武藤文庫所蔵「明細分限帳」について
~長崎市史を塗り替える?原本を発見!~
① 武藤文庫収蔵庫の書架整理をしていたところ「明細分限帳 一巻」が目に止まった(2017.11.29)
【武藤文庫の「明細分限帳」 表紙(左)と代官記載部分(右) 」 】511M178:3033581
② 慶應元年明細分限帳 / 越中哲也編(長崎歴史文化協会 , 1985.3)の内容と同一であることを確認。
③ 上記書籍の解題によれば,分限帳とは,分限のこと即ち身分のことを記した帳面のことである。役料,
氏名に加えて簡単にその役職の由緒を記してある。
④ 上記書籍の底本となったものは,旧長崎市立博物館所蔵(現長崎歴史文化博物館所蔵)で,明治 19 年 に長崎区長の金井俊行の命により,長崎区役所(長崎市役所の前身)の罫紙に写されたもの。(下図)
【旧長崎市立博物館所蔵の明細分限帳】
⑤
新長崎市史 第二巻近世編 285 頁の記載によれば, 「 現在に至るまで,その原
本の所在は確認されていない。5 冊からなり, (略) ,366 職と 1855 人もの
の地役人のそれぞれの名前と年齢,受用銀の他,その家その家の由緒等も記載
されていて,現存する分限帳の中でも最も重要な分限帳 とされている」
⑥ 武藤文庫の「明細分限帳」は次の特色がある。
⑥-1 和紙の台紙(折本仕様:大きさ 23cm×31cm×4cm)に,一人ひとり短冊式の掛け紙に書かれ て台紙に貼ってある。(重要)
⑥-2 一巻のみである。二巻から六巻は所蔵されていない。
(慶應元年明細分限帳 / 越中哲也編の目次より)
⑥-3 長崎会所頭取 福田猶之進の短冊が不明になっている。(赤線で囲った部分)
⑥-4 虫損が多数あるので,修復を行う必要がある。
(折本仕様で両面が記載面につき,裏打ちはできず漉き嵌めとすることが望ましい)