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日本佛教學協會年報 第14号 003近藤高晃「華嚴本經より見たる華嚴哲學」

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全文

(1)

華巌本経より見れる華厳哲事

華厳本経より見たる華巌哲麟?と題し、其の大要を説明するのであるが.今華厳本経と一再ふのは.六十容の大華巌離 を指して居るのである。華巌躍に新奮二語の存ずる中、特に六十唱の奮語大華巌経を、本研究の中心とする所以は. 爾語の封比研究から明かなるが如く、奮罷は新語に比し、未だ整備吐ダ﹂る貼を有し、叉其の重要部分に於いて、多少 扶けた賠は存するのであるが、其の器文の優麗‘文服の明確なる賄、宗教書として哲閣申書として、示唆するカ甚だ大 怠るものあり、漢語せられたととによって、原意を一層深めたるの観あり、只最初の大語として、事者が多く之を依 用して来たと一五ふ理由許りではない。此の賠から敢て本研究の中心として、此の程乞依用ぜんとするのである。次に 特に華蔵本経より見たる華厳哲組?と題する所以は何鹿にあるかと一再ふに‘従来‘華厳哲皐とは、彼の智償法蔵等の諸大 師の説く十玄践起無碍法門と云ふ、十種の範曙によって説明せられたる‘率的組織を意味して来たのである。然し、彼 の智償法臓等の諸大師が、か t A る準設を組織するにしても、華巌大経、特に六十省大華巌経に基いて、此の準設を立て られたのである。して見れぽ、六十各大華巌魁の中、何れの酷を根底として、か‘ふる闇申設を立てられたのか、即ち十

(2)

玄縁起無碍法門と一五ふが如き感設は.大経中の何れの賠に依って出て来たか、固より爾大師等の愚設によって、業の 最後の目標たる人生観世界観の虞相を把握すれば事足ると一五へぽ一一際中んではあるが、然し、事皐術の分野に於いては か a ふる畢説の根本義が、如何たる賠に淵源し、如何に稜濯して来たか‘叉内容が如何に展開して来たか友明かにし‘ 其の異相を知るととは.最も重要且不可眠たる仕事である。而して、か a ふる努カの結果に於いてとそ、業所に人生観 たり世界観・たりの異質の意味が、更に明かに把握ゼられるととにたるのである。故に、敢て此の疑問を解かんとしたの が今の研究である。・択に従来の研究方法を一民ふと、屡華隈本経を飴り震を・?に華巌事を説いて居先様ゑ賠もあった。従 って原典そのものの研究に就いては、多少足らざる賠の存したととは避けられゑいのである。故に余は寧るより原本 的たものに向。て謹むととを心掛け、党原典との封比研究から.本経を解るまで寵みとゑさうと努力したのである。 余の研究方法己にかくの如くでるって、一に本経を封象とし、其の中に汲み得、其の中に鷲見せる畢設を説明する賠 た る 十 種 の 範 噂 、 に就いて、特に華巌本経より見たる華厳哲嵐?と題したのである。然し−ながら、巴に述べたるが如く、華巌哲撃の根本 十玄門の原形左探るにあるのであるから、差首り今は其の根本思想の設明、乃至其の理解では友 39 ぃ.即ち其の純粋哲嵐ずではたく.其の準設の形式を求めて居るととは勿論である。

二、大華厳経の目的

然らば、先づ.大華巌経の目的は何所にあるかと一足ふに、二様に考へるととが必要である。其の一つは、原始的な 目的、即ち華巌回申徒が考へて居る原本的注目的で、 之は卸ち十地である。 に、菩薩が十大願を起し、十波羅蜜を修行する菩薩修詮の道程を、十階段に組織したものであって、之は菩塵として の備の一生の経歴を十匝分にして表して居る、所謂十大事巴白血

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然らぽ十地とは何ぞやと一 E へ ぽ 、 要する である。而して、之は叉菩薩としての

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悌のみに限らや・纏て備の如くならんとする.勤求菩提の一切の人々、菩提薩撞のそれでもある。従って華巌経の目 的乞かく見る時は、経題としての華巌の思宮ゐ吋回目白なるものは、西域の一種の控巌具、邸ち幾重かの階段を有する 一の巌具によって示さる与が如く.之はる一︿段階的なものを去すとととなり、話口薩行の戎第して修謹する謹に名づけ られるととは、一躍正しき設を方であるだらう。市して、之はの

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の語義を二一言語率的に説くものとして は正しきものに相還ない。然し訟がら、凡そ経題は一経の杢内容を短的に表現するととを目的とし‘法華経と共に此 の経の題目は全く属大たる書店職である.従って表面に表れた洩略の意義の外に、業の奥底に存ずる深蹴の本義を探り 金躍としての、異寅にして根本的た意義を解せる上に於いて、其の異質の意義を付せねぽたらぬのである。かくの 如くにして、華巌の

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−を只段階的注意義のもの位に取り置くととは、起源と幾多の護謹と佐内蔵する、か t A る大警鴎の経題乞五解する所以ではないと思ふ。然らぽ其の異質義は如何と云ふに、成る程、華巌皐徒が長い間に 個 K に述作した、各々の経設から一足へぽ.上述の如き原本的注意義でよい。然し、之等の諸の述作を集成編述して. 一個の性格を兵へた一大経典として終つては、原本的友目的は決して失れて怒った理ではないが、自ら其の重賠とす る所は襲。て来たのである。然らぽ何う嬰ったかと一区ふに.最初、苫口一陸選としての十地を設くととから、此の十地の 中の最後位たる第十地に於いて‘菩躍最後の智境界左説くととに襲って来たのである。菩薩最後位の智境界とは何か と一足ふに、其れは所調蓮華蔵世界である。即ち十地を説くととから之笠通過して、詮入すペき最後の畳の境界を詑︿ ととに、業の目標が嬰って来たのである。目標がか主うに移動して探ると、華践は即ち雑華巌節、雑華を以って巌飾 せられたるもの、即ち蓮華蔵世界の義に外怒らたい。故に華巌経とは、所謂雑華を以って巌飾せられたる、蓮華顕世 界を説く経典と一広ふととになるのである。

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三、蓮華蔵世界の意義

蓮華戴世界とは、叉蓮華蔵珪巌世界

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何 回 問 時 四 U H 6 4

志 向

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間宮でるる。其の中、蓮華とは何かと一民ふに、 之に滑滞と本兵とのこ義がある。経に﹁静なるとと蓮華の如しヘ﹁世法に染せ歩、蓮華の水にあるが如し﹂等と一足 。 。 。 。 。 。 。 ふのは‘清揮の意を表し、叉﹁明滞日の如く愛水を泊掃し、一切衆生の蓮華を開敷せしむ﹂等と一足ふのは、本兵をま して居るのである。而も蓮華には、﹁脊賀赤白等の種 k の色の蓮華があるのに特に紅蓮をとり己かくの如くにして、 蓮華は無垢無染にして、本来衆徳を具する、吾人衆生の心地を表して居るのである。鮭巌とは金・銀・瑠璃・幡蓋・ 光明等であるが、之等は凡て心の諾の功徳を轍設して居るのである。故に蓮華擁世界は、種 k の功徳によって控巌せ られたる清掃柑心の世界である。一・万から一民へぽ、無哉の心水に影現せる賢相世界、真理の世界でるり、華巌態徒は之 によって自己の抱懐する哲串、印ち相関哲墜を表現せんとしたのである、国より華巌皐徒は、諸法の個 k の農相を究 41 明ナるは勿論であるが、之より一歩謹んで、か L る諸法個々の聞に横る、無量の闘係を明かにせんとして居るのであ って‘此の酷から、私は常に華厳哲墜を相関哲皐と呼んで来たのである。今此の蓮華戴世界は、此の哲撃を品開設して 居るのであるから、之は華巌哲墜の園式でるると一足ふてよい。又一方から一匹へぽ‘善の世界であり、美の世界であ り‘大乗の菩薩が、現賓の世界に即して見出した、最後の理想世界である。市して、今日唱へられて居る金躍主義的 世界観、叉は八紘一宇の世界観とは.其の鷲足賠と深さに於いて多少異はるるが、其の結果に於いて目標とする所は 同一であり、寧ろ其の根底を説いて居るのである。大一束備設の最後の目標は、成就衆生、持備園土ではたく‘持僻園 土成就品誕生である。個人本位ではなく、園家を本位とするのである。此のととは金盟主義世界観乃至八紘一宇の世界 観と、此の哲間半との関係を見る中に明かにするのであるが、兎に角大乗の監口塵は此の哲畢乞根本理念として、

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其の様相を建へつ t A ある融合国家の中に、之を質現ナペく努力するのであって、菩薩としての本領が此所に存して居 るのである。即ち此の酷から、此の哲串とそは費る中にあって常に饗ら古る新世界樹立の根本理念を輿ふるものたの で あ る 。

