研究論文
中 国 にお け る清 潔 生 産 に関 す る一 考 察
一環 境 管 理 会 計 との調 和 を中 心 と して 一
張 本 越
は じめ に
2002年6月29日 、 中 国第9期 全 人 代 常務 委員 会 第28回 会議 にお い て 、 「中華 人 民 共 和 国清 潔 生産 促 進 法」(以 下 、清 潔 生 産促 進法 と略 す)が 通 過 した。 この法 律 は 、 中国 の 各級 政府 ・企業 が清 潔 生 産 を推 進 ・実施 す る よ うに要 請 す る とい う法律 で あ
り、途 上 国 にお い て 、清 潔 生 産 に関す る初 の法律 で あ る。 これ は 中国 にお け る持 続 可 能 な発 展 を一 歩 進 め て 、 中国 の 清潔 生 産 に関 して規 範 化 した 「一 里 塚(里 程 碑)」
と言 え る。
こ う した制度 化 は 、 中 国 の国 民経 済 ・社 会 の持 続 可能 な発 展 、 資源 ・環 境 保 護 、 企 業 の競 争 力 の 増 強 な どに 良い影 響 を与 え る こ と とな る。 清 潔 生 産 の語 源 は 、英 語 の ク リー ナ ー ・プ ロダ ク シ ョン(CleanerProduction)に あ る。 そ して 、 清 潔 生 産 は 中国 を持 続 可 能 な 発展 へ 導 く有 効 な方 法 で あ る'。
20世 紀以 降 、 科 学技 術 の発 展 に伴 っ て 、人類 の 自然 に対 す る征 服 ・支 配力 と 自然 改 造 能 力 の 増 強 が もた ら され た。 物 財 も大 量 に作 り出 され て お り、 人 々 の 生 活 は
「日進 月 歩(日 新 月異)」 の変 化 が な され て い る。 そ の 一方 で 、人 類 に よ る 自然 資 源 の過度 な 消耗 に よって 、 資源 不 足 の深 刻 化 や 環 境 汚染 とい う問題 が 顕 著 にな っ た。
そ して 、 特 に20世 紀 の70年 代 後 半 、 資本 主義 工 業 諸 国 は生 産 過 程 か ら汚 染 防止 の研 究 を 開始 した。 廃 棄 物 の最 少 量 化 、 汚染 源 の削 減 、 ゼ ロ廃 棄 と少 量廃 棄 の 技術 を 開 発 し、 新 しい汚 染 防 止 対 策 を講 じる よ うに な った の で あ る。
貰 中 国 工 程 院 ア カ デ ミー 会 員
、 清 華 大 学 教 授 、 銭 易 氏 。
国 際 経 営 フ ォ ー ラ ムNo.17
1.「 清 潔 生 産 」 の 意 義 1.1.「 清 潔 生 産 」 の 由 来
清 潔 生 産(CleanerProduction)と い う概 念 は 、1989年 に 国連 環 境 計 画(UNEP)が 提 唱 す る以 前 に 、1974年 に 米 国 の 著 名 企 業3M社 が 「3P(PoilutionPreventionPays)計
画 」の 中 で 明 確 に提 起 して い る。 そ の 基 本 的 意 義 は 、 廃 棄 物 とい うの は 消 費 され な い 原 料 で あ る もの に す ぎ な い とい う考 え 方 に あ る 。 「廃 棄 物+技 術 革 新 」 に よ っ て 、 廃 棄 物 は 価 値 あ る 資 源 とな る の で あ る2。
こ う した こ との 背 景 は 、20世 紀 、60年 代 の 環 境 公 害 が 世 界 的 脅 威 で あ る とい う こ とを 人 々 に 認 識 させ た こ とに あ る。 即 ち 、 環 境 公 害 が 人 々 の 健 康 と経 済 の 発 展 に 影 響 を 及 ぼ しは じ め 、 資 本 主 義 工 業 諸 国 は 環 境 問 題 に注 目 した た め 、 大 規 模 な 環 境 復 元 が 行 わ れ た の で あ る。 これ は い わ ゆ る 「先 に 汚 染 、 後 で 復 元 」(先 汚 染 、 後 治 理)
とい うrEOP」3方 式 で あ る。 こ の 方 式 は 、 現 在 も主 要 な 環 境 管 理 の 方 式 と して 採 用 され て お り、 一 定 の 環 境 効 果 を 収 め た 。
しか し、 急 速 な経 済 発 展 に よ っ て 資 源 ・環 境 に 対 して 大 き な 負 荷 をか け る こ と と な り、 資 源 の 不 足 や 、 環 境 汚 染 と生 態 破 壊 な どが 激 化 して き た 。 そ う した 状 況 の 中 で 、 「EOP」 とい う環 境 管 理 方 式 の 欠 点 は徐 々 に 暴 露 され て き た 。 具 体 的 に は 、 復 元 に か か わ る 費 用 が 高 い た め 、 企 業 側 の 汚 染 ・復 元 の 自主 性 と積 極 性 が 薄 く、 復 元 の 難 し さ 、 環 境 リス ク 等 が あ る た め 、 資 源 浪 費 が 生 産 の過 程 で 解 決 で き な い とい う 欠 点 が あ る 。
1976年 か らEU(当 時 、 欧 州 経 済 共 同 体)は 「少 廃 ・無 廃 技 術(Lowandiron‑waste technology)」 と い う概 念 を 開 発 した 。 そ して1979年4 .月に はEU理 事 会 が 清 潔 生 産 を 提 案 した 。 更 に 同 年11月 に ジ ェネ ー ブ に お い て 、 環 境 領 域 の 国 際 合 作 の 欧 州 高 級 会 議 が 開催 され 、 そ の 中 で 「少 廃 ・無 廃 技 術 と廃 棄 物 利 用 に っ い て 宣 言 」が 採 択 され た の で あ る 。
ま た 、 米 国 の 汚 染 統 制 か ら汚 染 予 防 の 転 換 に つ い て は 、1976年 の 「資 源 保 護 と 回 収 法 」(ResourceConservationandRecoveryAct:RCRA)が 公 布 ・施 行 され た こ とが 挙 げ られ る。 こ の 法 律 は 廃 棄 物 の減 少 と廃 棄 物 管 理 に対 して 有 効 な も の で あ る。
更 に 、1984年 に 同 国 会 で 「危 険 物 及 び 固 体 廃 棄 物 修 正 案 」(HazardousandSolid
z趙 家 栄 氏
、 国 家 経 済 貿 易 委 員 会 の 資 源 節 約 ・総 合 利 用 局 局 長 、2001年9月 に 、 中 国 で 開 か れ た 清 潔 生 産 国 際 シ ン ポ ジ ウ ム に お い て の 講 話 。
aE ndofpipecontro1の 略 語 。 中 国 で は 、 生 産 の 終 了 の 段 階 で 行 わ れ た 環 境 統 制 と い う方 式 で あ る 。
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研 究論 文● 中国 にお け る清潔 生 産 に関す る一 考察 Amendments:HSWA)が 通 過 し、1990年10月 に 「汚 染 予 防 法 」(PollutionPreventio
nAct)が 公 布 され た 。 こ の 法 律 に よ っ て 、 汚 染 の 事 前 予 防 あ る い は 汚 染 量 減 少 が 義 務 付 け られ た 。 米 国 環 境 庁(EPA)の 廃 棄 物 最 少 化(Wasteminimization)の 定 義 で は 、 可 能 な 範 囲 に お い て 、 有 害 廃 棄 物 の 減 少 は そ の 生 成 、 事 後 処 理 、 保 存 及 び 処 置 の 段 階 で 行 わ れ 、 汚 染 源 の 削 減 と回 収 利 用 を 行 う とい う2つ 内 容 が 含 ま れ て い
る4。
中 国 で は20世 紀 の70年 代 の 初 め 、 「予 防 を 主 に して 、 防 止 と復 元 を結 合 す る 」(予 防 為 主 、 防 治 結 合)、 「総 合 的 な 利 用 に よ っ て 、 害 を 有 利 に 転 換 させ る 」(総 合 利 用 、 化 害 為 利)と い う方 針 が 提 唱 され た 。 更 に70年 代 後 半 に 、 管 理 強 化 ・技 術 改 善 ・総 合 利 用 を 推 進 し、 廃 棄 物 の 再 利 用 、 「三 廃 」5を 生 産 過 程 に お い て 減 少 させ る とい う ス ロー ガ ン を掲 げ た 。 そ して80年 代 末 に 、 工 業 汚 染 の 全 過 程 を 管 理 ・統 制 す る とい
う戦 略 を 提 唱 し た 。 これ らの 主 旨 は 予 防 を 主 とす る 方 針 に基 づ い て 、 清 潔 生 産 の 思 想 に 包 含 され る も の で あ る。
国 連 環 境 計 画(UNEP)は 、1989年 に 、 工 業 の 持 続 可 能 な 発 展 の た め 、 工 業 汚 染 防 止 の 経 験 と教 訓 を 総 括 した 上 で 、 初 め て 清 潔 生 産 の概 念 を提 起 し、 そ の 推 進 の 行 動 計 画 を 策 定 した 。 そ して1990年 の 国 際 清 潔 生 産 の シ ン ポ ジ ウ ム で 、 初 め て 清 潔 生 産 の 定 義 を 正 式 に 提 出 し た。 更 に 、1992年 の 国 連 「環 境 と発 展 サ ミ ッ ト」 で 、 清 潔 生 産 と い う生 産 方 式 が 『ア ジ ェ ン ダ21』 に組 入 れ られ た 。 こ の よ うに して 、 この 概 念 は 、 工 業 汚 染 の 予 防 と して 、 工 業 の 持 続 可 能 な 発 展 を 実 現 す る た め の 専 門 用 語 とな り、 世 界 に 通 用 す る用 語 とな っ た の で あ る。
