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超音波処理要旨.doc

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平成16年3月 第38回 日本水環境学会年会

超音波を用いた水の華(アオコ)の制御

西日本技術開発(株) 井芹 寧,三省水工(株) ○阿南 公幸 (株)太平環境科学センター 坂本 雅俊 Control of WaterBloom (Microcystis aeruginosa) by Ultrasonic wave. by Yasushi ISERI (West Japan Eng. Consultants. Inc.), Hiroyuki ANAN(Sansyou Suikou Inc. ) ,MasatoshiSAKAMOTO (Taihei Environmental Science Center)

1.はじめに 水域の景観,異臭味,毒性障害等を引き起こす水の 華(アオコ)に関しては,長年その対策法の検討が行 われており,曝気循環法や流動制御フェンス法等が適 用されている。しかしながら,全ての水域で効果が得 られるとは限らないこと,大規模設置工事及び維持管 理の手間を要すること等が課題となっている。一方, 小規模な池沼やため池でもアオコ発生が問題となって おり,アオコ制御効果のある簡易的な手法の開発が望 ま れ て い る 。 本 報 は , 野 外 実 験 水 槽 に お け る Microcystis aeruginosa が優占する水の華に関して, 小型超音波発生機を用いたアオコ制御実験を実施し, その結果を取りまとめたものである。 2.実験方法 アオコが定常的に発生する約5×4×0.7mのコン クリート製の野外水槽を処理区と未処理区に区分した。 処理区の水深約 0.1mの水深に超音波発生装置(三省 水工社 アクアソニック)を設置した。本装置は数種類 の超音波を広範囲に発生する特質を有する。 処 理 開 始 一 ヶ 月 後 に お い て 多 項 目 水 質 計 (HydroLabDS4)を用いて各区画の水質鉛直分布を測 定した後,それぞれ12 ヶ所の水深 0∼0.1m における 試料水を採取した。試料は混合サンプルとして水質及 び植物プランクトン組成分析に供した。また,各区画 の水面写真を用い画像処理によるアオコフロック発生 範囲の比較評価を行った。 3.実験結果及び考察 処理開始 20 日程度から両水域の差異が観察され, クロロフィルaにおいて,未処理区(0.290mg/L)に 対し処理区(0.022mg/L)と改善が認められた。全窒素, 全リン濃度は1/5 程度に減少した(表―1)。 植物プランクトン組成に関しても改善が認められ, 藍藻のMicrocystis aeruginosa が 1/120 程度に縮小し する一方,緑藻の増加傾向が示された。Oscillatoria angusta,渦鞭毛藻の Peridinium に関しては大きな 差異は認められなかった(表―2)。 水面のアオコフロックの発生範囲の画像処理による 定量化を行ったところ,未処理区はアオコフロックの 発生範囲が水面の27.6%であったのに対し,処理区は 2.3%で,景観的にも約 1/10 のアオコ抑制効果がある ことが明らかとなった(図−1)。 4.まとめ アオコが定常的に発生する野外実験水槽において超 音波処理を行ったところ,処理数十日以降,アオコの 増殖抑制効果が確認された。本法は,他手法と比較す ると管理が容易で,薬品を全く使用せず,二次的汚染 もない特徴等から,環境に優しい簡易的な富栄養化防 止対策手法として期待される。本装置は,室内純粋培 養系でも Microcystis の増殖抑制効果が確認されて いるが,現地設置実験においては,効果が不明確なケ ースもいくつか観察されていることから,今後,各種 条件下における実証実験を行い,確実に効果が得られ る設置条件を明確化する予定である。 表―1 水質調査結果 (mg/L) 項   目 未処理区 処理区 全窒素 13.3 2.79 全リン 1.22 0.161 亜硝酸態窒素 <0.005 <0.005 アンモニア態窒素 0.07 0.04 リン酸態リン 0.007 0.006 溶解性総窒素 1.62 1.55 溶解性全リン 0.061 0.063 有機態炭素 33 23 溶解性有機態炭素 20 20 クロロフィルa 0.29 0.022 表−2 主要植物プランクトン組成 (cells/mL) 綱 未 処 理 区 処 理 区 Chroococcus sp. 1 6 Microcystis aeruginosa 9,074,000 7 3 , 8 0 0 Microcystis wesenbergii 3 6 , 6 0 0 4,900 Anabaena sp. 4 8 0 Oscillatoria angusta 1 4 0 , 7 6 0 1 2 9 , 9 6 0 Peridinium sp.1 1 2 1 2 Peridinium sp.2 2 8 2 4 Golenkinia radiata 1 9 Scenedesmus a b u n d a n s 4 Scenedesmus acuminatus 1 6 Scenedesmus opoliensis 6 4 6 4 Dictyosphaerium pulchellum 6 4 Staurastrum biexcavatum 4 5 2 Euglena sp. 1 6 Chlamydomonas sp. 4 8 9,251,948 2 0 8 , 9 1 5 総 細 胞 数 種  名 緑 藻 藍 藻 渦 鞭 毛 そ の 他 図−1 アオコ発生分布画像処理結果

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超音波を用いた水の華(アオコ)の制御

西日本技術開発(株) 井芹 寧,三省水工(株) ○阿南 公幸 (株)太平環境科学センター 坂本 雅俊 Control of WaterBloom (Microcystis aeruginosa) by Ultrasonic wave. by Yasushi ISERI (West Japan Eng. Consultants. Inc.), Hiroyuki ANAN(Sansyou Suikou Inc. ) ,MasatoshiSAKAMOTO (Taihei Environmental Science Center)

1.はじめに 水域の景観,異臭味,毒性障害等を引き起こす水の 華(アオコ)に関しては,長年その対策法の検討が行 われており,曝気循環法や流動制御フェンス法等が適 用されている。しかしながら,全ての水域で効果が得 られるとは限らないこと,大規模設置工事及び維持管 理の手間を要すること等が課題となっている。一方, 小規模な池沼やため池でもアオコ発生が問題となって おり,アオコ制御効果のある簡易的な手法の開発が望 ま れ て い る 。 本 報 は , 野 外 実 験 水 槽 に お け る Microcystis aeruginosa が優占する水の華に関して, 小型超音波発生機を用いたアオコ制御実験を実施し, その結果を取りまとめたものである。 2.実験方法 アオコが定常的に発生する約5×4×0.7mのコン クリート製の野外水槽を処理区と未処理区に区分した。 処理区の水深約 0.1mの水深に超音波発生装置(三省 水工社 アクアソニック)を設置した。本装置は数種類 の超音波を広範囲に発生する特質を有する。 処 理 開 始 一 ヶ 月 後 に お い て 多 項 目 水 質 計 (HydroLabDS4)を用いて各区画の水質鉛直分布を測 定した後,それぞれ12 ヶ所の水深 0∼0.1m における 試料水を採取した。試料は混合サンプルとして水質及 び植物プランクトン組成分析に供した。また,各区画 の水面写真を用い画像処理によるアオコフロック発生 範囲の比較評価を行った。 3.実験結果及び考察 処理開始 20 日程度から両水域の差異が観察され, クロロフィルaにおいて,未処理区(0.290mg/L)に 対し処理区(0.022mg/L)と改善が認められた。全窒素, 全リン濃度は1/5 程度に減少した(表―1)。 植物プランクトン組成に関しても改善が認められ, 藍藻のMicrocystis aeruginosa が 1/120 程度に縮小し する一方,緑藻の増加傾向が示された。Oscillatoria angusta,渦鞭毛藻の Peridinium に関しては大きな 差異は認められなかった(表―2)。 水面のアオコフロックの発生範囲の画像処理による 定量化を行ったところ,未処理区はアオコフロックの 発生範囲が水面の27.6%であったのに対し,処理区は 2.3%で,景観的にも約 1/10 のアオコ抑制効果がある ことが明らかとなった(図−1)。 4.まとめ アオコが定常的に発生する野外実験水槽において超 音波処理を行ったところ,処理数十日以降,アオコの 増殖抑制効果が確認された。本法は,他手法と比較す ると管理が容易で,薬品を全く使用せず,二次的汚染 もない特徴等から,環境に優しい簡易的な富栄養化防 止対策手法として期待される。本装置は,室内純粋培 養系でも Microcystis の増殖抑制効果が確認されて いるが,現地設置実験においては,効果が不明確なケ ースもいくつか観察されていることから,今後,各種 条件下における実証実験を行い,確実に効果が得られ る設置条件を明確化する予定である。 表―1 水質調査結果 (mg/L) 項   目 未処理区 処理区 全窒素 13.3 2.79 全リン 1.22 0.161 亜硝酸態窒素 <0.005 <0.005 アンモニア態窒素 0.07 0.04 リン酸態リン 0.007 0.006 溶解性総窒素 1.62 1.55 溶解性全リン 0.061 0.063 有機態炭素 33 23 溶解性有機態炭素 20 20 クロロフィルa 0.29 0.022 表−2 主要植物プランクトン組成 (cells/mL) 綱 未 処 理 区 処 理 区 Chroococcus sp. 1 6 Microcystis aeruginosa 9,074,000 7 3 , 8 0 0 Microcystis wesenbergii 3 6 , 6 0 0 4,900 Anabaena sp. 4 8 0 Oscillatoria angusta 1 4 0 , 7 6 0 1 2 9 , 9 6 0 Peridinium sp.1 1 2 1 2 Peridinium sp.2 2 8 2 4 Golenkinia radiata 1 9 Scenedesmus a b u n d a n s 4 Scenedesmus acuminatus 1 6 Scenedesmus opoliensis 6 4 6 4 Dictyosphaerium pulchellum 6 4 Staurastrum biexcavatum 4 5 2 Euglena sp. 1 6 Chlamydomonas sp. 4 8 9,251,948 2 0 8 , 9 1 5 総 細 胞 数 種  名 緑 藻 藍 藻 渦 鞭 毛 そ の 他 図−1 アオコ発生分布画像処理結果