然らぽか L る世界観は、本経の何鹿に設かれて居るかと一五ふに、前に趨ぺた様に、此の世界観は、菩醸の十地を設 き終って露骨﹂る‘最後の智境界であるから、種 K の形の十地あれば、凡て其の中に説かれる替である。賓際本経の中 に於いては、種 K の名相と意麓とにて、種々たる部分に設かれて居る。然し其の中最も高調する所は、第一には.十 地品第十法霊地の、﹁益一切智位三味﹂の中に説くのである。第こには、形は異つでも業の趣意を同うする、入法界 品の踊勃棲観の下に設を.第三には、本経の序品に相官する、初の二品の中に設含明かし、此所に其の最後的見解を 越べて居るのである。

今此所で序品と一五ふたのは、本経の第一の世間滞眼目聞と.第一一の慮遮那備品とを合して、一品と倣して一足ふて居る のである。此の中、第一品の中に、世間時限と一足ふのは、八十経には世主妙巌と怠って現れ、虚遮那悌を意味して居 る。従って六十経は、第一第二の雨品乞合して、屋建那備品と云ふも決して差支たいのである。八十粧に従へぽ此の 二口聞の所は、如来現相品、普賢三味品、世界成就口問、華擁世界品、車建那備品の五口聞となって居る、勿論之等の直分 に相臆した内容は見出し得るにしても、之等は根本的、必然的た匡分ではたいから、之等を固執する必要は友い。然

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らぽ此の部分は、如何友る内容を盛って居るか、組措的に一瞥して見ると、此の部分は.備説法の道場たる麗巌棲閣 と、備を中心として十方より来舎せる諸の菩醸及び諸天一紳等の集舎の憂茶羅とを措き‘之等の謹ロ寵及び天紳衆は.戎 々に悌と悌所設の法、及び其の本性、諸法聞の関係等を讃歌の中に設明し、報身としての慮建那備の浮土たる蓮華破産 巌世界を説き、之等の賠が原作よりも甚だ捷大高調せられた様であって、斯くの如き事情が原作の本国日を隠蔽して、 却って本経金髄の序文の如き形式を兵へるに至ったので、私に此の部分を序品と名づけて居るのである。然したがら 巳に経典論の部門で述ペた様に、華巌串徒の諸の述作には仔細に融検して見ると、自ら一定の型があり、此の型から 。 。 。 。 。 。 推して考へると.此の部分のを睦は、元来普賢菩薩が上首とた h y ,如来の前に於いて一切如来浄藤三味正受︵八十 組、一切諸悌見慮遮那如来競身三昧︶に入 h u .購て此の一一一昧より超って、十方世界より来合せる諸の菩薩衆の需に、 此の蓮華競控隈世界海に十種の事ありとて、此の世界海を十種の観賠か九説明すると云ふ趣旨の下に謹作せられたも の で あ っ て 、 一 E はど﹁伸設十世界海経﹂とも一再ふべき小遺作と考へるのが誼首である。而して、斯くの如き小越作の 序文の部分、部ち悌菩薩集合説法の所.部ち控巌棲観或は如来説法の費相とも一五ふペき部分が甚だしく揖大せられ、 叉主文たる十世界海設の後の部分が甚だしく捜大せられ、然も斯くの如雪捷犬延長せられた部分が、却って内容豊か に調者の心を駆って、探玄雄大たる娃巌世界に誘引するかの如き観を呈するに至ったのである。 次に此の菩麗をして三味の中に想見せしめる理想世界としての蓮華積世界たるものは、元来多くの経典の最初に書 かれた悌菩蕗集舎の法堂或は棲観であって、之が吹第に揖大せられ其の欣景が説明せられるに至って、遂にか L る 世 界観となったもので、之が華巌畢徒の諸の連作の中に於いては‘大華厳経の序品の部分陀於いて、業の頂酷に達して 居るのである。然しながら、此の部分の原形乞推考する時は‘華巌聞塑徒は、大華巌経編趨づっと以前に十世界海設を 説いて、十種の観賠から、彼等の理想としての蓮華蔵世界中ピ説明して居たのであって、大華巌鰹編諸の際に、十世界 43

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海詑友華殻忠想の本韓として之を附加したものではなく、既存の小諸作そ織り込めるものと考へるのである。而して 之怒る十世界海とは、即ち蓮華蔵世界を能寄部門として‘其の根本目的とする所寄費、即ち相関世界観、或は相関哲撃 を説明ぜんとして立てた十種の範曙なのである。只其の十種の一々にも‘種 K の項目があって、然も之等は皆一 鳴を以って表はされて居るから.此の部分を十分研究し‘叉経杢躍の思想を組合整理して考へて居喝ないと、此の十種 の虞精紳も完全に捕捉し得たいのである。巴に見たるが如く、比の十世界海は大華最哲串に封ずる十種の警設であっ て、叉最後的に最もよく整合せられたものであり、大華巌哲撃は金曜として此所に具現せられて居 結論.或は要約が此所にあるととは事も疑ないのである。従って若し此の大華巌経を前にして、華巌哲閥単左組織せん とすれば.先づ第一に此の十種の範惇たる十世界海を取り上げ‘之左整理研究し、之を中心とし之を基礎として、之 に一躍中に散在して其の根本思想乞表現して居る.幾多の文献を集めてか L らねばならぬのである。勿論経る一種を含 味した上、何れの部分にも固着せ守、極めて自由な立場に立って論詮するととは、決して不可とは一民ひ得友い。被の 華厳哲壌の聞.智儲賢首の二大皐匠は、華巌閥単を十玄縁起無様法門と一足ふ、十種の範臨時乞立て ムのであるが、然し、之等の二大塵匠は、十玄門左立てられるにしても、極めて白白な立場に立って、一経会髄左背 景として之乞設明し、文詮を引くにしても‘此の十世界海の章下より取るは勿論、買く一経の所々より自由に取り来 って、説明宏試みて居らる L のである。故に筆者も最初は、十玄門と十世界海とは、杢く無関係の如く考へたのであ った。然しだん/\研究して見れぽ見るほど、之は蓮華蔵世界の十種の範噂であって、全く同一趣旨のものであり‘ 十玄門の章下に引用する経文、並に土︿の意義と‘十世界海の意下に出づる経文、並に主︵の意義とを比較研究すればす るほど接近して来て、十玄門誌の原形は、名は異るにしても、其の内容からして、早くから此所に設かれて居たとと が 、 ム 次 第 に 強 く 感 ぜ ら れ る 践 に な れ J た の で あ る 。

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穴、蓮華蔵世界の構想

本稿の底本となれる最初の草稿には、新奮二課の蓮華蔵世界の構想に闘する部分を封比して研究を進めて居るので あるが、今は之左略し、其の劉比に基き、其の要賠を記すととにする。其の軒比の第一一は、此の蓮華離世界は、何人 が何故に成就したかであって、之は昆畳遮那備が過去に於いて大誓願を起し、之に基いて菩陸行を修行した詩に‘其 の結果として成就したのであると云ふのである。主︵の第二は、此の世界海は何に依止して存在して居るかでるって、 六十経に従へば、﹁平等﹂等の十種の風輸を初とする、無数の風輸の上に依止して存在し、業の最上位の風輪は勝離 と一再び、業の上に﹁一切香水海﹂あ h 九万も八十経に従へば、六十躍の一切替水海は、並日光摩尼斑巌と名づくる‘ の香水海と取られ少分の相遣はるる。然し兎に角香水海あって、其の中に香障光明証巌と名づくる一大蓮華あり、其 の中に無数の世界海ありと云ふのであって、之を組合して一五へぽ、先づ風輪あり.英の上に香水海あ

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. 業 の 中 に 一

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、此の一大蓮華の中に包蔵せられ、安立して居る無数の世界海、之等を一括して蓮華賠娃巌世界海と説く のである。其の第三は、此の蓮華賦荘巌世界の中は何うたうて居るかである。経に従へぽ、此の世界海の四方には‘ 金剛園山或は大研迦羅山︵八十経、金剛輪山或は大輪園山︶ありて、之等の世界海を園語して居 h九其の中の大地は 無敢の荘巌兵によって珪巌せられ、大地の中には無散の香水海あり、一 K 香水海には叉無数の香水河が四方から注が れ、之等の香水河は備の白書相から出て居ると一足ふ。但八十経は此のととを設か示、只﹁右旋して園謹す﹂と説いて 居る。而して之等の香水河の中間も・大地の如く種 k に荘厳せられ、是の如き香水海の中には無数の悌園土あり、一 々悌閤土の中に叉無裁の園土がある。之等の圏土は各々蓮華・無量色蓮華、員珠費、諸費網、種々衆生身、悌嘩尼費 等に依住し、須摘山・河・輔・旋流・輪樹・棲翻・雲網等の種 k の形をたして居ると一広ふ、之に相嘗する部分を八十

