• 検索結果がありません。

橡12年度日中懇談会報告書(表紙・目次).PDF

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "橡12年度日中懇談会報告書(表紙・目次).PDF"

Copied!
85
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

平成12年度環境省委託

日中環境協力情報交流事業報告書

平成13年3月

(2)

本報告書を始め、日中環境協力に関する各種の情報は下記 の環境省ウェブサイトにおいて提供されています。

(3)

まえがき

本報告書は、平成12年度環境省委託「日中環境協力推進(チャイナカウン

シル支援等)事業」のうち、日中環境協力情報交流事業についてとりまとめた

ものである。

中国に対する環境協力については、近年ますますその重要性が増していると

同時に、政府レベルでは、日中環境開発モデル都市構想等大型環境協力案件が

始動し、地方自治体や民間レベルでも多くの環境協力事業が進展しているとこ

ろであるが、効果的な環境協力を行うため、このような各主体の連携が求めら

れている。

このような背景から、日中環境協力に携わる、関係省庁、公益法人、NGO、

企業の関係者による、インフォーマルな定例懇談会を平成12年6月より毎月

開催した。

具体的には、毎回、2名程度の講師による講演ののち、意見交換を行う形態

を採ったが、各講師による率直な活動状況の紹介と忌憚のない意見交換により

相互の情報交換と交流を図ることが出来たと考えている。

日中環境協力はもとより幅広い分野であり、今年度の活動のみで日中環境協

力の全容を把握できるものではないが、今回の定例懇談会においても、かなり、

同種のテーマ・形態で実施している活動もみられることから、各々の主体性を

阻害しない前提で、具体的な連携強化を今後検討する必要があろう。

なお、本報告書は当センターの責任において作成されたものであり、環境省

をはじめ、講演者が所属する関係省庁・団体等の見解、または立場を反映する

ものではないことを付記しておきたい。

社団法人海外環境協力センター

理 事 長 森 仁 美

(4)

目 次

第1章 日中環境協力関係者定例懇談会の概要 ... 1 (1) 第1回日中環境協力関係者定例懇談会概要(平成12年6月21日(水)) ... 3 講演1: 中国の環境産業育成支援について (財)日中経済協会業務部長 関 誠氏 講演2: 「中国の環境産業に関する国際会議」参加報告 九州大学工学部教授 井村 秀文氏 意見交換 (2) 第2回日中環境協力関係者定例懇談会概要(平成12年7月7日(金)) ... 9 講演1: 中国黄土高原での緑化協力 緑の地球ネットワーク事務局長 高見 邦雄氏 講演2: 中国内蒙古ホルチン沙漠における沙漠化防治事業 日本バイオビレッジ協会会長 長濱 直氏 意見交換 (3) 日中環境協力関係者定例懇談会特別会概要(平成12年8月4日(金)) ... 14 講演1: 中国の環境法制度の近年の動向 中国国家環境保護総局政策法規司司長 彭 近新(Peng Jinxin)氏 北京大学法学院副教授 汪 勁(Wang Jin) 氏 意見交換 (4) 第3回日中環境協力関係者定例懇談会概要(平成12年8月29日(火)) ... 19 講演1: 国際善隣協会による日中環境協力事業 (社)国際善隣協会環境推進センター首席研究員 王 青躍氏 講演2: 日本鳥類保護連盟の対中国環境協力 -中国のトキの保護・増殖の支援活動- (財)日本鳥類保護連盟総務室長 杉本 吉充氏 意見交換 (5) 第4回日中環境協力関係者定例懇談会概要(平成12年9月21日(木)) ... 25 講演1: 政府開発援助(ODA)による日中環境協力 外務省経済協力局調査計画課長 駒野 欽一氏

(5)

講演2: 日中科学技術文化センターによる日中環境協力 (社)日中科学技術文化センター参与 横山 寛氏 意見交換 (6) 第5回日中環境協力関係者定例懇談会概要(平成12年10月27日(金)) ... 32 講演1: 国際協力銀行による中国の環境改善支援 国際協力銀行開発第2部第1班課長 中川 聞夫氏 講演2: 中国の環境保全支援委員会の活動状況と課題 中国の環境保全支援委員会委員長 グリーンブルー(株)代表取締役 谷 學氏 意見交換 (7) 第6回日中環境協力関係者定例懇談会概要(平成12年11月22日(水)) ... 38 講演1: (財)北九州国際技術協力協会(KITA)の日中環境協力 -大連市環境モデル地区整備計画調査を中心に- (財)北九州国際技術協力協会技術協力部長 吉永 博一氏 講演2: 地球環境基金による中国への環境保全支援 環境事業団地球環境基金部長 糸井 克己氏 意見交換 (8) 第7回日中環境協力関係者定例懇談会概要(平成12年12月19日(火)) ... 48 講演1: 「中国環境研究会」の活動について 慶應義塾大学総合政策学部教授 小島 朋之氏 意見交換 講演2: 中国に対する石炭鉱業環境技術協力について (財)石炭エネルギーセンター企画部長 佐々木 一雄氏 意見交換 (9) 第8回日中環境協力関係者定例懇談会概要(平成13年1月18日(木)) ... 55 講演1: 国際協力事業団による中国の環境改善支援 国際協力事業団アジア第2部東アジア中央アジア課課長 柳沢 香枝氏 講演2: FASIDにおける環境・開発分野の日中共同研究 (財)国際開発高等教育機構開発研究センター研究員 谷村 光浩氏 意見交換

