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女子学生の食生活に関する認識−幼児からの世帯と食生活に関連して−

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(1)

はじめに

戦後、日本の食生活はたんぱく質摂取量の 増加により改善され、昭和50年代にはPFCバ ランスが優れ、世界的に注目されるようにな った。その後、経済成長とともに、インスタ ント食品、冷凍食品、レトルト食品、持ち帰 り弁当などが販売され、いつでも手軽に食べ られる食品が数多く流通した。また、ハンバ ーガー等のファーストフード店、ファミリー レストランなどの外食産業も発展し、家庭の 食事を加工食品や調理済み食品、外食に依存 する割合が急速に高まった。

経済成長に伴い、人口の都市部への流失や 核家族化が進み、家族類型別に世帯1)を見る と、核家族は58.4%と最も多く、祖父母と同 居する拡大家族世帯は13.6%に減少した。ひ とり暮らしの単独世帯は27.6%に増加し、家 族や世帯のありかたも大きく変化した。

今日の食生活は、肉類や高脂肪食の過剰摂 取により欧米化が進んだことによる生活習慣 病の問題、外食や中食の増加、一人で食事を する孤食や個食の問題、若年層での欠食の増 加、遺伝子組み替え食品や食品添加物、環境 ホルモン、鶏インフルエンザなどの食の安全 性の問題、自給率の低下等、健康で安全な食 生活を築くために考えなければならない問題

が数多くある。

家庭での食事は人間性を養い、社会性や道 徳心を育み、食文化を継承する重要な役割を 担っていると言われ2)、文部科学省中央教育 審議会の答申3)は「幼児期からの心の教育の ありかた」に「家族一緒の食事を大切にしよ う」が盛り込まれ、栄養バランスの良い食事 や家族との会話をしながら食事をする重要性 を説いている。

本調査では、幼児期からの世帯と各成長期 における食生活と現在の食生活理解の関連を 調査した。また、家庭での調理の取り組みを 調理教育を実践する者として把握し、今後役 立てることを目的に調査を行った。

調査方法

1.調査対象

本学、短期大学部健康栄養学科に在学する 学生150名とした。

2.調査時期

2005年1月に行った。

3.調査方法

(財)消費者教育支援センター発行「食生 活Q&A」4)、佐藤らが行った調査5)を参考 に14項目からなる食生活アンケートと20項目

Sachiko Sato Michie Igarashi

(2)

図1 調査用紙

(3)

の質問からなる調査用紙を作成した(図1)。 食生活アンケートは年齢、成長期別(幼児、

小学生、中学生、高校生、現在)に世帯(一 人暮らし、核家族、拡大家族)や食事の回数、

朝食の摂食状況、昼食や夕食の内容、会食の 状況、調理をする人や調理を誰から教えても らったのか、食事の興味や食に関する情報源 について訪ねた。また、秋学期に実習した料 理について、実習後の家庭での取り組みや、

簡単または難しいと感じた料理をたずねた。

調査用紙は四肢択一の正誤選択肢法とし、

問題グループは栄養・食品・調理からなる10 問(問題番号10〜19)と食環境(食品衛生・

表示・安全性・現状・文化・環境)からなる 10問(問題番号 1 〜 9・20)とした。

4.分析方法

20項目の質問は正答数を得点化し、集計し、

食生活アンケートと合わせて比較検討した。

統計解析にはExcel2000およびExcel統計を 使用した。

結果

1.年齢分布

10代139名(92.7%)、20代 9 名(6.0%)、

30代 1 名(0.7%)、その他 1 名(0.7%)、合 計150名であった。

2.得点の分布(図2)

最高点は20点、最低点は 0 点で、平均得点 は10.7点であった。

3.問題別の回答(図3)

平均正答率は53.7%、問題グループ別の平 均点は栄養・調理で5.0点、食環境で5.7点と 食環境で高かった。

最も正答率が高いのは、問 6「BSEに感染 した動物」と問12「日本人の栄養摂取量で唯 一不足している栄養素」でともに85.3%、次 いで問 8「食物アレルギーの特定原材料にあ てはまらない食品」82.0%であった。

最も正答率が低いのは、問 1「消費期限の 日数」22.7%で、問 2「消費期限がついてい る食品」23.3%、問16「 1個あたりビタミン Cを多く含む食品」26.7%であった。正答率 が低い問題で最も多かった誤答は、問 1「消 費期限の日数」で 3 日間61名(40.7%)、問2