1.2.中 国 にお け る 「清潔 生産 促 進 法 」
2002年6月29日 に 中国全 人 代 で 承認 され た 「清 潔 生産 促 進 法 」 は全6章 あ り、20 03年1月1日 か ら施行 され た。
中国 の 「清 潔 生産 促進 法」 で は 、 「改 善 され た デザ イ ンを常 に採 用 し、 よ りク リー ンなエ ネル ギー と原材 料 を使 用 し、 先進 的 な製 造 技術 と設 備 を採 用 し、管 理 を改 善 す るな ど、 よ りク リー ンな生 産 を もた らす 諸 資源 の総合 的 な利 用 を指 す 」 と定 め ら
れ た。
これ は 国連環 境 計 画 の1996年 の定 義 を踏 襲 した もので あ る。 即 ち 「生 産過 程 、製 品 、及 び サー ビス にお い て、 生産 効 率 を高 めつ つ 、人 類 と環 境 に対 す る リス ク を逓
4肖 序 著 『環 境 成 本 論 』2002年 、 中 国 財 政 経 済 出 版 社 、p.247。
5中 国 で は
、 廃 水 、 廃 気(排 気)、 固 体 廃 棄 物(産 業 廃 棄 物)等 を 指 して い る 。
国 際 経 営 フォ ー ラムNo.17
減 す るた め、持 続 的 に応 用 され る総合 的 で予 防 的 な環 境 戦略 」 で あ る。 この こ とは、
工 業生 産 効 率 を高 めつ つ 、清 潔 生産 技 術 とそ の 更新 を通 じて 、環 境 に対す る有害 製 品 と原 材 料 を代 替 し、 環境 ・資源 の保 護 と管 理 を実 現 可 能 とす る こ とを 目標 と して い る。
一 般 論 と して、清 潔 生 産 の 実 現 に際 して は 、 二 つ の工程 に分 解 して考 え るこ とが で き る。 即 ち、① 資 源 ・地域 特 性 の評 価 、計 画 、組 織 、実 施 、 運 営 ・管 理 、効 率評 価 な ど、生 産 の全 過 程 。 ②原 料 の調 達 、保 管 、処 理 、加 工 、成 型 、パ ッケー ジ ング 、 完 成 品等 の 生産 の全 過 程。 この 二つ の工程 を コ ン トロール しつ っ 、生 産 プ ロセ ス と そ の成 果 で あ る完 成 品 の 「緑 化 」(ク リー ンを 意 味 す る)を 実 現す る。
「清 潔 生産 促 進 法 」 の 実施 細 則 にっ い て は ま だ 明 らか で は ない 。 漸 江省 太湖 流 域 が清 潔 生産 の モデ ル 地 区に指 定 され た ほ か は、 実 施 細 則 につ い て は現在 、各 地方 政 府 等 で 策 定 中 と考 え られ る。
「清 潔 生 産促 進 法」は6章 、42条 あ る。 第1章 は総 則 で あ り、 立 法 の 目的 、 清潔 生 産 の定 義 、適 用 範 囲 、管理 体 制 な どを含 む 。 第2章 は 、清 潔 生 産 の推進 、政府 及 び 関連 部 門 の 責任 を定 めて い る。 第3章 は 、清潔 生 産 の 実施 、経 営 者 に対 して清 潔 生 産 を要 求 して い る。 第4章 は 、奨 励 措置 で あ る。 第5章 は法 律 責任 、 そ して 第6章 は 附則 か ら構 成 され て い る。
「清 潔 生 産促 進 法 」は ほか の法 律 と異 な り、 「促 進 」を加 え てい る。 これ らは企 業 が 生 産過 程 で統 制 を行 い 、汚 染 源 の削 除 か ら、 よ りク リー ンな生 産 を実現 す る こ とで あ る。 市場 経 済 の下 で 、政 府 は企 業 の清 潔 生産 の行 為 を誘導 ・激 励 ・支 持 す べ きで あ る。 これ ま で の よ うにそ の生 産過 程 とサ ー ビス に、過 度 な直接 的行 政 干 渉 を して は な らな い。 そ のた め、 「清潔 生産 促 進 法」は清潔 生産 に対 す る誘 導 、奨 励 と支 持保 障 す る法律 を 主 な 内容 と し、直 接 に行 政 統 制や 制 裁 の た めの 法律 で は な いの で あ る。
諸外 国 で も、今 日ま で に 「促 進 法 」とい う法律 が あ り、す で に 日本 では 「資源 有効 利 用促 進 法 」が 、2001年4月 に施 行 され た とこ ろで あ る。
清 潔 生 産促 進 法 とい う名 称 の採 用 に よっ て 、 これ らの特徴 と主 な 内容 が 明瞭 に な り、理 解 しや す くな っ てい る。 更 に 、 この法 律 とほ か の環境 保 護 法 との 関係 が うま く連 動 し、 政府 の清 潔 生 産 の推 進 に役 立 っ てい る。
1.3.清 潔 生 産 の定義
1998年 に 国連 環 境 計画 は、韓 国 の ソ ウル で 開催 され た第5回 国 際 清潔 生産 会議 で 、 清 潔 生 産 に 関す る定義 を更 に 明確 化 す る こ と とな った。 そ の 定義 は 、 「清 潔 生産 は
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研 究論 文● 中国 にお け る清潔 生 産 に関す る一 考察 生 産 性 の向上 や 、 人類 と環 境 の被 害 を低 下す るた め に、 総合 的 ・予 防的 な環境 戦 略 を生 産 過 程 、 製 品 とサ ー ビス に応 用 す る こ と」で あ る。 ま た 、 生 産 過 程 に お け る定 義 は 、 「清潔 生 産 はエ ネ ル ギー や 資 源 の節 約 を通 じ、有 害 な原 材 料 を淘 汰 し、廃 棄 物 と有 害物 質 の 生 成 ・排 出 を減 少 す る手 法 」 で あ る。 そ して 製 品 に お い て は 、 「清 潔 生 産 は製 品 の ライ フ サイ クル 、即 ち、原 材 料 の採 掘 か ら使 用 ・廃 棄 まで の全 過 程 で人類 や 環境 に対す る影響 を低 下 させ る」 こ とで あ り、更 に サー ビス業 にお い て は、
「清 潔 生 産 は 予 防 的 な環 境 戦 略 をサ ー ビス の設 計 ・提 供 の活 動 に結 合 す る」 こ と と な って い る。
「清潔 生産促 進 法 」にお け る 「清 潔 生 産 」 の定 義 は 、 「清 潔 生 産 は不 断 的 に設 計 を 改 善 し、 ク リー ンなエ ネ ル ギ ー ・原 材 料 を使 用 し、 先進 的 な 生 産 技 術 ・設備 や 、 管 理 の改 善 と リサ イ クル 等 の措 置 を採 用す る こ とで あ る。 ま た 、汚 染源 の削 除 か ら、
資 源 使 用 率 の 向上 、生 産 ・サ ー ビス と製 品 の使 用 ま で の各 過 程 で 汚 染 物 質 を最 大 限 に少 量化 し、回 避 す る こ とに よって 、人 類 の健 康 と環境 破 壊 を最 大 限 に防止 す る こ
とで あ る」とな っ て い る6。
上 述 の2つ の定義 は、表 現 上 に多少 差異 が あ るが 、実 際 に は一 致 した 内容 で あ る。
「清潔 生産促 進 法 」の 「清 潔 生 産 」 につ い て の定 義 は 、 国連 環 境 計 画 の 定義 を参 考 に しっ つ 、 中国の 実情 に合 わせ て 、具 体 的 かつ 、明確 にす べ き で あ る と筆者 は考 え る。
1.4.清 潔 生産 の 内容
清 潔 生 産 の定 義 か ら、 清潔 生産 の5つ の 内容 が 導 出 され る。 第1は 設 計 方 法 の改 善 で あ る。 即 ち 、生 産 の 技術 と製 品 の設 計 の段 階 で 、資 源 の有 効利 用 や環 境 保 護 を 充 分 に考 慮 し、製 品生 産 が人 の健 康 や 環境 へ の無 害 を前提 と して 、製,品回 収 の しや す い 生産 を行 うこ とで あ る。 第2は ク リー ンなエ ネ ル ギー を使 用 し、 で き る限 り無 毒 無 害 の原 材料 を選 ぶ こ とで あ る。 第3は 資源 効 率 が高 く、廃 棄 物 排 出量 が少 な い 技 術 と設 備 を採 用す る こ とで あ る。 第4は リサイ クル で あ る。 これ に は廃 棄 物 の リ サ イ クル 、余熱 の再利 用 、 水 の循 環 利 用 な どが 含 まれ る。 第5は 管 理 を改 善す る こ とで あ り、原材 料 管理 、設 備 管理 、生 産 管 理 、 品質 管 理 、 現場 の環 境 管 理 な どが含 まれ る8。
6同 上
。 肖 序 、p.248。
7前 掲
、 趙 家 栄 の 講 話 。 8同 上
。 趙 家 栄 の 講 話 。
国 際 経 営 フォ ー ラムNo.17
2.清 潔 生 産 の 現 状
2.1.中 国 の 「清 潔 生 産 」 の 歩 み
中 国 の清 潔 生 産 の 生 成 は3っ の 段 階 に 分 け られ る。 第1段 階 は 、1983年 か ら1992 年 ま で の 、 清 潔 生 産 の 発 起 段 階 で あ る 。 第2段 階 は1993年 か ら2002年 ま で の 、 清 潔 生 産 の 推 進 段 階 で あ る9。 第3段 階 は2002年 か らの 法 制 段 階 で あ る 。
第1段 階:発 起 段 階(1983‑92年)