(6)

(10) 第9回日中環境協力関係者定例懇談会概要(平成13年2月13日(火)) ... 61 講演1: 中国・瀋陽市の環境改善支援 川崎市経済局産業政策部国際経済担当主査 秋田 達也氏 講演2: 中国における砂漠化・土地荒廃と環境保全について 農業環境技術研究所保全植生研究室主任研究官 大黒 俊哉氏 意見交換 (11) 日中環境協力関係者定例懇談会特別会概要(平成13年3月6日(火)) ... 68 講演1: 日中友好環境保全センターの活動と成果 前日中友好環境保全センターシニアアドバイザー 小柳 秀明氏 (現環境省環境管理局水環境部地下水・地盤環境室長) 講演2: 日中環境協力のあり方 前日中友好環境保全センターチーフアドバイザー 今井 千郎氏 (現国際協力事業団国際協力専門員) 意見交換 第2章 日中環境協力活動の連携強化について ... 75

(7)
(8)

第 1 回日中環境協力関係者定例懇談会概要

1.日時:平成12 年 6 月 21 日(水) 18:00∼20:30 2.場所:社団法人海外環境協力センター会議室 3.出席者: 関係省庁等(4 名)、学術団体(2 名)、地方自治体(5 名)、公益法人(11 名)、民間企業(13 名)、NGO(3 名)、計 38 名 4.次第 (1)開会 18:00∼18:05 (2)講演 ①中国の環境産業育成支援について 18:05∼18:45 財団法人日中経済協会 業務部長 関 誠 氏 ②「中国の環境産業に関する国際会議」参加報告 18:45∼19:30 九州大学工学部 教授 井村 秀文 氏 コーヒーブレーク 19:30∼19:45 (3)意見交換 19:45∼20:30 (4)閉会 20:30 5.講演概要 (1)中国の環境産業育成支援について 財団法人日中経済協会 業務部長 関 誠 氏 ① (財)日中経済協会の対中国環境協力 ・ 1992 年に、環境装置メーカー、環境エンジニアリング企業を中心に環境委員会を設 立した。 ・ 環境委員会は中国環境産業界との協力窓口として、環境装置、環境技術分野の協力 を中心にセミナーの開催など、中国環境産業界との関係を深めるための活動を実施 している。 ・ 様々な組織による多分野にわたる対中国環境協力が行われている中で、協会として 差別化された分野として中国の環境産業協力に取り組んでいる。 ② 日中環境産業協力会議について ・ 日本の産業界関係者に中国の環境産業に関心を持ち続けてもらえるよう、1999 年 7 月に中国の北京で開催した。 ・ 個別企業が中国に言い難い改善要望をまとめて、中国に提言することが必要だと考

(9)

えた。 ・ ここで言う「環境産業」は環境関連装置産業に限定したもので、中国の環境産業全 体の4 割強を占める主要分野である。 ・ 日本の環境装置企業 20 社が共同で、「提言と要望」をまとめた。主な内容は、環境 規制の強化と、環境装置の導入側ならびに供給側に対する優遇措置の必要性などで ある。具体的な要望事項は以下の4 点である。 ⅰ.技術移転の「受け皿」としてのエンジニアリング企業の認可 ⅱ.技術移転契約条例(1985 年)及び実施細則(1988 年)の早期改正 ⅲ.円借款等の制度の活用 ⅳ.登録資本によるソフトウエアの出資分の割合緩和 ③ 外国企業の中国進出における障壁 ・ 中国側が日本の環境産業界に求めている協力とは、合弁企業を設立し、製品を中国 国内だけではなく、海外へ輸出販売すること。 ・ 外資法や技術移転契約条例などには制約があり、さらには、政策・法律の朝令暮改、 支払いに於けるトラブル等も発生しているため、日本企業は合弁に関して慎重にな らざるを得ないのが実状である。 ・ 2000 年 3 月までで、中国に対する日本からの直接投資は 1 万 9 千件にのぼり、5 月 現在、世界から中国に対する直接投資は34 万件、契約総金額は 6323 億ドルに達し た。 ・ 財政面に於ける優遇政策はあるが、環境装置は非生産的な設備であることから、中 国への進出を積極的に進める状況にはない。 ④ 中国の環境産業の現状について ・ 中国の環境産業の中で、環境装置産業はその 4 割を占めているといわれるが、その 実態は把握されていない。一説では 3 万社あると言われている環境産業の従業員一 人当りの年間売上は2∼3 万元にすぎない。 ・ 長い社会主義制度の中で、企業は投資と外貨獲得の両面で制限されてきた。1992 年 ごろになって、政府は企業に14 項目の経営自主権を与えたが、この中に環境への配 慮は触れられていない。企業と政府の関わりは特殊な関係にあることを念頭におく 必要がある。 ・ 中国ほど多様性を持つ国はなく、地方毎の個性も豊かであり、地域の閉鎖性も大き い。中国との協力に当っては、中国の特性、途上国の特性、政治的・歴史的特性、 地域(地方)的特性への配慮が必要である。 ・ 環境産業政策は国家経済貿易委員会が担当部局となっているが、環境装置の生産、 設置に対する指導は国家環境保護総局並びに中国環境保護産業協会が管轄している。 また、国家発展計画委員会も関係しており、特に地方では計画委員会が実権を握っ ている。

