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沖縄県のナマコ資源の増養殖に関する研究

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(1)

沖縄県のナマコ資源の増養殖に関する研究

南, 洋一

https://doi.org/10.15017/1441317

出版情報:九州大学, 2013, 博士(農学), 課程博士 バージョン:

権利関係:全文ファイル公表済

(2)

沖 縄 県 のナマコ資 源 の増 養 殖 に関 する研 究

Aquaculture study on the fisheries resource of the sea cucumbers in Okinawa

南 洋 一

2014

(3)

目 次

緒 言 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

1

章 イシナマコとハネジナマコの種 苗 生 産 要 約

目 的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 材 料 と方 法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 結 果

1.

受 精 卵 の採 取 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

6 2.

幼 生 変 態 の特 徴 とサイズ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

8 3.

浮 遊 幼 生 の飼 育 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

8 4.

着 底 後 の飼 育 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

14

考 察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

17

2

章 イシナマコとハネジナマコの人 工 飼 料 を使 った飼 育 試 験 要 約

目 的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 材 料 と方 法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 結 果

1 .

浮 体 カ ゴ を 使 っ た 砂 の 有 無 に よ る 成 長 比 較 試 験 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

2 5 2 .

浮 体 カ ゴ を 使 っ た 飼 料 毎 の 成 長 比 較 試 験 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

2 7 3 .

ハ ネ ジ ナ マ コ 種 苗 の 長 期 飼 育 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

2 7

考 察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

30

3

章 沖 縄 県 塩 屋 漁 港 周 辺 のハネジナマコの生 殖 周 期 要 約

目 的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

33

(4)

材 料 と方 法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

33

結 果

1. 生 殖 巣 重 量 指 数 および卵 母 細 胞 の直 径 の周 年 変 化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36 2. 卵 径 の頻 度 分 布 の周 年 変 化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40 3. 組 織 観 察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40 4. 卵 母 細 胞 の成 熟 能 の検 定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43

考 察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46

4

章 ハネジナマコの産 卵 誘 発 ホルモンの解 析 要 約

目 的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

49

材 料 と方 法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

50

結 果

1.

排 卵 誘 発 活 性 の抽 出 と活 性 安 定 性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

52 2. 排 卵 誘 発 活 性 成 分 の精 製 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55

考 察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・61

5

章 総 合 考 察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・65 要 約

考 察

参 考 文 献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・68

Summary

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

72

謝 辞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

75

(5)

緒 言

イシナマコ(Holothuria nobilis)は、沖 縄 諸 島 、ニューカレドニア、オーストラリア、グアム、

中 国 および台 湾 までの主 にサンゴ礁 海 域 に、ハネジナマコ(Holothuria scabra)は紅 海 から ニューカレドニア、中 国 に至 る浅 海 のサンゴ砂 上 に分 布 し、日 本 においては、奄 美 大 島 以 南 での棲 息 が報 告 されている(本 川 ら 2003)。両 種 はナマコ類 の中 では比 較 的 大 型 種 である ために経 済 的 な価 値 が高 い(Jiaxin 2003)。2012 年 日 本 における乾 燥 ナマコの輸 出 額 は、

ホタテ貝 (生 鮮 ・冷 蔵 ・冷 凍 ・塩 蔵 ・乾 燥 )、真 珠 (天 然 ・養 殖 )、かつお・まぐろ類 (生 鮮 ・冷 蔵 ・冷 凍 )に次 いで上 位 に位 置 し、その輸 出 先 としては香 港 が

87%

、中 国 が

12%

(農 林 水

産 省

2013

)である。中 国 における著 しい経 済 発 展 に伴 い、中 華 料 理 の食 材 であるナマコ類

の需 要 は急 激 に高 まっており、日 本 国 内 におけるナマコ類 の漁 獲 量 、輸 出 量 の管 理 次 第 で は、日 本 のナマコ類 資 源 が減 少 する可 能 性 もある。沖 縄 県 海 域 では、ナマコ類 は

1836

頃 ま で は 漁 業 の 対 象 と な り 、 乾 物 に 加 工 さ れ た の ち 中 国 へ と 輸 出 さ れ て い た が ( 真 栄 平

1998

)、過 去

10

年 以 内 では周 期 的 な漁 獲 と枯 渇 が繰 り返 されている(内 閣 府 沖 縄 総 合 事 務 局

2008

)。

現 在 、 沖 縄 県 では、 漁 業 調 整 規 則 や 海 区 漁 業 調 整 委 員 会 指 示 に よ る禁 漁 期 、 体 重 制 限 といった資 源 の合 理 的 な利 用 に必 要 とされる漁 業 管 理 規 則 が存 在 せず、中 国 への輸 出 増 に伴 う無 計 画 な漁 獲 の継 続 が資 源 の深 刻 な減 少 をもたらすことが懸 念 される。そこで、養 殖 や放 流 な どのナマコ資 源 の 増 養 殖 の試 験 研 究 および、 様 々な管 理 規 則 を 制 定 するため のナマコ類 の生 殖 周 期 の調 査 研 究 が重 要 となっている。

本 研 究 では、熱 帯 産 ナマコであるイシナマコとハネジナマコについて、沖 縄 県 内 での資 源 の増 養 殖 技 術 の確 立 を進 めていくために必 要 な、幼 生 や稚 ナマコの特 性 について明 らかに した。また、近 年 、マナマコで新 たに確 立 されたホルモンを用 いた産 卵 誘 発 技 術 を熱 帯 産 ナ マコ類 に応 用 するため の基 礎 的 研 究 を実 施 し た。更 にハネジナマコについて産 卵 期 および 性 的 未 成 熟 体 重 を明 らかにした。

(6)

1

章 イシナマコとハネジナマコの種 苗 生 産

要 約

イシナマコとハネジナマコの受 精 卵 を各 々3,521,600個 、1,760,000個 得 て、0.2-0.5

/ ml

の密 度 で 飼 育 を 行 い 、 受 精 卵 、 幼 生 、 稚 ナマ コの成 長 に つ いて 観 察 し た。 ドリ オ ラリ ア幼 生 以 降 の 幼 生 が

50%を占 めるまでを浮 遊 期 の 飼 育 、それ以 後 を着 底 期 の 飼 育 と分 離 し、浮

遊 期 の餌 料 として

Chaetoceros gracilis

を、着 底 後 の餌 料 として付 着 珪 藻 を給 餌 した。イシ ナマコの浮 遊 期 の飼 育 期 間 は

44-51

日 で、ハネジナマコの浮 遊 期 の飼 育 期 間 は

18-25

であった。 イシナマコの着 底 後 の飼 育 では

116-187

日 間 飼 育 した後 、合 計

10,392

個 体 (体

長 約

20 mm

の稚 ナマコが得 られた。ハネジナマコの着 底 後 の飼 育 では

92-156

日 間 飼 育

した後 、合 計

7,118

個 体 (体 長 約

20 mm

)の稚 ナマコが得 られた。

【目 的 】

イシナマコの種 苗 生 産 はグアム等 で(

Martinez and Richmond 1998

)、ハネジナマコの種 苗 生 産 はベトナム(

Pitt and Duy 2004

)およびインド(

James 2004

)でそれぞれ行 われている が 、 種 苗 生 産 を 再 現 で きる ほ ど 詳 細 な 報 告 は な い 。 一 方 、 温 帯 域 の ナ マ コ 類 で は マ ナ マ コ

