地域で保健医療福祉職者と学生が行う「聞き書き」の”つなぐ力” 〜語り手・聞き手・読み手の小さな三角形の広がり〜
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(2) 〈小田先生講義〉 (2018.4.18). 〈講義の様子〉. 2.
(3) 〈講義の様子〉. 〈天野先生講義〉. 3.
(4) 〈天野先生講義〉. 〈地域の保健医療福祉職者に指導中〉. 4.
(5) 〈受講者全体写真〉 ④ 講座を受け、後日、学生たちはテーマのグループに別れ「語り手」を大学にお呼びし、学 内で「聞き書き」を実践した。 ⑤ グループ毎に「聞き書き」本の作成を行い、2 冊の「聞き書き」本が完成した。 ⑥ 大学全体の基礎セミナー発表会において、実践の発表を行った。. 〈完成した聞き書き本 2 冊〉. 5.
(6) 〈基礎セミナーの発表会「聞き書きのすすめ~チャレンジド編」 〉. 〈基礎セミナー「聞き書きのすすめ~高齢者編」をみる他の学生たち〉 6.
(7) ⑦ 医療系学生の「聞き書き」についてセミナー中、熊本日日新聞の取材を受け掲載された。 (別添) ⑧ 本研究の研究者 2 名で、岩手県一関で行われた「第 5 回聞き書き学校 in 一関」に参加し 「聞き書き」についての見識を深めるとともに今後の展開について検討した。 2.第 2 回「聞き書きフォローアップ講座」 日時:平成 30 年 10 月 29 日(月)16:30~ 場所:熊本保健科学大学 キャンパステラス これまで「聞き書き」講座を受講したことがある人、学生、聞き書き本を作成したことがある 人、 「聞き書き」に興味がある人を対象にフォローアップ講座を実施した。 大学の教職員、地域の保健医療職、行政職員、ボランティア等、約 30 人が参加した。. (小田豊二先生による紙芝居を使った講座風景). 7.
(8) 3. 第 3 回「聞き書き」フォローアップ講座+「聞き書き」寄席(三遊亭鳳豊氏) 日時:平成 31 年 2 月 26 日(火)16:30~18:00 場所:熊本保健科学大学 キャンパステラス 前半: 「聞き書き寄席~人生楽ありゃ苦もあるさ♪語る喜び、聞く楽しみ~」 講師:小田豊二氏. 地域住民を中心に、学生、大学教職員、行政職員、地域の保健医療職者を対象に「聞き書き」 寄席を実施した。ご自身の「暗い少年時代」に培った「聞く」という行為がその後の人生にど のように役立ったかということを昭和の歌謡にのせ、笑いあり、涙ありの講座であった。参加 された高齢者に対して若者にどんどん語ってほしい、それを聞くことで若者の人生も豊かにな るというエールがおくられた。 「聞き手」 「語り手」に対して「聞き書き」の良さが伝わる講義 内容であった。おあとがよろしいようで。. 8.
(9) 後半:「聞き書きフォローアップ講座」 講師:天野良平先生 熊本で聞き書きの活動を行なう実践者に対して、フォローアップ講座を行なった。. (「聞き書き」の世界へようこそ~ご挨拶(竹熊) ). 9.
(10) Ⅱ 「聞き書き」ボランティア養成講座 「聞き書き」講座にきて、興味を持った熊本市合志市の職員、社協、地域の婦人会(栄隊)に 対して「聞き書き」ボランティア養成講座を実施した。 1.第 1 回養成講座 日時:平成 30 年 12 月 7 日(金)10 時~11 時半 場所:熊本保健科学大学 ちいき楽暮 参加者:栄隊 6 名、社協職員 2 名、合志市役所職員 1 名 計 9 名 (内容) 「聞き書き」とは何か、実際の聞き書き本を見ながら学習した。 2.第 2 回養成講座 日時:平成 31 年 3 月 22 日(金)10 時~11 時半 場所:合志市緑館 参加者:栄隊 5 名、社協職員 2 名、合志市役所職員 1 名、「語り手」1 名 計 9 名 (内容)地域の高齢者に実際に「語り手」になってもらい、「聞き手」竹熊で「聞き書き」 実践講座を行なった。実際の「聞き書き」本や「7 ミニッツ聞き書き」本を参照し、本人が 語った内容をどのように本にしていくかの実践編を行なった。次回までの課題を確認した。. (合志市栄隊「聞き書き」養成実践編の様子) 10.