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揺に就いて見ると、之等の世界海はも其の依佳ハ或は所依住︶、瞳性、方所︿或は方面︶趣入︵或は十方普趣入︶珪 巌・分費・行列・無差別・カ加持︵或は一切備紳カ所加持︶を異にして居り.之等の中に於いて依住ずるものは大蓮 華、無量色蓮華、一一切虞珠賦賓理培、香水、一切華、摩尼費網、旋流光、菩薩費旺巌冠、種々衆生身、一切錦音盤摩 尼王たりとし、業の形は須繭山形、江河形、廻轄形、旋流形、輪網形、壇埠形.樹林形、樟観形‘山崎形︵或は戸羅 噛形﹀普方形、胎蹴形、蓮華形、仕勃迦形、衆生身形、雲形、諸悌相好ハ或は働相形︶園満光明形.︵或は闘光形、 種々珠網形或は網形︶一切門閣形、諸旺巌具形であり、支の程とする所は、十方摩尼、衆色焔、諸光明、費香焔、一 切費控最多羅華、菩薩像‘諸悌光明、伸色形、一賓光、衆費光、一切衆生幅徳音盤、一切衆生諸業海音盤、一切併境 界清海菅聾、一切菩蕗大願海管盤、一切悌方便管聾、一切剥碇巌兵成壊音盤、無謹備管聾、一切備費化菅聾、一切衆 生善菅盤、一切悌功徳海清持管聾等たりと一民ひ、十事の中他の七事を省略して居る。以上を以 中の世界の聞置及び其の十事が詑かれたのである。 戎に其の第四は、今誼は蓮華競世界の上に無数の世界

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日 、 各 K の世界は‘叉無数の世界によって国語せられて居 るととを示し‘平面的に配置せられた、諸の世界海を説いて来たのでるる。之から下は、彼の蓮華蔵世界海の平面の 上にある、無数の香水海の中に一香水海あり︵八十躍に従へぽ中央に位するものとす︶紫光明︵八十経、無謹妙華光︶ と名づけ、其の上に清持費網光明︵八十経、普照十方賊然賓光明︶と名づける世界あ

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、中に伸あって離垢浄眼贋入 ︵八十経‘滞眼離垢燈︶と名づくと一再び、此の世界の上に、雑香蓮華臨妙症巌圏を初とする無数の世界あり・八十経 に従へぽ、上方第十三番目の世界が婆婆世界であり‘之が毘麗遮那悌の所住鹿たりと一 E ひ、之等の上方に配置ぜられ た世界の十事も・植に聞置せられた諸の世界海の十事と同一であると一回ふて居る。かくの如︿にして、上方に向。て も.縦に無数の枇界があるととを示して居る。

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次に其の第五は、先の縦の世界海の最上位にある世界の其の上に‘叉漸共に無敢の香水海ありと一足ふて居るが、八十 躍に従へば、先の無撞妙華光香水海の束に離垢焔識と一五ふ香水海あり、此の上に、二十世界を初とする無数の世界あ h p .英の最初の香水海の甫に叉香水海あり.無重光明輸と名づけ、此の上に叉二十世界乞初とする無数の世界あ

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. 此の最一初の香水海が右旋した所に叉香水海あり.金賀焔光と名づけ、此の中に叉二十世界を初とする無数の世界あ

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とし‘之より下位常に最初の香水海の右旋せる所と一再び‘或は其の外と一再ふて居るのである。此の賠新奮二韓は明か に相違して居るのであるが、新語の方は縦の世界の各々の周聞にも無数の香水海あり、無数の世界海があるととを説 いて、奮韓よりも了解し易いのである。斯様にして、此の部分は縦の世界の周閣にも無数の香水海あり、此の上に無 数の世界海があることを説いて居るのである。市して、かくの如く吹上に叉世界海徴塵敢の香水海及び世界性あり二 方の如く十方亦復斯くの如く‘ ﹁之﹂は屋建那備が常に法輸を轄する所たりと説いて居る。之に封して八十経は﹁是 の如くの十不可設備剃徴塵教の香水海の中に‘十不可設備剃徴庫教の世界種あり、皆一切の菩薩形を現守る、摩尼玉 瞳をもって荘厳せる蓮華に依止して住し‘各々賠償際間断あるととなく、各 K 賓色光明を放ち、各々の光明襲両も其 の上を覆

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.各々控巌具あり、各々胡差別あり、各 K 悌出現あり‘各 K 演 法 海 あ り 、 各 − R 衆生遍く充満し、各− K 十方 普く趣入し、各々一切備の紳カの加持する所たり、此の一一世界種中の一切の世界は種 k の荘厳によって住し‘握相 接謹世界網を成じ、華蔵店巌世界海に於いて、種 K に差別し周遍し建立す﹂と説くのである.之より以下に叉愛見善 慧王と‘普荘厳重子の記事を見るのでるるが、世界海の配置に関しては、之を以って絡を台げるのである。其所で、 以上の蓮華蔵世界海の構想の説明には、新蓄用語に買狭の差別あり、存続あり、叉細分に於いては種 k の 相 違 あ り ん 一 見る可き鞘も相嘗にある、従って細分の所は相違しても、互に一致する大極の構想が重要た部分なのである。斯様に 新醤二諒の一致する大慢の構想は、﹁風輸の上に香水海あり、 し て . 此の上に一大蓮華あり、 此大蓮華の中に於い

4

7

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て‘十方界に無数の世界あり、此の一々の世界を中心として、十方界に叉無数の世界海あり・一大世界潤を形成し、 之等金瞳を了として蓮華麗世界と名づけるのである。而して之等の世界網、即ち世界海の意義乞説明するのが却ち俊 界海の十事である。然らぽ、か a A る十事は如何なる意味を持って居るか、之を研究して、世界網の意義を尋ね、而し て後、如何にしてか L る構想を明すに至ったか、業の経過郎ち臆史をも考へて見たいと思ふ。尭づ世界海十事に闘す る新醤二語を封比すれば左の如くである。 六十経 一、菌兵因縁世界海 世界海 五 、 珪 巌 六 、 清 揮 世 界 海 七、如来出世世界海 世界海 二 、 住 一 ニ 、 形

八、劫

世界海十事項目の比較

で十事名

八十極 世界海 世界海 世界海超具因縁 世界海所依住 世界海形放︵或相︶ 世界海間性︵或腫﹀ 世界海 世界海荘厳 世界海滑浮︵或方便海﹀ 世界海悌出興 世界海劫住 世界梅却轄費差別

(12)

O

、壊方便 世界海 起 日 持 悶 紘 世 界 海 、如来神力故 、法臆如是故 三、衆生行業故 四、一切菩薩臆得無上道故 五 、 普 賢 菩 薩 韮 口 根 故 六‘菩薩巌持備士願行解股自在故 七 i¥

九、如来無上善根依果故 一

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、普賢菩薩自在願力故 =、佐世界海 一、依一切旺巌佐 二、依虚室住 一 二 、 依 一 切 賓 佳 四、依伸光明位 五 、 世界海無差別門 如来紳カ故 法臆如是故 一切衆生行業故 一切菩薩成一切智所得故 ︸切衆生及諸菩薩同集善根故 一切菩薩巌滞園土願力故 一切菩薩成就不退行願故 49 一 切 菩 薩 清 四 即 時 解 自 在 故 一切如来善根所流及一切諸備成道時自在勢力故 普賢菩薩自在願力故 依一切控巌住 依虚空住 依一切賓光明住 依一切悌光明住 依一切賢色光明佳

(13)

ム J 七、依幻業佳 八、依摩罰那伽金剛力士山卓中位 JJ 一

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.依普賢菩陸願力住 三、影世界海 一 、 方 二、国 、非方園 四.如水洞複 五 、 ム ノ 七、如華形

1

J 九、衆生形

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回、韓世界海 一 一 切 費 旺 骸 臨 依 一 切 悌 一 音 盤 住 依如幻業生大力阿修羅形金剛手佳 依一切世主身住 依 一 切 謹 口 薩 身 佳 依普賢菩薩願所生一一切藍別班巌梅住 方 園 非国方 如水瀧形 如山焔形 如樹形 如華形 如宮殿形 如衆生形 如悌形 以一切賓荘厳詩時

(14)

一 費 韓 四 五 ‘ 六、金剛堅田地盟

七 .