Apostichopus japonicus

で種 苗 生 産 が行 われており(伊 藤

1995;酒 井 ・近 田 2007;山 口 ・

小 林

2009; 平 川 ら 2009)、産 卵 誘 発 方 法 、 浮 遊 期 の 餌 料 、着 底 期 の 飼 育 に 移 るタイミン

グとその 餌 料 など、様 々な知 見 が 蓄 積 さ れて いる。 伊 藤 (1995)によれば、産 卵 誘 発 は水 温

5℃の昇 温 で可 能 であり、浮 遊 期 の餌 としては C. gracilis

を与 え、ドリオラリア幼 生 が

50%程

度 認 められる時 期 に着 底 を促 すために付 着 珪 藻 を培 養 した別 の水 槽 に移 設 することで、受 精 卵 から稚 ナマコまで約

10%

の生 残 率 で種 苗 生 産 が可 能 とされている。本 研 究 では、熱 帯 産 ナ マ コ で あ る イ シ ナ マ コ と ハ ネ ジ ナ マ コ に つ い て 、 沖 縄 県 内 で の 資 源 の 増 養 殖 技 術 の 確 立 を進 めていくため、採 取 した受 精 卵 を用 いて、浮 遊 期 幼 生 から稚 ナマコに成 長 するまでの 飼 育 を 試 み た。 そ し て 、 イ シ ナマ コと ハ ネ ジ ナマ コ の 幼 生 の 成 長 段 階 を マ ナマ コの 場 合 と 比 較 して、イシナマコとハネジナマコの幼 生 や稚 ナマコの特 性 について明 らかにした。

【材 料 と方 法 】

(7)

1

親 ナマコの採 集 と飼 育

イシナマコは

2008

1

9

日 に沖 縄 県 北 部 の本 部 町 浦 崎 地 先 において素 潜 りで徒 手 により採 取 した

13

個 体 を屋 外 陸 上 水 槽 (FRP

2.75t)1

基 (生 海 水 を掛 け流 し)に収 容 し た 。 マ ダ イ の 配 合 飼 料 や 乾 燥 ワ カ メ を 飼 料 と し て 投 与 し た も の の 摂 餌 し な か っ た 。 餌 生 物 と 考 えられる水 槽 内 の天 然 付 着 珪 藻 を増 加 させるために、4

11

日 から園 芸 用 緩 行 性 肥 料 であるエコロングトータル

313-70(旭 化 成 ケミカルズ株 式 会 社 ) 500 g

を布 袋 に入 れて垂 下 し て施 肥 した。本 剤 は固 形 肥 料 であり、1回 の施 肥 で約 半 年 間 有 効 であった。

ハネジナマコは

2008

4

22

日 に沖 縄 県 北 部 の本 部 町 備 瀬 地 先 において素 潜 りで徒 手 により

5

個 体 を採 取 した。また、同 年

5

8

日 沖 縄 県 北 部 の屋 我 地 島 周 辺 で素 潜 りで徒 手 により採 取 した

13

個 体 をイシナマコと同 様 の方 法 で飼 育 した。なお、飼 育 期 間 中 の水 温 はイシナマコは

18.4-23.7

℃、ハネジナマコは

23.0-27.9

℃であった。

2.

受 精 卵 の採 取

イシナマコの受 精 卵 を得 るに先 立 ち、飼 育 した親 ナマコを

1 kl

ポリカーボネート製 の円 形 水 槽 に収 容 した。円 形 水 槽 には、あらかじめ濾 過 装 置 (処 理 能 力 が

12 kl/hr

0.02 µm

上 粒 子 を

10

3~104

/ml

以 下 にする)で濾 過 した海 水 (以 後 、精 密 濾 過 海 水 )を

600 l

れ、水 温 を

25℃に維 持 した。親 ナマコを円 形 水 槽 に収 容 して遮 光 状 態 とし、16

時 から約

1

時 間 かけて水 温 を

30℃にまで加 温 した。水 温 30℃を 5

時 間 維 持 した後 、反 応 が認 められな かったため、加 温 をやめ観 察 を打 ち切 った。しかし翌 朝 (観 察 打 ち切 りの

12

時 間 後 )円 形 水 槽 内 で受 精 卵 が認 められたため、目 合 い

30 µm

のナイロンネットで受 精 卵 を回 収 した。回 収 した受 精 卵 を精 密 濾 過 海 水 で洗 卵 し、同 海 水 を満 たした

200 l

のポリカーボネート製 の円 形 水 槽 に移 した(

25.6

℃)。これらの試 験 は

4

22

23

28

および

29

日 に行 った。

ハネジナマコは、親 ナマコ飼 育 中 に自 然 に放 卵 ・放 精 を開 始 し た個 体 を用 い た。 飼 育 水 槽 内 で産 卵 を開 始 したメス個 体 を直 ちに精 密 濾 過 海 水 を入 れたポリカーボネート製 の円 形 水 槽 に 移 し 、 引 き 続 き 放 卵 を 継 続 さ せ た ( 水 温

28.2

℃ ) 。 そ し て 、 雄 個 体 が 放 精 し た 海 水

100 ml

を、放 卵 した海 水 中 に加 え受 精 させた。その後 、イシナマコと同 様 の方 法 で受 精 卵 を

回 収 ・洗 浄 し、ポリカーボネート製 の円 形 水 槽 に移 した(

26.9

℃)。これらの試 験 は

4

22

23

日 、

6

11

12

日 に行 った。

(8)

3.

浮 遊 幼 生 の飼 育

本 論 文 では、イシナマコとハネジナマコのふ化 から稚 ナマコまでの発 生 ・変 態 ステージをオ ー リ ク ラ リ ア (

Auricularia

) 、 ド リ オ ラ リ ア (Doliolaria) 、 ペ ン タ ク ツ ラ (Pentacutula) お よ び 稚 ナ マコの

4

段 階 とした。

浮 遊 幼 生 の飼 育 手 法 は給 餌 量 を除 いてシラヒゲウニの飼 育 方 法 (南 ら 2009)に準 じた。

受 精 卵 は 、 浮 遊 幼 生 を 強 制 的 に 浮 遊 さ せ て 飼 育 す る ため 、 回 転 数 可 変 式 の プ ロ ペ ラ を 底 面 に備 えた

1 kl

ポリカーボネート製 円 形 水 槽 (

Fig. 1)に収 容 した。プロペラの回 転 数 は飼 育

開 始 時 には

6

回 転

/

分 で、その後 、徐 々に回 転 数 を増 し、開 始

20

日 後 に

14

回 転

/

分 まで増 加 させた。イシナマコでは得 られた受 精 卵 を

200,000

個 と

500,000

個 を収 容 した水 槽 をそれ ぞれ

2

基 、ハネジナマコでは

200,000

個 収 容 した水 槽

1

基 と

500,000

個 を収 容 した水 槽

2

基 を用 いて飼 育 を開 始 した。飼 育 期 間 中 の水 温 は毎 日 午 前

8

30

分 に計 測 した。飼 育 期 間 中 の水 温 はイシナマコでは

23.3-26.9

℃、ハネジナマコでは

25.5-27.2

℃であった。水 槽 中 の幼 生 密 度 と発 達 段 階 は毎 日

10

時 頃 、飼 育 水

50 ml

5 ml

×

10

回 )を採 取 して発 育 段 階 ご との 幼 生 数 を 記 録 し た。 幼 生 の サ イ ズ は 万 能 投 影 機 を 用 い て 測 定 し た。 ド リ オ ラ リ ア 幼 生 以 降 の幼 生 が全 体 中 の