(11) Ⅲ「語り手」 「聞き手」 「読み手」のアンケート結果および 1. 「語り手」感想 年齢・性別. 住所. 80 代・女性. 熊本市西区. 性. 70 代・女性. 熊本市北区. 性. 配布した人. 感想. 子ども・孫. もっと簡単なものだと思ったけど、本になっていてびっくりした。. 自分の姉妹. 子どもと自分の姉妹など身近な人だけに渡すつもりだったのに、結局 50. いとこ・友人. 冊にもなってしまった。. 介護施設の職員. 聞いてくれるうちに、思わずいろんなことをしゃべってしまった。聞か. など. れるままに思い出し、思い出し、ついしゃべってしまった。. 子ども・孫. 表紙がすばらしく・・・こんな~と思わずびっくり。30 年前の看護学校. 自分の姉妹. の同窓生とのスナップです。昭和 60 年 4 月福祉施設くわのみ荘で働き. 叔母・友人. ながら 2 年間家族に励まされ頑張った、今があるのです。いろいろな人. 介護施設の職員. と出会い、穏やかな毎日が送れた日々が思い出されました。熊保大の先 生、各学科の 13 名の学生さんと楽しい対話「あなただけの聞き書き」 時間を、笑顔で熊本弁でおしゃべり、人生 77 歳、いろんな話は山のよ うですが、学生さんの聞き手がうまく時間が過ぎ盛り上がって・・・こ の本は私の大切な思い出の宝物になりました。学生さん、いろいろな事 に挑戦し健康で充実した学生生活をすばらしい人生設計を実現して下さ い。 今年は、喜寿を迎え、紫色の帽子で家族が祝ってくれました。 「生きる達 人」の認定の表彰。今回の「聞き書き」を受ける喜び、幸せの年です。 一家庭の主婦から家事・出産・育児をこなし、長く働き続けられる活躍 の場所を見出し、40 歳の学生生活も終え、家族の介護、地域の行事、地 域のサロン、民生委員としての地域のお年寄りの見守り、声かけ。 「生き る達人(お世話達人)」に選んでいただき感謝いたしております。 感情的にならず笑顔で気持ち良い挨拶を心がけています。平成の時代で 今の仕事を終わり、終活をしながら元気に過ごしたいと思っております。 熊本保健科学大学の皆様、お世話になりました。 もう少し、対話の時間があったらと思いました。. 70 代・女性 性. 熊本市北区. 子ども. 自分の思いとそのまま言葉に出してそれが本の文章として出来上がって. 友人. 来た時、日頃話している方言がこんなものかと、すごく恥ずかしい気持 ちでした。これを機に話し方の勉強も始めたいと思ってます。 今まで口にしてなかった人生を少しずつ思い出してお話出来たことで、 今後の目標にも元気が出て希望がもてそうです。. 11.
(12) 2. 「聞き手」の感想 ①保健医療職者 年齢・性別. 住所. 次に「聞き書き」をすると. 感想. したら誰? 40 代・女性. 熊本市中央区. 亡くなった祖母. テープ起こしはそれなりに大変でしたが、話を思い出しな. 言語障害になった恩師. がら起こすのは楽しくもありました。 一人の人の物語を形にするのは、やりがいもありました。 達成感を感じます。 出来上がった冊子をみると更に達成感を感じます。 文庫で数が増えることで、歴史を積み重ねているという実 感もわく。. 50 代・女性. 熊本市北区八. 友人のご両親. テープ起こしとか、写真をうまく取り込んだり、製本した. 景水谷. 施設の入居者. り大変ですが、出来たものを見た時、予想以上に喜ばれる. 自分の親は誰か他の人に. ので、うれしくてまた作りたいと思います。. してほしい. やはりテープ起こしが一番時間がかかるので、時間の余裕 があればもっとたくさん作ってみたいと思います。. 50 代・女性. 熊本市西区上. 母. テープ起こしに時間がかかるのがちょっと大変。. 代. 母のおばさん. やってみるとおもしろい。. 亡くなった祖父母にした. 喜んでくれるのをみると本当にうれしい。. かった. 背表紙は難しい。. 高校時代の恩師. 聞きたい人に、早く聞いておかないと聞けなくなってしま うと、とても思った。. ②医療系大学生 関係 祖父. 聞き手としての感想 話始めは口調が堅かったが、話をしていくうちに口調がいつも通りになった。つらい思い出が多く 出てきた。昔、こんなにつらかったんだと感じて、やっぱりすごい人だと改めて感じた。. 親戚. 今の時代に生まれてよかったと改めて思った。. 祖母. お母さんも加わって 2 世代の話が聞けた。話すことで、自分自身も当時に戻った気分になれると思 うし、思い出はどんな形でも残しておくと良いことだと思う。早く見せてあげたい。. 祖母. 今までのイメージが全然違った。. 母親. 1 人称で書くのが難しかったが、語り手の言葉で表されていてイメージが浮かぶ。. 祖母. とてもうれしかったようで、話し始めたら止まりませんでした。私も普段は聞けないような話が聞. 12.