(10)

(2)「中国の環境産業に関する国際会議」参加報告 九州大学工学部教授 井村秀文 氏 (現名古屋大学大学院教授) チャイナカウンシル(環境と開発に関する中国国際協力委員会;CCICED)のエネルギー会 議と環境・経済統合システム会議委員である九州大学井村教授が平成12 年 5 月 15 日∼17 日北 京で開催された表記会合に出席した。 この会議でとりまとめた提言は、平成12 年 10 月に開催予定のチャイナカウンシル本会合に おいても提示されることになっている。 ① 「第10 次 5 ヵ年計画」と中国の WTO 加盟 ・ 現在、中国政府が策定している「第10 次 5 ヵ年計画」(2001∼2005 年)における「環 境産業育成」に関する政策提言を行うために、表記の会議が開催された。国際的な 会合であるため、中国政府に対する圧力が大きい。 ・ 中国のWTO 加盟が年内に実現できる見込みの中で、中国の産業も世界のルールにし たがってチェックを受けるようになる。環境産業は環境関連装置産業に限られない ことから、産業全体に影響を及ぼすが、あくまで環境装置産業がその基礎となって いる。 ② 環境産業の意味するもの ・ 供給サイド:環境改善に貢献する製品・サービスを供給する部門(防止装置の生産 と供給の部門、クリーナープロダクション、環境サービス業、その他) ・ 需要サイド:環境製品・サービスを必要とする部門(産業部門、民生部門、公共部 門) ③ 検討の視点 ・ 需要サイドからの視点が重要:従来の議論は、供給サイドからの見方に偏りがちで あった。経済発展、生活レベルの向上などによって、環境面からどのような需要が 発生するかという観点が必要 ・ 生活水準向上にともなう需要増大(現在、エアコンの販売が好調。次は、そのエネ ルギー効率が問題になる)部門への技術移転に関する問題:特にCP 技術、ブーメラ ン効果等 ・ 民間部門:巨大な市場、環境基準・規制の実施が鍵 ・ 公共部門(下水道など):巨大な市場、しかし政府財政は弱体。民活化、PFI、BOT 等への関心 ④ 今回会議の特徴

・ WBCSD(持続可能な発展に関する世界ビジネス会合”World Business Council for Sustainable Development”)の参加により、トヨタ、東電、三井物産なども出席 ・ 中国産業界によるCBCSD(WBCSD の中国国内組織)の設立を目指す動き ・ 幅広い産業(保険、コンサルティング会社等)の参加 ・ 中国市場に向ける欧州企業の熱い目 ・ 中国のWTO 加盟問題との関連(中国として国際基準を守る必要性、国外資本の進出 がもたらす功罪(優れた技術と資本の活用、国内弱小企業への影響))

(11)

⑤ 提言の論点 ・ 4つの基本的事実の確認:環境産業育成の重要性、経済に占める環境産業の重要性、 国際協力の重要性 ・ 全般的勧告:段階的な市場化、市場の力と国家計画の連携、金融メカニズムの創設、 教育、法律・規制の枠組み、部門による特性、費用負担(PPP、公共料金の転嫁な ど)、企業の支援策として、CBCSD の設立、中小企業の支援、企業経営者、地方自 治体職員に対する動機づけの重要性(規制、優遇税制、汚染課徴金、優遇貸し付け、 ボランタリーアプローチ、その他) ⑥ 具体的な提言内容 ・ 政府の政策と手段:環境産業関連部門の再編、需要拡大、市場機能の改善、市場が 機能するための条件整備、基準の確立、人材教育、サポートサービス、分析能力の 向上 ・ 政府と企業:政府による支援、コンピュータデータベース開発、研究開発センター 設立、中央政府・地方政府・地域代表の間の協議メカニズムの設立、CBCSD の設立 ・ 資金メカニズム:環境基金(グリーンファンド)、低利融資、省エネ投資基金(特に 中小企業向け)、財政政策(減税、優遇税制、その他)、汚染課徴金、PPP、保険業 界の役割強化 ・ 個別部門ごとの施策:エネルギー(石炭ガス化、脱硫、省エネ、海外直接投資の積 極導入、CDM)、運輸(運輸部門のフォーラム設立、政府と運輸業界の対話促進、自 動車製造業・輸入業におけるクリーンカーの開発・導入促進)、森林(森林産業の健 全育成、保全活動への住民参加) ⑦ 環境産業分野における日中協力 ・ 技術移転中心から、より総合的な環境管理ノーハウ(ソフト技術)の移転へ:政府・ 自治体・企業の協力方式、企業内環境管理システム(公害防止管理者、エネルギー 管理士、その他)、ISO14000 環境管理システム、企業会計・環境会計システム(税 制、減価償却等のシステムの不備)、財政・金融システム(補助金、政策金融、低利 融資、その他) ・ 中国からの調査団受け入れ:上記についての体系的情報提供、日本国内における経 験の総括・レビューが必要 ・ 公共部門の環境投資への協力:下水道整備、都市ゴミ処理施設(焼却、リサイクル、 衛生埋め立て、その他)、PFI(官民協力方式)をどうするか。 6.意見交換の要旨 Q.脱硫装置の設置状況と今後の見通しについて知りたい。 A. 公式には、硫黄含有率が1%以下の石炭を使用する場合は脱硫装置を設置する必要がないとな っている。大規模の発電所などは 1%以下の石炭が供給されているが、大規模のため SO2の排出 量が多い。この場合もちろん排出費を払う必要がある。