50%

以 上 になった段 階 で着 底 後 の飼 育 へ移 行 した(伊 藤

1995)。

飼 育 開 始 翌 日 から毎 日 、飼 育 水 の半 量 を目 合 い

100 µm

のナイロンメッシュを通 して排 水 し、排 水 量 と同 量 の精 密 濾 過 海 水 を加 えた。餌 料 には独 立 行 政 法 人 水 産 総 合 研 究 センタ ー養 殖 研 究 所 から入 手 した耐 高 温 性 の浮 遊 珪 藻

C. gracilis

を用 いた。C. gracilisの培 養 には

5 l

フラスコと

200 l

アルテミア孵 化 槽 を用 い、精 密 濾 過 海 水 にメタ珪 酸 ナトリウムを溶 解 し(0.027 g/l)、オートクレーブで

120

℃、20 分 間 の蒸 気 滅 菌 処 理 をしたのち、浮 遊 珪 藻 培 養 用 液 体 肥 料 である

KW21

(第 一 製 網 株 式 会 社 )を

0.5 ml /l

添 加 した。これに種 となる珪 藻

5,000,000-10,000,000 cell/ml

0.2-0.4 ml

入 れ、

20.0-22.0

℃、光 量

4,000-15,000 lx

の培 養 条 件 で通 気 培 養 した。イシナマコには受 精 後

1

日 目 から、ハネジナマコでは受 精 後

0

目 から、それぞれ

1,000 cells/ml

の濃 度 で給 餌 を開 始 した。その後 、毎 日

1,000 cells/ml

つ濃 度 を増 加 させ、

10,000 cells/ml

を餌 料 密 度 の上 限 とした。

(9)

Fig. 1. A schematic diagram of the rearing system for planktonic stages of Holothuria

species.

(10)

4.

着 底 後 の飼 育

幼 生 着 底 後 の飼 育 には大 型

FRP

製 水 槽 (

20 kl

1.5 m×20 m×1.0 m

)を用 いた。着 底 後 幼 生 の接 地 面 積 の増 大 を目 的 としてプラスティック製 波 板 (45 cm×45 cm)を

10

枚 組 み合 わ せた付 着 器 (Fig. 2)を設 置 した。イシナマコでは付 着 器 をほぼ隙 間 なく全 体 に

60

個 (3

20

列 )配 置 した水 槽

2

基 を、ハネジナマコでは付 着 器

60

個 を同 様 に配 置 した水 槽

1

基 と 付 着 器

2

個 を中 央 に配 置 した水 槽

1

基 を用 いた。

飼 育 開 始 の

15-20

日 前 から飼 育 水 槽 で天 然 付 着 珪 藻 を培 養 した。波 板 が入 った飼 育 水 槽 に精 密 濾 過 海 水 を

15 kl

貯 め、次 亜 塩 素 酸 ナトリウムを

1.5 kg

入 れて

1

日 間 止 水 ・無 通 気 で殺 菌 した後 、チオ硫 酸 ナトリウム

375 g

を入 れて強 い通 気 による曝 気 を

1

時 間 行 った。

これに天 然 付 着 珪 藻 が十 分 に着 いた付 着 器

3-6

個 を種 板 として入 れたのち、肥 料 として硫 酸 アンモニウム(琉 球 肥 料 株 式 会 社 )(

480 g

)、過 リン酸 石 灰 (日 東 エフシー株 式 会 社 )(

80 g

)、クレワット

32

(ナガセケムテックス株 式 会 社 )(

80 g

)、メタ珪 酸 ナトリウム(米 山 化 学 工 業 株 式 会 社 )(

400 g

)を溶 解 し、微 通 気 で

15-20

日 間 遮 光 せずに培 養 した。飼 育 期 間 中 の付 着 珪 藻 を維 持 培 養 するために、園 芸 用 緩 行 性 肥 料 であるエコロングトータル

313-70

(旭 化 成 ケミカルズ株 式 会 社 )を

1

水 槽 あたり

1.5 kg

をカゴに入 れて浮 かべて施 肥 した。

イシナマコは

2008

6

13

日 から、ハネジナマコは同 年

7

8

日 から、飼 育 を開 始 した。

換 水 は飼 育 開 始

5

日 目 からコペポーダなどの混 入 防 止 を目 的 として注 水 口 を目 合 い

100 µm

のネットで覆 った状 態 で通 常 の濾 過 海 水 を注 水 し、オーバーフローの出 水 口 は特 に何 も 覆 わなかった。着 底 後 の飼 育 への移 行 後

5

日 目 から、濾 過 海 水 を

1

回 転

/日 相 当 量 ( 15 kl/

日 )を注 入 し、その後 徐 々に増 加 させて

30

日 後 には

2

回 転

/

日 相 当 量 とした。飼 育 水 槽 の 水 温 は 水 槽 内 に 垂 下 し たアル コー ル温 度 計 に よって 計 測 し

23.1-29.5

℃であっ た。 飼 育 は 稚 ナマコの平 均 体 長 が約

2 cm

に達 するまで継 続 し、飼 育 終 了 時 には全 数 を徒 手 で剥 離 し、その個 体 数 を計 数 、

50

個 体 を目 安 に体 長 を計 測 した。

【結 果 】

1.

受 精 卵 の採 取

イシナマコは

4

29

日 に行 った試 験 により、

4

30

日 に

3,521,600

個 の受 精 卵 が得 ら れたが、産 卵 した雌 個 体 数 は不 明 であった。ハネジナマコでは

6

19

日 の深 夜 に放 卵 を開

(11)

Fig. 2. A structure of multi-layer waveform collector plate to rear benthic stage Holo-

thuria species. This is designed with extending the surface area and to allow benthic

diatoms to proliferate. Size, 45 cm cubical shape.

(12)

始 した

1

個 体 から、

6

20

日 に

1,760,000

個 の受 精 卵 が得 られた。他 の日 に行 った試 験 で は受 精 卵 を得 ることができなかった(

Table 1

)。

2.

