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金沢大学附属図書館中央館における利用者教育

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金沢大学附属図書館中央館における利用者教育

著者 橋 洋平

雑誌名 大学図書館研究

巻 39

ページ 55‑62

発行年 1992‑03‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/1865

(2)

金沢大学附属図書館中央館における利用者教育  

橋   洋 平  

てきた。それらを使いこなすためには教育が必    要になる。  

(5)図書館の活動をPRすることができる。その    ことを通じて図書館や図書館員の地位の向上を    アピールできる。   

金沢大学附属図書館では,こういった意義を踏   まえて,利用者教育に取り組んできた。この論文   では.その内容を紹介し,問題点を検討する。  

1.2 従来の研究   

利用者教育についての研究は,利用者教育の技   法や理論について分析するものと事例を紹介する   ものに分けられる。アメリカでは,利用者教育を   学習理論と結び付けて理論化したり,種々の教育   方法を定量的に比較して優れた方法を見出すよう   な研究が多いが6),国内ではほとんどない。   

後者の事例紹介は国内のものでもかなりの数に   なる7)。1987年の図書館利用指導実態調査による   と8),4年制大学の弘7%で利用者教育が行われ   ている。その内訳は,国立24.1%,公立32.0%,  

私立41.4%となっている。表1からも読み取れる   ように,中央館の事例はほとんどなく,医学・薬   学系の図書館や単科大学での事例が多い9)。これ  

らの大学の中には,授業の一部として,図書館利   用法や文献探索法が組み込まれているところもあ  

る10)。一般に専門化が進んでいる大学や学部はど   利用者教育がやりやすく,要求も多いと考えられ  

る。   

そういう状況の中で,利用者教育の面では遅れ   ている国立大学中央館での事例紹介を行う。先進   的な事例とはいえないが,紹介する意義はあるIl)。   

2.利用者教育の分類   

前章では,利用者教育の大まかな定義を紹介し   たが,その側面にはいろいろなものがある。事例   の紹介に入る前に,利用者教育についてのネり具  

55    1. はじめに  

1.1利用者教育の定義と意義   

図書館における利用者教育は,戸田によると  

「図書館利用者に,情報源としての図書館の機能   を認識させ,学習や研究のために,図書館の施設   設備,資料,サービスを効果的に活用する方法を   教える組織的な活動」と定義されるl)。利用者数   育という用語については,「教育」という言葉を   使うことに対する反発がある。また,この活動自   体,図書館に必要な本質的サービスとして定着し   ていないうえ,活動自体に多様性があるため,用   語の統一はされていない。その他に「利用指導」  

という用語もあるが,ここでは,丸本ほかに従っ   て「利用者教育(user education)」という用語   を用いる2)。   

大学は,一般に研究・教育機関と呼ばれるが,  

ここでは,そのうちの教育機関としての側面に注   目する。そのため,大学図書館における利用者数   育という場合,「自主的,主体的に学習する能力   の育成」という面が重視されることになる〇)。   

関連する業務にレファレンス・サービスがある   が,次の点で意味が異なる。レファレンス・サー   ビスは,具体的な質問をもった利用者を対象に,  

散発的に実施されるのに対し,利用者教育は潜在   的利用者を含めたすべての利用者を対象に図書館   側から働きかけて組織的に実施される4)。   

この利用者教育については,批判的な議論があ   るが5),次のような存在意義があると考えられる。  

(1)図書館員の専門性が生かされる仕事である。  

(2)大衆化された大学では教育しないと利用でき    ない学生が多い。  

(3)生涯教育の観点からみて,自分で文献を探索    する能力を身につけておくことは意義がある。  

(4)社会全体の情報量が増大するにつれて,それ    を検索するためのトウールが高度化し多様化し   竜牒勇嘗巧 

璧  ヨ 

(3)

金沢大学附属図書館中央館における利用者教育  

組織などを紹介することを目的とした,グループ   に対する情報サービス。そのねらいは,これらの  

人々が情報を求めるときに図書館に足を向けるよ  

うにすることにあるので,図書館についての概括   的な知識が得られればよい13)。 

●情報探索指導(bibliographicinstruction)   

