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国 内 避 難 民 の 保 護 と 不 干 渉 原 則

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(1)研究会報告. 国内避難民の保護と不干渉原則. ︵2︶. 永. 田. 田. 征. 高. 早稲田大学国際法研究会. 島. 夫英. 国内避難民の保護と不干渉原則. 一八一. 民の保護の問題は比較的新しく︑湾岸戦争後にイラタのフセイン政権による攻撃の対象となった︑クルド人の惨状. と︑すなわち国家の領域外に出ることが現実には容易でないことを考えれば︑国内避難民のほうが一般に数が多い ︵3︶ こともうなづける︒また︑その数は冷戦終結後にかえって増大している︒ ︵4︶ ところで︑難民の保護については︑第一次大戦後徐々にその国際的体制が整えられてきたのに対して︑国内避難. 難民であって︑国内にとどまる人々が国内避難民であると︑国際法上は区別される︒主権国家の枠の外に出るこ. 人いるといわれる︒後述するように︑両者は実質的にほぼ同一の原因から発生するのであるが︑国外に出た人々が. ︵1︶ 現在地球上には︑難民︵お哺轟Φ①︶が約二〇〇〇万人︑国内避難民︵巨R轟ξ象呂一碧aoRω9︶が約三〇〇〇万. 序.

(2) 早法七四巻一号︵一九九八︶. 一八二. ︵5︶ を目の当たりにして︑ようやく国際社会の注目が集まるようになったにすぎない︒国連人権委員会でさえ︑国内避 ︵6︶. 難民の問題に人権保護の観点から本格的に取り組んだのは︑一九九一年三月五日の決議一九九一/二五が最初であ. るといってよい︒国内避難民の問題がその深刻な状況にもかかわらず国際社会においてこのように必ずしも十分な. 注意を喚起されてこなかったのは︑この問題に対する実効的な対応が領域国の﹁主権﹂という厚い壁によって阻ま れてきたことが︑その主要な原因であると思われる︒. それにしても︑国境を越えているか否かがそれほど決定的な要素であろうか︒国内にとどまる避難民であれ国外. へ脱出した難民であれ︑国際社会が問題にしようとしているのはその窮状についてではないのか︒むしろ国内で武. 力紛争などの危険にさらされた国内避難民のほうが︑国外へと脱出することで危難から一応逃れることになる難民. の場合よりも︑保護の必要性の度合いは大きいのではないのか︒このような国内避難民の保護のために︑国際法は. 本稿は︑このような問題意識を持ちながら︑国内避難民の保護をめぐる領域国︑他国︵第三国︶および国連など. どのような法理を用意しているのであろうか︒. の国際機関の法的関係と役割を︑内政不干渉原則とのかかわりで明らかにしようとするものである︒そのさい︑も. っぱら国内避難民がすでに発生した場合を想定し︑またとくにその典型的な発生原因である内戦など一国内で生ず. 国内避難民に対する保護請求の基盤. 掴内避難民の概念・定義. 二. る武力紛争の状況を念頭におきながら︑考察を行なうことにする︒. 1. 前述のとおり︑難民については︑ その歴史の古さと国際的関心から慣習法および条約によってその定義づけが試.

(3) ︵7︶. ︵10︶. もっとも︑国連事務総長代理デンや国際法協会︵ILA︶の精力的な努力を中心としたこれまでの議論の積み重. ︵9︶. みられ︑一応合意が形づくられてきた︒一方︑国内避難民については︑国際的関心が高まったのが一九九〇年代に ︵8︶ 入ってからということもあって︑その定義だけでなく︑概念もそれほど確定したものがあるとはいえない︒. ねの中で︑一応︑国内避難民の基本的構成要素として次の二点を指摘することは可能であろう︒. 第一は︑国内避難民が武力紛争︑内戦︑人権の組織的侵害など何らかの外部的要因により︑その生命・身体・自. 由などが高度の危険にさらされるおそれが強いために突然にまたは予期せずに常居所から離れることを余儀なくさ. れていること︑つまり﹁強制的に移動﹂︵象呂﹃8ヨo邑させられていることである︒このように強制移動を受けて. いる状態にあることを条件とする点で︑国内避難民は経済的事情などから自発的に移動ないし移住を行なう者とは 明確に区別される︒. 第二の要素は︑国内避難民は︵いまだ︶国境を越えていないということである︒つまりしばしば﹁国外避難民﹂. ︵11︶ ︵①答①旨巴マ&ω覧碧a速あ8ω︶とも称される難民の場合とは異なり︑危難から逃れるために常居所を離れることを. 余儀なくされたといっても︑国内避難民は文字どおり国の内部にとどまっているということである︒このことは︑. ﹁国外﹂に逃れた難民であれば受けうる一定の確立した国際的保護の仕組みを︑国内避難民は国内にとどまってい. るという理由だけで享受することができない︑ということを意味する︒こうして︑実質的に同一の原因から発生す. 事例研究. るにもかかわらず︑両者の問には人権保護上の重大な差異が生じているのである︒. 2. 一八三. ここで︑国内避難民問題の現況を把握するために︑ これにかかわる最近のいくつかの事例を検討し︑その特徴を 概観することにする ︒ 国内避難民の保護と不干渉原則.

