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2014 年長野県北部の地震での橋梁被害について

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2014 年長野県北部の地震での橋梁被害について

寒地土木研究所 正会員 ○佐藤 京 飛島建設 技術研究所 正会員 池田 隆明 横浜国立大学 フェロー 小長井一男 飛島建設 技術研究所 正会員 高瀬 裕也 寒地土木研究所 正会員 西 弘明

1. はじめに

平成 26 年 11 月 22 日午後 10 時 8 分頃に長野県北部の神城断層を震源とされるMJ(気象庁マグニチュード)6.7 の地震が発生した.震源深さは,5km と非常に浅く,震源近傍では非常に大きな地震動が観測された.この地震 により,地表断層と考えられる地形変化も確認され,局所的には家屋等に甚大な被害が発生した.著者らは,地 形変化に加え,震源近傍の橋梁調査を行い,被害を確認した.そのうちの1橋梁について,被害状況と周辺の地 盤状況等に基づき被害メカニズムの推定を行った.

2. 橋梁被害調査

図-1 に示すように,震源近傍では極めて大きな揺れが観測されている.震央より 4km 地点に位置する NGN005(K-NET)では,NS成分約570gal,EW成分約220galと大きな揺れが観測されている.(図-2参照)

著者らは,地震発生直後の11月24日と12月5日に被害調査を行った.調査のうち橋梁を対象とした5箇所 を◯および●で,大塚らによる断層トレース 1)と合わせてGoogleEarth 上に整理したものを図−3 に示す.ここで は,●に位置する橋梁(以下,A橋)について報告する.平成5年に架設されているA橋は,鋼箱桁曲線橋,橋長 約30mの比較的短い単径間橋梁である.(図−4参照)震央より5.6kmの姫川にかかる町道に位置している.橋 梁周辺では地盤変状が確認され,約 50cm〜60cm ほど隆起 2)したと報告されている.また,大塚らの調査 1)で も,A 橋近傍は東より西に側方移動し,隆起したと報告され

ている.図−5 の奥に位置している橋梁損傷の主なものは,固 定支承の橋軸方向の損傷や可動支承側の遊間異常のほか,支 承コンクリートの損傷である.G1支承の損傷を図−6に示す.

固定側の損傷は,上沓鋼版の河川側突起部が全支承で破断し ている.可動支承側の損傷は,A2 胸壁側の移動制限部との接 触により,G1とG2の支承コンクリートが損傷している.

図-2 NGN005 で記録された NS 成分記録

図−3 白馬村周辺の神城断層と調査地点 図−1 K−NET に基づく地表最大加速度分布

キーワード 長野県北部地震,橋梁被害,支承損傷

連絡先 〒062-8602 札幌市豊平区平岸 1 条 3 丁目 1-34 寒地土木研究所寒地構造チーム TEL011-841-1698 土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

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3.被害要因と近傍地震動 A 橋は曲線で斜を有する.

支承詳細が不明なため,形状 および設計当時の標準規格 を参考に寸法を同定し,撮影 した写真より地震後の変状 を整理した.その結果を,取 得した側面図および平面図 に重ね合せて変状概況とし て図−7を作成した.

河川直角方向の支承変位 は,A1 とA2ともに G3桁で は小さく,G2桁,G1桁と大き くなる様子が確認された.ま

た, A1 の G3 支承を中心とする左回転に伴うような挙動が生じたと想定される.図-7 の左上に示したよう に,A1 側の路面上に生じたアスファルト舗装と継手部との段差や鋼製継手間の段差を確認している.これは, 胸壁が道路側に転倒するような変状に起因していると考えられ,桁がA1側に移動した結果と矛盾がない.大塚 ら3)や平井ら4)の論文にあるように斜橋や曲線橋は地震時に桁の回転や法線外側に向かって移動する傾向を示 していることとも調和的である.しかし,参考文献1)や2)にある地盤変状より,A1がA2から離れる方向とA1 上流側を中心とした回転挙動が誘発された影響も否定できない.

4. おわりに

既往の損傷事例と同様に曲線や斜を有する橋梁は,地震時に回転挙動を示す傾向にあることが,本分析でも 確認できた.今後,地盤変位の影響も考慮して詳細な検討を行う.本報告を整理するにあたり,白馬村建設課よ り資料を借用した.また,観測記録では防災科学技術研究所K-NETを用いた.感謝の意を称します.

参考文献

1)大塚 勉, 長野県神城断層地震(2014年11月22日, M6.7)緊急調査報告, 2014年12月1日, 信州大学

2)( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 , 第 二 報 地 表 地 震 断 層 緊 急 調 査 報 告(1)[2014 年 11 月 26 日], https://www.gsj.jp/hazards/earthquake/naganokenhokubu2014/naganokenhokubu20141126.html,(閲覧2015/4/3)

3)大塚久晢,神田昌幸,鈴木基行,吉澤勉,水平地震動による曲線橋上部構造の移動挙動解析,土木学会論文 集,No.570,I-40,305-314,1997.7.

4) 平 井 良 幸 , 川 島 一 彦 , 松 崎 裕 , 地 震 時 に お け る 斜 橋 の 回 転 特 性 , 土 木 学 会 論 文 集 A1( 構 造 ・ 地 震 工 学 ) Vol.68,No.4,I_432-I443,2012.3

図−4 対象橋梁の平面図

図−5 対象橋梁近傍の地盤変状

A1 側 G1 下流型 A2 側 G1 下流側 図−6 支承の損傷状況

図-7 地震後の橋梁の変状 土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

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参照

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