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超音波を用いた水の華(アオコ)の制御

西日本技術開発(株) 井芹 寧,三省水工(株) ○阿南 公幸 (株)太平環境科学センター 坂本 雅俊 Control of WaterBloom (Microcystis aeruginosa) by Ultrasonic wave. by Yasushi ISERI (West Japan Eng. Consultants. Inc.), Hiroyuki ANAN(Sansyou Suikou Inc. ) ,MasatoshiSAKAMOTO (Taihei Environmental Science Center)

1.はじめに 水域の景観,異臭味,毒性障害等を引き起こす水の 華(アオコ)に関しては,長年その対策法の検討が行 われており,曝気循環法や流動制御フェンス法等が適 用されている。しかしながら,全ての水域で効果が得 られるとは限らないこと,大規模設置工事及び維持管 理の手間を要すること等が課題となっている。一方, 小規模な池沼やため池でもアオコ発生が問題となって おり,アオコ制御効果のある簡易的な手法の開発が望 ま れ て い る 。 本 報 は , 野 外 実 験 水 槽 に お け る Microcystis aeruginosa が優占する水の華に関して, 小型超音波発生機を用いたアオコ制御実験を実施し, その結果を取りまとめたものである。 2.実験方法 アオコが定常的に発生する約5×4×0.7mのコン クリート製の野外水槽を処理区と未処理区に区分した。 処理区の水深約 0.1mの水深に超音波発生装置(三省 水工社 アクアソニック)を設置した。本装置は数種類 の超音波を広範囲に発生する特質を有する。 処 理 開 始 一 ヶ 月 後 に お い て 多 項 目 水 質 計 (HydroLabDS4)を用いて各区画の水質鉛直分布を測 定した後,それぞれ12 ヶ所の水深 0∼0.1m における 試料水を採取した。試料は混合サンプルとして水質及 び植物プランクトン組成分析に供した。また,各区画 の水面写真を用い画像処理によるアオコフロック発生 範囲の比較評価を行った。 3.実験結果及び考察 処理開始 20 日程度から両水域の差異が観察され, クロロフィルaにおいて,未処理区(0.290mg/L)に 対し処理区(0.022mg/L)と改善が認められた。全窒素, 全リン濃度は1/5 程度に減少した(表―1)。 植物プランクトン組成に関しても改善が認められ, 藍藻のMicrocystis aeruginosa が 1/120 程度に縮小し する一方,緑藻の増加傾向が示された。Oscillatoria angusta,渦鞭毛藻の Peridinium に関しては大きな 差異は認められなかった(表―2)。 水面のアオコフロックの発生範囲の画像処理による 定量化を行ったところ,未処理区はアオコフロックの 発生範囲が水面の27.6%であったのに対し,処理区は 2.3%で,景観的にも約 1/10 のアオコ抑制効果がある ことが明らかとなった(図−1)。 4.まとめ アオコが定常的に発生する野外実験水槽において超 音波処理を行ったところ,処理数十日以降,アオコの 増殖抑制効果が確認された。本法は,他手法と比較す ると管理が容易で,薬品を全く使用せず,二次的汚染 もない特徴等から,環境に優しい簡易的な富栄養化防 止対策手法として期待される。本装置は,室内純粋培 養系でも Microcystis の増殖抑制効果が確認されて いるが,現地設置実験においては,効果が不明確なケ ースもいくつか観察されていることから,今後,各種 条件下における実証実験を行い,確実に効果が得られ る設置条件を明確化する予定である。 表―1 水質調査結果 (mg/L) 項   目 未処理区 処理区 全窒素 13.3 2.79 全リン 1.22 0.161 亜硝酸態窒素 <0.005 <0.005 アンモニア態窒素 0.07 0.04 リン酸態リン 0.007 0.006 溶解性総窒素 1.62 1.55 溶解性全リン 0.061 0.063 有機態炭素 33 23 溶解性有機態炭素 20 20 クロロフィルa 0.29 0.022 表−2 主要植物プランクトン組成 (cells/mL) 綱 未 処 理 区 処 理 区 Chroococcus sp. 1 6 Microcystis aeruginosa 9,074,000 7 3 , 8 0 0 Microcystis wesenbergii 3 6 , 6 0 0 4,900 Anabaena sp. 4 8 0 Oscillatoria angusta 1 4 0 , 7 6 0 1 2 9 , 9 6 0 Peridinium sp.1 1 2 1 2 Peridinium sp.2 2 8 2 4 Golenkinia radiata 1 9 Scenedesmus a b u n d a n s 4 Scenedesmus acuminatus 1 6 Scenedesmus opoliensis 6 4 6 4 Dictyosphaerium pulchellum 6 4 Staurastrum biexcavatum 4 5 2 Euglena sp. 1 6 Chlamydomonas sp. 4 8 9,251,948 2 0 8 , 9 1 5 総 細 胞 数 種  名 緑 藻 藍 藻 渦 鞭 毛 そ の 他 図−1 アオコ発生分布画像処理結果

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西日本技術開発(株) 井芹 寧,三省水工(株) ○阿南 公幸 (株)太平環境科学センター 坂本 雅俊 Control of WaterBloom (Microcystis aeruginosa) by Ultrasonic wave. by Yasushi ISERI (West Japan Eng. Consultants. Inc.), Hiroyuki ANAN(Sansyou Suikou Inc. ) ,MasatoshiSAKAMOTO (Taihei Environmental Science Center)

1.はじめに 水域の景観,異臭味,毒性障害等を引き起こす水の 華(アオコ)に関しては,長年その対策法の検討が行 われており,曝気循環法や流動制御フェンス法等が適 用されている。しかしながら,全ての水域で効果が得 られるとは限らないこと,大規模設置工事及び維持管 理の手間を要すること等が課題となっている。一方, 小規模な池沼やため池でもアオコ発生が問題となって おり,アオコ制御効果のある簡易的な手法の開発が望 ま れ て い る 。 本 報 は , 野 外 実 験 水 槽 に お け る Microcystis aeruginosa が優占する水の華に関して, 小型超音波発生機を用いたアオコ制御実験を実施し, その結果を取りまとめたものである。 2.実験方法 アオコが定常的に発生する約5×4×0.7mのコン クリート製の野外水槽を処理区と未処理区に区分した。 処理区の水深約 0.1mの水深に超音波発生装置(三省 水工社 アクアソニック)を設置した。本装置は数種類 の超音波を広範囲に発生する特質を有する。 処 理 開 始 一 ヶ 月 後 に お い て 多 項 目 水 質 計 (HydroLabDS4)を用いて各区画の水質鉛直分布を測 定した後,それぞれ12 ヶ所の水深 0∼0.1m における 試料水を採取した。試料は混合サンプルとして水質及 び植物プランクトン組成分析に供した。また,各区画 の水面写真を用い画像処理によるアオコフロック発生 範囲の比較評価を行った。 3.実験結果及び考察 処理開始 20 日程度から両水域の差異が観察され, クロロフィルaにおいて,未処理区(0.290mg/L)に 対し処理区(0.022mg/L)と改善が認められた。全窒素, 全リン濃度は1/5 程度に減少した(表―1)。 植物プランクトン組成に関しても改善が認められ, 藍藻のMicrocystis aeruginosa が 1/120 程度に縮小し する一方,緑藻の増加傾向が示された。Oscillatoria angusta,渦鞭毛藻の Peridinium に関しては大きな 差異は認められなかった(表―2)。 水面のアオコフロックの発生範囲の画像処理による 定量化を行ったところ,未処理区はアオコフロックの 発生範囲が水面の27.6%であったのに対し,処理区は 2.3%で,景観的にも約 1/10 のアオコ抑制効果がある ことが明らかとなった(図−1)。 4.まとめ アオコが定常的に発生する野外実験水槽において超 音波処理を行ったところ,処理数十日以降,アオコの 増殖抑制効果が確認された。本法は,他手法と比較す ると管理が容易で,薬品を全く使用せず,二次的汚染 もない特徴等から,環境に優しい簡易的な富栄養化防 止対策手法として期待される。本装置は,室内純粋培 養系でも Microcystis の増殖抑制効果が確認されて いるが,現地設置実験においては,効果が不明確なケ ースもいくつか観察されていることから,今後,各種 条件下における実証実験を行い,確実に効果が得られ る設置条件を明確化する予定である。 表―1 水質調査結果 (mg/L) 項   目 未処理区 処理区 全窒素 13.3 2.79 全リン 1.22 0.161 亜硝酸態窒素 <0.005 <0.005 アンモニア態窒素 0.07 0.04 リン酸態リン 0.007 0.006 溶解性総窒素 1.62 1.55 溶解性全リン 0.061 0.063 有機態炭素 33 23 溶解性有機態炭素 20 20 クロロフィルa 0.29 0.022 表−2 主要植物プランクトン組成 (cells/mL) 綱 未 処 理 区 処 理 区 Chroococcus sp. 1 6 Microcystis aeruginosa 9,074,000 7 3 , 8 0 0 Microcystis wesenbergii 3 6 , 6 0 0 4,900 Anabaena sp. 4 8 0 Oscillatoria angusta 1 4 0 , 7 6 0 1 2 9 , 9 6 0 Peridinium sp.1 1 2 1 2 Peridinium sp.2 2 8 2 4 Golenkinia radiata 1 9 Scenedesmus a b u n d a n s 4 Scenedesmus acuminatus 1 6 Scenedesmus opoliensis 6 4 6 4 Dictyosphaerium pulchellum 6 4 Staurastrum biexcavatum 4 5 2 Euglena sp. 1 6 Chlamydomonas sp. 4 8 9,251,948 2 0 8 , 9 1 5 総 細 胞 数 種  名 緑 藻 藍 藻 渦 鞭 毛 そ の 他 図−1 アオコ発生分布画像処理結果