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.日珠輪控

一 一 三 衆 香 臨 一 四 、 一 五 、 一 六 、

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一 八 、 一 丸 、 以一費種々荘厳詩盟 以一切費光明詩髄 以 種 k 色光明詩睦 以一切荘厳光明話位 以不可壊金剛詩瞳 以伸力持常時 以妙費相錆館 以 働 時 潤 化 措 鰭 以日摩尼輪詩盟 以極徴細賓詩盟 以一切費焔錆程 以種々香詩館 以一切費華冠潟盟 以一切費影像詩盟 以一切荘巌所示現詩盟 以一念心普示現境界詩館 以菩薩形賓詩臨 以賓華蕪詩臨 51

(15)

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玉、揺最世界海

一 切 境 界 種 k 雲居巌

一切世界衆生行業娃巌

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.三世諸悌及普賢菩薩闘力荘田町 六、清浄世界海 一、菩薩親近善知識成就諸善根 二、等利一切衆生 四 五、持浦一切諸波羅宜 以 悌 言 一 膏 詩 龍 以一切悪巌具中出上妙雲荘巌 以設一切菩薩功徳賠巌 以読一切衆生業報店巌 以示現一切菩塵願海荘巌 以表示一切三世悌影像荘厳 以一念頃示現無謹劫紳通境界荘最 以出現一切伸身荘厳 以出現一切賓雲妊巌 以一示現一切道場中諸珍妙物光明照耀碇巌 以 一 示 現 一 切 普 賢 行 願 旺 慣 諸菩薩親近一切善知識同善根故 増長庚大功徳雲遁法界故 浮修買大諸勝解故 観察一切菩薩境界而安住故 修 治 一 切 諾 披 羅 蜜 悉 間 四 浦 故

(16)

六、安佐一切行地 七 ]¥ 九

0

七、如来出世世界海 一 、 有 伸 興 佼 色 身 一 示 現 遍 満 法 界 二、或短寵或無量対 一 一 一 、 四 五 、 ︸ − 、

h ノ 七 i¥

0

八、朝世界海 一、帥剥梅或佐不可数却或住可敷却 観察一切菩薩諸地而入住故 出生一切碍願海故 修習一切出要行故 入於一切荘厳海故 成就清滞方便力故 現小身 現大身 現短需 現長書 唯巌

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一 一 仰 園 土 有巌得無量働土 唯 額 一 不 一 一 燕 法 輪 有顕示不可思議諸乗法輪 現調伏少分衆生 一 不 調 伏 無 謹 衆 生

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(17)

一 一 ・

五 . ム J 七 i¥

丸 、 ︵ 世 界 海 朝 輔 璽 差 別 ︶

二 、 ︵ 六 十 組 紙 ︶

六 五

1

七 J¥ 有阿借越却住 有無量却佳 有無謹却位 有無等却住 有不可敢却住 有不可稽却住 有不可思議却住 有不可量却住 有不可読却住 法如是故世界海無量成壊却轄建 染 汚 衆 生 住 故 世 界 海 成 染 汚 却 柑 時 修債大幅衆生故世界海成染持拍輔境 信解菩薩住故世界海成染滞却輔同盟 無量衆生種菩提心故依界海純清海拍輔時現 諾菩薩各々遊諸世界海故世界海無漣荘巌却轄壁 十方一切世界海諸菩薩雲集故牧界海無量大荘厳却轄礎 諸傍入浬繋故世界総荘厳誠幼時費

(18)

九 諸悌出現於世故一切世界海贋博隈浮却持費 如来神通唆化故世界海普清持制輔費

0

O

、壊方便世界海

一々役界海中有世界海微塵数位界無差別 一 − R 世界海中諸悌出現所有威力無差別 一 K 世界海中一切道場遍十方法界無差別 二 、 ︵ 六 十 経 訣 ︶

四 一 K 世界海中一切如来道場衆合無差別 五 、 一々祇界海中一切悌光明遍法界無差別 一 k 世界海中一切備費化名競無差別

− ノ 七 一々世界海中一切併記目撃普遍世界海無議却住無差別 55 )¥ 、 . 一々世界海中法輪方便無差別 九 一 K 世界海中一切世界海普入一車無差別 一 K 世界海中一身被鹿一切三恢諸備世傘庫大境界皆於中 現無差別

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八、世界海十事に閲する新奮二語の異同

先づ前記の世界海十事の項に就いて雨龍の相遣を見ると、六十経の起兵因縁は、八十経に於いても同様に超具因縁 であり、住は所依住とたり、形は形肢とたり、障は瞳性、荘巌は同じく荘最、清持も亦同じく清持、如来出世は伸出

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興となり、却は却住となり、却時勢差別は六十経に欠け、壊方便は八十経に無差別門となって居る。然るに六十趨に 段、八十経にたい設世界海と諸伸子世界海とのこ項がある様に見えて居り、叉六十経は八十経の却輔費差別の一項目 を歓くのである。此の一一一者の中却輔費差別と一広ふのは、確かに六十鰹に訣けたものであるととは、此の酷に闘する経 文を見れぽ直に了解し得るのである。,択に設設界海と一五ふのは、探玄記にも出て居り、諸伸子世界海と一足ふのは探玄 記には出て居ない。然し何れにしても‘新奮用語を比較して諌んで見ると、二つながらなくてもよいものであって、此 所に原文の讃み方に少分の誤認があり、之を放置して疑はたかったのである。従って、此の部分が本経の最も肝要な 部分であって、本経は此の部分から設かねぽならぬととを見逃し、此の世界海の十事が、本経の根本哲事を説明する 十種の範轄であって、伎の十玄門に比すべきものであるととに気付か・なかった様に思はれる。一韓、起具因紘世界海と 一広ふのは、後に述ぷるが如く、十世界海の中にあって鵡設に相官するのであって、第二以下の項目が別設に相官する のである。従って起具因縁と一足ふ一項が最初に置かれ‘之より上には何等の項目も必要友いのである。叉各項七乞贋詑 するに嘗つでも、読世界海の事は出たいし.問る必要もなく、全く之は十種の背骨の中に入るべき性質のものではた い。其所で、経に首って精細に讃み直して見ると、六十経に﹁伸子世界海有−一十種事↓去来今悌之所ニ演説﹁所調、設依 界海、起兵因縁世界海一広々﹂とあるは、八十経には﹁諸伸子世界海有ニ十種事一過去現在未来諸備己競‘現説、官レ説、 何等詩レ十、所謂、佼界海超兵因縁‘一再々﹂とあって、六十経の﹁説世界海﹂を、十種事の中の一項目と倣す様に諌 んで居ないし・原文に誤があった様にも考へちれる・若し原文に誤なしとすれば.か L る讃み方も遁正を依く様に息 はれる。少くとも漢語が誤られ易い様に出来て居るとも取れるのである。其所で、六十経の﹁所調設世界海﹂と一民ふ のは﹁十種の事は三世の伸が説く所寸あって、所謂﹁之︵十種の事﹀で﹂世界海を設いて居るのである﹂と一再ふ意味に 叉所謂枕界海左設くに起具悶韓伎界海、住世界海あり﹂と一五ふ様に讃むのであるかも知れ友い。 謹む方が誼正であり、

(20)

恐らく語者もそう一式ふ考でなかったか正も思ふのである。何れにしても、之は十種の事の中の一項とはなし得ない。 弐に六十経に、諸悌子世界海と一五ふのがある様に見られるのは、八十経にはたく‘六十経自身も由開設に於いて設明せ で第十の壌方便世界海の如く・説明を略したものではたい様である。特に六十組に﹁諸備え位界海ず出 ν 是 車 十 一 也 事 − 詩 レ 首 、 乃 至 有 二 世 界 海 塵 数 種 事 一 諸 伸 子 嘗 レ 知 一 五 k ﹂とあるを、八十経には﹁諸伸子略説二世界海一有ニ此十種事一若 贋読者興二世界海微撞毅一等、過去現在未来諸伸、巴説、現設、営説、諸悌子云々﹂と詩し、六十粧の﹁諸悌子、世界 海 有 子 如 ν 是 等 十 種 事 乙 と 一 五 ふ の は 、 八 十 経 の ﹁ 諾 伸 子 略 説 コ 世 界 海 一 有 − 一 此 十 種 事 − ﹂ と 一 足 ふ の に 相 官 し 、 十事中の一項 目としての﹁諾伸子世界海﹂ではたく、 ﹁諸倒子工仕界海に﹂と讃むぺを所である。故に勿論議み方に酒正を紙くと とから、斯様に見えただけである。実所で残る所は十事の中、八十経に却轄嬰差別と一五ふのが六十経に訣くだけとな る。而して、六十経は最後の一項目を買設せ守、従って歓けた却韓費差別の一項目と合して、二項目だけ細説したか ったのである。故に此の黙は只八十経によって楠ひ、研究して置かねばたらぬのである。巳に新嘗二詩を比較して. 世界海十事の項目を整理したのであるが‘然らぽ之等一々の項目は、表面上、更に其の背後に於いて、如何たる意味 を包蔵して居るかと一再ふに、之等は悉く比轍でるって、換言すれば、宗教樫験の言葉で表現して居るのである。故に 其の民意を解するには、之等の比鳴を説き・か a ふる宗教関験の一言葉によって覆はれたる筆者の心を捕捉せねぽたらぬ のである。其所で之等十事の一 k の項目友研究するには、先づ此の経が随鹿に如何なる比轍を用ゐて居るであ一らう 一陣研究してか L らねばたらぬのである。

