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目 的 自傷行為は古くから知られてきた異常行動 であるが、近年ごく普通の若者にも頻繁に見 られるようになり、一つの風俗化してきてい るという指摘がある(小田、2000)。その中 で 目 立 つ も の に 手 首 自 傷 症 候 群 (wrist cutting syndrome)がある。 自傷行為の中でも手首に関して行われる症 例については今世紀始めより知られていたが、 Rosenthall, Rinzler, Wallsh and Klausner (1972)は自殺企図とは異なり手首のみを自 傷する現象をwrist-cutting syndrome と名づ けて報告した。彼らは24人の女子の症例をま とめ、次のような点を指摘した。生活史にお いては初期において身体的病もしくは大怪我 がみられ、生理周期に異常が見られることが 多いこと、自傷直後には離人的状態を引き起 こすような特殊な感情が処理できないと報告 し、血液を見、相応の痛みを感じ傷の内部を 見ることができるということによって再統合 を図ろうとするのだと述べている。そして、 この行動を性的な葛藤、無力感への反応、攻 撃衝動のへの無力さなどと関連すると論じて いる。この後の手首自傷行為の研究について は柏田(1988)に詳しい。 本邦においても手首自傷症候群について多 く の 事例 が 報告 さ れて い る。 西 園・ 安 岡 (1979)は29例の症例を挙げて自己愛的障害、 神経性無食欲症との関連性を指摘し、思春期 後期の分離個体化の失敗の結果としてこれら の 症 例 を 解 釈 し た 。 Takeuchi, Koizumi, Kotsuki, Shimazaki, Miyamoto, and Sumazaki (1986)は30例(女子25例、男子5例)の手 首自傷者について報告している。彼らは事例 の分析から患者を4つの群に分類した。一つ はヒステリーグループと呼ばれた。この群で は自傷は対人関係から生じる葛藤を処理する

自傷行為に関する質問紙作成の試み

岡 田

An Attempt to Develop a Questionnaire to Survey

the Frequency of Self-Injurious Behaviors

Hitoshi OKADA

The purpose of the present study is to develop a questionnaire to survey the frequency of self-injurious behaviors in university students. Based on the interviews to university students and the peoples who have injured themself, 29 items were picked out. 557 university students were asked to evaluate the subjective frequency of 29 self-injurious behaviors by the five point Lickert type scale. The results showed that the frequency of daily habit like drinking alcohol or biting a fingernail related to that of self-injurious behavior by a cutlery.