(12)

1%以上の石炭を使用する場合は脱硫装置の設置が必要であるが、ほとんど実施されていない。 技術の問題もあるが、脱硫コストが高いのが主な理由である。コストの低い設備を開発したいと 中国側は言っている。 深セン市の発電所ではノールウェーの技術による、海水を使用した脱硫装置を設置している。 清華大学は脱硫率40∼60%の小規模装置を開発した。 中国は年間2,000 万トン以上の SO2を排出している。酸性雨対策には脱硫装置が不可欠である。 しかし、アメリカは年間1,500 万トン以上の SO2を排出している。確かに両国とも国土が広いが、 この辺はどう考えればいいだろうか。(井村氏) Q.民間企業による技術移転に対する受け入れ態勢について知りたい。 A. 技術移転条例については、去年の秋ぐらいまでに改正されると聞いたが、まだ発表されていな い。技術移転のロイヤリティに対する 5%の課税条項は、昨年 9 月に撤廃された。中国側との対 話、交渉については今年度事業の中で継続する予定がある。(関氏) Q.ローカル(中国独自)な環境技術と海外からの技術の割合について知りたい。 A. 実際に調べたことがないが、ハードに関しては中国側の発表によると外国側は3%、国産は 97% となっている。(関氏) Q.「中国は法治国家であるか」についての見解を聞きたい。 A. 中国政府も問題として認識しているが、真の法治国家になるには国際社会からの圧力が必要で ある。(井村氏) 中国の国家制度は「三権分立」ではなく、司法は独立していない。企業はこのような事情を見 込んで進出しなければならない。中国は第 8 期全人大より法治主義を強く打ち出し、195 本の法 律の審議を計画した。法整備は急速に進んでいるが、法の執行については疑問がないことはない。 状況は徐々に改善されていると思う。(関氏) Q.友好都市交流における環境協力の進め方及び民間企業との提携のあり方について知りたい。 A. 政策の透明性の向上に関する提言や、日本の地方自治体と民間企業の公害防止協定事例紹介な どの政策支援は重要ではないか。もちろんこの中に企業が入ってもらう必要がある。現地の社会 条件を踏まえて進めたほうがいいと思う。 友好都市間の環境協力において、自治体と企業によるボランタリーアクションは限界にきてい るのではと考えている。北九州市と大連市のように、JICA の開発調査に連動するような形になれ ば望ましい。但し、地域の環境協力はある程度の規模にならないと、政府のバックアップが難し い。ある程度の実績ができた段階で、政府に声をかけた方がいいと思う。(井村氏)

(13)

Q.国家環境保護総局の副局長が訪日された時の発言内容と排出権取引について知りたい。 A. 今期の全人大が前期より環境に対する関心が高いため、環境立法が進んできた。中国はアメリ カ流の硫黄酸化物排出権取引を導入したいといっている。これには法整備を確実にやることが要 求される。意外と最新のものに興味を持っている。このような情報を把握することも重要だ。(環 境省大村補佐) 中国は排出権の取引は「市場経済」に合致するものだと考えている。但し、いろいろな条件が 要求されることをあまり気にしていないようだ。どこからどのぐらい排出しているかも把握され ていないのに、どうして取引が出来るのかのと議論もあったが、国の統計システムが出来ている ので、排出権取引をその上に載せればいい。日本の出来ないことが中国で出来る場合もある。(井 村氏) Q.アメリカ、韓国の動きならびに日本の検討すべき対策について知りたい。 A. 韓国の製品は低価格であるため、中国側は受け入れやすい。アメリカは官民一体のやり方がう まく出来ているので、総合力がある。また、根の深い戦略的な政策を取っている。日本の企業は リスクを恐れて踏み出しにくい状態にあるので、ますます中国との距離は離れていくのではない だろうか。 ―以上―

(14)