(13) けて嬉しかったです。 祖父. たくさんの話のなかで、どの部分を聞き書きにするのかが難しかった。しかし、たくさん話をする ことができて、その人のありのままを知るのは良いものだと感じた。. 祖母. 「話を聞かせて」というと、ものすごく嬉しそうにしていたのが印象的だった。もっと、日常的に 話を聞いてあげたい。 何回も繰り返し、同じ話がでてきた。好きなことには、やっぱり口がよく動くんだなと思った。 普通に会話しているのとは違い、いろいろな話を聞き出していくのが難しかった。身内だからこそ の難しさもあるのかなと思った。. 母親. 知っていることも多かったが、意外なことも多かった。一人称の言葉を自然に書くことが思ったよ り難しかった。普段聞かないようなことを聞くことができた。. 祖母. 食べる物とかに苦労して、父母を育てるのにも苦労して自分で育てるのを苦労してくれたから恩返 ししないといけないなと思いました。. 祖母. 祖母がしゃべっているように書くことを意識した。聞いている間、祖母も楽しく話をしてくれた上 に、祖母の知らない一面を見れてとても楽しかった。. 祖母. 話を聞くだけとはいっても、途中で私の質問をはさんできたり、逸脱しすぎたりとカットと編集が 大変だった。普段は最近おこった出来事しか話をしないので、昔のエピソードを知ることができて、 面白かった。. 祖父. おじいちゃんの話を聞くのは楽しかった。話し出すと止まらなかった。次の実習の時に役に立てた いと思った。. 祖父. 話すまでは物静かで多くのことを話すような人ではなかったが、こちらが質問をしたり、相槌をう つと、向こうの話が弾むようになり、聞いていて楽しかった。自分より何倍も生きてきた人の歴史 をまとめるのは難しいようで、その人の生き様をまとめているような気がして、生き方を勉強させ てもらったような気がした。. 祖父母. 方言や口調を上手く出せると、伝えたい様子が明確に表現できるなと感じた。 二人の話を聞くとき、どう書くか悩んだ。. 祖母. 話しているときより、文字にした方がおばあちゃんの方言や癖がわかりやすかった。文字にすると 足りない言葉が結構あることを知った。. 祖母. 話をするのがとても面白かった。相槌をうつと、もっと話を続けてくれるような気がした。また機 会があれば聞きたいと思った。. 祖母. たくさん話をしてくれるかなと考えながら聞くのが大変だった。. 祖母. 今まで恥ずかしがって教えてくれなかった馴れ初めの話が聞けた。. 祖父. おじいちゃんが嬉しそうに話してくれたのが。イキイキしていた。一人称に直すことは大変だった。 次は色を入れてみたいと思った。. 祖母. ばあちゃんの子どもの頃の話や学生時代の話を聞いて自分の時との違いがたくさんあって、聞いて いて勉強になった。. 13.
(14) 祖母. 普段は聞かないようなことを聞くことができた。1つ1つの言葉のもつ力を感じることができた。 もし私のことや過去のことを忘れてしまう時が来ても、これを見返してほしいと思う。. 祖母. 普段あまり自分のことを話さないタイプなのに、おばあちゃんの知らないことをたくさん聞くこと ができた。自分の知らないことをたくさん経験していた。. 祖母. 知っているつもりでも、初めて聞く話や知らないことがたくさんあって楽しかった。 印象深いことは覚えていて、その人の人生においては重要な出来事なんだと感じた。. 祖母. 祖母の過去の話はあまり聞いたことがなかったので、初めて知ることが多くて新鮮だった。離れて いてなかなか会えないので、会った時にもっとたくさん話そうと思った。. 叔母. 初めてゆっくり話をすることができたと感じた。. 祖母. あまり自分のことを話したがらない祖母の普段聞けない話を聞くことができてよかった。 祖母の喜ぶ顔を浮かべながら制作してとても楽しかった。. 母. 普段昔の話を聞かないので嬉しかったし、いつも一緒にいる母を客観的にみれた。. 祖母. 作業は大変だったけど楽しさもあった。過酷な時代を生きてきた祖母たちの話は後世に伝えていか なければならないと考えた。. 祖母. 知らないことがたくさん出てきておもしろかった。私とゆっくり話せて嬉しそうだった。これから も機会があれば、形にたくさん残してあげたいと思った。. 祖父. おじいちゃんの昔話なんで聞くことがないので、とても良かった。自分の知らない生活をしていて、 大変だったんだなと思った。. 祖父. こんな機会におじいちゃんの話を聞けてよかった。まだまだたくさん作ってあげたいと思った。. 祖父. 書いている時は、語り手の気持ちにぐっと近づいたような感じがしました。聞き書きすることで、 語り手に寄り添うことができると思いました。今回、出来上がったものを渡した時、喜んでくれた らいいなと思います。. 祖母. 今まで知らなかった祖母の話を聞くことができて良かった。最初は恥ずかしがっていたが、しっか り聞くと、楽しそうに次から次へ話してくれた。傾聴の大切さが分かった。. 母. いつも母の話は適当に聞いていることが多かったが、今回は真面目に聞いたことが嬉しかったのか、 途中からたくさん話してくれた。. 父. 「人とのつながり」をとても大事にしているんだということが分かった。. 祖母. 今まで少しずつ聞いたことはあったけど、今回のように詳しく聞いたことがなかったので、聞くこ とができて良かったと思った。. 14.