この 段 階 の特 徴 は 、清 潔生 産 が萌 芽 状態 か ら徐 々 に理念 形 成 へ 向 か って 発展 して きた こ とで あ る。 この こ とは 、以 下の 主 な文 献 か ら検 証す る こ とが で きる。
(1)1983年 に 国務 院 は 当 時 の 国家 経 済 委 員 会 の 「技術 改造 と汚 染 防止 の結 合 につ い て の若 干 規 定 」ユ0を公 布 した。 この こ とは、 清 潔 生産 の思 想 を提 起 した。 即 ち、
「工 業 企 業 に対 す る技 術 改造 を行 う際 に、 工 業 汚 染 を 主要 な 内容 と し、先 進 技 術 と 設 備 の採 用 に よ って 、 資源 ・エ ネ ル ギー の効 率 を 向 上 させ 、生 産 過 程 の汚 染 物 を消 化 す る」 と明記 した。
(2)1985年 に 、 国務 院 は 国家 経 貿 委 の 「資 源 総 合 利 用 の展 開 の若 干 問題 につ い て の暫 定 規 定 」1'を公 布 した。 これ は 中 国 の資 源 総 合 利 用 にお け る指 導 力 の あ る 「典 型 的 文 献 」 とい われ る。企 業 に対 して 資源 の総 合 利 用 の積 極 性 を刺 激す るた め、政 府 は一 系列 の奨 励 政 策 を制 定 した。
(3)1989年 以 降 、 国連 環 境 計 画 は清 潔 生 産 に 関す る行 動 計 画 を策 定 した。 中 国 は それ を契機 と し、そ の 理論 や 方 法 の研 究 をす る こ とにな った。1992年 に 当時 の 国家 環 境 保護 局(現 国 家 環 境 保護 総 局)と 国連 環 境 計 画 との連 合 で 、第1回 清 潔 生 産 の研 究 会 を開催 した。 そ して1992年10月 の 国連 「環 境 と発 展 サ ミッ ト」 後 、 中国政 府 は
「環境 と発 展 の 十 大 対 策 」を発 表 した。 そ の 中 で 「新 設 、改 造 、 増 設 の プ ロ ジ ェ ク ト を行 う際 に 、技 術 の 起 点 を高 め、 で きる限 り消費 を抑 制 し、汚 染 排 出量 が少 ない ク
リー ンな生 産 技 術 を採 用す る」とい うこ とを強 調 した。
第2段 階;推 進 段 階(1993か ら2001年 まで)
この段 階 の特徴 は 、 以下 の よ うに清 潔 生産 を 、戦 略 的構 想 か ら実 践 に向 けた 重 大
9趙 家 栄 稿 「清 潔 生 産 回 顧 与 展 望 」 『産 業 与 環 境 』2003年N
o.21、P.12‑16。
'0「 技 術 改 造 ・環 境 工 業 の結 合 にっ い て 若 干 意 見 」(「関 於 結 合 技 術 改 造 防 治 工 業 的 幾 項 規 定 」) 国 発[1983]20号
11資 源 総 合 利 用 の 推 進 に つ い て の 若 干 問 題 の 暫 定 規 定(「関 於 開 展 資 源 総 合 利 用 若 干 問 題 的 暫 行 規 定 」)、国 発[1985]117号 。
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研 究論 文 ● 中国 にお け る清潔 生産 に 関す る一考 察 な進 展 を収 めた12。
(1)工 業 汚 染復 元 にお け る清 潔 生 産 の地 位 の 確 立:中 国政 府 は 「環 境 と発 展 の十 大 対 策 」を発 表 した 後 、1993年 に元 国 家環 境 保 護 局 と国家 経 貿 委(当 時 国 家 経 委)は 上 海 で第2回 全 国工 業 汚 染復 元 工作 会 議 を開催 した。 この会 議 は 工 業汚 染 復 元 が単 純 にEOPか ら生 産 全 過 程 の 統制 へ 転 換 した だ け で は な く、 積極 的 に清 潔 生 産 を推 進 す る こ とを決 議 した の で あ る。 これ は 中国 の 清潔 生産 の ス ター トと して位 置 づ け ら れ る。
(2)持 続 可 能 な 発 展戦 略の た め の 措置 と して の認 識:1994年 に 中国 政府 は 「中 国21 世 紀 ア ジ ェ ンダ」を制 定 し、清 潔 生 産 を持 続 可 能 な 発 展 を実 現 す る た め の優 先 措 置 で あ る と認識 した。1996年 に 国務 院 は 「環 境保 護 の若 干 問題 につ い て の決 定」を公布 した。 この決 定 は 「す べ て の大 ・中 ・小 企 業 は新 設 、 増 設 、改 築 と技 術 改 造 の プ ロ ジ ェク トを行 う際 に 、技術 の水 準 を高 め、 エ ネル ギ.̲̲̲̲消費 や 汚染 物 の排 出 な どに対 し、 ク リー ンな 生 産 技術 を採 用 、 国が 禁 止 した 設 備 ・技 術 の採 用 を禁 じる」とい う もの で あ る。
第3段 階:法 制 段 階(2002年 か ら)
1995年 以 降 、全 人代 は数 多 くの環 境 保 護 法律 を制 定 ・修 正 した。 そ の うち、 「中 華 人 民共 和 国大 気 汚 染 防 治 法」、 「中華 人 民共 和 国水 汚 染 防 治法 」、 「中華 人 民 共 和 国 固体 廃 棄 物 汚染 防治 法 」 等 の 法律 が清潔 生産 につ い て も規 定 した。1999年 第9期 全 人 代 常務 委 員会 は持続 可能 な発 展 を実現 す るた め、清潔 生 産 の推 進 を加 速 す る よ う、
国家 経 済貿 易委 員 会(以 下 、 国家 経 貿 委 を略 す)に 委 託 した。 そ して 、2年 余 りの 努 力 を 重ね 、2002年6月29日 の 第9期 全人 代 常 務 委 員 会第28回 会 議 で 「中華 人 民 共 和 国清 潔 生 産促進 法 」を通過 させ た。 これ は 中国 の清 潔 生産 が 法規 化 管理 の軌道 に乗 っ て い る もの で あ る と認 識 す る こ とが で き、 中国 にお け る清 潔 生 産 の10年 来 の最 も重 要 な成 果 と歴 史 的 な事 象 で あ る とい え よ う。
(1)清 潔 生 産 の 促 進 政 策 の 研 究 と制 定11994年 に新 た な税 制 を制 定 した 後 、 資源 を再 利 用す る企 業 は税 金負 担 の増加 に よって 、 赤 字 に転 落 す る こ とに な っ た。 そ の 状 況 の 下 で 、企 業 の資源 再 利 用 の促 進 の た め に 、国 家経 貿 委 は調 査研 究 した上 で、
一 部 の資源 再利 用 の製 品及 び リサ イ クル を実 施 した 企 業 に対 し、減 免 税 の優 遇 政 策 を提 案 した。 そ して、 国務 院 の認 可 を経 て 、財 政 部r国 家 税 務 局 の連 名 で 資源 再 利
12前 掲
。 趙 家 栄(2003)、P.14。
国 際 経 営 フ ォ ー ラ ムNo.17
用 た め の減 免 税 の政 策 を制 定 した13。2000年 か ら2002年 ま で 、 国家 経 貿 委 と国家 税 務 総 局 が 「国家 推 奨す る環境 産 業 設備(製 品)の 目録 」と「国家 推奨 す る節水 設 備(製 品)
目録 」(「当前 国 家 鼓 励 発 展 的 環保 産 業 設 備(産 品)目 録 」と 「当前 国 家 鼓励 発 展 的節 水 設 備(産 品)目 録 」)を 公 表 した。 更 に、清 潔 生 産 の技術 進 歩 の推 進 の た め 、 国 家経 貿 委 は 「第1回 「ク リー ンな 生 産 技術 誘 導 目録 」(「清 潔 生 産 技 術 導 向 目録 」)を 公 布 した。
(2)産 業 構 造 の調 整 と技 術 進 歩:「 九五 計 画」以 来 、 品質低 劣 、 資源 浪 費 、厳 重 汚 染及 び 安 全 条 件 を満 た さな い 各 種 小 規模 の炭 鉱5.8万 箇 所 、 小製 鋼 所85箇 所 、 小 製 油所111箇 所 、小 セ メ ン ト工 場3,894箇 所 、小 ガ ラ ス生 産 ライ ン238本11を 取 り締 ま り、
厳 重 汚 染 の企 業 か ら汚染 物 排 出量 を抑 制 す る た め 、 強 制 的 な 行 政 処 分 を行 っ た。
「九 五 計 画」期 間 に、 国家 経 貿委 は エネ ル ギー の節 約 、資源 の総 合利 用 、工 業用 水 の 節約 な ど清 潔 生 産 に 関す るプ ロ ジ ェ ク トは329個 に の ぼ り、 そ の総 投 資額 は794億 元 (1兆1,910億 円)と な った。 また 、 技術 革新 と重 要 な技 術 装 備 の 国 際研 究 開発 にお い て は 、約10億 元 を投資 した'5。
(3)モ デル 企 業 の推 進。 国家 経 貿 委 は全 国 の10都 市 ・5業 界 の 間 で、清 潔 生 産 を、
そ のモ デ ル 企 業 と して推進 した。 更 に、 国家 環 境 保 護 総 局 は 国際 協 カ プ ロジ ェ ク ト を通 じ、そ のモ デル 企 業 に対 して清 潔 生 産 の審 査 を試 み た。2001年 末 ま で 、全 国 の モデ ル 企業 が700社 に達 し、そ の うち200社 の清潔 生産 の 審査 を調 査 した。 そ の 結果 、 経 済 効 果 は5億 元 で あ り、 主 な 汚 染物 は 平均20%以 上 削減 され 、経 済効 果 と環 境 効 果 の相 乗 効 果 をお さ めた。 結 果 的 に は、 全 面的 に清 潔 生産 に対 す る有益 な経験 を得
る こ ととな った。