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西日本技術開発(株) 井芹 寧,三省水工(株) ○阿南 公幸 (株)太平環境科学センター 坂本 雅俊 Control of WaterBloom (Microcystis aeruginosa) by Ultrasonic wave. by Yasushi ISERI (West Japan Eng. Consultants. Inc.), Hiroyuki ANAN(Sansyou Suikou Inc. ) ,MasatoshiSAKAMOTO (Taihei Environmental Science Center)

1.はじめに 水域の景観,異臭味,毒性障害等を引き起こす水の 華(アオコ)に関しては,長年その対策法の検討が行 われており,曝気循環法や流動制御フェンス法等が適 用されている。しかしながら,全ての水域で効果が得 られるとは限らないこと,大規模設置工事及び維持管 理の手間を要すること等が課題となっている。一方, 小規模な池沼やため池でもアオコ発生が問題となって おり,アオコ制御効果のある簡易的な手法の開発が望 ま れ て い る 。 本 報 は , 野 外 実 験 水 槽 に お け る Microcystis aeruginosa が優占する水の華に関して, 小型超音波発生機を用いたアオコ制御実験を実施し, その結果を取りまとめたものである。 2.実験方法 アオコが定常的に発生する約5×4×0.7mのコン クリート製の野外水槽を処理区と未処理区に区分した。 処理区の水深約 0.1mの水深に超音波発生装置(三省 水工社 アクアソニック)を設置した。本装置は数種類 の超音波を広範囲に発生する特質を有する。 処 理 開 始 一 ヶ 月 後 に お い て 多 項 目 水 質 計 (HydroLabDS4)を用いて各区画の水質鉛直分布を測 定した後,それぞれ12 ヶ所の水深 0∼0.1m における 試料水を採取した。試料は混合サンプルとして水質及 び植物プランクトン組成分析に供した。また,各区画 の水面写真を用い画像処理によるアオコフロック発生 範囲の比較評価を行った。 3.実験結果及び考察 処理開始 20 日程度から両水域の差異が観察され, クロロフィルaにおいて,未処理区(0.290mg/L)に 対し処理区(0.022mg/L)と改善が認められた。全窒素, 全リン濃度は1/5 程度に減少した(表―1)。 植物プランクトン組成に関しても改善が認められ, 藍藻のMicrocystis aeruginosa が 1/120 程度に縮小し する一方,緑藻の増加傾向が示された。Oscillatoria angusta,渦鞭毛藻の Peridinium に関しては大きな 差異は認められなかった(表―2)。 水面のアオコフロックの発生範囲の画像処理による 定量化を行ったところ,未処理区はアオコフロックの 発生範囲が水面の27.6%であったのに対し,処理区は 2.3%で,景観的にも約 1/10 のアオコ抑制効果がある ことが明らかとなった(図−1)。 4.まとめ アオコが定常的に発生する野外実験水槽において超 音波処理を行ったところ,処理数十日以降,アオコの 増殖抑制効果が確認された。本法は,他手法と比較す ると管理が容易で,薬品を全く使用せず,二次的汚染 もない特徴等から,環境に優しい簡易的な富栄養化防 止対策手法として期待される。本装置は,室内純粋培 養系でも Microcystis の増殖抑制効果が確認されて いるが,現地設置実験においては,効果が不明確なケ ースもいくつか観察されていることから,今後,各種 条件下における実証実験を行い,確実に効果が得られ る設置条件を明確化する予定である。 表―1 水質調査結果 (mg/L) 項   目 未処理区 処理区 全窒素 13.3 2.79 全リン 1.22 0.161 亜硝酸態窒素 <0.005 <0.005 アンモニア態窒素 0.07 0.04 リン酸態リン 0.007 0.006 溶解性総窒素 1.62 1.55 溶解性全リン 0.061 0.063 有機態炭素 33 23 溶解性有機態炭素 20 20 クロロフィルa 0.29 0.022 表−2 主要植物プランクトン組成 (cells/mL) 綱 未 処 理 区 処 理 区 Chroococcus sp. 1 6 Microcystis aeruginosa 9,074,000 7 3 , 8 0 0 Microcystis wesenbergii 3 6 , 6 0 0 4,900 Anabaena sp. 4 8 0 Oscillatoria angusta 1 4 0 , 7 6 0 1 2 9 , 9 6 0 Peridinium sp.1 1 2 1 2 Peridinium sp.2 2 8 2 4 Golenkinia radiata 1 9 Scenedesmus a b u n d a n s 4 Scenedesmus acuminatus 1 6 Scenedesmus opoliensis 6 4 6 4 Dictyosphaerium pulchellum 6 4 Staurastrum biexcavatum 4 5 2 Euglena sp. 1 6 Chlamydomonas sp. 4 8 9,251,948 2 0 8 , 9 1 5 総 細 胞 数 種  名 緑 藻 藍 藻 渦 鞭 毛 そ の 他 図−1 アオコ発生分布画像処理結果

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超音波を用いた水の華(アオコ)の制御

西日本技術開発(株) 井芹 寧,三省水工(株) ○阿南 公幸 (株)太平環境科学センター 坂本 雅俊 Control of WaterBloom (Microcystis aeruginosa) by Ultrasonic wave. by Yasushi ISERI (West Japan Eng. Consultants. Inc.), Hiroyuki ANAN(Sansyou Suikou Inc. ) ,MasatoshiSAKAMOTO (Taihei Environmental Science Center)

