投 資 配 分 の 選 繹
謹券投資需要の形成過程
木村増
三
̀
一二
三
四
五 ﹁牧益的﹂証券投資者
総体としての牧益的投資行動
マーコウィツツの㌍<原則
中く原則の愛当性
結語
﹁牧盆的﹂謹券投資者
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誰券投資者は︑これを大別して︑二鍾類に分けることができる︒第一の種類は︑たんに投資元本を維持しつつ投資
牧釜を得ることのみを目的として誰雰投資を行う人々であつて︑誰券投資に關する彼らの行動は純粋な投資探算にも
とつく︒これらの人々を︑輩純な牧釜目的の讃券投資者︑ないしは﹁牧釜的﹂誰券投資者と呼ぶことができる︒これ
に樹し第二の租類は︑牧釜目的と同時に︑たとえば特定會砒の支配というような他の特殊な目的をもあわせもつて︑
ヘヨ 誰券投資を行う人女であつて︑讃券投資に關する彼らの行動は︑たんに投資探算のみでなく︑他の特殊目的からする
投資配分の選探
商學討究第五巻第四號
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必要にも依撮する︒前者にとつては︑あらゆる誰舞が投資の封象となり得るのに封して︑後者においては︑特殊の必
要をみたし得る鐙雰の範園が限られているために︑その投資封象となり得るのは︑特定範園の誰雰のみである︒
本稿では︑右のような二種類の謹券投資者のうち︑第一の種類(すなわち牧釜的誰雰投資者)のみをとり上げ︑各
お 種諮券に封する彼らの投資的有高需要がどのように形成されるかという問題を考えてみたいと思う︒ところで︑牧釜
的讃雰投資者が誰券有高需要を形成する過程は︑誰雰投資に關する彼らの行動の一部分過程である︒それゆえ︑本稿
の問題を明確にするために︑ます彼らの讃雰投資行動についていちおうの考察をしておくことが必嬰であろう︒
1これは︑幅田博士の﹁牧盆的投資﹂という用語(幅田敬太郎著﹃謹券﹄昭和二九年︑五八頁)にならつ穴ものである︒それま
でわ☆くしは利殖的投資という語な用いてい敦︒
2・︑のような謹券投質者には︑ω特殊目的が特定會肚の支配へ被支配會壮の財務上の必要をみ牝して支配にょる利益な確保す
ることなども含む)にあろ者(これな朔.支配的﹂謹券投資者と呼ぷ=とができろ︑被支配會肚の獲行ゴる謹券に投資すろ)︑
回特殊目的が特定會杜との取引關係の維持ないし強化にある者(これな﹁取引關係﹂謹券投賢者と呼ぷことがで春ろ︑その會
壮の爽行する謹雰に投資すろ)︑困特殊目的が財政・金融政策の實行にあろ者(これな﹁政策的﹂謹券投資者と呼ぶことがで
きる︑政策上の必要あみたす特定範園の謹券に投質する)︑などがあろ︒
雨田博士も前掲書﹃謹券ヒにおいて︑﹁箪純な牧盆的投資﹂を目的とすろ謹券保有のほかに︑株式については﹁支配的投資﹂
な目的とすろ保有があろb㌧とな指摘されイ︑いる(五六頁)︒なお︑支配的投資という語は︑以前からわ六くしも用いてい六もの
である︒
3投資的有高需要ないし﹁有高需給一の概念に關しては︑拙稿薗謹券市揚現象とその基盤﹄(商學討究第五巻第二號︑昭和二九
年十月)が参照され.れい︒なお後出の﹁取引需給この概念についても右な参照され表い︒
二総膿としての牧往的投資行動
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牧釜的鐙券投資者にとつては︑あらゆる謹雰が投資の封象となり得るのであるが︑護雰のみでなく︑各種の預金・
貸付金・割引手形・不動産(賃貸目的の)などもまたその投資封象となり得る︒すなわち︑彼らにとつて投資の封象
となり得るものは︑ひろく牧釜資産一般(讃雰もその他の牧釜資産も含めた)である︒もつとも︑これは原理的かつ
一般的にそう言い得るだけであつて︑實際上個々の投費者にとつて投資封象となり得る牧釜資産の範園は︑しばしば
限られている︒それには︑④ある牧盆資産の最小取引軍位の贋額が彼の投資資力総額よりも大なるため︑その資産
が事實上彼の投資封象とはなり得ない場合(投資資,力総額の小なるぼど︑投資麹象となり得る資産の範園はより狭く
限定されるわけである)︑㈲制度的(法的または慣脅的)制約にもとつく場合︑09知識・経瞼ないし能力等によ
り制約される場合︑などがある︒しかしながら︑このように範園が限定されるとしても︑個々の牧釜的讃雰投資者に
とつて投資封象となり得るものは︑ある範園における牧釜資産一般であつて︑必すしも誰雰に限られない︒
それゆえ︑牧釜的謹券投資者の謄雰投資に關する行動は︑投資可能な牧釜資産一般に關する彼の投資行動(総艦と
しての牧釜的投資行動)の一分枝i縛艦としての牧釜的投資行動が︑牧釜資産の一形態たる謹舞の部面にあらわれ
たものーにほかならない︒そして︑讃雰投資行動の部分過程たる誰券有高需要の形成は︑総禮としての牧釜的投資
