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武藤文庫蔵『交隣須知』について

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(1)

長崎大学教養部紀要(人文科学編) 第37巻 第3号 17‑50 (1997年1月)

武藤文庫蔵﹃交隣須知﹄について

不 破 浩 子

On

 M ut o  Bu nk o Bo n 

"

Ko ri ns hu ch i"

Hi

ro

ko

 F

UW

A

﹃交隣須知﹄は︑江戸時代末期から明治時代にかけて行われた代

表的な朝鮮語学習書である︒本書は︑対馬通事が編纂したものに雨

森芳洲が力を添えて成立したものといわれている︒明治維新後︑そ

れまでの宋氏にかわって直接朝鮮との外交にあたることになった外

務省は︑朝鮮語学の必要を感じて厳原に語学所を設置し︑通事の子

弟だけでな‑士族も入学させた︒そこで︑生徒たちは﹃隣語大方﹄

や ﹃

交 隣

須 知

﹄ を

各 自

筆 写

し て

教 科

書 と

し て

使 用

し た

と い

う (

注 ‑

) 0

本書(以下︑﹃交隣須知﹄を指す)は︑明治一四年刊本が出るまで

は写本として伝わっていた︒

現存諸本は︑増補項目を有するものと︑有しないものとの二系統

に大別できるが︑武藤文庫蔵本(以下︑武藤本と略称する)は︑増

補本系に属し︑現存諸本と同じ‑四巻仕立てで︑そのうちの第二巻

を 欠

い て

い る

形態は︑天文・時節・昼夜のように意義分類し︑漢語の見出しに

対してハングルで例文をあげて︑右側に日本語の訳文をつける︒訳

文としての日本語は︑本来完備していたものではな‑︑部分的につ

けたあった単語訳が︑次第に独立した日本語文としても意味が通る

ように整備されていったものである(注2)︒項目については︑諸

本との比較検討を行ったことがある(以下前稿と呼ぶ︒注3)0

本稿では︑武藤本の内容について検討を行い︑その資料的価値を

探ってみたい︒比較検討に用いた諸本は︑前稿と同じで︑論述に際

して︑﹃交隣須知本文・解題・索引﹄(京都大学国語国文学研究室)

を京大本︑﹃明治一四年版交隣須知本文及び索引﹄(笠間書院)を明

治 刊

本 と

略 称

す る

一書誌的な特徴 ︒

武藤本の現存三冊のうち︑巻一は巻三・四に比べて汚損が激しく︑

表紙の色も巻一は灰色︑巻三・四は茶色である︒大きさは︑巻一は

( c

m ^

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i ‑

H X

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I L

O t

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㌢ )

︑ 巻

三 ・

四 は

( o

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t <

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T ‑

I X

r ‑

I <

﹂ >

  '

0 ㌢

)

で巻一の方がやや小さい︒巻一には︑朱墨による数箇所の加筆訂正

があり︑擬音・促音・勘長音といったハングルで合成表記になるよ

うな特殊音に対して一音節化して発音すること指示する符号が一三

八語種(のべ二三七語)に付けられている︒この符号は︑巻三以降

では﹁すいu剖引(巻三金宝)﹂の一例があるのみである.また︑

例文はあるがそれに対する見出しを欠いている候が︑巻三に三項目︑

巻四に八項目ある︒これは︑巻三・四の基づいた写本に汚損があっ

一七

(2)

千 浩

不 て見出しが読めなかったために起こった欠落と推測され︑連読符号 についても︑巻三・四の基づいた写本には巻一と同じようにつけら れ

て い

た 可

能 性

滝 あ

る (

注 4

) 0

原則として各見出しに︑朝鮮語文と日本語文が一つづつ対応させ

られているが︑複数の例文或いは語があげられていることもある︒

どの箇所にどのような例文が付け加えられているかは︑諸本によっ

て異なる︒京大本に一九箇所︑明治刊本に四箇所︑武藤本には二二

箇所の増補があり︑京大本は﹁一本二︑ヨクワメサシャレ(巻一⑤

1  

4 填

) ﹂

﹁ 又

ホ ソ

バ ︑

ケ ン

タ イ

ニ ヲ

キ テ

ミ レ

ハ ︑

ヒ ヨ

フ シ

サ へ

モ ソ

ジカタガスクナイ(巻三⑲9冊)﹂のように通例の日本語文と同様

に文章の形態をなしているものが一二例あるのに対して︑武藤本は︑

﹁ 印

ト 云

テ ニ

ハ 過

去 ノ

言 ︑

又 他

人 ノ

言 タ

ル 言

ニ ッ

カ ウ

( 巻

一 ⑤

1  

7 原

) ﹂

といったハングルについての注や﹁江連ハ浦内ノ水蓮云(巻一⑥2 7

洲)﹂﹁湯トウト云トキハ熱水也(巻四⑫76揚々)﹂のように漢字

やその発音についての注を加えたり︑﹁又ミチガジルイ(巻一⑤‑

地)﹂﹁又面ヲ云(巻一⑨9丁)﹂のような別の語義を注したりして

いるo﹁ジルイ﹂という語は︑﹁道路のぬかりを関西にてu利叫と云

(﹃物類称呼﹄巻五)﹂のように西国の方言である︒本書では︑武藤

本に欠けている巻二に﹁石ガバラヲシイタ二︑功勅引ナクテ通ノヨ

ウゴザル(明治刊本・巻二樽)﹂とある︒

二教科書としてみた﹃交隣須知﹄の内容

﹃交隣須知﹄は︑朝鮮外交の必要性から編纂された語学学習書で m

あることから︑その実用目的に相応した︑公的な内容のものである

ことが想定される︒そうした︑視点から本書の内容を見てみると︑

例えば﹃捷解新語﹄﹃隣語大方﹄では︑明らかに外交場面のやりと

りが中心であったが︑﹃交隣須知﹄の場合は︑意義分類の辞書形態

をとっており︑例文の長さが限られていることもあって︑外交の実

用に直結する例文は見られない︒また︑通常の教科書の概念基準か

らすると︑どうかと思われるような内容の例文も見られる︒﹁ユグ

ヲヌクトキ︑チヨトイヤガルフリテモシテコソカワユイ(巻三⑥5

女袴)﹂﹁アキラカナ燈ノ下二美人ヲ対シテ居タラハ心ガドゥゴザラ

ウカ(巻三⑪1 9明燈)﹂﹁ヌスミヲシテ︑酒下女二狂ウテ︑ジキニコ

ロスヤツジヤ(巻三⑳2 7倫)﹂﹁ダキアウテ︑フタリネマセウ(巻四

②1 8抱)﹂のようなものや︑﹁フタヲキセテヲイテ︑イキノデヌヤウ

ニサシャレイ(巻三⑨1 3蓋)﹂﹁首シメテコロス罪ガ︑キル罪ノツギ

ジャ(巻三⑳3 1絞)﹂﹁アタツテ馬ノ下ニヲチタニヨリ死シタニチガ イマセヌ(巻三⑳4 3中)﹂﹁クシデッキサイテコロシデモ︑ホウラツ

ナ 老

ハ ア

ワ レ

ゲ ガ

ナ イ

( 巻

四 ⑪

1  

6  

5 串

) ﹂

の よ

う な

残 酷

な 例

文 が

あ る

後者の例文は︑見出し語自体が政刑の類を扱う所為でもあるが︑前

者の類は︑分類や採録語嚢には︑このような例文でなければならな

い必然性は無い︒これは︑例えば︑寛政頃の成立と推測される唐話

辞書﹃東京異詞相雑解﹄に﹁郎々仔(イタツラモノ・イロイロモノ)﹂

﹁ 色

郎 老

( イ

ロ モ

ノ )

﹂ ﹁

賭 銭

( バ

ク チ

ウ チ

) ﹂

﹁ 買

療 (

ケ イ

セ イ

カ イ

) ﹂

﹁郎女(イロヲナゴ)﹂といった罵苦言が載せられていることと軌

を一にするもので︑当時の社交場面の実状を反映するものと考えら

(3)