(4) 早法七四巻一号︵一九九八︶. イラク政府によるクルド人の弾圧. 一八四. 一九九一年二月の湾岸戦争の終結後に︑イラクのフセイン政権は同国北部でクルド人反政府勢力の抵抗に直面し. ①. た︒同政権は圧倒的な軍事力を背景にこれを徹底的に弾圧し︑その結果︑一五〇万人以上のタルド人が難民化して. トルコやイランなど隣国の国境地帯に逃げ込んだ︒しかしなおイラク政府は攻撃の手をゆるめなかったため︑クル ド人の窮状は一刻の猶予も許されない事態となった︒. 西側諸国は当初︑これはイラクの﹁国内問題﹂であるとして傍観の姿勢をとっていたが︑クルド難民の救援を求 ︵12︶. める国際世諭が高まるに及んで︑一九九一年四月五日に国連安全保障理事会︵以下︑安保理︶は決議六入入を採択. した︒同決議は︑前文において︑国内のクルド人その他に対するイラク政府の抑圧政策が大量の難民と避難民を生. み出し︑このことが国際の平和と安全を脅かしていることを認めた︒そしてイラク政府に対して︑﹁国際人道機関. が援助を必要とするすべての人々に即座にアクセスする﹂ことを認めるとともに︑かかる活動のために必要なすべ ての便宜を与えることを︑強く要求したのである︵三項︶︒. この決議に基づき︑イラク北部に国連の監視する難民保護区が設定され︑また米英仏軍がその上空の安全の確保 ︵13︶. にあたると同時に︑食糧などの援助物資を投下するなど︑キャンプ内にいる避難民に対して軍事力を用いた救援活 動が行なわれた︒これらの活動は四月二六日に国連に引き継がれた︒. これら一連の措置は︑自国の主権に対する違法な干渉であるとするイラクの主張を押し切るかたちで行なわれ. ︵15︶. た︒つまり︑イラク領内にいるクルド人避難民保護を名目とする前述の軍事行動が︑国際慣習法や国連憲章二条七 ︵M︶ 項で認められた不干渉原則に違反しないのかが︑問題として提起されうるのである︒ ② ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争. 旧ユーゴスラビアについては︑安保理は一九九二年八月二一百に決議七七〇を採択した︒同決議は︑ボスニア・.

(5) ヘルツェゴビナにおける事態が平和に対する脅威を構成し︑人道的援助の供与がこの地域における国際の平和と安. 全を回復するため重要な要素であることを確認する︵前文五項︶と同時に︑﹁人道的供給物資の配給を妨害してい. る状況の継続とその結果として生じているこの国の人民の苦難﹂について注意を喚起した︵同八項︶︒. このような認識のもとに︑安保理はボスニア紛争の国内避難民に対する人道的援助の供与を容易にするために. ﹁あらゆる必要な手段﹂を講ずるよう加盟国に要請した︵本文二項︶︒この﹁あらゆる必要な手段﹂には︑湾岸戦争. 当時いわゆる多国籍軍に対して必要な武力行使を﹁容認﹂︵9・暮ぎ言Φ︶したとされる安保理決議六七八︵一九九〇年. 一一月二九日︶の経験から︑当然に武力行使も含まれていると解された︒ところが︑その後に国連による本格的な. ソマリア内戦. ︵17︶. 軍事力の投入はなされず︑また決議自体が厳格に実施されることもなく︑結局︑事態はセルビア人勢力による安全 ︵16︶ 地域の制圧と大量のムスリム人避難民の発生という新たな悲劇を生んだのである︒ ③. ソマリアについて︑安保理は︑一九九二年一二月三日の決議七九四で﹁ソマリアにおける紛争によって生じかつ ︵18︶. 人道的援助の配給に対する障害によっていっそう悪化させられている人間の悲劇の重大性は︑国際の平和と安全に. 対する脅威を構成する﹂と認定した︵前文三項︶︒この前提のもとで︑さらに安保理は︑同国における人道的救援. 活動のための安全な環境を確立するために﹁あらゆる必要な手段﹂をとることを国連事務総長と加盟国に容認した. ︵本文一〇項︶︒この決議に基づいて米国の地上軍を主力とする多国籍軍が派遣され︑避難民を含む多くの紛争犠牲 者に対する種々の救援活動が行なわれた︒. ソマリア内戦の事例で最も特徴的なのは︑周知のとおりソマリアではすでに無政府の状態が続いていたために︑. 領域国を代表する権限と責任をもつ正統な当局が存在しなかったことである︒このことは︑後で検討するが︑国内. 一八五. 避難民保護のさいの領域国の﹁主要な責任﹂の原則との関連で︑非常に困難な問題を提起することになったのであ 国内避難民の保護と不干渉原則.

(6) る︒. ㈲. 早法七四巻一号︵一九九八︶. ルワンダ内戦. 一八六. リビャリマナ大統領の暗殺に端を発したルワンダ内戦は︑フツ族とツチ族間の部族対立と政治的対立が錯綜し. て︑国内を混沌へとみちびいた︒大規模なツチ族虐殺事件に続く両派入り乱れての殺裁は︑二〇万人とも五〇万人 ︵珀︶. ともいわれる犠牲者を生み出した︒内戦開始以来︑有効な手を打てなかった安保理は︑一九九四年六月二二日によ. うやく決議九二九を採択した︒その二項と三項によって︑国連事務総長と協力する加盟国は︑﹁あらゆる必要な手. 段﹂を用いて﹁ルワンダにおいて危機にさらされている避難民︑難民および文民の安全と保護に公平な方法で貢献. この決議の採択後︑フランス軍を中心に二五〇〇人がルワンダに派遣されたが︑その活動期間はニカ月に限られ. すること﹂を目的とした︑一定の権限を認められた︒ ており︑その後は国連の平和維持部隊︵UNAMIR︶が取って代わった︒. 以上︑最近問題となった国内避難民の主な事例を概観した︒たしかに︑国内避難民は概念上は発生規模の大小は. 問われないし︑発生の原因もさまざまである︒しかし以上みてきたように︑一方では︑とくに武力紛争ないし内戦. 下で大規模に発生してその生命・身体・自由が著しく脅かされており︑これを緊急に保護する必要性がある︒しか. も︑領域国自身がその能力や意思を欠いたり︑国内避難民を攻撃の対象とする例さえもしばしば見られる︒こうし. て︑国内避難民の問題は︑形式的にいえば一国内で完結しているとはいえ︑問題の規模と性質上︑必然的に国際的 な広がりをもってくるのである︒. しかし他方では︑彼らはいまだ国境を越えていないために︑難民のような国際的保護を受けられないのであり︑. 外部から保護を与えようとすれば︑領域国の主権が立ちはだかる︒くりかえすまでもなく︑これが難民との間で人 権上の重大な差異が存する点なのである︒.