第 2 回日中環境協力関係者定例懇談会概要

1.日時:平成12 年 7 月 7 日(金) 18:00∼20:30 2.場所:社団法人海外環境協力センター会議室 3.出席者: 関係省庁等(7 名)、公益法人(13 名)、民間企業(5 名)、NGO(4 名)、計 29 名 4.次第 (1)開会 18:00∼18:05 (2)講演 ①中国黄土高原での緑化協力 18:05∼18:45 緑の地球ネットワーク 事務局長 高見 邦雄 氏 ②中国内蒙古ホルチン砂漠における砂漠化防治事業 18:45∼19:30 日本バイオビレッジ協会 会長 長濱 直 氏 コーヒーブレーク 19:30∼19:45 (3)意見交換 19:45∼20:30 (4)閉会 20:30 5.講演概要 (1)中国黄土高原での緑化協力 緑の地球ネットワーク 事務局長 高見 邦雄 氏 「緑の地球ネットワーク」による、北京市から西へ 300km離れた山西省大同市における 9 年間の植林協力活動の事例が紹介された。 ① 砂漠化のすすむ中国・黄土高原 ・ 協力地の大同市の山には木がなく、山腹や丘陵の急斜面まで段々畑がきりひらかれ、 自然生態が破壊されている。 ・ 年間降雨量は400mm前後で、このうち 3 分の 2 が夏季の 7、8 月に集中している。 毎年のように干ばつ等の自然災害も発生しており、これが農業生産と農民の生活に も悪影響を与えたほか、土壌流失を深刻化させている。 ・ 古代の黄土高原は、中国文明の発祥地であり、4 世紀末からの大同は 100 万人規模の 北魏の都(平城京)であった。2200 年前、50%以上もあったと言われる森林被覆率 は、1950 年代には 2.4%までに減少し、まさに「文明の前には森があり、文明の後 には砂漠が残る」ということを証明している。 ・ 現在、中国の砂漠化した土地面積は国土の 34%を占めており、耕地の収穫が激減し

(15)

ている等、問題は深刻化している。 ② 貧困と生態環境破壊の悪循環 ・ 大同市の農村は貧しく、農村人口の 5 分の1が年収 500 元(7 千円)未満の貧困層 である。貧困と自然生態破壊の悪循環が発生している。 ・ 砂漠化の防止は単なる植林だけではなく、貧困の撲滅への配慮が重要であり、砂漠 化の原因を究明し、適切な対応方法を取ることが重要である。 ・ かつて土壌浸食などによって人間が生活できなくなった地域で、4 ヶ所の自然林(二 次林)を発見した。その共通点は、道路がなく、村からの距離が遠いため、放牧や 人間生活(薪等)の影響を受けていないことであり、自然回復力の強さと放牧によ る生態ストレスの大きさが証明された。 ③ 緑の地球ネットワークの緑化協力活動 ・ 小学校果樹園つくり:40 以上の村で実施し、その収入で子供の就学保障と教育環境 の改善に貢献する。94 年春に植えたアンズが昨年から収穫できた。 ・ 92 年から協力を開始し、これまでに 970 万本、3,100ha の造林を共同で実施した。 ・ 95 年から、育苗や栽植技術の改善、人材育成などソフト面の協力を強化しはじめた。 日本人専門家の現地派遣も継続している。 ・ 植物園の建設:緑化メカニズムの普及、緑化技術の向上と人材の育成、多様化した 森林モデルの形成、最適な樹種の試験栽培と選別等の目的で、86ha の植物園を建設 中である。 ④ 深刻化した中国の水問題と国際協力 ・ 深刻化した地下水位低下の問題:大同市は毎年 2∼4mのペースで地下水位が低下し ている。2008 年に完全に枯渇すると地元紙が発表した。 ・ 黄河の断水、水不足の原因:灌漑の普及、都市化、工業化の推進 ・ 北京市の水不足の問題:官庁ダム、密雲ダムでは水が不足しており、多量の地下水 の使用により、地下水位は1∼1.5m、低下している。 ・ 大同市は北京市の水源地であるため、大同市との緑化協力は北京市の水源保全に貢 献することになる。 (2)中国内蒙古ホルチン砂漠における砂漠化防治事業 日本バイオビレッジ協会 会長 長濱 直 氏 中国の内蒙古自治区、哲里木盟(現通遼市)、庫倫旗、額勒順鎮、烏旦他拉村(ウタンタラ村) にける「バイオビレッジ建設構想」の取り組み状況が報告された。 ① 日本バイオビレッジ協会概要の紹介 ② 協力対象地ウタンタラ村で撮影されたビデオの上映 ③ 第1 段階の「植林による砂漠化防止モデル事業」の概要 ・ 1997 年からの 3 年間、ポプラ・柳・松や潅木類等合計 25 万本、防風林・経済林計 15 万本を植林し、確実な成長が確認されたが、現地の人々は砂漠化防止にあまり関 心がなかった。 ・ 1999 年、6 ヶ月間の現地滞在により、現地の人々の生活に溶け込んで活動し、今後

(16)