(4)清 潔 生 産 の宣伝 ・教育。 国家 環境保 護 総局 な どは、清潔 生産 の 宣伝 ・教 育 を行 っ た。 特 に 「清 潔 生 産 促 進法 」公 布 後 、 あ らゆ るメデ ィ ア を通 して 、全 国 で清 潔 生産 の 宣伝 ・学 習 の ブー ムが ま き起 った。 この こ とは 、 宣伝 効 果 が 十分 で あ った とい え る。
(5)国 際交 流 と協 力 の展 開。 清 潔 生産 にお い て 、 世 界銀 行 、 ア ジ ア 開発 銀 行 、国 連環 境 計 画 等 の 国 際組 織 、 そ して カナ ダ、米 国 、 オ ラ ンダ 、 ノル ウェー 、 日本 な ど 国 と多 方 面 の 協力 を得 て 、清 潔 生 産 の政策 研 究 、 宣伝 、教 育 な ど重 要 な役割 を果 た
し、結 果 、 中国 の清 潔 生産 を促 進 して きた と考 え られ る。
1'3「資 源 の 総 合 利 用 の 進 め よ う に つ い て の 意 見 」(「 関 於 進 一 歩 開 展 資 源 総 合 利 用 的 意 見 」)
、 国 発[1996]36一 号。
14中 国 で は
、 小 さ い 規 模 の 炭 鉱 、 小 製 鋼 所 、 小 製 油 所 、 小 セ メ ン ト工 場 、 小 ガ ラ ス 生 産 ラ イ ン な ど を 、 五 小 企 業 と呼 ぶ 。
15前 掲
。 趙 家 栄(2003)、P.16。
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研 究論文 ● 中国 にお け る清潔 生産 に関す る一考 察 2.2.清 潔 生 産 の実 態
清潔 生 産 は1989年 に 、 国連 環境 計画 が清 潔 生 産行 動綱 領 を正 式 に提 出 した。1992 年 の リオ におい て 開催 され た 「環境 サ ミ ッ ト」 で は清潔 生 産 を、 持続 可 能 な発 展 の 重 要 な戦 略 と して正 式 に認 め 、『ア ジ ェ ン ダ21』 の 中 に重 要 な 条 項 を収 め た。 事 実 上 、 『ア ジ ェ ン ダ21』 は清 潔 生 産 の実 施 のた め の指 針 とな っ た の で あ る。 そ して 、 1998年 韓 国 の ソ ウル で 開催 され た 第5回 国 際清 潔 生 産会 議 で 、 「国 際清 潔 生 産 宣 言 」 が 採択 され た(以 下 、 「宣 言 」 と略す)。 この 「宣言 」は 清潔 生 産 戦 略 と実 践 を含 ん だ
もの と して 、 自主 的 かつ 開 かれ た認 識 の下 で承 諾 され た もの で あ っ た。2002年9月 ま で 、350力 国 の政 府 ・自治 体 ・NPO・企 業 が 「宣 言 」に署 名 し、15ヶ 国 語 に翻 訳 され た'6。 これ は清 潔 生 産 が 国 民 に対 す る意 識 的 な行 動 へ とス テ ップ ア ップす る重 要 な 段 階 で あ る と考 え られ る。
そ の 後 、 中国国家 環境 保 護 総 局 は清潔 生 産 を強化 し、 その成 果 が顕著 に表 され た。
現 在 で はモ デル 企 業 、教 育 、機構 創 設 、 立法 と国 際 協 力等 方 面 で大 き な進 展 を収 め て い る。 全 国 の多 くの地 方 で 清 潔 生 産 を展 開 し、3,000社 余 りの企 業 が 清 潔 生 産 の 審 査 を行 った。 これ らの 主 な業 界 は化 学 、軽 工 業 、 建 築材 料 等10余 業 界 で あ る。 そ の企 業 の技 術革 新 、 生産 管理 水 準 の向 上や 、循 環 利 用 、 資源 お よび エ ネ ル ギー 消費 の 削減 な どを促 進 し、経 済効 果 と環境 効 果 を収 めた 。 これ に加 え て全 国で は よそ40 余 業 界 及 び 地方 の清 潔 生 産 セ ンター を設 立 した の で あ る。
「清 潔 生 産促 進 法 」の公 布 と「清 潔 生産 の実 施 意 見 」の通 達 は 、 中国 にお け る清潔 生 産 が 法律 上 、前進 して きた こ との現 れ で あ る。 この こ とに よっ て 中 国 の清 潔 生 産 の 推 進 は新 た な段 階 に入 る とい え る。2002年 に は 「中華 人 民 共和 国清 潔 生 産促 進 法」が 公 布 され 、2003年1月1日 に実 施 され た'7。これ は 中 国 の清 潔 生 産 が 法律 化 と規範 化 の 軌 道 に乗 っ てい る こ とを表 明 した もので あ る。 それ に した が って 、遼 寧 省 、江 蘇省 、 山東省 、広 東省 な ど多 くの省 、 市 が地 方 の 清潔 生産 政 策 と地 方 法規 を制 定 し
た18。
しか し、 中国 の清 潔 生産 の 実施 状 況 は楽 観 視 で きな い。 全 体 的 に見 る と進 展 が か な り遅 く、以 下 の い くつ もの 問題 に直 面 して い る。 ① 各級 の 「官 僚 」 は清潔 生 産 に 対 して の認 識 が 不足 してい る。 清 潔 生 産 は新 型 の 工業 化 戦 略 で あ り、持 続 可能 な発
lfi『清 潔 生 産 世 界 状 況 報 告UNEP2002』 、2002年r E71993年 の 前 に 清 潔 生 産 の 思 想 を 浸 透 し て い る が
、 清 潔 生 産 と し て 新 しい 戦 略 を 正 式 に 提 起 す る の が1993年 か ら の で あ る 、10周 年 に 迎 え 、 清 潔 生 産 促 進 法 を 実 施 した 。 こ れ は 中 国 の 10年 の 実 践 経 験 を 総 括 し た も の と い え る 。
1$王 玉 慶(国 家 環 境 保 護 総 局 副 局 長)「循 環 経 済 と 生 態 工 業 簡 訊 」2004年2月
。
国 際 経 営 フ ォ ー ラ ムNo.17
展 戦 略 と企 業 の競 争 力 の増 強 な ど役 に立っ とい うメ リ ッ トが あ る。 しか し、彼 らは 粗 放型 を重 視 し、集 約型 を軽 視 してい る傾 向が あ るた め 、工 業 生産 の汚 染 源 の統 制 や 汚 染 物 の 削減 へ 転 換 してい な い。 ②政 策 や保 障措 置 が不 十 分 で あ り、資 金 問題 も 未 だ に解 決 しな か った こ と。 即 ち清 潔 生産 のモ デル 企 業 は、 多 くの企 業 が 資金 の問 題 に悩 ま され て い たの で あ る。 特 に 中小 企 業 が清 潔 生 産 の審 査 の段 階 のみ に止 ま っ て い る。 解 決 策 の 重 点 が無 費 用 と低 費 用 の 方案19に集 中 して い る こ と。 ③ 現 行 の 環 境 管 理 制度 と措 置 が慣 行 とな っ た後 、 「EOP」 に 引 かれ て、 あ る一 定 の程 度 で清 潔 生 産 戦 略 の 実施 を支 障 が あ る と考 え る こ と。④ 先 進 的 な技 術 が不 足 してい る。 特 に 業 界 にお い て重 要 な影 響 や 決 定 的 な技術 の開発 、模 範 とな る もの が不 足 して い る こ と。⑤ 企 業 の清潔 生産 の指 導 が不 足 してお り、企 業 が如何 に実施 す るか、実施 のツー ル を ど うす るか 、 また どん な 技術 を採 用 す るか 、管 理 上 如何 に 改善 す るか な どを明 確 に して い な い。 即 ち、現 時 点 で 明確 な実施 指 針 や ガイ ドライ ンな どが整 備 され て い ない。 ⑥ 法 規 制 の 不 明で 、 情 報 開 示 しない た め 、企 業 の 清潔 生 産 技術 と管理 情報 の チ ャ ンネ ル を構 築 で きて い ない こ と。 ⑦ 国 の奨 励 政 策 は 不透 明 で 、イ ンセ ンテ ィ ブ が構 築 され てい な い 、企 業 の清 潔 生産 の 内在 的動 力 と 自主性 に欠 けて い る こ と、
⑧ 人材 の不 足 、 な どが 主要 な 問題 と して考 え られ る20。
2.3.日 中両 国 にお け る ク リー ナ ー ・プ ロダ クシ ョン と清潔 生産 の比 較
清 潔 生 産 とク リー ナー プ ロダ ク シ ョンは 同 じ く扱 って い るが、 こ こで 日本 と 中国 との比 較 の た め、 中国 は清潔 生産 と中 国語 でそ の ま まで 、 日本 は ク リーナ ー プ ロダ ク シ ョン と扱 って い るの で 、 予 め説 明す る こ とにな る。
そ の相違 点 は 、以 下の よ うに示 してい る。 具 体 的 には 、 (1)短 期 的 技 術 支援 主体 と長 期 的設 備 投 資 主体 の相 違
中国 は、 旧式設 備 を用 い る代 わ りに、用 法 技術 を発 展 させ る。 日本 は、新 式 設備 を用 い るが 、 それ に伴 う技 術 発 展 は主 体 で はな い。
(2)国 内体 制 の相 違
中国 は社 会 主義 的 生産 方 式 で あ るた め 、生産 効 率重 視 で はな く、設備 稼 働 率 を重 視 す る。 日本 の場 合 、 生産 効 率 を重視 し、新 式 設 備 の稼働 率 も同時 に重視 す る。
(3)促 進 法 の有 無
'9清 潔 生 産 に お け る 環 境 保 全 コ ス トの 負 担 額 に よ
っ て 、 負 担 ゼ ロ 、 低 負 担 、 中 負 担 と高 負 担 に 分 け て い る 。
2。前 掲