(7) では︑右に述べたような緊張関係を内包する今日の問題状況のなかで︑窮状にある国内避難民に対する保護を行. なっていくうえで︑現代国際法はどのような法理を用意しているのであろうか︒この点を不干渉原則とのかかわり. 国内避難民保護の法理. で︑検討することにしよう︒. 三 1 国内避難民保 護 に お け る 領 域 国 の 主 要 な 責 任. 国内避難民の保護についてまず強調されなければならないのは︑領域国にはこの面での主要な責任︵冥言鋤曼. お80房一匡ξ︶が課されているということである︒このことは︑自国民を保護・援助することは国家性︵誓窪︒− ︵20︶ ぎ&︶の概念そのものに由来する内在的な要請であって︑国際法の基礎を構成する︑といいうるものなのである︒ ︵21︶. この点は︑災害などの場合における緊急援助についての国連総会による一連の決議においてもくりかえし確認され ている︒. このように︑国内避難民の保護について第一次的な管轄と責任を負っているのは︑疑いなく領域国自身である︒. そして後述するように︑この原則は︑実は︑国際社会による人道的援助を不干渉原則とのかかわりで評価するうえ で重要な要素になる︒しかしながら︑次の二点について注意が必要である︒ 2︶. 第一に︑ソマリアの事例にみられたように︑領域国を代表する正統政府の所在または存在そのものが不確かな場 ︵2 合がありうる点である︒いわゆる事実上の当局︵魯誉§鋤暮げ且な︶は︑一方では国内避難民を発生させうる主体. であり︑他方では︑そのような当局がとくに一定の領域を実効的に支配している場合には︑その協力がなければ国. 一八七. 内避難民に対する保護・援助の実効性は担保されえない︒そして︑そうした事実上の当局を国内避難民保護の体制 国内避難民の保護と不干渉原則.

(8) 早法七四巻一 号 ︵ ﹄ 九 九 八 ︶. ︵23︶ に組み入れるためには︑国際協力に頼らざるをえないのである︒. 一八八. 第二に︑国内避難民発生の典型的事例である国内的な武力紛争時において︑領域国が果たして国内避難民保護に. ついて一定の責任能力を有しているかどうかという点である︒また︑たとえ能力を有していたとしても︑イラク政. 府によるクルド人避難民への攻撃やセルビア人勢力による民族浄化政策に顕著に見られたように︑国内避難民の存. 在自体が領域国にとって政治的または軍事的な考慮の対象となる場合があり︑避難民の保護について当該国が十分 ︵24︶ な対応を行なう意思をもっているかどうかという点も問題となりうるのである︒. こうしたことから︑国内避難民に対する保護を行なう管轄と責任を有するのは第一次的には領域国自身であると. いう基本命題にもかかわらず︑実際には他国︵第三国︶や国連などの関与が︑たとえ二次的ないし補完的な位置づ. 2. 干渉の対象としての国内避難民. 国内避難民保護と不干渉原則の相克. けであるとしても︑つねに問題となるのである︒. ①. 国家は互いに平等かつ独立の存在である︒それゆえ︑そのコロラリーとして︑国家は他国の主権を尊重する義務 ︵25︶. を負う︒この不干渉原則とは︑一国の自由処理に委ねられている事項について他国がその意思を押しつけること. ︵強制的ないし命令的介入︶が禁止されていることをいう︒そして︑このように国家の自由裁量に委ねられている事. 項のことを︑国際法上﹁国内問題﹂︵馨①露巴駄度噌︶または﹁国内管轄事項﹂︵ヨ窪8噌・盈○ヨ霧旨冒器臼32︶と呼 ぶのである︒. かつては︑国家は広く主権概念に依拠することで︑多くの事項を国内問題として確保することができた︒それ ︵26︶ は︑絶対主権の観念に根ざすもので︑実質的には国際法の存在自体を否定することにつながりうるものであった︒.

(9) ︵27︶. しかし︑国家間の相互依存関係の深化や︑もともと国内問題であった事項が国際的広がりをもつようになったこと の影響から︑現代国際法は次の二点において重要な変化をもたらした︒ ︵28︶. 第一に︑本質上国家の専権事項であるとされていた事項であってもその後の国際関係の発展によって国際法の規. 律に服しうるという意味で︑国内問題は相対的な概念であることが明らかとなった︒これは絶対主権観念を克服し ︵29︶. た点で︑きわめて画期的である︒第二に︑それにとどまらず︑現代では国内問題の概念が国際法の積極的な保護を. だけでは︑他国の干渉を排除する抗弁としては必ずしも十分ではないとみなされるようになったのである︒. 受ける事項を指すものへと転化してきている︒逆にいえば︑単に国際法の規律を受けていないという消極的な理由. また︑以上のような国家間関係に適用される一般国際法上の不干渉原則とは別に︑国連の権限に対する制約とし. て作用するものとして︑憲章二条七項に定められた︑国内管轄事項に対する不干渉の原則がある︒しかし国連がこ. れまでの実践上︑﹁国際関心事項﹂︵ヨ簿酔R・=導Φ壽蝕○爵一8蓉Φ鰹︶の概念を創出してこれを活用することで︑平 ︵30︶. 和維持や人権保護︑自決権の尊重など憲章の目的と原則にかかわる事項について積極的に関与していることは︑広 ︵31︶. く知られたところである︒人権保護についていえば︑たとえば南アフリカのアパルトヘイト政策の間題のさいに例. 証されたように︑少なくとも大規模な人権侵害がもはや国連の関与を排除しえないことについては異論はないであ ︵32︶. ろう︒さらに︑国際機構の決議の効力の観点からいっても︑正規の手続に従ってその目的達成のために採択された ︵33︶. 国連の決議は有効性が推定されるため︑憲章二条七項違反の措置であるという推定は原則として働かないともい える︒. このように今日では︑従来のように抽象的に﹁国内間題﹂であるとか﹁国内管轄事項﹂であると主張するだけで. は︑法的にみて十分に根拠があるものとはみなされえなくなった︒不干渉原則を有効に援用するためには︑国家. 一八九. は︑むしろ間題となっている事項が国際法上自国の専属的な処理に委ねられているものとして積極的な保護を受け 国内避難民の保護と不干渉原則.

