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博 士(理学)坂井利成 学位 論文 題名

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Academic year: 2021

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     博 士(理学)坂井利成 学位 論文 題名

New Synthetic Methodology for Medium‑sized       Carbocycles Utilizing SrrlI2

(二ヨウ化サマリウムを用いる炭素中員環合成法の開発)

学位論文内容の要旨

  高度に酸素官能基化された多環性ジテルペン類の中には顕著な生理活性を示すも のが多数知られている.これらのタイプのジテルペン類には炭素8員環構造を含む ものが少なくない.代表例としてタキソール(1),カルマノール(2),ビニグ ロール(3)などを挙げることができる.一般に,炭素8員環及ぴ9員環の閉環反 応は渡環相互作用やVan der Waals反発相互作用などのため極めて困難なことが知ら れており,従ってこのようなジテルペン類の全合成では8員環構築が大きな課題と なる.ビニグロール(3)はある種のカビより単離されたジテルペンで,強い血圧 降下作用,抗血小板凝集活性,TNFアンタゴニスト活性などを示す.特異な6― 6―8縮環系を持ち,全合成を行う上でやはり8員環部分の構築が最重要課題とな る.申請者はビニグロール(3)の合成研究の過程でニヨウ化サマリウムを用いる バービヤー型カップリング反応により炭素8員環,及び9員環が高収率で構築でき ることを見出した.

O

     t¥u

H<

      HO H<

     un HO  OH

Taxol  ( 1 )       Kalmanol  ( 2 )       Vinigrol ( 3 )

  すなわち,アルデヒド4をニヨウ化サマリウムで処理すると,8員環アルコール 5が定量的に生成することを見出した.新たに開発した環化反応では高希釈条件を 必要としないという優れた特徴がある.そこで,二ヨウ化サマリウムを用いる中員

(2)

環閉環反応の一般性を確かめるため種々の基質に適用してみた.

4

〔至j THF‑HMPA

M P M O

O M e     9 7 %     5     0 M e

  その 結果 ,基 質の 立体 配座 をある 程度規制しておくと,炭素中員環が極めて効率 よ く 構 築 で き るこ とが 分か った .例 えば ,ア ルデヒ ド6,8,1012を ニヨ ウ化 サ マ リ ウ ム で 処 理 す る と ,8員 環 ア ル コ ー ル7,9,9員 環 ア ル コ ー ル1113がほ ぽ 定 量的 に得 られ た. いず れの 場合も 高希釈条件は必要としない.種々の基質に適用 し た結 果, いず れの 場合 にも8員環 ,9員環が高収率で構築できることが分かった.

反 応 操 作 は 極 め て 簡 便 で あ り , ア ル デ ヒ ド をTHFに 溶 解 し ,HMPAを 添 加 し た ニ ヨ ウ 化 サ マ1Jウ ム を2当 量 加 え る だ け で , 反 応 は 瞬 時 に 完 了 す る .

ぬ 具 ‥ ゆ め 具‥ 。 め

97% 1 0     8 6 W 0     1 1

       H O / 冰 魂 X 翼 , ‥ 。 仁 誑 乏 誑 黒 .     j

       H o /

        8     9 2    9     1 2     8 0    1 3

  以上 のように,申請者はヨウ化サマリウムを用いるバーピヤー型カップリング反 応 を利 用する高効率的な炭素中員環形成反応を開発した.本反応には高希釈条件を 必 要と しないとぃう優れた特徴があり,中員環構造を持っジテルペン類の全合成に 広 く使 える もの と考 えら れる .

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学位論文審査の要旨 主査

副査 副査 副査 副査

教 授   宮 教 授   村 教 授   辻 教 授   丸 助 教 授  

下正昭 井章夫

    

孝 岡啓二 田冬彦

学 位 論 文 題 名

New Synthetic Methodology for Medium‑sized       Carbocycles Utilizing SrTlI2

(二 ヨウ化サ マリウム を用いる 炭素中員 環合成法の開発)

  近 年,8員環 や9員環を 含む天然 有機化合 物が数多く見出されており,これらの中 には新しい抗癌剤として世界的に注目を集めているタキソールを始め,ピニグロール やカルマノールなど特異な生物活性や生理活性を示す化合物が相当数含まれている・

し か し ,一 般 に8員環 や9員環など の中員環 化合物の 合成は5員 環や6員環化 合物と は異なり,渡環相互作用や大きなVan der Waals反発相互作用などのため極めて困難な ことが知られている.

  申 請者は, 上記のよ うに顕著 な生物活 性を示す多環性ジテルペン類には8員環や9 員環などの中員環を含む化合物が多い点に注目し,これらの天然物に有効に利用でき る中員環合成法の開発を目指して本研究に着手した.その結果,アルデヒドとアリル クロリド間のニヨウ化サマリウムを用いる極めて効率的な中員環合成法を開発した・

すなわち分子内にアルデヒド基とアリルクロリド基を含む基質のTHF溶液にHIvn:}A存 在 下 ,Sm12を反 応 させ ると ,対応す る8員環お よび9員環 化合物が90%以上の収 率 で得られることを見出した.さらに,本法はアルデヒドのみならずケトンや立体障害 の大きなケトン類にも適用できる一般性の高い合成手法であることを明らかにした・

また,本法を利用して高度に酸素官能基化されたジテルベンで強い血圧降下作用と抗 血小板凝集作用を有するピニグロールの合成研究に展開し,ビニグロールの所望の立 体化学を有する6‐8縮環系を一段階で定量的に合成できることを見出した.一方,反 応機構についても考察を加え,新たに見出した環化反応が通常のBarbier型反応とは異 な り , ケ チ ル ラ ジ カ ル を 経 由 し て 進 行 し て い る こ と を 明 ら か に し た ・   以上のように,申請者は中員環化合物の極めて効率的な合成法を開発するとともに,

本法が一般性の高い合成手法であることを明らかにした.これらの成果は天然物合成

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QeKpoq eGKG

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