九州工業大学研究報告(工学)No.251972年6月 43
高炉スラグ砕石コンクリートに関する基礎的研究
(昭和47年4月28日 原稿受理)
開発土木教室出光隆
開発土木大学院生 豊 福 俊 英
開発土木大学院生岡林巧
Basic Tests on Properties of Slag Aggregate Concrete by Takashi IDEMITSU Toshihide TOYOFUKU Takumi OKABAYASHI
Recently, the blast−furnace slag have been using as the subbase course materials
in the road pavements. However, it s very dif五cult to丘nd its using as the aggregate of concrete, yet. It may be for its property of being porous which loses the worka・
bility of concrete, and containing sulpher which reacts chemically on steel bars to
rust them. Hence, the authors have carried out the basic tests on the factors above・
mentioned, and present the experimented results on them hereinafter.
1.まえがき 2.使用材料
現在,高炉スラグは道路の路盤材料として大い (1) セメント:三菱普通ボルトランドセメン に利用されているが,砂利,砕石にくらべ安価で ト,比重3・14
あるにもかかわらず,コンクリート用粗骨材とし (2)細骨材:愛媛県佐田岬産砂・比重2・64 ては一般にはほとんど利用されていない。 表_1高炉スラグの物理的性質
その主な理由としては次の3つの事が考えられ ,
る・ (表乾状態)、吸糧容積襲実嚇最大粒径
i)高炉スラグが多孔質であるためコソクリ
比 重 単位1
一トのワーヵビリテ・一ヵ・著しぽくなり1ましな 2・535・6%1k・/m・59 1430 8% 20mm
粗粒率
(F.M.)
6.76
いか。
ii) スラグコンクリートの強度・耐久性が充 。。
分であるかどうか。 ; iii)スラグ自身恰まれるイオウ分力・錨を ジ さびさせるのではないか。 墨ω くあハ 筆者らはそれらの問題点をはっきりさせ,スラ ⑳ グを使用することが現在生じている骨材不足の問
題解決の一助になるものと考え,基礎的実験を続 2°
行している。
ここでは,そのうち主としてワーカビリティー コ1。個・刷〔耐 と強度に関する実験の結果を報告する。 図一1 粒度 曲 線
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28 5 o ノ5 20 25
44
粗粒率(F.M.)2.46,単位容積重量1706 2ρ kg/m3
(3) 粗骨材:高炉スラグ(その物理的性質 竃 泌
ポ
を表一1に,粒度曲線を図一1に不す。) 量 《㎏)
3 試験方法および結果 2°°
1) ワーカビリティーについて
試験はまず水セメント比w/c−60%,スラン 形
プ6cmの条件でコンクリートのV. B.試験を行ない,最適細骨材率とその時の所要単位水量とを % 求めた。ここに,最適細骨材率とは,水セメント
比およびスランプー定のもとで最小の単位水量で 婿 最良のワーヵビリティーが得られる細骨材率のこ
とである。
/80
①最適細骨材率s/aと所要単位水量Wの決定
w/c−60%に対し,s/a−39,43,46,50,55 35 4° 45 5° 55
%と5種類変え,それぞれのs/aについてスラン 鮪榊%{%)
プ6cmが得られるように配合を定めた。試験の 図一2 s/a〜W曲線
結果を表一2に示す。その結果を用いて,s/a〜 2°W曲線を描けば図一2のようになる。また,s/a ▽
とV・B・値との関係を描けば図一3に示すように ;・5なる。 {秒)
嘉炉ユうグ
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↑ 一『一一一一
ノ0 表一2 配 合
(単位量 kg/m3)
i
38 40 45 50 古
押脅材率%(%)
g.2 図一3s/a〜VB.値との関係
6・6 なわち最適細骨材率46%,最小単位水量183kg
6 2 と比較して単位水量が約1割増えている。② セメント分散剤による減水効果
図一2から明らかなように単位水量はs/aが スラグコンクリートに対する分散剤の効果を調
43%から46%の範囲で最小となっている。また・ べるためw/c−60%,s/a−46%の条件で, K社図一3からはs/aの増加につれてワーカビリティ 製セメント分散剤Mighty−150を規定量使用し 一がよくなっていることが判る。これらの結果か てスランプが6cmになるような配合を求めてみ
ら・w/c−60%・スラソプ6cmの条件のもとで ると表一3に示す結果を得た。
最適細骨材率としてはs/a−46%,その時の最小
単位糧としてはW−・95kgという値が得られ 表一3配(轟量kg/㎡)
1
39 200 333 630 1111
ユ1.82 43
ユ95325 714 1050
ユ0.63 46 195
325774 998
9.2 450 203 338 836 907
6.65
r戸盾206 343 924 811
6.2㌔らの⊇同一条件のもとで行なわれた砕劃劃wlclSGI分散剤
石コ〃リート(実融599%)の場合の値・・す 646ユ7912998・・1・・331・493
45 また,他の粗骨材を用いたコンクリートの場合 (i)圧縮強度 σ
(分散剤を用いない場合の単位水量W−195kg) (a)セメソト水比c/wと28日圧縮強度σ28と
とスラグの場合についてその減水効果を比較して の関係みると表一4のようになる。 c/w〜σ28の関係を図一4に示す。砂利コソク
リートの場合と同様に直線的変化をみせ,4週圧 表一4 減水率の比較縮強度σ28はセメント水比C/Wに比例して増加
粗骨材の種類 単位水量kg 減水率(%) している。 c/wとσ,、との関係式として次式を高炉スラグ ユ79・4 8 得た。
砕 石1173.6 ]1
砂 利 173・6 11 σ28−−143+276c/w
この結果から,スラグコンクリートは砕石,砂 .
