九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
木材の接着性におよぼすコロナ放電処理の効果とセ ルロ-スへの作用機構
上原, 徹
https://doi.org/10.11501/3056765
出版情報:Kyushu University, 1991, 農学博士, 論文博士 バージョン:
権利関係:
フ↑てネオ0::>幸妾乏雪十生Lこヰモぎよじ三宏、τγ
コロブ一方文言電必L王里0:>交力男ミLと セノレロース�のイ乍用不幾キ蕎
一仁 厚子主 千敦
目と欠
はじめに 一一一一一一一一一一一
第1章 コロナ放電処理による木材の接着性改善
1. 1 緒言 一一一一一一一一一一一一一一一一一一 4
1. 2 実験方法 一一一一一一一一一一一一一一一- 4
供試材 一一一一一一一一一一一一一一 4
コロナ放電処理 一一一一一一一一一一 5 接触角 一一一一一一一一一一一一一- 9 表面張力および粘度 一一一一一一一一 1 0 赤外吸収スペクトル 一一一一一一一一 1 0 接着試験 一一一一一一一一一一一一一 1 0
光学 顕微鏡 観察一一一一一一一一一一- 1 1 1. 3 結果および考 察 一一一一一一一一一一一一- 1 1
1. 3. 1 広葉 樹 材の 接着 性改 善一一一一一一一一 1 1
1 1 1 7 2 0 2. 1
1 . 2. 2 1 . 2. 3
1 . 2. 4
1 . 2. 5
1 . 2. 6
1 . 2. 7
3. 1 湿潤性 一一一一一一一一一一一一 3. 1 . 2 表面白白エネルギー 一一一一一一 1 . 3. 1 . 3 接 着力 一一一一一一一一一一一一 1 . 3. 1 . 3. 1 フェノ-)レ ・ レゾルシノール
共結合樹脂 一一一一一一一一 1 . 3. 1 . 3. 2 ユリア樹脂 一一一一一一一一 1 . 3. 1 . 4 接着力と湿濁性の関係 一一一一一
1 . 3. 5 接着力と表団自由エネルギー
3. 2 針葉樹材の接 着 性改善 一一一一一一一
0 4 8 1 4 nノム 勺L nL qu ηJ
1
1 . 3. 2 1 湿潤性 一一一一一一一一一一一一
3. 2. 2 EE界表回張力 一一一一一一一一一 1 . 3. 2. 3 伝言力 一一一一一一一一一一一一一一一 1 . 3. 3 コロナ放電処理効果におよぼす
木材含水率の影響 一一一一一一一一一 3. 3. l 湿潤性 一一一一一一一一一一一一
1 . 3. 3. 接触角 一一一一一一一一一一 1 . 3. 3. 2 液体の体積 一一一一一一一一 1 . 3. 3. 2 浸透深さ 一一一一一一一一一一一
1 . 3. 3. 3 赤外吸収スペクトル 一一一一一一 1 . 3. 3. 4 接着力 一一一一一一一一一一一一
、、-
3 4 3 5 4 1
4 9 4 9
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4・
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1 5
ハむ ハb
1. 3. 4 放電雰囲気の影響 一一一一一一一一- 6 8
1. 3. 4. 1 湿潤性 一一一一一一一一一一一- 6 8
1. 3. 4. 2 赤外吸収スペクトル 一一一一一一 7 2
1. 3. 4. 3 接着力 一一一一一一一一一一一一 7 7 1. 4 結論 一一一一一一一一一一一一一一一一一- 8 0
第2章 コロナ放電処理による木材の強度と赤外吸収
スペクトルの変化
2. 1 不台己る三zそ三子 8 4
2. 2 実験方法 一一一一一一一一一一一一一一一- 8 4
2. 2. 1 供試材 一一一一一一一一一一一一一- 8 4
2. 2. 2 コロナ放電処理 一一一一一一一一一- 8 4
2. 2. 3 赤外吸収スペクトル 一一一一一一一- 8 5 2. 2. 4 色差 一一一一一一一一 一 一一一一一- 8 5
11
2. 2. 5 接着および引張試験 一一一一一一 一- 8 5 2. 2. 6 破断面の電子顕微鏡観察 一一一一一- 8 6
2. 3 結果および考察 一一一一一一一一一一 一一- 8 6
2. 3 . 1 赤外吸収スペクトル 一一一一一一一 - 8 6
2. 3 . 1. 1 カルボニJレ基吸収帯 一一 一一一 - 8 6
2. 3 . 1. 2 カルボニル基以外の吸収帯 9 1
2. 3 . 2 J I S色差 一一一一一一一一 一一一一100
2. 3. 3 薄切片の引張強度と破断面の状態 - - 1 0 2
2. 4 結論 一一一一一一一一一一一一一一一一一一113