の協力事業内容を確定した。 ④ 第2 段階へ前進するための取り組み ・ 砂漠化の防治に当たり緑化事業と貧困対策を両立させる重要性を認識した。 ・ 「バイオビレッジ構想」は砂漠化防止に有効であることを再確認した。 ・ 砂漠化の原因と砂漠化防止が出来なかった要因の究明 ・ 「民、學、官」参加による取り組み体制の形成 ・ 「ウタンタラ村環境改善委員会」の設立及び「13 の希望」(重点協力実施案件)の 確立 ・ 「ウタンタラ村環境改善基金」並びに「5 人の若者の会」の設立 ・ 地域住民から真のニーズの吸い上げ、「ウタンタラ村の繁栄」を目標とした「貧困対 策と植林の同時進行」ならびに「環境教育の実施」への方向転換 ・ 既に実施した「13 の希望」:連絡手段の整備(村の書記に携帯電話、スピーカーを 各組に設置)、民家の水源浄化(40 台の手動井戸を設置)、ボルクチン組南部 27 戸 に電気を引いた。 ・ 努力の結果、現地の住民に受け入れられるようになり、「老長(ラオチァン)」とい う愛称で呼ばれるようになった。 ⑤ ウタンタラ村をウルスン鎮に発展させるモデル事業 ・ 「13 の希望」をベースに、5 ヵ年計画でウタンタラ村をウルスン鎮に発展させ、環 境の改善を進める。 ・ 「環境共生方養牛システムモデル事業」構想:過剰な放牧による生態ストレスを低 減し、循環型飼育システムの実現により砂漠化防止を計る。 ・ 「天・地・人」の調和は事業の成功のための重要な要素である。 6.意見交換要旨 Q.植林した木の手入れについて知りたい。 A. 山火事の防止も重要である。村の書記が人事異動でかわったため、80ha の 6 万本のアンズが放 置され、一冬、一夏で全滅したこともあったが、このような失敗を経験したので、手入れの重要 性と難しさを実感し、植える場所の選定や、管理方法などいろいろ勉強した。果樹の場合は、小 屋を建てて、専門の管理者が住みこみで管理している。(高見氏) Q.中国のカウンターパートとの交流の中で、何を注意すべきかについて知りたい。 A. 官僚機構だけに頼らず、直接村に入った。中国語がしゃべれないので、悪戦苦闘したが、言葉 が通じないため、他の感覚が敏感になり、また、しゃべらない分の時間を現地の人より先に現場 状況を把握することに使ったが、この方法は問題解決のプラス要因となった。共産主義青年団の 幹部を現場に連れ出して一緒に木を植えたが、この幹部たちはその後県長や副県長になり、自然

(17)

に人脈ができた。(高見氏) Q.植林の対象人口について知りたい。 A. 現在、ウタンタラ村は800 人、将来的に鎮になって 1300 人の人口となる。但し、植林地域に 人は住んでいない。(長濱氏) 今は140 ぐらいのプロジェクトを実施しており、大同市の 7 つの県、4 つの区を対象としてい る。大同市の人口は280 万人、農村の人口密度は平均 130 人/km2で、200 人/km2を超えると ころもある。(高見氏) Q.中国が持っている植林技術の取り組み方法と外国からの協力について知りたい。 A. 中央政府は植林を大変重視し、たくさんの木を植えている。しかし、技術的には日本との違い がかなりある。中国の植物に関する研究では、特に分類学が進んでいるが、林業分野の技術は底 が浅く、例え研究の成果があっても、大同などの現場に伝わっていない。植林はほとんど農業の 延長のやり方でやっているのが実情である。木を植える場合も、できるだけ更地に行っている。 中国では「16 文字の木の植え方」と言う植林方法の中に、「苗を土で埋めて、水をやって固く踏 む」と教えているが、これは苗を窒息死させてしまうが、この方法については現場でよく議論し た。結局、いくつかの比較対照を設けて植林し、事実で相手を説得した。学術交流も重要である が、中国の研究者は余り現場のことを知らず、農民も敬遠している。現在、技術移転と人材の育 成は協力内容の中でかなりのウェイトを占めている。(高見氏) 今は現地農民のニーズに合わせて、地元の「民、学、官」が共同参加するという方法をとって いる。必要に応じて、日本人の専門家に現地に来てもらうことも考えている。(長濱氏) Q.日本の協力は中国にあまり評価されていないといわれているが、その理由について知りたい。 A. カウンターパートと沢山の議論をしてきたが、今は非常に安定した関係にある。長い間の議論 を通じて、互いに理解するようになってきたが、相手も自分を日本人だと思っていない。少なく とも普通の日本人だとは思っていない。日本国内で馬鹿な発言があると、現地の記念碑などにす ぐ「打倒日本」の文字が書かれる。無責任な発言を止めて欲しい。(高見氏) Q.黄砂の防止について知りたい。 A. 中国の友人は「三北防護林」が成果を上げたから、北京の黄砂はよくなったと言っていたが、 今年の春の黄砂被害によってそんなに簡単な問題でないことがわかる。北京市は大変危険な状態 にあると思う。例えば北京空港の近くの塩害、地下水位も低下していることや、北京市の膨大な 人口等を考えると楽観的にはなれない。(高見氏)

(18)