1.はじめに 水域の景観,異臭味,毒性障害等を引き起こす水の 華(アオコ)に関しては,長年その対策法の検討が行 われており,曝気循環法や流動制御フェンス法等が適 用されている。しかしながら,全ての水域で効果が得 られるとは限らないこと,大規模設置工事及び維持管 理の手間を要すること等が課題となっている。一方, 小規模な池沼やため池でもアオコ発生が問題となって おり,アオコ制御効果のある簡易的な手法の開発が望 ま れ て い る 。 本 報 は , 野 外 実 験 水 槽 に お け る Microcystis aeruginosa が優占する水の華に関して, 小型超音波発生機を用いたアオコ制御実験を実施し, その結果を取りまとめたものである。 2.実験方法 アオコが定常的に発生する約5×4×0.7mのコン クリート製の野外水槽を処理区と未処理区に区分した。 処理区の水深約 0.1mの水深に超音波発生装置(三省 水工社 アクアソニック)を設置した。本装置は数種類 の超音波を広範囲に発生する特質を有する。 処 理 開 始 一 ヶ 月 後 に お い て 多 項 目 水 質 計 (HydroLabDS4)を用いて各区画の水質鉛直分布を測 定した後,それぞれ12 ヶ所の水深 0∼0.1m における 試料水を採取した。試料は混合サンプルとして水質及 び植物プランクトン組成分析に供した。また,各区画 の水面写真を用い画像処理によるアオコフロック発生 範囲の比較評価を行った。 3.実験結果及び考察 処理開始 20 日程度から両水域の差異が観察され, クロロフィルaにおいて,未処理区(0.290mg/L)に 対し処理区(0.022mg/L)と改善が認められた。全窒素, 全リン濃度は1/5 程度に減少した(表―1)。 植物プランクトン組成に関しても改善が認められ, 藍藻のMicrocystis aeruginosa が 1/120 程度に縮小し する一方,緑藻の増加傾向が示された。Oscillatoria angusta,渦鞭毛藻の Peridinium に関しては大きな 差異は認められなかった(表―2)。 水面のアオコフロックの発生範囲の画像処理による 定量化を行ったところ,未処理区はアオコフロックの 発生範囲が水面の27.6%であったのに対し,処理区は 2.3%で,景観的にも約 1/10 のアオコ抑制効果がある ことが明らかとなった(図−1)。 4.まとめ アオコが定常的に発生する野外実験水槽において超 音波処理を行ったところ,処理数十日以降,アオコの 増殖抑制効果が確認された。本法は,他手法と比較す ると管理が容易で,薬品を全く使用せず,二次的汚染 もない特徴等から,環境に優しい簡易的な富栄養化防 止対策手法として期待される。本装置は,室内純粋培 養系でも Microcystis の増殖抑制効果が確認されて いるが,現地設置実験においては,効果が不明確なケ ースもいくつか観察されていることから,今後,各種 条件下における実証実験を行い,確実に効果が得られ る設置条件を明確化する予定である。 表―1 水質調査結果 (mg/L) 項   目 未処理区 処理区 全窒素 13.3 2.79 全リン 1.22 0.161 亜硝酸態窒素 <0.005 <0.005 アンモニア態窒素 0.07 0.04 リン酸態リン 0.007 0.006 溶解性総窒素 1.62 1.55 溶解性全リン 0.061 0.063 有機態炭素 33 23 溶解性有機態炭素 20 20 クロロフィルa 0.29 0.022 表−2 主要植物プランクトン組成 (cells/mL) 綱 未 処 理 区 処 理 区 Chroococcus sp. 1 6 Microcystis aeruginosa 9,074,000 7 3 , 8 0 0 Microcystis wesenbergii 3 6 , 6 0 0 4,900 Anabaena sp. 4 8 0 Oscillatoria angusta 1 4 0 , 7 6 0 1 2 9 , 9 6 0 Peridinium sp.1 1 2 1 2 Peridinium sp.2 2 8 2 4 Golenkinia radiata 1 9 Scenedesmus a b u n d a n s 4 Scenedesmus acuminatus 1 6 Scenedesmus opoliensis 6 4 6 4 Dictyosphaerium pulchellum 6 4 Staurastrum biexcavatum 4 5 2 Euglena sp. 1 6 Chlamydomonas sp. 4 8 9,251,948 2 0 8 , 9 1 5 総 細 胞 数 種  名 緑 藻 藍 藻 渦 鞭 毛 そ の 他 図−1 アオコ発生分布画像処理結果

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超音波を用いた水の華(アオコ)の制御

西日本技術開発(株) 井芹 寧,三省水工(株) ○阿南 公幸 (株)太平環境科学センター 坂本 雅俊 Control of WaterBloom (Microcystis aeruginosa) by Ultrasonic wave. by Yasushi ISERI (West Japan Eng. Consultants. Inc.), Hiroyuki ANAN(Sansyou Suikou Inc. ) ,MasatoshiSAKAMOTO (Taihei Environmental Science Center)

1.はじめに 水域の景観,異臭味,毒性障害等を引き起こす水の 華(アオコ)に関しては,長年その対策法の検討が行 われており,曝気循環法や流動制御フェンス法等が適 用されている。しかしながら,全ての水域で効果が得 られるとは限らないこと,大規模設置工事及び維持管 理の手間を要すること等が課題となっている。一方, 小規模な池沼やため池でもアオコ発生が問題となって おり,アオコ制御効果のある簡易的な手法の開発が望 ま れ て い る 。 本 報 は , 野 外 実 験 水 槽 に お け る Microcystis aeruginosa が優占する水の華に関して, 小型超音波発生機を用いたアオコ制御実験を実施し, その結果を取りまとめたものである。 2.実験方法 アオコが定常的に発生する約5×4×0.7mのコン クリート製の野外水槽を処理区と未処理区に区分した。 処理区の水深約 0.1mの水深に超音波発生装置(三省 水工社 アクアソニック)を設置した。本装置は数種類 の超音波を広範囲に発生する特質を有する。 処 理 開 始 一 ヶ 月 後 に お い て 多 項 目 水 質 計 (HydroLabDS4)を用いて各区画の水質鉛直分布を測 定した後,それぞれ12 ヶ所の水深 0∼0.1m における 試料水を採取した。試料は混合サンプルとして水質及 び植物プランクトン組成分析に供した。また,各区画 の水面写真を用い画像処理によるアオコフロック発生 範囲の比較評価を行った。 3.実験結果及び考察 処理開始 20 日程度から両水域の差異が観察され, クロロフィルaにおいて,未処理区(0.290mg/L)に 対し処理区(0.022mg/L)と改善が認められた。全窒素, 全リン濃度は1/5 程度に減少した(表―1)。 植物プランクトン組成に関しても改善が認められ, 藍藻のMicrocystis aeruginosa が 1/120 程度に縮小し する一方,緑藻の増加傾向が示された。Oscillatoria angusta,渦鞭毛藻の Peridinium に関しては大きな 差異は認められなかった(表―2)。 水面のアオコフロックの発生範囲の画像処理による 定量化を行ったところ,未処理区はアオコフロックの 発生範囲が水面の27.6%であったのに対し,処理区は 2.3%で,景観的にも約 1/10 のアオコ抑制効果がある ことが明らかとなった(図−1)。 4.まとめ アオコが定常的に発生する野外実験水槽において超 音波処理を行ったところ,処理数十日以降,アオコの 増殖抑制効果が確認された。本法は,他手法と比較す ると管理が容易で,薬品を全く使用せず,二次的汚染 もない特徴等から,環境に優しい簡易的な富栄養化防 止対策手法として期待される。本装置は,室内純粋培 養系でも Microcystis の増殖抑制効果が確認されて いるが,現地設置実験においては,効果が不明確なケ ースもいくつか観察されていることから,今後,各種 条件下における実証実験を行い,確実に効果が得られ る設置条件を明確化する予定である。 表―1 水質調査結果 (mg/L) 項   目 未処理区 処理区 全窒素 13.3 2.79 全リン 1.22 0.161 亜硝酸態窒素 <0.005 <0.005 アンモニア態窒素 0.07 0.04 リン酸態リン 0.007 0.006 溶解性総窒素 1.62 1.55 溶解性全リン 0.061 0.063 有機態炭素 33 23 溶解性有機態炭素 20 20 クロロフィルa 0.29 0.022 表−2 主要植物プランクトン組成 (cells/mL) 綱 未 処 理 区 処 理 区 Chroococcus sp. 1 6 Microcystis aeruginosa 9,074,000 7 3 , 8 0 0 Microcystis wesenbergii 3 6 , 6 0 0 4,900 Anabaena sp. 4 8 0 Oscillatoria angusta 1 4 0 , 7 6 0 1 2 9 , 9 6 0 Peridinium sp.1 1 2 1 2 Peridinium sp.2 2 8 2 4 Golenkinia radiata 1 9 Scenedesmus a b u n d a n s 4 Scenedesmus acuminatus 1 6 Scenedesmus opoliensis 6 4 6 4 Dictyosphaerium pulchellum 6 4 Staurastrum biexcavatum 4 5 2 Euglena sp. 1 6 Chlamydomonas sp. 4 8 9,251,948 2 0 8 , 9 1 5 総 細 胞 数 種  名 緑 藻 藍 藻 渦 鞭 毛 そ の 他 図−1 アオコ発生分布画像処理結果

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西日本技術開発(株) 井芹 寧,三省水工(株) ○阿南 公幸 (株)太平環境科学センター 坂本 雅俊 Control of WaterBloom (Microcystis aeruginosa) by Ultrasonic wave. by Yasushi ISERI (West Japan Eng. Consultants. Inc.), Hiroyuki ANAN(Sansyou Suikou Inc. ) ,MasatoshiSAKAMOTO (Taihei Environmental Science Center)