、 趙 家 栄(2003)、P.16。
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研 究論 文● 中国 にお け る清潔 生 産 に関す る一 考察 中国 の場 合 、清 潔 生産 促 進 法 とい う法律 を有 して お り、極 め て組 織 的 な運 用 が な され て い る。 この こ とは 、政 府 主 導 で あ り強制 的 で あ る とい え る。 日本 は、促 進 法 とい った強制 力 の あ る法律 は無 く、民 間 主導 に よる努 力 で 自主 的 に運 用 され て い る。
政 府 は あ ま り干 渉 して お らず 、 自主 的 な もの で あ る。
(4)生 産技 術 の相 違
中 国 は 、技術 革 新 に加 えて 、管 理 方 式 も改 善す る余 地 が 大 い にあ る。 即 ち発 展 段 階 な の で あ る。 理 由 と して 、 中国 は主 に技術 開発 は海 外 か らの 技術 支 援 を要 す る こ とが挙 げ られ る。 日本 は 、生 産技 術 は極 めて 高 く、技 術 、 管 理 方 式 共 に 高い 。 従 っ て 、海 外 か らの支 援 は不 要 な場合 が 多 い。
(5)清 潔 生産 方 式 の 普及 度 合 の相 違
中国 の場 合 、清 潔 生 産 方 式 の普 及 度 合 は未 だ低 い。 要 因 と して 、清 潔 生産 は資 金 面 ・技 術 面 ・管 理 面 が高 度 に要 求 され るもの で 、 実験 段 階 で あ り、 一 部 の企 業 、 団 体 のみ が 実施 可 能 とい う状 況 に留 ま っ てい る こ とが挙 げ られ る。 法律 が存 在 す る と はい え、 現実 問題 と して 実施 可 能 な状況 に あ る企 業 は少 な い状 態 で あ る。 日本 は 、 ク リー ナー ・プ ロダ クシ ョンの普 及度 合 は高 い。 そ の要 因 と して 、資 金 面 ・技術 面 ・ 管 理 面 が高度 に発 達 して お り、多 くの企 業 、団 体 が 実施 可能 な状 況 で あ る。
表1両 国 にお け る ク リー ナ ー ・プ ロダ クシ ョン と清潔 生 産 の相 違 点
清潔生産 ク リ ー ナ ー ・プ ロ ダ ク シ ョ ン
相 違 点1 短期 的技術支援 主体 長期 的設備投資主体
相違点2 国内体制独 自の生産 方式 資本 主義 的生産方式
相違 点3 促進 法有 り 促進 法無 し
相違 点4 生産技術;低 生 産 技 術:高 相違 点5 普 及 度 二低 普 及 度;高
注:筆 者 が ま と め 、 作 成 し た も の 。
3.持 続 可 能 な 発 展 に お け る 清 潔 生 産
現 在 の 中 国で は人 口が多 く、 資源 が相 対 的 に不 足 して お り、経 済 は高 度 成長 した も のの 、環 境負 荷 の許 容 力 が 低 い。 中 国 にお い て は20余 年 の急 速 な発 展 で 環 境 問題 が集 中的 に現 れ 、 この環 境 問題 が複 合 型 、圧 縮型 とい う特 徴 が あ るた め、 汚 染復 元 の難 度 がか な り拡 大 して い る。 これ か らの 中国 は、資 源 が経 済 発 展 を けん制 し、 中 国 の経 済 が飛 躍 的 な発 展 をす る こ とにな った 場合 、 「両 高 一低 」(高 消耗 、 高汚 染 、 低 効 率 を意 味す る)の 経 済発 展 モ ー ドに転 換 しな けれ ば な らない 。 清潔 生 産 の実 施
国 際 経 営 フ ォ ー ラムNo.17
は 中国 の持 続 可 能 な発 展 に対 して 必須 の選 択 で あ る2'。
現在 の 中国 の生態環 境 は全体 的 に深刻 化 して い る。 状況 の改 善が見 当た らな くなっ て い る。 それ らの 問題 は、① 水 の 環境 問題 は 日々低 下 しつ つ あ る こ と、② 大 気 の汚 染 は無 視 で き ない 、③ 固体廃 棄 物 に よる汚染 は ます ます顕 著化 して い る。 更 に、農 村 部 の糞 便 ・養 殖 場 汚 染 儂 薬 な ど農 村 の環境 問題 に悩 ま され て い る、 それ に農村 の 環 境 問題 は 農 産 品 の 品質 を脅 か され てい るな どに集 中 してい る22。環境 汚 染 が深 刻 化 して い る実 態 は、 現 行 の伝 統 的端 末統 制(EOP)の 方 式 で は根 本 的 に緩 和 も解 決 もで きない と筆者 は 考 える。 そ の理 由 は、 まず 伝 統 的 なEOPに よ る大量 な 投資 、 高額 の環 境 費 用 、建 設 のサ イ クル が長 く、経 済 効 果 が 低 く、企 業 の 意欲 も低 い こ と か ら、そ の実 施 は か な り困難 で あ る。 更 に、伝 統 的EOP方 式 の 通 常 手法 は 汚染 物 の 一一形 態 か ら他 の形 態 に転化 させ る こ とで あ る。 即 ち、廃 気 の整 備 を行 う一一方 で廃 水 が発 生 す る こ とに な り、廃 水 の整 備 を行 う一 方 で汚 泥 が発 生 し、 固体廃 棄 物 の焼 却 は また廃 気 を発 生 させ る。 これ らの 「悪循 環 」 は根 本 的 に削 除 で きない こ とが 問 題 で あ る。
表2環 境 管理 にお け る端 末 管 理(EOP)と 清 潔生 産(CP)の 相 違 点 比較内容 端 末 統 制(EOP:Endofpipecontrol) 清 潔 生 産(CP:CleanerProduction)
管理 則票 汚染廃 棄 物 の削減 、無 害化 処理 の排 出 ク リー ン な 生 産
管理内容 点 ・源 の排 出を統制 エ ネ ル ギ ー ・技 術 ・製 品 を ク リー ン 化
管理手段 行 政 、 法 規 制 、 標 準 技術 進歩 、制度 革新
管理対象 汚染源 生産技術及び汚染源
管理時期 事後管理 事前予防
管理者 国、 地方管 理部 門及 び企 業 企業及び政府管理部門
管理方式 EOP、 復 元 技術過程の統制
代表手段 汚 染物 の けん制 、排 出汚 染費 の徴収 ク リ ー ン な エ ネ ル ギ ー ・技 術 を 採 用
生成時期 1970〜80年 代 1980年 代 末
思考方法 汚 染物 を形成 して か ら処 理す る 生産過程の中で汚染物を排除す る 処理費用 規 制 の厳 格 に よって費用 が増加 す る 減少
注 中国国家 環境保 護 総局 のWebに よ り抜粋 、筆者 が整 理 した もので ある
清 潔 生 産 は 社 会 の 経 済 活 動 に 対 す る 生 態 環 境 の 影 響 を最 小 限 に 削 減 し、 資 源 の 消 21前 掲
。 王玉慶 氏。
22前 掲
。馬 凱 の講話。
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研 究論 文 ● 中国 にお ける清 潔 生産 に関す る一 考察 耗 を最 小 限 に 、即 ち、 最 小 限 の環 境 代価 で経 済 の持 続 可 能 な発 展 を実 現 す る こ とで
あ る。 清潔 生産 ・循 環 型 経 済社 会 の促 進 は 、 中国 の 経 済 発 展 と環 境 保 護 の矛 盾 を根 本 的 に解 決す る有 効 な手 段 で あ り、 中国 の持 続 可 能 な発 展 戦 略 実現 の道 とな る。
(1)伝 統 的 な発 展形 態 にお け る欠 陥
中 国50余 年 の発 展過 程 を顧 み る と、最 大 かつ 根 本 的 な 問題 を発 見 す る こ とが で き る。 それ は今 ま で 一 貫 して 、伝 統 的 、 「粗 放 型 」 の発 展 モ ー ドに沿 っ て経 済 発 展 を 行 っ て きた こ とで あ る。 このモ ー ドで 生産 要 素 の効 率 の 向 上 、発 展 を促 進す るの で
は な く、 資源 ・投 資 と労働 力 の拡 大 で発 展 を維 持 した の で あ る。80年 代 以 降 、GD Pが ハ イ ス ピー ドで増加 した が 、物 質 の 消耗 対GDPの 比 率 も年 々増 加 して い る。
そ の特 徴 は、発 展 の速 い 地方 は そ の物 質 消耗 の比 率 も高 くな る とい うこ とで あ る。
中 国 の単位 あ た りGDPの 資 源 消 耗 が 世界 の平 均値 よ りは るか に上 回 って い る。
表3主 な国 単位GDP資 源 消耗
国 別 GNP単 位 エ ネ ル ギ ー 消 耗 量 (1999年 標 準 炭/t)i換 算USド ル
日 本 6,623
ドイ ツ 4,219
イ ギ リス 3,195
ア メ リカ 2,217
中 国 536
注:曲 格 平 氏(2004.5.16.)に よ り 抜 粋 整 理
表3に 示 した よ うに 、1999年 に536USド ル で あ っ た 数 値 が 、 更 に2000年 に845US ドル に上 昇 した が 、 先 進 諸 国 の 資 源 利 用 率 の1/3〜1/8(1999年)に 過 ぎ な い 。 換 言 す れ ば 、 中 国 の 単 位 あ た りGDPの 資 源 消 耗 は 、 日本 の 約8倍 、 ドイ ツ の 約5倍 、 ア メ リカ の 約3倍 とな っ て い る。 関 連 部 門 の15エ ネ ル ギ ー 消 耗 多 い 産 業 の 調 査 分 析 に よ る と、 現 在 中 国 の エ ネ ル ギ ー 節 約 の 潜 在 能 力 は1億 トン標 準 炭 で あ る 。 即 ち 、 中 国 の エ ネ ル ギ ー の 大 量 消 費 や 、 環 境 の 犠 牲 を 代 価 とす る 発 展 は 持 続 不 可 能 で あ る23。
