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(1) ミストCVD法によるGa2O3のエピタキシャル成長技術

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Academic year: 2021

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(1)

ミスト CVD 法による Ga 2 O 3 の エピタキシャル成長技術

京都工芸繊維大学 電気電子工学系

西中浩之

日本板硝子材料工学助成会 第 38 回無機材料に関する最近の研究成果発表会

(2)

ミストを利用した半導体製造装置

ヒーター

基板 目標の膜

CVD法(化学的気相堆積法)

化学反応で 目標の膜に 原料ガス

目標の膜の前駆体を基板上で反応させ、成 膜する方法

〇プロセスが簡単で比較的低価格

△危険性のあるガスが多い

ここにミストを使います!

〇ミストは安定で安全!

(3)

ミスト CVD

ミスト

CVD

低環境負荷なグリーンテクノロジー

3μm

原料

原料 水

加熱による気化

粒径が小さいので 容易に気化する

CVD による成膜

基板

キャリアガス

水(媒質)

原料溶液 成膜部へ

超音波振動子

(4)

流路方式成膜部

管状炉方式成膜部

ノズル方式成膜部

ミスト CVD 法の装置

(5)

ミスト CVD で形成できる金属酸化物

Po H

Na K Rb Cs

Be

Ca Sr Ba

Sc

Hf Ta

Tc Re

Ru Rh Pd

Os Pt Au

Cd Hg

B

Tl Pb

As Sb

Bi At

C

P N

Kr Xe Rn Ar Ne He

Se Te S O Mg

Ti Fe Ni Cu Zn

Al Ga

In Sn Si

Ag Y

Cr Nb

Mn Mo

W

Co V

Li

Ge Br

I Cl

F

Ir

当研究室で検討可能な元素

Zr

ミスト

CVD

法で実績のある元素

ランタ ノイド

(6)

背景

Ga 2 O 3 : 超ワイドバンドギャップ半導体 特徴

大きなバンドギャップ : 4.45.3 eV

キャリア密度制御 : 10

15

10

19

cm

-3

(n 型ドープ )

単結晶基板 ) : 融液成長によるバルク単結晶が製作可能

Kuramata et al. JJAP 55 (2016), 1202A2

SiC(3.3 eV)GaN(3.4 eV) に代 わる次世代パワー半導体として期待。

より高耐圧で低価格なパワー半導体応

用に向けて研究が進んでいる

(7)

5 つの結晶多形

α-type

corundum β-type

monoclinic γ-type

spinel δ-type

bixbyite κ-type

orthorhombic

Sapphireと同じ 結晶構造

Sapphire基板で の検討がほとんど

熱的最安定相 融液法で単結晶バ ルクの成長が可能 単結晶ウェハの利 用が多い

MgAl2O4と同じ結 晶構造

スピネル基板が利 用される

ITOと同じ結晶構

結晶成長例なし

種々の基板で成長が 可能

Sapphire, GaN, AlN, SiC, STO, MgO,SnO2など

Ga 2 O 3 : 5 つの結晶多形

Mist CVD,

HVPE, MBEなど

MBE, HVPE,

MOCVD, PLDなど MBE, PLD, Mist CVD

HVPE, Mist CVD, MOCVD, MBEなど

強誘電体特性を持つ パワーデバイス応用

FLOSFIA パワーデバイス応用

NICTなど 海外多数

(8)

1952年:Royらによってε(κ)-Ga

2

O

3の存在が知られる1)

2002

年:

Orita

らによって、

orthorhombic

構造の

Ga

2

O

3の成長が示される2)

2013年:Playfordらによってhexagonal構造であると報告

3)

2015

年:

Oshima

らによって

HVPE

法で単相の

ε(κ)-Ga

2

O

3のヘテロエピタキシャル成長に成功4)

(論文ではhexagonal構造と記載)

2016

年:

Mezzadri

らから、

ε(κ)-Ga

2

O

3の強誘電体特性の報告5)

2017

年:

Cora

らによって、この

ε(κ)-Ga

2

O

3

orthorhombic

構造であることが示される6)

κ-Ga 2 O 3 の研究

1)R. Roy et al. JACS, 74 (1952), 719, 2)M. Orita et al. TSF, 411 (2002), 134

3)H. Playford et al. Chem.-Eur.J., 19 (2013), 2803, 4)Y. Oshima et al. JAP, 118 (2015), 085301 5)F. Mezzadri et al. Inorg. Chem., 55 (2016), 12079, 6)I. Cora et al. CrystEngComm, 19 (2017), 1509

κ-Ga

2

O

3

は比較的新しい強誘電体材料 半導体 + 分極を持つことから、

GaN と同様に分極による二次元電子ガスを 利用した HEMT が期待

a b

c

orthorhombic

a b

c

hexagonal

or

ε-Ga 2 O 3 ?

