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博 士 ( 工 学 ) 清 水 早 学位論文題名 Construction of Resist Polymers with Radiation―Scissile Groups at Predetermined Sites

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 工 学 ) 清 水

  

    

学位論文題名

    Construction of Resist Polymers with Radiation

Scissile Groups at Predetermined Sites

(定められた位置に放射線切断基を有するレジスト用高分子の構築)

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  集積電子回路作成の基本技術であるりソグラフイーでは,半導体基板に塗布した高分子レジスト 材料にマスクを通した光を照射して変性させることにより,半導体基板上に電子回路パターンを転 写する。電子回路の集積度はりソグラフイ―の解像度に比例し,従って露光に用いる光の波長に反 比例するから,光の波長は年々短くをる傾向にあり,近い将来には,電子線やEUVX線をど,物質の イオン化ポテンシャル以上のエネルギーを持つ光源すをわち放射線が,リソグラフィーに用いられ ると予測されている。しかし教がら,放射線リソグラフィーのための高分子レジストの開発は,その 端緒に付いたぱかりであって,そのほとんどが,これまで用いられてきた光レジストの改良に集中し ている。

  本論文は,放射線照射によって特異的に生じる反応すをわち放射線化学反応を用いて,空間分解能 が高くて放射線に対する感度も高く,かつその後のりソグラフィー工程であるプラズマエッチング に対しても耐性の高い放射線リソグラフイー用高分子レジストを開発することを目的とした研究に ついて述べたものである。

  第1章は序論であって,リソグラフイーの基本工程と発展の歴史,およびそれに用いられる高分 子レジストの種類と要求性能について述べたものである。

  第2章では,上記性能を有する新たを放射線レジストとして,放射線耐性の高い高分子プロック を,放射線エネルギーを集中的に吸収し,かつ放射線で容易に破壊される分子で結合させた主鎖構造 を持つ高分子を提案している。この高分子は放射線によってプロックどとに分解されるので,空間 分解能や感度を低下させる大きを高分子断片や,プラズマェッチング耐性を低下させる小さ次高分 子断片の発生がない。このため,空間分解能や放射線に対する感度が高く,かっプラズマェッチング 耐性の高い放射線レジストが実現可能とをる。また,結合に用いる分子としてべンジルエステルを 提案している。これは放射線照射で発生して高分子中を動き廻る2次電子を捕捉してべンジルラジ カルとカルボン酸アニオンに解離するので,高分子ブロックを結合する分子としての条件を満足し ている。

  第3章以下では,第2章で提案した基本戦略に基づぃて作成した高分子の合成法と,放射線に対す る反応性について述べている。第3章では,ベンジルェステルの両端に分子量の等しいポリスチレ ンを結合させた高分子の合成法と,その放射線照射効果を述べた。ベンジルエステルの両端にりビ     ―729ー

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ングラジカル重合開始基を結合させ,スチレン中で加熱すると,ベンジルエステルが中央に挿入され たポリスチレンが得られた。また,これを放射線照射すると,高分子中央からの選択的切断が生じ,

分子量が1/2にをった。しかしをがら,切断の効率は必ずしも高いものではをく,分子量が増大した 高分子も一部生成した。その原因として,1)芳香族の保護効果により2次電子の発生効率が低下す ること,2)切断で生じたべンジル型高分子ラジカルが高分子主鎖に付加すること,が考えられた。

  高分子を脂肪族に変えれば,2次電子の収量は増大する。第4章では,ベンジルェステルの両端に 脂肪族高分子であるポリメチルアクリレートあるいはポリメチルメタクリレートを結合させた高分 子の合成法と,その放射線照射効果を述べた。通常のポリメチルアクリレートは放射線によって架 橋するため不溶化するが,リビングラジカル重合法で合成した,中央にべンジルエステルが挿入さ れたポリメチルアクリレートでは,高分子中央での選択的切断のため,分子量が低下し,溶解性が高 まった。しかしをがら,切断で生じたべンジル型高分子ラジカルが高分子主鎖に付加することによ る,分子量が増大した高分子の生成を完全には抑制できをかった。高分子を放射線によって主鎖が 切断されるポリメチルメタクリレートに変えると,分子量が増大した高分子の生成は抑制された。