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離人的になっている時に企図される。時には 傷を医師や看護者に見せたがるという。二つ 目はうつ群と呼ばれた。この群では抑うつ的 な気分の時に自傷が企図され、自殺願望も明 確であると指摘され、自傷は自殺のリハーサ ルとされた。この群の多くは常習的自傷者で はない。三つ目は思春期行動障害群と呼ばれ た。女性がほとんどで年齢は10歳から21歳ま でであった。青年期の間に持続して現れると される特徴である情動的な不安定さを伴う行 動的障害の一つの表れとして自傷が引き起こ されると考えられた。過食や両親との不仲が 引き金になり自己嫌悪が引き起こされた結果 自傷行為が引き起こされるとも指摘している。 4つ目はこれら3つに分類されないその他の 群であった。岡田(1987)は男子学生の5人 の症例を挙げ、主に女子に多い手首自傷とは 異なり男子では自殺企図として行われること が多いと報告している。柏田(1988)は23の 症例から手首自傷について検討した結果、動 機を構成する要因を3つ挙げている。一つは 自分を取り戻すために行うという「解放的要 因」である。前駆的心理状態として抑うつ、 いらいら、不安、離人感があり、cuttingがこ の不快な気分を一掃するのに役立つと述べて いる。二つ目は「自己陶酔的要因」と述べ、 患者が傷ついている自分の身体を「移行対象」 として扱い、同時に「手首の人格化」がなさ れた結果であると指摘している。三つ目とし て「他者操作的要因」を挙げ、Cutting 行為 を現実の他者の操作やアピールのために行っ ているケースであるとしている。 これらの研究で報告されている事例は既に 問題が顕在化して治療が必要になったもので ある。では、普通の若者の間ではどの程度の 比率でこのような現象が生起しているのであ ろうか。また、また頻回例に至る前にその兆 候となるような行動を早期にとらえ、予防に 活用することはできないだろうか。このよう な目的で荒川(2001)は自傷についての研究 や自傷経験者からのインタビューを基に自傷 究ではこの質問紙を紹介すると同時に一般の 大学生を対象として調査を行い自傷行為の現 状、質問紙の妥当性について検討したので報 告する。 方 法 被験者 A女子大学、B大学の大学生557人(男子 108人、女子449人)。平均年齢19.86歳(18∼ 52歳)。社会人入学生が数人含まれ52歳の方 はそのうちの一人である。部分的に欠測があ るため対象者数は分析の対象によって異なる ことがある。 質問紙 荒川(2001)の作成した質問紙を用いた。 自傷行為経験者の報告や文献で記載されてい る「首を絞める」等の重篤な行動は回答が得 られない可能性が高いと思われるので項目に は入れず、「煙草をすう」や「酒を飲む」と いった日常的な行動を項目に加え、なるべく 広い範囲を把握できるよう考慮した結果、以 下の29項目が選ばれた。 具体的な項目は 1. 爪をかむ 2. 手や足、 顔をつねる 3. 手や足を噛む 4. わざと怖 い番組を見る 5. 指をしゃぶる 6. 体毛を 抜く(体毛のどの部分か○をつけてください )髪の毛・まゆげ・まつげ・鼻毛・ひげ・そ の他 7. 煙草を吸う 8. 皮膚に爪を立てた り引っ掻いたりする 9. 声がかれるほど歌っ たり叫んだりする 10. 体を血が出るほど掻 く 11. 目をこする 12. 骨を鳴らす 13. 物を殴ったり、蹴ったりする 14. 唇をかむ 15. 頭を壁や柱にぶつける 16. まばたきを たくさんする 17. ピアスを開ける 18. 髪 の毛をかきむしる 19. 刃物で体を傷つける (引っ掻く)・切る・刺す顔・上腕・腕・手・ 胸部・腹部・太腿・ふくらはぎ・足・その他 20. 無理やり食べ 21. 無理やり吐く 22. 物を食べない 23. 電車のホームや高いとこ ろへ行くと吸いこまれそうになる 24. 意味

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顔や頭をなぐる 27. 酒を飲む 28. 嫌わ れるとわかっているのにしてしまう 29. か さぶたやささくれを取る、であった。 これらの項目について、過去2−3年の間 に、その行為を行なった頻度を 1.したことが一度もない 2.過去2−3年に 数回したことがある 3.一年に数回する 4. 2−3ヶ月に数回する 5.一ヶ月に数回する 6.一週間に数回する 7.毎日する 8.一日 に何度もする、の8段階で評定を求めた。 さらに、柏田(1988)は手首自傷とうつ傾向 の間に関連性があることを指摘しているので うつ傾向を測定するBDI(林, 1988)を実施 し、両者の関連性を検討する。 手続き 調査票は一般教育、専門教育科目の講義の 時間に配布しその場で評定を求めた。2つの 質問紙は2週間の間隔で実施された。 結果と考察 図1から29に各項目の頻度の分布を示す。 横軸は全回答数に対するその段階の選択比率 を%で表す。特に図19に示すようにリストカッ トも含まれる「刃物で体を傷つける」の評定 値の頻度の分布を見ると、「過去2−3年に 数回したことがある」33人.「一年に数回す る」8人、「2−3ヶ月に数回する」4人、 「一ヶ月に数回する」4人、「一週間に数回す る」4人、「毎日する」1人、「一日に何度も する」1人となり、過去数年の間の経験者は 約10%近くに上ることがわかる。 0 10 20 30 40 50 60 1.9 1.7 5.8 4.6 3.9 7.9 24.2 49.9 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図 1. 「爪をかむ」の頻度 数値は% 以下同様

