98 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(32) タケ シタ ミキ ピコ竹下幹彦(昭和2
医学博士 乙第846号 昭和62年10月16日 学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者) 脳動静脈奇形の循環動態一Dynamic CT,各種パラメーターによる循環動態の解析一
(主査)教授 喜多村孝一 (副査)教授 丸山 勝一,教授 橋本 葉子論 文 内 容 の 要 旨
目的 脳動静脈奇形(AVM)及びその周囲脳組織の循環誌 面をdynamic CTの各種パラメーターにより検討す ることを目的とした. 対象および方法 29例のAVMに対しdynamic CT studyを行い,各 例24個の連続画像を作成した.Thompsonらの方法を 用いて,そのtime・densityカーブから循環動態解析の パラメーターを規定した.関心領域(ROI)は, nidusの 周囲とその反対側対称部位及びnidusとし, nidus周 囲及びその反対側対称部位のROIの設定は,同一動脈 灌流領域内とした. 循環動態解析のパラメーターは,peak height(PH, peak時の吸収値), mean transit time(MTT,丘rst moment transit time), arrival time(AT,造影剤注 入時より,カーブ出現までの時間),peak time(PT,カーブの立ち上がりより,ピークまでの時間),wash out time(WOT,ピークから,カーブの終了までの時
間)及びPH/MTTである.また,我々の用いている
MTTとmode transit time(time・densityカーブの変
曲点間の時間)との相関を求め評価した. 結果及び考察 心肺機能,全身血液量,血液粘度等の全身状態が一 定の状態では,PHは関心領域の血管床を, MTTは脳 循環時間を,PH/MTTは血流量を表現していると考 えられる. nidusでは,周囲脳組織に比べ, PHの増大, MTT,
WOTの短縮PTの遅延を認め,循環時間の短縮,血
管床量の増大を示すとともにnidus内におけるturbu- lence,うっ品等の異常環流の存在が考えられた.一方, nidus周囲脳組織の循環時間は,対側のそれに比べ遅 延していたが,両者間で血管床に有意な差を認めな かった.これらの結果は,nidus周囲脳組織において, steal phenomenonやvenous returnの障害を示して いると考えられた.CT上, nidusが,過去の出血発作 による低吸収域を周囲に伴うときは,伴わないものに 比べnidusの循環時間は有意に遅延していた.これは,出血発作を契機として,nidus内にspontaneous
embolizationを起こしている可能性を示唆するもの と考えられた.また,MTTは,今回の結果から,Olden- dorfらが用いたmode transit timeに代わりうるものと考えられた. 結論
dynamic CTはAVMそのもの及び周囲脳組織の
血行動態把握に極めて有用な検査法であると考えられ る. 一762一99
論 文 審 査 の 要 旨
脳動静脈奇形およびその周囲脳組織の循環動態をdynamic CTにより追究し, dynamic CTが脳循 環動態検査法として有用であることを証明した価値ある論文である. 主論文公表誌 脳動静脈奇形の循環動態一Dynamic CT,各種パラ メーターによる循環動態の解析一 東京女子医科大学雑誌 第57巻 第8号 844~853頁(昭和62年8月25日発行) 副論文公表誌1)Paraventricular cerebral cyst in an infant(乳
児傍側脳室嚢腫の1例)
Surg Neurol 17(2)123~126(1982)
2)Brain abscess in congenital cyanotic heart
disease(先天性チアノーゼ心疾患におげる脳 膿瘍) JNeurosurg 58 913~917 (1983) 3)出血性疾患の外科治療 高血圧性脳内出血(小 脳出血) 外科Mook 32脳血管障害 69~78(1983) 4)脳動静脈奇形に関する研究(1)一手術成績,特に 保存的療法との対比から一 第13回脳卒中の外科研究会講演集 357~361 (1984)
5)Hemorrhagic stroke in infancy, childhood and adolescence(小児の出血性脳卒中) Surg Neuro1 26(5)496~500(1986) 6)先天性心奇形に合併した小児脳梗塞の病態と治 療 小児の脳神経 11(4)281~288(1986) 7)脳動静脈奇形に関する研究 2.脳循環動態の 検討 脳神経外科 14(1)37~43(1986) 8)モヤモヤ病における自己免疫抗体の検索 脳神経外科 14 31~35(1986) 9)高血圧性小脳出血の重症度分類と手術適応につ いて 脳神経外科 14(6)725~731(1986) 10)脳動静脈奇形に関する研究 3.Dynamic CT による循環動態の検討 脳神経外科 14(6)733~739(1986) 763