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肥大型心筋症の左房機能に関する臨床的研究

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Academic year: 2022

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肥大型心筋症の左房機能に関する臨床的研究

著者 真田 宏人

著者別名 Sanada, Hiroto

雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査

結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科

巻 平成6年7月

ページ 54

発行年 1994‑07‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/15155

(2)

学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目

医博乙第1226号 平成5年6月1日 眞田宏人

肥大型心筋症の左房機能に関する臨床的研究

論文審査委員 主査 副査

教授 教授 教授

竹田 小林 松田

祐一保

亮健

内容の要旨および審査の結果の要旨

左房は,肺静脈からの流入血を貯留する貯留槽としての機能と,肺静脈と左室をつなぐ導管としての機 能と,左室に血液を駆出すろポンプとしての機能とを有する。左房は左室の血液充満に密接に関与してお り,左室伸展性の低下による左室流入抵抗の増大を主病態とする肥大型心筋症における左房の働きは重要 である。著者は,心愁訴をもって左室造影の対象となり,正常と判定された対照者14名,高血圧症13名お よび肥大型心筋症18名について,左室造影像上の拡張期左室流入分画の解析を行なった。次に,対照者5 名,高血圧症6名および肥大型心筋症11名を対象として,左房の庄一容積曲線を作成し,左房のポンプ機 能,貯留機能および導管機能について検討した。左房の収縮性を反映するポンプ機能に関しては,左房の 前負荷,後負荷および駆出性の面から検討した。また左房の拡張性を反映する貯留機能に関しては,左房 の本質的な硬さを表わす,左房腔硬さ定数を求め検討した。得られた成績は次の如く要約される。①左室 造影像を用いた左室流入分画の検討では,高血圧症では拡張早期左室充満の低下が心房収縮期の左室充満 の増大によって代償されていたが,肥大型心筋症では心房収縮期の代償が低下していた。②左房圧一容積 曲線によるポンプ機能に関する検討では,高血圧症では,左房後負荷の増大に対し左房前負荷が動員され 左房駆出性が増大していたが,肥大型心筋症では,左房前負荷の増大にもかかわらず左房駆出性の増大が 不十分であり,左房の後負荷不整合により左房ポンプ機能の冗進の限界に達していると考えられた。③左 房圧一容積曲線による貯留機能および導管機能に関する検討では,肥大型心筋症において左房腔の硬さの 増大が認められた。左房腔の硬さの増大は左房の貯留機能および心拍出量の低下をもたらしていた。また 肥大型心筋症では左房の導管機能が冗進していることが推察された。

以上,肥大型心筋症では,左室拡張性の低下により左房の後負荷不整合を生じ,左房ポンプ機能不全の 状態に陥ると考えられた。さらに左房腔の硬さの増大により左房貯留機能も低下しており,左房不全の状 態に近づいているものと考えられた。本論文は,従来注目されていなかった肥大型心筋症における左房の 血行動態を貯留,導管,ポンプの3機能に分けて詳細に検討し〆左房機能不全に至るメカニズムを明らか

にした点において循環器学上有意義なものと評価された。

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