(2)急 速 的 な発 展 に伴 った 資源 危機
中 国 の資源 は伝 統 的 な 「工 業文 明」の持 続 的発 展 を支 え られ ない状 況 に あ る。 特 に
23前 掲
。 曲 格 平 、2004年5月16日 。
国 際 経 営 フ ォ ー ラ ムNo.17
現 在 の 高 消 耗 、 高 汚 染 、 低 効 率 の 生 産 方 式 の 持 続 的 成 長 を 支 え られ な い 。 中 国 は 荒 漠 して い る 土 地 面 積 が267.4万 平 方 キ ロ 、 国 土 総 面 積 の27.9%を 占 め 、 そ れ に 毎 年 一 万 平 方 キ ロ で 荒 漠 しつ つ あ る。 そ れ は 中 国 の18省 の471県 に 上 り、 約4億 人 が 依 存 し て い る耕 地 が 荒 漠 に 脅 威 され て い る。 中 国 の 廃 水 排 出 総 量 は439.5億 トン、 環 境 容 量 の82%を 超 え て い る。 ま た 、 中 国 の7つ の 大 き い 江 河 水 系 の 劣V類 水 質 は40.9
%を 占 め 、75%の 湖 が 富 栄 養 化 し て い る。 そ れ に加 え て 、 中 国 の668都 市 の うち 、 400都 市 以 上 が 水 不 足 で 、 更 に!00都 市 以 上 が 厳 重 な 水 不 足 で あ り、3.6億 の 農 村 人 口が 衛 生 的 な 水 を飲 む こ とが で き な い 状 況 とな っ て い る。 そ して 、 中 国 の 排 気 ガ ス の 中 で 二 酸 化 硫 黄 の 排 出 量 が1,927万 トン 、 煤 塵 排 出 量 が1,013万 トン 、 工 業 煤 塵 排 出 量 が941万 トン と 、 人 々 の 健 康 に 危 険 性 が もた ら され て い る の で あ る24。
4.清 潔 生 産 と 環 境 管 理 会 計 の 結 合
環境 管理 会 計 につ い て は、 様 々 な領域 が あ るが 、本 研 究 で は、特 に環境 原 価 を 中 心 と して 、考 察 す る こ ととす る。
清 潔 生産 は環 境 保 全 の側 面 にお い て、環 境 効果 だ けで は な く、経 済 的側 面 か ら原 材 料 の節 約 な どに よ って 、環 境 費 用 ・原 価 の削 減 とい う 「一 石 二鳥 」 の効 果 を もた
らして い る。 以 下 で は、 清潔 生 産 と環 境原 価 の関係 につ い て検討 して み る。
4.1.清 潔 生産 に お け る環境 原 価
環 境 原価 の 主 な 内容 は、生 産 準 備 た めの ク リー ンな仕 入 費 用 、環 境 材 料 の運 送 、 保 存 及 び選 別 費 用 で あ る。 それ に 、生 産過 程 にお い て 、環 境 保護 の た め に発 生 した 原 材 料 の精 選 、技 術 革 新 、設 備 更 新 な ど追加 の 費用 を含 む 。 更 に、 生産 過程 の最 終 段 階 に 出 され た 、廃 棄 物及 び 消 費 後 の廃 棄 物 の循 環 ・回収 ・リサ イ クル にお け る環 境 設備 投 資 と運 用 費 用 、 な らび に最 終廃 棄 物 を処理 す る際 に発 生 した原 価 が含 まれ る。 そ の 目的 は 生産 の イ ンプ ッ トを把握 し、 で き る限 り資源 ・エ ネ ル ギー を循 環利 用 し、 よ り産 出 を多 く しつつ 、廃 棄 物 の減 量 化 を図 る こ とに よ って 、環 境 基 準 を達 成 す る こ とで あ る。
環 境 原価 の意 義 は 、稀少 な資源 とエ ネル ギー を最 大 限 に節 約 し、製 品の ライ フサ イ クル の 中で充 分 に利 用す るこ とで あ り、環 境 汚染 物 の排 出 を最 大 限 に抑 えて、 企 業 の環 境 リス クを 回避 し、生 産 と環 境保 護 を調 和 させ る こ とで あ る。 環 境原 価 に よ
る経 済 効果 と して は 、以 下 の も の が挙 げ られ る。
24播 岳(国 家 環 境 保 護 総 局 副 局 長)
、 「環 球 時 報 」2004年2月10日
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研 究論 文● 中国 にお け る清 潔生 産 に関す る一 考察 イ 資源 ・エ ネ ル ギー の節約 、再 生利 用 率 を向 上 させ る こ とに よ る費用 の節 約 額
ロ 資源 総 合利 用 に よ る新 た な連 産 品 ・サ ー ビス な どを もた ら し企 業利 益 が増 加 ハ 原 材 料 の 選別 、技 術 の革 新 、設 備 の更 新 に よ る生 産効 率 の 向上 に よる、利 益
の増加
二 環 境排 出 基 準 を満 たす こ とに よ る、排 汚 費 ・罰 金 ・賠 償 の 回避 あ るい は減 免 ホ 清潔 生 産 の 実 施 に よ る環 境 保 護 優 遇:低 利 の借 款 、 無 利 子 融 資 、 及 び 国 家 か
ら免 税 、 な どで あ る。
4.2.清 潔 生 産 と ライ フサ イ クル コス テ ィン グ(以 下 、LCCと 略 す)
持 続 可 能 な発 展 を 目標 と した清 潔 生産 は 、資 源 の保 護 ・効 率 的 な利 用 、 そ して持 続 的 な利 用 を 出発 点 と して い る。 そ れ は生 産 過 程 にお い て 、 生産 の前 期 、 中期 と後 期 の エネ ル ギー の節 約 、消耗 の低 減 、廃 棄 物 の最 低 限 の減 量化 を考 慮 す る合 理 的 な 生 産 方 式 で あ る。 即 ち、 製 品 の ライ フサ イ クル の全 過 程 にお い て 、 資源 ・廃 棄 物 を 十分 に考 慮 し、 最 低 限 を抑 え る こ と と、環 境 基 準 と地域 の環 境 受 容 量 の達 成 を図 る
こ とで あ る。
清潔 生産 にお け るLCCの 実現 す る た め に 、 ま ず は 生 産 過 程 の原 料 に対 す る閉 路循 環 と資源 の再 利 用 シス テ ム を構 築す る こ とで あ る。 企 業 の生 産 過 程 にお い て 、 流失 した原材 料 を 回収 し、適 当 な処 理 を し、 再び 原材 料 と して生 産 に投 入 、 で き る 限 り原 材 料利 用 率 を向上 させ 、 回収 コス トを低 下 させ 、 そ れ に、原 材 料 の 循 環利 用 を実 現す る こ とに よ る廃 棄 物 の減 量 化 と環境 原 価 の削 減 とい う「一 石 二 鳥」の効 果 が あ る。
また 、生 産技 術 の 要 求 に従 って 、 「一水 多用 」、即 ち水 質 の需 給 に よっ て分 けて使 用 し、 浄化 した 水 を重複 利 用 で き る。 更 に、 当該 企 業 で有 効利 用 で きな か っ た廃 棄 物 が他 社 に協 力 し、 よ り広 い範 囲 で 工業 廃 棄 物 を資源 化 す る。 これ に よっ て環 境 汚 染 の 防止 だ けで は な く、製 造原 価 も低 下 で き る25。加 え て技 術 の革 新 、 斬 新 な生 産 プ ロセ スの 開発 で あ る。即 ち、清 潔 生産 の原 則 と要 求 に基 づ き 、合 理 的 に原 材 料 の 規格 、生 産過 程 、技 術 条件 、設 備 様 式及 び 操 作 のマ ニ ュアル に対 す る改革 が必 要 あ り、生 産過 程 以 外 に汚 染 を削 除す るた め 、ハ イ テ ク技術 、斬 新 な生 産 プ ロセ ス の 開 発 を努 力 す べ き で あ る。20世 紀80年 代 以 来 、 中 国 で は化 学 業界 、 冶金 業 界 で清 潔 生 産 を試 み 、 顕 著 な環 境 効 果 を収 めた26。第 三 に は 、製 品構 造 の調整 が 必 要 で あ る。
25周 律 著 『清 潔 生 産 』2001年
、 中 国 環 境 科 学 出 版 社 、p.39。
28同 上
。 周 律(2001)、p.39。
国 際 経 営 フォ ー ラムNo.17
即 ち 、 清 潔 生 産 の 要 求 に基 づ き 、 工 業 製 品 の ラ イ フ サ イ ク ル を環 境 影 響 評 価 分 析 す べ き で あ る。
具 体 的 に は 、 製 品 の研 究 開発 か ら、 生 産 、 流 通 、 消 費 及 び 廃 棄 処 理 ま で の 各 段 階 を 環 境 影 響 評 価 分 析 す る。LCAの 実 施 に よ る 、 イ ン プ ッ トとア ウ トプ ッ トを把 握 し、 原 材 料 ・エ ネ ル ギ ー の 消 費 が 多 く 、 しか も環 境 負 荷 が 大 き い な製 品 を 、 即 時 調 整 や 生 産 中止 す べ き で あ る。 そ れ に 対 し、 生 態 に無 害 、 い わ ゆ る環 境 にや さ し く、
ク リー ン な 製 品 の 生 産 ・使 用 を 提 唱 す る 、 な ど を 考 え る。 最 後 に 、 環 境 管 理 シ ス テ ム の 強 化 で あ る。 即 ち 、ISO14000シ リー ズ の 徹 底 的 に 照 ら し、 生 産 過 程 に お け る 必 要 な 計 量 、 設 備 の 定 期 検 査 、 環 境 に 関 す る責 任 制 度 、 生 産 日程 ・操 作 マ ニ ュ ア ル の 改 善 、 技 術 の 革 新 、 光 熱 ・水 の節 約 、 原 材 料 等 の 生 産 準 備 の 合 理 性 、 従 業 員 の 教 育 訓 練 及 び イ ンセ ン テ ィ ブ の 実 施 、 な どが 考 え られ る。