幼 生 変 態 の特 徴 とサイズ

イシナマコ、ハネジナマコともに、受 精 から稚 ナマコまでの発 生 ・変 態 過 程 では、一 般 的 な ナ マ コ 類 の 幼 生 期 の 各 段 階 が 確 認 さ れ た 。 受 精 卵 は イ シ ナ マ コ、 ハ ネ ジ ナ マ コそ れ ぞ れ 平 均 直 径

157 µm、162 µm

の球 形 で(Figs. 3A、4A)、受 精 後 約

24

時 間 でオーリクラリア前 期 幼 生 (Figs. 3B、4B)が確 認 された。孵 化 直 後 のオーリクラリア幼 生 の体 長 は(前 後 に長 い方 向 の長 さ)はイシナマコ、ハネジナマコでそれぞれ

0.21

㎜、

0.24

㎜であり、その後 、

5

対 の球 状 体 が出 現 する時 期 に最 大 体 長 (イシナマコ受 精 後

17

日 目 、ハネジナマコ受 精 後

6

日 目 ) となり(

Fig. 3D

1.20

㎜;

Fig. 4D

1.10

㎜)、ここまでがオーリクラリア前 期 幼 生 と考 えら れ た。その 後 、 縮 小 期 に 入 り 全 長 は 減 少 す るが、 体 全 体 に 占 め る内 臓 部 の割 合 が 高 くなり 始 めた。この時 期 の全 長 はイシナマコ、ハネジナマコでそれぞれ

0.58

㎜と

0.38

㎜であり、 ここ までがオーリクラリア後 期 幼 生 であった(

Figs. 3E

4E

)。

5

対 の球 状 体 は繊 毛 環 へと発 達 し、

ドリオラリア幼 生 となった(

Fig. 3F

0.81

㎜;

Fig. 4F

0.55

)

。その後 、口 部 から第 一 次 触 手 が出 現 するペンタクツラ幼 生 (Fig. 3G、0.81 ㎜;Fig. 4G、0.55 ㎜)を経 て、管 足 が形 成 された稚 ナマコとなった(Fig. 3H、0.70 ㎜;Fig. 4H、0.45 ㎜)。

3.

浮 遊 幼 生 の飼 育

イシナマコ浮 遊 幼 生 の飼 育 期 間 中 、水 温 は

5

23

日 まで多 少 の上 下 の変 動 があるもの の、平 均 約

24

℃で推 移 し(Fig. 5a)、5

26

日 に約

26℃に上 昇 したのち、飼 育 期 間 終 了 ま

でその水 温 が継 続 した。この間 、幼 生 を

200,000

個 体 収 容 したタンク

1

の幼 生 密 度 は、

5

16

日 まで連 続 して減 少 し、その後 ほぼ一 定 で推 移 した(

Fig. 5b

)。

5

30

日 までに観 察 され た幼 生 はすべてオーリクラリア幼 生 であり、

5

31

日 以 後 からドリオラリア幼 生 (

5

31

日 ; 受 精 後

31

日 目 )、ペンタクツラ幼 生 (

6

4

日 ;受 精 後

35

日 目 )および稚 ナマコ(

6

11

日 ;受 精 後

42

日 目 )が観 察 された。稚 ナマコへの変 態 時 点 での生 残 率 は

65%

であり、約

130,000

個 体 が次 の飼 育 段 階 へ移 行 した(

Table 2

)。他 の

3

水 槽 では、収 容 数

200,000

体 のタンク

2

500,000

個 体 のタンク

3

において幼 生 密 度 は飼 育 期 間 中 を通 して連 続 して

(13)

Species Date Number of adults employed

Number of fertilized eggs obtained

H. nobilis 22 April 7 0 0 0

23 April 7 0 0 0

28 April 13 0 1 0

29 April 13 unknown unknown 3,521,600

H. scabra 22 April 5 0 1 0

23 April 5 0 0 0

11 June 13 0 1 0

12 June 13 0 1 0

H. scabra 19 June - 1 1 1,760,000

natural spawning Number of spawned

females males

Table 1. Induction of gamete spawning of Holothuria nobilis and H. scabra, by increasing water temperature

(14)

Fig. 3. Developmental stages of Holothuria nobilis from fertilized egg to juvenile. A, fertilized egg (0 day); B, C and D, early auricularia (B, 1 day; C, 9 days; D, 17 days);

E, late auricularia (29 days); F, doliolaria (30 days); G, pentactula (37 days); H, juve-

nile (42 days). Bars = 150 µm.

(15)

Fig. 4. Developmental stages of Holothuria scabra from fertilized egg to juvenile. A,

fertilized egg (0 day); B, C and D early auricularia (B, 1 day; C, 3 days; D, 6 days); E,

late auricularia (E, 9 days); F, doliolaria (10 days); G, pentactula (13 days); H, juvenile

(25 days). Bars = 150 µm.

(16)

Fig. 5. Transitions of larval stages of Holothuria nobilis in 2008. The water tempera-

ture (a), and the density (broken line) and percentage of occurrences (bar) in each stage of H. nobilis in tank 1 (b), tank 2 (c), tank 3 (d) and tank 4 (e). , juvenile; , pentactula; , doliolaria. The rest of the percentages are the combined early and late stages of auricularia. Density is indicated after smoothing by moving average of three successive sets of data.

23 24 25 26 27

28

a

0 5 10 15 20

0 20 40 60 80

100

b

0 5 10 15 20 25 30

0 20 40 60 80 100

1-May 3-May 5-May 7-May 9-May 11-May 13-May 15-May 17-May 20-May 22-May 24-May 28-May 30-May 2-Jun 4-Jun 6-Jun 9-Jun 11-Jun 13-Jun 16-Jun 18-Jun 20-Jun

e

0 2 4 6 8 10 12 14

0 20 40 60 80

100

c

0 5 10 15 20 25 30

0 20 40 60 80 100

d

Percent of occurrence in totalWater temperature (℃) Numbers of individuals/50ml

(17)

Species Tank No. Date fertilized Date finished Rearing period

Survival rate (%)

H. nobilis

1 30 April 200,000 130,000 13 June 44 65

2 30 April 200,000 80,000 20 June 51 40

3 30 April 500,000 110,000 18 June 49 22

4 30 April 500,000 130,000 18 June 49 26

H. scabra

5 20 June 200,000 170,000 8 July 18 85

6 20 June 500,000 340,000 15 July 25 68

7 20 June 500,000 440,000 15 July 25 88

Table 2. Survival rate of H. nobilis

and H. scabra larvae on different densities Density

Start Finish

(18)

減 少 し、収 容 数

500,000

個 体 のタンク

4

では飼 育 開 始 から

5

23

日 頃 まではほぼ最 初 の 密 度 の ま ま 経 過 し 、 そ れ 以 後 連 続 し て 減 少 し た。 ド リ オ ラ リ ア 幼 生 、 ペ ン タ ク ツ ラ 幼 生 お よ び 稚 ナマコが最 初 に観 察 されたのは、タンク