(15) 3. 「読み手」感想(色付きは家族) 住所. 関係性. 感想. 年齢・性別 南阿蘇. 子. 自分の華やかな(人生の)時代と思い出を聞き手とその聞き書きの分を読んだ人と共有できた事は、. 60 代・男性. 語る当人にとり、心和み心地良い時間と関係を持てたと感じる。それが日常生活の中で共有の話題 となり、活用していく事がケアにおいても良い関係づくりになりそうな気がする。. 南阿蘇. 孫. 祖母の人生について聞く機会をもてておらず、知らないことが多かった。 「もったいない」が口癖. 40 代・女性. の理由、おはぎが大好きな理由、家計簿を毎日つけていた理由、ディサービスで習ったことを家で も熱心にしていた理由が、これを読んでむすびついていく感じがしました。 身近な人(家族)がどんなことをしてきたかは、知っていても、その時どんな気持ちでいて、その 時のことを今、どう思っているかは、知らないことが多いと思う。第 3 者だから話せることもある かもしれないと思うと、私も仕事で(看護師)できたらいいなと思う。. 南阿蘇. ディサービ. 今まで聞いたことがない話があった。自分も聞き書きをやってみたい。ケースにとり(仕事:ケア. ス・ケアマネ. マネージャー)好感情になるような話題を投げかけられるようになり、和やかな感情を維持しやす. ージャー. いと感じられた。. 50 代・女性 熊本市. 知人. 南区. 50 代・女性. 熊本市. 同僚. 一緒に仕事をさせて頂くようになってから 5 年程経ちますが、謙虚で真面目な方です。職場でも家. 北区植. 60 代・女性. 庭でも笑顔で一生懸命頑張っておられる印象ですが、 「聞き書き」を読んでお茶目な一面も見え、. 木. 普段は聞いたことがない心のうちを知ることができた。語り手に対しての信頼感が増した。. ますます○○さんが好きになりました。ふと自分を振り返り、私は一生懸命生きてきたかな、等、 考えさせられました。. 熊本市. 友人. 時代背景が見えてくる様で、自分の人生を重ね合わせて読みました。○○さんの生き方を見て、女. 北区植. 60 代・女性. 性性はたくましく強いなーとつくづく感じました。聞く側もとても上手だなーと思いました。各々. 木. に人生があり、写真や入学の書類の一部がコピーされていましたが、大事にされていた事にビック リしました。宝物ですね。学生の方達も今後も続けて下さい。. 熊本市. 同僚. 普段一緒に働いていても、なかなかどんな人生を送ってきたか・・・まで話をすることはありませ. 北区麻. 30 代・女性. んでした。いつも笑顔で、優しく入居者さんに話しかけている○○さんが、いろいろ経験されたか らこそなのだな・・・と、改めて尊敬の念を感じました。私も来年 40 歳になります。チャレンジ. 生田. することはまだまだ自分次第でできるのだなと学ばせていただきました。 熊本市. 子. 本人が自分の人生について振り返る機会を持つことができること、聞く側は(今回が学生さんです. 北区鹿. 40 代・女性. ので)先輩の生き方を知ることができること、等、利点が多い活動であると思いました。自分では. 子木. 一歩踏み出せない方や、時間がない、体力がなかったり、不自由な部分があり出来ない方にも良い 方法で、人と人をつなぐという点でも良いと思います。母の話を聞いてくださり、ありがとうござ いました。. 15.
(16) 熊本市. 子. いつも常に明るく家族のことを一番に考えて行動してくれる母。専業主婦からパート勤務、それか. 北区楠. 50 代・女性. ら看護師への道すじは、一筋縄ではいかない苦労があったと思います。それと自分の言葉で正直に. 野. 伝えられることができて、母にとっても私たち家族にとってもありがたいことだと感謝します。今 後また「聞き書き」を読み返す時にうれしい思い出として語ることができます。 ありがとうございました。. 熊本市. 友人. 同じ職場で働いて 31 年、同じ部署(生活支援室)で働いて 10 年、聞き書きの本のとおりの○○さ. 北区楠. 70 代・男性. んです。いつも元気を分けてもらっています。. 熊本市. 友人. すばらしい聞き書きを読ませていただき自分も少しはやってみたい感じでした。. 北区釜. 70 代・女性. 野. 尾 熊本市. 友人. 北区清. 70 代・女性. まだまだいろんな事を習って楽しい生活ができるように。. 水 熊本市. 友人. 「語り手」の方を知っているので、お話しされている様子や声、話し方のリズムなどが想像できて. 北区西. 60 代・女性. 楽しく読みました。取材されて記事になると省略されたり話し手のニュアンスが上手く伝わらなか. 梶尾. ったりする事もあると思います。 言葉をそのまま書かれているのは、その点、良いなあと思いました。. 熊本市. 友人. 平成 30 年 10 月より、くわのみ荘にソーイング教室が移り、広々とした所で楽しく学んでおります。. 北区楠. 70 代・女性. お友達も沢山出来、これも嬉しく思っております。ソーイング途中のカフェの時間も和気あいあい. 野. と楽しく、○○先生の手作りの料理も楽しみのひとつとなっております。 これがいつまでも続きます様、健康に気をつけて通いたいと思っております。感謝。. 東京都. 夫の友人. 素晴らしい人生をお送りであること、そして今も一本筋が通った暮らしをしておいでのことがよく. 墨田区. 80 代・女性. 伝わってきて「長い人生このようで会ってほしい」と多くの人が願う内容でした。惜しげもなく求 めに応じた寛容さにも驚きます。ユーモアたっぷりのところも愉快でした。脚色がないとしたら、 本当にタフにご本人がこなされたと感じました。ある意味、わかい人にバトンタッチしたいものを 明確にお持ちだからでしょうね。 聞き書きでなくご本人が自叙伝をお書きになったらたぶんこの 10 倍 20 倍の量になりそうですよね。ご本人の教養の部分を飛ばして、体験・履歴だけが先行してい ますから。などなど思いつくままに書きましたが、最大のお伝えしたことは「表紙」に対する違和 感でした。東京に住んでいる 70 歳代の私の仲間も似た感想が多かったです。とてもきれいで堂々 とした 20 代の素晴らしい写真で文句はありません。表紙は 84 歳の K さんの良いお写真以外あり ませんよ。K さんが自信を持って、今日ある御姿こそが若い人へのメッセージです。表紙を変える ことを提案します。ともあれ K さんが若い人に寛容で、ご自分を披露されたことを心から敬意を表 するものであります。. 熊本市. 友人. この冊子は学生たちのコミュニケーショントレーニングの一環として対象者に「聞き書き」を行い、. 中央区. 40 代・女性. それをまとめた本だと伺いました。「自分の半生について語っていただく」ということ以外はおそ. 16.