LCCは 、 一 般 に 、 有 形 資 産 の 取 得 に あ た っ て 、 当 該 資 産 の 使 用 者 に と っ て の
「揺 籠 か ら墓 場 ま で の コ ス ト」 即 ち ライ フ サ イ クル ・コ ス トを 計 算 し 、 こ の コス トが 最 小 に な る投 資 案 を 採 択 す る方 法 と して 知 られ て い る27。LCCは 、 も と も と製 品 の 使 用 者 の 立 場 か ら考 案 され た も の で あ る。 購 入 金 額 が 相 対 的 に 高 額 で 使 用 年 数 の 長 い 設 備 資 産 を 対 象 と し、 購 入 金 額 と維 持 運 営 費 の 合 計 額 を 比 較 検 討 す る こ と を 目 的 と して い た 。 しか しな が ら、 環 境 規 制 の 強 化 に よ り製 造 業 者 に 対 して 販 売 した 製 品 の 回 収 ・処 分 責 任 が 求 め られ つ つ あ る現 状 で は 、 製 造 業 者 が こ の よ うな コ ス トを 考 慮 して 製 品 の 販 売 価 格 を決 定 す る こ とは 合 理 的 で あ る28。
LCCの 考 え 方 は 、1930年 頃 、 既 に ア メ リカ に 見 出 され る。 当時 、 ア メ リカ 会 計 検 査 院(CAO)が 、 総 コス ト(totalcost)を 考 慮 して 、 有 形 資 産 な ど の 調 達 の 判 定 を 行 っ て い た 。1960年 代 に入 り、 ア メ リカ 国 防 省 がLCCの 研 究 に 着 手 して い る。 国 防 省 の 委 託 研 究 に お い て 、LogisticManagementInstituteが こ の 分 野 の 研 究 に つ い て
LCCと い う語 を 始 め て 使 用 した29。
研 究 ・開 発(R&D)費 一 初 期 企 画 、 マ ー ケ ッ ト・リサ ー チ 、 フ ィ ー ジ ビ リテ ィ ・ス タ デ ィ 、 製 品 研 究 、 技 術 的 設 計 、 設 計 文 書 、 ソ フ トウ ェ ア 、 技 術 モ デ ル の テ ス ト・
評 価 、 及 び 関 連 管 理機 能 に 関 す る コ ス ト。
生 産 構 築 費 一IE及 び 作 業 解 析 、 生 産(政 策 、 組 み 立 て 、 テ ス ト)、 施 設 建 築 、 工 程 開 発 、 生 産 作 業 、 品 質 管 理 、 初 期 ロ ジ ス テ ィ ク ス 支 援 必 要 事 項(即 ち 、 顧 客 に
27河 野 正 男 著 『環 境 会 計 一 理 論 と 実 践 』2001年
、 中 央 経 済 社 、p.44。
28鈴 木 幸 毅 著 『環 境 会 計 と 情 報 開 示 』2000年
、 税 務 経 理 協 会 、p.94。
29前 掲 書
、 河 野 正 男 、p.44。
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研究論 文 ● 中国 にお ける清潔 生産 に関す る一考 察 対 す る ライ フサ イ クル 中の 支援 、 スペ ア ・パ ー ツ の生 産 等)の 費 用 。
運 用(使 用)及 び支 援(0&S)費 一 現 地 にお い て の シ ステ ム/製 品 の 消費 者 あ るい は使 用者 に よ る運 用(使 用)、 製 品 の物 流(販 売 、営 業 、輸 送 、輸 送 管 理)、 シ ステ ム/製 品の ライ フサ イ クル を通 じて の ロ ジス テ ィ クス支 援 の維 持(即 ち、顧 客 へ のサ ー ビス 、 補 給 支 援 、試 験 ・支 援用 機 器 、 輸 送 及 び 取 り扱 い 、 技 術 的 資 料 、施 設 、 シス テ ムの 改修 等)の 費 用。
改修 及 び廃 却 費一 ライ フサ イ クル を通 じて 修 理 不能 品 の廃 却 、 シ ステ ム/製 品 の 回収 、 資材 の リサ イ クル 、 そ の他 ロ ジステ ィ クス 支援 の 必 要事 項 に 関す る費 用。
ライ フサ イ クル ・コ ス トは、 本 質 的 に は 、 ライ フサ イ クル の各 段 階 の機 能 をま ず 明 確 に し、 これ ら機 能 ご との コス トを計算 し、年 ご との機 能別 コス トを求 め、 最 終 的 に ライ フサ イ クル 全般 にわ た りこれ らコス トを集 計 す る と求 め られ る もの で あ る。
ライ フサ イ クル ・コス トは全 直接 製 造者 及 び 消 費者 コス トを含 む もの で あ る3。。
4.3.清 潔 生産 にお け る環境 投 資 意 思決 定 一 北京 麦 酒公 司 の 場合
企 業 にお ける清 潔 生 産 の 実施 の手 順 と して は一 般 的 に準備 、審 査 、方 案 策 定 、 方 案 実施 段 階 と清 潔 生産 報 告 の編 制 の5段 階(因 み に 、4段 階 とい う説 もあ る)に 分 かれ て い る。 準 備 段 階 は宣伝 動 員 、教 育 、意 思決 定 、研 究 班 の結 成 、 実施 計 画 の 制 定及 び物 質 準備 な どが あ る。 審 査 段 階 は審 査 対象 の確 定 、 審 査 の 実施 が あ る。 方 案 の策 定段 階 は方 案 の募 集 、 方案 の選 別 、 可 能性 評 価 分 析 、方 案 の選 定 の4つ 部 分 が あ り、 そ の うち、 可能 性 評 価 分析 は方 案 の 紹 介 、技 術 ・環 境 ・経 済等 の実 行 可 能 性 評価 な どが あ る。 方案 の実 施 段 階 は方 案 実 施 、 実施 効 果 の評 価 と後期 行 動 な ど三 っ の部 分 を含 み 、 方 案 実施 の 内容 は実施 計 画 の制 定 、融 資 、着 手 実施 で あ る。 ま た 、 実施 効 果 の評 価 の 内容 は 追跡 分 析 と統計 整 理 で あ る。 加 えて 、後 期 行 動 の 内容 は後 期行 動 の計 画 の制 定 と組 織 の補 完 な どが含 まれ る。 清潔 生産 報告 の編制 の段 階 で は 、 清潔 生 産 の実施 に よって 環境 効 果 を ま とめ 、 関係 者 及 び 関 連機 関 に報 告 す る こ と と な る31。上述 の うち 、方 案 の策 定 段 階 に お い て 、 方 案 の経 済 可 能 性 評 価 分 析 の 内容 か ら清 潔 生 産 と環境 原 価 の 関係 を説 明す る こ とが で き る。
(1)企 業 の概 況
北 京 麦酒 公 司(以 下北 京 麦 酒 と略す)は 北京 市 の東 郊 外 の工 業 パ ー クに あ る。 清
30B .S.ブ ラ ン チ ャ ー ド著 、 宮 内 一 郎 訳 『ラ イ フ サ イ ク ル ・コ ス ト計 算 の 実 際 』1979年 、pp.8‑9。
3'現 状 に お い て 主 に 企 業 の 管 理 部 門 に 報 告 す る
。
国 際 経 営 フ ォ ー ラムNo.17
潔 生 産 の 実 施 前 の 時 点 で 、 従 業 員 数 は1551人 、 麦 酒 の 年 生 産 量10.25万 トン 、 生 産 高1.49億 元 で あ っ た 。 同社 は廃 水 の 年 排 出 量 が150万 トン 、 そ の 内COD2,300ト ン
とい う、 北 京 市 汚 水 制 御 の 重 点 企 業 で も あ っ た。 汚 染 を 喰 い 止 め る た め 、1993年 に 同 社 は 当 時 国 家 環 境 保 護 局 の 清 潔 生 産 の デ モ ン ス トレー シ ョ ン に 参 加 した。 第 二 工 場 に お け る 内 部 審 査 を 中 心 に 、 そ の 生 産 技 術 及 び 生 産 過 程 か ら排 出 した 汚 染 物 に 対 し、 清 潔 生 産 の 審 査 を 行 っ た 。 そ の 後 、27の 解 決 プ ラ ン を 提 出 した 。 そ の 内 、 製 品 構 造 の 調 整 プ ラ ン が4つ 、 原 ・副 材 料 投 入 の 制 御 に つ い て の プ ラ ン が6つ 、 内 部 管 理 の 強 化 を め ぐ る プ ラ ン が8つ 、 技 術 改 造 に 関 す る プ ラ ン が9つ とな っ た。
表4各 工 場 の 汚 染 物 の 排 出 状 況
部門 麦酒 生産 量
(万 トン)
麦酒 損失 率 (%)
単 位 水 使 用 率
Lq/O 単位COD排 出率
第 一工場 5.82 9.25 14.2 21.3
第 二工場 4.48 9.73 17 24
制御 ・補 助生 産部 門 1.06
出所:劉 清 ・呂航 等稿 「端末 処理 与清潔 生産的 比較 評述 」(「EOPと 清潔 生産 の比 較研究 」)
『環境 汚染 与防 治』2000年 、Vol.22、No.4、P.34。
注1:1ト ンに当た り麦 酒 の流 失 に よ る損失 を麦 酒損 失率 と称 す。 因み に、単位 水使用 率 は 、 1ト ン麦酒 当た りの水 の使用 量 を指 し、単位COD排 出率 は、一 トン麦 酒 当た りのCOD の排 出量 を意 味す る。
注2:第 二工場 の麦酒 損 失率 、単位 水使 用 率、 そ して単位COD排 出率 が問題 に な るた め、 同 社 はそ の工場 を重 点 と して 、清 潔 生産 を実施 した。
