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ホットワイヤーCVD法によるカーボンナノウォールの作製とその成長制御に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

ホットワイヤーCVD法によるカーボンナノウォールの作製

とその成長制御に関する研究( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

島袋, 誠司

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 甲第371号

Issue Date

2009-03-25

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/33532

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名(本籍) 学 位 の 類 学位授与番号 学位授与日付 専 攻 学位論文題目 学位論文審査委員 島 袋 誠 司(愛知県) 博 士(工学) 甲第 371 号 平成 21年 3 月 25 日 環境エネルギーシステム専攻 ホットワイヤーCVD法によるカーボンナノウォールの作製とその成長制御に 関する研究

(Preparationofcafbonnanowanbyhot-WireCVDandit8grOWthco血roD

(主査)教 授 野々村 修 一 (副査)教 授 守 富 寛 教授 栗 林 志頭真 准教授 伊 藤 貴 司

論文内容の要旨

本研究はホットワイヤーCVD法によるカーボンナノウォール(CarbonNanowal1,CNW)の作製を試みて

おり,その作製に初めて成功している。CNW薄膜成長に関する水素希釈率,基板表面温度,フィラメント 温度,基板表面ラフネス,基板バイアス電圧依存性を調べ作製条件の探索を行い,重要な以下の知見を得 ている。以下に本論文で得られた結果をまとめる。 (1)ホットワイヤーCVD法によるCNWの作製を試み,原料ガスにCH4のみを用いてその作製に成功し た。作製した試料のSEM像から得られるウォールサイズと,ラマン散乱スペクトルで観測されるGピー クとDピークのピーク強度比である鬼/血に良い相関があることを見出した。 CNWの成長におけるキーパラメ一夕の探索として,CNW成長における水素希釈率,基板加熱温度およ びフィラメント温度の効果を調べている。水素希釈率の増加により CNWの成長が促進されることを見出 した。しかし,水素希釈率が高くなりすぎると大きなウォールサイズを持つCNWが成長しない結果を得 ている。水素希釈率の増加により CNWの成長が促進される理由の一つとして,水素ラジカルによるアモ ルファス相のエッチングを提案している。CNWの成長を妨げるアモルファス相が優先的にエッチングされ ることにより CNWの成長が促進されたものと考えられた。また,高い水素希釈率では過度な水素希釈率 においてはグラファイト成分もエッチングされて大きなウォールサイズを持つCNWが成長できないとす る理由を与えている。CNW成長において,CNWの成長を妨げるアモルファス相をエッチングし,CNW の優先成長に働く水素ラジカルの量を決める水素希釈率は重要なパラメータであることを示した。 730℃以上の基板表面温度でCNWは成長し,基板表面温度が750℃より高くなるとCNWの成長が困難 である結果を得ている。フィラメント温度は原料ガスの分解に重要なパラメータであり,CⅡ4の分解では 1900℃以上のフィラメント温度が必要であることを示した。また,プラズマCVD法では不可能であった 水素希釈率が零であるCH4のみの分解からCNWの作製がホットワイヤーCVD法においては可能であるこ とを示した。この理由としてホットワイヤーCVD法は高密度な水素ラジカルを生成可能であるためにCH4 のみの分解からでもCNW成長に十分な水素ラジカルが発生しているという解釈を与えた。 CNWの成長モデルとして,核生成後に小さなウォールが形成され,その一部が優先的に成長して大きな ウォールが形成される。大きなウォールのシャドー効果により基板付近には活性種が到達しにくくなり, 大きなウォールのみが選択的に成長してCNWが形成されるというモデルを提案した。 (2)CNWの成長は基板を構成する金属元素による触媒の効果と基板の表面形状に依存することを示して いる。ホットワイヤーCVD技術を応用した水素ラジカル処理温度を変化させて結晶シリコン基板に施すこ とにより基板表面のラフネスが制御可能であることを見いだしている。この方法を用いて結晶シリコン基 板表面にラフネスが異なる表面形状を意図的に形成し,CNWの成長制御が可能であることを初めて明らか にした。 (3)CNWの成長における直流基板バイアス電圧印加の効果について調べ,正の直流基板バイアス電圧を 印加時にCNWの成長が促進されることを示している。正の直流基板バイアス電圧印加により製膜速度が 増加すること,およびグラファイトの結晶性の高いCNWを作製可能であることを示している。この原因 として,ウォール先端の電界強度が高いために気相中のイオンのウォール先端への付着確率が増加して -47一