(17) 出水. らく特に条件をつけずにフリースタイルで話される方法を取ったことで、対象者ののびのびとした 語りが記録されていると感じました。K さんの優しさ、可憐さ、気品、家族愛、困難を乗り越えて きた厚み、時代背景、社会に開いた目、などを知る機会を得、また経験を重ねた方のお話から「い きざま」を学ぶこともできました。この「聞き書き」は双方にとって大変意義がある体験になった のではないかと察します。 対象者にとって語り終えたあとの心地よい疲労感と共にナラティブの効果をもたらしたはずです。 聞き取る方にとっては、コミュニケーションの基礎「傾聴すること」のトレーニングと共に看護学 生であれば将来自分が支援するのは患者さんである前に一人の社会的人間であること理解する機 会でもあったと思います。医療者として患者と相対する前条件としてまず人と人が向き合うこと。 それが対人援助職といて重要なスキルなのだと気づく機会になったのではないかと思いました。. 宮崎市. 友人. 素敵な本を拝読してとても感動させていただきました。何より私が感動したのは個人の著書にあり. 小松. 80 代・女性. がちな“生涯の様子”や“個人の想いで”といった部分をさっぱり消去されていることです。さす が K さんらしいすばらしいことだと思いました。. 横浜市. 孫. 半生をつづった聞き書き楽しみ読みました。もし私が熊本支局の記者だったら記事にしたぐらい豊. 20 代・女性. かなエピソードと優しさに満ちていてよい本でした。学生さんたちにも K さんの人柄がよくにじみ 出ていて素敵な仕上がりだったと伝えてください。. 熊本市. 友人. 素敵な本をありがとうございました。どのページからも K さんのお声が聞こえてくるようです。ご. 中央区. 70 代・女性. 主人との出会いもそうだったんですね。これまで84年間の充実した人生、今もいつお会いしても 輝いておられます。. 横浜市. 孫. おばあちゃんとおじいちゃんがであった時のこと、家がどうやって第二次世界大戦の時にあの大き. 10 代・女性. な家を守ったのかということ、おばあちゃんが関わっているこども劇場のこと、など、前に聞いた ことはあるけど忘れてしまったことを思い出せたり、新しく知ることがあってすごく楽しかった。 またあの話をきいていた学生さんがとても丁寧に文章にしてくれたからだと思うけど、おばあちゃ んの口調がそのままに表現されていて、読んでいると頭の中でおばあちゃんの声が聞こえてきまし た。まるで直接話をきいているようで、読み終えたとき心があたたかく幸せな気持ちになりました。. 熊本市. 友人. 本を読んで知っている方だからでしょうか、大好きな K さんのさわやかな明るいお人柄がよく言葉. 東区. 60 代・女性. の端々に感じられて“愛着のある本”になっていました。いてそれに K さんの人生の歩みにその本 人の視点から解釈、感じた事、思ったこと、その時代ゆえに行動しなければならないことなど文章 に置き換える。それを私がしることの尊さを読み進むうちにありがたく思いました。今はその時代 からするとどんなに生きやすい時代なのに小さいことを気にするのはやめようなどと思ってはな ぜか励まされた私です。. 熊本市. 友人. この本を読んでいのちがあふれて素晴らしいと思った、こども劇場初期に K さんに逢えてよかった. 中央区. 80 代・女性. 出会いが大切、こども劇場があってよかった、生き方が参考になり人のためにないかしようとする 姿勢なので、自分も何かやらなくてはと思った。はじめ借りて読んでけど、ほしいといってもらい ました。. 17.
(18) 熊本市. 友人. これまで断片的にお話をうかがったことが、自分史の形に、話し言葉でそのままに仕上げられてて. 北区. 80 代・女性. 驚きでした。いつもの K さんの語り口がそのまま味のあるリズミカルな文章になっていることの発 見です。「配給制度とその楽しみ」 「みんなで守った家」警戒警報、空襲警報 ・・・ 「ほしがりません勝つまでは」どれも戦争中のことが若い人たちにも素直に伝わると思いま した。 「一枚の愛」 「こども劇場のこと」などからは K さんが幸せを引き寄せるというか、作りだす 人生を歩んでこられたのだとあらためて思いました。. 宮崎市. 友人. まるでそこに K さんがいるように話をきいていましたよ。聞き書きサミットを以前絵本の郷でやっ. 70 代・女性. たことがあり、よく知っていました。表紙のカクテルドレス姿のなんと美しい。45 年前にぬった 服をいまでも着ることをできるのも K さんの生き方そのものです。私たちの目標で元気でいてくだ さい。. 友人. 84 年間という年月を K さんのいつもの口調でとても楽しく興味深く読ませていただきうれしかっ. 70 代・女性. たです。若き日の K さんの美しさに改めて感動しました。. 熊本県. 友人. K さんの普段の語り口そのままの文章にひきこまれて夕飯の支度もわすれて一気に読みました。ま. 玉名市. 60 代・女性. るで K さんが側にいて話してくださっているようでした。最後のほうに「もっと聞いとけばよかっ. 宮崎市. た、聞きたいと思うときにもういない」とおっしゃっているのは、このころ私も強くかんじていま す。