5

7

か、そして之等の比轍の異賓義は畢究如何に断ヂべきかを、

丸、華巌経の比喰と共の本質

本経は経題巴に大比喰であって、全容比聡を以内 J て設いて居るのである。従うて鳴語を一々畢げるととは到底不可能

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である。然し斯くの如き比鳴の買意義を理解する矯に、若干の経設を翠げて之を説明し、其の結論を見たいと思ふ。経に 悌 子 、 警 如 コ 三 千 大 千 世 界 ↓ 非 ニ 少 因 縁 成 ﹁ 以 ニ 無 量 因 縁 日 乃 能 得 レ 成 、 所 謂 、 興 コ 犬 雲 雨 一 国 レ 四 、 一 名 目 レ 持 、 能 持 二 大 水 コ 一 名 コ 漸 泊 ↓ 漸 泊 二 大 水 ↓ コ 一 名 目 レ 起 、 起 コ 諸 底 所 一 四 名 一 一 控 報引如レ是四種皆衆生業報、及諸菩薩善根所 ν 起、伸子、如レ是等無量因縁乃成三二千大千世界↓法如レ是故、無レ有二作 者 − 亦 無 二 成 者 引 如 来 臨 供 等 五 莞 亦 復 如 レ 是 、 非 ユ 少 閃 縁 成 一 以 二 無 量 因 縁 − 成 、 等 五 魔 町 二 興 於 二 過 去 無 量 悌 所 − 間 二 受 正 法 甘 露 大 雨 一 因 レ 是 能 超 コ 如 衆 四 種 風 輪 一 何 等 需 レ 四 、 一 者

E

念 持 智風輪、能持コ如来一切法雨↓二者止観如来大智風輪、悉能泊三減一切煩悩コ二者主口趨向如来大智風輪、成二就一切功 徳 善 根 一 四 者 出 ニ 生 離 垢 諸 荘 巌 法 − 如 来 大 智 風 輪 、 皆 令 ↓ 一 家 生 諸 根 清 浮 ﹁ 相 好 荘 厳 如 来 無 漏 一 一 ︵ 大 正 九 、 六 一 一 三 = 一 。 大 豆 一

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、 二 六 一 ニ 二 一 υ 無 レ 有 − 一 作 者 − 亦 無 ニ 成 者 一 と説く所に従へぽ、此の世界は持と漸治と起と賠陣取と内四種の風輸に依止して成立する。郎、一風輸の上巳水輪あり、 水輪の上に大地あり、大地の上に衆生の業報による諸の荘巌ありと一五ふ、世界成立の基礎的考と、之を比除として悌 出興の因縁乞明かし、悌も念特と止観と消滅と荘巌との‘上の風輸に喰ふべき、四種の如来の大相官を因縁として、世 に出興するとと友明かにして居るのであって、従って此所に風輪と一五へぽ、物理世界の基礎としての、前述の如き四 種の意義友有するものと考へると同時に、此所に同づる民意義は、亦前述の如可決一四種の意義左共へたる、如来の大智 在指して居るととを知らねばゑらぬのである。弐に叉経に 睦 言 如 下 有 二 四 風 輪 一 依 二 虚 空 一 住 能 持 市 水 輪 上 何 等 話 レ 回 、 能 持 三 大 地 − 令 レ 不 二 散 壊 寸 是 故 設 二 大 地 依 二 水 輪 ブ 水 輪 依 − 一 風 輪 ↓ 風 輪 依 二 虚 空 三 盟 主 無 二 所 依 一 虚 大千世界市得二安佐一如来臨供等正受亦復如レ是、依三如来起ニ四種無醍大智風輪ふ恥持二切衆生善校一何等詩レ四、所 所 謂 、 安 住 ‘ 不 動 、 常 住 、 堅 田 、 是

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謂 、 揖 コ 取 衆 生 一 皆 令 コ 歓 喜 − 大 智 氏 輪 、 分 コ 別 諸 法 4令 二 衆 生 J 矯 求 一 大 智 風 輪 、 守 二 護 衆 生 一 切 諸 口 根 一 大 智 風 輪 、 決 エ 定 了 三 知 無 漏 法 界 大 知 日 風 輪 、 是 名 二 四 種 大 町 四 百 風 輪 ↓ ︵ 大 正 九 、 六 一 四 、 一 ﹀ とあるによれぽ、安住、不動、常住、堅固の四風輪あって虚空に依住し、水輸を持

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.水輸は大地を持して居る。即 ち此の世界は宏一風水地の順に上方に建立されて居る。斯くの如く如来も亦、時取、分別、守護 B 決了の四種の大智の 風輸を起して、能く一切衆生の善根を持すと云仏、之も亦前文の如く.夙輸が此の世界の根底となって居る様に、如 来の大智は一切衆生を成就して居るととを一不し、風輪の買賓義政同じく如来の大智を指して居るのである。叉経に 衆 賢 樹 依 ν 虚 空 無 コ 所 依 一 水依ニ風輪一住、 地依二於水輪↓ 智輪依二如来円 慈悲依二智慧一 功徳依ニ方便− 法白河無ニ所依 ハ 大 正 九 、 六 一 五 、 三 ︶

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害 如 下 樹 林 依 レ 地 有 而 其 虚 空 無 申 所 依 上 地 依 二 於 水 一 得 レ 不 レ 壊 水 輪 依 ν風風依レ室、 切 伸 法 依 ニ 慈 悲 一 慈悲復依ニ方便ニリム 方 便 依 ν 智 依 レ 慧 無 擬 慧 身 無 二 所 依 一 とあるによって見れぽ、水は智輪、風輪は如来、地は慈悲、水輸は叉智譲、衆費樹は功徳、地は又方使、虚空は無所 依であって法身に轍ひ、之に相嘗する八十経の文に従へぽ、樹林は一切伸法とたり、地は慈悲‘水は方便.嵐は智. 症は議.虚空は慧身に喰へるものの如く、組合して一再へぽ、水は智、或は方使、風は如来或は水、地は慈悲、或は方 使、費樹は功徳、或は一切の悌法、虚空は出誌であって、法身或は慧身に喰へるとととなるのである。而して、水風地 衆賓樹虚空等は、皐究智の躍と相と用とに外ならや.口ハ智宣之等に聡へて明かにするに外たらたい。否智主︵のものな りと一再び得るのである。叉経に ハ 大 王 一 O 、 一 一 一 六 五 、 一 一 一 、 八 十 経 ﹀

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睦 言 如 三 虚 空 性 切 無 ニ 障 磁 暦 言 如 三 大 地 性 能 持 コ 諾 群 生 世 間 燈 如 レ 是 自 在 無 障 磁 世 間 燈 法 輪 能 持 亦 如 レ 是 警 如 三 大 風 性 瓢 疾 無 ニ 障 臨 悌 法 亦 如 レ 是 連 遁 ニ 諸 世 間 世 界 所 依 住 司 智 慧 輪 亦 然 とあるに留意すれば、世間燈、備法、叉は智慧と一五ふも、無慌の伸智を障とするととは疑たく、僻智を地水火定に鳴 警 如 ニ 大 水 輪 三 世 悌 所 依 ハ 大 正 九 、 へて居るのである。叉経に 諾菩薩水誠二煩悩火一諸菩薩火能焼二切衆生貧愛一諸菩薩風能散二切諸染若心韮口麗金剛挫二減一一切吾我之想一 此 法 門 者 如 二 大 地 輪 − 鶴 田 二 益 一 切 諸 衆 生 ↓ 故 、 此 法 門 者 如 二 大 水 輪 一 以 二 属 大 悲 一 潤 ニ 衆 生 一 故 衆生諸貧愛日故、此法門者如二大風輪一立二切衆生薩婆若− ハ 大 正 九 、 七 三 五 、 一 一 一 ﹀ とあるより見れば.第一の文に、窓口躍の水、菩薩の火、菩薩の風、菩薩の金剛と一民ふも.菩薩所得の無磁の智を指し て居るのであって、其の蹟大無臨の妙用を設けるものに外ならたい。第二の文に法門と一民ふも.智慧法円であって‘ 叉無障慌の智に外たら示、之を其の妙用より見て、地水火風各々の性用に職へて之宏表現せるものである。叉清博利 海 住 コ 虚 空 − ハ 大 正 九 、 四 一 O 二 一 ︶ 、 清 浮 如 ユ 虚 空 一 ハ 大 正 九 、 六 七 一 、 一 υ と云ふ時は、虚空は清海の義を表せるものであり、叉 ﹁暦言如下虚室悉詩二切高物所依↓市彼虚忠一無申所依止れ如来智慧亦復如レ是、悉詩二切股間智慧、離世間智之所依止﹁而 如来智無 ν ユ 依 止 − ハ 大 正 九 ょ っ 二 一 二 一 ﹀ と一五ふは併智を虚空に喰へて居るのであり‘虚空は常に遍一切庭、皐究浮、離一切相、無動‘無分別、不可費日旬、不 可破壊等の意味に用ゐられ、悉く僻智の本性乞−附設して居るのである。叉忍鎧荘ニ巌身一執二持智慧創工大正九、六八八、

