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保守用車用踏切遮断装置の開発 九州旅客鉄道株式会社

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月). Ⅵ‑112. 保守用車用踏切遮断装置の開発 九州旅客鉄道株式会社. 正会員 ○佐古 武彦. 九州旅客鉄道株式会社. 正会員. 幸野 茂. 九州旅客鉄道株式会社. 正会員. 安部 和俊. 1.はじめに JR 九州の在来線において保守用車は、車輪同士が絶縁状態で走行を行うため、保守用車が踏切を通過する 際には遮断しない。踏切を通過する際には一旦停止による左右確認や踏切に誘導員を配置して作業を行ってい る。しかしながら、JR 九州において過去に保守用車と自動車が衝突する事故が発生している。また、保守用 車の特性上、一旦停止することでの作業時間のロスが大きく、少ない作業間合のなかで保守用車を使用する際 の制約となっている。そこで、本稿では保守用車上から操作が可能な踏切遮断装置の開発に取り組んだ結果に ついて報告する。 2.保守用車用踏切遮断装置の概要 保守用車用踏切遮断装置の概要は図 -1 に示すとおりである。車上から操作す るためのリモコンと踏切制御 BOX と接続 するための地上装置から構成されてい る。 (1) 操作用リモコン 保守用車監督者等の責任者にとって 使い勝手の良いよう、出来る限りコンパ クト、シンプルなリモコンとしている。 産業用リモコン装置の周波数を使用す. 図-1 保守用車用踏切遮断装置の概要. ることで、コスト・メンテナンス面を考 慮している。セキュリティ面の対策として JR 九州専用の ID を付与している。また、誤作動防止を図る為の設 定をリモコンに施している。 (2) 地上装置 操作用リモコンから送信された制御信号を受信し、踏切制御 BOX に信号を伝達するために地上装置(写真-1 参照)を設定している。 踏切制御 BOX から供給された電源により動作し、踏切制御 BOX 内 の保守用車用 PR を制御することにより踏切を鳴動または鳴動停止 している。地上装置内には、信号 BOX 内から供給されている電源 の On/Off 切替スイッチを設けており、本装置の故障により踏切が 鳴動持続となった際には、このスイッチを操作し電源の供給を遮 断することで踏切鳴動を解除することができる。操作用リモコン にて本装置が作動しているか確認するために LED パトライトを設. 写真-1 地上装置外観. キーワード 保守用車,踏切,遮断装置, 連絡先 〒812-8556 福岡県福岡市博多区博多駅前 3-25-21 九州旅客鉄道株式会社施設部保線課 TEL:092-474-2449. ‑223‑.

(2) 土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月). Ⅵ‑112. 置している。さらに本装置の異常有無について外観から目視で確認ができるよう設定している。 3.回路構成 本装置は、踏切制御 BOX 内に接続する必要があるこ とから、踏切設備並びに列 車運行に影響を与えないこ とが大前提となる。この前 提条件を踏まえ、図-2 の回 路構成としている。踏切制 御 BOX から供給される電源 の ON/OFF 切替のみで本装置 を制御することで、踏切設 備並びに列車運行に影響を 与えない回路構成としてい. 図-2 回路構成. る。また、踏切鳴動持続を 防ぐ為に、タイマーを設けることで一定時間経過後に踏切鳴動が解除される回路としている。. 4.装置の検証試験及び結果 本装置について下記項目の検証試験を実施した。その結果について整理する。 1)電波確認 踏切間の距離が短い場合などに操作対象の踏切以外にも電波が届いてしまうことを防ぐために、電波の影響 範囲について試験を行いながら調整している。検証の結果、電波の届く範囲を 30m~50m(支障物により変化 有り)に設定しているが、保守用車の編成が長くなった際には、一旦停止が伴う。 2)動作確認 移動しながら正常に動作するか、リモコン操作を行い指定した時間通りに本装置が作動するか等について検 証を行った。検証の結果、動作確認については特に問題無いことが確認できた。 3)異常状態確認 踏切制御 BOX からの電源が突然供給されなくなった場合や、連続してリモコン操作を行った場合等を想定し た検証を行った。検証の結果、想定されるリスクに関して現段階で問題無いことを確認している。 4)機器確認 経年による劣化等についての確認であるが、この項目については引続き検証が必要である。 6.おわりに 本装置を開発することで、保守用車と自動車、通行人との衝突事故を防ぐことができる。また、踏切誘導員 の配置省略や作業の効率化を図ることができ経費節減にもつながる。本装置については実際の踏切に設置し検 証を進めている段階であるが、今後は実際の保守用車を運用させながら使用していく。本格的な試験運用を経 て改修を行い、水平展開を図っていきたい。 最後に、本装置の開発にご協力いただいた山口エレクトロニクス㈱ならびに㈱カネコの関係者の方々に厚く 御礼を申し上げたい。. ‑224‑.

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