オリエンテーションより進んだレベルの指導で,  

図書館の利用者に対して情報の効率的な探索方法  

を教示することを意図した,グループに対する情   報サービス。コンピュータによる情報検索と冊子   体の2次資料による検索の両方を含んでいるので,  

ここでは情報探索と呼ぶ。図書館の利用方法につ   いても,他の図書館の利用法なども含めた,より   高度な知識が提供される‖)。  

●講習会   

講義の形で図書館の設備およびサービスについ   て説明や実習を行う提供サービス。  

●利用説明会   

図書館の施設の利用法およびサービスを希望者  

に対して説明する情報サービス。オリエンテーショ   ン,情報探索指導,講習会が非日常的業務なのに   対し,このサービスは日常業務である。これには  

次の2つがある。  

(1)館内ツアー   

図書館員が館内を概略的に説明しながら案内す   る情報サービス。  

(2)テーマ別利用説明会   

ある特定の図書館内のコーナーおよびサービス   について図書館員が説明や実習を行う情報サービ   ス。  

2.2 内容による分類   

丸本はかによると利用者数青ば内容によって次  

のように分類される15)。これは,2.1で述べた   ものを違った側面から分壊したものである。   

第1段階:図書館紹介   

第2段階:図書館オリエンテーション    第3段階:一般的情報探索指導    第4段階:主題別情報探索指導   

以上の2つの分類を2次元的に表現すると図1  

のようになる。メディアによる利用者教育が図の   上半分,人による利用者教育が下半分に対応する。  

利用者教育の内容の段階が上がるに従って,Ⅹ軸   を右から左に移動していくことになる。金沢大学    蓑14年制大学における利用者教育の主要な事例  

国立大学  

宍道(1976).宍道(1983)  

近藤(1981)  

鳥取大医学部   徳島大薬学部   公立大学  

光斎はか(1987)  

吉本(1966)  

大阪市立大医学部   奈良県立医大   私立大学  

長谷川(1979),長谷川(1980)  

阪田(1980)  

西岡(1979)  

阪田(1978)  

堀口(1981)  

独協大図書館(1976)  

浜田(1982)  

国立音楽大   国際基督教大   東京女子医大   同志社多子大   東邦大習志野   独協大   竜谷大  

体的で操作的な概念を把達するために分類を行う。  

分類方法にはいくつかあるが,ここでは,サービ   スの形態による分類と内容による分類を行う。   

2.1利用者教育の形態による分矯   

丸本はかは,利用者教育を形態によって分類し   ている【2)。それに従って金沢大学附属図書館中央   館で行っている利用者教育を列挙すると次のよう   になる。  

2.1.1メディアによる情報提供   

これらについては,項目をあげるにとどめ,こ   の論文では具体的な説明は行わない。  

●サイン  

(1)場所を指示するためのサイン  

(2)施設の内容を案内するためのサイン  

(3)書架のサイン  

●機器操作等の説明書  

(1)OPAC利用の手引き  

(2)CD−ROM利用の手引き  

●図書館利用案内  

(1)冊子体のもの  

(2)ビデオ  

(3)テーマご  との利用案内リーフレット   2.1.2 人による情報提供   

一般に,利用者教育という言葉は,こちらを指   している。  

●オリエンテーション(1ibrary orientation,  

1ibraryusepresentation)   

潜在的な利用者に図書館のサービス,施設設鳳   

(4)

†y   メディアによる   情報堰供  

Ⅹ:内容による分類  

y:形態による分類   *各種サイン  

*テーマ別利用案内説明書・…・・…・・−…・−・…・  …・・・・………・…・………・…………*図書館利用案内   

−●  (冊子/ビデオ)  

..==. 