武藤文庫蔵『交隣須知』について

れ︑こうしたものを排除しているキリシタンの教科書の方がむしろ 特別であるといえよう(注5)︒また﹁アノ人ハ︑テヲスル人デタ

ノミニナリマセヌ(巻一⑨5 1謀)﹂﹁アノ人ハ︑ドンニゴザル(巻一

⑨5 6鈍)﹂﹁アヤツハ︑マヱヨリスルカシコイ(巻一⑪6 5彼)﹂のよ

うな人物評価に関する例文も多い︒これは︑﹃捷解新語﹄や﹃隣語

大方﹄といった他の朝鮮資料とも共通する傾向である︒

また︑﹃隣語大方﹄では︑学習効果を高めるため︑諺や故事成句

が非常に多‑採られていたが︑本書でも︑漢文に典拠をもつ﹁君子

ハ少シノシソソジヲ見ズト申マスル(巻一⑲3 4君子)﹂﹁男ハ︑立身

揚名以顕父母ト申マスル(巻一⑪1 7男)﹂﹁修人事後こ待天命ト申マ

ス ル

( 巻

一 ⑬

5  

6 命

) ﹂

﹁ 郡

部 ノ

夢 (

巻 一

⑬ 5

  7

夢 )

﹂ ﹁

一 瞬

千 里

( 巻

一 ⑬

6  

1 瞬

) ﹂

﹁ コ

ツ ズ

イ ニ

テ ツ

シ マ

シ タ

( 巻

一 ⑬

2 骨

髄 )

﹂ ﹁

大 鵬

ハ 一

日 こ

万里ヲユクト云詞ガゴザリマスル(巻一⑮6鵬)﹂﹁イツソニワトリ

ノロニナルト云テモ︑牛ノシリエニナルナ(巻一⑮4 6喚)﹂﹁アヲノ

イテツバヲパケバ︑ワガカヲニヲチル(巻四①1 6仰)﹂﹁トガメラレ

テモ過ヲ改ムレバヤカマシウナイ(巻四⑦7過)﹂のような成句や︑

俗間によ‑行われたことが確認できる﹁朝ヤケハ雨︑タヤゲバ晴レ

ル (

巻 一

① 5

  0

霞 )

﹂ ﹁

鳥 ナ

キ 島

ノ カ

ウ モ

リ (

巻 一

⑮ 垢

幅 )

﹂ ﹁

マ ナ

イ タ

ニアガッタ魚ガ︑キレモノヲヲソリヤウカ(巻三⑨1 5姐)﹂﹁チャウ

ジガシラガヨイニヨリ︑キハメテヨイコトガコサリマセウ(巻三⑪

1  

8 燈

花 )

﹂ ﹁

ヲ ド

ケ ガ

マ コ

ト ニ

ナ リ

マ シ

タ (

巻 四

⑤ 5

弄 談

) ﹂

︑ 中

国 や

朝鮮で行われていた俗諺と推測される﹁ダソナノセンタクスレバ︑

アシノキビスガ自クナル上申マスル(巻一⑬3 4扱)﹂﹁キナイノメキ

ジ (

巻 一

⑮ 2

  7

雑 )

﹂ ﹁

シ ラ

サ ギ

ヨ ︑

バ ラ

タ テ

タ 腐

ガ 自

イ 色

ヲ ネ

タ ム

( 巻

一 ⑮

1  

9 白

鷺 )

﹂ ﹁

カ サ

︑ ギ

ガ 時

ニ ヨ

リ ︑

コ ト

ガ ゴ

ザ リ

マ セ

ウ (

巻 一

5  

9 鵠

) ﹂

﹁ カ

ナ ボ

ン ハ

ワ レ

テ モ

︑ モ

ト ガ

ネ ハ

ッ カ

ウ (

巻 三

⑧ 3

  3

鐸 盆

) ﹂

﹁サホノサキデモ三年ハコタヘルト云ニヨリコラへサシャレイ(巻

三 ⑪

3  

5 竿

) ﹂

の よ

う な

も の

も あ

る ︒

例文の特徴として固有名詞が少な‑︑場面に具体性が欠ける傾向

が 見

ら れ

る ︒

そ れ

は ︑

﹁ ヲ

︑  

︑ ソ

レ ハ

タ ク

ミ ナ

( 巻

四 ①

6  

6 巧

) ﹂

﹁ イ

カ ニ

モ ミ

ヤ ウ

ナ (

巻 四

① 6

  7

妙 )

﹂ ﹁

ヒ キ

イ ダ

シ テ

見 イ

( 巻

三 ⑭

1  

9 曳

) ﹂

﹁ ヒ

ト ク

︑ リ

ヲ 出

シ テ

カ ケ

テ 見

ヨ (

巻 三

⑮ 3

  2

一 結

) ﹂

﹁ チ

ギ ツ

テ ワ

二下サレイ(巻四②9摘)﹂﹁ホリテキテヤワラカニユデイ(巻四②

1 0掘)﹂のような短い例文に多‑見られる︒固有名詞は︑日本のも

のよりも中国・朝鮮のものに偏っている︒日本の地名は﹁江戸辺﹂

﹁ツシマノ山﹂﹁日本﹂の三例であるが︑朝鮮の地名は﹁京畿﹂﹁南

京﹂﹁北京﹂﹁上道﹂﹁下道﹂﹁朝鮮﹂﹁釜山﹂等がある︒さらに︑風

俗 の

面 で

も ︑

官 職

名 は

主 と

し て

﹁ 観

察 使

﹂ ﹁

県 監

﹂ ﹁

権 官

﹂ ﹁

御 使

﹂ ﹁

使 ﹂

﹁ 参

判 ﹂

﹁ 守

庁 ﹂

﹁ 守

令 ﹂

﹁ 使

令 ﹂

﹁ 水

軍 節

度 使

﹂ ﹁

兵 馬

節 度

使 ﹂

﹁ 内

医﹂﹁府ヂ﹂﹁方伯﹂﹁別軍職﹂﹁別将﹂のように朝鮮李朝のものであ

り ︑

﹁ 印

判 ﹂

﹁ 交

代 ﹂

﹁ 褒

定 ﹂

の よ

う な

政 治

制 度

に 関

す る

語 や

︑ ﹁

紗 帽

﹁直領﹂といった官服︑﹁紅箭門﹂﹁大門﹂﹁クツロ﹂といった建築

関係の語や︑﹁独脚﹂のようなお化け︑﹁臭雁﹂のような婚姻風習︑

﹁ パ

ッ チ

﹂ ﹁

テ ク

リ ﹂

﹁ ビ

ン ゴ

リ ﹂

﹁ 幸

定 ﹂

﹁ 太

平 篇

﹂ 等

の 服

飾 ・

調 度

﹁五花糖﹂のような食品にいたるまで︑朝鮮のものが中心である︒

それをどのような形で日本語文に取り入れるかという点で︑諸本問

一九

(4)

浩 破

不 に相違が見られる︒即ち︑﹁官員﹂﹁道士﹂等を漢字語のまま受け入 れるか︑日本の﹁地頭﹂﹁山伏﹂といったものに入れ替えるか︑﹁使 令﹂を﹁シレイ﹂という漢語として受け入れるか︑朝鮮漠字音の﹁サ レダ﹂で受け入れるかといった翻訳態度の違いである︒例文に日本 の固有名詞を含むことからも︑対訳は日本人によるもので︑朝鮮語 的な性格をもちつつ成長していったといわれる(注6)0

例文の形式は︑﹁三日月ヲビゲットハ申マスル(巻一①1 8徴月)﹂

﹁雪ヲ六花ト云イマスル(巻一①4 5六花)﹂といった﹁AヲBト云

ウ﹂形式や︑﹁アマト云モノバ︑女ノ僧ジヤ(巻一⑨30尼)﹂﹁カシ

ラクギハ︑アタマノアルクギジヤ(巻三⑲3 7頭釘)﹂等の﹁AハB

デアル﹂形式の標準的な例文の他に︑目立つものとして︑﹁ホヲヲ

ロ セ

( 巻

一 ⑧

1  

5 下

蓬 )