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0 5 10 15 20 25 30 1.2 3.8 9.6 12 9.5 13.4 27 23.5 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図 2. 「手や足、顔をつねる」の頻度 0 10 20 30 40 50 60 0.3 0.7 4.1 4.6 3.4 7.2 22.7 56.9 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図 3. 「手や足を噛む」の頻度 0 5 10 15 20 25 30 0.2 0.2 3.4 13.1 13.9 24.7 21 23.5 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図 4. 「わざと怖い番組を見る」の頻度

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0 10 20 30 40 50 60 70 80 0.3 0.2 1.4 1.4 1.2 4.7 17.6 73.3 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図 5. 「指をしゃぶる」の頻度 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 1.2 13.7 42.4 18.2 7.1 3.6 5 8.7 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図 6. 「体毛を抜く」の頻度 0 10 20 30 40 50 60 70 80 9.5 2.6 2.9 2.7 0.9 3.6 9.5 68.4 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図 7. 「煙草を吸う」の頻度

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0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 1.7 2.8 6.7 10.2 5.9 11.1 19 42.7 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図 8. 「皮膚に爪を立てたり引っ掻いたりする」の頻度 0 5 10 15 20 25 30 0.2 0.2 1.9 9.3 17.8 20.9 24.6 25.1 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図 9. 「声がかれるほど歌ったり叫んだりする」の頻度 0 10 20 30 40 50 60 70 0.3 0.5 1.7 4.6 4.8 9.3 16.8 61.9 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図10. 「体を血が出るほど掻く」の頻度

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0 5 10 15 20 25 30 35 12 26.7 32.7 14.6 4 5.7 3.1 1.2 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図11. 「目をこする」の頻度 0 5 10 15 20 25 30 15.8 18.2 24.1 10.3 3.6 3.3 8.8 16 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図12. 「骨を鳴らす」の頻度 0 5 10 15 20 25 30 35 0.2 1.2 6.2 14.8 10.7 17.9 32.6 16.4 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図13. 「物を殴ったり、蹴ったりする」の頻度

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0 5 10 15 20 25 30 6.7 10.7 27.6 16.2 8.3 6.2 12.4 11.9 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図14. 「唇をかむ」の頻度 0 10 20 30 40 50 60 70 0.2 0.3 1.4 2.4 4.1 5.3 23.4 62.8 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図15. 「頭を壁や柱にぶつける」の頻度 0 5 10 15 20 25 30 7.5 11.8 12.3 11.8 9.7 8.7 14.2 24 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図16. 「まばたきをたくさんする」の頻度

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0 10 20 30 40 50 60 0.9 1.7 7.2 8.6 8.6 8.3 15.7 49.1 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図18. 「髪の毛をかきむしる」の頻度 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0.2 0.2 0.7 0.7 0.7 1.4 5.7 90.5 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図19. 「刃物で体を傷つける」の頻度 0 10 20 30 40 50 60 70 0 0.5 0 1.2 1 2.2 30.6 64.4 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図17. 「ピアスを開ける」の頻度

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0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 0.2 1.2 5.8 9.5 8.9 11.3 24.6 38.5 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図20. 「無理やり食べる」の頻度 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 0 0 1.2 2.6 2.7 3.4 11 79 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図21. 「無理やり吐く」の頻度 0 10 20 30 40 50 60 0 0.2 1.9 5.5 6.2 10.8 20.3 55.2 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図22. 「物を食べない」の頻度

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0 10 20 30 40 50 60 0.2 1.2 2.9 5.8 7.6 9.1 18.7 54.5 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図23. 「電車のホームや高いところへ行くと吸いこまれそうになる」の頻度 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 0 1.2 5.9 11.6 9.7 13.6 17.1 41 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図24. 「意味もなく歩き回る」の頻度 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 0.2 0.5 1.4 2.2 1.7 4 8.6 81.4 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図25. 「血を見るのが好き」の頻度