ε(κ)-

(9)

κ-Ga 2 O 3GaN の比較

GaN

GaN κ-Ga

2

O

3

バンドギャップ [eV] 3.4 4.9 強誘電体 / 圧電体 圧電体 強誘電体 分極 [C/m

2

] (理論値) 0.029 0.26

移動度 [cm

2

/Vs] 900 300?

2DEG 濃度 〇 ◎?

基板 Si

同じ結晶構造

の基板

GaN より低消費電力の

高周波デバイスが期待される

κ

(10)

κ-Ga 2 O 3 による新規パワーデバイス

GaN κ-Ga

2

O

3

バンドギャップ[eV]

3.4

4.9 強誘電体/圧電体 圧電体 強誘電体 分極[C/m2](理論値)

0.029

0.26 分極[C/m2](実験値)

0.022

0.01?

移動度[cm2/Vs]

900

?

2DEG実証 ?

κ-Ga

2

O

3は強誘電体のため

2DEGのスイッチが可能。

パワーデバイスではノーマリーオン 動作は故障時の安全性が担保で きないため、対策が必須。

S D

G AlGaN

GaN

2DEG- - - -

ゲート電圧0で電流が流れる (a) GaN HEMT

ノーマリーオン型

PSP PPE

PSP ++ + ++ +++ ++ +

分極の大き さによる 2DEGキャリア密度の制限

(b) κ-Ga2O3 HEMT

強誘電体ゲート型HEMT

PPE : ピエゾ分極 PSP : 自発分極

強誘電体のため スイッチ可能

S D

G κ-(AlGa)2O3

κ-Ga2O3 PSP PSP PPE

大き な分極による

高密度2DEGキ ャリア密度

S D

G

κ-(AlGa)2O3

κ-Ga2O3 PSP PSP PPE

---

+++++++++++++++++++

2DEG

極性反転による2DEGの消滅

(11)

κ-Ga 2 O 3HEMT 応用に向けた検討

S D

G

κ-(AlGa) 2 O 3

κ-Ga 2 O 3 P

SP

P

SP

P

PE

---

+++++++++++++++++++

2DEG

1κ-Ga 2 O 3 のヘテロエピタキシャル成長技術

2κ-Ga 2 O 3 の混晶化技術

(12)

κ-Ga 2 O 3 のヘテロエピタキシャル成長技術

成長法 機関

CVD

MOCVD Parma Univ., KAUST, Dalian Univ., Carnegie Mellon Univ.

HVPE NIMS, Perfect Crystals LLC ALD Parma Univ.

mist CVD 京工繊大, 東北大

PVD MBE Paul-Drude-Institut PLD Leipzig

κ-Ga

2

O

3の成長では、ほとんどがCVD法

PVD

では

Sn

In

などの添加物が必要

基板

六方晶 GaN, AlN, 6H-SiC

菱面体晶 α-Al2O3, LiTaO3, LiNbO3

立方晶 MgO, YSZ, STO, NiO, ITO, GGG

直方晶 SnO2

斜方晶 β-Ga2O3(-201)

κ-Ga

2

O

3は、多くの基板上で エピタキシャル成長する

(13)

κ-Ga 2 O 3 のヘテロエピタキシャル成長技術

ミスト CVD での実績(ヘテロエピタキシャル κ-Ga 2 O 3

(14)

κ-Ga 2 O 3 のヘテロエピタキシャル成長での課題

基板由来の回転ドメイン

構造上の回転ドメイン

I. Cora et al. CrystEngcomm, 11, (2017) 1509

回転ドメインの影響で単結晶ではなく、

小さなドメインの集合体(数nm)となっている

(15)

15

回転ドメインの対策(新しい基板の採用)

ε-GaFeO

3の結晶構造

κ-Ga

2

O

3と同じ結晶構造

格子定数

ε-GaFeO

31)

ε-Ga

2

O

32) 格子不整合

a [Å] 5.0823 5.0463 0.7%

b [Å] 8.7442 8.7020 0.5%

C [Å] 9.3927 9.2833 1.2%

1)T. Arima et al., Phys. Rev. B, 70, (2004), 064426.

2)I. Cora et al., Crystengcomm, 19, (2017) 1509.

(001)ε-GaFeO

3 の酸素配置

(001)κ-Ga

2

O

3 の酸素配置

8.7442 Å

5.0823Å

8.7020 Å

5.0463Å

高圧FZ法で作製したε-GaFeO3

(Oxide corp.)