﹂ ﹁

バ →

ヲ ヨ

ベ (

巻 一

⑨ 4

  2

姐 )

﹂ ﹁

ア ノ

ボ ウ

ズ ト

ラへテ耳ヲモメ(巻一⑨2 9僧)﹂﹁ワレハサキニタツテユケ(巻一⑪

5  

0 汝

) ﹂

の よ

う な

命 令

文 が

多 い

︒ そ

の 他

︑ ﹁

ホ サ

ヲ ミ

サ シ

ャ レ

タ カ

( 巻

一 ⑨

1  

6 現

) ﹂

﹁ ヲ

ヂ ガ

ヲ ︑

ゼ イ

ゴ ザ

ル カ

( 巻

l ⑪

1  

0 叔

父 )

﹂ の

よ う

疑問文もある︒﹁皮肉ト申ハ︑文字ハ用マスレドモ︑人二カワト云

詞ハ申マセヌ(巻一⑬5皮)﹂﹁声ハ天下同ジコトナレドモ︑声デ云

コトハミナチガウテフシギニコサル(巻一⑬6 4音)﹂﹁着ノ字ハ︑キ

タトモ云ィ︑カブツタトモ云ィ︑ツイタトモ云ウ(巻三⑥20着)﹂﹁コ

トバヲノベテユク於ノ字デゴザル(巻四⑥72於)﹂﹁コトバヲツグ而

ノ字ジヤ(巻四⑥73而)﹂のように漢字の用法に関する例文や︑﹁印

ト 云

テ ニ

ハ 過

去 ノ

言 ︑

又 他

人 ノ

言 タ

ル 言

ニ ッ

カ ウ

( 巻

1 ⑤

1  

7 原

) ﹂

﹁ 又

谷壱トモ云(巻一⑤3 5谷)﹂のようにハングルの用法に関する例文 二〇

も あ

る ︒

なお︑武藤本には︑諸本には無い例文と項目の離解が見られる︒

﹁潮バカライ(巻一⑥3 9江水)﹂は︑明治刊本では﹁江ノ水バカラ

クアリマセヌ﹂とあり︑本来は潮水は辛いが江水は辛くないという

対比をなすもので︑﹁江水﹂に言及しなければ﹁江水﹂の例文には

ならない︒これは︑例文の一部が脱落したものと推測される︒﹁声

ハ天下同ジコトナレドモ︑声デ云コトハミナチガウテフシギニコサ

ル(巻一⑬6 4音)﹂も︑このままでは﹁音﹂の例文として適当では

な‑文意も通らないが︑明治刊本では﹁声ハ天下皆同ジケレドモ︑

音デ云フ言ハ達テフシギニゴザル﹂のように︑﹁声﹂と﹁音﹂の対

比をなす文になっている︒これは︑﹁音﹂と﹁声﹂の誤写と考えら

れる︒また︑・誤りではないが︑武藤本の例文が他の本より日本語的

に意訳されているために︑朝鮮語的見出しに即応していないものも

凍る︒﹁盆石二木ヲウェイ(巻一⑤3 3怪石)﹂の﹁怪石﹂は庭石にな

るような偉催な石であり︑見出しの﹁花草﹂は﹁後園﹂﹁東山﹂﹁花

木﹂と同類で﹁ソノ﹂﹁こハ﹂と訳し得る語であるが︑武藤本には

﹁ 庭

ヲ 見

サ シ

ャ レ

イ (

巻 一

⑤ 3

  4

花 草

) ﹂

と あ

り ︑

明 治

刊 本

に は

﹁ 花

劃ヲ見ラレヨ﹂となっている(注7)0

三 表 記

﹃交隣須知﹄には︑漢字に存在しない字形や漢字として特殊な意

味用法の文字が見られる︒前者の例として︑﹁錯﹂字は金属製の酒

器 を

表 し

︑ ﹁

横 房

ヤ グ

ラ ﹂

﹁ 械

‑ ダ

ナ ﹂

の ﹁

積 ﹂

字 は

木 製

の タ

ン ス

類 を

(5)

武藤文庫蔵『交隣須知』について

し て

い る

︒ ﹁

注 乙

( 巻

一 ⑧

1  

0 )

﹂ は

縄 を

い う

﹁ 孟

﹂ の

音 借

表 記

で ︑

﹁芝﹂という合字も行われた.これらは︑朝鮮国字といえる︒後

者の例としては︑﹁規﹂の漢字としての字義は﹁晴語﹂の﹁晴﹂で

擬声語であるが︑﹁妨﹂を﹁夫ノ兄弟﹂︑﹁妻妨﹂を﹁女房ノ兄弟﹂

としている︒﹁蝶﹂も漢字の字義は﹁姻窓﹂であるが︑﹁クツロ(‑

オ ン

ド ル

) ﹂

に 用

い て

お り

︑ ﹁

粘 ﹂

は 漢

字 の

字 義

は ﹁

鞍 飾

﹂ で

あ る

が ︑

﹁障泥アオリ﹂に用いている︒﹁塊偏﹂は漢語としては人形芝居であ

るが︑﹁キョウゲソ﹂に用いている︒これらは︑朝鮮語的な用法で

あ る

本書の表記は︑ハングル本文に漢語漢字表記をまじえ︑漢字まじ ︒

りの片仮名日本語文を対応させ︑所々ハングル本文の横に漢字で対

訳をつけている︒概して︑日本語文にまじえられた漢語は日本語の

中に定着したもので︑ハングルにまじえられたものと対訳されたも

のは︑日本語としては見慣れないものが多い︒

朝鮮では︑本書のような語学書や医学・農学等の実用書及び漢籍

の諺解類や啓蒙的道徳書・初学教科書といった限られた用途以外で

は二〇世紀初期までハングルは用いられず︑正規の表記手段は漢字

漢文であった︒また︑ハングル文献に漢字を使用することはまれで︑

漢語も通常ハングルで表記された︒武藤本でハングル本文中にまじ

えられている漢語は︑次の五六例である︒()内に対応する日本

語 文

中 の

語 を

記 す

︒ 左 道 ( 上 ミ ) 右 道 ( 下 モ ) 平 安 ( 平 安 ) 多 幸 ( タ コ ウ ) 宴 享 ( イ ハ チ ) 辛

東夷北秋南蛮西戎

失 足

( フ

ミ ソ

コ ナ

イ )

江 連

( ヱ

ノ へ

ソ )

海 連

( カ

イ へ

ン )

負 ( 地 頭 ) 壮 丁

後園(コウヱン)根源(コンポン)

波 汀

( ナ

ミ ウ

チ ギ

ワ )

雄 壮

( ヲ

ビ タ

ダ シ

ウ )

百 姓

( ヒ

ヤ ク

シ ョ

ウ )

(タツシャナ)道徳(道徳)

天 下 ( 天 下 ) 棋 猿 ( 棋 狭 ) 神 仙 ( 仙 人 ) 蓬 莱 山 ( 蓬 莱 山 ) 仁 道 ( 仁 道 ) 行 ( ヲ コ ノ ウ ) 公(其元様)仔細(クワシウ)毎事(バンジ)

一国之王(イツコクノ王)臣下(シソカ)

一国政事(一国政事)各邑(諸方)守令(地頭)

一道王(一道王)兵馬節度使(節度使)

倉節制使(倉節制使)郡守際監(郡守醇監)

不知其数(ヨケlこ公(ゴジブソ)

一代官(一代官)主掌(主掌)京都(ミヤコ)

国書(国書)不見小過(少シノシソソジヲ見ズ)

近侍(チカクツカヘル)猶同叔姪(叔姪ノゴトキ)

兄 弟 三 綱 中 ( サ ン コ ウ ノ 中 二 ) 行 実 ( 行 )

嫁年(ヨメイリドシ)有信(マコトヲ以テ)

菓子(ゲツシ)妾(テカケ)

改過(アヤマチヲアラタムル)京畿(キナイ)

南京(ナンキン)下馬胞(ゲバノテツボウ)

上 馬

胞 (

ノ ル

ト キ

ノ テ

ツ ボ

ウ )