2

6

11

日 (受 精 後

42

日 目 )、6 日 (受 精 後

37

日 目 )および

16

日 (受 精 後

47

日 目 )、タンク

3

では

6

4

日 (受 精 後

35

日 目 )、6日 (受 精 後

37

日 目 )および

12

日 (受 精 後

43

日 目 )、タンク

4

では

5

30

日 (受 精 後

30

日 目 )、

31

日 (受 精 後

31

日 目 )および

6

12

日 (受 精 後

43

日 目 )であった。生 残 率 はタンク

2

40%、タンク 3

22%、タンク 4

26%であった(Table 2)。

ハネジナマコ浮 遊 幼 生 の飼 育 期 間 中 、水 温 は飼 育 開 始 直 後 の

3

日 で

27℃から 26

℃に 低 下 した後 、ほぼその水 温 が飼 育 終 了 まで継 続 した(

Fig. 6a

)。

200,000

個 体 の幼 生 を収 容 したタンク

5

では、

6

28

日 まで最 初 の収 容 密 度 を維 持 したまま経 過 し、その後 徐 々に減 少 し、最 終 的 な生 残 率 は約

85%

であった(

Fig. 6b

Table 2

)。このタンクでは

6

30

日 までに 観 察 された幼 生 はすべてオーリクラリア幼 生 であり、

7

1

日 以 降 、ドリオラリア幼 生 (

7

1

日 )(受 精 後

11

日 目 )、ついでペンタクツラ幼 生 (同

6

日 )(受 精 後

16

日 目 )が観 察 された。

収 容 数

500,000

個 体 の

2

つのタンク (タンク

6

、タンク

7

)では、タンク

6

において飼 育 期 間 を 通 して連 続 した飼 育 密 度 の低 下 が観 察 され、生 残 率 は

68%

となり、タンク

7

では終 了 時 まで 収 容 当 初 の収 容 密 度 が維 持 され、生 残 率 は

88%であった。ドリオラリア幼 生 およびペンタク

ツラ幼 生 が最 初 に観 察 されたのは、タンク

6

7

2

日 (受 精 後

12

日 目 )および

6

日 (受 精

16

日 目 )、タンク

7

6

30

日 (受 精 後

10

日 目 )および

7

6

日 (受 精 後

16

日 目 )で あった。この浮 遊 幼 生 飼 育 期 間 中 には稚 ナマコは

3

つのタンクでいずれにおいても観 察 され なかった。

4.

着 底 後 の飼 育

イシナマコとハネジナマコの着 底 後 の飼 育 状 況 を

Table 3

に示 した。イシナマコを

130,000

個 体 収 容 した水 槽 では、収 容

116

日 後 に

2,277

個 体 の稚 ナマコが取 り上 げられた。この時 の平 均 体 長 は

25.7

㎜であり、生 残 率 は

1.8%

であった。一 方 、

320,000

個 体 を収 容 した水 槽 では成 長 が遅 く、収 容

186-188

日 後 に平 均 体 長

19.7

㎜の稚 ナマコ

8,115

個 体 が取 り上 げられ、生 残 率 は

2.5%

であった。一 方 、ハネジナマコを

170,000

個 体 収 容 した水 槽 では収

92

日 後 に

4,109

個 体 の稚 ナマコが取 り上 げられた。この時 の平 均 体 長 は

22.6

㎜であり、

(19)

Fig. 6. Transitions of larval stages of of Holothuria scabra in 2008 . The water

temperature (a), and the density (broken line) and percentage of occurrences (bar) in

each stage of H. scabra in tank 5 (b), tank 6 (c) and tank 7 (d). , pentactula; ,

doliolaria. The rest of the percentages are the combined early and late stages of

auricularia. Density is indicated after smoothing by moving average of three successive

sets of data.

(20)

Species Tank No. No.

introduced

Number of individuals

Mean body length (mm)

Survival rate (%)

H. nobilis

1 130,000 13 June 7 Oct. 2,277 25.7 1.8

2,3,4 320,000 18,20 June 22 Dec. 8,115 19.7 2.5

H. scabra

5 170,000 8 July 8 Oct. 4,109 22.6 2.4

6,7 780,000 15 July 18 Dec. 3,009 23.2 0.4

Table 3. Juveniles of H. nobilis

and H. scabra raised in the nursery tank

Date of experiment

Start Finish

(21)

生 残 率 は

2.4%

であった。一 方 、

780,000

個 体 収 容 した水 槽 では成 長 が遅 く、収 容

157

日 後 に平 均 体 長

23.2

㎜の稚 ナマコ

3,009

個 体 が取 り上 げられた。この水 槽 の生 残 率 は

0.4%

あった。なお、飼 育 期 間 中 の水 温 は

23.1-29.5

℃であった。

【考 察 】

本 研 究 で は 、 熱 帯 産 ナ マ コ で あ る イ シ ナ マ コ と ハ ネ ジ ナ マ コ の 受 精 卵 を 各 々3,521,600 個 、1,760,000 個 採 取 し、体 長

20 mm

前 後 の稚 ナマコにまで飼 育 することに成 功 した。

イシナマコの浮 遊 幼 生 の最 大 生 残 率 は

65%(タンク 1)、最 小 生 残 率 は 22%(タンク 3)と、

着 底 後 の生 残 率 (

1.8-2.5%

)と比 較 して著 しく大 きい結 果 であった。またハネジナマコについ ても、浮 遊 幼 生 の最 大 生 残 率 は

88%

(タンク

7

)、最 小 生 残 率 は

68%

(タンク

6

)と、着 底 後 の 生 残 率 (

0.4-2.4%

) と 比 較 し て 著 し く 大 き い 結 果 で あ っ た 。 こ れ は マ ナ マ コ の 飼 育 で も 同 様 で、着 底 後 の生 残 率 が

1.9-17.5%

であるのに対 して、浮 遊 幼 生 飼 育 時 (

C. gracilis

C.

calcitrans

を 給 餌 し た 時 ) の 生 残 率 は

73.9-90.3%

と 非 常 に 高 い ( 伊 藤

1995

) 。 そ の 理 由 は、幼 生 飼 育 環 境 下 ではハネジナマコ浮 遊 幼 生 の外 敵 が報 告 されていないのに対 して、着 底 後 飼 育 期 で は カ イ ア シ 類 が 稚 ナマ コを 食 害 、 あ るい は 接 触 に よ り 稚 ナマ コの 体 表 を 損 傷 するため(Pitt and Duy 2004)、浮 遊 期 の生 残 率 が着 底 後 飼 育 期 より高 い結 果 につながっ ていると考 え られる。 本 研 究 においても両 ナマ コ種 の浮 遊 幼 生 飼 育 時 に 外 敵 は 確 認 されな かった。またマナマコについても浮 遊 幼 生 の外 敵 が報 告 されていない(伊 藤

1995;酒 井 ・近

2007;山 口 ・小 林 2009;平 川 ら 2009)のに対 して、着 底 後 飼 育 期 ではカイアシ類 が稚

ナマコを食 害 (小 林 ・石 田

1984)、あるいは体 表 を損 傷 すること(野 口 ・野 田 2011)が報 告

さ れ て い る 。 本 研 究 に お け る 着 底 後 の 飼 育 で の 生 残 率 は 、 マ ナ マ コ の 着 底 後 の 生 残 率

1.9-17.5%

) よ り も さ ら に 低 い 値 (

0.4-2.5%

) と な っ て い る 。 既 報 で の マ ナ マ コ の 飼 育 期 間 が

70-93

日 間 (伊 藤

1995

)であったのに対 して、本 研 究 ではイシナマコが

116-188

日 間 、ハネ

ジナマコが

92-157

日 間 とマナマコより長 期 間 飼 育 したことから、飼 育 期 間 中 の稚 ナマコの斃 死 の増 大 により結 果 として生 残 率 が低 下 したと考 えられる。マナマコと同 程 度 の飼 育 期 間 で の生 残 率 を比 較 検 討 する必 要 がある。

幼 生 の出 現 状 況 の推 移 がイシナマコとハネジナマコでは大 きく異 なった。イシナマコではド

(22)

