118 (46) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
ナカ ノ ヒデ ァキ中野秀昭(昭和3
博士(医学) 乙第1210号平成3年10月18日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
不整脈外科治療としてのLaser ablationの有用性に関する実験的検討 一組織学的検討を中心に一 (主査)教授 小柳 仁 (副査)教授 今井 康晴,高桑 雄一論文内容の要旨・
目的 従来の不整脈外科手術での凍結療法では,①凍結範 囲を調節しにくい,②従ってreentry回路の存在部位 によっては合併症を惹起する危険がある,③手術時間 が長時間に及ぶことがある,などの問題がある.そこ でより限局的かつ確実に,短時間でablation可能な Laserに着目し,従来の不整脈外科治療を補強する新 しい治療手段となり得るか否かを動物実験を通じて検 討した. 対象および方法 体重10~15kgの雑種成犬9頭を右側開胸して心臓 を露出し,左右房室間溝脂肪組織を弁輪が見えるまで 剥離した.Laserの照射条件を照射距離5mm,照射出 力10~50Watts,照射時間3~20秒の中で様々に設定 し,常温心拍動下にNd;YAG Laserを心外膜側心室 自由壁及び早事へ照射した.実験犬は急性期犬7頭, 慢性期犬2頭とし,変性域を肉眼的,光顕的に観察す ると共に,照射条件との関係や催不整脈性の有無を検 討した. 結果 急性期の変性域は周囲心筋との境界が明瞭な半球状 の凝固壊死及びcontraction band necrosisからなり, 慢性期には均一かつ完全な線維組織に置換された.三 輪部では心房筋,心室筋に跨る球状の変性域であった. 照射エネルギー量(Joule)と変性域最大深度との間に は相関係数0.79(n=52,p<0.01)の正相関を認めた. 右室プログラム刺激による心室頻拍誘発試験では心室 頻拍は誘発されなかった. 考察 Laser ablationによって形成された変性域が慢性期 において完全な線維組織に置換され,周囲組織と極め て境界明瞭な限局性の線維巣を形成することは,催不 整脈性の観点からも,十分ablation手技として耐えう るものと考えられる,またLaser ablationの利点の一 つは変性域の大ぎさを照射条件によって調節でぎる点 にあり,正確なmapping下であれぽ近傍の重要な組織 を損なうことなく,安全にablationを行いうるであろ う.また四光fiberは微細であり,将来的には経カテー テル的な使用法も可能となろう. 結論 Laser ablationは限局的かつ確実な変性域を短時間 で作製でき,その範囲設定において調節性に優れてい る.変性域は催不整脈性を有さず,故にLaser ablation は従来の不整脈外科治療を補強する一手段となりう る. 一722一119