個別的・専門的   一般的・基礎的   

−−Ⅹ  

*情報探索指導−−−−……   *専門課程進学者…‥・………=  *新入生のための   のためのオリエ   オリエンテーション   ンテーション  

*テーマ別利用説明会・・……−…・−…………・…・・…      ・…・・……−・…−−…・…−…==…−−・…・=……・−・ 

*館内ツァー   

′(*レファレンス・サービス)   人による  

情報操供   せ  

図1内容および形態による利用者教育の分類  

図2 金沢大学附属図書館中央館における利用者教育の年間スケジュール  

附属図書館では,これらのサービスを簡単な形で   はあるがすべて用意している。  

3.事例紹介   

前章で行った分類に従って,金沢大学附属図書   館中央館で行っている利用者教育の概要を説明す  

る。   

金沢大学は,8学部からなる総合大学で,学生・  

大学院生約8500名,教職員約2300名が所属して   いる。現在,大学は総合移転中なので,キャンパ   スは角問キャンパス(文学部,法学軌経済学部),  

丸の内キャンパス(本部,教育学瓢 理学部,  

教養部),宝町キャンパス(医学弧薬学部),小   立野キャンパス(工学部)の4つに分散している。  

将来的には,丸の内キャンバスにある学部はすべ   て角間キャンパスに移転する予定である。中央館   は,角間キャンパスにあり,それ以外のキャンパ   スには分館がある。中央館のサービス対象は,文   学部,法学部,経済学部の学生・大学院生と教職   員が中心となるため,利用者教育の内容も,人文   社会科学が中心である。   

金沢大学附属図書館では,図2のような年間ス  

(5)

金沢大学附属図書館中央館における利用者教育  

② 館内ツァー(10分)   

③ OPACの使い方の説明(10分)  

3.1.2 専門課程進学者のためのオリエンテー  

ション   

春に行う新入生のためのオリエンテーションと   は別に,10月の専門課程進学時にもオリエンテー   ションを行ってきた。新入生オリエンテーション   は,まだ自分の専攻する科目もはっきり決まって   いない学生に対して,図書館を利用するための基   本的な情報を提供するオリエンテーションだった   が,このオリエンテーションは,学生生活にも慣   れ専門課程で勉強を始める学生を対象とする図書   館ガイダンスである。1990年度の日程と参加人   数は,表3のとおりである。入学時には必要性を   感じなかった情報も,この時点になる阜必要にな  

る可能性もあり,同様のプログラムを行った。学   内の資料検索トウールであるOPACの使い方の   実習を含んでいる点が異なる点である。新入生の   ためのオリエンテーションの時は,人数が多いた   め,OPACについては場所の説明しかできなかっ   たが,専門課程進学者のためのオリエンテーショ  

ンではある程度の実習を行うことができた。  

① 中央館利用案内ビデオの上映(20分)  

② 館内ツァー(20分)  

③ OPACの使い方の実習(20分)   

3.2 情報探索指導   

情報探索指導として,専門課程の論文作成予定   者を対象に「資料の探し方ガイド」を行ってきた。  

オリエンテーションより1つ進んだレベルの利用   者数育をイメージしている。内容は次のとおりで  

ある。  

① 資料の種類別(学内,学外/雑誌,図書)の    文献探索法の説明(15分)  

② 論文の作成の流れと図書館のできるバックアッ    プについての説明(15分)  

ケジュールで利用者数育を行っている。日常業務   と非日常業務を組み合わせ,利用者がいつでも利   用者教育を受けられるようにしている。   

以下これらの活動の実施例を紹介する。   

オリエンテーション,情報探索指導およびOP   AC講習会についてはいちばん最近に行った事例   を紹介する。  

3.1 オリエンテーション   

金沢大学で行っているものは次の2つである。  

3.1一 手 新入生のためのオリエンテーション    入学式当日に大学全体のオリエンテーションの   一部として館長が簡単な説明をする「オリエンテー  

ション」とは別に図書館内で独自のオリエンテー   ションを行ってきた。1991年度の日程と参加人   数は表2のとおりである。内容は,図書館を利用   するために必要な基本的な情報の提供と館内の紹   介が主である。資料として図書館利用案内1泊1   年版と金沢大学図書館報「こだま」を配布した。  

また,このオリエンテーションのために図書館利   用案内ビデオを作成し,上映した。ビデオ作成は,  

図書館員が行った。オリエンテーションのプログ   ラムは次のとおりである。参加が必須のオリエン   テーションではなかったが,かなりの人数が集まっ   た。  

■角問キャンパス   

① 中央館利用案内ビデオの上映(20分)   