「消費期限がついている食品」で普通牛乳76 名(50.7%)、問16「 1 個あたりビタミンCを 多く含む食品」でレモン75名(50.0%)であ った。

5.世帯構成(表1)

現在の世帯は、核家族57.3%、一人暮らし 20.0%、拡大家族14.7%、その他8.0%であっ 図2 得点の分布

(4)

た。世帯を成長期毎(幼児・小学生、中学 生・高校生、現在)に分類すると、18パター ンになった。一番多い世帯は幼児から核家族 の75名(50.0%)であった。次いで幼児から 拡大家族の18名(12.0%)、幼児・小学生、中 学生・高校生が核家族で、現在一人暮らしで

ある17名(11.3%)であった。

世帯別に平均得点をみると、幼児から拡大 家族の学生は11.6点と、幼児から核家族の 10.3点より有意に高かった(P<0.05)。現在一 人暮らしの者は、10.9点と平均より高い傾向 を示した。

幼児・小学生 中学生・高校生 現在 人数(%) 平均得点

① 核家族 核家族 核家族 75(50.0) 10.3

② 拡大家族 拡大家族 拡大家族 18(12.0) 11.6

③ 核家族 核家族 一人暮らし 17(11.3) 10.9

④ 拡大家族 拡大家族 一人暮らし 10 (6.7) 10.4

⑤ 拡大家族 核家族 核家族 7 (4.7) 9.7

⑥ 核家族 核家族 その他 5 (3.3) 11.4

⑦ 核家族 拡大家族 拡大家族 3 (2.0) 13.0

⑧ 拡大家族 核家族 その他 2 (1.3) 13.0

世帯 ⑨ 拡大家族 拡大家族 核家族 2 (1.3) 12.0

⑩ 核家族 拡大家族 一人暮らし 2 (1.3) 12.5

⑪ その他 その他 その他 2 (1.3) 13.0

⑫ 核家族 核家族 拡大家族 1 (0.7) 8.0

⑬ 拡大家族 核家族 一人暮らし 1 (0.7) 11.0

⑭ 拡大家族 拡大家族 その他 1 (0.7) 7.0

⑮ 拡大家族 その他 核家族 1 (0.7) 9.0

⑯ 拡大家族 その他 その他 1 (0.7) 11.0

⑰ 核家族 拡大家族 核家族 1 (0.7) 16.0

⑱ 核家族 その他 その他 1 (0.7) 11.0

表1.世帯構成

*=0.05

図3 問題別回答率

(5)

6.食生活について

<1日の食事回数>(図4)(図5)

1日の食事回数が3回の者は、幼児・小学 生の頃が135名(90.0%)、中学生・高校生の 頃が117名(78.0%)、現在が106名(70.7%)

と成長と共に減少し、幼児から3回食べてい る者は97名(64.7%)であった。

食事回数は幼児・小学生の頃、中学生・高 校生の頃、現在とそれぞれかなり相関関係が 見られ、現在の食事回数と朝食の摂取にかな

り相関がみられた(r=0.52)。

朝食を毎日食べている者は、幼児・小学生 の頃が135名(90.0%)、中学生・高校生の頃 が97名(64.7%)、現在が87名(58.0%)と成 長と共に減少し、幼児から毎日食べている者 は70名(46.7%)であった。

平均得点は、幼児・小学生の頃に朝食を毎 日食べていた者は10.8点と、毎日食べない者 の10.1点に比べ有意に高かった(P<0.05)。

朝食の摂食は、現在と中学生・高校生の頃 図4 1日の食事回数

図5 朝食の摂食

(6)

でかなり相関がみられた(r=0.52)。

幼児の頃から朝食を食べない者は 2 名であ った。

昼食を食べないと答えた者は 2 名(1.3%)

であった。そのうち 1 名は高校生の頃から朝 食も食べないと答え、点数は 8点と低かった。

<食事の用意>(図6)

手作りで夕食を用意すると答えた者が最も 多く、幼児・小学生の頃は147名(98.0%)、

中学生・高校生の頃は134名(89.3%)、現在 は120名(80.0%)と成長と共に減少した。ま た、成長と共に、おかずやパン、弁当の購入、

外食が増加した。調理をする人は、幼児から 高校生の頃までは9割が親と答えている。

幼児の頃から手作りで用意すると答えた者 は117名(78.0%)で、平均得点は10.8点であ った。そのうち、自分で調理している者は32 名(21.3%)で平均得点11.2点と、本人以外 が調理している85名(56.7%)の平均得点 10.6点に比べ高い傾向にあった。