同 社 の 主 な 生 産 部 門 と して は 第 一 工 場(制 麦)、 第 二 工 場(発 酵 ・ろ過 ・充 填 ・出荷) と制 御 ・補 助 生 産 部 門 が あ る。 そ れ ら の 汚 染 物 の排 出 状 況 と各 生 産 過 程 か ら の廃 水 及 びCODの 排 出 状 況 は表4を 参 照 して い た だ き た い 。
表5清 潔 生 産 実 行 前 の 麦 酒 生 産 過 程 の 汚 染 排 出状 況
項 目 単位 1990年 1991年 1992年
麦酒生産量 万 トン 5,477 :t 10.23
単位製品排水量 トン/噸 酒 15.52 14.69 12.37
年排水量 万 トン 85 117.81 126.79
単位 製 品COD排 出量 kg/噸 酒 22.6
i・
10.18年COD排 出 量 トン 1237.S 1491:72 1043.45
出 所:同 上 。 劉 清 等 稿 。(2000)P.34。
注1.麦 酒 生 産 量=在 庫 量+出 荷 量
2.噸 と い う単 位 は 麦 酒 の 計 量 単 位 で 、 廃 水(cOD)排 出 量 の 単 位 を 区 別 の た め 、 こ こ で 筆 者 は 強 調 し た い 。
180
研究論 文 ● 中国 にお け る清潔 生産 に関す る一 考察 1994年 、 同 社 の15の 清 潔 生 産 プ ラ ン の ま と め に よ る と、966万 元 の 環 境 効 果 を収 め た 。 具 体 的 に は 、 缶 麦 酒 と樽 麦 酒 の 生 産 量 の 増 加 に よ る製 品 構 造 の 変 化 で あ り、
これ が 、 全 体 の 環 境 効 果 の73.5%を 占 め 、710万 元 の 付 加 価 値 を も た ら した 。 ま た 、 原 材 料 の 節 約 に よ る 環 境 効 果 は 全 体 の 環 境 効 果 の10.4%を 占 め 、100万 元 で あ っ た。
更 に 、 発 酵 ろ 過 に 関 す る技 術 改 造 に よ っ て156万 元 の 環 境 効 果 が あ り、 これ は 全 体 の16.1°/aを 占 め た 。 そ れ だ け で は な く 、 表6に 示 し た よ うに 、47,379ト ン のCODを 削 減 し、 清 潔 生 産 の 実 施 前 と比 較 して46%削 減 とい う環 境 効 果 が 達 成 で き た の で あ る 。
表6北 京 麦 酒 公 司 第 二 工 場 の 清 潔 生 産 に よ る 環 境 効 果 の 統 計
プ ラ ン 類 型
番号 清潔生産 の内容
環境効果
(万 元) coD 減少%
製品構
造調整 1 缶麦酒 と樽麦酒の増産 710 3.37
投 原 入 ・ の 副 制 材 御 料
2 原材 料 の貯蔵 ・運輸 ・損 失記録 の完備 に よ る消耗 の低 下
3 ビ ンの検 査 を設 け、 空 き瓶 の損 失抑 制 8.1
4 潤滑 剤 の保管者 の指定、 用量 の統制
r」 自動 添加 剤 セ ンサを取 り付 け、 洗浄 液 の定量化 6 新 た な ラベ ル と糊 の 開発
内 部 管理 の 強化
7 酒 損失 と汚染 物 の排 出の責任 制、 酒量充 填 の統制 roo 8 常 流 水(流 れ ば な し)禁 止 、 用 水 量 を チ ェ ッ ク
9 潤 滑設 備 の増 加 に よ る稼働率 の強 化
10 若 麦 酒、麦 酒粕 の 回収 39.2
11 瓶 と麦酒液 の温 度差 の統制 によ る麦酒 漏 れ防止 12 リンザ速度 の制 御 に よる麦 酒液 損失 の減少 技
改 造
13 コ ン ピ ュ ー タ 制 御 シ ス テ ム の 確 立
14 発酵 ろ過 の技術 改造 、酵母 機、 遠心分 離機 の増 設
15 合 156 49.3
合 966 473.8
出 所:同 上 。 劉 清 等 稿 。(2000)P.35。
(2)清 潔 生 産 の実施
この 工場 の清潔 生産 の 内容 は生 産技 術 、原 材 料 の 消耗 と生 産 管理 か ら着 手 し、 表6
国 際i経 営 フ ォ ー ラ ムNo.17
に示 した よ うに 、15項 目で 清 潔 生 産 を 実 施 した 。
表7単 位製 品対汚染物 の排 出及び酒損失 の対比
単位 糖化 発 酵 ・ろ 過 包装 合計
廃水 トン/噸 酒 1.15 9.8 4.34 15.29
COD kg/噸 酒 5.58 17.29 1 23.7
酒損失 % 1.53 5.85 4.15 11.53
出 所=同 上 。 劉 清 等 稿 。(2000)P.35。
こ こで 糖 化 、 発 酵 、 ろ過 、 包 装(パ ッ ケ ー ジ ン グ)を 特 に 重 視 した い 。 糖 化 の 過 程 に お い て 麦 芽 ・米 ・ホ ップ を糖 化 タ ン ク に 入 れ 、 麦 汁 を作 る 。 発 酵 過 程 は 麦 汁 を 冷 却 し、 酵 母 を添 加 し、 発 酵 させ る。 包 装 過 程 で は 麦 酒 を 殺 菌 し、 パ ッケ ー ジ ン グす
る。
3)第 二 工場 の清 潔 生産 にお け る環 境 投 資 意 思決 定
現 場 にお い て 、イ ンプ ッ トとア ウ トプ ッ トの平衡 とい う視 点 か ら得 られ た技 術 指 標 を業 界 の指 標 と比 較 分 析 した うえで 、製 品構 造 の調 整 を行 い 、 合理 的 に原 ・副材 料 を投入 し、 内部 管 理 の 強化 と設備 の技 術 改 造 を 中心 に、 清 潔 生産 プ ラ ンを 立案 し た。 こ こで 、表8を 参 照 して ほ しい。
① 典型 的 な無 投 資低 費 の プ ラン につ いて の 分析
清 潔 生 産 の 内部 審 査 の 際 に、 パ ッケ ー ジ ン グ に よっ て 、CODの 排 出量 が異 な っ て い る。
表8各 詰 め方 式 に よ る酒 損 失 及 びCOD排 出 量
詰め方式 酒 損失(%) 単 位 麦 酒COD排 出 量(kg)
ビン詰 め 4.4 60
缶詰め 1.00 13
樽詰め 3.00 9
出 所:同 上 。 劉 清 等 稿 。(2000)P.42。
表8に 示 した よ うに、缶 麦 酒 詰 め と ビン麦 酒 詰 めを比 較 す る と、缶 麦酒 詰 め の方 は単位 製 品 あた り酒 損 失 が 最 も小 さ く、CODの 排 出量 少 な い が わか っ た。 ビ ン詰 めの ほ うは酒 損 とCODの 排 出量 とも最 高値 で あ った。
同社 は酒 損 失 の低 下 、CODの 排 出量 の削 減 と麦酒 の付 加 価 値 の 向 上 の た め に、1
182
研 究論 文● 中国 にお ける清 潔 生産 に関す る一 考察 993年 以 来 、 缶 麦 酒 と樽 麦 酒 を 増 産 し、 企 業 の 経 済 効 果 と環 境 効 果 に 顕 著 な 業 績 を 収 め た 。1998年 と1993年 を比 べ る と、 パ ッケ ー ジ ン グ の 変 化 に よ っ て 、 単 位 酒 損 が 4.32%か ら2.8%に 低 下 し 、 年 間446ト ン の 麦 酒 を 節 約 し、 経 済 価 値 は710万 元 が 得 られ た 。 そ して 、 一 トン 当 た りの 単 位 麦 酒COD排 出 量 は59kgか ら40kgに 減 少 し、
削 減 率 は32.2%で 、575ト ン のCODを 削 減 した 。 こ の こ と は 、 他 の 要 素 は 全 く 同 じ 生 産 条 件 の 下 で 、 パ ッケ ー ジ ン グ の 変 化 させ る こ と に よ っ て の み 、 製 品構 造 の 調 整 を 行 っ て 、 実 現 した も の で あ る。 因 み に 、 同 社 は 内 部 管 理 の 強 化 を 通 して 、100万 元 の 環 境 効 果 を 捻 出 した こ と も あ っ た 。
② 高 費 用 プ ラ ン に つ い て の 効 果 分 析 一遠 心 分 離 機 の 増 設
発 酵 後 の 麦 汁 か ら麦 酒 に な る前 に は 、 麦 汁 の 中 に 酵 母 、 タ ンパ ク 質 な どの 異 物 が あ る た め 、 機 械 を用 い て 処 理 す る必 要 が あ る。 通 常 の 方 法 は ろ過 と遠 心 分 離 が あ り、
ケ イ ソ ウ土 ろ過 機 、棉 フ ィル タ ろ 過 機 、 薄 膜 ろ 過 機 と遠 心 ろ過 機 な ど を 用 い て 行 っ て い る 。
表9麦 酒 包 装(パ ッ ケ ー ジ ン グ)の 変 化 に よ る環 境 効 果 の 比 較
主な指標 1993年 1998年
ビ ン 缶 樽 合 ビ ン 缶 樽 合
生 産 量
(ト ン) 110379 2240 960 113579 14775 10647 4856 30278 酒 損失率
C%) 4.4 1 3 4.32 4.4 1 3 2.98
酒 損 失 量
(ト ン) 4857 22.4 ・ … 4908.2 650 106.5 X45.7 902.2
単 価
(元/ト ン) 1900 4200 3000 1917 1900 4200 3000 2361
酒 損価 値
(万元) 923 9.4 8.6 941 X24 45 44 213
単 位COD 発 生 量(kg /ト ン 酒)
so 13 39 59 60 13 39 40
COD発 生
総 量(ト ン) 6622 29 37 6688 887 138 189 1214
出 所:同 上 。 劉 清 等 稿 。(2000)P.42。