② 利用券の発行方法などについての補足説明   

(10分)   

③ 館内ツァー(30分)  

■丸の内キャンパス   

① 図書館利用案内1991年版に基づく説明   

(10分)  

蓑2 新入生のためのオリエンテーションの日程   と参加人数(1991年度)  

ーーーー−﹁  

封l=パHl・U﹂封り﹂卜l†.‖▲I対=1.〜い訂.dnh・︼ q川−り  

開催場所   日   時   参加人数   角間キャンパス 4/1111:00〜12:00  51人  

13:00〜14:00  27人   丸の内キャンパス 4/15 12:30〜13:00  9人  

15:00′・・■15:30  5人  

4/15 12:30〜13:00 10人   15:00〜15:30 10人  

表3 専門課程進学者のためのオリエンテーショ   ンの日程と参加人数(1990年度)  

日   時   参加人数  

第1回目   

10/1611:00〜12:00 19人  

第2回目   13:00〜14:00  9人   合   計   

合  計   112人  

(6)

匿隊艶藍  

表4 資料探し方ガイドの日程と参加人数  

(1991年度)  

蓑5 0PAC講習会の日程と参加人数  

(1991年度)  

日   時   参加人数   開催場所   日   時   参加人数  

第1回目   6/27 15:00〜16:00 25人   第2【司冒   6/28 15:00〜16:00 30人  

工学部   5/14 13:30〜16:00  2人   文法経済学部  5/2113:30〜16:00 17人   薬学部   5/22 13:30〜16:00  6人   理学部   5/24 13:00〜16:00 17人  

合   計   55人  

合  計  

42人   

③ CD−ROM(]−BISC,SSICD−ROM版など)   

とOPACの検索実習(30分)   

日程と参加人数は表4のとおりである。文学部   の一部の教官をとおして参加者を募ったところ,  

予想を上回る人数が集まった。同一研究室単位で   利用者教育を行う方が,受講側にとっても指導側   にとっても都合が良いので,今後は,研究室単位   で参加者を募り,授業やゼミにより密着した形で   の利用者教育を行っていく予定である。内容や日   程についても教官と相談して決めることになるの   で,従来行ってきたものとは違う形態になること   が予想される。  

3.3 講習会   

図書館内での利用者教育とは別に,OPACの   利用講習会を開催してきた。金沢大学のOPAC   のデータベースは,学内の共同利用施設である総   合情報処理センターにあるので,その利用資格の   ある人なら研究室からでも図書館資料の検索を行  

うこ.とができる。そういう人たちも対象としてセ   ンターと共催で講習会を行ってきた。図書館内で   行う実習と異なり.学部の情報処理実曹室を使っ   て行うため,1人1台ずっ端末を専有し,かなり   内容の濃い実習をすることができた。講習会の講   師およびその補助者はすべて図書暗員が当た?た。  

日程と参加人数は表5のとおりである。   

3.4 利用案内説明会と館内ツァー  

(1)経緯と内容  

1989年12月から毎週特定の日に利用案内説明   会を行ってきた。  

1989年10月の新図書館移転後に開始した新し   いサービスや新しい施設の利用方法を紹介するの   が当初の目的だった。方法は,毎週金曜日の12:  

30からと15:00からの2回,職員が希望者に対   し図書館内を案内してまわる「館内ツァー」とい   う形態をとった。  

1990年10月からは,曜日を火曜日に変え,2   回行っていた館内ツァーのうちの1回をテーマ別   図書館利用説明会に変更した。移転して1年たち,  

「新しい図書館」を見てまわるという幾分あいま   いな館内ツアーの意義が薄れてきたからである。  

従来の館内ツアーでも図書館内の特にどの部分に   ついて知りたいか,ということをあらかじめ尋ね   てから案内を行っていたが,それをもっと体系的   に行うことにした。説明内容のメニューを用意し  

(図3),あらかじめ掲示しておくことで,利用者   にとっても説明会を準備する側にとっても便利な   ようにした。   

内容は,以下のものが月単位で繰り返される。   

第1週:OPACの利用方法   

第2週:CD−ROMの利用方法(CD−ROM全   般についてではなく,J−BISC,ERICといっ   た特定のCD−ROMの利用方法)   