「聞き書き」はすばらしい活動ですね。 別府市. 小学校から. 価値ある読みごたえのある一冊でした。若い美しいあなたの写真をみたら、思い出すことが私にも. の友人. いっぱいあります。もっとたくさん詰めて自分史になさってもいいのでは、何もなかった昭和の戦. 80 代・女性. 争時代がありありと思いうかびました。. 宮崎県. 友人. 聞き書き講座の若い学生さんたちが取材したのを本当によかったと思いました。早速、読ませてい. 高鍋町. 80 代・女性. ただき私がしらない劇場のまえの K さんにお会いできて本当にうれしかったです。一緒に活動した ころを思い出しました。. 岡山市. 甥 60 代・男性. 聞き(ひとり)語りの冊子を読ませて戴きました。戦時中の事は、父は全く語らず、母からは青 春時代を軍需工場で働かされ、まともに勉強出来なかった恨み辛み、竹槍で本気だった愚かさ、玉 音放送で「次は必ず勝つ」と悔しがったことなど断片的に聞かされただけなので、興味深く読ませ て戴きました。意図的に一部を誇張したり曲げたりする小説や映画とは一味違う少女性の視点で、 身の回りに起きた出来事を記憶のまま感じたままに捉えられたこの時代はとても新鮮でした。 琴やバイオリン、子ども劇場など文化的で進歩的且つ伝統を大事にする考え方が伺え、また、表 現は控え目ながら家族や○○叔父への愛情が感じられました。叔父は免許証入れにあった写真を、 ゴールドカードより遥かに大事にしていたと僕は思います。それにしても息を飲むようなすてきな 写真です。叔父の気持ちが分かるようです。 きっとその場にいる若者を意識されていたのでしょうね、お話の中に若い人たちへの様々なメッ セージが織り込まれ、最後に“戦争は絶対ダメ”。 学生たちは、受け継いでいく意志を、この冊子のタイトルを「未来へ」とすることで示したのだ. 18.
(19) と思います。 とても心温まる時空間をありがとうございました。でもまだ○○叔母様の活動が終わったわけで はありませんし、今回語れなかったことも含め今後も語り続けて行って欲しいと思います。 (追伸)学生の方達へ、作品作りの参考に 小学生時代から歴史が苦手だった僕の個人的意見ですが、年表があれば○○叔母様の歴史と時代背 景がすぐリンクできて分かり易くなったように思います。 〈余談〉昌子叔母様は、女性性が体験等を文章にする時、 「食べ物」と「ファッション(おしゃれ)」 に関する記述が多いことにお気付きでしょうか。最も素直に生き生きと表現されていて、僕はこの 部分が大好きです。きっと生きることの楽しさ、喜びと直結するからなのでしょう。頭の中を垣間 見たようで、ついて、笑みが浮かんで来てしまいます。 熊本市. 友人. 「未来へ」読ませて頂きました。一気に読みました。. 60 代・女性. 人の一生、人々、変化に富んだものですね。もし、この「聞き書き」読まなかった現在の○○様の 表面のみ接し、理解したことでしょう。しかし、この文章がある事によって、背景と人となりがず っしりと伝わってきます。私は、年輪を重ねてこうした今の○○様をとても美しく、年を取られた と思えます。 又芸術への特に音楽への情熱はこうして育てられたのだなあと改めて感じました。(中略) 又、庭や家への愛着は私も同感です。ずいぶん励まされました。先祖の方々の思いをキケンと受 け止め・・・. 熊本市. 友人. ○○様から、じかに聞かれた熊本保健科学大学の若い学生の方々、どんなに素晴らしい時間を共有. 北区. 80 代・女性. されたことでしょう。そして、編集された本にされたこと、そして、それを私どもが拝読できるこ との素晴らしさを感謝しています。このご指導にあたられた竹熊教授の御力も凄いと思います。私 も終活の名のもと、 「自分史」を!と思案中ですが、宗教家であった両親、主人の教育者の両親、 演劇、民放(テレビ、ラジオ)、私の美術との関わりなどなど、山ほどの資料の中にうづくまって 途方にくれるばかり。そんな中で私の教本になる○○様の御本に触れました。ありがとうございま した。. 「語り. 孫. 聞いたことのある話もあれば、初めて聞く話もあり、楽しく読ませてもらいました。. 手」と同. 20 代・男性. 疎開地が戦災に巻き込まれなかったためか、比較的平和な幼少期だったことを改めて知り、ばっち. 居. ゃんのマイペースさと優しさはこの辺りから培われたのではないかと思いました。 聞き書きなので、しゃべり言葉の文体だったこともあり、ふだんのばっちゃんがしゃべっている様 子が目に浮かびました。ウフフと笑う口癖は本人に自覚がないようで、私に「この冊子に書いてあ るウフフは何のか」と聞いてきたときは一緒にウフフと笑いあいました。じっちゃんの追悼文集と ともに貴重な冊子として作成していただきありがとうございました。. 福岡市. 長女. 表紙の写真は見たことがあったのですが、白黒写真なので色を知りませんでした。二年程前、実物. 祖原. 60 代・女性. のドレスが出てきて(落ち着いた赤、えんじ色)、まだとってあったことに驚きました。何でもよ くとっているのです。13 頁の焼夷弾は私が子どもの頃、玄関脇で見えていました。6 頁の母のいと ことは、数年前母と一緒に岡山の自宅をたずね、昔話をたくさん聞きました。母一人では話さない. 19.
