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関西国際空港2期空港島内洪積層計測櫓部の層状埋立施工事例

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Academic year: 2022

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(1)6‑142. 土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月). 関西国際空港2期空港島内洪積層計測櫓部の層状埋立施工事例 大林・みらい・佐藤・奥村・寄神JV 正会員 ○浜地克也 栗原正美 同 上. 杉浦章夫. 関西国際空港(株)建設事務所 関西国際空港用地造成(株). 中村伸夫 後藤清 正会員. 田端竹千穗. 1.はじめに 関西国際空港2期空港島用地造成工事では、545ha の埋立造成が計画されている。当JVは揚土その4工 区としてその内の約 83ha について造成を行った。施工内容は、既に先行工事で埋立てられた直投①天端から、 直投②を C.D.L.-6.7m〜-3.0m まで底開式土運船にて、揚土①を C.D.L.-3.0m〜+9.5m まで揚土船にて、施工ブ ロック単位で埋立てるものであった。一方、2期空港島内には、水深・沖積層厚・洪積層厚等において1期 島より困難な自然条件の下、洪積層の沈下特性を正確に把握する目的で、洪積層計測櫓(以降:櫓)が設置 されている。この櫓には、層別沈下計・ロッド式沈下計・間隙水圧計等最深部 C.D.L.-347.5m にまで達する 重要計器類が設置されている。計測機器類は、鋼製のケーシングパイプで保護されているが、櫓部の埋立は、 通常の施工方法では櫓に対して不規則な変位を与える懸念があったため、埋立材料の変更に加え、揚土船艤 装方式による層状埋立施工を実施した。この報告では、洪積層計測櫓(№2)での層状埋立施工の実施例に ついて述べる。 2.洪積層計測櫓の構造 図−1〜3、写真−1に、層状埋立施工を実施した 櫓の位置図、構造図、計測機器類保護ケーシングの位 置図、および埋立前の櫓の状況写真を示す。櫓は鋼構 造物で上下 2 段のステージがあり、それらを鋼管支柱 (φ812.8mm)と、鋼管ブレス(φ406.4mm)等で支 持された直接基礎構造となっている。 図−1 工事区域平面図 淡路島側. 上段ステージ. 下段ステージ 一期島側 計測機器類保護用 ケーシングパイプ位置. 図−2 櫓側面構造図. 図−3 櫓下段ステージ. 計測機器類保護用ケーシングパイプ. 写真−1 櫓着工前状況. 平面図. 3.埋立の技術的特徴 当JVでは、計測機器類の保護と同時に櫓下段ステージのチェッカープレートと梁を撤去、その後櫓上段 ステージを撤去し、艤装した揚土船による層状施工を行った。技術的特徴を以下に示す。 ①揚土船で施工しようとした場合、スプレッダーの位置が櫓上段ステージと交錯するため、上段ステージを 撤去する施工方法を提案 キーワード:層状埋立、直投、揚土、底開式土運船、揚土船、計測櫓 連絡先:〒596-0061 大阪府岸和田市大北町 1-3 兼杉ビル 4F TEL 0724-38-5332 ‑283‑. FAX 0724-38-5332.

(2) 6‑142. 土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月). ②計測用のチューブやロッドは、ケーシングパイプで保護 されているため、これらを確実に養生して上段ステージ 6層目. の撤去を実施. 新設保護 ケーシング立上げ. 300mmアンダー. 5層目 4層目(50㎜アンダー). ③櫓直下への埋立は、図−4に示すように C.D.L.-6.7m〜. 4層目. 3層目(50㎜アンダー). C.D.L.+4.0m の陸地化するまで、ケーシングへの衝撃低. 3層目 2層目. 2層目(50㎜アンダー). 1層目. 1層目(50㎜アンダー). 減と、海中での流動性向上を目的として、赤のハッチン グ部に、一般揚土で使用する最大粒径 300mm の山砂を 使用せず、50mm アンダーの粒径の小さい山砂を使用し、 2〜3m の層状施工を実施 ④揚土船は、スプレッダー先端から土砂が放物線を描いて. 図−4 櫓部層状埋立計画図. 自然落下し、山砂投入位置が定まりにくいため、ピンポ ガット船. イントの揚土が出来るよう、写真−2のようにスプレッ ダー先端に軽量部材シュートを艤装 ⑤揚土船のホッパーへ直接ガット船で投入し、ホッパー内 に設置した目盛りにより投入土量の調整を行うことで、 施工層厚管理を実施 ⑥沖積粘土層の側方変位を考慮すると、通常埋立部の揚土. 先端艤装. 法肩は櫓中心から約 80m 離さなければならず、櫓直下を. 手前が1期島側. 先行しかつ階段式(層状)に周囲への揚土を行い、埋立 写真−2 揚土船による櫓直下埋立状況. 中は計器に異常がないか動態観測を実施. 2425. 4.施工の結果及び考察. 淡路島側. 施工期間は、櫓の上段ステージ撤去・仮置、計測機器類. -1.7 --1.5 2420. 2415. 装作業に 3 日間、櫓直下の図−4のハッチング部分にあた る C.D.L.+4.0m までの埋立に 4.5 日間をそれぞれ要した。. 要した結果である。櫓直下の埋立出来形の一例として、図. -2.1 --1.9 -2.3 --2.1 -2.5 --2.3. 2410. 櫓直下の日当りの施工量としては、約 2,300m3 とガット船 度の施工量であるが、投入量及び投入位置の管理に時間を. Y座標. -1.9 --1.7. の保護等の櫓直下埋立準備工で 14 日間、 揚土船の現場内艤. 2.5 隻程度となった。これは揚土船による一般揚土の 1/8 程. C.D.L.表示(m). 1期島側. 2965 和歌山側. 2970. 2975 X座標. 2980. 2405 2985. 櫓支柱. 大阪側. 図−5 層状埋立コンター図(2 層目). −5に目標天端高 C.D.L.-2.0m(2 層目)のコンター図を示す。ケーシングパイプや櫓支柱部の近傍において も、周辺地盤高と差のない出来形が確保出来ていることが分かる。出来形計測点全 41 点中、最浅 C.D.L.-1.5m 〜最深 C.D.L.-2.5m で、管理基準値の目標天端高±1.0m の半数値となり、平均値も C.D.L.-1.94m と良好な施 工が出来た。動態観測結果においても、一般揚土部における沈下量、側方変位量ともに同程度であり、一般 部と同等の管理ができたものと考える。相対的に1期島側が若干低めの傾向を示しているのは、図−3に示 すようにケーシングパイプが2本連続していること等の影響で、山砂が入り難かったものと思われる。 5.まとめ 今回の埋立では、櫓という障害物の直下に計測機器類を傷めないで、2〜3m の層状施工を実施した。櫓直 下の施工は 50mm アンダーの山砂を使用し、投入土量管理と投入位置管理を繰り返し行い、その精度は水中 部で目標天端高±0.5m 程度となり、管理基準値±1.0m の半数程度で管理できた。今回のような特殊条件下 での埋立に関する課題としては、海中での流動性が高く、安価な材料の選定と、施工箇所・工程に適した使 用船舶機械の選択にあると考える。そして艤装方法やヤードの計画・投入管理方法の計画といった、海上工 事の特徴である事前検討を綿密に実施し、確実な施工へと結びつけることが重要であると考える。 ‑284‑.

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