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一 一 一 υ と 一 再 ふ よ り 見 れ ぽ 、 剣 を 智 慧 に 鳴 ひ 、 智 慧 如 ニ 金 剛 一 撞 コ 減 諸 邪 見 一 ハ 大 正 九 、 六 七 一 二 υ と一疋へぽ.金剛は例の如く智 慧 を 指 し 、 浮 妙 智 慧 幡 ハ 大 正 九 、 六 七 一 二 U と一再へば、幡も亦智慧を指

L

. 建 二 立 智 慧 憧 − 泊 二 減 衆 魔 瞳 広 大 手 九 、 六 七 一 二 ︶ と云へぽ、瞳も亦智を指し‘無上智槙閤ハ大正九、六七

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一 U と一足へば、樟閣と云ふも智を表して居り、叉智慧妙香ハ大 豆 九 、 七 一 三 二 一 ﹀ と 一 式 へ ぽ . 智 慧 を 妙 呑 に 鳴 へ て 居 h 九 慧 燈 ハ 大 豆 九 、 六 七 一 二 円 ︶ と 一 五 へ ぽ 、 燈 明 を 以 っ て 智 を 表 し た と と も あ り 、 智 慧 猛 火 健 二 重 煩 悩 習 − ハ 大 正 九 、 4 八 七 一 二 ︶ と 一 五 へ ば ‘ 火 を 以 っ て 智 を 表 し 、 三 昧 女 、 定 天 女 ハ 大 疋 九 、 六 八 八 、 一 一 一 vと去へぽ‘女と一五ふも共の真意は三昧を指して居るのであり、叉慈如コ大地−載−一育衆生 4 ハ 大 五 九 、 七 一 O 二 一 ︶ と 一 足 ふ 時は、地は慈悲注意味して居り‘叉大願風輪ハ大正九、七一 O 二 一 ﹀ と 一 再 へ ぽ 、 風 輪 は 印 ち 大 誓 願 乞 指 し て 居 る の で あ り 、 叉 諸 願 潟 三 賓 童 − 巌 コ 飾 位 問 頂 一 ハ 大 正 九 二 八 七 一 、 一 υ と一再へば、費髭も亦諸の大誓願を表現するのである。殊に如来屑聞の 白書相より放たる L 光明とは、其の賓常に智慧光明であって、智慧其のものたのである。斯くの如く拳げ来れぽ、此 61 の種の記述は枚奉に埠たき程であるが、之等の地水火風及び諸の症巌具は、悉く如来の無磁の智念表現せん錆に用ゐ 来れる能寄稿円に外たらぬ、殊に地水火風空の五大は、或る時は﹁大風輪によって役界を起す﹂と、或時は﹁安住する とと風輪の如く・一切の剰を持す﹂と一再

u

.之等を物理世界の基礎と考ひ、之によって佼界成立の構想を措いて居る と同時に、﹁一切の諸併は常に地水火風を以って而も備事をたす﹂と記し、之等を能寄部門として、地は執持、水は滋 潤、火は湿育、風は開護、室は無醗を意味するものとなし、之によって其の所寄稿円たる如来の一切智を、慢と相と用 との三方面から表現せんとするに至ったのであって、之等は膿て大日経疏の中にア・グ・ラ・カ・キヤの五字門の設 となって纏められて居るのであって、所謂、寄部門誌の護連は、斯くの如くにして明かに了解し得るのである。巴に本 経の寄持論、即ち轍の異相は明かになったから、之を根本として、之等の組合的大雪鳴である大華蔵、部ち蓮華蔵世 界観を考察して見る。古号室吾人が本経の所設の異相を理解するには、常に文相に表れたる諾略の義に囚れ示、業の背

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後に横はる深秘の賓義を正解し、所謂、 一定を得て常に笠を忘れねばたらぬ﹂のである。兎陀角、経典の作者、特に 大一飛経典の作者は、何所までも偉大なる宗教の人であると同時に、偉大たる官邸ナ 4 初であり、文豪であり、時間と物と 一切の他の束縛を受けぬ自由た詩人でもあって、従って玄︵の記す所も、現賓の事と想像に浮ペるものとを 一切の記述は之等の種 K の形が織込まれて居るとと佐、前以内 を 超 越 し 、 屡 混 同 し 、 時 −

K

以って絞り、之佐美化し蓋して居り、 て承知して置かねばたらぬのである。

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世界海十事各項の本質

巳に本論の要旨たる世界海十一事の一

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説くに先だち、最初の草稿は更に蓮華白蔵一世界と婆婆依界との異同を論じ. 叉華巌経に段、世界の構想に二種の系統の存するととを見、叉蓮華賠世界と蓮華墨世間世界との異同 此所に到達する様に計書して居るのであるが、今は紙教のととも考ひ、凡て之等を省略して、直に十事の各項の貿相役 見て行くととにするのである。其所で、世界海十事の一々の項目の民意義を考へて見ると、第一に起具国紙世界海と 云 ふ の は 、 経 に 説 い て ﹁ 一 切 世 界 海 一 色 品 位 外 海 麗 敷 町 紘 一 品 ル ガ 故 町 子 と 一 再 び 、 或 は ﹁ 世 界 海 塵 敷 ハ ズ 海成﹂と云ひ、﹁起具因縁﹂とは即ち﹁起は因縁を具するによる﹂の意であって、世界海の成立するや.種々の悶縁 が具足するととによってのみ可能であると一再ふのである。而して此の種の無数の因縁たるもの左整理して見れば、十 種にたると云ふ意味で、以下に十種の悶縁を明すのである。故に第一の起具因縁とは、世界海生起の因紙、叉は理由 であって‘何故に此の恢界海は生起するかぞ説くのである。而して之等十種の因縁の中、其の第一一は﹁如来神力世︺ と云ひ、悌如来の加持力によると云ふのである。第二は﹁法臨

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札﹂と云円成る程、住外海は如来の紳カによ って観見するのではあるが、所謂観見するのであって、観見せられる位界其自慢から云へば法臆如日記、叉は常然如是の

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姿であって、観見するとせぎるとに闘せで永遠にかくの如くに存在すると云ふのである。第三に、﹁衆生作業世﹂と 一再ふのは、然らぽかくの如き世界は‘何を根本として生起するかと云へぽ、其は衆生の心行の滞積により、世界も亦 持機ありで.此の佼界海は所謂行業荘厳であって、衆生の心行を根本としてのみ生起するのであり、此の意味に於い て‘三界は唯一心の作たりと一足ふに相官するのである。従って此の世界は、叉心法界とも一石川日得るのである。斯様に して、以上の三つは以我功徳力‘如来加持力﹁及以﹂法界カの三力に相官するのである。第四は、﹁一切の菩薩が無 上遣を得ぺきが故に﹂と一五ひ、之を八十経には、一切の菩薩が一切相官の所得を成守るが放に﹂とめ旬、無上誼邸ち一 切智の果を成就するからであると一五ふ。故に之は菩薩が其の道たる六度乃至十波羅笠を成就して.無上道たる一切智 の果に到達し‘濯頂位に至る故に翻見するのであると一五ふのであって、畢究此の世界海の観見するのは全く菩薩道完 成の結果たりと一足ふに等しいのである。第五は、 ﹁普賢菩薩の善根の故に﹂と一五ひ、之友八十経は﹁一切衆生及び諸 63 菩薩同じく善根を集むるが故に﹂と一五ひ、其の一致する所乞取れぽ、益口根を集めると云ふととである。議口棋とは世間 出世間の諸の善根であって、世間の道徳から聾聞縁畳、乃至菩薩所修の一切の行自に至る迄、之等の一切を包含する のである。今は衆生にせよ‘二一飛にせよ、菩蕗にせよ、かくの如き韮口根左修習するが故に‘蓮華蔵荘厳世界は翻見せ られるのであると云ふのである。第六は、﹁菩薩の巌停併土の願行と、解股自在の故に﹂と云ひ、八十躍には、之を 一切の菩薩が不退の行願を成就するが故に﹂と、 ご切の菩援の巌海図土の願力の故に﹂と. ご切の菩薩の清海の 勝解自在の故に﹂との三何に区分して居る。然し畢究之等の三何は其の趣旨に於いては、六十経の一一伺に包含吐られ るものの如く‘邸ち巌浮僻土の大誓願を護し、之を賓現する詩に修行し、其の結果として殊勝の解院を得るとととた るが故に、之によって、かくの如き庇巌世界は翻見せられると一再ふのであって、菩薩の護心より、得肱に至る迄の、 る 一 過 躍 を 表 し て 居 る 勾 故 に 田 事 究 . 之は﹁菩薩謹を完成するととによって﹂と一五ふに等しいのである。 究に第七第八

