 数の多い方が望ましいことがわかる。比較的きれいな 水については標準偏差が小さいので信頼性が高いと思 われるが,千松橋,省路橋ともに,BODの平均値に 対する標準偏差の割合は10パーセントないしそれ以上 なので,通常,BOD測定値の信頼性はひとけた程度 と考えてよいものと思われる。また,希釈倍率による 差も当然生ずるが,本実験においては希釈倍率は1な いし2倍と低いため,希釈による影響は小さいものと みなし,今回は考察しなかった。 4. 試料の保存について  4,1実験方法  甲府市内のいくつかの河川水を試料として,市販の 家庭用電気冷蔵庫を用い,冷蔵保存(6°C)と冷凍保 存(−20°C)の2つの保存方法について,塩素イォン, アンモニア性窒素,生物化学的酸素要求量(BOD), 化学的酸素要求量(COD)の測定値が保存日数0日, 7日,14日でどのように変化するかを調べた。さら に,0∼7日間の冷蔵保存によるBOD, CODの変動 も調べた。  分析方法は,塩素イオンは「下水試験方法」28節モ ール法,アンモニア性窒素は,「上水,井戸水の分析」 のネスラー試薬による比色法,BODはJIS K−OIO2, CODはJIS K−0102100°Cにおける過マンガン酸カ リウムによる酸素要求量によった。  冷蔵保存と冷凍保存の2つの方法を比較してみる と,冷蔵保存の場合は生物活動による分解が行われる 温度であるのに対して,冷凍保存の場合は生物による 分解はほとんど期待できない。しかし,冷凍保存の場 合でも,試料を採取してから水質分析を行うまでに凍 結と融解の過程が必ずあるので,その際に物質が変化 することが考えられる。通常の場合,試料の保存は冷 蔵保存によって行われる。試料の保存についてたとえ ば「下水試験方法」には,“混合前および混合中の試 料は,通常3∼4°Cの冷暗所に混合が完了するまで貯 える。”2)あるいは「新版 水の分析」には,“微生物 による分解,酸化などによる変化を受けやすい成分の 定量に用いる試料水は,冷蔵庫,低温室などで5°C以 下の冷暗所に保存するようにする。”3)と説明してあ る。  4,2 実験結果および考察  試料の保存方法および保存期間により水質分析値が どのように変化するかをいくつかの検水について示し たのが図一4.1,図一4.2である。  図一4.1(a)(b)(c)(d)に関して,まず4.1(a)の塩素イオソ についてみると,塩素イオソは保存期間による変化 も,また保存方法による差異もほとんどない。塩素イ オンは自然界では安定でありあまり変化もしないし, 生物活動による影響もほとんど受けないために,この ような結果が得られたのであろう。これに対してアン モニア性窒素は生物活動による影響を受けやすいと思 われる。有機性窒素の分解によってアソモニア性窒素 が生ずる一方,アソモニア性窒素は硝化菌の働きによ り亜硝酸性窒素,硝酸性窒素に酸化される。図一4.1(b) をみると,省路橋と法印川の冷蔵保存でアンモニア性 窒素の増加が若干見られるが,その他の値は変化しな いかいく分減少傾向を示している。全体に変化のしか たは著しいものではなく,明確な傾向は認められな い。ただ,冷凍保存の場合は冷蔵保存よりも低い値が 得られるようである。

 有機物指標であるBODとCODについてみると,

これらの値は塩素イオンやアソモニア性窒素に比べて 大きな変化を示している。BODでは保存日数につれ て減少傾向を示しており,冷蔵保存と冷凍保存を比べ た場合,冷蔵保存の方がより大きな減少傾向を示して いる。CODでは逆に増加傾向を示しており,冷蔵保 存と冷凍保存では冷凍保存の方がより大きな増加傾向 を示している。BODにしてもCODにしてもいずれも 全有機物を表す指標ではなく,有機物の一部を表す指 標である。したがって,生物活動あるいは何らかの物 理化学的要因で分解が行われると,今までBOD, COD として評価されていた有機物の一部が分解されて

(6)

+省路橋(冷蔵保存) 一一Z一一省路橋(冷凍保存) +上町用水路(冷蔵保存) 一{ト上町用水路(冷凍保存) +法印川(冷蔵保存) 一△一法印川(冷凍保存) +住吉下水路(冷蔵保存) −JL一住吉下水路(冷凍保存) (mg/1)

 60

50 40 30 20 10 0 0 (mg/ハ    7  保存日数 (a)塩素イオン 14 。一,tfi−一

IhX−一

  保存日数 (b)アンモニア性窒素 (mg/1)  25 20 15 10 5 (mg〃)   15 10 5 0

 7

保存日数 (c)BOD 14 0 0

 7

保存日数 (d)COD 14 図一4.1試料保存期間と測定値の変化(各点は2回測定したものの平均である)(実験者 小林美咲) ミ 旦

8

9

国 2 0 ●BOD(1975年7月9日採水) OBOD(1975年6月25日採水) ▲COD(1975年7月9日採水) △COD(1975年6月25 H採水) 0 1 2      5     保存日数 (日)     (a)千松橋 7 16 ミ