1.はじめに 水域の景観,異臭味,毒性障害等を引き起こす水の 華(アオコ)に関しては,長年その対策法の検討が行 われており,曝気循環法や流動制御フェンス法等が適 用されている。しかしながら,全ての水域で効果が得 られるとは限らないこと,大規模設置工事及び維持管 理の手間を要すること等が課題となっている。一方, 小規模な池沼やため池でもアオコ発生が問題となって おり,アオコ制御効果のある簡易的な手法の開発が望 ま れ て い る 。 本 報 は , 野 外 実 験 水 槽 に お け る Microcystis aeruginosa が優占する水の華に関して, 小型超音波発生機を用いたアオコ制御実験を実施し, その結果を取りまとめたものである。 2.実験方法 アオコが定常的に発生する約5×4×0.7mのコン クリート製の野外水槽を処理区と未処理区に区分した。 処理区の水深約 0.1mの水深に超音波発生装置(三省 水工社 アクアソニック)を設置した。本装置は数種類 の超音波を広範囲に発生する特質を有する。 処 理 開 始 一 ヶ 月 後 に お い て 多 項 目 水 質 計 (HydroLabDS4)を用いて各区画の水質鉛直分布を測 定した後,それぞれ12 ヶ所の水深 0∼0.1m における 試料水を採取した。試料は混合サンプルとして水質及 び植物プランクトン組成分析に供した。また,各区画 の水面写真を用い画像処理によるアオコフロック発生 範囲の比較評価を行った。 3.実験結果及び考察 処理開始 20 日程度から両水域の差異が観察され, クロロフィルaにおいて,未処理区(0.290mg/L)に 対し処理区(0.022mg/L)と改善が認められた。全窒素, 全リン濃度は1/5 程度に減少した(表―1)。 植物プランクトン組成に関しても改善が認められ, 藍藻のMicrocystis aeruginosa が 1/120 程度に縮小し する一方,緑藻の増加傾向が示された。Oscillatoria angusta,渦鞭毛藻の Peridinium に関しては大きな 差異は認められなかった(表―2)。 水面のアオコフロックの発生範囲の画像処理による 定量化を行ったところ,未処理区はアオコフロックの 発生範囲が水面の27.6%であったのに対し,処理区は 2.3%で,景観的にも約 1/10 のアオコ抑制効果がある ことが明らかとなった(図−1)。 4.まとめ アオコが定常的に発生する野外実験水槽において超 音波処理を行ったところ,処理数十日以降,アオコの 増殖抑制効果が確認された。本法は,他手法と比較す ると管理が容易で,薬品を全く使用せず,二次的汚染 もない特徴等から,環境に優しい簡易的な富栄養化防 止対策手法として期待される。本装置は,室内純粋培 養系でも Microcystis の増殖抑制効果が確認されて いるが,現地設置実験においては,効果が不明確なケ ースもいくつか観察されていることから,今後,各種 条件下における実証実験を行い,確実に効果が得られ る設置条件を明確化する予定である。 表―1 水質調査結果 (mg/L) 項   目 未処理区 処理区 全窒素 13.3 2.79 全リン 1.22 0.161 亜硝酸態窒素 <0.005 <0.005 アンモニア態窒素 0.07 0.04 リン酸態リン 0.007 0.006 溶解性総窒素 1.62 1.55 溶解性全リン 0.061 0.063 有機態炭素 33 23 溶解性有機態炭素 20 20 クロロフィルa 0.29 0.022 表−2 主要植物プランクトン組成 (cells/mL) 綱 未 処 理 区 処 理 区 Chroococcus sp. 1 6 Microcystis aeruginosa 9,074,000 7 3 , 8 0 0 Microcystis wesenbergii 3 6 , 6 0 0 4,900 Anabaena sp. 4 8 0 Oscillatoria angusta 1 4 0 , 7 6 0 1 2 9 , 9 6 0 Peridinium sp.1 1 2 1 2 Peridinium sp.2 2 8 2 4 Golenkinia radiata 1 9 Scenedesmus a b u n d a n s 4 Scenedesmus acuminatus 1 6 Scenedesmus opoliensis 6 4 6 4 Dictyosphaerium pulchellum 6 4 Staurastrum biexcavatum 4 5 2 Euglena sp. 1 6 Chlamydomonas sp. 4 8 9,251,948 2 0 8 , 9 1 5 総 細 胞 数 種  名 緑 藻 藍 藻 渦 鞭 毛 そ の 他 図−1 アオコ発生分布画像処理結果

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西日本技術開発(株) 井芹 寧,三省水工(株) ○阿南 公幸 (株)太平環境科学センター 坂本 雅俊 Control of WaterBloom (Microcystis aeruginosa) by Ultrasonic wave. by Yasushi ISERI (West Japan Eng. Consultants. Inc.), Hiroyuki ANAN(Sansyou Suikou Inc. ) ,MasatoshiSAKAMOTO (Taihei Environmental Science Center)

1.はじめに 水域の景観,異臭味,毒性障害等を引き起こす水の 華(アオコ)に関しては,長年その対策法の検討が行 われており,曝気循環法や流動制御フェンス法等が適 用されている。しかしながら,全ての水域で効果が得 られるとは限らないこと,大規模設置工事及び維持管 理の手間を要すること等が課題となっている。一方, 小規模な池沼やため池でもアオコ発生が問題となって おり,アオコ制御効果のある簡易的な手法の開発が望 ま れ て い る 。 本 報 は , 野 外 実 験 水 槽 に お け る Microcystis aeruginosa が優占する水の華に関して, 小型超音波発生機を用いたアオコ制御実験を実施し, その結果を取りまとめたものである。 2.実験方法 アオコが定常的に発生する約5×4×0.7mのコン クリート製の野外水槽を処理区と未処理区に区分した。 処理区の水深約 0.1mの水深に超音波発生装置(三省 水工社 アクアソニック)を設置した。本装置は数種類 の超音波を広範囲に発生する特質を有する。 処 理 開 始 一 ヶ 月 後 に お い て 多 項 目 水 質 計 (HydroLabDS4)を用いて各区画の水質鉛直分布を測 定した後,それぞれ12 ヶ所の水深 0∼0.1m における 試料水を採取した。試料は混合サンプルとして水質及 び植物プランクトン組成分析に供した。また,各区画 の水面写真を用い画像処理によるアオコフロック発生 範囲の比較評価を行った。 3.実験結果及び考察 処理開始 20 日程度から両水域の差異が観察され, クロロフィルaにおいて,未処理区(0.290mg/L)に 対し処理区(0.022mg/L)と改善が認められた。全窒素, 全リン濃度は1/5 程度に減少した(表―1)。 植物プランクトン組成に関しても改善が認められ, 藍藻のMicrocystis aeruginosa が 1/120 程度に縮小し する一方,緑藻の増加傾向が示された。Oscillatoria angusta,渦鞭毛藻の Peridinium に関しては大きな 差異は認められなかった(表―2)。 水面のアオコフロックの発生範囲の画像処理による 定量化を行ったところ,未処理区はアオコフロックの 発生範囲が水面の27.6%であったのに対し,処理区は 2.3%で,景観的にも約 1/10 のアオコ抑制効果がある ことが明らかとなった(図−1)。 4.まとめ アオコが定常的に発生する野外実験水槽において超 音波処理を行ったところ,処理数十日以降,アオコの 増殖抑制効果が確認された。本法は,他手法と比較す ると管理が容易で,薬品を全く使用せず,二次的汚染 もない特徴等から,環境に優しい簡易的な富栄養化防 止対策手法として期待される。本装置は,室内純粋培 養系でも Microcystis の増殖抑制効果が確認されて いるが,現地設置実験においては,効果が不明確なケ ースもいくつか観察されていることから,今後,各種 条件下における実証実験を行い,確実に効果が得られ る設置条件を明確化する予定である。 表―1 水質調査結果 (mg/L) 項   目 未処理区 処理区 全窒素 13.3 2.79 全リン 1.22 0.161 亜硝酸態窒素 <0.005 <0.005 アンモニア態窒素 0.07 0.04 リン酸態リン 0.007 0.006 溶解性総窒素 1.62 1.55 溶解性全リン 0.061 0.063 有機態炭素 33 23 溶解性有機態炭素 20 20 クロロフィルa 0.29 0.022 表−2 主要植物プランクトン組成 (cells/mL) 綱 未 処 理 区 処 理 区 Chroococcus sp. 1 6 Microcystis aeruginosa 9,074,000 7 3 , 8 0 0 Microcystis wesenbergii 3 6 , 6 0 0 4,900 Anabaena sp. 4 8 0 Oscillatoria angusta 1 4 0 , 7 6 0 1 2 9 , 9 6 0 Peridinium sp.1 1 2 1 2 Peridinium sp.2 2 8 2 4 Golenkinia radiata 1 9 Scenedesmus a b u n d a n s 4 Scenedesmus acuminatus 1 6 Scenedesmus opoliensis 6 4 6 4 Dictyosphaerium pulchellum 6 4 Staurastrum biexcavatum 4 5 2 Euglena sp. 1 6 Chlamydomonas sp. 4 8 9,251,948 2 0 8 , 9 1 5 総 細 胞 数 種  名 緑 藻 藍 藻 渦 鞭 毛 そ の 他 図−1 アオコ発生分布画像処理結果