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0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 0 0.2 0.9 1.6 2.9 2.8 10.9 80.9 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図26. 「顔や頭をなぐる」の頻度 0 5 10 15 20 25 30 35 40 0.2 2.4 16 36.7 22 11.7 4.1 6.9 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図27. 「酒を飲む」の頻度 0 5 10 15 20 25 30 35 40 0.3 0.3 4.5 8.4 9.8 16.2 25.9 34.5 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図28. 「嫌われるとわかっているのにしてしまう」の頻度

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表1 自傷体験の男女別平均値とt検定の結果 男性の頻度順 男 性 女 性 平均 標準偏差 平均 標準偏差 t 値 p< 12. 骨を鳴らす 11. 目をこする 27. 酒を飲む 14. 唇をかむ 6. 体毛を抜く 7. 煙草を吸う 16. まばたきをたくさんする 29. かさぶたやささくれを取る 13. 物を殴ったり、蹴ったりする 24. 意味もなく歩き回る 18. 髪の毛をかきむしる 4. わざと怖い番組を見る 8. 皮膚に爪を立てたり引っ掻いたりする 9. 声がかれるほど歌ったり叫んだりする 1. 爪をかむ 2. 手や足、顔をつねる 28. 嫌われるとわかっているのにしてしまう 3. 手や足を噛む 0. 無理やり食べる 23. 電車のホームや高いところへ行くと吸いこまれそうになる 22. 物を食べない 6.22 5.94 5.00 4.80 4.01 4.08 3.91 3.84 3.75 3.18 3.01 3.08 3.08 2.96 2.94 2.94 2.78 2.62 2.29 2.22 2.18 2.03 1.51 1.30 2.18 1.96 2.96 2.24 1.81 1.71 1.81 1.94 1.56 2.05 1.55 2.16 1.66 1.65 1.88 1.67 1.69 1.51 4.82 5.91 4.20 4.59 5.39 1.78 3.88 3.82 2.81 2.45 2.21 2.78 2.48 2.62 2.04 3.08 2.36 1.71 2.59 1.96 1.89 2.44 1.56 1.43 2.10 1.72 1.85 2.44 1.62 1.49 1.65 1.71 1.48 1.83 1.38 1.61 1.92 1.47 1.23 1.67 1.43 1.30 5.14 0.15 4.94 0.86 -6.81 9.59 0.13 0.10 5.34 3.80 3.98 1.74 2.77 2.06 4.54 -0.67 2.47 5.87 -1.58 1.48 1.91 0.001 n.s. 0.001 n.s. 0.001 0.001 n.s. n.s. 0.001 0.001 0.001 n.s. 0.01 0.04 0.001 n.s. 0.01 0.001 n.s. 0.14 n.s. 表1に各項目の平均値を男性の平均値の高 さの順に男女別に示し、項目ごとに平均値の 性差をt検定により検討した結果を加える。 20項目に性差が認められたので、表2に男女 それぞれについて平均値の順に項目を並べ替 えた結果を示す。 0 5 10 15 20 25 2.1 2.2 12 21 20.4 18.2 14.9 9.1 一日に何度もする 毎日する 一週間に数回する 一か月に数回する 2∼3か月に数回する 一年に数回する 過去2∼3年に数回したことがある したことが一度もない 図29. 「かさぶたやささくれを取る」の頻度