(16)

ε-GaFeO 3 上の κ-Ga 2 O 3

15 s 30 s 1 min 2 min 5 min 10 min

Substrate κ-Ga2O3(004)

calculated κ-Ga2O3(004)

ε-GaFeO3(004)

1.κ-Ga

2

O

3のε-GaFeO3上でのエピタキシャ ル成長に成功

2.κ-Ga

2

O

3はラウエ振動が観察される高品質 な膜である

3

κ-Ga

2

O

3は計算から得られるピーク位置よ り高角度側に観察される。

コヒーレント成長しており、歪によるもの

従来のκ-Ga2

O

3ではこのようなコヒーレント成 長やラウエ振動が見られた報告はなく、非常に 高品質な膜が得られている

(17)

ε-GaFeO 3 上の κ-Ga 2 O 3 の表面状態

0.00 32.22

500nm RMS roughness

6.64nm 0.00

1.40

500nm RMS roughness

0.18nm 0.00

1.51

500nm RMS roughness

0.20nm 0.00

1.55

500nm RMS roughness

0.20nm

0.00 6.20

500nm

(a)Substrate (b)15s(15nm) (c)30s(27nm) (d)1min(39nm)

(e)30s(27nm) (f)

Approx.

0.46nm

成長時間が短いときはステップフロー成長 徐々に島成長に移る

条件を変えることで、厚膜でもステップテラス構造が観察される膜も形成できている

(18)

ε-GaFeO 3 上の κ-Ga 2 O 3TEM 観察

ステップフロー成長している膜では明瞭な転位は発生していない また、基板/膜界面も明瞭なミスフィット転位などは見られず、

よく揃った原子配置となっている

(19)

κ-Ga 2 O 3HEMT 応用に向けた検討

S D

G

κ-(AlGa) 2 O 3

κ-Ga 2 O 3 P

SP

P

SP

P

PE

---

+++++++++++++++++++

2DEG

1κ-Ga 2 O 3 のヘテロエピタキシャル成長技術

2κ-Ga 2 O 3 の混晶化技術

(20)

ミスト CVD での混晶膜形成

ミスト CVD では原料を一緒に溶解するだけ!

(実際には溶解度、反応速度などの影響でいろいろ調整必要です)

Po H

Na K Rb Cs

Be

Ca Sr Ba

Sc

Hf Ta

Tc Re

Ru Rh Pd Os Ir Pt Au

Cd Hg

B

Tl Pb As Sb Bi

Br I At C

P N

Cl F

Kr Xe Rn Ar Ne He

Se Te S O Mg

Ti Fe Ni Cu Zn

Al Ga

In Sn Si

Ag Y

Cr Nb

Mn Mo

W

Co V

Li

Ge

当研究室で検討可能な金属酸化物

Zr

ミスト

CVD

法で実績のある金属酸化物

Ga

原料 混晶原料

(21)

κ-Ga 2 O 3Al 2 O 3 ,In 2 O 3 の混晶

Al Ga

In

κ-Ga

2

O

3

Al

In

を組み 込むことでバンドギャップ 変調が可能

HEMT

の実現にはバンド ギャップ変調が必須

ミスト

CVD

法で

In

組成

x<0.2 Al

組成

x<0.4

まで組み込むことに成功

(22)

κ-Ga 2 O 3 のバンドギャップ変調

4.9 4.95 5 5.05 5.1 5.15

4.5 5 5.5 6

Lattice constant [Å]

Ba n d g a p [ e V]

κ-Al

x

Ga

2-x

O

3

κ-In

x

Ga

2-x

O

3

κ-Ga

2

O

3のバンドギャップは

4.5(In)

5.9(Al) eV

まで変調することに成功した

(23)

バンドオフセット評価の結果

XPS による価電子帯スペクトル評価

X P S In tensity [ar b. un its ]

-4 -2

0 2

4 60

80 100 120

Binding Energy [eV]

0.105

0.395 x=0

5.0 eV 5.3 eV 5.9 eV

ΔCBM 0.2 eV

ΔCBM 0.7 eV

VBM CBM

ε-(Al

0.105

Ga

0.895

)

2

O

3

ε-Ga

2

O

3

ε-(Al

0.395

Ga

0.605

)

2

O

3

ΔVBM

0.1 eV ΔVBM 0.2 eV

C 1s

ΔVBM

Eg

から伝導帯バンドオフセットを決定。

ΔCBM = 0.2

0.7 eV

α, β-(Al

x

Ga

1-x

)

2

O

3 と同様に、

Type-I

であることも明らかになった。

(24)

まとめ

GaN を超える HEMT 応用に向けたミスト CVD 法による κ-Ga

2

O

3

のエピタキシャ ル成長について報告した

HEMT 応用に向けて重要な 1κ-Ga

2

O

3

のヘテロエピタキシャル成長技術、 2κ- Ga

2

O

3

の混晶化技術について報告した

1. κ-Ga

2

O

3

のヘテロエピタキシャル技術

新しい ε-GaFeO

3

基板の採用で大きな課題であった回転ドメインを抑制し、単一 ドメインの形成に成功した

2. κ-Ga

2

O

3

の混晶化技術

κ-Ga

2

O

3

のバンドギャップは 4.5(In)5.9(Al) eV まで変調することに成 功した

また Al との混晶によるバンドアライメントは Type-I であり、 HEMT に利

用できることが分かった

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