Q.植林した木の所有権と収穫物の所有権について知りたい。 A. 基本的に所有権は村に属している。小学校付属果樹園の財産権は小学校にある。管理は村人か ら募集した管理人に任せている。(高見氏) 企業から受けた助成金の場合は個人の物にする場合もあるが、2020 年までの期間を設けて、そ れ以降は村人の財産になる。2020 年までの管理をそこの人にお願いしている。(長濱氏) Q.材木用を目的の植林及び植林による地下水の減少について知りたい。 A. 最低は用材としての目的で植林している。果樹はもっと早い段階で収入が得られる。 砂漠に植林してはいけないと主張している学者が沢山いる。水の収支の問題は何が原因になって いるのか分からないが、大同市の地下水位は非常に低いので、木が地下水に頼って生長している とは思い難い。(高見氏) 用材として使うことも考えている。ウタンタラ村の場合は地表水と地下水が豊富で、ちょっと 掘れば土が湿っている。元々は草原だから、植林しても問題がないと思う。(長濱氏) ―以上―

(19)

日中環境協力関係者定例懇談会(特別会)概要

1.日時:平成12 年 8 月 4 日(金) 10:10∼11:50 2.場所:社団法人海外環境協力センター会議室 3.出席者: 関係省庁等(4 名)、学術団体(1 名)、地方自治体(1 名)、公益法人(14 名)、民間企業 (21 名)、NGO(1 名)、環境庁(4 人)計 46 名 4.次第 (1)開会 10:10∼10:15 (2)講演(中国語・日本語逐次通訳) 中国の環境法制度の近年の動向 10:15∼11:20 中国国家環境保護総局政策法規司司長 彭 近新氏 (Peng Jinxin) 北京大学法学院副教授 汪 勁氏 (Wang Jin) (3)質疑応答、意見交換(中国語・日本語逐次通訳) 11:20∼11:50 (4)閉会 11:50 5.講演概要 中国の環境法制度の近年の動向 中国国家環境保護総局政策法規司司長 彭 近新氏 北京大学法学院副教授 汪 勁氏 (1) ここ数年の中国環境法規の整備状況 ①大気汚染防止法の改正 3 年間に 2 回改正。改正前に経済評価を実施。 ②放射性物質汚染防止法の制定 8年をかけて作成した。法作成段階では、日本を含めて先進国を視察した。 現在、草案が完成した段階。 ③環境アセスメント法の作成 現在草案を作成中。日本のアセスメント法も参考にしながら作成中。 政策決定段階に影響を与える法律で、環境破壊を防止するという意味では、持続可 能な発展を視野に入れている。

(20)

2001 ないし 2002 年には、全国人民代表大会で認可される見込み。 ④クリーナープロダクション法の準備 生産段階における持続可能な発展を目的として、企業に対してクリーンエネルギー の使用や省エネを推進する法律。 現在作成中の法案は、現在の政府任期内で発表される予定である。 クリーン法の6原則: ・ Reduce 使用量を減らす ・ Reuse 再利用 ・ Recycle 循環利用 ・ Renewable 再生可能 ・ Replace 代替エネルギー ・ Recovery 自然回復 以上4つの他に、各省、地方レベルで発表される規則,条例がある。 例えば、生物保護に配慮したものや、自動車排ガス、騒音規制といった内容のもの がある。 (2)これまでの環境関連法 中国には、すでに6つの環境保護の基本法が制定されている。 ・ 環境保護法 ・ 大気汚染防止法 ・ 水汚染防止法 ・ 騒音汚染防止法 ・ 廃棄物環境汚染防止法 ・ 海洋環境保護法 また、自然資源保護法には9法が制定されている。 ①鉱物資源法 ②森林法 ③水法 ④草原法 ⑤漁業法 ⑥野生動物保護法 ⑦土地管理法 ⑧水土保持法 ⑨石炭法 これらの法律に関連した、環境基準は420 項目ある。排出基準を満足できなかった 場合には違法行為と見なされる。 また、省や直轄市が制定した条例関係は1100 以上ある。 国際的な条約には、20 件以上を締結している。 (3)立法の原則 法律の作成段階では、以下のことを考慮する必要があると考えている。 ① 国の現状を考慮する 中国は、人口が多く、経済が未発達である。 あくまでも経済発展を中心に考える必要がある。 ② 持続可能な発展のためのクリーンエネルギー

(21)