第3週:オンライン情報検索の紹介(オンライ  

ン情報検索全般についてではなく,特定のデー  

タベースについての紹介)   

第4週‥参考図書やカード目録の使い方,など  

コンピュータを使わない資料探索法の説明  

(2)実績   

説明会を原則として毎週行ってきたが,そのう   ちのかなりの週は参加者ゼロであった。1989年   12月から1991年7月までの通算参加者数は,40   名で,1回あたり最も多く参加したのが7名だっ   た0平均すると1名にも満たない。参加人数の面   では効果はあがっていないが,図書館のサービス   活動のPRという意味では役に立っている。   

人数が集まらない原医=ま,①移転が完全に終  

わっていないためキャンパスの人口が少ない(文  

法経済学部の3.4年生,院生および教職員の約  

1500人が対象となる),②pRの不足またはPR  

方法のまずさ,の2点が考えられる。  

(7)

金沢大学附属図専館中央館における利用者教育  

図書館利用説明会について  

図書館では、毎週火曜日に下記の通り図書脚用説明会を行ってい紺。時間は約30媚です。参加を希望される方   ば、サービスカウンターまで申し込んで下さい。  

一国書鮒用説明会 毎週火曜日12時38朗\ら行います  

5月 7日  OPAC(オンライン目録)  学内賃料の内、最近の3−4年間に受け入れられた新しい園舎について、コン   の使い方    ピュータを使って調べる方法について説明します。   

貞月14日  CD−ROMの使い方  ERICの使い方について脱明します。ERICは、教育学全般についての雑   法論文やレポート類を探すためのデータベースです。   

5月21日  わ引ン憫報検索の使い方  学術憫報センターの日録所在情報データベースの使い方について説明します○  

これは、全国の大学等に所蔵する図書、雑誌を探すためのものです。   

5月28日  学外資料の探し方    学外の文献の探し方の概要と、学外への文献複写、囲昏の億万について耽明し   ます。   

6月 4日  OPAC(オ汚イン目録)  学内資料の内、最近の3−4年間に受け入れられた新しい図書について、コン   の使い方    ピュータを使って調べる方法について脱明します。   

8月11日  CD−ROMの使い方  判例マスターの使い方について釈明します。判例マスターは、法学関係の主要   な雑捻、判例集に掲載された判例を検索するためのデータベースです。   

6月1$日  わライン情報検索の使い方  現行法令データベースの使い方について脱明します。   

6月25日  カード目録の使い方  カード目録の使い方について脱明します。   

7月 2日  OPAC【オン封ン日録)  学内資料の内、最近の3■−4年間に受け入れられた新しい図昏について、コン   の使い方    ピュータを使って調べる方法について説明します。   

7月 9日  CD−ROMの使い方  J−8I$Cの使い方について脱明します。J−8】SCは、最近の約20年   闇に出版された園舎のデータベースです。   

7月16日  オンライン情報検索の使い方  AHCl(ArtandHumanltto与C‡tathnlndox)の使い方について脱明します   AHelは、人文系の雑法諭文を探すためのデータベースです。   

7月23日  CD−ROMの使い方  SSI(Soci81ScI帥は=油河の使い方について説明します。SSlは、社会   科学関係の雑誌論文を探すためのデータベースです。   

7月30日  OPAC(オンライン目録)  学内資料の内、最近の3−4年間に受け入れられた新しい園舎について、コン   の使い方    ピュータを使って頸ペる方法について説明します。   

l鴎脚順説明会腸内ツアー) 毎週畑日15掛ら行い紺   

係のものが図書館内を案内しながら利用方法等について説明を行はす。紘特に知化いことがあったら申し出  

て下さい○重点的に案内します○  

金沢大学附属賃舎熊  

図3 利用説明会のビラの例  

(8)

大学図書館研究XXXIX(1992.3)  

考業務の充実といったことが実現して初めて利用   者教育は意味のあるものになる。  

5.おわりに   

以上の問題点の根底には,図書館業務の効率を   重視するか?サービスの公正さを重視するか?と   いう問題がある。すべての人に対し十分な利用者   教育を行おうとすれば,際限なく時間がかかる。  