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は、項目としては続けて居るが第六の下に掃取せられて居るから、巴に経ったのである。第九は﹁如来の無上の善根 の依果の故に﹂と一五ひ、之を八十経には二切如来の主口根の所流、及び一切諸備成道時の自在の勢力の故に﹂と一匹弘、 併の無上の善根の依果、所流即ち結果と.成道時の鹿児悟智の力とによると一再ふのであるが.費悟智のカと云ふも善根 の結果に外たらやノ.故に此の項は皐に悌如来の善根の結果によると云ふだけで十分たのである。第十は新奮二課共に ﹁普賢菩薩の自在の願カの故に﹂と一五ひ、普賢菩薩の誓願によるといふのである。普賢菩薩は即ち国位に於ける備であ れ J て、菩提薩躍の典型である。故に此の賠から段、此の項は皐に菩薩の誓願力によると一民ふても差支たいのである。 以上一々の項目を通じて、其の説く所を吟味して見た。今之等を組合して考へて見ると、以上の諸項目は、種々の賭 で 各 K 互に相通守るものであるから‘之等を要約して見ると.第四より第十迄は誓願と行と得遣との三つに要約せら れ、之等の三つは叉因行果の三勾とゑ h 九菩薩道の始絡を貫くものである。故に之等の項を貫く思想は、即ち菩薩道 の完成によって、かくの如き荘厳世界は翻見せられるといふととにたる。而して之に第二第三の項目を付加すれば、 かくの如き世界海は﹁行業の賠償する所﹂であって‘業を根本として居り‘而も之は観ると観ぎるとに闘せ歩、常恒 如々の姿であると云ふととになる。然し此所で考ふ可きととは 4 かくの如く世界生起の悶縁を種 表して居るけれども、一度文相から文の賓義を求め即ち塞左捨て主意を探

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、此の種の宗教的雷同鮮の背後を覗き.世 哲感的意国を探るたらぽ、﹁微瞳散の因縁左具するが故に此の沢界海は成・?と一式ひ‘ 践を説くけれども、塵教の因縁とは他にあら歩、直接或は間接に互に影響しつ i二各々其の存立の意義を全うしつ 界観的見地に立ち、 ある、眼前の徴撞数の諸法其自闘に外たらやノ‘法は心を根本とし、無量の法を一身に集め、法占一 一々法の如く・法見も亦かくの如く、世界は同時に一切の諸法を具足して訣減なく、斯くてとそ諸法は法として存立 し叉法界として、一の鯉系を形成し得るのであるととを示して居るのである。﹂一言にして此の項の虞意義を云へぽ、法

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及び法界の成やるや因縁は同時に具足し、 A U 業によって縁起し、市も斯くの如き縁起の姿は常恒不描変であるとと

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示 して居ると取るべきである。而して第二以下は、此の第一の組括的説明の後を承けて細設を試るのである。然らぽ、 第二の住世界海と一民ふのは如何と云ふに‘此所に云ふ所の住とは、依或は依住であり、八十経には所依住と一広ひ、此 所では世界海は何によって居るかと一民ふととである。一には種々の鮭巌、こには虚空‘三には種々の費、之を八十経 には賓光明と一足ひ、四には伸光明.五には八十経によれば.種 K の賓色光明、六には、八十経によれば怖の雪聾.七 には幻業.八には摩詞那伽金剛力士盤中と一匹ひ‘八十経では、以上の七八を合して如幻の業よ

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生 4 y る、大力阿修羅 形の金剛手と一同ふて居る。而して、六十経にはないが、八十経には、此の戎に世主身と菩躍身とあり、従って之等の 阿修羅世主菩薩の身は、幻業所生のものたるととを暗示するものであらう。十には普賢菩薩の願力である。之は八十 経によれぽ、普賢菩薩の誓願より生十る、一切の差別の毘巌海とあり、願所生の諸の控巌である。故に此の項下に表れ て来るものは、控巌と虚空と、費或は費光明と、伸光明と、費色光明と‘備の管聾と、業所生の身と、誓願所生の斑 巌とであり、之を要約すれば蛙巌と虚空と賓と光明と菅聾と業報の身とであり、叉は種 k の荘厳と虚空と光明と悌菅と 菩醸天神等の種々の身とである。而して世界海は之等によって住すと一広ふととは.蓮華臓世界の構想から考へて、或 は之等のものがあって世界、躍が成立して居ると一同ふ風に考へでもよい。叉世界海にはか L るものが、具に存在して居 ると云ふととにしてもよい。然らぽ之等の荘巌等の一々は何そ意味して居るかと一民ふに、第一に挺巌とはカ珪巌、無 長姪巌.義班巌‘法躍巌.願荘厳、行控巌、悌剃荘厳、妙量目控巌、受持荘厳、捕理化荘厳、︵十種賠巌、大正九、六四

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︶叉は一切悌大食症巌、口業店巌、身業涯最、意業控巌、光明荏巌、功徳荘巌、清再提巌‘心業斑殿、行業荏巌、 業珪巌等と一同日、極必て賢く用ゐられて居るのでるる。然し・ながら、之等は浅略と深秘との南方面から極めてはっき りしたこつのものに区分せられる。それは事の控巌と理の姪巌とであり、第一は現質的物的訟もの.第二は無形の糟 65

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神 的 な も の 、 第 一 は 能 寄 郡 円 で あ り 第 二 は 所 寄 拝 で あ る 。 第 一 一 は 能 響 、 第 二 は 所 睦 骨 酷 で あ る 。 銀、瑠璃、異珠、種止の費、悌菩薩諸天神等の衆合、世界海中所設の一切の相形は、皆事の控巌であり‘而して、之 等によって表現せんとする所寄費たる理の控醍とは一方から一再へぽ.世間出世間の善根、叉は菩薩所集の一切の善根 資糧、即ち六度乃至十波羅蜜の中に揖集せらるペき‘一切の善根功徳であうて、二百にして一再へぽ、智慧功徳であっ て、如来の無上智を障と相と用との三方面から表現する諸の功徳に外ならぬのである。叉一固から一足へぽ、菩提薩 煙の思想を.観勤を異にして種々の方面から設明しつつある無数の範醇に外たらぬのである。故に吾人は之等の荘厳 を通じて‘大乗菩醸の抱懐する高速雄大にして、人類思想の謹きせぬ泉である、大精神の全貌佐汲み取らねばたら ぬ。華巌経は.所調大荘厳を説く経典の義であって・超世の無量無謹の荘厳を以って巌飾せられたる一大捜観を描 き.其の中に、車趣那備を中心として、十方世界の無量の菩薩諾天神等、十方より燕曾し、伸世簿の無謹の功徳を讃 歎し‘轄法輸を勧請し、備は之に答へて‘所入の智慧境界を説くと云ふ一大劇を現出し‘超世間的文庫 て、印度民族の特に得意とする全文之田雷鳴を以って巌り、民大にして無謹‘驚歎すべき勝妙なる盟国聴の中に、此の大 思想註表現ぜんとしたものであって、従って此の一大劇二大警職の中に、誼作者が表現せんとした一大思想を探り、 之を描窮する雄揮なる文接的筆致と誓鳴とに魅せられ守、意を得て怒一を忘れねばたらぬのである。,択に虚空とは‘堂 に﹁誓如虚空﹂と一五ひ、最も多く用ゐられる瞭の一であって、之によって如何たる意味を表現せんとしたか.それ等 の語左集めるならば、無輩、無謹、無依、無性、不生、不滅、不増、不減、離拐、無染汚、堪然常住、無来、無安・ 清掃‘平等、周遍等であって、如来所有の無障碍智‘叉は此の智に照らされたる理、即ち法性を説いて居るのであっ て、一言にして一足へぽ、悌智乞指して居ると一足ふてよい。戎に光明とは何かと一再ふに、或る時は費光明と一再び、或る 一一一に止まらねのであるが、撃究光明とは智慧光明で.之が最も多く、叉本質的である.故に 時 は 斑 巌 光 明 と 一 民 ひ も

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光明と一式ふのも亦悌智を指して居ると一去ってよい。弐に備の法目撃とは何かと一疋ふに、脅聾とは所謂説法在意味し、備 は智身にして叉法身、知日にして叉理であると云ふ理由からすれば、法管左意味し、叉智の響でもある。或は智にして 理.叉之が妙用でもあ一る。共に主口薩諸天神等の身と去ふのは何かと一広ふに、之等は躍の明すが如く、衆生の意想各 k 不同たるに随って、成就衆生の大悲誓願より生守る所の悌の差別身であり、静的に一足へぽ怖智の一不現であって、皐究 一 々 斯 く 見 来 れ ぽ 、 種 々 の 控 殿 と 一 再 ひ 、 虚 空 と 云 ひ 、 光 明 と 一 式 ひ ‘ 伸 一 菅 と 一 再 ひ 、 菩 悌智の相分に外たらぬのである。 躍天紳と一再ひ‘伸智を離れて存在するものにあらや、悌智を其の性︵瞳﹀と相と用との三方面から一再び表して居る種 々の言葉に外たらぬのである。今世界海も亦経設に従へぽ悌智慧の境界である。故に今は一方から一五へぽ、位界海の 性と相と用とを説きつ L あるものである。然し斑殿、光明 d 菅聾と一式ひ、世界海所有の法を翠げるのであるから、一ニ 大三ったがら具足して設くにしても其の重きに従へぽ、主︵の盟友表すと一民ふも不可ではたい。弐に形世界海とは、世 界海には方形のもの、固形のもの、方にも固にもあらぎるもの、水の掴複するに似たるもの、︵八十程、如二水被形−﹀ 叉八十経によれば、此の外に山焔に似たる形のもの、樹木に似たる形のもの、華の形に似たるもの、宮肢に似たる形 衆生に似たる形のもの︶、悌に似たる形のもの等ありと云ふ。然し之等