しかしをがら,高分子中央以外でも主鎖切断が生じるため,プラズマエッチングの際の障害とをる,

低分子量高分子の生成は抑制できなかった。

  第5章では,高分子ラジカルの付加反応を防止する手段として,高分子ラジカル間での不均化反 応を促進することが予想される,中央のべンゼン環からべンジルェステル結合を介して等しい分子 量の3本の分子鎖が伸びた高分子の合成法と,その放射線照射効果について述べた。高分子として ポリスチレンを用いた場合,中央のべンジルェステル部位での選択的切断が生じるため,分子量が 2/3および1/3の生成物が得られた。また生成ラジカルの付加反応が抑制されたため,分子量が増大 した生成物は観測されず,切断効率も増大した。をお,ポリスチレンをポリメチルアクリレートに代 えた場合,付加反応は完全には抑制されなかった。

  第6章では,ポリメチルメタクリレートをべンジルエステルで架橋させた高分子の合成方法と、そ の放射線照射効果を述べた。この高分子を照射すると,架橋部位での選択的切断が生じ,かっその切 断効率が通常のポリメチルメタクリレートの4倍以上とをった。これは.高分子鎖の熟運動に伴う 応カが架橋部位に集中するため架橋部位が非常に切れやすくをっており,放射線エネルギーの刺激 によって容易に切断されることによると考えた。

  これらの研究により,放射線耐性の高い高分子プロックをべンジルェステルで結合した高分子、と りわけ3本のポリスチレン鎖をべンジルェステルで結合したものや。ポリメチルメタクリレートを ベンジルエステルで架橋したものは,空間分解能が高くて放射線感度も高く,かっプラズマェッチン グ 耐 性 も 高 い 放 射 線 レ ジ ス ト の 基 本 骨 格 と し て 利 用 で き る こ と が わ か っ た 。   以上を要するに,著者は,放射線耐性の高い高分子ブロックをべンジルエステルで結合させれぱ、

ベンジルエステルが選択的に放射線分解する結果,分解能や感度が高く,かっプラズマエッチング耐 性が高い放射線レジストを作成できることを示すとともに,その合成法も明らかにした。本研究は,

次 世 代 リソ グ ラ フ ィー である 放射線 リソグ ラフイ ーの発展 に多大 を寄与 をする もので ある。

(3)

学位論 文審査の要旨 主 査

  

教 授

  

市 川 恒 樹 副 査

  

教 授

  

金 野 英 隆 副 査

  

教 授

  

覚 知 豊 次 副査

  

准教授

  

小泉   均

    

学位論文題名

    Construction of Resist Polymers with Radiation

ーScissile Groups at Predetermined Sites

(定められた位置に放射線切断基を有するレジスト用高分子の構築)

  集積電子回路作成の基本技術であるりソグラフィーでは,半導体基板に塗布した高分子レジスト 材料にマスクを通した光を照射して変性させることにより,半導体基板上に電子回路パターンを転 写する。電子回路の集積度はりソグラフイーの解像度に比例し,従って鋸光に用いる光の波長に反 比例するから,光の波長は年々短くをる傾向にあり,近い将来には,電子線やEUVX線をど,物質の イオン化ポテンシャル以上のエネルギーを持つ光源すをわち放射線が,リソグラフイ―に用いられ ると予測されている。しかしをがら,放射線リソグラフィーのための高分子レジストの開発は、その 端緒に付いたばかりであって,そのほとんどが,これまで用いられてきた光レジストの改良に集中し ている。

  本論文は,放射線照射によって特異的に生じる反応すをわち放射線化学反応を用いて,空間分解能 が高くて放射線に対する感度も高く,かっその後のりソグラフイー工程であるプラズマエッチング に対しても耐性の高い放射線リソグラフイー用高分子レジストを開発することを目的とした研究に ついて述べたものである。

  第1章は序論であって,リソグラフィ―の基本工程と発展の歴史,およびそれに用いられる高分 子レジストの種類と要求性能について述べたものである。

  第2章では,上記性能を有する新たを放射線レジストとして,放射線耐性の高い高分子ブロック を,放射線エネルギーを集中的に吸収し,かつ放射線で容易に破壊される分子で結合させた主鎖構造 を持つ高分子を提案している。この高分子は放射線によってブロックどとに分解されるので,空間 分解能や感度を低下させる大きを高分子断片や,プラズマェッチング耐性を低下させる小さを高分 子断片の発生がない。このため,空間分解能や放射線に対する感度が高く,かっプラズマェッチング 耐性の高い放射線レジストが実現可能とをる。また,結合に用いる分子としてべンジルェステルを 提案している。これは放射線照射で発生して高分子中を動き廻る2次電子を捕捉してべンジルラジ カルとカルポン酸アニオンに解離するので,高分子プロックを結合する分子としての条件を満足し ている。