また︑ハングル本文の横に対訳としてつけられた漢語は︑次の一

二1

(6)

一 七

種 一

二 〇

例 で

あ る

徴 月

( ビ

ゲ ツ

)

東 風

( コ

チ 風

)

逮 (

ツ ツ

イ テ

)

慣 忙

( ナ

ン ギ

二 )

秋 収

( ト

リ ヲ

サ メ

)

銀河水(アマノ河)不祥(キノドク)

傷(ソソジ)漂風(ヒヤウリウ)

海遠(カイへソ)滋味(ヲモシロフ)

自遮(シロイ天幕)草木(草木)

穀食(コクモツ)支離(ツヅク)

対 馬

州 山

( ツ

シ マ

ノ 山

)

朝霞雨暮霞暗(朝ヤケハ雨タヤケハ暗)

揺乱(ウタへサワグ)果然(誠二)奇特(キドク二) 後 ( カ ラ ) 雨 装 ( 雨 具 ) 両 主 ( 夫 婦 )

破運七星也(七星ハ運数ヲ守ルト云マスル)

楓々(サツサツト)奇運(メデタイ気)

柴炭(スミシバ)無限(カギリノウ)時節(耕作)

回復(タテナヲシタラバ)喧和(ノドカニ)

上元(十五日)崇尚(ハヤリ)徳説(イワイヲスル) 山所(墓所)縁故(サシツカエ) 思郷之心(古郷ヲ忠心)平明(未明)威気(風邪) 大段(甚シウ)待接(ゴチソウ) 感謝(カタジケノウ)出入(出入)英敏(キドグニ)

効則(習ハレ)無可奈何(シカタナイコト)

国忌(コクキ)終始(ツイニ)

完定(キワマリマシタ)移所(家移り)

閑暇(ヒマナ)慶宴(ヨロコビノエソ)

二二

発程(ホツソク)有徳(仕合ノヨイ)

徳 談 ( イ バ イ モ シ ) 客 懐 ( 旅 ノ 思 ) 尖 ( ト ガ ル ) 覗 ( ノ ゾ イ テ ) 掩 ( ヲ ヲ ウ テ ) 日 覆 ( ヒ ヲ イ ) 山猟(カリ)異常(フシギll)険(ケワシイ) 切 迫 ( ナ ン ギ デ ) 大 綱 ( 大 方 ハ ) 淘 湧 ( ア ラ イ ) 人 事 ( レ イ ギ ) 恭 敬 ( ウ ヤ マ イ ) 軍 士 ( 人 夫 ) 老 ( 人 ) 使 令 ( サ レ ダ ) 夫 ( ヤ モ メ )

慈味(ヲモシロイ)捕作漠(アマドモ)

慧逸(バツメイナ)徳沢(ヲソタグ)

汎濫(イカツガマシイ)迷惑(タワイナシ)

痔疾(ヲコリ)侶慢(ヲヲへイニ)室内(ナイギ) 親 父 ( 戟 ) 貴 ( 第 ジ ナ ) 時 方 ( タ ダ 今 ) 父 母 ( 父 母 ) 膝 下 ( ヒ ザ モ ト 二 ) 門 戸 ( 家 筋 ) 臭 ( ソ ナ エ ル ) 書 房 ( ヲ ツ ト ) 従 ( ケ ラ イ ) 無 状 ( ア ヤ シ ウ テ ) 成 婚 ( コ ソ イ ン ) 甲 ( 午 )

庁腫(ヒヤウソウ)桃花骨(クルブシノホネ)

診脈(ミヤクヲ見テ)環子(耳ガネ)

不用(無用)舌盆(タバコイレバコ)

書契色(カキテ)釜山倉使(フサン)

菓実(クダモノ)製御(コキマワス)

始作(ハジメイ)凄涼(サビシイ)祭享(マツリ) 路里馬(カゴ)故人(エビスドモ)

愁心(キニカカルコト)出場(ケツダソ)

(7)

武藤文庫蔵『交隣須知』について

甲(ムカシ)移安(ヲウツシ申テ) 奉 安 ( 安 置 ニ ナ リ ) 牧 場 ( マ キ ) 面 棄 ( ジ キ ニ ) 草々(ラグラグトシテ)

これは︑ハングルで表記された漢語の意味を明らかにするために

横に漢字表記をつけたものであるが︑明治刊本では︑約一〇〇〇語

もの対訳漢語がつけられており︑武藤本に比べて漢語を注する度合

い が

非 常

に 高

い ︒

朝鮮語には多‑の漢語が入っているが︑その中には︑中国起源の

もの︑朝鮮製のもの︑日本製のものがある︒日本で作られて朝鮮語

に取り入れられた漢語は︑近代化・西洋化の過程で新しい事物概念

を表すために作られたものが多い(注8)︒本書の日本語文の表記

を大別すると︑漢字表記︑片仮名表記︑漢字片仮名混用表記の三種

類があるが︑諸本によってどの程度漢字を取り入れるかは異なって

いる︒[表I]は漢語の表記を漢字・漢字片仮名混用・片仮名表記

の三種に分けてその割合を示したものである︒これによると︑明治

刊本は漢語を漢字で表記する方針であるが︑武藤本・京大本は︑見

出し漢語も日本語文の中では片仮名表記する傾向があり︑片仮名表

記率が高い︒一語の中に漢字片仮名をまじえる表記は︑諸本とも少

な‑︑次のように︑よく使われる一部の漢字を漢字表記としてまじ

えるか︑或いは︑捨て仮名・送り仮名を仮名表記するかの場合に限

ら れ

て い

る ︒

ヒ ヤ ウ 風 ホ ウ キ 星 口 ウ 月 チ ャ ウ 人 シ ヨ ク 人 第 ジ ( 大 事 ) 一 ス ソ ガ ク 人 一 ツ シ ヨ

【表I】漢字・漢字片仮名混用・片仮名表記 漢語

武 藤 本 明 治 本 京 大 本

漢 字 混 用 片 仮 名 漢 字 混 用 片 仮 名 漢 字 混 用 片 仮 名

I 2 8 . 7 2 .6 6 8 . 7 8 1 . 5 1 . 0 1 7 . 5 4 7 .6 0 . 5 5 1 .9

Ⅲ 2 1 . 9 0 . 7 7 7 . 3 7 7 . 6 3 . 1 1 9 . 3 1 8 . 1 1 . 1 8 0 . 8

Ⅳ 1 4 . 4 0 . 5 8 5 . 1 8 4 . 8 1 . 4 1 3 . 8 l l . 6 1 . 6 8 6 . 8

武 藤 本 明 治 本 京 大 本

漢 字 混 用 片 仮 名 漢 字 混 用 片 仮 名 漢 字 混 用 片 仮 名

I 2 9 . 1 1 9 . 0 5 1 . 9 3 3 . 3 1 4 . 3 5 2 . 4 l l . 5 3 . 3 8 5 . 2

Ⅲ 1 8 . 5 1 3 . 6 6 7 . 9 2 8 . 4 1 9 . 4 5 2 . 3 2 . 5 2 . 5 9 4 .9

Ⅳ 6 . 4 4 . 1 4 2 . 4 3 7 . 8 8 . 5 5 3 . 7 2 .2 3 . 3 9 4 . 5

見出し語として採られている語の表記と日本語文の表記は︑一致

する場合と一致しない場合とがあり︑一致しない場合には︑日本語

文の方が片仮名表記になっているもの︑即ち用字の違いと︑全く別

二三

(8)

千 港

破 不 語になっているものとがある︒複数出現する語については︑表記が 固定しているものと固定していないものとがある︒表記が固定して いない場合として︑仮名遣いの違いと用字の違いに分けられる︒

以上のような表記の問題点を整理すると次のようになる︒

○﹃交隣須知﹄の漢語の表記

イ項目と日本語文の表記

a項目と日本語文が同語

b項目と日本語文が別語

・ 漢

字 表

・ 片

仮 名

表 記

・ 混

用 表

・ 漢

字 表

・ 片

仮 名

表 記

・ 混

用 表

ロ複数出現する語の表記

( : :