(10) 早法七四巻一号︵一九九八︶. ていることを立証しなければならないのである︒. 一九〇. 以上のことを国内避難民の保護に関して当てはめるなら︑次のように述べることができよう︒すなわち︑まず今. 日の国内避難民の問題の本質が︑その生命・身体・自由などへの危険が深刻な状況下にあることにある限りにおい. て︑国際法上不干渉原則がそれについての国際社会の関与をいっさい排除することまでを領域国の保護法益として. ころは領域国の内部にいる避難民が難民化して自国内へ大量に流入してくることへの懸念もあるであろう︒このよ. 積極的に認めているとみなすことは︑きわめて困難であろう︒また実際上︑とくに近隣諸国にとっては︑目下のと. うな中で︑自国内にいる国内避難民の状態についての他国や国連の関与を排除するためには︑領域国としては︑国. 内避難民の保護・援助について十分な責任を果たすべき意思と能力をみずからが具備しておりかつ実際にそれを実. 践していることを︑積極的に示さなければならない︒そして︑もし領域国がそのような﹁主要な﹂責任を果たして 干渉の態様としての人道的援助. いないと認められる場合には︑その補完または代替として他国や国連が関与しうる余地が出てくるのである︒. ②. ㈲ 古典的な人道的干渉の非妥当性. 干渉の態様についての議諭の前提として︑まず︑今日問題となっている国内避難民に対する﹁人道的援助﹂. ︵ざヨき置二き器ω一ω富づ8︶は︑伝統的に干渉の正当化事由としてしばしば主張されてきた﹁人道的干渉﹂︵ビBき一−. け貰貯三旨R話昌8︶とは異なるものであることを明確にしておかねばならない︒. 入道的干渉は︑伝統的に国家間の関係において主張されてきた概念であって︑名目上は被干渉国の国民の保護の ︵4 3︶. ために武力をもってする︑強制的な介入を意味した︒トルコに対するヨ!ロッパ列強の干渉の例がほとんどであ. った︒そのほかにも︑たとえば︑一入二七年のギリシア独立戦争のさいの英仏露による干渉︑一八六〇年のシリア. に対するフランスの干渉︑一八七八年のバルカン諸国を解放するための干渉︑一八九一ー九六年のクレタとアルメ.

(11) ︵35︶. ニアでの虐殺に対する干渉の例などが︑あげられる︒ ︵36︶. このような人道的干渉についてはかつて肯定論もあった︒けれども︑当時の実行をみる限り︑その実態はヨーロ. ッバ的人道観または道徳観のトルコヘの強要というべきものであって︑そもそもその法規範としての性質すら疑わ. しく︑今日では歴史的遺物となっているといえる︒いずれにせよ︑今日問題となっている国内避難民に対する保護 ︵37︶. の供与︑すなわち人道的援助を︑伝統的な人道的干渉という法理を援用して正当化することは︑その妥当基盤がま 純粋に人道目的のための援助. ったく異なる以上︑無理というよりほかない︒. ㈲. 人道的援助は︑生命の危険にさえ直面する避難民に対して︑国連を中心として中立・無差別の原則のもとで食糧. や医薬品などを供与する活動であって︑それ自体は強制的な介入という要素をともなわない以上︑国際法上禁止さ ︵38︶ れた違法な干渉にはあたらないものである︒. この点については︑一九八六年のニカラグア事件︵本案︶の国際司法裁判所判決が示唆的である︒すなわち︑判. 決はまず﹁真に人道的な援助の本質的特徴は︑それがどのようなものであれ﹃差別なく﹄与えられるということで. ある﹂と指摘したうえで︑ある人道的援助が違法な干渉であるとの非難を免れるためには︑当該援助が﹁赤十字の. 慣行において尊重されてきた目的︑すなわち﹃人間の苦難を防止し緩和すること﹄ならびに﹃生命および健康を保 9︶. 護しかつ人間の尊重を確保すること﹄に限定されていなければならないだけでなく︑なかんずくニカラグアで援助 ︵3 を必要としているすべての人々に差別なく与えられなければならない﹂とした︒所与の人道的援助を厳格にこのよ. ︵40︶. うな目的・態様の基準に基づいて行なうことは︑当該援助が領域国への違法な干渉とならないために不可欠の条件. となるだけでなく︑援助についての領域国の同意を確保するためにも必要であると思われる︒. 一九︼. ところで︑人道的援助が以上のように原則として違法な干渉にはあたらないといっても︑援助の供与︵冥o亭 国内避難民の保護と不干渉原則.

(12) 早法七四巻一号 ︵ 一 九 九 八 ︶. 一九二. ω一薯︶との関係でつねにそのようにいえるか︑いささか疑問である︒領域国が援助の受入れに消極的な状況では︑. 領域国に対して何らかの強制を加えることなしに当該援助を実現することは︑現実には不可能ではないかと思われ るからである︒. 他方︑少なくとも人道的援助の申し出︵o臨豊にとどまる場合にそれが違法な干渉を構成しないことについて. は︑疑問の余地はない︒そしてこのことと裏腹の関係にあるものとして︑領域国は人道的援助の申し出に誠実に対 れるのは︑このような意味においてである︒. ︵41︶. 応する義務を負うのである︒領域国がかかる申し出を合理的根拠なく恣意的に拒否することは許されないと解さ. こうして︑ある具体的状況において人道的援助が不干渉原則との関係でどのように評価されるかは︑結局は国内. 避難民保護に関する領域国の態度に左右されると思われる︒したがって︑この段階では︑領域国は人道的援助の申. し出を合理的理由なく拒否することはできないとしても︑だからといって︑他国や国連が純粋に人道目的のためと. はいえ領域国の意思に反してまで国内避難民への援助を強制することは認められないといわなければならない︒. @ 安全保障理事会の強制措置の一環としての人道的援助. それでは︑国内避難民のおかれた状態が国際の平和と安全の文脈で把握される場合には︑不干渉原則との関係で どのように評価されるのであろうか︒. 近年︑安保理は国内避難民に関連する事態を自己の任務の対象として積極的に取り上げ︑憲章第七章に基づく強. 制措置の一環として︑平和回復のため一定の人道的な救援措置をとっている︒これらの中には国内避難民の保護に ︵42︶. ついて明示的には言及していないものもあるが︑少なくとも黙示的または間接的にこれを目的としているというこ. しかしながら︑ここで注意すべきは︑国内避難民のおかれた状況が人権および人道の観点からみていかに深刻な. とができる︒.