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15. 頭を壁や柱にぶつける 21. 無理やり吐く 5. 指をしゃぶる 25. 血を見るのが好き 26. 顔や頭をなぐる 17. ピアスを開ける 19. 刃物で体を傷つける 2.02 1.86 1.73 1.72 1.63 1.24 1.23 1.41 1.54 1.23 1.44 1.23 0.68 0.77 1.58 1.33 1.35 1.33 1.31 1.52 1.15 1.07 0.84 0.85 0.94 0.83 0.82 0.68 3.41 4.64 3.62 3.23 3.08 -3.08 0.95 0.001 0.001 0.001 0.001 0.001 0.001 n.s. 表2 自傷体験の男女別頻度順 男 性 女 性 平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 12. 骨を鳴らす 11. 目をこする 27. 酒を飲む 14. 唇をかむ 6. 体毛を抜く 7. 煙草を吸う 16. まばたきをたくさんする 29. かさぶたやささくれを取る 13. 物を殴ったり、蹴ったりする 24. 意味もなく歩き回る 18. 髪の毛をかきむしる 4. わざと怖い番組を見る 8. 皮膚に爪を立てたり引っ掻いたりする 9. 声がかれるほど歌ったり叫んだりする 1. 爪をかむ 2. 手や足、顔をつねる 28. 嫌われるとわかっているのに してしまう 3. 手や足を噛む 20. 無理やり食べる 23. 電車のホームや高いところへ 行くと吸いこまれそうになる 22. 物を食べない 10. 体を血が出るほど掻く 15. 頭を壁や柱にぶつける 21. 無理やり吐く 5. 指をしゃぶる 25. 血を見るのが好き 26. 顔や頭をなぐる 6.22 5.94 5.00 4.80 4.01 4.08 3.91 3.84 3.75 3.18 3.01 3.08 3.08 2.96 2.94 2.94 2.78 2.62 2.29 2.22 2.18 2.11 2.02 1.86 1.73 1.72 1.63 2.03 1.51 1.30 2.18 1.96 2.96 2.24 1.81 1.71 1.81 1.94 1.56 2.05 1.55 2.16 1.66 1.65 1.88 1.67 1.69 1.51 1.61 1.41 1.54 1.23 1.44 1.23 11. 目をこする 6. 体毛を抜く 12. 骨を鳴らす 14. 唇をかむ 27. 酒を飲む 16. まばたきをたくさんする 29. かさぶたやささくれを取る 2. 手や足、顔をつねる 13. 物を殴ったり、蹴ったりする 4. わざと怖い番組を見る 9. 声がかれるほど歌ったり叫んだりする 20. 無理やり食べる 8. 皮膚に爪を立てたり引っ掻いたりする 24. 意味もなく歩き回る 28. 嫌われるとわかっているのに してしまう 18. 髪の毛をかきむしる 1. 爪をかむ 23. 電車のホームや高いところ へ行くと吸いこまれそうになる 22. 物を食べない 7. 煙草を吸う 10. 体を血が出るほど掻く 3. 手や足を噛む 15. 頭を壁や柱にぶつける 17. ピアスを開ける 5. 指をしゃぶる 21. 無理やり吐く 25. 血を見るのが好き 5.91 5.39 4.82 4.59 4.20 3.88 3.82 3.08 2.81 2.78 2.62 2.59 2.48 2.45 2.36 2.21 2.04 1.96 1.89 1.78 1.78 1.71 1.58 1.52 1.35 1.33 1.33 1.56 1.72 2.44 2.10 1.43 2.44 1.62 1.92 1.49 1.48 1.38 1.67 1.83 1.65 1.47 1.71 1.61 1.43 1.30 1.85 1.28 1.23 1.07 0.82 0.85 0.84 0.94

