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氏名(生年月日)
本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の目付 学位授与の要件 学位論文題目 論文審査委員
中村憲司(昭和15
ナカ ムラ ケン ジ
医学博士 乙第534号 昭和57年3月19日
学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者)
感染性心内膜炎(成人)の臨床像と超音波心臓検査法による臨床的評価
(主査)教授 広沢弘七郎
(副査)教授 大内 広子,教授 野本 照子
論 文 内 容 の 要 旨
研究目的
かつての細菌性心内膜炎が感染性心内膜炎と呼ばれる ように,抗生物質,免疫抑制剤の大量使用,医療技術の 向上,寿命の高齢化などにより,感染性心内膜炎の臨床 像も変わりつつある.著者は,最近の成人感染性心内膜 炎の臨床嫁と,この疾患に対する超音波心臓検査法の有 用性について検討を加えた.
研究対象および方法
対象は昭和53年1月から3年6ヵ月間,臨床的に感染 性心内膜炎(IE)と診断され,当循環器内科で精査,
治療をうけた成人66例(年齢20歳~6Q歳,男46例,女20 例)とし,IE発症前の心血管手術の既往により,既往
(一)を1群(61例),既往(十)を皿群(5例)にわけ
た,
全例につき,超音波心臓検査法(Mモード心エコー図 法と心断層図法)にてIE病変の有無,発症部位,前 駆疾患の診断を施行し,左室の収縮末期径(ESD),拡 張末期径(EDD)より,左室内径収縮率(FS),駆出率
(EF)を求めた.手術,剖検は1群51例,五群5例に 施行し,肉眼所見よりIE病変の部位,前駆心疾患(先 天性,リウマチ性,不定)の診断を行なった.その他の 臨床諸検査所見,心臓カテーテル,心血管造影所見をも 加えて,IEの臨床像の変遷とこの疾患に対する超音波 検査法の有用性について検討した.
結果
1)男性が女性の2.3倍をしめ,50歳以上の高齢者は 11%弱であった.前駆疾患として先天性心疾患(左一三
短絡疾患,弁異常)が半数をしめ,リヴマチ性心疾患は 20%以下であった.起炎菌は1群には緑連菌が,亙群に はグラム陰性桿菌,ブドウ状球菌が多くみられた.
2)超音波検査にてIE病変を認めた1群58例のう
ち47例に手術が,11例に内科治療が施行され,死亡率は’前者9%,後者36%であった.亙群5例では明確なIE 病変を超音波検査法にて証明し得ず,2例を外科治療に
より救命し得た.
3) 1群51例の手術,剖検では,大動脈弁38(涜贅 30,穿孔5,Hail valve・3),僧帽弁24(流贅14,穿孔2,
腱索断裂8),三尖弁5(涜贅),肺動脈弁4(疵贅3,
HaH valve 1)の他,細菌性動脈瘤(7),心筋内膿瘍
(5)のIE病変を認めた.先天性心疾患の障害部位と IE病変の間には,関連性がみられた.
4)超音波検査法による涜贅の診断率は87%,Hail valveは100%であったが,心筋内膿瘍60%,細菌性動 脈瘤43%の診断率であった.またIE病変によって修 飾された先天性弁異常の診断は,極めて悪かった.
5)大動脈弁あるいは僧帽弁逆流をもつ54例のESD,
EDD, FSより,予後判定のhigh risk zoneを設定し た.ESD 50mm以上, FS 30%以下の区域に属する19例 のうち,10例が重症心不全にて死亡した.
結語
IEの前駆疾患として先天性心疾患が半数を占め,涜 贅以外のさまざまなIE病変が手術,剖検にて確認さ れた.非観血的に繰り返して施行でぎる超音波検査法 が,IE病変,前駆疾患の診断,心機能の評価に極めて
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有用であることが確認されたが,限界点をも考慮しなけ ればならない.抗生物質と競うかのように執拗に存続す るこの難治性疾患に対しては,心臓カテーテル,心血管
造影所見,臨床所見をも総合して,最良の治療計画を建 てねぽならないと結論した.
論 文 審 査 の 要 旨
感染性心内膜炎は各種の先天性心疾患や弁膜症などに合併して起こり,高率な死亡を来す重篤な疾 患である.その診断もその治療もそれぞれかなり難しく,臨床的に大きな問題として残されている領
域である.本研究は最近長足の進歩を遂げた超音波検査法による本疾患の診断を軸として,本疾患の臨床像,
各種検査法の成績から内科的・外科的治療の意義にまで及んで解析したもので,臨床医学的に価値高
きものである.主論文公表誌
感染性心内膜炎(成人)の臨床像と超音波心臓検査法 による臨床的評価.
東京女子医科大学雑誌第51巻第12号
1808~1830頁(昭和56年12月25日発行)
副論文公表誌
1)Subpulmonic VSDの超音波所見,
呼吸と循環 28(5)525~533(1980)
2)超音波検査法による大動脈弁下墨型狭窄症の評 価.
Journal of cardiography, 10 (2) 343~355 (1980)
3) M-mode and Cross-sectional echocardiograph三。
features of Ha五1 pulm◎nary valve(翻転する肺動 脈弁の超音波所見).
JPn Iヨ【eart J 21 (6) 897~902 (1980)
4)感染性心内膜炎の超音波所見=Mモード心エコー 法と超音波心臓断層法との比較。
Journal of cardiography 10 (4)
1047~1059 (1980)
5) Detection of ruptured aneurysm of sinus of Valsalva
by contrast two・dimensional echocardiography(超 音波造影法によるValsalva洞動脈瘤破裂の検出).
Br Heart J 45(2)219~221(1981)
6)半月弁の心エコー図.、
最新医学36(8)1496~1506(1981)
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