(13) ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ものであったとしても︑それだけでは︑その救援のための安保理による強制措置発動を正当化するにはおそらく不. 十分である︑ということである︒つまり︑安保理が国内避難民の保護のために一定の措置をとるためには︑事態を. 単に人道にかかわるものであると特徴づけるだけでは不十分であって︑安保理の任務の性質上︑﹁国際の平和と安 全の維持﹂のためという︑別の要素の存在が必要であると思われる︒. たとえば︑イラクに対する前述の決議六八八で︑安保理は︑イラク政府によるタルド人抑圧策が﹁大量の難民の. 流出や越境侵入をみちびいた﹂こと︑そしてそれが﹁この地域における国際の平和と安全を脅かしている﹂ことに. ついて憂慮を表明した︵前文三項︶︒つまり︑そこでは︑人道それ自体ではなくて︑国内避難民という︑いわば. ﹁潜在的な難民﹂として近隣諸国に流入してくる可能性のある人々を生み出す行為またはその結果としての彼らの ︵紹︶ 状態が︑国際の平和と安全との関係で問題とされているのである︒ ︵44︶. 以上のような条件を満たす限り︑憲章第七章に基づく安保理の強制措置の一環として行なわれる人道的援助は︑. 不干渉原則との関係ではとくに問題は生じないと思われる︒憲章二条七項の但書により︑かかる措置は不干渉原則. の適用範囲から明示的に除外されているからである︒こうして︑事態が憲章第七章のもとでの処理に属するものと ︵45︶ 特徴づけられるとき︑領域国の意に反して人道的援助を行なうことが法的に可能となるのである︒. もっとも︑憲章第七章に基づく強制措置の一環として人道的援助が行なわれる場合であれば︑国際法上何ら問題 ︵46V. を惹起しないというわけではない︒たとえば︑国内避難民の状態がどの程度のものであれば平和の問題と結びつき. うるのかという点や︑強制措置発動の目的と具体的な内容・範囲との均衡︵とくに武力の使用との関係で︶などの点. について︑問題が提起されることはもちろんありえよう︒しかしこれらは厳密には安保理の権限の観点から論じら. 一九三. れるべき問題であって︑国内避難民の保護を不干渉原則との関係で考察するという本稿の趣旨とは直接には関係な いのである︒. 国内避難民の保護と不干渉原則.

(14) 早法七四巻一 号 ︵ 一 九 九 八 ︶. 一九四. いずれにせよ︑国内避難民保護と不干渉原則の観点から重要なのは︑一定の場合に国内避難民の問題が国際の平. 和と安全の問題へと転化し︑国際社会の介入が不干渉原則の制約を受けることなく︑しかも人道的援助の確保とい. う限定された目的のために一定の武力の使用さえも認められるようになったということである︒そして︑このこと. 結. は︑とくに領域国や事実上の当局などが人為的にまたは政策として一定の住民を強制移動させることの抑止にもな ると思われる︒. 四. 構成しないと解される︒領域国としては︑これを拒否するためには︑自国が行なう保護の実効性を積極的に示さな. る︒他方︑純粋な人道的援助にとどまる場合には︑他国が少なくともその申し出を行なうだけでは︑違法な干渉を. 際法のもとでは認められないのであって︑これに根拠づけて今日の人道的援助を説明しようとするのは困難であ. この点について︑国家問の関係でなされる︑被干渉国の国民の保護を目的とする伝統的な人道的干渉は︑現代国. 実である︒そこに︑他国や国連などの関与の余地と必要が生ずるのである︒. う︒もっとも︑最近の国内避難民は︑保護に関する領域国の責任能力の範囲をこえた規模で発生していることも事. っている限り︑他国や国連による援助の申し出を拒否するのに十分な合理的根拠を有しているということができよ. もすると看過されてしまうきらいがあるが︑十分に強調されるべきである︒そして︑領域国が実効的な対応を行な. まず︑国内避難民の保護については領域国にその第一次的な責任が課されている点が確認される︒この点はやや. ることができる︒. 以上︑国内避難民の保護と不干渉原則の関係について考察を試みてきた︒結論として︑論点を次のように整理す. び.

(15) ければならない︒. では︑領域国の同意が得られない場合はどうであろうか︒この点は国内避難民の状態次第ということになろう︒. つまり︑事態が憲章第六章下にとどまる場合には︑所与の人道的援助が違法でない干渉であるとされるためには︑. 結局は依然として領域国の同意の存在がその条件となる︒他方︑そこからさらに一歩進んで︑領域国の意に反して. 人道的援助の供与を強制したり︑またはその確保のために武力を用いることができるのは︑安保理が﹁平和に対す. 以上︑本稿は︑国内避難民に対する保護のいわば入口における法的関係を整理し明らかにしたにすぎない︒国内. る脅威﹂と認定するなど︑事態が憲章第七章に属するものとして特徴づけられる場合に限られるのである︒. 避難民を窮状から救うのに必要なのは︑そこから先の︑具体的な実践の場面であろう︒さらに︑このような援助の ︵47︶. 次元︵霧ω巨欝8象ヨ①量2︶だけでなく︑個々の国内避難民が享受すべき人権の次元︵どヨき匡讐房9日窪巴8︶で. 間題を細かく考察する必要もあろう︒あらためて指摘するまでもなく︑国内避難民に特有の人権および人道的援助. を確保するためには︑将来的にはこれら両面を統合したかたちで具体的な制度が整備されていくことが望まれるの である︒. ﹁難民﹂とは︑狭義には︑迫害の恐怖によりその国籍国の外に逃れる者をいうが︵たとえば一九五一年﹁難民の地位に関する. 条約﹂一条A図参照︶︑広義には︑広く内戦などの事態から国外へ逃れることを余儀なくされる者をいう︵たとえば一九六九年. ︵1︶. ﹁アフリカにおける難民問題の特殊な側面を規律するアフリカ統一機構条約﹂一条二項参照︶︒. 東西冷戦下では︑とくに東側諸国から西側諸国に庇護を求めて多くの難民が流入していたが︑皮肉にも冷戦が終焉してそれが. ︵2︶q客∪8︒国\OZ﹂\一8切\㎝︒︵N閃①ぼ轟曙一︒︒㎝︶も巽勲︒●. 一九五. かなわなくなった︒たとえばドイツは︑統一後に基本法を改正︵一九九三年七月一日︶するなどして︑増加する難民を食い止める. ︵3﹀. 詳しくは︑島田征夫﹃庇護権の研究﹄︵成文堂︑一九入三年︶ご二七1一四九頁︒. ため︑難民政策を大幅に転換している︒ ︵4︶. 国内避難民の保護と不干渉原則.