幼児から現在まで夕食を自分で調理してい る者は 2 名で、平均得点は9.0点であった。中 学生から現在まで調理している者は 5 名で、

平均得点は9.8点と、他の者に比べて有意に低 かった(P<0.01)。現在の夕食の用意とかなり の相関関係が見られた(r=0.51)。また、現在

の 調 理 行 動 と か な り の 相 関 が 見 ら れ た

(r=0.58)。

<会食と孤食>(図7)

家族全員で夕食をとると答えた者は、幼 児・小学生の頃は120名(80.0%)、中学生・

高 校 生 の 頃 は 8 0 名 ( 5 3.3 % )、 現 在 は 4 0 名

(26.7%)と成長と共に急激に減少した。

孤食である者は、幼児・小学生の頃は 3 名

(2.0%)、中学生・高校生の頃は14名(9.3%)、 現在は53名(35.3%)と急激に増加している。

孤食と答えた者の世帯は、幼児・小学生の頃 は 3 名全員が核家族であった。中学生・高校 生の頃は核家族が11名、拡大家族が 2 名、そ の他が 1 名であった。現在は一人暮らしが26 名、核家族が15名、拡大家族が 8 名、その他 が 4 名であった。

夕食を幼児から高校生の頃まで一人で食べ ていた 3 名(2.0%)の平均得点は8.3点と、

他 の 者 1 0.8 点 に 比 べ て 有 意 に 低 か っ た

(P<0.01)。

<食事の興味>(図 8 )

食 事 に と て も 興 味 が あ る 者 は 1 2 2 名

(81.3%)、少しはある者は26名(17.3%)、あ まりない者は 2 名(1.3%)であった。

平均得点は、興味がとてもある者は10.9点

図6 夕食の用意

(7)

と、少しはある9.8点、あまりない10.0点より 有意に高いことが示された(P<0.01)。

食べ物にとても興味があると答えた者は、

自分で調理をしている者は93.8%と、他の者 が調理をしていると答えた者より高い値を示 した。孤食であると答えた者は77.4%と低か った。

<料理の指導者と情報源>(図 9 ・図10)

料理を親から教えてもらう者は、幼児・小 学生の頃で121名(80.7%)、中学生・高校生 の頃で117名(78.0%)、現在で63名(42.0%)

と成長と共に減少した。

教員から教えてもらうと解答した者は、幼 児・小学生の頃で 4 名(2.7%)、中学生・高 校 生 の 頃 で 1 4 名 ( 1 9.3 % )、 現 在 で 6 4 名

(42.7%)と成長と共に増加した。

中学生から現在まで、教員に教えてもらっ たと解答した11名の平均得点は11.9点と、他 の者10.6より有意に高い値を示した(P<0.01)。

幼児期から高校生の頃まで誰からも料理を 教えてもらうことがなかったと解答した 3 名 の平均得点は10.3点と低い傾向にあった。

料理の情報源はテレビ77名(51.3%)、授業 40名(26.7%)、新聞雑誌20名(13.3%)、親 6 名(4.0%)、インターネット 5 名(3.3%)、

祖父母 0 名( 0 %)、その他 2 名(1.3%)で あった。情報源別に平均得点の有意差は見ら れなかった。

7.秋学期の実習献立について

<実習後の家庭での取り組み>(表 2 ・表 3 )

実習献立を実習後に家庭で取り組んだ者は 図7 夕食の会食状況

図8 食事への興味

(8)

147名(98.0%)で、取り組みをしなかった者 は 3 名(2.0%)であった。

取り組んだ献立数は 4 品が23名(15.3%)

で最も多く、ついで 6 品が21名(14.0%)で、

取り組んだ平均の献立数は6.7品であった。

平均得点は、取り組んだ料理数が 0 〜 6 品 の90名(60.0%)は10.3点と、取り組んだ料 理数が 7 品以上の60名(40.0%)の11.5点よ り有意に低かった(p<0.01)。取り組みをしな かった 3 名(2.0%)の平均得点は 9 点と、 1 品以上取り組んだ147名(98.0%)の10.8点よ り有意に低かった(p<0.01)。

取り組んだ献立で、最も多いのは味噌汁 120名(80.0%)で、次いで白飯73名(48.7%)

図9 料理の指導者

図10 情報源

表2.実習後に取り組んだ料理の数

料理の数 人数(%) 平均得点 0 3(2.0)09.0** 09.0**

1〜3 26(17.3) 10.3 10.3**

4〜6 61(40.7) 10.3 7〜9 30(20.0) 11.4 10〜12 18(12.0) 12.1 13〜15 4(2.7) 11.5 10.8 16〜18 6(4.0) 12.3 11.5 19〜21 1(0.7)08.0