  第3章以下では,第2章で提案した基本戦略に基づぃて作成した高分子の合成法と,放射線に対す

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る反応性について述べている。第3章では,ベンジルエステルの両端に分子量の等しいポリスチレ ンを結合させた高分子の合成法と,その放射線照射効果を述べた。ベンジルエステルの両端にりビ ングラジカル重合開始基を結合させ,スチレン中で加熱すると,ベンジルエステルが中央に挿入され たポリスチレンが得られた。また,これを放射線照射すると,高分子中央からの選択的切断が生じ,

分子量が1/2になった。しかしをがら,切断の効率は必ずしも高いものではをく,分子量が増大した 高分子も一部生成した。その原因として,1)芳香族の保護効果により2次電子の発生効率が低下す ること,2)切断で生じたべンジル型高分子ラジカルが高分子主鎖に付加すること,が考えられた。

  高分子を脂肪族に変えれば,2次電子の収量は増大する。第4章では,ベンジルエステルの両端に 脂肪族高分子であるポリメチルアクリレートあるいはポリメチルメタクリレートを結合させた高分 子の合成法と,その放射線照射効果を述べた。通常のポリメチルアクリレートは放射線によって架 橋するため不溶化するが,リビングラジカル重合法で合成した,中央にべンジルエステルが挿入さ れたポリメチルアクリレートでは,高分子中央での選択的切断のため,分子量が低下し,溶解性が高 まった。しかし教がら,切断で生じたべンジル型高分子ラジカルが高分子主鎖に付加することによ る,分子量が増大した高分子の生成を完全には抑制できをかった。高分子を放射線によって主鎖が 切断されるポリメチルメタクリレートに変えると,分子量が増大した高分子の生成は抑制された。

しかしをがら,高分子中央以外でも主鎖切断が生じるため,プラズマエッチングの際の障害とをる,

低分子量高分子の生成は抑制できをかった。

  第5章では,高分子ラジカルの付加反応を防止する手段として,高分子ラジカル間での不均化反 応を促進することが予想される,中央のべンゼン環からべンジルエステル結合を介して等しい分子 量の3本の分子鎖が伸びた高分子の合成法と,その放射線照射効果について述べた。高分子として ポリスチレンを用いた場合,中央のべンジルエステル部位での選択的切断が生じるため,分子量が 2/3および1/3の生成物が得られた。また生成ラジカルの付加反応が抑制されたため,分子量が増大 した生成物は観測されず.切断効率も増大した。をお。ポリスチレンをポリメチルアクリレートに代 えた場合,付加反応は完全には抑制されをかった。

  第6章では,ポリメチルメタクリレートをべンジルエステルで架橋させた高分子の合成方法と,そ の放射線照射効果を述べた。この高分子を照射すると,架橋部位での選択的切断が生じ,かっその切 断効率が通常のポリメチルメタクリレ―トの4倍以上とをった。これは,高分子鎖の熱運動に伴う 応カが架橋部位に集中するため架橋部位が非常に切れやすくをっており,放射線エネルギーの刺激 によって容易に切断されることによると考えた。

  これらの研究により,放射線耐性の高い高分子ブロックをべンジルエステルで結合した高分子,と りわけ3本のポリスチレン鎖をべンジルエステルで結合したものや,ポリメチルメタクリレートを べンジルエステルで架橋したものは,空間分解能が高くて放射線感度も高く,かっプラズマエッチン グ 耐 性 も 高 い 放 射 線 レ ジ ス ト の 基 本 骨 格 と し て 利 用 で き る こ と が わ か っ た 。   以上を要するに,著者は,放射線耐性の高い高分子ブロックをべンジルエステルで結合させれば,

ベンジルエステルが選択的に放射線分解する結果。分解能や感度が高く,かっプラズマエッチング耐 性が高い放射線レジストを作成できることを示すとともに,その合成法も明らかにした。本研究は,

次世代リソグラフイーである放射線リソグラフイーの発展に多大を寄与をするものである。よって 著 者 は , 北 海 道 大 学 博 士 ( 工 学 ) の 学 位 を 授 与 さ れ る 資 格 あ る も の と 認 め ら れ る 。

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