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1.はじめに 水域の景観,異臭味,毒性障害等を引き起こす水の 華(アオコ)に関しては,長年その対策法の検討が行 われており,曝気循環法や流動制御フェンス法等が適 用されている。しかしながら,全ての水域で効果が得 られるとは限らないこと,大規模設置工事及び維持管 理の手間を要すること等が課題となっている。一方, 小規模な池沼やため池でもアオコ発生が問題となって おり,アオコ制御効果のある簡易的な手法の開発が望 ま れ て い る 。 本 報 は , 野 外 実 験 水 槽 に お け る Microcystis aeruginosa が優占する水の華に関して, 小型超音波発生機を用いたアオコ制御実験を実施し, その結果を取りまとめたものである。 2.実験方法 アオコが定常的に発生する約5×4×0.7mのコン クリート製の野外水槽を処理区と未処理区に区分した。 処理区の水深約 0.1mの水深に超音波発生装置(三省 水工社 アクアソニック)を設置した。本装置は数種類 の超音波を広範囲に発生する特質を有する。 処 理 開 始 一 ヶ 月 後 に お い て 多 項 目 水 質 計 (HydroLabDS4)を用いて各区画の水質鉛直分布を測 定した後,それぞれ12 ヶ所の水深 0∼0.1m における 試料水を採取した。試料は混合サンプルとして水質及 び植物プランクトン組成分析に供した。また,各区画 の水面写真を用い画像処理によるアオコフロック発生 範囲の比較評価を行った。 3.実験結果及び考察 処理開始 20 日程度から両水域の差異が観察され, クロロフィルaにおいて,未処理区(0.290mg/L)に 対し処理区(0.022mg/L)と改善が認められた。全窒素, 全リン濃度は1/5 程度に減少した(表―1)。 植物プランクトン組成に関しても改善が認められ, 藍藻のMicrocystis aeruginosa が 1/120 程度に縮小し する一方,緑藻の増加傾向が示された。Oscillatoria angusta,渦鞭毛藻の Peridinium に関しては大きな 差異は認められなかった(表―2)。 水面のアオコフロックの発生範囲の画像処理による 定量化を行ったところ,未処理区はアオコフロックの 発生範囲が水面の27.6%であったのに対し,処理区は 2.3%で,景観的にも約 1/10 のアオコ抑制効果がある ことが明らかとなった(図−1)。 4.まとめ アオコが定常的に発生する野外実験水槽において超 音波処理を行ったところ,処理数十日以降,アオコの 増殖抑制効果が確認された。本法は,他手法と比較す ると管理が容易で,薬品を全く使用せず,二次的汚染 もない特徴等から,環境に優しい簡易的な富栄養化防 止対策手法として期待される。本装置は,室内純粋培 養系でも Microcystis の増殖抑制効果が確認されて いるが,現地設置実験においては,効果が不明確なケ ースもいくつか観察されていることから,今後,各種 条件下における実証実験を行い,確実に効果が得られ る設置条件を明確化する予定である。 表―1 水質調査結果 (mg/L) 項   目 未処理区 処理区 全窒素 13.3 2.79 全リン 1.22 0.161 亜硝酸態窒素 <0.005 <0.005 アンモニア態窒素 0.07 0.04 リン酸態リン 0.007 0.006 溶解性総窒素 1.62 1.55 溶解性全リン 0.061 0.063 有機態炭素 33 23 溶解性有機態炭素 20 20 クロロフィルa 0.29 0.022 表−2 主要植物プランクトン組成 (cells/mL) 綱 未 処 理 区 処 理 区 Chroococcus sp. 1 6 Microcystis aeruginosa 9,074,000 7 3 , 8 0 0 Microcystis wesenbergii 3 6 , 6 0 0 4,900 Anabaena sp. 4 8 0 Oscillatoria angusta 1 4 0 , 7 6 0 1 2 9 , 9 6 0 Peridinium sp.1 1 2 1 2 Peridinium sp.2 2 8 2 4 Golenkinia radiata 1 9 Scenedesmus a b u n d a n s 4 Scenedesmus acuminatus 1 6 Scenedesmus opoliensis 6 4 6 4 Dictyosphaerium pulchellum 6 4 Staurastrum biexcavatum 4 5 2 Euglena sp. 1 6 Chlamydomonas sp. 4 8 9,251,948 2 0 8 , 9 1 5 総 細 胞 数 種  名 緑 藻 藍 藻 渦 鞭 毛 そ の 他 図−1 アオコ発生分布画像処理結果

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超音波を用いた水の華(アオコ)の制御

西日本技術開発(株) 井芹 寧,三省水工(株) ○阿南 公幸 (株)太平環境科学センター 坂本 雅俊 Control of WaterBloom (Microcystis aeruginosa) by Ultrasonic wave. by Yasushi ISERI (West Japan Eng. Consultants. Inc.), Hiroyuki ANAN(Sansyou Suikou Inc. ) ,MasatoshiSAKAMOTO (Taihei Environmental Science Center)

1.はじめに 水域の景観,異臭味,毒性障害等を引き起こす水の 華(アオコ)に関しては,長年その対策法の検討が行 われており,曝気循環法や流動制御フェンス法等が適 用されている。しかしながら,全ての水域で効果が得 られるとは限らないこと,大規模設置工事及び維持管 理の手間を要すること等が課題となっている。一方, 小規模な池沼やため池でもアオコ発生が問題となって おり,アオコ制御効果のある簡易的な手法の開発が望 ま れ て い る 。 本 報 は , 野 外 実 験 水 槽 に お け る Microcystis aeruginosa が優占する水の華に関して, 小型超音波発生機を用いたアオコ制御実験を実施し, その結果を取りまとめたものである。 2.実験方法 アオコが定常的に発生する約5×4×0.7mのコン クリート製の野外水槽を処理区と未処理区に区分した。 処理区の水深約 0.1mの水深に超音波発生装置(三省 水工社 アクアソニック)を設置した。本装置は数種類 の超音波を広範囲に発生する特質を有する。 処 理 開 始 一 ヶ 月 後 に お い て 多 項 目 水 質 計 (HydroLabDS4)を用いて各区画の水質鉛直分布を測 定した後,それぞれ12 ヶ所の水深 0∼0.1m における 試料水を採取した。試料は混合サンプルとして水質及 び植物プランクトン組成分析に供した。また,各区画 の水面写真を用い画像処理によるアオコフロック発生 範囲の比較評価を行った。 3.実験結果及び考察 処理開始 20 日程度から両水域の差異が観察され, クロロフィルaにおいて,未処理区(0.290mg/L)に 対し処理区(0.022mg/L)と改善が認められた。全窒素, 全リン濃度は1/5 程度に減少した(表―1)。 植物プランクトン組成に関しても改善が認められ, 藍藻のMicrocystis aeruginosa が 1/120 程度に縮小し する一方,緑藻の増加傾向が示された。Oscillatoria angusta,渦鞭毛藻の Peridinium に関しては大きな 差異は認められなかった(表―2)。 水面のアオコフロックの発生範囲の画像処理による 定量化を行ったところ,未処理区はアオコフロックの 発生範囲が水面の27.6%であったのに対し,処理区は 2.3%で,景観的にも約 1/10 のアオコ抑制効果がある ことが明らかとなった(図−1)。 4.まとめ アオコが定常的に発生する野外実験水槽において超 音波処理を行ったところ,処理数十日以降,アオコの 増殖抑制効果が確認された。本法は,他手法と比較す ると管理が容易で,薬品を全く使用せず,二次的汚染 もない特徴等から,環境に優しい簡易的な富栄養化防 止対策手法として期待される。本装置は,室内純粋培 養系でも Microcystis の増殖抑制効果が確認されて いるが,現地設置実験においては,効果が不明確なケ ースもいくつか観察されていることから,今後,各種 条件下における実証実験を行い,確実に効果が得られ る設置条件を明確化する予定である。 表―1 水質調査結果 (mg/L) 項   目 未処理区 処理区 全窒素 13.3 2.79 全リン 1.22 0.161 亜硝酸態窒素 <0.005 <0.005 アンモニア態窒素 0.07 0.04 リン酸態リン 0.007 0.006 溶解性総窒素 1.62 1.55 溶解性全リン 0.061 0.063 有機態炭素 33 23 溶解性有機態炭素 20 20 クロロフィルa 0.29 0.022 表−2 主要植物プランクトン組成 (cells/mL) 綱 未 処 理 区 処 理 区 Chroococcus sp. 1 6 Microcystis aeruginosa 9,074,000 7 3 , 8 0 0 Microcystis wesenbergii 3 6 , 6 0 0 4,900 Anabaena sp. 4 8 0 Oscillatoria angusta 1 4 0 , 7 6 0 1 2 9 , 9 6 0 Peridinium sp.1 1 2 1 2 Peridinium sp.2 2 8 2 4 Golenkinia radiata 1 9 Scenedesmus a b u n d a n s 4 Scenedesmus acuminatus 1 6 Scenedesmus opoliensis 6 4 6 4 Dictyosphaerium pulchellum 6 4 Staurastrum biexcavatum 4 5 2 Euglena sp. 1 6 Chlamydomonas sp. 4 8 9,251,948 2 0 8 , 9 1 5 総 細 胞 数 種  名 緑 藻 藍 藻 渦 鞭 毛 そ の 他 図−1 アオコ発生分布画像処理結果

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超音波を用いた水の華(アオコ)の制御

西日本技術開発(株) 井芹 寧,三省水工(株) ○阿南 公幸 (株)太平環境科学センター 坂本 雅俊 Control of WaterBloom (Microcystis aeruginosa) by Ultrasonic wave. by Yasushi ISERI (West Japan Eng. Consultants. Inc.), Hiroyuki ANAN(Sansyou Suikou Inc. ) ,MasatoshiSAKAMOTO (Taihei Environmental Science Center)

