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分担研究課題名 アミノ酸代謝異常症の発症頻度に関する調査研究

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Academic year: 2021

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厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業) 

分担研究報告書 

 

分担研究課題名   

アミノ酸代謝異常症の発症頻度に関する調査研究   

分担研究者:  呉繁夫  (東北大学大学院医学系研究科小児病態学分野) 

   

       

 

A.研究目的        先天代謝異常症はほとんどが、希少疾患 であり、アミノ酸代謝異常症もその例外で はない。 

発症頻度の推定は実際に発症した患者数 を基礎資料にするものと、一般コホートか ら全ゲノムを読み込み、そこで得られた各 疾患のヘテロ接合体の頻度から罹患者頻度 を推定する手法がある。後者には多人数の コホートおよびハイスペックのシークエン サー、スーパーコンピューターなどが必要 であるが、現実化しつつある。 

それでもなお現時点では、発症頻度の推 定に加え自然歴の把握などを考慮すると、

患者登録と追跡調査が必要になってくる。

今回はアミノ酸代謝異常症いくつかの疾患 に対し上記を検討した。 

 

B.研究方法 

「メープルシロップ尿症」、「非ケトーシ ス型高グリシン血症」、「ホモシスチン尿症」、

「シスチン尿症」について、PubMed、医学中 雑誌の検索および先天代謝異常症患者登録 制度(JasMIn)、難病のこども支援全国ネッ トワーク HP などから情報をひろいあげた。

   

(倫理面への配慮):資料検索なので不要         

C.研究結果 

1)メープルシロップ尿症  患者数:不明(H29 年) 

厚労省先天性異常等検査実施状況:87 名 (H23 年) 

  但し、確定診断がついていない例が含 まれていると思われる 

JasMIn 登録数:19 名(H29 年)   

・患者会に関して、PKU の会に含まれる形で行わ れていたが、平成 28 年より独自の会をもったこ とで、確定診断がついた例を対象に JasMIn 登録 がすすむ可能性がある。 

・新生児マススクリーニング対象疾患の遺伝子 検査が保険適応になったことも、確定診断がつ いた例で JasMIn 登録がすすむ可能性がある。 

 

2)非ケトーシス型高グリシン血症  患者数:100 名(H27 年) 

JasMIn 登録数:0 名(H28 年)   

・患者会はなく、そちらから JasMIn 登録がすす む可能性はない。 

・新生児マススクリーニング対象疾患ではない ため、そちらから JasMIn 登録へのアプローチは できない。 

・発症後、新生児医もしくは小児神経医が中心 にかかわるため、主治医自身が JasMIn を知らな い可能性が高い。 

研究要旨 

先天代謝異常症の多くは希少疾患である。そのため、発症頻度の推定や自然歴の把握 などのためには、患者登録と追跡調査が必要になってくる。今回はアミノ酸代謝異常 症から

「メープルシロップ尿症」、「非ケトーシス型高グリシン血症、「ホモシスチン尿症」、

「シスチン尿症」

に対し患者登録の状況を検討した。 

 

(2)

 

3)ホモシスチン尿症  患者数:不明(H29 年) 

厚労省先天性異常等検査実施状況:201 名 (H23 年) 

  但し、確定診断がついていない他疾患 の紛れ込み(高メチオニン血症など)が 含まれていると思われる 

サイスタダン内服者(レクメド資料) 

 26 名(H28 年)  JasMIn 登録数:11 名(H29 年)   

・新生児マススクリーニング対象疾患の遺伝子 検査が保険適応になったことで、確定診断がつ いた例において JasMIn 登録がすすむ可能性があ る。 

 

4)シスチン尿症 

患者数(頻度):2 万人に 1 人  JasMIn 登録数:1 名(H28 年)   

・患者会はなく、そちらから JasMIn 登録がすす む可能性はない。 

・新生児マススクリーニング対象疾患ではない ため、そちらから JasMIn 登録へのアプローチは できない。 

・発症後、小児腎臓医もしくは泌尿器科医が中 心にかかわるため、主治医自身が JasMIn を知ら ない可能性が高い。 

 

D.考察        発症頻度の推定に加え自然歴の把握などに は患者登録と追跡調査が必要になってくる。現 時点で先天代謝異常症での患者登録システム は日本先天代謝異常学会の先天代謝異常症患 者登録制度(JasMIn)のみである。 

JasMIn は患者自身が登録するシステムであ るため、患者にその情報が伝わらない限りは登 録には繋がらない。特に主治医が先天代謝異常 医でない場合(今回の非ケトーシス型高グリシ ン血症、シスチン尿症など)の場合には主治医 自身が JasMIn を知らない可能性が高いため、

患者に対して情報が伝わらない。 

また、患者自身の登録のため、主治医からの 案内があっても必ずしも登録に至るとは限ら ない(東北大学病院での実績では登録は約半数

)。また案内した患者が登録しているかを確認 するシステムはない。 

当面、患者会をとおした案内、診断とリンク した案内などを通じて、登録を推進していくな どを続けていき、追跡調査にも利用できるよう なデータベースにする必要がある。 

 

E.結論        発症頻度の推定に加え自然歴の把握などの ためには、患者登録と追跡調査が必要であり、

現行では JasMIn 登録のために、学会を挙げた 取り組みがより必要と思われる。 

        F.研究発表 

 1.  論文発表 

1) Kimura M‚ Kawai E‚ Yaoita H‚ Ichinoi N‚ Sakamoto O‚ Kure S.  Central venous  catheter‑related bloodstream infection  with Kocuria kristinae in a patient with  propionic academia. Case Reports in  Infectious Diseases. Article ID 1254175‚

2017 

2)Numata‑Uematsu Y‚ Sakamoto O‚ Kakisaka Y‚ Okubo Y‚ Oikawa Y‚ Arai‑Ichinoi N‚ Kure S‚ Uematsu M.Reversible brain atrophy in  glutaric aciduria type 1. Brain Dev. 

39:532‑535‚ 2017 

3) 市野井那津子、坂本修、佐藤亮、二瓶真 人、曽木千純、内田奈生、上村美季、菊池敦 生、熊谷直憲、菅野潤子、呉繁夫 フェニル酪 酸ナトリウム投与により蛋白耐容量が増加した カルバミルリン酸合成酵素Ⅰ欠損症の新生児例   小児科臨床  70:533‑538‚ 2017 

4) 坂本修、市野井那津子、呉繁夫 

新生児マススクリーニングで診断されたシトル リン血症Ⅰ型の 3 例 日本マススクリーニング 学会雑誌 27:283‑287‚ 2017 

 2.  学会発表 

1)市野井那津子、坂本修、村山圭 、呉繁夫  BH4

投与し出産に至ったフェニルケトン尿症の1 例  第 59 回日本先天代謝異常学会総会  2017 年 10 月 12 日〜14 日  埼玉 

(3)

        G.知的財産権の出願・登録状況 

(予定を含む。)     1. 特許取得    なし 

  2. 実用新案登録    なし 

  3.その他  なし     

参照

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