エ 利コンクリートより減水効果が幾分劣るようであ 豊ゆ 度る。 (輪)
2)諸強度および弾性係数について ゆ
一般に,土木用コンクリートの水セメント比は45〜60%程度であるから,この範囲の水セメン 鋤
ト比で強度試験を行なってみた。① 試験方法
表一5に示した配合で供試体を作製し,それら
に対して(i)圧縮強度,(ii)引張強度,および(iii)
弾性係数試験((i)と同時に行なう)を行なった。
表_5配 合 図一4c/w〜σ2噛線
(単位量 kg/m3)
(b)圧縮強度と材令との関係
講スランプw/cs/・WCSG 図一5に材令と圧縮強度との関係を示す・これ
1
によると,w/cの小さい高強度のもの程初期強度
1003 の増加率は大きいが長期材令になると強度の伸び 1002 は小さくなり,逆にw/cの大きいものは初期に
998 急激な強度の増加はみられないが,長期の伸びは 大きいようである。(i) 圧縮強度試験
圧縮強度試験はJIS.A.1132に準じて作製した
φ10×20cmの円柱形供試体を用いて,材令7 、5。。
日,28田こおいて,JISAユ・・8セこ基づいて圧縮 竃
試験を行ない,同時に弾性係数を求めた。 (k叢。り4°°
(ii) 引張強度試験 300 引張強度はφ10×20cmの円柱供試体を用いて 2。。
材令7日,28日において,JIS.A・1113に基づい
て割裂試験を行なって求めた。 100
値はその平均値をとった。 材令(日)
②試験結果および考察 図一5材令と圧縮強度との関係
7 8.0
45 43
ユ95422 680 1000 8
5.350 44 195 390 713 1003 9
6.0 5545 195 355 744 1002 10 10.3 60 46
ユ95325 774 998
鋤 ゆ
一 鳥炉スうク 一鼈鼈黶@万坤1
L 逆一
4ω
1 づ P dφ lQ
鋤 !
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1
1ノ
一
1 避
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,、・㌻ぴつ!
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ゆ 1
一
!!
1
6 8 20 22 %
ψ 56 50
45%
46
(ii) 引張強度σ,
cw/とστ2、との関係は図_6に示すようにな 4 結 び
り・この場合も圧縮強度の場合と同様に直線的変 以上の結果をまとめると次の事が言える 化を示し・C/wの増加につれて増加する。この (i)高炉スラグを粗骨材として用いる場合,
場合C/Wとσ ・8との間には 多少単位水量は大きくなるがワーカブルなコンク σz28−5+12 c/w リートを得ることができ・また減水剤の使用にょ って1割弱単位水量を減ずることができた。
の関係が得られた・ (ii)w/。−45%のとき4週圧縮強度。28ヵ、
480kg/cm2とかなりの強度のコンクリートを得
ることができた。(iii)砂利コンクリートや砕石コンクリートと 比較してスラグの場合はセメント量がいく分多く なるが,スラグ自体が安価であるため経済性の面 で他に劣ることはないものと考えられる。
なお,その他の問題点,すなわちイオウ分によ る鉄筋のさびの問題,耐久性などについては5年 分の供試体を作製して屋外に放置して試験続行中 である。
現圧,約90日経ているが,さびの進行は認め
られず,強度も増加しており,耐久性の点でも問 題はないようである。終りに,本実験に当り高炉スラグを提供して戴
輪 いた小倉砿化工業KKに対し,謝意を表する。
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