行動の部分過程たる︑牧釜資産一般に劉する有高需要形成の︑一分枝にほかならない︒鐙雰投資行動を十分に解明する
ためには︑総髄としての投費行動の中にこれを含めて考察する必要があり︑誰雰有高需要の形成過程を十分に解明す
るためには︑牧釜資産一般に關する有高需要形成過程の中にこれを含めて考察しなければなちないことはあきらかで
ある︒かくして本稿の問題は︑當然に︑牧釜的投資者(総艘としての牧釜的投資行動の主燈として考えるときは︑牧
釜的誰券投資者というよりは︑むしろ﹁牧釜的投資者﹂と呼ばれるべきである)の︑謹雰をも含む牧釜資産一般への
投資的有高需要は︑どのように形成されるか︑ということにならなくてはならない︒そして誰雰有高需要の形成過程
投資配分の選操
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商學討究第五巻第四號
は︑この問題の考察の中で解明されなければならない︒
さて︑すでに述べたように︑牧盆資産一般に封する有高需要形成の過程は︑牧盆的投資者の投資行動における一部
分過程である︒そこで︑本題にはいるに先立つて︑牧釜的投資者の投資行動(総膣としての牧釜的投資行動)につき
概括的な考察をしておくことが必要であろう︒
おのおのの牧釜的投資者の︑総盟としての牧釜的投資行動は︑基本的には︑投資可能な各種牧釜資産(すなわち︑
可能なる各種投資封象)に劉して彼の総投資資力を配分する行爲にぼかならない︒この投資資力配分行爲は︑決意の
段階と︑その決意を實現する段階とから成る︒
日投資資力配分行爲における決意の段階ー最適投資配分の選揮︒
牧釜的投資者がその総投資資力を各種の可能的投資封象に配分投下しようとするに當つて︑そこには多数の異な
る配分(以下これを投資配分と呼ぶ)が實現可能なものとして考えられる︒彼は任意の一劉象にその全資力を集中
的に配分すること忌できれぱ︑任意の敏封象に任意の割合で資力を分散的に配分することもできる︒したがつて︑
一樹象に全資力を集中的に配分する場合にも︑その劉象の選び方いかんによつて︑多敏の異なる投資配分(これら
を﹁集中型﹂または﹁集中投資型﹂の投資配分と呼ぶ)が實現可能であるし︑また敏封象に資力を分散的に配分す
る⁝場合にも︑その劉象およびそれに樹する配分割合の選び方いかんによりて︑多敏の異なる投資配分(これらを
﹁分散型﹂または﹁分散投資型﹂の投資配分と呼ぶ)が實現可能なわけであつて︑集中型も分散型も合せてこのよ
うに多敏の異なる投資配分が實現可能なものとして考えられるのである︒
彼はこのような多敏の可能的投資配分の中から︑もつとも望ましいと考乏る一つの投資配分(最適投資配分ゾを
選鐸する︒選鐸の基準は純粋なる投資探算であつて︑投資探算上もりとも望ましい投資配分が選ばれるわけであ
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る︒投資配分の選揮に當つては︑ます︑投資採算に入り込むべき諸攣敏のうち︑不確定な將來の事態を内容とする
ものについて︑豫想を形成する︒つぎに︑右の諸愛数を用いて︑.可能なる投贅配分のおのおのについて投資探算を
行う︒そして︑それぞれの投資探算を比較し︑その中でもつとも望ましい探算を示す一つの投資配分を選揮する︒
選揮される投資配分(最適投資配分)は︑通常︑分散投資型のものである︒
切投資資力配分行爲における決意實現の段階‑最適投資配分の現實化︒
選鐸された最適投資配分は︑その時においては通常いまだ﹁所望の﹂投資配分でありて︑それが現實化されるた
めには︑取引が行われることが必要である︒
このことを別のことばで表現すると︑つぎのようになる︒
ある一つの投資配分を選ぶということは︑それが分散投資型であるとするならば︑各種の可能的投資封象のうち
特定の数種に蜀して︑・それぞれある額の資力投下を決意することである︒それは別の面からみれば︑特定の敏種の
牧釜資産についてそれぞれある額(数量)の保有を決意すること︑すなわちそれら牧釜資産につきそれぞれある激
量の有高需要(投資的有高需要)を形成すること︑にほかならない︒彼が現在所有している各種牧釜資産の有高
(すなわち現在實現されている投資配分)と︑薪たに形成された各種牧釜資産の有高需要(すなわち所望の投資配
分)との相違は︑そこに投資的取引需給を生ぜしめる︒一資産(たとえぱある誰雰)について︑現在有高より有高
需要の方が大なるときはその差は取引需要(買需要)を生ぜしめ︑逆の場合はその差が取引供給(費供給)を生ぜ
しめる︒取引需給が取引に結實することによつて︑各種牧盆資産に劉する有高需要はすべてみたされる(所望の投
資配分が現實化される)ことになる︒
以上のような投資資力配分行爲を理論的に分析しようとする場合︑問題は三つに分れると考えてよいであろう︒第
投費配分の選擦