旦12

Q

8

ゴ 8

8

4 Rt、 A−・ム..一      一一一一∼÷一一一 b’◇・∼∼一一          ,,−o        ∼(〉一 0 1 2      5     保存日数 (日)      (b)省路橋 図一4.2 冷蔵保存期間とBOD, CODの変化(実験者 小林美咲) 7

(7)

BOD, CODとして評価されなくなる一方,今までは BOD, CODとして評価されなかったいくぶん分解さ れにくい物質が,新たにBOD, CODとして評価され るようになる。だから,CODについては冷凍保存の 方が冷蔵保存よりも値が大きく,増加の程度も著しい ということは,冷凍保存した場合,今までのCOD成 分の分解はすくないが,より難分解性の物質が冷凍保 存中かまたは凍結,融解中に分解されてCODとして評 価されるようになるためと思われる。CODでは一週 間後の値の増加が著しいので,分析まで長期間保存す ることは避けねぽならない。保存方法としては即日の 値により近い冷蔵保存の方が適当である。BODにつ いてみると,保存期間を経るにしたがい値は減少して おり,その程度は冷蔵保存の方が著しい。この現象 は,冷蔵保存の場合,今までBODとして評価されて いた物質が生物活動の影響を受けて分解されるけれど も,今までBODとして評価されていなかった物質が 分解されて新たにBODの成分となる量が少ないため であろう。冷凍保存した場合は,生物による分解がお さえられ,また新たにBODの成分となる量も少ない ので,保存期間中のBODの減少量が少なくなってい るのであろう。BODに関しては冷凍保存の方がすぐ れている。  また,実際には,試料は一週間以上放置することも 少ないが,細菌試験やpH, DO等採水当日行わねば ならないとされているものがあるので,CODやBOD 測定は試料を冷蔵庫に保存して翌日ないし数日後にな る可能性が大きい。したがって,BODおよびCODに ついて0,1,2,5,7日間冷蔵保存した場合の変動状 態を測定した結果を図一4.2に示す。これらの値は試料 をおのおの5回測定した平均値であるが,CODのブ ランクテストは1回しか行っていないため,CODの 値には多少の測定誤差が含まれていると思われる。前 述の結果と必ずしも一致せず,明らかな傾向はつかめ ないが,一応の結論としては採水後1,2日でもかな り大きな変化を示している場合もありなるべく早く測 定を行った方がよいということはいえる。 5.む す び  河川汚濁状況調査などの採水に関して,より正確に その状況を知るためには,最も代表的な採水地点,採 水位置,採水時刻を選ぶこと,そして,迅速で数多く の測定および試料の完全な保存が望まれるが,実際問 題として,限られた労力,経費をこれらにどのように 配分しより正確iな状況把握をするかがひとつの課題で ある。それには,より代表的な地点,位置,時刻の設 定に関する考察も必要であるが,ここでは,分析方法 と試料の保存による誤差の生ずる程度について二,三 の考察を行った。分析方法については,SSとBODに ついてのみ考察した。どちらもそれ程高い精度は望め ないが,分析方法の異なる項目では,信頼性に関して もそれぞれ特色がみられた。  試料の保存方法あるいは保存期間については,塩素 イオソ,アンモニア性窒素,COD, BODについて考 察した。試料は大体冷蔵庫に保存すれば十分である が,BODやCODはなるべく早く試験すべきであるこ とが示された。 文 献 1)京都大学農学部農芸化学教室:農芸化学実験書(増補)  第1巻,p51−52,産業図書(1974). 2)西片武治:下水試験方法,日本水道協会(1964). 3) 日本分析化学会北海道支部:新版 水の分析,p35,  化学同人(1972).

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浮遊粒子状物質の将来濃度(年平均値)を日平均値(2%除外値)に変換した値は 0.061mg/m 3 であり、環境基準値(0.10mg/m

備考 1.「処方」欄には、薬名、分量、用法及び用量を記載すること。

(1) 建屋海側に位置するサブドレンのポンプ停止バックアップ位置(LL 値)は,建屋滞留 水水位の管理上限目標値 T.P.2,064mm ※1

5日平均 10日平均 14日平均 15日平均 20日平均 30日平均 4/8〜5/12 0.152 0.163 0.089 0.055 0.005 0.096. 

また、 NO 2 の環境基準は、 「1時間値の1 日平均値が 0.04ppm から 0.06ppm までの ゾーン内又はそれ以下であること。」です

この点について結果︵法益︶標準説は一致した見解を示している︒

スペイン中高年女性の平均時間は 8.4 時間(標準偏差 0.7)、イタリア中高年女性は 8.3 時間(標準偏差

都内の観測井の配置図を図-4に示す。平成21年現在、42地点91観測 井において地下水位の観測を行っている。水準測量 ※5