22〜24 0(0.0)0─

25〜27 1(0.7) 14.0

平均 6.7 10.7

**=0.01

(9)

であった。取り組まなかった献立はブラウン ソースで、取り組みが少なかった献立は蒸百 花豆腐2名(1.3%)・Poulet roti 3名(2.0%)

であった。

<簡単だった料理>(表4)

簡単だった料理は、蒸しパン90名(60.0%)

が最も多く、浅漬け77名(51.3%)、山菜おこ わ53%(35.3%)の順であった。

簡単だった料理にあがらなかったのはすま し雑煮・Poulet roti・キャロットポタージ ュ・いちごのケーキ・蒸百花豆腐・乾焼明蝦 の6品であった。

<難しかった料理>(表5)

難 し か っ た 料 理 は 、 栗 き ん と ん 4 1 名

(27.3%)が最も多く、筑前煮33名(22.0%)・

乾焼明蝦33名(22.0%)、鯵の南蛮漬け29名

(19.3%)、鯖の竜田揚げ27名(18.0%)・

Poulet roti 27名(18.0%)であった。

考察

食生活の理解は平均得点10.7点と昨年61の 10.3点より高い傾向にあった。問題グループ 別の平均点は栄養・調理で5.0点と昨年の4.8 点より高い傾向にあり、食環境で5.7点と昨年 の5.5点より高い傾向にあり、昨年と同様に栄 養・調理より高かった。

現在の世帯は、核家族57.3%、一人暮らし 20.0%、拡大家族14.7%、その他8.0%と、昨 年の調査6)の核家族66.2%、拡大家族14.8%、

一人暮らし15.5%と比べ、核家族が減少し、

一人暮らしが増えており、2000年の国勢調査

1)の核家族58.4%、その他の親族世帯13.6%

と同じ傾向を示した。幼児、小学生、中学生、

高校生、現在の成長期毎の世帯を調査したと ころ、18パターンと多様な世帯構成であるこ とがわかった。一番多い世帯は幼児から核家 族の75名(50.0%)で、次いで幼児から拡大 家族の18名(12.0%)、幼児・小学生、中学 生・高校生が核家族で現在は一人暮らしであ る17名(11.3%)であった。 世帯別に平均 得点をみると、幼児から拡大家族の学生は11.

6点と、幼児から核家族の10.3点より有意に 高かった(P<0.05)。現在一人暮らしの者は、

10.9点と平均より高い傾向を示したが、昨年 表4.簡単だった調理

⑥ Poulet roti 27 (18.0)

⑦ 鍋貼餃子 24 (16.0)

⑧ 鯖の味噌煮 23 (15.3)

料理名 人数(%)

① 蒸しパン 90 (60.0)

② 浅漬け 77 (51.3)

③ 山菜おこわ 53 (35.3)

④ 白飯 38 (25.3)

⑤ 刺身 33 (22.0)

⑥ 紅白なます 33 (22.0)

⑦ みそ汁 32 (21.3)

(10)

の調査の11.3点より低い傾向にあった。この ことから、幼児から高校生の頃までは祖父母 とともに生活する拡大家族は食理解の向上に 関与していると考えられる。

手作りの夕食を用意すると答えた117名の うち、自分で調理している32名の平均得点は 10.8点と、親や祖父母などが調理している85 名の平均得点10.1点に比べ有意に高かった

(親P<0.01、祖父母P<0.05)。また、本人が調 理をしている場合、一人暮らしで平均得点は 11.3点、その他が11.4点であった。このこと から高校を卒業後は世帯に関わらず、本人が 調理をすることが、食理解向上に大きく結び つくと考えられる。

食事回数が1日3回の者は、現在で7割程 度と、女性の15〜19才で81.7%、20〜29才で 71.5%との報告7)や佐藤ら5)の報告にくらべ て低くかった。幼児から3回食べている者は 97名(64.7%)であった。食事回数は幼児・

小学生の頃、中学生・高校生の頃、現在とそ れぞれかなり相関関係が見られたことから、

幼児の頃の食生活は習慣化することが示唆さ れた。また、現在の食事回数と朝食の摂取に かなり相関がみられた(r=0.52)。朝食を毎日 食べている者は幼児・小学生の頃が90.0%、