その一方で.時間と職員数と予算には制限がある   から,十分な利用者教育はむずかしい。そういう   状況の申で,Eadieのような「区Ⅰ書館利用者教育   は不必要だ。レファレンス業務で十分対応でき   る。」という意見が出てくる19)。   

今回の事例についていえば,金沢大学では効率   のよくない業務を,図書館としての使命感から行っ   ていることになる。しかし,その使命感には,  

「自分たちの能力の範囲で」「他の業務に支障のな   い範囲で」という留保が付く。この論文は,そう   いう制限の中で行った1つの事例紹介であり,目   新しい活動や先進的な活動はない。   

歴史的にみると,利用者教育は不可逆的に拡大   する傾向にある。業務の効率だけを優先して昔の   サービスに逆戻りするようなことはもはやできな   い。今後の課題は,一定の制限の申で,効率と公   正のバランスを取りながらいかにして利用者教育   を進めていくかということになるだろう。  

4.考察と課題   

金沢大学附属図書館中央館で行ってきた利用者   教育には次のような問題点がある。  

4.1形態について   

毎週,図書館利用説明会という形で,利用者数   育を行ってきたが,参加者数の面では十分な成果   が上がっていない。説明会のPR方法を考え直す   必要があろう。この論文で紹介した事例はすべて   図書館独自で行ったものであるが,教官の協力を   得るなど別の形態で行うことで改善できるかもし   れない。その上でも,成果が上がらなければ,利   用説明会自体を考え直さなければならない。   

利用者教育の研究史に関連していうと,利用者   教育の技術に関する比較研究が蓄積され実践に生   かされることが課題となる。  

4.2 内容について   

情報探索指導については図書館側で内容を考え   るだけでは,授業やカリキュラムに合ったものに   はならない。教官からの要望に基づく利用者教育   を考える必要がある18)。   

現在は人文社会科学中心のプログラムを組んで   いるが,総合移転が終われば,自然科学系の利用   者に対する情報探索指導の必要も出てくる。その   場合,利用者教育の内容も現在のものとは違うも   のになるはずである。そのためには,探索トウー   ルにどういうものがあるのか,図書館員自身が今   以上に精通しておく必要がある。  

4.3 評価について   

アンケートの結果はおおむね好評であるが,自   由感想欄に書いてあるような意見や不満は必ずし  

もフィードバックされていないl了)。適正な評価を   行い,フィードバックをしないと自己満足に陥る   可能性がある。4.1と同様に,利用者教育の評   価を客観的に行う方法についての研究の蓄積が期   待される18)。  

4.4 前提となるサービスについて   

利用者教育は,閲覧,参考業務,収書,整理と   いった種々のサービスの上に機能するものである。  

利用者教育を実施するのに必要な文献検索トウー   ルの整備.利用者教育のアフターケアとしての参  

注  

1)戸田慎一 8.6図書館利用教育:8.6.1意義,,『図    書館情報学ハンドブック』丸善,1988,p.788.  

2)丸木育子,椎葉離子編『大学図書館の利用者教育   

(図書館員選書27)』東京,日本図魯館協会,1989,  

pp.2〜4.  

3)前掲 2)p.2.  

4)前掲1)p.788.  

5)Eadieは,「利用者教育は労力の割に効果が少ない。  

レファレンス・サービスで十分である。」と論じて    いる。また,Smalleyは,技術的側面ばかりを重    視し,情報検索の基本概念を教えないような利用    者教育に対し疑問を提示している。   

Eadie,T. Immodest proposals:uSer    instruction for students does not work     エiむrαり・ゐ払rJlαJ.Oct.15,1990,pp.42〜45.   

Sma11ey.T.N・ BibliographicinstruCtion    in academiclibraries:queStioning s(うme   

assumptions  ゐ以「几αg ′ 扉 αCαdemie  

(9)

金沢大学附属囲容館中央館における利用者教育    pp.2〜19.  