(3)

CNW成長を促進していること,この負イオンのスパッタ効果によるアモルファス相が除去されることによ ってグラファイト結晶性が増加する可能性を指摘している。

論文審査結果の要旨

本研究はホットワイヤーCVI)法によるカーボンナノウォール(CafbonNanowa皿,CNW)の作製を試みて

おり,その作製に初めて成功している。CNW薄膜成長に関する水素希釈率,基板表面温度,フィラメント 温度,基板表面ラフネス,基板バイアス電圧依存性を調べ作製条件の探索を行い,重要な以下の知見を得 ている。以下に本論文で得られた結果をまとめる。 (1)ホットワイヤーCVD法によるCNWの作製を試み,原料ガスにCH4のみを用いてその作製に成功し た。作製した試料のSEM像から得られるウォールサイズと,ラマン散乱スペクトルで観測されるGピー クとDピークのピーク強度比である烏/血に良い相関があることを見出した。 CNWの成長が促進される水素希釈率の最適条件が存在することを示している。水素希釈率の増加により CNWの成長を妨げるアモルファス相が優先的にエッチングされて成長が促進されると説明している。また, 高い水素希釈率ではグラファイト成分もエッチングされて大きなウォールサイズを持つCNWが成長でき ないとする理由を与えている。CNW成長において,CNWの成長を妨げるアモルファス相をエッチングし, CNWの優先成長に働く水素ラジカルの量を決める水素希釈率は重要なパラメータであることを示した。 730℃以上の基板表面温度でCNWは成長し,基板表面温度が750℃より高くなるとCNWの成長が困難 である結果を得ている。フィラメント温度は原料ガスの分解に重要なパラメータであり,CH4の分解では 1900℃以上のフィラメント温度が必要であり,プラズマCVD法では不可能であった水素希釈率が看であ るCH4のみの分解からでもCNWの作製がホットワイヤーCVD法においては可能であることを示した。こ の理由としてホットワイヤーCVD法はプラズマCVD法よりも水素ラジカル生成密度が大きくできるため という解釈を与えた。 CNWの成長モデルとして,核生成後に小さなウォールが形成され,その一部が優先的に成長して大きな ウォールが形成される。大きなウォールのシャドー効果により基板付近には活性種が到達しにくくなり, 大きなウォールのみが選択的に成長してCNWが形成されるというモデルを提案した。 (2)CNWの成長は基板を構成する金属元素による触媒の効果と基板の表面形状に依存することを示して いる。ホットワイヤーCVD技術を応用した水素ラジカル処理温度を変化させて結晶シリコン基板に施すこ とにより基板表面のラフネスが制御可能であることを見いだしている。この方法を用いて結晶シリコン基 板表面にラフネスが異なる表面形状を意図的に形成し,CNWの成長制御が可能であることを初めて明らか にした。 (3)CNWの成長における直流基板バイアス電圧印加の効果について調べ,正の直流基板バイアス電圧を 印加時にCNWの成長が促進されることを示している。正の直流基板バイアス電圧印加により製膜速度が 増加すること,およびグラファイトの結晶性の高いCNWを作製可能であることを示している。この原因 として,ウォール先端の電界強度が高いために気相中のイオンのウォール先端への付着確率が増加して CNW成長を促進していること,この負イオンのスパッタ効果によるアモルファス相が除去されることによ ってグラファイト結晶性が増加する可能性を指摘している。 本論文で得られた成果は各応用に向けたCNWの成長制御ならびに生産性の向上に寄与できると判断し た。

最終試験結果の要旨

(1)公表論文 この論文の主要な部分は論文として発表済み(審査付きジャーナル誌論文1編,審査付き国際会議論 文1編)であり,この論文が学位論文として完成された内容である事を確認した。 (2)修得単位 2000年3月に単位修得退学している。指定された単位を修得している事を再確認した。 (3)公聴会 公聴会を開催して審査を行った。学位審査委員会にて審議を行い,最終試験に合格と判断した。

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