リオラリア幼 生 とペンタクツラ幼 生 がほぼ同 時 期 に出 現 し、稚 ナマコはペンタクツラ幼 生 の 最 初 の 出 現 か ら

5-10

日 後 に 出 現 し 、 そ の 後 、 浮 遊 し た 状 態 の ま ま ピ ー ク 時 で は 全 体 の

30-60%を占 める割 合 で観 察 され、残 りの 40-70%はオーリクラリア幼 生 であった。

これに対 してハネジナマコではペンタクツラ幼 生 の最 初 の確 認 はドリオラリア幼 生 の最 初 の 確 認 から

5

日 後 であるが、その後 のペンタクツラ幼 生 の連 続 した確 認 ができておらず、また稚 ナマコも確 認 できなかった。この理 由 として、本 試 験 は水 槽 底 面 に設 置 した回 転 翼 で、幼 生 を強 制 的 に浮 遊 させて飼 育 したが、幼 生 飼 育 期 間 の終 了 期 においても浮 遊 しているペンタ クツラ幼 生 と稚 ナマコがほとんど確 認 できなかったことは、これらの幼 生 の基 質 への付 着 力 が 強 く 、 回 転 飼 育 下 で も 水 槽 底 面 へ の 付 着 が 進 ん で い たこ と も 考 え ら れ る 。 後 者 の 可 能 性 を 検 証 するためには、今 後 のハネジナマコの浮 遊 幼 生 飼 育 では、飼 育 水 からのサンプリング以 外 に 、 水 槽 底 面 に 付 着 板 な ど を 設 置 し 、 そ れに 付 着 す る 幼 生 数 の 推 移 も 観 察 す る 必 要 が ある。ドリオラリア幼 生 の出 現 はイシナマコでは受 精 から

1

ヶ月 後 、ハネジナマコでは受 精

10

日 後 であり、ペンタクツラ幼 生 はそれぞれ

1

ヶ月 後 と

16

日 後 であったことから、ハネジナマコ の幼 生 浮 遊 期 間 はイシナマコと比 べ短 いことが明 らかとなった(

Figs. 5

6

)。

本 研 究 で はイシ ナマ コとハネ ジ ナマ コの 受 精 卵 を 得 るこ とが で きたものの 、 受 精 卵 の 採 取

4

回 の試 験 のうち

1

回 しか成 功 しなかった。今 回 の温 度 刺 激 で産 卵 が起 きなかった理 由 と して、 ① 昇 温 刺 激 が 両 種 にとって 産 卵 を 誘 発 す る効 率 の 良 い 刺 激 では ない こ と、 ② 両 種 の 産 卵 期 の盛 期 を外 しているから、などが考 えられる。

① につ い ては、ベト ナムお よびイ ン ドにおけ るハ ネジナマ コの 採 卵 は 昇 温 刺 激 で 行 わ れて いるが(James 2004;Pitt and Duy 2004)、本 研 究 においてハネジナマコでは

4

回 中

3

回 、そ れぞれオス

1

個 体 の放 精 が認 められたもののメスについては

1

回 も産 卵 を行 わなかった。昇 温 刺 激 の 有 効 性 は 、 マ ナマ コ で も 地 域 に よ っ て は そ れほ ど 高 く は な く (伊 藤

1995

) 、 元 々 、 昇 温 刺 激 は 効 率 の良 い 方 法 ではな いが、産 卵 し なかった雌 が産 卵 可 能 な発 達 した卵 巣 を 持 っていたかどうかについては確 認 していない。以 上 のことからハネジナマコについては昇 温 刺 激 が 産 卵 を 誘 発 す る 効 率 の 良 い 刺 激 で は な い か 否 か に つ い て は 分 か ら な い 。 こ の こ とに ついては今 後 研 究 を行 う必 要 がある。イシナマコについても、①についてはまだ研 究 例 が少 なく産 卵 誘 発 刺 激 については、今 後 の研 究 を待 った上 で判 断 せざるを得 ない。

② に つ い て は 、 沖 縄 海 域 に お け る イ シ ナ マ コ の 産 卵 期 は 明 ら か で は な い が 、 ニ ュ ー カ レ ド

(23)

ニアにおけるイシナマコの産 卵 期 は

6-8

月 のほぼ最 低 水 温 期 である(

Conand 1993

)。沖 縄 における最 低 水 温 期 は

1-2

月 頃 であり(沖 縄 県 栽 培 漁 業 センター

2010

)、誘 発 を行 った

4

月 は最 低 水 温 期 から上 昇 を始 めて

2-3

ヶ月 ほど経 過 した時 期 になる。また実 際 に本 研 究 で も温 度 刺 激 開 始 の

5-16

時 間 の間 で産 卵 した個 体 もいることから、イシナマコについては産 卵 期 を 外 し て い るわ け では な い と考 えら れる。 ニ ュー カ レ ド ニアに おけ るハ ネ ジ ナマ コの産 卵 期 は

8-9

月 (水 温 上 昇 開 始 時 期 )と

12-2

月 頃 (最 高 水 温 期 )である(Conand 1993)。沖 縄 における水 温 上 昇 開 始 時 期 は

3-4

月 頃 、最 高 水 温 期 は

8

月 頃 である(沖 縄 県 栽 培 漁 業 セ ンター 2010)。従 ってハネジナマコの場 合 、今 回 産 卵 誘 発 を行 った時 期 (

4-6

月 )はニュー カレドニアにおける本 種 の産 卵 期 に該 当 する水 温 上 昇 開 始 時 期 から

0-2

ヶ月 ほどしか経 過 していない。また実 際 に本 研 究 でも屋 外 水 槽 に収 容 していた個 体 が

6

19

日 に産 卵 してい ることから、ハネジナマコについても産 卵 期 を大 きく外 した時 期 に産 卵 誘 発 を実 施 したとは考 えにくい。すなわち両 種 おいて②については断 片 的 な情 報 を総 合 すると産 卵 誘 発 刺 激 が失 敗 した原 因 から外 れるものと思 われる。

本 飼 育 実 験 を 通 し て 得 ら れた問 題 点 を 明 確 にす るこ とは 、イシ ナマ コとハネ ジ ナマ コにつ いて沖 縄 県 内 で資 源 の増 養 殖 技 術 の確 立 を進 めていくために重 要 であると考 える。

(24)

2

章 イシナマコとハネジナマコの人 工 飼 料 を使 った飼 育 試 験

要 約

イシナマコとハネジナマコの人 工 種 苗 に人 工 飼 料 を給 餌 して陸 上 飼 育 試 験 を行 った。両 種 と も に 浮 体 カ ゴ を 用 い て 上 部 か ら 海 水 を 注 水 し て 飼 育 し た 。 そ の 結 果 、 海 砂 を 敷 い て 付 着 珪 藻 を追 加 給 餌 した試 験 区 の成 長 が速 かった。最 大 の日 間 増 重 量 はイシナマコが

27.2

mg/day、ハネジナマコが 291.5 mg/day

であった。この時 ハネジナマコの日 間 増 重 量 はイシナ

マコの約

10

倍 大 きかった。ハネジナマコの平 均 体 重 は

322

日 間 で

3.8

±2.3 g から

64.1±

24.1 g

と増 え、飼 育 密 度 は約

6,937 g/

㎡となったが成 長 は止 まらなかった。

【目 的 】

イシナマコの産 卵 およ び浮 遊 幼 生 から数 グラム の稚 ナマ コに至 るまでの初 期 種 苗 生 産 に 関 する知 見 は、グアム(

Martinez and Richmond 1998

)および日 本 (南

2011

)等 で、ハネジ ナマコはベトナム(

Pitt and Duy 2004

)、インド(

James 2004

)および日 本 (南

2011

)等 で得 ら れて い る。 しか し 、 その 後 の 育 成 に 関 す る知 見 は ハ ネ ジ ナマ コで は 少 な く 、ま たイ シ ナマコで はほとんどない。本 研 究 では、熱 帯 産 ナマ コで あるイシナマ コおよびハネ ジナマコについて、