1.はじめに 水域の景観,異臭味,毒性障害等を引き起こす水の 華(アオコ)に関しては,長年その対策法の検討が行 われており,曝気循環法や流動制御フェンス法等が適 用されている。しかしながら,全ての水域で効果が得 られるとは限らないこと,大規模設置工事及び維持管 理の手間を要すること等が課題となっている。一方, 小規模な池沼やため池でもアオコ発生が問題となって おり,アオコ制御効果のある簡易的な手法の開発が望 ま れ て い る 。 本 報 は , 野 外 実 験 水 槽 に お け る Microcystis aeruginosa が優占する水の華に関して, 小型超音波発生機を用いたアオコ制御実験を実施し, その結果を取りまとめたものである。 2.実験方法 アオコが定常的に発生する約5×4×0.7mのコン クリート製の野外水槽を処理区と未処理区に区分した。 処理区の水深約 0.1mの水深に超音波発生装置(三省 水工社 アクアソニック)を設置した。本装置は数種類 の超音波を広範囲に発生する特質を有する。 処 理 開 始 一 ヶ 月 後 に お い て 多 項 目 水 質 計 (HydroLabDS4)を用いて各区画の水質鉛直分布を測 定した後,それぞれ12 ヶ所の水深 0∼0.1m における 試料水を採取した。試料は混合サンプルとして水質及 び植物プランクトン組成分析に供した。また,各区画 の水面写真を用い画像処理によるアオコフロック発生 範囲の比較評価を行った。 3.実験結果及び考察 処理開始 20 日程度から両水域の差異が観察され, クロロフィルaにおいて,未処理区(0.290mg/L)に 対し処理区(0.022mg/L)と改善が認められた。全窒素, 全リン濃度は1/5 程度に減少した(表―1)。 植物プランクトン組成に関しても改善が認められ, 藍藻のMicrocystis aeruginosa が 1/120 程度に縮小し する一方,緑藻の増加傾向が示された。Oscillatoria angusta,渦鞭毛藻の Peridinium に関しては大きな 差異は認められなかった(表―2)。 水面のアオコフロックの発生範囲の画像処理による 定量化を行ったところ,未処理区はアオコフロックの 発生範囲が水面の27.6%であったのに対し,処理区は 2.3%で,景観的にも約 1/10 のアオコ抑制効果がある ことが明らかとなった(図−1)。 4.まとめ アオコが定常的に発生する野外実験水槽において超 音波処理を行ったところ,処理数十日以降,アオコの 増殖抑制効果が確認された。本法は,他手法と比較す ると管理が容易で,薬品を全く使用せず,二次的汚染 もない特徴等から,環境に優しい簡易的な富栄養化防 止対策手法として期待される。本装置は,室内純粋培 養系でも Microcystis の増殖抑制効果が確認されて いるが,現地設置実験においては,効果が不明確なケ ースもいくつか観察されていることから,今後,各種 条件下における実証実験を行い,確実に効果が得られ る設置条件を明確化する予定である。 表―1 水質調査結果 (mg/L) 項   目 未処理区 処理区 全窒素 13.3 2.79 全リン 1.22 0.161 亜硝酸態窒素 <0.005 <0.005 アンモニア態窒素 0.07 0.04 リン酸態リン 0.007 0.006 溶解性総窒素 1.62 1.55 溶解性全リン 0.061 0.063 有機態炭素 33 23 溶解性有機態炭素 20 20 クロロフィルa 0.29 0.022 表−2 主要植物プランクトン組成 (cells/mL) 綱 未 処 理 区 処 理 区 Chroococcus sp. 1 6 Microcystis aeruginosa 9,074,000 7 3 , 8 0 0 Microcystis wesenbergii 3 6 , 6 0 0 4,900 Anabaena sp. 4 8 0 Oscillatoria angusta 1 4 0 , 7 6 0 1 2 9 , 9 6 0 Peridinium sp.1 1 2 1 2 Peridinium sp.2 2 8 2 4 Golenkinia radiata 1 9 Scenedesmus a b u n d a n s 4 Scenedesmus acuminatus 1 6 Scenedesmus opoliensis 6 4 6 4 Dictyosphaerium pulchellum 6 4 Staurastrum biexcavatum 4 5 2 Euglena sp. 1 6 Chlamydomonas sp. 4 8 9,251,948 2 0 8 , 9 1 5 総 細 胞 数 種  名 緑 藻 藍 藻 渦 鞭 毛 そ の 他 図−1 アオコ発生分布画像処理結果

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西日本技術開発(株) 井芹 寧,三省水工(株) ○阿南 公幸 (株)太平環境科学センター 坂本 雅俊 Control of WaterBloom (Microcystis aeruginosa) by Ultrasonic wave. by Yasushi ISERI (West Japan Eng. Consultants. Inc.), Hiroyuki ANAN(Sansyou Suikou Inc. ) ,MasatoshiSAKAMOTO (Taihei Environmental Science Center)

1.はじめに 水域の景観,異臭味,毒性障害等を引き起こす水の 華(アオコ)に関しては,長年その対策法の検討が行 われており,曝気循環法や流動制御フェンス法等が適 用されている。しかしながら,全ての水域で効果が得 られるとは限らないこと,大規模設置工事及び維持管 理の手間を要すること等が課題となっている。一方, 小規模な池沼やため池でもアオコ発生が問題となって おり,アオコ制御効果のある簡易的な手法の開発が望 ま れ て い る 。 本 報 は , 野 外 実 験 水 槽 に お け る Microcystis aeruginosa が優占する水の華に関して, 小型超音波発生機を用いたアオコ制御実験を実施し, その結果を取りまとめたものである。 2.実験方法 アオコが定常的に発生する約5×4×0.7mのコン クリート製の野外水槽を処理区と未処理区に区分した。 処理区の水深約 0.1mの水深に超音波発生装置(三省 水工社 アクアソニック)を設置した。本装置は数種類 の超音波を広範囲に発生する特質を有する。 処 理 開 始 一 ヶ 月 後 に お い て 多 項 目 水 質 計 (HydroLabDS4)を用いて各区画の水質鉛直分布を測 定した後,それぞれ12 ヶ所の水深 0∼0.1m における 試料水を採取した。試料は混合サンプルとして水質及 び植物プランクトン組成分析に供した。また,各区画 の水面写真を用い画像処理によるアオコフロック発生 範囲の比較評価を行った。 3.実験結果及び考察 処理開始 20 日程度から両水域の差異が観察され, クロロフィルaにおいて,未処理区(0.290mg/L)に 対し処理区(0.022mg/L)と改善が認められた。全窒素, 全リン濃度は1/5 程度に減少した(表―1)。 植物プランクトン組成に関しても改善が認められ, 藍藻のMicrocystis aeruginosa が 1/120 程度に縮小し する一方,緑藻の増加傾向が示された。Oscillatoria angusta,渦鞭毛藻の Peridinium に関しては大きな 差異は認められなかった(表―2)。 水面のアオコフロックの発生範囲の画像処理による 定量化を行ったところ,未処理区はアオコフロックの 発生範囲が水面の27.6%であったのに対し,処理区は 2.3%で,景観的にも約 1/10 のアオコ抑制効果がある ことが明らかとなった(図−1)。 4.まとめ アオコが定常的に発生する野外実験水槽において超 音波処理を行ったところ,処理数十日以降,アオコの 増殖抑制効果が確認された。本法は,他手法と比較す ると管理が容易で,薬品を全く使用せず,二次的汚染 もない特徴等から,環境に優しい簡易的な富栄養化防 止対策手法として期待される。本装置は,室内純粋培 養系でも Microcystis の増殖抑制効果が確認されて いるが,現地設置実験においては,効果が不明確なケ ースもいくつか観察されていることから,今後,各種 条件下における実証実験を行い,確実に効果が得られ る設置条件を明確化する予定である。 表―1 水質調査結果 (mg/L) 項   目 未処理区 処理区 全窒素 13.3 2.79 全リン 1.22 0.161 亜硝酸態窒素 <0.005 <0.005 アンモニア態窒素 0.07 0.04 リン酸態リン 0.007 0.006 溶解性総窒素 1.62 1.55 溶解性全リン 0.061 0.063 有機態炭素 33 23 溶解性有機態炭素 20 20 クロロフィルa 0.29 0.022 表−2 主要植物プランクトン組成 (cells/mL) 綱 未 処 理 区 処 理 区 Chroococcus sp. 1 6 Microcystis aeruginosa 9,074,000 7 3 , 8 0 0 Microcystis wesenbergii 3 6 , 6 0 0 4,900 Anabaena sp. 4 8 0 Oscillatoria angusta 1 4 0 , 7 6 0 1 2 9 , 9 6 0 Peridinium sp.1 1 2 1 2 Peridinium sp.2 2 8 2 4 Golenkinia radiata 1 9 Scenedesmus a b u n d a n s 4 Scenedesmus acuminatus 1 6 Scenedesmus opoliensis 6 4 6 4 Dictyosphaerium pulchellum 6 4 Staurastrum biexcavatum 4 5 2 Euglena sp. 1 6 Chlamydomonas sp. 4 8 9,251,948 2 0 8 , 9 1 5 総 細 胞 数 種  名 緑 藻 藍 藻 渦 鞭 毛 そ の 他 図−1 アオコ発生分布画像処理結果

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西日本技術開発(株) 井芹 寧,三省水工(株) ○阿南 公幸 (株)太平環境科学センター 坂本 雅俊 Control of WaterBloom (Microcystis aeruginosa) by Ultrasonic wave. by Yasushi ISERI (West Japan Eng. Consultants. Inc.), Hiroyuki ANAN(Sansyou Suikou Inc. ) ,MasatoshiSAKAMOTO (Taihei Environmental Science Center)