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次に項目間の関係について検討する。29項 目のすべてを用いて信頼性係数(Cronbachの α係数)を求めたところ0.837 となったが、 「体毛を抜く」「ピアスを開ける」「煙草を吸 う」「骨を鳴らす」の4項目を削除したところ で、最大値0.849となった。前の2項目にお いては自傷というよりも身だしなみのための 行動と自傷行動が混在し分離できなかった可 能性があろう。25項目の合計を算出すると65. 6(SD18.0; n=546)となった。性差を検討 したところ男子平均72.8(SD19.1; n=91)、 女子平均63.4(SD17.2; n=396)となりt検定 を 行 っ た 結 果 こ の 差 は 有 意 で あ っ た (t=4.61, p<.001, df=483)。 図30に得点の 分布図を示す。 信頼性係数の値を考えると、項目を群に分 ける必然性は低いと思われるが、項目の関連 性を基に質問紙の構造を確認するために29項 目に因子分析を行った。因子の抽出には主成 分分析を使用し、varimax回転を行った。回 転後の因子負荷量を表3に示す。固有値1以上 の条件で因子を抽出したところ8因子が得ら れたが、解釈可能性を考慮し6因子解を採用 した。第1因子に因子負荷量が高かった項目 は「物を殴ったり、蹴ったりする」、「顔や頭 をなぐる」「手や足、顔をつねる」など暴力 的な行動を伴う項目であったことから「暴力」 因子と名づけた。第2因子は「無理やり吐く」 「無理やり食べる」などの食に関する項目の 因子負荷量が高かったことから「摂食」の因 子と名づけた。第3因子は「刃物で体を傷つ ける」「血を見るのが好き」などの項目から 「血」の因子と名づけた。第4因子は「目を こする」「唇をかむ」など顔に関する項目が 多いことから「顔面」の因子と名づけた。第 5因子は「指をしゃぶる」「爪をかむ」「手や 足を噛む」などの手足に関する項目の因子負 荷量が高いことから「手足」の因子と名づけ た。第6因子はやや不明瞭ではあるが、「体を 血が出るほど掻く」「皮膚に爪を立てたり引っ 掻いたりする」など皮膚に関する項目が多い ことを考慮し「皮膚」の因子と名づけた。 第1因子と第2因子は行動の種類、それ以外 の4因子は身体の部位と関連するようである。 各因子に因子負荷量が0.4以上ある項目を その因子を代表する項目と考え、下位尺度を 構成し、信頼性係数を求めた。暴力因子は7 項目(項目番号2,8,13,15,18,24,26)でα係数 は0.726、摂食因子は6項目(項目番号20,21,22, 24,27,28)でα係数は0.638、血因子は5項目 (項目番号10,15,19,23,25)でα係数は0.619、 顔面因子は4項目(項目番号11,12,16,29)で α係数は0.588、手足因子は3項目(項目番号 0 10 20 30 40 50 60 70 ∼ 35 36∼ 40 41∼ 45 46∼ 50 51∼ 55 56∼ 60 61∼ 65 66∼ 70 71∼ 75 76∼ 80 81∼ 85 86∼ 90 91∼ 95 96∼ 100 101∼ 105 106∼ 110 111∼ 115 116∼ 120 121∼ 125 126∼ 130 131∼ 135 136∼ 140 図30 自傷質問紙25項目の合計得点の分布