(16) 早法七四巻一号︵一九九入︶. 一九六. 国内避難民保護の問題に関係する最近の主な文献として以下のものをあげることができる︒藤井京子﹁タルド難民救援活動と. 人道的介人論﹂﹃名古屋商科大学諭集﹄三七巻一号︵一九九二年︶︑尾崎重義﹁国際連合による集団安全保障の新たな展開ー湾岸戦. ︵5︶. 争とタルド人救援活動の国際法的評価を中心にi﹂﹃レファレンス﹄五一〇号︵一九九三年︶︑佐藤哲夫﹁冷戦後の国際連合憲章第. 九四年︶とくにその第三章︑山下恭弘﹁国内避難民の国際的保護の道程﹂﹃福岡大学法学論叢﹄四〇巻二号︵一九九五年︶︑初川満. 七章に基づく安全保障理事会の活動ー武力行使に関わる二つの事例をめぐってー﹂﹃一橋大学研究年報・法学研究﹄二六号︵一九. >8冒9P. ﹁国内避難民︵ぽ帯旨㊤ξ9ω覧碧a評おo霧︶についての一考察﹂﹃研究紀要︵世界人権問題研究センター︶﹄一号︵一九九六年︶︑. 松井芳郎﹁国際連合と人道的援助および人道的干渉︵上・下︶﹂﹃法律時報﹄六八巻四号︑七号︵一九九六年︶︑甲. 倉2・﹂︵一︒§旧>︐ρ. 浮一8p︑.↓箒いΦ閃巴一蔓︒出即・<姦凝国qヨ鋤導巽一き>ωω一ωけ睾8註夢︒旨叶げ①08ω①昌︒P箒ω︒<①邑の=..﹄ミミミ§ミζ︒ミ§ミ. ︑︑自qg餌導畳き冥①署臼什一︒署穿︒9ωの︒団夢①姿aω.︑㍉ミ鳴§駐§匙智ミミN蔓肉さ篶鳴卜§b<・一. 黛肉さ頓§トミ矯く︒一誤ZρG︒︵屋︒Nご幻︒O︒冨p.︑鐸①旨器8巴ギ︒$9一8脇・二簿①旨鋤ξ∪一畳98血男Rω︒霧︑︑℃嘗い︒浮爵ぎ. ◎難蔦ミ肉象ミ勢黛導恥肉8ミミ魯負§織象織ミOミ§亀﹄bもトω8箪ZO﹄︵国\5竃\器−国\OZ﹂\お曾\曽y箸ふO﹃き●現在. 餌&﹃9い●頃餌茜同・<の︵&ωゆγ霜黛§§肉尉ミGづ%添醤﹄晦§§誉\導鴨さ慧O§§藁︵一︒婁9. では︑国連人権委員会の要請を受けて一九九二年に国連事務総長代理に指名されたデン︵劉ζ・UΦ轟︶が︑国内避難民の問題につ. ︵6︶. いて精力的な活動を行なっている︒その最新の成果として︑d・客OOρ国\OZ﹂\お綿\認︵置男Φσ毎餌qHOOo ︒︶■. 客. なお︑一般に概念自体と定義の異同については︑島田征夫﹁政治犯罪概念の国際法的考察﹂﹃早稲田法学会誌﹄二一巻︵一九. ︵7︶ 島田・前掲注︵4︶一三一ー一四九︑一六九ー一七四頁︒ 七一年︶六頁参照︒. ︵8︶. その最も重要な基礎となったのは︑﹁国内避難民に関連する人権問題に関する包括的研究﹂と題するデンの報告書︵O. Oρ国\O客ミお3\3︵N一冒=仁ω曙這3y唱巽器るo︒−総︶である︒. ︵9︶. てその住居または常居所を離れまたは逃れることを余儀なくされた者またはその集団であって︑かつ国際的に認められた国の境. ﹁この宣言の適用上︑﹃国内避難民﹄とは︑﹃武力紛争︑内戦︑人権の組織的侵害または自然のもしくは人為的な災害の結果とし. その基礎となった宣言案︵一九九六年八月のヘルシンキ会期で暫定的に採択︶の一条一項は次のように規定する︒. ︵10︶ 国際法協会︵ILA︶は台北会期︵一九九八年五月︶で﹁国内避難民に関する国際法原則宣言﹂を採択する予定であったが︑. O.