一語についての表記が固定している

一語についての表記が固定していない

イについては︑前稿で述べたので︑ロについて次に具体例をあげ

る︒

a 仮

名 遣

い の

違 い

カゲホシ・カゲホウシ カンヤウ・カソヨウ(肝要)

キ ビ

・ キ

ミ (

気 味

)

ク ロ

ウ ・

ク ラ

ウ (

苦 労

)

ゴチソウ・ゴチサウ

サウカバ・サウカマ キメウ・キミヤウ(奇妙)

コ ウ

ク ワ

イ ・

カ ウ

ク ワ

イ (

後 悔

)

( 御

馳 走

)

( 壁

駕 馬

)

二四

ザウタン・サウダソ(雑談)シアン・シャン(思案) シセン・シゼソ(自然)ジヤウ・シャウ(錠)

ジヤウブ・ヂヤウブ・ヂヤウフ(丈夫)

ソウジテ・サウジテ(総)ソソジ・ソソシ・ゾソジ(荏)

タンノウ・タンナウ(堪能)チャウド・チャウト(丁度)

ヒツヂヤウ・ヒツジヤウ(必定)

フシギ・フシキ(不思議)へイセイ・へイゼイ(平生)

ヤウス・ヨウス(様子)ヤウジン・ヨウジン(用心)

リカウ・リコソ(利口)リヤウケン・リヨウケン(了簡)

b用字の違い

イ ギ

・ 威 儀 イ チ ド

・ 一 度 イ ツ シ ヨ

・ 一 ツ シ ヨ

・ 一 所 一 本

・ 一 ツ 本 ヲ ヲ

・ 王 ヲ ヲ ゼ イ

・ 大 勢 ヲ ン モ ン

・ 諺 文 カ イ

・ 害 カ イ へ ソ

・ 海 遠 コ ウ

・ 香 カ ウ セ キ

・ 行 跡 ガ ク

・ 楽 カ ソ

・ 魔 力 ソ シ ヨ ク

・ 寒 食 キ シ ソ

・ 鬼 神 キ ヤ ク

・ 客 キ ヨ ス

・ 虚 キ ン

・ 金 ギ ソ

・ 銀 キ ン チ ヤ ク

・ 巾 着 ギ ソ ミ

・ 吟 味 ク ヤ ク

・ 公 役 コ ウ テ ィ

・ 皇 帝 ク ワ シ

・ 果 子 ク ン

・ 君 ケ イ セ イ

・ 傾 城 ケ ウ

・ 今 日 ケ ラ イ

・ 下 来 ケ ン ブ ツ

・ 見 物 コ ウ

・ 功 コ ク ヲ ヲ

・ 国 王 コ ソ イ ソ

・ 婚 姻

 ̄ コ ン ボ ソ

・ 根 本 サ イ シ ャ ウ

・ 宰 相 サ ウ ホ ウ

・ 撃 方 サ タ

・ 沙 汰 サ ツ ソ ク

・ 早 速 シ ャ ワ セ

・ 仕 合 ジ セ ツ

・ 時 節 シ ャ

・ 紗 ジ ヤ ウ

・ シ ャ ウ

(9)

武藤文庫蔵『交隣須知』 K.ついて

シャウチウ・焼酒

シソドゥ・震動

セイシユ・清酒

センジヤウ・戦場

手セキ・手跡シヨクモツ・食物 セ イ

・ 姓 セ イ

・ 勢 セ イ シ ソ

・ 精 神 ゼ ン

・ 膳 ゼ ソ ゼ ソ

・ 漸 々 ソ ソ ズ

・ 損

ソソジ・ソソシ・ゾソジ・存シ

ダ イ イ チ

・ 第 一 第 ジ

・ 大 事

チャウド・チャウト・丁度

テ ン キ

・ 天 気 ホ ウ

・ 方

タ ・

チ エ

・ 智

恵 テ ツ

・ 鉄 テ ホ ン

・ 手 本 ホ ウ

・ 法 ボ シ

・ 帽 子 ボ ウ タ ン

・ 冒 鍛 ハ ト ウ

・ 波 涛

ヒツヂヤウ・ヒツジヤウ・必定

フ ボ

・ 父 母 ブ ン ス ウ

・ 分 数

バツメイ・発明

ヒヤクショウ・百姓

フンミヤウ・分明

へ イ

・ 兵 へ ソ

・ 辺 へ ソ ツ ウ

・ 変 通 ホ ン

・ 本 都

・ 京 メ イ ワ ク

・ 迷 惑 ヤ ウ ジ ン

・ ヨ ウ ジ ン

・ 用 心 ヨクシソ・慾心リヤウケン・リヨウケン・了簡

レキレキ・歴々・暦々

四 語 嚢

前述の朝鮮漢語のうち︑中国起源の漢語には︑学問世界において

取り入れられた古典中国語の他に︑唐代以降の俗語や元・明の近代

中 国

語 も

あ る

︒ ﹁

冊 (

本 )

﹂ ﹁

江 (

川 )

﹂ ﹁

飯 傑

( メ

シ ノ

サ イ

) ﹂

﹁ 同

( 弟

妹 )

﹂ ﹁

三 寸

( 叔

父 )

﹂ ﹁

四 寸

( イ

ト コ

) ﹂

等 は

︑ 本

書 に

も 見

出 し

語 と

し て

見 え

︑ ﹁

安 酒

( 酒

ノ サ

カ ナ

) ﹂

﹁ 工

夫 (

ケ イ

コ )

﹂ ﹁

生 覚

( 忠

ヒ )

﹂ ﹁

対 接

( モ

テ ナ

シ )

﹂ ﹁

仰 託

( タ

ノ ム

) ﹂

﹁ 議

論 (

相 談

) ﹂

﹁ 熱

心 (

コ ロ

ヅ カ

イ )

﹂ ﹁

念 慮

( キ

ヅ カ

イ )

﹂ ﹁

辞 譲

( ジ

キ ス

ル )

﹂ 等

は 対

訳 の

中 に

見 え

る ︒

﹁ 灰

ガ 立

ツ l

盲 リ

矧 タ

テ ィ

( 巻

l ⑤

2  

3 灰

) ﹂

の ﹁

門 ﹂

他の本で﹁戸﹂になっているのも﹁門﹂が﹁扉﹂の意味で用いられ

たためと考えられる︒同じ朝鮮語に対して︑諸本間で異なる語があ

てられている場合があるが︑次に漢語(和製漢語・朝鮮漢語を含む)

・和語という観点から四種の場合にわけて︑例をあげる︒()内

に他の本の語を注する︒なお︑シャチ︑テクリ等の朝鮮語は除く︒

イ武藤本と他の本とで異なる漢語である︒

悪 鬼 ( 悪 魔 ) 安 置 ( 奉 安 ) イ ギ ( 威 厳 )

イシャ(医員)一昨夜(昨夜・サクユフ)

インギンこ(恭順こ)韻字(韻)

イソセキ(印判)イントク(恩徳)

インバン(図書)ヱシ(画工)ヱンイソ(遷延)

王(王上・コクヲヲ)大シウライ(ラッパ)

カウサン(屈服・降服)カウセキ(行作)

カクベツ(特別)ガクモン(文)

気(気運・気象)キカウ(気運)

キジヤウナ(煉慨ノ)キセイ(精誠・シソジツ)

キナイ(京畿)キブソ(気・気運・キショク・気性)

キヤウニ(敏捷二)及第(科畢)

キリヤウ(リコフ)キンジウ(近侍)

ギソミ(糾問・センギ)軍卒(軍士)

軍夫(軍士・グソヒヨフ)軍民(百姓)

二五

(10)

ケ イ コ ( 工 夫 ) ゲ イ ( 才 ) 下 知 ( 号 令 )

ケツシヨ(没収)ケツダソ(処決・決末)

ケ ン

シ キ

( 権

・ ケ

ン ベ

イ )

ケンヤク(倹朴・シツバク)公儀(宮家)

耕作(時節・サグ)孝道(孝養)

ゴクシソ(九分字)古注(古法)