(20) ことをいとこと一緒に「ああだった、こうだった」と話していて、とても楽しかったです。こうい う機会でもなければ自分史などつくれなかったでしょう。熊本保健科学大学の学生さん達、竹熊千 晶先生に御礼申し上げます。写真入りでとても読みやすいです。 千葉. 次女. 改めてインタビューされてしゃべったことを字で読むと、初めて聞く話もあったし、表紙のカクテ. 浦安. 50 代・女性. ルドレスの写真を見たのも初めてで、案外知ってるようで、知らなかったなあと気付いた。 笹岡での暮らしのことが詳しく書いてあって、従妹の「みいちゃん」と今でも姉妹のように仲良し なのがよくわかった。 大学の授業の一環で作っていただき、ありがとうございました。おもしろかったです。. 横浜. 長男. まずは読みやすかった。話す側はおそらく思いついたことを順次話していると思われ、それをその. 50 代・男性. まま記述すると時系列がバラバラになりかねず、そうなると話が行ったり来たりしてわかりづらく なる。書く段階で時系列に話がスムーズになるように配慮がなされたためと想像します。 文体が普段の口調に即しているところもよかった。読んでいても話しかけられているような気持ち になりました。 特に昔話については、初めて聞いた事例があったり、自分自身では記憶がはっきりしないところが 整理されたことも嬉しかったです。 戦争は絶対にダメ、というのはもっともなのだが、この文章を読む限りはその「切実感」が今一つ 伝わってきません。今回話せなかった「つらい体験」が実はあるのではないか、とも想像しました。. 横浜. 長男の妻. 少し前になりますが、「未来へ~八十四年間の記憶~」の表紙でお母さんが着ているドレスが家へ. 50 代・女性. 送られてきて、驚きました。娘たちが代わる代わる着た姿を眺めておりますと、半世紀というのは、 意外と短いものだなと思いました。とはいえ、記憶という宝物は語り継ぐ努力をしなければ、あっ という間に失われてしまいます。離れて住んでおりますとなかなか聞く機会がないのですが、今回、 文字にしていただいたおかげで、知らなかった話にも触れることができ、とてもうれしかったです。 何より驚いたのは、私たちがよく知る、お母さんの優しい語り口が忠実に再現されていることでし た。本当に、熊本の実家の庭で聴いているような気がいたします。きっと聞き書きをした学生さん たちが、時間をかけて丁寧に耳を傾けてくださったのでしょう。 教科書の堅い文体ではなく、ぬくもりの感じられる言葉で、歴史を知ることができるのは、見知ら ぬ若い人たちにとっても、きっと大きな財産になると思います。 本と企画、作成してくださった先生、学生さん、どうもありがとうございました。. 4. “つながりマップ” 別紙参照. 20.
(21) Ⅳ 考察 本助成期間中、 「聞き書き」講座を受講した学生、およびその教員を含む保健医療職者によ る聞き書き本が、以下のとおり完成した。 ・医療系大学 1 年生(2 グループ 22 名)の「基礎セミナー」2 冊 ・看護学科保健師課程学生(3 年生 20 名)の実習による 10 冊 ・認知症看護認定看護師教育課程の学生による実習中の受け持ち患者(認知者と家族)を対象 にした「聞き書き」本 2 冊 ・リハビリテーション学科作業療法学専攻の学生による聞き書き冊子約 40 冊 すべての「語り手」 「聞き手」 「読み手」からのアンケートは回収できなかったが、 「聞き書き」 に関わった人たちの感想によると、 「語り手」になった人とその家族から感謝の声とともに増 刷の要望が出されたものが多かった。 「聞き手」となり聞き書き本を作った人たちからも、出 来上がったことの達成感・満足感や「思っていた以上に喜んでくれたのがうれしかった」とい う声が聞かれた。 1.「語り手」の感想 「語り手」となった人は高齢者が多かったが、高齢者だけでなく年齢の若い障害者、認知症で ほとんど発語のない人などであっても「聞き書き」本として作成することができた。アンケー トに答えることができる人は少数であったが、聞き書き本が完成し手渡すと「もっと簡単なも のだと思ったけど、本になっていてびっくりした」と驚かれ、喜ばれる人がほとんどであった。 聞いている間に「時間が過ぎ盛り上がって」 「大切な思い出の宝物」になった人、 「聞かれてし ゃべっていたら、いろんなことを思い出して思わずしゃべってしまった」、 「最初は恥ずかしか った」が、 「もっとしゃべりたかった」という感想も多かった。 「これを機に話し方の勉強も始 めたい」や、 「今まで口にしてなかった人生を少しずつ思い出して話したことで、今後の目標 にも元気が出て希望がもてそう」など、高齢であったとしても聞き書きにより将来への目標や 生きがいといったものを感じる人が少なくなかった。. 2.「聞き手」の感想 最も多かった感想としては「テープ起こしが大変だった」が、 「本が完成したときの達成感」 や「本を渡したとき予想以上に喜んでくれたことが、やりがいにつながった」というものであ った。 「話を思い出しながら起こすのは楽しくもあり」 「一人の人の物語を形にする」ことの「や りがい、達成感」は、次の聞き書きへの挑戦へとつながっていた。また「文庫で数が増えるこ とで、歴史を積み重ねている」という感想もあった。 医療系大学 1 年生には、自分の祖父母など身近な高齢者に対しての聞き書きを試みたが、 「1 人称で書くのは難しかった」が「普段聞けない話が聞けた」 「話を聞かせてというとものすご く嬉しそうにしていた」 「話始めたら止まらなかった」 「祖母の喜ぶ顔が想像できて制作するの 21.