沖 縄 県 内 での増 養 殖 技 術 の開 発 に資 するため、人 工 種 苗 (南

2011)に対 して、人 工 飼 料

を給 餌 した陸 上 飼 育 試 験 を行 うとともに両 種 稚 ナマコの成 長 特 性 について検 討 した。

【材 料 と方 法 】

1. 浮 体 カゴを使 った砂 の有 無 による成 長 比 較 試 験

飼 育 には

2008

年 に沖 縄 県 栽 培 漁 業 センターで種 苗 生 産 された受 精 後

289

日 目 のイシ ナマコ稚 ナマコおよび受 精 後

238

日 目 のハネジナマコ稚 ナマコ(南

2011

)を用 いた。飼 育 容 器 は内 側 に防 虫 網 (目 合 い

1

㎜)を取 り付 け、

2

カ所 に発 泡 スチロールを取 り付 けた浮 体 付 きカゴ(プラスチック製 カゴの外 側 に浮 力 を保 つ為 に発 泡 スチロールを浮 きとして取 り付 け たもの、

66 cm×42 cm×

高 さ

33 cm

)とし、海 砂 を

5 cm

敷 く試 験 区 と海 砂 を敷 かない試 験 区 を 一 つずつ設 けた。各 浮 体 カゴはアクリル製 温 室 施 設 内 の

FRP

製 水 槽

4 kl

400 cm×150

cm×

高 さ

70 cm

)に入 れ、浮 体 カゴ内 へ直 接 、海 水 を注 水 した(

Fig. 7

)。飼 料 は試 験 区 毎 に

(25)

Fig. 7. Schematic view of the rearing system with sand bed for juveniles of Holothuria

species. Fiber reinforced plastic tank size (400 cm×150 cm×70 cm).

(26)

1,000 mg

の海 藻 粉 末 (リビック、栄 研 商 事 株 式 会 社 )、

600 mg

のマッシュポテト(ポテトフレ ークス、(株 )クドーコーポレーション)、水

400 mg

を混 合 した餌 と、

2,000 mg

のナマコ用 飼 料

(海 参

ENERGY、日 本 農 産 工 業 株 式 会 社 )を合 わせ、残 餌 を見 ながら 1~3

日 に

1

回 与 え、

4

週 間 飼 育 した。ナマコ類 は、一 般 に海 水 から空 中 に取 り上 げると体 内 の海 水 を吐 きだす反 応 を 見 せ る ため 、 体 重 の 計 測 は この 反 応 が 納 ま っ てか ら 実 施 す るこ とと し た。 両 種 の 稚 ナマ コは取 り上 げ後

3

分 程 で概 ね体 重 が安 定 するので、干 出 後

3

分 の体 重 を成 長 の指 標 として 計 測 した(Figs. 8, 9)。また、4週 間 飼 育 後 の生 残 数 から生 残 率 を、生 残 した個 体 の体 重 か ら日 間 成 長 量 をそれぞれ算 出 した。なお、実 験

1

の飼 育 期 間 中 の水 温 は

20.3-23.0℃であ

った。

2.

成 長 に及 ぼす付 着 珪 藻 混 合 飼 料 の影 響

飼 育 には

2008

年 に沖 縄 県 栽 培 漁 業 センターで種 苗 生 産 した受 精 後

380

日 目 のイシナ マコ稚 ナマコおよび受 精 後

329

日 目 のハネジナマコ稚 ナマコ(南

2011

)を用 いた。用 いた飼 育 水 槽 と飼 育 容 器 は、実 験

1

と同 様 であるが、いずれの飼 育 容 器 の中 にも防 虫 網 (

0.5

目 合 い)を内 側 に貼 り付 け、篩 (

1

㎜目 合 い)でふるった海 砂 をイシナマコにおいては

1 cm

ハネジナマコにおいては

3 cm

の厚 さに敷 いた。飼 料 は実 験

1

と同 様 に各 試 験 区 毎 に

1,000 mg

の海 藻 粉 末 (リビック、栄 研 商 事 株 式 会 社 )、600 mg のマッシュポテト(ポテトフレークス、

(株 )クドーコーポレーション)、水

400 mg

を混 合 した餌 と、2,000 mgのナマコ用 飼 料 (海 参

ENERGY、日 本 農 産 工 業 株 式 会 社 )を合 わせ、これに付 着 珪 藻 を 300 mg

追 加 する試 験

区 と追 加 しない試 験 区 を設 け、残 餌 を見 ながら

1~3

日 に

1

回 給 餌 した。用 いた付 着 珪 藻 は 沖 縄 県 栽 培 漁 業 センターから入 手 した

Navicula sp.

である。付 着 珪 藻 の培 養 には

5 l

フラ スコを用 い、精 密 濾 過 海 水 にメタ珪 酸 ナトリウムを溶 解 し(

0.027 g/l

)、オートクレーブで

120

℃、

20

分 間 滅 菌 したのち、浮 遊 珪 藻 培 養 用 液 体 肥 料 である

KW21

(第 一 製 網 株 式 会 社 )

0.5 ml/ l

添 加 した。これに種 となる付 着 珪 藻 を

500-1,000 mg

入 れ、

20.0-22.0

℃、光 量

4,000-15,000 lx

の培 養 条 件 で通 気 培 養 した。稚 ナマコの成 長 等 は実 験

1

と同 様 に検 討 し た。なお、両 ナマコ種 ともに飼 育 期 間 は

95

日 間 で、飼 育 期 間 中 の水 温 は

22.9-30.5

℃であ った。

(27)

Fig. 8. Changes in body weight of ten juveniles of H. nobilis after air exposure. Each

symbol indicates the decrease of body weight of juveniles by evacuating body fluid.

(28)

Fig. 9. Changes in body weight of ten juveniles of H. scabra after air exposure. Each

symbol indicates the decrease of body weight of juveniles by evacuating body fluid.

(29)

3.

ハネジナマコ種 苗 の長 期 飼 育

これまでの経 験 から、イシナマコと比 べてハネジナマコの方 が成 長 が速 く、増 養 殖 しやすい 可 能 性 があったため、ハネジナマコについて長 期 的 な成 長 を把 握 するため、実 験

2

の一 部

(付 着 珪 藻 を

300 mg

追 加 する試 験 区 と同 じ)を継 続 した。

4.

統 計 処 理

飼 育 試 験 に よ っ て 得 ら れ たデ ー タ は 試 験 区 間 の 平 均 値 の 差 を 比 較 す る ため 、 成 長 差 に

ついては

Student t

検 定 を用 いて各 試 験 区 間 の有 意 差 検 定 を行 った。生 残 率 についてはカ

2

乗 検 定 を行 った。有 意 水 準 は

P=0.05

とした。

【結 果 】

1.