第3 章 セルロースモデル化合物としてのヒドロキシ エチルセルロースの放電処理による変化
3 . 1 緒言 一一一一一一一一一一一一一一一一 一一1 1 4 3 . 2 実験方法 一一一 一 一一一一一一一一一一 一一 114
3 . 2. 1 試料 一一一 一一一一一一一一一 一一一1 1 4 3 . 2. 2 コロナ放電処理 一一一一一一一一 一一114
3 . 2. 3 シッフ呈色反応および
メチレンブルーの吸着 一一一一一一- 1 1 5
3 . 2. 4 粘度およびゲル浸透
クロマトグラフィ一 一一一一一一 一- 1 1 5 3 . 2. 5 赤外吸収スペクトル 一一一一一一 一一116
3 . 3 結果および考察 一一一一一一一一一一一一一116
3 . 3 . 1 溶解性 一 一一一一一一 一一一一 一一一116 3 . 3 . 2 水可溶成分の性質 一一一一一一一一一118 3. 3 . 2. 1 粘度 一一一一一一一一一一一一一118
111
3. 3. 2. 2 ゲル浸透クロマトグラフィ - 一- 1 2 0
,
。、
3. 2. 3 シッフ呈色反応 一一一一一 - 1 2 0
3. 3. つ 4 塩基性溶媒での粘度 一一一一一 - 1 2 2 3. 3. 3 水不溶成分の性質 一一一一一一一一 - 1 2 5 3. 3. 3. 1 溶解試験 一一一 一一一一 一 一一一 125 3. 3. 3. 2 シッフ呈色反応 一一一一 一一一一 1 27 3. 3. 4 赤外吸収スペクトル 一一一一 一一一一 1 29 3. 3. 5 加熱処理 一一一一一一一一一一一一- 1 3 1
3. 4 結論 一一一 一一一一一一一一一一一一一一- 1 3 3
第 4 章 コロナ放電処理による木材構成成分の変化
4. 1 緒言 一一一一一一一一一一一一一一一一一一 134
4. 2 実験方法 一一一一一一一 一一一一一一一一一 134
4. 2. 1 セルロースおよびコロナ放電処理 一- 1 3 4 4. 2. 2 ヘミセルロースおよび放電処理 一一- 1 3 5 4. 2. 3 リグニンおよび放電処理 一一一一一一 135
4 . 2. 4 赤外吸収スペクトル 一一一一一一 13 6
4. 2. 5 シッフ試薬および色差 一一一一一- 1 3 6 A 2. 6 メチレンブルーの吸着 一一一一一- 1 3 7
パ 2. 7 オレンジ1 1の吸着 一一一一一一一一- 1 3 7
A 2. 8 セルロースのニトロ化および粘度 一- 1 3 7
4 2. 9 X線散乱 一一一一一一一一一一一一- 1 3 8
4. 2. 1 0 クロマトグラフィー 一一一一一- 1 3 8
4. 2. 1 1 還元糖の定量 一一一一一一一一一一- 1 3 8
4 2. 1 2 紫外吸収スペクトル 一一 一一一一 139
lV
4. 2. 13 水可溶成分量 一一一一一一一一一一- 1 3 9 4. 2. 14 メトキシル基および
α ーカルボニル基の定量 一一一一一- 1 3 9 4. 2. 15 負解離墓 一一一一一一一一一一一 一一 139
4. 2. 16 糖 一一一一一一一一一一一一一一一一 14 0 4. 3 結果および考察
4. 3. 1 セルロース 一一一一一一一一一一 一一一 14 0 4. 3. 1 . 赤外吸収スペクトル 一一一一一- 1 4 0 4. 3. 1 . 2 シッフ呈色反応 一一一一一一一- 1 4 2
4. 3. 3 メチレンブルーの吸着 一一一一一 142 4. 3. 4 オレンジ11の吸着 一一一一一- 1 4 4 4. 3. 1 . 5 極限粘度 一一一一一一一一一一- 1 4 7 4. 3. 1 . 6 結品化度 一一一一一一一一一一一 1 5 0
4. 3. 1 . 7 水洗の影響 一一一一一一一一一- 1 5 0 4. 3. 2 ヘミセルロース 一一一一一一一一一- 1 5 8 4. 3. 2. 粗製キシラン 一一一一一一一一- 1 5 8 4. 3. 2 . l 粘度および
赤外吸収スペクトル 一一一- 1 5 8 4. 3. 2. 2 不溶成分量 一一一一一一 1 62 4. 3. 2 . 3 還冗糖 一一一一一一一一一- 1 6 4
4. 3. 2. 4 薄層クロマトグラフィー 一- 1 6 4 4. 3. 2. 2 粗製マンナン 一一一一一一一一- 1 6 7 4. 3. 2. 2. 粘度および
赤外吸収スペクトル 一一一一 167
4. 3. 2. 2. 2 不溶成分量 一一一一一 一一- 1 6 7
V
4 3. 2. -つ 3 定冗糖 一一一一一一一一一一 1 7 0
4 3. 2. 2. 4 薄層クロマトグラフィー 一- 1 7 0