(22) が楽しかった」 「もっとたくさん残してあげたい」などの感想があった。若い学生たちにとっ て聞き書きをきっかけに身近な家族との結びつきが強まっていることが示唆された。 3.「読み手」の感想 「語り手」が〈自分の聞き書き本を誰に渡したか〉は、やはり、子どもが一番多く、姉妹(兄 弟) 、友だちと続いていた。原則として 5 冊の聞き書き本を渡すことにしているが、増刷を頼 まれることも多く、最も多い人では 50 冊増刷し、家族だけでなく友人、知人に郵送し、自宅 に来てくれた人全てに貸して見せていた人もいた。配布した数だけ「読み手」も多くなり、ア ンケート回収数も多かった。 ①「読み手」としての家族の感想 「読み手」のアンケートのなかで「語り手」の家族に共通していた感想は、 「良く知っている つもりだったのに、初めて聞く話があった」というものであった。 また、 「おばあちゃんの口調がそのままに表現されていて」 「ふだんのばっちゃんがしゃべって いる様子が目に浮かびました」 「実家の庭で聴いているような感じ」 「読んでいると頭の中でお ばあちゃんの声が聞こえてきました。まるで直接話をきいているようで、読み終えたとき心が あたたかく幸せな気持ち」 「 (本を読んで)一緒に笑いあった」というような身近な家族(特に 高齢者)との思い出を改めて思い返すという内容が多くみられた。 さらに、聞き書き本を読みながら、自分もその時の状況を思い出している家族も多かった。だ からこそ「むすびついていく感じ」 「人と人をつなぐという点でも良い」という感想があるの だろう。家族は聞き書き本を読むことで、 「心和み心地良い時間と関係を持てた」 「良い関係づ くりになりそうな気がする」 「第 3 者だから話せることもあるのだろう」という感想もあった。 聞き書き本作成のアドバイスとして「年表があれば○○叔母様の歴史と時代背景がすぐリンク できて分かり易くなった」というアドバイスもあった。 家族の感想として特徴的だったのは、聞き書き本を作った「聞き手」に対して「聞いてくれて、 ありがとう」 「母にとっても私たち家族にとってもありがたい」 「うれしい思い出として語るこ とができます」と感謝を述べられる人が非常に多かったことである。このことは、「語り手」 の話を興味を持って聞く人( 「聞き手」)がいて、出来上がった聞き書き本を読む「読み手」が いる。この「語り手」と「読み手」 、 「読み手」と「聞き手」も聞き書きを通じてつながってい っていることが、家族の感想から容易に推測できる。 ほかにも「今回話せなかった「つらい体験」が実はあるのではないか」「見知らぬ若い人たち にとっても、きっと大きな財産になる」という感想もあった。 ②「読み手」としての友人・知人 「読み手」になった友人・知人の多くは家族と同じように「K さんのお声が聞こえてくるよう」 「まるでそこに K さんがいるように」 「○○さんの語り口がそのまま味のあるリズミカルな文 章になっていることの発見」と「語り手」に対する親密な感情が芽生えていた。 22.
(23) 家族の感想との違いとしては、 「語り手」本人に対する内容と自分自身を振り返るものが多か った。 「改めて尊敬の念を感じ」 「チャレンジすることはまだまだ自分次第でできる」「ますま す○○さんが好きに」などである。これは「語り手」との年齢が近いこともあるのかもしれな い。 また、友人・知人の「読み手」には「語り手」を介護する医療介護関係者も少なくなく、その 人たちは聞き書きを「自分もやってみたい」や「これを読まなかったら、現在の○○様の表面 のみ接し、理解したことでしょう。背景と人となりがずっしりと伝わってきます」「医療者と して患者と相対する前条件としてまず人と人が向き合うこと」というものがあった。 「経験を 重ねた方のお話から“いきざま”を学ぶこともできました。この「聞き書き」は双方にとって 大変意義がある体験」 「若い学生の方々、どんなに素晴らしい時間を共有されたことでしょう。 それを私どもが拝読できることの素晴らしさを感謝しています」と「語り手」と「聞き手」の 学びに言及し感謝しているものもあった。 4.拡大していく“つながりマップ” 「語り手」 「聞き手」 「読み手」のそれぞれをマップにプロットしてみたが、最初は点在して いたものが、 「語り手」と「聞き手」の線となり、次に「読み手」も加わった小さな三角形と なっていった。 「読み手」が増えていくと「読み手」同士のつながりも出てくることがわかっ た。しかしながら、 「読み手」が増えるにつれ地図上にプロットしていくことが難しくなって きた。 それでもなお、 「語り手」 「聞き手」 「読み手」の感想からもわかるように、地域の中でその 小さな三角形が親密な関係で結びついていくことは明確である。小さな三角形がたくさん出来 ていくことが、今後の地域の生きやすさ、住みやすさにどのように影響していくか、またはそ れほど影響しないのかの評価は今後の活動の継続を待つ必要があるが、助成期間をすぎても 「聞き書き」の活動は広がってきている。このことを考えると、小さな三角形が増えているこ とは確実であり、 「聞き書き」本が残っていくことで「語り手」は高齢になり亡くなっていっ たとしても、そのつながりは深まり継続されていくことが期待できる。. *助成をいただいたことで、経費を気にせず活動を進めていくことができました。そして、 その活動がさらに継続しております。本当にありがとうございました。心からお礼を申し上げ ます。. 23.
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