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ミスト CVD 法による酸化チタン薄膜の形成と特性評価

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Academic year: 2021

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高知工科大学システム工学群電子・光工学専攻 学士論文要旨 2020 年 2 月 13 日

ミストCVD 法による酸化チタン薄膜の形成と特性評価

1200146 松本 卓 (光・エネルギー研究室)

(指導教員 李 朝陽 教授)

1.背景・目的

酸化物半導体薄膜は、可燃性ガスであるH2, CH2, NO2, H2S に対するセンサ素子として研究されてきた[1]。その中でも酸 化チタンは電気工学的に優れた特性を有するため最近ではガ スセンサの応用に用いられてきた材料である。しかし、従来 の成膜法では均一な薄膜を成膜することができず、アタナー ゼ型とルチル型が混在した状態や、アナターゼ型の酸化チタ ン薄膜を成膜出来たとしても、熱安定性が小さく応用が制限 されるといった問題点があった[2]。そこで今回Mist CVD を用いて均一で純粋なアナターゼ型の酸化チタン薄膜を成膜 し熱安定性を向上させることを目的とした[3]。また、作成し たサンプルを用いて実際に評価を行いガスセンサの性能を調 べた。

2. 実験内容

実験①P 型シリコン基板に酸化チタン薄膜を溶液の濃度を 変化させ300nm成膜しAFM, FE-SEM, Raman, GI-XRDで構造 特性評価を行い溶液濃度依存性について調べた。

実験②溶液濃度が0.2mol/Lのサンプルを用いて1000℃で1 時間、3時間熱処理を行いRaman, GI-XRDを用いて熱安定性 の評価を行った。

実験③基板をAZO 300nm/Glass上に溶液の濃度を0.2mol/L で一定にし、酸化チタンを100, 200, 300, 400, 500nm成膜しシ リコン基板のサンプルと同様に構造特性評価を行い膜厚依存 性について調べた。

実験④溶液濃度が0.4mol/Lのシリコン基板のサンプルを用 いて基板温度を100, 200, 280, 300, 320℃と変化させエタノー ルガスに対する反応を調べた。

3.実験結果

結果①図 1)にSEM 像を示す。観測結果から溶液濃度によ らずシリコン基板上に均一な酸化チタン薄膜を成膜すること ができた。また、すべてのサンプルで酸化チタンナノフィル ムがシリコン基板に対して垂直に成長していることが確認で きた。Mist CVD法を用いて成長方向、均一性、粒子サイズを 制御することができた。RamanスペクトルとGI-XRDの結果 から全てのサンプルでアナターゼ型の酸化チタン特有のピー クしか観測できなかった。したがって、純粋なアナターゼ型 の酸化チタン薄膜を成膜出来た。溶液濃度が大きくなるにつ XRD強度が小さくなった。

結果②図2に熱処理前後のGI-XRDの結果を示す。

2より熱処理を行った前後でXRDのピーク位置が変化 しなかった。したがって、純粋なアナターゼ構造が得られ、

熱安定性が大きく向上した。

結果③図3AZO基板のRamanスペクトルを示す。

B1g(398cm-1), Eg(638cm-1), A1g+B1g(514cm-1)の三つのピーク が観測でき、ルチル型やブルッカイト型のピークがなかった。

従って、純粋なアナターゼ型の酸化チタン薄膜が膜厚によら ず成膜出来たと考える。

4AZO基板のサンプルのGI-XRD測定結果を示す。

4よりアナターゼ型酸化チタンに特有のXRDピークが 観測できたのでRamanスペクトルの結果と同様膜厚によらず 純粋なアナターゼ型の酸化チタン薄膜を成膜出来た。

結果④基板温度が 100℃の時 80%を超えており基板温度が 大きくなるにつれ反応率が大きくなる傾向にあった。300℃の

97%で最も大きくなり、320℃になると85%まで減少した。

基板温度が 320℃の時は実験開始から150秒後に応答が得ら れた。

このことから良い結果が得られたと考える。

4 GI-XRDパターン 4.まとめ

Mist CVD法を用いて成長方向、均一性、粒子サイズを制御

でき、AZO、シリコン両基板上に純粋なアナターゼ型酸化チ タン薄膜を成膜することができた。また、1000℃まで相変化 がなく熱安定性が大きく向上した。

ガスセンシングの評価から良い結果が得られたのでガスセ ンサへの応用が期待できる。

4.謝辞

ガスセンシングの測定を手伝って頂いた米国オールドドミ ニオン大学のDr. Pengtao Linに深く感謝します。

5.参考文献

[1]小林哲彦:「水素および可燃性ガスセンサ技術」地球環境産

業技術研究所 環境触媒研究室 [2]Qiang Zhang,Chaoyang Li

Pure Anatase Phase Titanium Dioxide Films Prepared by Mist Chemical Vapor Depositio

[3]ミスト流を利用した機能膜作成手法「ミストCVD」の開発

川原村 敏幸

2 GI-XRDパターン

1 SEM像の表面図(左)と断面図(右)

(上から下の順番:0.05,0.1,0.2,0.3,0.4mol/L)

3 Ramanスペクトル

参照

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