コソボン(根源)細工(シゴト)サウガ(雅淡) サレダ(便令)ジキ(辞譲)ジシヤク(定南針)

時節(将帥・タイシヨ)ジダラグ二(ザツ二)

シャ(シヤク)十二絃(加耶琴)寿傑(寿骨) 手セキ(字)シヨクモツ(飲食)諸道具(器械) 諸 方 ( 各 邑 ) 神 仙 ( 仙 人 ) 人 品 ( 性 棄 )

新米(新物)セイジヨ(シソジ)節度使(観察使)

戦 場 ( 軍 中 ) ソ ソ ジ ( 害 シ ) 宰 相 ( 政 丞 )

サウリヤウ(長男)シャウシ(フビン)

シヨジ(万事)庶人(軽輩)スイスル(掛酌) 青 松 ( 長 松 ) 訴 状 ( 出 訴 ) 代 銀 ( 質 )

第ジ(タイセツ)大鹿(キヤクザ)タンカン(目録)

短命(天死)チクシャウ(戟)

地頭(地方官・守令・官員)丁度(第一)

チョウホウ(カソヨウ)チソチャウ(奇特・ケツコフ)

テキジソ(テキコク)テンジ(篆書)

天日(ナラ茶碗)ドゥザ(一坐)

二六

(

) (

)

内心(心中)ナンギ(迷惑・切迫)農作(農事) 拝礼(粛拝)バクガ(博学)バクログ(岩緑青)

バツメイ(聡慧・リコフ)バンジ(毎事)

バンジヤウ(満堂)風水(トチ)

フシギ(奇怪・異怪)フシソ(不思議・ウサン)

分数(ブソリヨ)ブチョウホウ(庸劣)

ブ ソ ゲ ン ( 富 貴 ) 分 明 ( 分 名 ) 平 安 ( 安 寧 ) ボウハ(妄語)ホウビ(賞賜)ホツソク(発程) ホン(書)マイマイ(フダソ)ミツミツ(秘密) 未 明 ( 平 明 ) 無 用 ( 不 用 ) メ イ ワ ク ( ナ ン ギ )

モンモヲ(未練)ヨウジヤウ(調理)

ヤウス(形状・ギョウサ・模様・様)ヨクシソ(慾)

リカウ(敏捷)レイギ(人事)

レ キ

レ キ

( 貴

人 ・

夫 人

・ 守

令 )

レンケツ(清廉・正廉)ロウ(秩)

ワダン(和睦・和親)ヲントク(徳沢)

ロ武藤本で漢語であり︑他の本では和語である︒

a 和

イケンスル(誠メタ)イチドニ(トモこ) 語

イツバイ(ヨケイ二)ヱソナウ(ヲントリ)

ヱソリヨガマシイ(謙ル)往来シテ(カヨフ)

ガク(ナリモノ)果子(クダモノ)

(11)

武藤文庫蔵F交隣須知』について

ガテンノユカヌ(ワカリマセヌ)

カソアクナ(カダマシイ)キウニ(早ク・速二)

キドグニ(スグレ・尤ナコト)

キミノヨウテ(サツバリココチョウ)

ギ ヤ ウ ( シ ワ ザ ) キ ヨ シ ( ウ ソ )

キヨジヤク(身ガ弱ヒ・ムマレツキヨワイ)

ギソミシテ(タダシテ)ケツカウナ(メデタイ) ゲンジウナ(キビシイ)ケンソナ(険シキ) コウシヤナ(スグレタ)後(スギ) 香気(カウバシイ)胡茄(シバブエ)

ゴキヨヤウ(ヲキキイレ)ゴジブン(アナタ)

ゴチソウ(モテナシ)サイ(ツマ) サイシヨ(始メ)ザイモク(マルタ) ザソジ(暫ラク)シゼント(ヒタスラ・オノズト) シ ッ ト ( 妬 コ ト ) シ ユ ( 人 ) ジユウ(ココロマカセニ)酒宴(酒盛り) ジュクスル(デキル・ナレル)篇(ヨコブエ)

情(ナサケ)シャウノ(ヨイ)

商人(アキウド・バイ人)

ジヤウブ(タシカニ・キッウヨフ)

シャウユ(アマ味噌・ミソ)シヨクモツ(クイモノ)

シソドゥ(フルエバ)シソヤウ(信ト)

スイビシ(スサビ) セイダス(ツトムル・ネンゴロニス) セウシテ(マネイテ)ゼヒ(必・ムリヲシニ) ソウジテ(スベテ)ソウタイ(スベテ・サマザマ) ソウレイ(ホウムリ)サウヲウ(カナリ) ソンジ(イタミ)タイコ(ツヅミ) チャウ人(マチノモノ)チンチャウ(ヨロコバシウ) 天幕(日サイテ・日オヒ)ドウシ(ヤマブシ) ドゥゼンニ(トモニ)当年(今年) トウリウシテ(トマツテ)ドウリ(ゴモツトモ) トツカブ(ヲ二)ナイギ(オ妻)習テ(教則) ナンギヲシテ(困デ) バカラシウ(ヲロカナコト・ヲロカシウ・コシヌケ) 必定(極テ・必)フキッナ(アシキ)ブク(喪) フシギ(アヤシイ)ブシヤウデ(倦デ) 不通シテ(ヨセツケズ) へンジ(カバリ・チガヘル)ホウジ(報イ) ホツソク(オワカレ)ホウラツこ(慈二) メイワク(キゼキ)モンシ(カラカミ) ヤク(ツトメ)勇気ガゴザル(イサマシイ) ヨウ(ツカイドコロ)ヨウイセイ(コシラエヨ) 用心シテ(ツツシソデ)ヤウス(色) ヨノ(ホカノ)ラク(ユルヤカ)

歴々(ヤクメヲツトムルヒトタチ・年寄)

二七

(12)

ノ\

ロ グ

ニ (

ヨ ク

)

b訓読語的なもの

悦服(ヨロコビフクス)

水中こ(水ノナカニ)

道中シテ(道ヲ往テ)

強 項

ノ 令

( 強

ヒ 人

)

サ ウ

カ バ

( ナ

ラ ン

ダ 馬

)

バ ク

ジ ヤ

ウ (

罪 二

服 シ

タ )

武藤本で和語であり︑他の本では漢語である︒

a 和

アカジ(真紅)アカルウ(明朗二) 語

アキラカニ(清明二)アヤシウテ(無状ナ・ワルイ)

アワビノタマ(真珠)イキヲイ(ギ) イソガシウ(奔走イタシ)云ツケ(号令) 家筋(門閥)イマシメ(禁ジ)イワイノ(吉慶ノ) ウハギ(道袖)カキッケ(印鑑)カタピラ(半著) カナリデ(サウオウニ)代り(交代) カソガへ(コウシヤク)キノドグ(フピソ)

キ ハ

メ テ

( 必

竟 )

ク イ

モ ノ

( 食

物 )

心 入 ( 情 意 ) 子 供

サ イ

ワ イ

こ (

侯 倖

デ )

サ バ

キ (

処 分

・ 処

置 )

コ ト ( ギ ) 下 夕 書

シ バ

ラ グ

( 先

刻 )

キ ヲ

ツ ケ

テ (

用 心

テ )

ケケシウ(気随)千(子息)

(嫡子)サイワイ(梶)

サ カ

モ リ

( 饗

応 )

仕合(多幸)シカタ(動静)

(草書)品物(物品)

シメセ(回示セヨ)

シモジモ(軽輩・下人ドモ)シワクシテ(者畜ニシテ) 二八

スキアイ(生涯)スルカシコイ(リコウナ)

スワッテ(坐シテ・安坐)セメッケルコト(論駁)

セワ(周旋・設力)ソソウニ(無情ニ・フショフラシウ)

ソムイタ(謀反)ソラゴトニスル(失期スル) タ カ ヒ ク ( 尊 卑 ) タ シ カ デ ( 丈 夫 ニ ) 玉 ( 真 珠 ) タ マ ( 弾 丸 ) タ マ リ ( 醤 油 ) タ ワ ム レ ( 雑 談 ) チガイ(相違)ツイエ(入費) ツカイモノ(礼物・シソモツ)ツバサ(道具) ドゥヤラ(依然ト)トガ人(罪人)