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表3 自傷質問紙の因子分析の結果得られた因子負荷量(太字は因子負荷量0.3以上のものを示す) 暴力 摂食 血 顔面 手足 皮膚 共通性 13. 物を殴ったり、蹴ったりする 26. 顔や頭をなぐる 24. 意味もなく歩き回る 2. 手や足、顔をつねる 15. 頭を壁や柱にぶつける 18. 髪の毛をかきむしる 21. 無理やり吐く 20. 無理やり食べる 28. 嫌われるとわかっているのにしてしまう 22. 物を食べない 27. 酒を飲む 19. 刃物で体を傷つける(引っ掻く)・切る・刺す 25. 血を見るのが好き 23. 電車のホームや高いところへ行くと吸 いこまれそうになる 11. 目をこする 14. 唇をかむ 29. かさぶたやささくれを取る 16. まばたきをたくさんする 5. 指をしゃぶる 1. 爪をかむ 3. 手や足を噛む 9. 声がかれるほど歌ったり叫んだりする 10. 体を血が出るほど掻く 8. 皮膚に爪を立てたり引っ掻いたりする 4. わざと怖い番組を見る 0.60 0.59 0.49 0.49 0.49 0.45 -0.14 0.23 0.29 0.13-0.12 0.04 0.14 0.31 0.14 0.20 0.01 0.38 0.20 0.03 0.32 0.16 0.08 0.46 -0.02 0.09 0.09 0.47 0.13 0.03 0.4 0.68 0.62 0.52 0.50 0.43 0.04 0.18 0.32 0.05 0.09 0.01 0.23 0.14 0.04 0.00 0.25 0.06 -0.04 0.18 0.07 0.33 0.09 -0.02 0.47 0.07 0.20 0.07 -0.04 0.31 -0.03 0.75 0.67 0.39 -0.04 0.06 0.20 0.05 0.11 0.07 0.14 -0.06 0.36 0.18 0.25 .13 -0.05 0.11 0.26 0.10 0.32 -0.06 0.02 0.16 0.09 0.30 0.01 0.13 0.00 0.75 0.67 0.59 0.40 0.08 0.11 0.07 0.02 0.08 0.14 0.21 0.12 0.22 0.01 .23 0.10 0.13 0.26 -0.05 0.12 0.01 0.03 0.14 0.07 -0.03 0.00 0.12 0.17 -0.14 0.75 0.75 0.63 0.09 0.04 0.09 0.15 0.13 -0.07 0.06 0.27 0.08 0.15 0.14 0.09 -0.02 0.06 0.26 0.19 0.04 0.04 -0.03 0.03 0.18 0.14 0.06 0.00 0.33 0.69 0.67 0.54 0.29 0.43 0.52 0.49 0.47 .49 0.37 0.62 0.45 0.39 0.37 0.36 0.62 0.53 0.35 0.59 0.51 0.45 0.39 0.65 0.58 0.63 0.58 0.60 0.57 0.25 回転後の固有値 分散の % 2.54 10.16 2.15 8.61 1.98 7.93 1.97 7.87 1.88 7.51 1.75 7.1 1,3,5) でα係数は0.645、 皮膚因子は3項目 (項目番号8,9,10)でα係数は0.590となった。 最も信頼性係数が高い下位尺度でもα係数が 0.7程度と低くとどまったので、下位尺度を 用いた分析は試みない。 手首自傷と関連が深いと思われる「刃物で 体を傷つける」と他の項目との関連性を検討 する。「したことが一度もない」対象者と経 験者の間で自傷質問紙の残り28項目の得点に 差異があるかどうかt検定を用いて検討した ところ「体毛を抜く」、「目をこする」、「骨を 鳴らす」、「唇をかむ」、「まばたきをたくさん する」、「ピアスを開ける」以外のすべての項 目で経験者の頻度が高く、有意差が見られた。 次にBDIと自傷質問紙の関係を検討した。 BDIの得点はもっとも低い値を採用した。自 傷質問紙25項目の総和とBDIの間のピアソン

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の相関係数を求めたところ r=0.13,n=311, p<0.02 と弱い相関ではあるが有意となっ た。さらに「刃物で体を傷つける」経験の有 無でBDIの平均値の差異を検討した結果、あ り群の平均は17.1(SD5.1)n=31、なし群の 平均は12.9(SD6.5)となり、t検定の結果t= 3.00、p<.002、n=331 と有意になった。 今回の調査の結果、刃物で体を傷つけるよ うな重篤な行動は酒を飲んだりつめを噛んだ りといった日常的な行動と相関を持つこと、 さらに柏田(1988)が事例報告から指摘した 手首自傷とうつ、摂食障害などは大学生一般 においても関連性を持つことが示された。し かし、女子大学生の結果が中心となったため 性差が十分に検討できなかったのでさらに対 象者を広げて調査を行う必要が感じられる。 引用文献 荒川智美 2001 自傷行為―質問紙による現状把握 と事例検討 平成12年度文教大学人間科学部卒 業論文 林 潔 1988 Beckの認知療法を基にした学生の 抑うつについての処置 学生相談研究、9, 97-107.

柏田 勉 1988 Wrist Cutting Syndrome のイメー ジ論的考察―23症例の動機を構成 する3要因の検討− 精神神経学雑誌 、90,469-496. 西園昌久、安岡誉 1979 手首自傷症候群 臨床精 神医学、8, 59-65 小田 晋 2000 リストカット 手首を切る少女た ち 二見書房 岡田文彦 1987 Wrist-cutting 男子5症例について 北海道医学雑誌、62, 430-433.

Rosenthall, R. J., Rinzler, C., Wallsh, R., and Klausner, E. 1972

Wrist-cutting syndrome:The meaning ofa gesture.

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Takeuchi, T., Koizumi, J., Kotsuki, H., Shimazki, M., Miyamoto, M., and

Sumazaki, K. 1986 A clinical study of 30 wrist cutters.

参照

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