中学生・高校生の頃が64.7%、現在が58.0%

と成長と共に減少し、中学生・高校生の頃に 急激に減少した。幼児・小学生の頃に朝食を 毎日食べていた者は90%と、小学生6年生を 対象とした調査8)のほとんど毎日摂る81%、

1週間に5回以下の19%より高かった。しか し、中学生を対象にした調査9)の毎日食べる の78%より低く、大学生を対象とした調査10)

の朝食を食べる者は71.0%、食べない者は 29.0%より低かった。幼児から毎日食べてい る者は70名(46.7%)と半分にも満たなく、

朝食を食べない理由として、夜更かしをして スナック菓子や清涼飲料水などの夜食を飲食 するため、空腹感を感じず、朝は寝坊をし、

時間がないのため朝食を食べないリズムの乱 れた生活やダイエットが原因と考えられる。

小学生で朝食を食べない者が6%との報告8)

があり、理由は食事の準備がしていない、家 族が食べないなどであった。今回の調査では、

欠食の理由を尋ねてはいないが、幼児の頃か ら朝食を食べない者が2名いた。幼児・小学 生の頃に朝食を毎日食べていた者の平均得点 は10.8点と、毎日食べない者の10.1点に比べ 有意に高い(P<0.05)ことから、幼児からの 食生活では家族の食事への姿勢と食理解は密 接であると考えられる。朝食の摂食は、現在 と中学生・高校生の頃でかなり相関がみられ る(r=0.52)ことから、若年期の食生活は習 慣化することが示唆された。朝食を食べない 者は健康状態がやや不良や不良に半数以上が 判定されるとの報告があり、欠食により食事 時間や摂取量が不規則になると、食生活のリ ズムが乱れると言われている10)。欠食はエネ ルギー、カルシウム、鉄などの栄養摂取量が 不足する11)ことから、るいそう、骨粗鬆症、

貧血等の健康上の問題が懸念される。朝食を 食べる者は、食習慣が良く、貧血予防食習慣 の状況も良好又は普通に分類される者が多 く、栄養バランスや運動、喫煙や飲酒等の健 康習慣が良好であることが報告されている

10)

幼児から高校生までは夕食を調理する人は 9 割が親で、中学生の頃の食事作りは母親が 91.7%、本人が4.7%との報告と同じ傾向にあ った9)。現在は1/3の学生が自分で調理をし ている。幼児の頃から手作りで用意すると答 えた者は117名(78.0%)で10.8点であった。

そ の う ち 、 自 分 で 調 理 し て い る 者 は 3 2 名

(21.3%)で平均得点11.2点と、本人以外が調 理している85名(56.7%)の平均得点10.6点 に比べ高い傾向にあった。自分で調理をして いる者は食事への興味が高いことから、自ら 献立をたて、材料の購入や調理器具の準備、

調理をして食べて片づけるという作業を通じ て食理解を深めていると考える。食生活の理 解で最も正答率が低いのは、問 1「消費期限 の日数」22.7%で、問 2「消費期限がついて

(11)

児・小学生の頃は120名(80.0%)、中学生・

高 校 生 の 頃 は 8 0 名 ( 5 3.3 % )、 現 在 は 4 0 名

(26.7%)と成長と共に急激に減少した。中学 生の共食頻度は夕食で週に1〜2回が最も多 いとの報告9)があることから、家族全体でと る頻度は低くなると考える。家族が揃わない 理由として家族の帰宅時間が遅い、塾や習い 事をあげるものが多かった9)。孤食である者 は、幼児・小学生の頃は3名(2.0%)、中学 生・高校生の頃は14名(9.3%)、現在は53名

(35.3%)と急激に増加している。孤食と答え た者の世帯は、幼児から高校生の頃までは核 家族が多いが、現在は一人暮らしが26名と最 も多かった。女子学生の孤食の割合は夕食で 1 割との報告12)があるが、本調査では高い値 を示し、孤食が増加していることを示した。

孤食は料理の数が少なくなり、栄養素の偏り が大きくなる傾向があり、さらには人間関係 の崩れにもつながるとも言われている13)。夕 食を幼児から高校生の頃まで一人で食べてい た3名(2.0%)の平均得点は8.3点と、他の 者10.8点に比べて有意に低かった(P<0.01)