(17) なお︑国内避難民の定義に関するわが国での議論の一つの成果として︑↓富ωε畠08唇8一簿o讐鋤ξ9ωロ8&評誘o霧. 界を越えていない者﹄をいう︒﹂︵︾節﹄い︑ミ愚&き題黛導鴨暑導﹄§§§Nミ禽融鑓︵おま︶も㌘脇㎝−誤9. q︵這3ン薯﹂8山置がある︒. ︑︑牢Φ=巨岳蔓菊8・旨8浮①い畠巴ギ08&80=旨Φ毎巴ξ9︒︒覧碧a剛Rω8ω︑.︸S壽誉ミミミ黛㌧ミ鳴§憲︒ミヘの誉無貸Zρ. qZ︐U8●国\一8一\一〇〇\︾注﹂︵零冒巨曽蔓一8じも鋤墨ω﹂に−二伊. その詳細については︑藤井・前掲注︵5︶一六九頁以下︑︾号一ヨρPG︒愚ミ88︵㎝︶も℃﹂魁⇔禽●. ジンバブエ︶で採択︒. ミミ蝋ミ勲くOHωO︵一8一︶もPo︒①︒−o ︒爵. 国内避難民の保護と不干渉原則. るO. 一九七. たとえばILAは︑﹁大量の追放に関する国際法原則宣言﹂の原則二において︑この点を明言している︒Hご︾導肉愚ミ妹魚. 賛成一〇︑反対○︑棄権五︵中国︑ブラジル︑パキスタン︑ニュージーランド︑ナイジェリア︶で採択︒. ∪○Ωω\器G ︒N︒ \ ︾ ま ﹂ ︵ 曽 ︾ 榎 一 口 O 旨 y 冨 轟 ω ﹂ N る. 近隣諸国との関係で大規模な越境難民問題が発生していたという国際的文脈があった︒松井・前掲注︵5︶・上︑五︸頁︑鐸. これは表面上は一国内の重大な人権侵害がそれだけで平和に対する脅威を構成したようにもみえるが︑実際にはその背景とし. 全会一致で採択 ︒. この間の経緯については︑佐藤・前掲注︵5︶一四三i一四五頁︒. 賛成一二︑反対○︑棄権三︵中国︑インド. 醤黛ミ. き鳴爲蕊駄Gも暮鳶ミ魅ぎ匙駁qo8︵ ミ一〇〇︒﹃ンマに︒. ハ. イラタ領内に人道センターを設置することを認めた了解覚書︵鋸Φヨ9磐身き9¢&霞ω鼠且圃畠︶を取り交わした︒テキストは︑. ︒N島−認︒その後イラタは︑四月一八日に国連事務総長との間で国連が ︵14︶ q客U8あ\℃<﹄︒︒︒⑲︵㎝︾嘆一二塗一︶もP冒山一る∵︒. 一︵這潟yP峯参照︒. 婁誉H耳①幕民・壼民鐸Φ旨畿︒琶い碧.︑恩魯ミ§きぎ昏駐さ蕊鳶\§ミミ醇ざら鳶§駄§N奪ミミ<︒=9乞ρ. しながらその後︑国連でこれらの行動を批判する動きはほとんど出ていないという︒内︑蓉℃$器m&U●知閏o拳博げρ..==旨餌巨−. ところで︑決議に基づいた行動といっても︑決議中に武力の使用を認めることを直接的に示唆する文言はみられなかった︒しか. ︵1 3 ︶. ︵12︶ 賛成一〇︑反対三︵キューバ︑イエメン︑ジンバブエ︶︑棄権二︵中国︑インド︶で採択︒. ︵n︶. o。. 怨坦客て馨9苞芭.

(18) 早法七四巻一号︵一九九八︶. ならびに﹁国際連合の人道的緊急援助の調整強化﹂︵決議四六/一八二︶の四項など︒. 一九八. ︵21︶ ﹁自然災害及び類似の緊急事態の被害者に対する人道的援助﹂︵決議四三/=三︶および同名の決議四五/一〇〇の各二項︑. ﹁﹃事実上の当局﹄とは︑一国の領域の一部を現実の支配下におく非国家的実体であって︑武力紛争および/もしくは内戦の当. ︵22︶ 前記のILA宣言案の一条二項は次のように規定する︒. なお︑人道的援助の申し出が領域国の側から拒否されうる理由の︼つとして︑国際社会がこうした関係当事者の存在をいわば. 事者または国内避難民を発生させもしくは抱えている実体を意味する︒﹂︵卜堕いト︑§聴&き鷺︾の愚ミ8富︵岩︶も︒緕①●︶. 認知することに対する懸念があることが推測される︒しかし︑この点については︑ジュネーヴ四条約︵一九四九年︶の共通三条お. ︵23﹀. 国連事務総長代理デンの前記﹁包括的研究﹂も︑武力紛争が国内避難民の最も大きな原因であるとしつつ︑避難民の事態が紛. よびジュネーヴ第二追加議定書︵一九七七年︶の一条を準用することで︑一応︑法的には対処が可能であると思われる︒. 4︶. ︵2. \一8ω\ω㎝︵圏寅pq¢蔓一〇〇ωy℃巽器﹄?鴬●. 争当事者の種々の政策︑戦略もしくは戦術の結果としてしばしば人為的に生み出されていることを指摘する︒q客U8●国\O客. 奥脇直也﹁国家管轄権概念の形成と変容﹂村瀬信也目奥脇直也編集代表︵山本草二先生古稀記念︶﹃国家管轄権ー国際法と国. ︵25︶↓︒○暑①§餌目u..鐸R<①呂8.︑︶蜜§§&蔚駄︑§ミ﹄ミミミ職§ミト§︑く︒一︒ω︵一︒量も︐にω⑦. ︵26︶. 連盟規約一五条八項にいう﹁国際法上専ラ該当事国ノ管轄二属スル事項﹂の意味について述べたものであるが︑一九二三年の. ○薯Rヨ習P砺愚ミ8けΦ︵謡︶も︒置ω9. 内法﹄︵勤草書房︑﹃九九八年﹀九ー二頁︒ ︵27︶. チュニス・モロッコ国籍法事件に関する常設国際司法裁判所の勧告的意見がそのような立場をとり︵勺OトS留蕊8加20﹂もP. ︵28︶. 一九六五年一二月二一日に賛成一〇九︑反対○︑棄権一︵イギリス︶で採択された︑国連総会決議二二二一︵図︶︵︶﹁国家の. 鴇−圏︶︑その後︑これが次第に定着していった︒. ︵29︶. 要素︑民族的一体性などが︑積極的に保護を受けるべき対象事項として定められている︵一︑三︑五項︶︒一九七〇年の友好関係. 国内事項に対する千渉の非許容性および国家の独立と主権の保護に関する宣言﹂では︑国家の人格︑政治的︑経済的および文化的. たとえば︑金東勲﹃人権・自決権と現代国際法﹄︵新有堂︑一九七九年︶五四ー八一頁︑刃霞躇ぼρS壽b冬乳魯ミ鳴ミ馬. 原則宣言︵同決議二六二五︵図図く︶Vも︑右宣言の規定をほぼ踏襲している︵1原則三項︶︒. ︵30︶.

