• 検索結果がありません。

<シンポジウム2-2>神経変性疾患研究の焦点―新たな病的因子の登場と臨床への展望―アルツハイマー病発症病態基盤をなす神経毒性Aβオリゴマー

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "<シンポジウム2-2>神経変性疾患研究の焦点―新たな病的因子の登場と臨床への展望―アルツハイマー病発症病態基盤をなす神経毒性Aβオリゴマー"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

48:906

<シンポジウム 2―2>神経変性疾患研究の焦点―新たな病的因子の登場と臨床への展望―

アルツハイマー病発症病態基盤をなす神経毒性 A

β オリゴマー

松原 悦朗

(臨床神経,48:906, 2008) Key words:アルツハイマー病,Aβ,オリゴマー アルツハイマー病の病態生理においては Aβ の異常凝集な らびに神経細胞毒性発現が,神経原線維変化,神経細胞脱落へ と続く一連の病的カスケードの引き金となり,認知症をひき おこすと考えられている.このアミロイドカスケード仮説の 中核をなす責任分子が,Aβ 重合分子(Aβ オリゴマー)であ る.われわれは Aβ オリゴマーのみの選択的な制御を目的と してその特異的モノクローナル抗体を開発し,インビボにお いてその標的分子たる神経毒性 Aβ オリゴマーがアルツハイ マー病の発症病態や神経変性に如何に関与するか,その直接 的病態機序解明を試みた.アルツハイマー病モデルマウスを もちいた前臨床試験において,Aβ オリゴマーを特異的に制 御すると,見事にアルツハイマー病の発症病態予防がなされ ることが明らかとなった.この結果は,Aβ オリゴマーがアル ツハイマー病患者脳における神経細胞障害誘導の物質的基盤 であるとの仮説を裏付けたインビボにおけるはじめての直接 的な傍証であり,アルツハイマー病における治療標的は神経 毒性 Aβ オリゴマーにあることを実証したものである.本講 演においては抗体の開発から前臨床試験までわれわれの研究 成果を中心に紹介し,神経毒性 Aβ オリゴマーの分子的意義 を考察したい. 国立長寿医療センター研究所アルツハイマー病研究部〔〒474―8511 愛知県大府市森岡町源吾 36―3〕 (受付日:2008 年 5 月 16 日)

参照

関連したドキュメント

 膵の神経染色標本を検索すると,既に弱拡大で小葉

 神経内科の臨床医として10年以上あちこちの病院を まわり,次もどこか関連病院に赴任することになるだろ

(注妬)精神分裂病の特有の経過型で、病勢憎悪、病勢推進と訳されている。つまり多くの場合、分裂病の経過は病が完全に治癒せずして、病状が悪化するため、この用語が用いられている。(参考『新版精神医

 Schwann氏細胞は軸索を囲む長管状を呈し,内部 に管状の髄鞘を含み,Ranvier氏絞輪部では多数の指

⑫ 亜急性硬化性全脳炎、⑬ ライソゾーム病、⑭ 副腎白質ジストロフィー、⑮ 脊髄 性筋萎縮症、⑯ 球脊髄性筋萎縮症、⑰

鈴木 則宏 慶應義塾大学医学部内科(神経) 教授 祖父江 元 名古屋大学大学院神経内科学 教授 高橋 良輔 京都大学大学院臨床神経学 教授 辻 省次 東京大学大学院神経内科学

いメタボリックシンドロームや 2 型糖尿病への 有用性も期待される.ペマフィブラートは他の

脳卒中や心疾患、外傷等の急性期や慢性疾患の急性増悪期等で、積極的な