堀口安夫 実務紹介シリーズ・利用者へのオリエ  

ンテーション:東邦大学習志野図書館の場合 『薬   学図沓館』26(1/2).1981,pp.41〜45.  

吉本瑞応 医学生に対する文献探索指導 『医学図   書館』13(4).1966,pp.275〜277.  

8)日本図書館協会図書館調査委員会の調査による。  

ただし.この調査では,新入時のオリエンテーショ   ンの数値を含めていない。  

日本図書館協会図書館調査委旦会 利用指導の実   情−4年制大学− 『現代の図書館』26(2),1988,  

pp.116〜120.  

9)日本における利用者教育の歴史的経緯をみてもそ   ういえる。  

丸本郁子 文献に見られる日本における図書館利   用教育の歩み 『大阪女学院短期大学紀要』15/16,   

1985,pp.19・}54.  

10)『薬学図昏館』26(4),1981に事例が掲載されてい   る。  

11)『利用者教育臨時委員会通信』NO.9.1990では先   進的な事例のみを紹介することによって「啓蒙主   義の逆効果」が生じるとしている。  

12)前掲 2)p.5.  

13)前掲1)p.789.  

14)前掲1)p.790.  

15)前掲 2)p.41.  

16)東京女子大学短期大学部の事例がある。   

森山昭郎,内海絹子 文献検索の教授法:「国際    関係論」の場合 『IDE:現代の高等教育』257,   

1984,pp.72〜80.   

組織的に利用者教育を行うための方法を具体的に    述べたものに前掲1)pp.179〜234がある。  

17)意見としては.OPACの使い勝手をよくしてはし   いというものとデータの遡及入力をしてはしいと   いうものが多い。  

18)利用者教育の評価を行った国内の研究に前掲7)の   中の宍道(1983)がある。  

19)前掲 5)  

giむrαriαn8ん由,3(5),1977,pp.280〜283.  

6)アメリカにおける利用者教育の理論化の動向につ    いては次の文献がある。   

斉藤泰徳 米国の大学図書館における利用者教育    の理論化の動向●●『社会教育学・図専婚学研究』15,   

1991,pp.1〜12.  

7)文献リストを掲載したものに次のものがある。   

菅原春雄 情報処理教育の課題:大学の場合 『文    教大学女子短期大学部研究紀要』24,1980,pp.11〜  

20.   

丸木郁子 図書館利用数育 『図書館界』36(5),   

198ち pp・297〜303.   

表1に掲載した文献は次のとおりである。   

光斎重治,土屋久子,木下順一 医学図書館にお    ける利用者数育について:大阪市立大学の場合    

『医学図書館』糾(2).1ぬ7,pp.100〜112.   

近藤英子 実務紹介シリーズ・利用者へのオリエ    ンテーション:徳島大学附属図書館蔵本分館の場    合 『薬学図書館』26(1/2),1981,pp.36〜40.   

阪田美枝 同志社女子大学におけるオリエンテー    シ才ン計画l 『図書館界』30(4),1978,pp.155〜   

159.   

阪田蓉子 国際基督教大学(ICU)における図番館    利用法指導 『図書館雑誌』74(6),1980,・pp.264〜   

265.   

渋田義行 大学における利用指導の意義について:   

3.4回生を対象とした事例を中心にして 『図書    館界』30(6),1982,pp.243〜248.   

宍道 勉 医学図書館における利用者教育 『医学    図書館』23(2),1976.pp.79〜86.   

宍道 勉 利用者教育が図書館利用に及ぼす効果    について牒『大学図壱館研究』2a1983,pp.計−1鼠    独協大学図琶館オリエンテーション企画班 大学    図書館オリエンテーションの一読み 『 図書館雑誌』   

70(10).1976,pp.415〜419.   

西岡正行,佐藤淑子 文献検索指導 開障館』   

26(4),1979,pp.34〜141.   

長谷川由美子 国立音楽大学における利用者教育    

『医学図書館』26(4),1979.pp.142〜150.   

長谷川由美子〟大学図曹館の教育的機能と利用者    数育 『塔・国立音楽大学図書館報』20,1980,  

<3.12.9 受理 はし・ようへい  

金沢大学附属図書館情報サービス課参考調査係>   

参照

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