(19) 2︶. ︵3. §ミト隣ミ導き誌壽覧詳︑oミ魯ミO蔭§い黛導恥qミ蛛&≧黛帖§︒う︵一〇①も︒y薯●刈下o︒H. た︒ト9S肉魯ミ冴賊もNド署9田幽ρ冨鍔■8● 森川幸一﹁国内管轄事項とその国際標準化﹂村瀬目奥脇・前掲注︵26︶一二九頁︒. ︶も●︒9. 佐藤・前掲注︵5︶一〇二頁︒なお︑国際法学会︵ぎ旨ε什︶も︑一九七五年八月一四日の﹁内戦における不干渉の原則﹂と. 佐藤・前掲 注 ︵ 5 ︶ 一 〇 一 − 一 〇 二 頁 ︒. ミ蔓﹄ミミ§駐軌§ミ9蕊ミの︵一旨o︒︶も﹂野. ↓︒旨.い四奢お99S雨︑試§骨駐魚㌧ミ恥ミ黛織§匙卜aミ︵09aこお5ン唱P旨G︒−旨9国●寓 ωo零富a一Sぎb骨ごミ貸職ら. ︵37︶. ︵39︶. 一九八九年九月一三日の国際法学会決議﹁人権の保護と国家の国内事項への不干渉の原則﹂の六条参照︒﹂醤§§蹄鳴魯 N︑ぎ−. 松井・前掲注︵5︶・上︑四八頁参照︒. 卜9S肉愚ミ蹉Nゆoo◎ワ昌μも巽90﹄齢︒. ︒.. ︵40︶. 2︶. たとえば︑ソマリアに関して決議七七五︵一九九二年︶および決議七九四が﹁影響を受けた住民﹂︵臥89&唇讐鼠試8︶と. ﹁難民の新たな流出を防止するための国際協力に関する政府専門家グループ﹂も︑その性格︑規模および潜在的な効果にかん. 国内避難民の保護と不干渉原則. 一九九. がみれば避難民の大規模な発生は国際社会全体の重大な関心事項︵B讐仲R9ωRδ588①導8浮巴旨R轟鉱9巴8Bヨ琶一蔓器. ︵必︶. ︵43︶ この点を的確に指摘するものとして︑松井・前掲注︵5Y上︑四九頁︒. していると解される ︒. 一︵一九九四年︶がいわゆる﹁民族浄化﹂︵①島鉱oo目$霧一績︶という文言をそれぞれ用いていることが︑国内避難民の保護を含意. いう文言を︑また︑ボスニア・ヘルツェゴビナについては決議七七︻︵一九九二年︶︑決議八二〇︵一九九三年︶および決議九四. ︵4. ︒り蕊ミ§bミ蹄㌧ミ鳴ミ§軌§§<○一︒Oρ↓oB①HH︵一〇〇︒O︶︸Pω齢●. ︵41︶. 題する決議の四条で︑この点を確認している︒﹄§§§誉魯ミ虜蕊ミ魯b§ミ﹄ミ鴨ミ&賊§§<9観︵這誤︶も︒躍︒. ︵38︶. ︑§黛禽融§勲Q欝§防﹄ミミ織ミ導鴨卜. ︵36︶. ︵35︶ 松田竹男﹁いわゆる﹃人道的干渉﹄について﹂﹃国際法外交雑誌﹄七三巻六号︵一九七五年︶二二−一四頁︒. o色︵a︶kミミ鰭§職§き一さ︑蕊ぎ§8︵一︒・︒ ︵34︶言︾竃ゴ貝ω戸︑.=仁ヨ弩冨言三筥R<窪け一8︑︑﹂昌甲じ. ︵33︶. たとえば︑国際司法裁判所はナミビア事件の勧告的意見で︑適法な手続に従って採択された国連機関の決議は有効性の推定を. ︵31︶金・同右書六三−七一頁︒. 脳ミ鳴§匙職. 受けるとし.

(20) 早法七四巻一号︵一九九八︶. 二〇〇. 類プo一Φ︶であると性格規定し︑この認識に基づいて︑事態の防止のための国際協力の必然性を推論している︒q客Uoρ︾\傘\. もっとも︑安保理の強制措置の一環として人道的援助を実施する場合であっても︑実際上は領域国との問でなんらかの合意は. ︒ ︒曽︵お竃塁お︒︒①︶も震塑①ωDなお︑その報告書は︑一九八六年︸二月三日に国連総会で承認された︵決議四一/七〇︶︒. ︵45︶. 概括的にいえば︑国内避難民の発生が個別的ないし小規模なものにとどまる場合︑その救済は既存の国際人権保障システムを. を取りつけておく必要はあろう︒その意味では︑保護の実践面においてはなお依然として領域国の同意の果たす役割は大きいとい. 行なわれる︵たとえば前述の国連事務総長とイラク政府の了解覚書︶︒また︑人道的援助の実効性を高めるためにも領域国の同意. える︒. とおして実現するほかないものと思われる︒前述の政府専門家グループも︑一貫して﹁大規模な﹂事態の場合を想定した議論を行. ︵46︶. なっている︒q客Uoρ︾\合おトo高︵屋霞9曳おOo①y冨萄ω﹄88・ ︒γB墨﹄①蒔 ︵47︶ qZ●U8●国\OZ﹂\一80︒\ω㎝︵圏冒⇒仁費﹃一80.

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