4 3. 3 リグニン 一一一一一一一一一一一一- 1 7 3
4. 3. 3. l 収率および赤外吸収スペクトル - 1 7 3 4. 3. 3. 2 α ーカルボニル基 一一一一 一一 1 7 9
4. 3. 3. 3 負解離基量 一一一一一一一一一- 1 7 9
4. 3. 3. 4 紫外吸収スペクトル 一一一一一- 1 8 2
4. 3. 3. 5 メトキシル基 一一一一一一一一- 1 8 2
4. 3. 3. 6 水可溶成分と赤外吸収スペクトル 183
4. 3. 3. 7 糖 一一一一一一一一一一一一一- 1 8 8 4. 3. 3. 8 モァル化合物 一一一一一一一一- 1 9 0
4. 4 結論 一一一一一一 一一一一一一一一一一一 - 1 9 1
まとめ 一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一- 1 9 3
謝辞 一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一- 1 9 8
引用文献 一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 1 99
Vl
はじめに
近年, 放電プラズマを利用した技術が著しく進歩して きた。 その代表例が集積回路( 1 C )および大規模集積回路
( L S 1 ) の製造への応用である。 これらの製造には, 低温
ガスプラズマを用いた配線パターンの乾式エ ッ チングが 利用されている1 )。 プラズマとは, 電子と正イオンの密 度が等しく, さらに中性の気体分子も存在する弱電離気 体である2 )。 気体放電はこのプラズマを得る最も容易な 方法である。 放電プラズマは大別して平衡プラズマと非 平衡プラズマに分類される。 コ ロナ放電はグロー放電お よびマイクロ波放電とともに非平衡プラズマを形成して
いる。 非平衡プラズマでは, 電子温度は 1 � 1 0 0 . 0 0 0 OC
(数eV )で, ガス温度は常温近くになり, 分子軌道の励
起, ラジカル化, イオン化が速度電子によ っても っぱら 行われている3 )。
低温プラズマの利用形態は多方面にわた っており, プ ラズマ重合 ドライエ ッ チング, CVD (Chemical Vapor
Deposition) , 陽極酸化などがある。 今日では, 半導体
工業には不可欠の存在である。 また, 合成高分子の表面 処理法としても活用されている。 天然高分子への適用の
1i
例として, 接着性の改善, 防縮性および染色性の改善に 用いられている 4 )。
低温プラズマの中でも コ ロナ放電は, 常圧で行われる ため, 他の減圧下で発生する放電プラズマに比べて, 操 作性や設備の コストに関して有利である5 )。 しかしなが ら, 被処理試料の形態に平板あるいは粉体という制限が
ム, ・?
のQ。
との コ ロナ放電処理は, 合成高分子(ポリエチレ ン,
ポリプロ ピレ ン, ポリエステルなど)の印刷適性および 接着性改善の方法として, 既に工業的に利用されており,
また, それに関する報告も数多く見られるト22)。 これに
対して, 合成高分子以外への コロナ放電処理の報告8 . 2 3 - 3 ø )は比較的少ない。 この内で木材に放電処理を行な っ
た報告2 3・25.28 . 3 ø )はごくわずかである。
難接着性木材の明確な定義は, 現在のと こ ろ見当たら ない。 接着後の内部応力の観点から, 木材の接線, 半径 方向の収縮率および体積収縮率より木材を分類した報告
3 1 )がFAO より, 提出されている程度である。 合成高分子
では難接着性についての報告3 2 )もあるが, 木材に ついて
は, ただ漠然と, 接着力が比較的低くバラツキも多い樹
円/】
種あるいは高温乾燥木材などを指しているようである。
難接着性木材の難接着性の由縁は, 木材表面の疎水性 化である33- 3 7 . 38. 39)。 表面を親水性化させる方法とし て, オゾン処理は被処理試料の形状を問わない利点を有 しているにもかかわらず, その効果を得るには, 酸素雰 囲気のオゾンを用いても, 2 '"'-' 3時間もの処理時間が必 要である ð ø . 4 1 )。
ポリエチレ ン , ポリプロ ピレ ンなどもその疎水性のた め, 印刷適性および接着性が悪く, その改善方法として コ ロナ放電処理が利用されている。 このポリエチレ ンな どと同様に , 難接着性木材の接着性改善に コ ロナ放電処 理が有効であると考えた。 以下にその結果と, セルロ ー ス等木材構成成分に対する放電処理の作用機構に ついて 述べる。
丹、υ