トリヲコナイ(施行)トリヲサメ(秋収)

トリシマラズ(迂閥二)ナガイキ(長寿) ナガサレ(配所二ヤラレ)ナグサメ(慰労) ナゲカシウテ(嘆息シテ)ナレサセイ(熱セイ) こクイヤツ(フラチ)西館(官家)磨(花草) 盗 人 ( 戟 ) ヌ ス ミ ( 盗 賊 )

ネンゴロこ(懇切二・一々)ノツタ(漂流シタ)

ハッカシイ(廉恥ガナイ)早ウ(急二) ヒキイレ(誘引シ)ヒク(タンジル) ヒタノアルキモノ(直領)ヒト(他・百姓)

ヒノ雨(ヒヤウ)ヒマ(閑暇)日ヲクラシ(消日シ)

フシャワセデ(窮シテ)フセギ(防戦)フレ(頒布)

へリグダツテ(謙遜)ホウキ星(華星)

ホトギ(ビャクシ・ヒヨフシギ)マコト(有信・信義)

(13)

武藤文庫蔵『交隣須知』について

マツリ(祭紀)耳ガネ

ム サ

ボ ル

コ ト

( 真

心 )

中 上

マ シ

タ (

奏 上

シ タ

)

尤 デ

ゴ ザ

ル (

都 合

ス ル

)

(環子)フ風(逆風)

ム マ

レ ツ

キ (

性 質

)

申 ツ

カ ワ

シ タ

( 報

ジ タ

)

モ ノ

( ギ

)

ヤクタイモナウ(愚濫ニシテ)ヤクニタグヌ(無用ノ)

ユイイレ(結納)ユルヤカニ(ラグニ)

ヨイ(リツバナ)夜服(衣服)ヨシアシ(是非) ヨロコビノエソ(慶宴)万ノ草(百草)

若衆(少年)ヲゴリヲスル(繁華ナ)ヲドケ(雑談)

ヲヲセツケラレ(侍教・分付)ヲヲヘイ二(侶慢)

ヲヲヨウニ(乱雑こ)ヲフレ(布告)女(女中)

女 ノ

下 乗

( 稗

)

b和語が訓読語的・説明的なもの

アツイ心(厚誼)スクイノ兵(援兵) ソナヱル腐(貴腐)タカイ官(高官)

タダシウカクコト(正書)罪ノシダイ(罪状)

トヲイ処(遠処)トウミチ(遠路)

トリツギコトバ‑(通弁)ニドヨメイリ(再縁)

ハカリカイシャウ(謀害セウ)ヒツジノ血(牛酪)

ヒノデルヤウニ(火急ニ)本カズ(冊数) マコトノ情(真情)惑ヲ解キ(解惑シ)

ヨ イ

シ ソ

カ (

功 臣

・ 賢

臣 下

)

ヨ ウ

カ ク

手 跡

( 能

書 )

ニ武藤本と他の本とで異なる和語である アイシラエ(トリモツ)アイマシテ(マミエテ) ア ガ リ ( ノ ポ リ ) ア ザ ム カ ( ダ マ サ レ ) ア ジ ヲ ウ ( ノ ム ) ア ソ ビ ( ナ グ サ ミ ) アタタカニ(ヌクフ)アタマ(ツモリ・カミ) ア ツ イ ( ア タ タ カ ナ ) ア ッ パ レ デ ( ス グ レ ) ア ト ( ノ チ ) 穴 ア ケ ル ( ヱ ル ) ア ノ ( 彼 ) ア ノ 老 ( ア イ ツ ) ア マ イ ( ス ズ シ テ )

アマリ(甚ダ・コトノホカ・キッフ)

ア マ リ ノ ( ノ コ リ ノ ) ア メ ガ タ ( ア メ )

アヤツ(アイツ・カレ・アノモノ)

アラウテ(フトウテ)アラグこ(更ニ)アル(ヲル) ア ル ク ( ア ユ ム ) ア レ ( 己 レ )

アワレゲガナイ(カワヒソウニハゴザラヌ)

アヲノイテ(仰ギミテ)

イカウ(キッウ・ヒドゥ・モツトモ)

イ カ ニ モ ( マ コ ト ニ ) イ キ 二 ( ウ チ エ ) イ ク サ ( タ タ カ ヒ ) イ ク サ コ ト バ ( ア ヒ 言 ) イ シ キ ( シ リ ) イ ソ ガ シ ウ ( カ ケ マ ワ リ ) イ ツ ソ ( ム シ ロ ) 糸 ( 糸 ク ズ

・ イ ト ス シ ) 家 移 り ( ワ タ マ シ ) イ ヨ イ ヨ ( ナ ヲ ナ ヲ ) イ レ イ ( サ セ ) イ レ ( モ リ )

イロイロ(アマタ・ヨケイ・スベテ)

二九

(14)

千 浩

不 ウケタマワリ(キイテ)ウゴキマワッテ(ウゴイテ) ウスイ(スクナイ)内(ナカ)ウチャケル(ソソグ) ウツ(ナゲル)ウツタエル(ツゲル) ウツワモノ(ウツワ)ウデ(ヒジ) ウデアテ(ユゴテ)ウデガネ(クマキ) ウハギ(ハヲリ)浦人(浦住ノ者) ウレシガル(ヨロコブ)ウレエ(患ヒ) ウロタへマワリ(ウロタエ)エ(モトメ) エグル(トホス・アナアケル)負(カルウ) 大

キ ナ ( フ ト イ ) 落 タ ( フ ル ) カ エ ( ク ワ セ イ ) カキテ(カキヤク)カクシテ(タシナソデ) カケイ(ツケイ)カケヱ(カケモノ) カケヤブツテ(ウチャブツテ)カケレ(ムスベ) カザツテ(ツグロウテ)カサナリ(重ウ)

カサネテ(再ビ・カヘスガヘスモ)

カザリグラ(ノリグラ)カシラクギ(オリ釘)

カズカズ(色々)カタウ(タシカニ)ガタウ(こクウ)

カタゲテ(カツイデ)カタチモナイ(トツゲモナイ)

カタツラツラニ(カタカタこ)カツテ(クリヤ)

カナシム(ナゲク)必ズ(常二)カネテ(アラカジメ)

カバル(チガウ)カボウ(オホフ) カマヲウ(サシツカヨウ)過(アルク) カラ(こヨリ)カラウス(ヒキウス)

三〇

カ ラ ス キ ( オ ホ ス キ ) カ リ ソ メ ニ ( フ ト ) 川(水)カワイラシウ(シホラシウ)I カ ワ ク ( コ ガ ス ) カ ン ガ エ イ ( ワ キ マ へ ヨ )

キエ(ヲチイリ・ヲチ)キコエマセヌ(アシウゴザル)

キ セ ( カ ブ ス レ ) キ タ コ チ ( キ タ ゴ チ カ ゼ )

キッウ(ムツカシウ・甚ダ・イコフ・ヒドグ・大ニ)

キ ヅ カ ヒ ( 心 ヅ カ ヒ ) キ ニ カ カ ル ( 心 苦 ) キミノヨウテ(サツバリココチョウ)キヤツ(カレ) キリサウメソ(キザミメソ)キワメテ(キット) キンカンアタマ(ハゲアタマ)ククレ(クレイ) ク ク ツ テ ( ム ス ソ デ ) 草 キ リ ( 押 キ リ ) ク サ レ ( 朽 チ ) ク タ ビ レ ( ツ カ レ ) クダル(ヲリル)ログスリ(火薬) クハダテテ(タクソデ)クヤシテ(クヅシテ) クル(オ出ナサル・デテゴザリ)狂ウ(マヨウ) クレテ(ヤツテ)クレテユク(カタムイタ) グロウシテ(ウスグラウシテ)クワセ(カエイ) ク ソ デ ( イ レ テ ) ゲ タ ( ア シ ダ ) 千 ( ワ ラ ソ ベ ) コクチョウ(キミガヨフ)コウタ(ウタ)声(音) ココモト(ココ)心ガヤスカリ(ヲキノドク) 心 無 ( コ コ ロ ヨ カ ラ ズ ) コ サ イ デ ( ス イ テ ) コシヌケ(拙キモノ)コシラエイ(タケ)