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の も の 、 種々の衆生の形のもの︵八十怒、 従って世界海の相に嘗るととは云ふまでもな 一鰹何を開性とするかと一疋ふととであって、一には一切賓底 巌︵八十経も同巳︶、こには一費︵八十経は一賓種々控最︶、三には金剛堅固地︵八十経には不可壊金剛︶、四には 日珠輪︵八十経には日摩尼輪︶、五には衆香︵八十経には種々香﹀等を皐げ、其の敷五種なるもハ八十経には二十種 い.,択に第四の鰹世界海と云ふのは‘之等の世界海は、 は極めて率直に世界海の形左表示せるものと考へられるのであって、 ゆ 乞 皐 げ て 居 る 。 邸 ち 一 切 費 斑 巌 一一、極徴細費

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一 費 種 々 暗 躍 一 切 費 光 明 一 一 一 、 四、種 k 色光明 五、一切荘厳光明 六、不可壊金剛 七‘働力持 八、妙費相 九、備費化 一

O

、 日 耐 用 見 輪

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一 切 費 焔 一 一 二 、 種 K 香 一 四 、 一 切 費 華 冠 一 五 、 一 切 賓 影 像 一 切 旺 巌 所 一 示 現 一 六 、 一 念 心 普 一 不 現 境 界 一八、菩薩形賢 一 九 、 費 華 蕪 一 七 、 二

O

、備言昔 等であって、之等の一々に就いて考へて見ると、一ほ様・ 4 ・ な 賓 の 荘 厳 で あ り J.ごは一つの賓の様 あって、一一は種々の差別、こは一の種々の姿であって、平等にして差別するととを暗示するものの如くである。然し 何れにしても、費たる踏に於いては同一である。第三のは種 k の費より放っ光明、第四は種々の色の光明、第五は諸 の症巌より生やる光明であって、光明たる黙に於いては同一である。第六は堅固不可壌の金剛であって、 一足へぽ金剛である。第七は悌の加持であ

b

、第八は妙賓の相と一足へぽ、備の勝妙たる相好を指して居るものの如く、 第九は悌の費化身、聞ち悌菩薩諸天紳等の備の臆化身である。第十は日輪、第十一は微細の賓と云へぽ.只賓と一足ふ ても撚るぺく、第十こは火焔であ

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、第十三は香、第十四は費冠、第十五は賓影像、第十六は一切の照巌の所一不現と 一再ひ、荘厳の影像である。第十七には一心示現の境界、第十八は菩薩形.第十九は賓の華葉、第二十は悌音である。今 之等乞要約して一足へぽ賓と光明と‘金剛と、悌の加持と、併の相好と、悌の境化身と、日輪と火焔と、香と賓冠と、

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費影像と.控躍の影像と、 一心示現の境界と菩薩形と.費華葉と悌音となる。更に考へて見ると、仰の相好と.費化 身と菩薩形とは諸帥菩薩と其の応化身であり、光明、金剛‘日輪、火焔賢冠等は、それ

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\障と相と用とより備の智 慧を説き、費、香、費影像、提齢影像‘賓華麗等はそれ件、、同じ悌智慧の諾の功徳を表現し‘然も之等の諾の鮭厳衆 の背後の根底を探れば唯一心であって、従って之等の凡ては、唯一心示現の境界にあらざるはなく、叉加持は備の妙 用、伸菅は説法であって、成就衆生、巌持僻土の備所有の妙用である。備は智を其の睦とすれば‘之等は叉智の用な −P と一同へ得るのである。斯く見来れば、此所には無上智と併と菩薩賢斑巌等の其の相と、加持、轄法輪等の其の用の みあり、故に一言に約すれば、只此所には備の無上智のみあり‘而して、世界海は斯くの如きものあって簡とも仏すと 一足ふととは.結局伸智だけが世界海の盟とたれ J て居るととを示して居ると云ひ得る。 L 択 に 第 五 の 控 巌 世 界 海 と 一 足 ふ の は、世界海には無量無謹の控巌ありと一足ふととである。今此店巌に就いて、六十経は一切境界の種 k の 雲 の 控 殿 と 、 一切世界の衆生の行業の荘厳と.三世諸伸及び普賢菩匿の闘力の荘厳と.以上の三種を畢げて居り、之等は暴究境界 控殿と,行業荘厳と、願力賠巌と云ふととにたる。八十経に従へは、一は一切荘巌兵の中より出づる、上妙雲を以っ て活躍すと云ひ、此の中の出上妙雲とは、超出上妙功徳雲とも一再び得べく、次の菩躍の功徳に封して、如来の起出上 妙功徳の雲であって‘備の功徳を説きつ

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る控巌と解するととを得、こは一切菩薩の功徳を説く控巌‘一ニは一切衆 生の業報

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設く荘厳、四は一切の菩薩の誓願を示現する荘厳、五は一切三世諸備の影像を表示する控巌と一足ふのであ る。但、備の影像とは備の臨化身を意味するから、之は臆化身を表す控巌と一足ふてよい。六は一念の頃に無謹却を示 現する一脚遁境界の荘厳と一足ふのであるが、一一言にして一足へば.悌の神通を示す荏巌である。七は一切の伸身を出現す る荘厳と一民ふのであって、悌出興を表す鮭巌である。八は一切法雲左出現する荘厳と一五ぴ、一切の功徳費雲&出生や る荘厳と一再ふのである。九は一切誼場中の諾の珍寄上妙の物の光明照耀を示現する鮭巌と一民引い、諾僻集合の誼場の中 69

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にある.諸の珍奇上妙のものの光明と一耳ふのであって.此所では光明を主要なものとするのである。十は一切の普賢 菩盤の行願を示現する荘厳と一再び、此所では行願と一再ふととが大切である。以上一躍の意味を考へたから‘之等七包組 合して考へて見ると.一は備の功徳左詑く斑巌、二は菩麗の功徳を詑く控蔵、三は衆生の業報を設く荘厳、四は菩藍 の誓願を説く揺巌、五は併の臆化身乞説く店巌、六は備の神通境界を示す控巌・七は悌出興を表す控蔵、八は一切の 功徳乞生する症巌、九は道場集合の中の光明、十は普賢菩薩の行願を示現する荘巌であって、斑巌の意味する所を更 に要約して見るならぽ‘一には悌菩躍の功徳、こには締出興の一押費‘三には虫口躍の行問、四には道場中の光明、五に は業報である。此の中、功徳は郎ち智慧功徳であって、其の臨に賞り、備の出興の紳費は、備の相と用とに嘗 明は智慧光明であって、光明は常に勝妙の解を意味し智慧功徳に外なら夕、又一言にして云へば、之等は皆智慧の境 界に外たらや、従って此所には、一切の智慧境界と行願と業報とのみあり、略六十経の三項に要約せられ、八十経は 買話せるものとなるのである。第六の清得世界海と云ふのは、一には菩躍が善知識に親近して、諸の善棋を成就すと 一足ひ、二には等しく一切衆生を利益すと云ひ、三には一切の波羅蜜を静め固満すと一再び、四には、一切の行地に安住 すと一再び.畢究親近韮口友と.利益衆生と‘成諸波羅賓と、安住行地との四項目である。之乞八十経について見れば、 一には諸菩薩が一切の善知識に親近し、畠口根を同うする故にと一再び、六十控の第一に同じく、親近話回友と一 出来る。こには買大の功徳の雲を増長し‘法界に遍やノる故にと云ひ、持菩提心の贋大たる功徳一を増長瀬裂するの意な るべく、三には庚大の諸の勝解を部修する故にと一足ひ、民大にして殊勝たる帯設を得るととを意味し、聞には一切の 菩薩の境界を観察し、安住する故にと一民ひ、菩麗の智慧境界宏観察し、之に安住するとと左去し.之には一切の諸の 波羅蜜乞修治し悉く間満する故にと一耳目山、六度乃至十波羅蜜を修行し固満するととを去し、六には一切の菩躍の諸地 を観察して入住する故にと一再び、菩薩の十地を観察し安住するととを表し、七には一切の浮願海を出生やる故にと一民

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