ことから、若年期の孤食は食への興味を低下 させ、食理解の機会を失うと考えられる。食 生活は、栄養バランスなどの「食事の質」、

家族が一緒に食卓を囲む頻度をいう「共食頻 度」、家族との食卓が楽しいか、会話がある かといった「食卓の雰囲気」に大別できるが、

食卓が安らぎの場であるならば「良質の食事」

や「頻度の高い食事」が心の健康に大変良い

た。昨年の調査で、親から教えてもらうとし た者は66.9%であったが今年は42.0%と減少 し、教員とした者は21.8%であったが今年は 40%と、親から教えてもらう者が減り、教員 からが増加している。また、情報源として授 業をあげた者が26.7%から40.0%に増加して いる。これは、子どもが自ら食事を選択する 場合は、嗜好性が優先されることや14)、新し い調理法は隣人や料理書・雑誌などの外部メ ディアから学ぶとの報告もある15)ことから、

食事の嗜好が異なる祖母や母ではない指導者 や情報源を求めていると考えられる。

生活スタイルの意識の変化が経済成長にて すすみ、学生で伝承料理を食べたことがない 者が多く、三度の高度経済成長期(1965〜

1970年、1975〜1980年、1985〜1990年頃)を 経て行事食は食べられなくなったとの報告16)

あり、母親から子どもに食文化や技術の継承 が困難になっていると考えられる。母親が一 番伝承したい味に、家庭の味やおふくろの味 があげられており2)、世代間のギャップを感 じる。また、伝えておきたい基礎調理知識・

技術は、食事作りの調理基礎的知識、技術で は魚のおろしかたやだし汁のとりかた、味付 けがあげられ、食事のマナーとして箸使いの 教育の必要性を指摘している16)。中学生から 現在まで、教員に教えてもらったと解答した 11名の平均得点は11.9点と、他の者10.6より 有意に高い値を示し(P<0.01)、幼児期から高 校生の頃まで誰からも料理を教えてもらうこ

(12)

とがなかった3名の平均得点は10.3点と低く かったことから、学校の教育の場で食生活に 関する知識を深めることが可能であることが 示された。

実習献立を実習後に家庭で取り組んだ者は 147名(98.0%)で、平均6.7品であった。取 り組んだ献立数は 4 品が23名(15.3%)で最 も多く、ついで 6 品が21名(14.0%)と取り 組んだ数は少なかった。取り組んだ料理は、

若者が好む調理手間のかからない料理が多か った。学生は伝承料理を面倒ととらえており

17)、料理に対するイメージ形成要因として、

食・調理経験の有無や調理技術の熟度、箸使 用の有無と使い分け、調理時間・後片づけの 長短、台所の衛生などが関係していると言わ れる16・17)。調理技術を必要とし、調理や後片 づけに時間がかかる魚の3枚おろしや、既製 品を購入して食べる機会が多いきんとんや鍋 貼餃子は敬遠されたと考えられる。調理時間 は、夕食では30分〜 1 時間が全体の2/3をし めるが、調理時間が長くなると主食、主菜、

副菜、汁物の揃った栄養的にもバランスの良 い食事に近づき、加工食品や市販品を利用す る割合も減ると考えられているが18)、面倒な ものは購入して食べる傾向がある。平均得点 は、取り組んだ料理数が0〜6品は10.3点と、

取り組んだ料理数が7品以上の11.5点より有 意に低かった(p<0.01)。取り組みをしなかっ た3名(2.0%)の平均得点は9点で、1品以 上取り組んだ147名(98.0%)の10.8点より有 意に低かった(p<0.01)。このことから家庭で 取り組む意欲と調理実習で取り組んだ献立を 自宅で復習し、技術や知識を定着さることは 食理解に結びつくことが示された。

今回の調査を調理実習の献立作成や指導に 役立てていきたい。

参考文献

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10)永嶋久美子,坂口早苗,坂口武洋:女子 学生の偏食行動様式別食習慣および健康 習慣の実態,日本公衛誌,49(5),447

〜455,(2002)

11)野瀬美紀子・下田妙子・菅淑江,栄養士 課程新入生における栄養摂取量に及ぼす 朝食欠食とダイエットの経験,中国短期 大学紀要,31,113〜125,(2000)

12)大迫早苗:女子学生の食生活の実態,相 模女子大学紀要,63B,29〜35,(1999)

13)足立己幸,秋山房雄:食生活論,40〜41,

医歯薬出版株式会社,(1987)

14)小菅充己,布施谷節子:三世代にわたる 生活文化の伝承と将来への展望(1)食 生活と衣生活について,和洋女子大学紀 要家政系編,41,97〜106,(2001)

15)由比ヨシコ:母親の食生活意識と家庭に おける食の伝承との関係−正月料理に関

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参照

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