1.はじめに 水域の景観,異臭味,毒性障害等を引き起こす水の 華(アオコ)に関しては,長年その対策法の検討が行 われており,曝気循環法や流動制御フェンス法等が適 用されている。しかしながら,全ての水域で効果が得 られるとは限らないこと,大規模設置工事及び維持管 理の手間を要すること等が課題となっている。一方, 小規模な池沼やため池でもアオコ発生が問題となって おり,アオコ制御効果のある簡易的な手法の開発が望 ま れ て い る 。 本 報 は , 野 外 実 験 水 槽 に お け る Microcystis aeruginosa が優占する水の華に関して, 小型超音波発生機を用いたアオコ制御実験を実施し, その結果を取りまとめたものである。 2.実験方法 アオコが定常的に発生する約5×4×0.7mのコン クリート製の野外水槽を処理区と未処理区に区分した。 処理区の水深約 0.1mの水深に超音波発生装置(三省 水工社 アクアソニック)を設置した。本装置は数種類 の超音波を広範囲に発生する特質を有する。 処 理 開 始 一 ヶ 月 後 に お い て 多 項 目 水 質 計 (HydroLabDS4)を用いて各区画の水質鉛直分布を測 定した後,それぞれ12 ヶ所の水深 0∼0.1m における 試料水を採取した。試料は混合サンプルとして水質及 び植物プランクトン組成分析に供した。また,各区画 の水面写真を用い画像処理によるアオコフロック発生 範囲の比較評価を行った。 3.実験結果及び考察 処理開始 20 日程度から両水域の差異が観察され, クロロフィルaにおいて,未処理区(0.290mg/L)に 対し処理区(0.022mg/L)と改善が認められた。全窒素, 全リン濃度は1/5 程度に減少した(表―1)。 植物プランクトン組成に関しても改善が認められ, 藍藻のMicrocystis aeruginosa が 1/120 程度に縮小し する一方,緑藻の増加傾向が示された。Oscillatoria angusta,渦鞭毛藻の Peridinium に関しては大きな 差異は認められなかった(表―2)。 水面のアオコフロックの発生範囲の画像処理による 定量化を行ったところ,未処理区はアオコフロックの 発生範囲が水面の27.6%であったのに対し,処理区は 2.3%で,景観的にも約 1/10 のアオコ抑制効果がある ことが明らかとなった(図−1)。 4.まとめ アオコが定常的に発生する野外実験水槽において超 音波処理を行ったところ,処理数十日以降,アオコの 増殖抑制効果が確認された。本法は,他手法と比較す ると管理が容易で,薬品を全く使用せず,二次的汚染 もない特徴等から,環境に優しい簡易的な富栄養化防 止対策手法として期待される。本装置は,室内純粋培 養系でも Microcystis の増殖抑制効果が確認されて いるが,現地設置実験においては,効果が不明確なケ ースもいくつか観察されていることから,今後,各種 条件下における実証実験を行い,確実に効果が得られ る設置条件を明確化する予定である。 表―1 水質調査結果 (mg/L) 項   目 未処理区 処理区 全窒素 13.3 2.79 全リン 1.22 0.161 亜硝酸態窒素 <0.005 <0.005 アンモニア態窒素 0.07 0.04 リン酸態リン 0.007 0.006 溶解性総窒素 1.62 1.55 溶解性全リン 0.061 0.063 有機態炭素 33 23 溶解性有機態炭素 20 20 クロロフィルa 0.29 0.022 表−2 主要植物プランクトン組成 (cells/mL) 綱 未 処 理 区 処 理 区 Chroococcus sp. 1 6 Microcystis aeruginosa 9,074,000 7 3 , 8 0 0 Microcystis wesenbergii 3 6 , 6 0 0 4,900 Anabaena sp. 4 8 0 Oscillatoria angusta 1 4 0 , 7 6 0 1 2 9 , 9 6 0 Peridinium sp.1 1 2 1 2 Peridinium sp.2 2 8 2 4 Golenkinia radiata 1 9 Scenedesmus a b u n d a n s 4 Scenedesmus acuminatus 1 6 Scenedesmus opoliensis 6 4 6 4 Dictyosphaerium pulchellum 6 4 Staurastrum biexcavatum 4 5 2 Euglena sp. 1 6 Chlamydomonas sp. 4 8 9,251,948 2 0 8 , 9 1 5 総 細 胞 数 種  名 緑 藻 藍 藻 渦 鞭 毛 そ の 他 図−1 アオコ発生分布画像処理結果

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1.はじめに 水域の景観,異臭味,毒性障害等を引き起こす水の 華(アオコ)に関しては,長年その対策法の検討が行 われており,曝気循環法や流動制御フェンス法等が適 用されている。しかしながら,全ての水域で効果が得 られるとは限らないこと,大規模設置工事及び維持管 理の手間を要すること等が課題となっている。一方, 小規模な池沼やため池でもアオコ発生が問題となって おり,アオコ制御効果のある簡易的な手法の開発が望 ま れ て い る 。 本 報 は , 野 外 実 験 水 槽 に お け る Microcystis aeruginosa が優占する水の華に関して, 小型超音波発生機を用いたアオコ制御実験を実施し, その結果を取りまとめたものである。 2.実験方法 アオコが定常的に発生する約5×4×0.7mのコン クリート製の野外水槽を処理区と未処理区に区分した。 処理区の水深約 0.1mの水深に超音波発生装置(三省 水工社 アクアソニック)を設置した。本装置は数種類 の超音波を広範囲に発生する特質を有する。 処 理 開 始 一 ヶ 月 後 に お い て 多 項 目 水 質 計 (HydroLabDS4)を用いて各区画の水質鉛直分布を測 定した後,それぞれ12 ヶ所の水深 0∼0.1m における 試料水を採取した。試料は混合サンプルとして水質及 び植物プランクトン組成分析に供した。また,各区画 の水面写真を用い画像処理によるアオコフロック発生 範囲の比較評価を行った。 3.実験結果及び考察 処理開始 20 日程度から両水域の差異が観察され, クロロフィルaにおいて,未処理区(0.290mg/L)に 対し処理区(0.022mg/L)と改善が認められた。全窒素, 全リン濃度は1/5 程度に減少した(表―1)。 植物プランクトン組成に関しても改善が認められ, 藍藻のMicrocystis aeruginosa が 1/120 程度に縮小し する一方,緑藻の増加傾向が示された。Oscillatoria angusta,渦鞭毛藻の Peridinium に関しては大きな 差異は認められなかった(表―2)。 水面のアオコフロックの発生範囲の画像処理による 定量化を行ったところ,未処理区はアオコフロックの 発生範囲が水面の27.6%であったのに対し,処理区は 2.3%で,景観的にも約 1/10 のアオコ抑制効果がある ことが明らかとなった(図−1)。 4.まとめ アオコが定常的に発生する野外実験水槽において超 音波処理を行ったところ,処理数十日以降,アオコの 増殖抑制効果が確認された。本法は,他手法と比較す ると管理が容易で,薬品を全く使用せず,二次的汚染 もない特徴等から,環境に優しい簡易的な富栄養化防 止対策手法として期待される。本装置は,室内純粋培 養系でも Microcystis の増殖抑制効果が確認されて いるが,現地設置実験においては,効果が不明確なケ ースもいくつか観察されていることから,今後,各種 条件下における実証実験を行い,確実に効果が得られ る設置条件を明確化する予定である。 表―1 水質調査結果 (mg/L) 項   目 未処理区 処理区 全窒素 13.3 2.79 全リン 1.22 0.161 亜硝酸態窒素 <0.005 <0.005 アンモニア態窒素 0.07 0.04 リン酸態リン 0.007 0.006 溶解性総窒素 1.62 1.55 溶解性全リン 0.061 0.063 有機態炭素 33 23 溶解性有機態炭素 20 20 クロロフィルa 0.29 0.022 表−2 主要植物プランクトン組成 (cells/mL) 綱 未 処 理 区 処 理 区 Chroococcus sp. 1 6 Microcystis aeruginosa 9,074,000 7 3 , 8 0 0 Microcystis wesenbergii 3 6 , 6 0 0 4,900 Anabaena sp. 4 8 0 Oscillatoria angusta 1 4 0 , 7 6 0 1 2 9 , 9 6 0 Peridinium sp.1 1 2 1 2 Peridinium sp.2 2 8 2 4 Golenkinia radiata 1 9 Scenedesmus a b u n d a n s 4 Scenedesmus acuminatus 1 6 Scenedesmus opoliensis 6 4 6 4 Dictyosphaerium pulchellum 6 4 Staurastrum biexcavatum 4 5 2 Euglena sp. 1 6 Chlamydomonas sp. 4 8 9,251,948 2 0 8 , 9 1 5 総 細 胞 数 種  名 緑 藻 藍 藻 渦 鞭 毛 そ の 他 図−1 アオコ発生分布画像処理結果

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