コシラへ(ツクツテ・オコシ)

(15)

武藤文庫蔵『交隣須知』について

コタへガトヲ(タへヱマセヌ)コチ(ヲレ) コトワケ(コトワルコト)コナタ(ソナタ) コ ノ ア イ ダ ( 近 比 ) コ ノ ホ ド ( コ ノ ゴ ロ ) コ ボ レ テ ( ヲ レ テ ) コ ボ レ ル ( 溢 ル ル ) コ マ カ ニ ( セ リ 付 テ ) ゴ ミ ( ホ コ リ )

コムツカシウ(メソドウニ・ムツカシフ)コヤツ(コレ)

コ ラ エ ( タ へ

・ シ ノ ビ エ ズ ) コ リ ( ハ コ )

サイタ(ヒライタ)ザクザクシマスル(ムラニナリマス)

サグツテ(サガシテ)サシツカエ(ワケ・ツカエ) サシデテ(サシコエテ)サダメル(正ス・キハメル) サ ハ ガ シ ウ ( ヤ カ マ シ ウ ) サ ル コ ロ ( サ キ コ ロ )

シカエテ(ハカツテ)シカメサシャレテ(ヒソマシャル)

シカソデ(シボンデ)シキナラベル(シキモフケタ)

シタジ(汁)シヅカニ(ユルリト・ジツト・ソロリト)

ジツト(静ニ)シニクキ(難ウ)シバツテ(ククツテ)

シ メ ツ タ ( ジ ク ジ ク ス ル ) 下 々 ( 人 ド モ )

シャチ(ヨシムシロ・タカムシロ)シユル(シル・シタヂ)

ショウノナイ(セツナウ)

シリゾケル(ヒク・ヒキシリゾカス)知レヌ(ワカラヌ)

ス イ バ リ ( ソ ゲ ) ス ク ィ ア ゲ イ ( ス ク ヒ ダ セ ) ス ゲ コ ミ ( ナ カ ゴ

・ シ テ ) ス ゴ セ ( ク ラ セ )

スサマシイ(野シイ・ヨイ)

スサマシウ(キッフ・多イ・フトウ) ススメウ(トリモトウ)ススメテ(手向テ・アゲテ) スッバリト(サツバリト・シヲラシウ)スバナシ(ウソ) スミニ(ウチニ)スユウ(スウ・スエズエトシテ) スラリト(ヨロシウ)スルカシコイ(カシコウコサル) スワッテ(ヰテ)スソデ(キヨクシテ) セカラシウ(メソドウニ)セチガシカウ(ワルカシコフ) セツカ(セメラレ)セリツメテ(セリセリトシテ) 其

元 様 ( ア ナ タ ) ソ ナ タ ( キ ミ

・ コ ナ タ ) ソノ(コノ・アノ)ソノ身(アレ・己レ) ソムイテ(ナナメニ)ソレバカリニ(ソノママ)

ソレマデニシテ(モハヤ・コレマデデ)

タガイタガイ(タカヒク)タギツテ(ワイテ) ダケ(マデ)タケタ(クレタ)タシカこ(マサ二) タ ス ケ テ ( ソ エ テ ) タ ダ ( ヒ ト へ こ )

タタカシヤルナ(ウツナ)

タダシウ(アリツベシウ・キレイニ)タチ(作り) グ ッ シ ャ ナ ( 壮 ソ ナ ) タ ヅ ナ ( 轡 ヅ ラ ) タ ズ ネ テ ( 問 テ ) タ ノ テ ( 集 テ ) タバコイレバコ(タバコバコ)夕べテ(ハンデ) タボウテ(タクハへテ)タライ(カナタライ) タワイナシ(タワケモノ)ダソグイ(釘)

タント(タグサン・ヨケイこ・多)タンモノ(ヲリモノ)

チイサイ(ホソイ・コマカニ)チカウ(斎シウ)

三一

(16)

千 港

近 ゴ ロ ( コ ノ ア イ タ

・ コ ノ ゴ ロ ) 直 こ ( ス グ こ ) チ ギ ツ テ ( 摘 テ ) チ ヂ ソ ダ ( チ リ チ リ ス ル )

ツイテキ(シタフ・ツイテマワリ)ツイテユク(ヲフ)

ツ カ レ ( ク タ ビ レ ) ツ ク ツ テ ( コ シ ラ エ テ ) ツクル(カケル)ツクロウ(ヌウ)ツケ(キヅケ) ツ ケ ( シ ラ ゲ ヨ ) ツ ケ レ ( ハ レ )

ツツタツタ(ソビへタツタ)

ツネナリマセヌ(アヤシイ・フシギ二)

ツ ネ ノ ( ナ ホ ザ リ ナ ) 常 ノ 老 ( カ ル イ 老 )

ツモリ(アタマ)

ツヨウ(沢山・イカフ・オビタダシウ・キッウ・ヒドク)

ツラネテ(ツヅイテ)ツワ(ツバ・ツバキ)テカケ(妾)

テカラ(タ後ニ)テギワ(手ヅマ)テシゴト(手ヅマ)

デ タ ( カ ケ タ ) テ ヤ リ ( 手 助 ) ト イ テ ( ヲ ロ シ テ ) 十イナヤ(トソノママ)問ウ(トモロフ) トウセ(アナアケイ)トク(カツテ)トグ(ミガク) ト ク ト ( ヨ ク

・ ク ハ シ ク ) ド コ ( イ ヅ ク )

トシイタ(年ヨリタ・年ヨフナ)年ガヨラレ(フケテ)

ト ツ テ ( ト ラ へ テ

・ ニ ギ ツ テ ) ト ブ ( オ ド ル ) トムライ(祭)トモ二(トナク)トラエテ(取テ)

トリアゲイ(スクヒダセ)トリツツソダ(トリカコソデ)

ナヲ(イヨイヨ)ナニガシロ二(ヤスク・ナイガシロ二)

何シ二(ドゥシテ)ナブル(アヤツル)ナマズ(イボ)

三二

習テ(学デ)ナルタケ(ナルペグ)ナミウチギワ(ミギワ)

荷 ( ニ モ ツ ) 二 ク ラ シ ウ ( ワ ル イ モ ノ ) 二 シ ア ナ ジ ( ア ナ ジ ) ニ ッ キ ( こ ヨ リ ) 庭 ( 花 ) こ ヨ マ ( 荷 ナ ハ ) こ ヨ リ ( ニ ッ キ ) ヌ ウ テ ( コ シ ラ エ テ ) ネ ( 音

・ コ エ )

ネガイマスル(イノル)

ネジリカスガイ(手チガへカスガイ・カスガイ)

ネゾエ(カモジ)ノガン(アヒル)ノコ(オガ鋸)

ノチ(アト)ハエコチ(ハエゴチカゼ)バカリ(ノミ)

ハ ギ ホ ウ キ ( ホ ホ キ ) ハ コ ル イ ( ヒ ツ ) ハ ザ ミ ( ノ ゾ キ 見 ) ハ ッ キ リ ト ( 皆 ) バ ッ ト ( ソ ノ マ マ ) ハ ナ シ ユ リ ( 鼻 水 )

ハナセ(ユルセ)ハナノ木(庭木・ハナ)甚ウ(ヨク)

ハミイレ(アジカ・カマキ)ハメタ(イレテ)

バラタテルコト(怒り)ヒアガラヌ(カワカヌ)

秀デテ(ヌキンデテ)ヒキアワセテ(クラベテ)

(

)

(

)

(

)

(

)

(

)

(

)

一カタマリ(一ムレ)一ツレ(一ツガヒ)

ヒモ(ヒボ・ヒロ・ヲ)とへ(ヒヤウ・サムウ)

(

)

(

)

ヒロガツテ(へダタツテ)ヒロゲテ(ノベテ)

参照

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