浮 体 カゴを使 った砂 の有 無 による成 長 比 較 試 験

実 験 開 始 時 にはイシナマコおよびハネジナマコの平 均 体 重 (各 試 験 区 計 測 個 体 数 )は、

それぞれ

530

±

240 mg

40

個 体 )および

680

±

310 mg

30

個 体 )であった。試 験 終 了 時 のイ シナマコの生 残 率 は、

Group 1

2

がともに

97.5

%で海 砂 を

5 cm

敷 く試 験 区 と敷 かない試 験 区 で差 はなかった(Table 4)。イシナマコの平 均 体 重 は

Group 1

2

870± 700

(標 準 偏 差 )

mg、 520

±350 mg で 海 砂 を 敷 く 試 験 区 の 方 が 敷 か な い 試 験 区 よ り 有 意 に 大 きか っ た

(Table 4)。この時 の日 間 増 重 量 は

Group 1

2

12.1 mg/day、-0.4 mg/day(Table 4

あった。

試 験 終 了 時 のハネジナマコの生 残 率 は

Group 1

2

50.0%、43.3%で海 砂 を敷 く試 験 区

と敷 かない試 験 区 で有 意 差 はなかった(Table 4)。ハネジナマコの平 均 体 重 は

Group 1

2

2,560

±

810 mg

1,440

±

640 mg

で海 砂 を敷 く試 験 区 の方 が敷 かない試 験 区 より有 意 に 大 きかった(

Table 4

)。この時 の日 間 増 重 量 は

Group 1

2

67.1 mg/day

27.1 mg/day

Table 4

)であった。

飼 育 期 間 中 イシナマコの潜 砂 行 動 は一 度 も確 認 できなかったが、ハネジナマコの潜 砂 行 動 は 昼 間 に 毎 日 確 認 さ れた。 本 研 究 にお いて 、海 砂 の 有 る試 験 区 の イシナマコとハネジナ マコの日 間 増 重 量 は海 砂 の無 い 試 験 区 よりも有 意 に高 い 値 を示 した。こ れらのことか ら、受 精 後

289

日 目 のイシナマコと受 精 後

238

日 目 のハネジナマコの飼 育 には、少 なくとも

4

週 間

(30)

Exsistence of sand

Number of juveniles

Mean Body weight

(mg)

Number of juveniles

Survival rate (%)

Mean Body weight

(mg)

Absolute daily growth

in weight

(mg/day)

H.nobilis

1 + 40 530±240 39 97.5 870±700 12.1

2

40 530±240 39 97.5 520±350 -0.4

H.scabra

1 + 30 680±310 15 50.0 2,560±810 67.1

2

30 680±310 13 43.3 1,440±640 27.1

Mean±standard deviation.

(w

t

-w

i

)/t where w

t

is the mean final weight, w

i

is the mean intial weight and t=length of rearing period in days.

An asterisk within a column represents a significant difference at P < 0.05 (Student t test).

Species Group

Table 4. Effect of sand bed on the juvenile growth of H. nobilis

and H. scabra

Juveniles of H. nobilis and H. scabra were reared with or without sand bed from Feb. 13 to Mar. 13 in 2009 at natural temperature of sea water (20.3 - 23.0

).

(31)

は海 砂 が必 要 であると考 えられる。

2. 浮 体 カゴを使 った飼 料 毎 の成 長 比 較 試 験

実 験 開 始 時 にはイシナマコおよびハネジナマコの平 均 体 重 (各 試 験 区 個 体 数 )は、それ ぞれ

5,400± 3,740 mg(30

個 体 )および

3,840±2,270 mg

(30 個 体 )であった。試 験 終 了 時 のイシナマコの生 残 率 は

Group 1

2

90.0%、100.0%で付 着 珪 藻 を追 加 する試 験 区 と追

加 しない試 験 区 で有 意 差 がなかった(Table 5)。イシナマコの平 均 体 重 は

Group 1

2

7,980± 6,130 mg、6,710± 3,910 mg

であり、付 着 珪 藻 を追 加 する試 験 区 と追 加 しない試 験 区 で 、 付 着 珪 藻 を 追 加 す る こ と に よ り 成 長 の 向 上 を 図 る 試 験 の た め 片 側 検 定 を 行 っ た と こ ろ 、 有 意 差 が 認 め ら れ な か っ た (

Table 5

) 。 こ の 時 の イ シ ナ マ コ の 体 重 の 日 間 増 重 量 は

Group 1

2

27.2 mg/day

13.8 mg/day

Table 5

)であった。

試 験 終 了 時 のハネジナマコの生 残 率 は

Group 1

2

100.0

%、

93.3

%で付 着 珪 藻 を追 加 す る試 験 区 と追 加 し な い 試 験 区 で 生 残 率 に 有 意 差 は な か った(

Table 5

) 。 ハ ネ ジ ナマコの 平 均 体 重 は

Group 1

2

31,530

±

21,510 mg

23,130

±

15,020 mg

に達 し、付 着 珪 藻 を 追 加 す る試 験 区 と追 加 しない 試 験 区 で、 付 着 珪 藻 を 追 加 するこ とによ り成 長 の 向 上 を 図 る 試 験 の た め 片 側 検 定 を 行 っ た と こ ろ 、 付 着 珪 藻 を 追 加 す る 試 験 区 の 方 が 追 加 し な い 試 験 区 より有 意 に大 きかった(Table 5)。この時 のハネジナマコの体 重 の日 間 増 重 量 は

Group 1

2

291.5 mg/day、203.1 mg/day(Table 5)であった。

この時 のイシナマコとハネジナマコの体 重 の日 間 増 重 量 を比 較 すると、付 着 珪 藻 を追 加 し ない試 験 区 (イシナマコ

13.8 mg/day

とハネジナマコ

203.1 mg/day)、追 加 する試 験 区 (イシ

ナマコ

27.2 mg/day

とハネジナマコ

291.5 mg/day

)ともにハネジナマコの方 が

10

倍 以 上 大 き

かった(

Table 5

)。またこの時 のイシナマコとハネジナマコの体 重 の日 間 増 加 率 を比 較 する

と、付 着 珪 藻 を追 加 しない試 験 区 (

0.8%

17.9%

)および追 加 する試 験 区 (

1.8%

24.0%

)と もにハネジナマコの方 が

10

倍 以 上 大 きかった。

3.

ハネジナマコ種 苗 の長 期 飼 育

ハネジナマコの飼 育 経 過 に伴 う体 重 の推 移 を

Fig. 10

に示 した。飼 育 開 始 時 の平 均 体 重 は、

3.8

±

2.3 g

2009

5

15

日 )であったが、

10.1

±

6.7 g

6

15

日 )、

19.7

±

13.6 g

7

Fig. 1. A schematic diagram of the rearing system for planktonic stages of  Holothuria  species
Fig. 2. A structure of multi-layer waveform collector plate to rear benthic stage Holo- Holo-thuria  species
Table 1. Induction of gamete spawning of Holothuria nobilis  and H. scabra,  by increasing water temperature
Fig. 3. Developmental stages of Holothuria nobilis from fertilized egg to juvenile. A,  fertilized egg (0 day); B, C and D, early auricularia (B, 1 day; C, 9 days; D, 17 days);
+7

参照

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