③ 先進国、先進法の研究 例:汚染者負担 OECD 自然保護 アフリカ ④ 国際義務 自国経済レベルを考える。実現不可能、出来ないことは約束すべきではない。 (4)新旧大気汚染防止法の比較 2000 年4月に、全人代で可決され交付された新大防法は、1995 年の旧大防法と比較 すると、次の点が異なる。 ① 旧大防法は、1995 年8月に発布され、1998 年から早くも修正に着手した。そ の後わずか3年で修正を完成させたことは、歴史上例がない早さである。ま た、この短期間で2度の修正が行われたことも歴史上まれなことである。 ② 新大防法は、7 章 66 条で構成され、うち 55 条が修正、新規作成されている。 旧大防法は5 章 50 条であった。これだけの大量の修正も過去例がない大がか りなものである。 ③ 新大防法は全人代可決までに、3回の審査を受けた。通常は2回であり、厳 しい審査内容と真剣さが伺える。 ④ 新大防法作成中、修正案に対する経済影響評価を行った。 (5)新大気汚染防止法6つの重点事項 ① 石炭燃焼の大気汚染防止 全中国における、石炭への燃料依存率は、‘96 年で 75.2%、‘98 年は 72%である。 知る限り、日本は17.6%、世界平均は 27%となっている。したがって、石炭燃焼が大 気汚染に与える影響は大きく、石炭燃焼による大気汚染防止を重視する必要がある。 大気中のSO2の80%、Dust の 70%が石炭燃焼由来によるものである。 ② 都市の大気汚染防止 現在中国の都市は 668 都市で、人口は4億人である。大部分の都市では環境基準の Ⅱ級を満たしていない。予測では、2020 年には全人口の 50%(7億人)が都市に集 中する。全ての都市で大気汚染防止を強化することは出来ないので、国家は大気汚染 防止重点都市を決めた。この重点都市とは、直轄市、省都、沿岸開放都市、重点観光 都市となっている。 ③ 自動車排ガス汚染 中国の車両保有台数は、日本よりも少ない。‘98 年 全国で 1400 万台。うち、北 京に110 万台という統計がある。しかしながら、自動車排ガスによる汚染は深刻であ る。 今後、車の生産、利用方法、メンテナンス、使用燃料、輸入規則等について、規制 する。 ④ 粉じんの防止(黄砂)

(22)

植林 生態保護 建設現場(ほこり防止) ⑤ 汚染物排出費 基準値超過→違法→取り締まりを受ける ‘95 年の大防法では、組み込まれなかったが、今回の改正で組み込まれた。46 条か ら65 条が関連した条項である。 ⑥ 排出基準、総量規制 15 条に規定。国と省レベルが総量規制し、排出許可証は環境保護局ではなく、地方 政府が発行する権限を持つ。 (6)環境法違反に対する考え方 ‘97 年以前は環境法に対する違法行為は、刑法になかった。他分野の法律を引用して 処罰していた。’97 年3月に刑法が 338 条から 346 条に追加され、環境法違反に対する 条項が盛り込まれた。 ‘98 年初め、山西省の一企業が水質汚染を起こした。3年投獄されて、35 万元の罰金 を科せられた。過去7件の判例がある。 (なお、Wang 氏の話は、時間が無くなったため、質疑応答へと進んだ。) 6.意見交換の要旨 Q.法規制以下の条例についてはどう進めているのか。 A. 権限は、中央政府にある。法律の草案は、以下の3つの機関が作成することが出来る。 ① 委託主幹部門 例:環境保護総局 ② 専門家委託 例:大学 ③ 院内立法機関 草案は、その後国家法制事務室が集約し、総理事務室へ提出し、最終的に総理が発行す る。 Q.29 条の都市レベルはどのように分類されるのか。 A. 人口数で大中小の都市を分けている。 特大都市:200 万人 大都市:100 万人 中都市:50 万人(重要な都市で 30 万人) 小都市:10 万人 これらは、建設部が決める。 Q.脱硫装置について知りたい。 A. 中国国産の脱硫装置技術のレベルは、現状の需要は満たしている。しかし、

(23)

① 経済効果がネック。10 万 kw 規模に脱硫装置を付けても不経済である。 ② 品質は日本製よりも落ちることは確かである。 10 年前に四川省に導入された日本企業の脱硫装置は、現在でも全く問題ない。 ③ 中西部地区では資金が無く、法で定めていても逃れようとする現実がある。 ④ 石炭の硫黄分が高い。3%以上あるものは採掘禁止、0.3∼0.5%は民生用、1%以上は 脱硫して工業用として使用している。 ⑤ 小規模炭坑は閉鎖させる。石炭の品質が保証できないため。2500 炭坑、2.5 億トン分 の炭坑を閉鎖した。 Q.放射線汚染防止法について概要を教えてほしい。 A. この法律は、現在作成中である。この法律は、これまでの環境関連法の空白部分を埋め る目的で作ろうとしている。(Wang 氏より補足) 先進国の放射能関連法は、規制法であって防止法ではない。中国でも放射線物質等の管 理ミスにより、事故が起こっている。政府としては、規制することを考えており、汚染防 止というよりは、管理法的な内容になるのではないかと思う。 Q.原子力発電について中国の方針を聞かせてほしい。 A. これからの中国での発電は、石炭から石油、天然ガス、水力、風力といった方法に変わ って行くであろう。その中に、原子力発電も含まれる。原発は積極的、安全に進めていく 方針である。現在既に2つの原発が稼働している。広東省の大亜湾原発、浙江省の秦山原 発である。新しく原発建設も計画中であるが、管理面も重要になってくる。 ―以上―

(24)

第 3 回日中環境協力関係者定例懇談会概要

1.日時:平成12 年 8 月 29 日(火) 18:00∼20:30 2.場所:社団法人海外環境協力センター会議室 3.出席者: 関係省庁等(4 名)、学術団体(1 名)、地方自治体(1 名)、国際機関(1 名)、公益法人(16 名)、 民間企業(6 名)、計 29 名 4.次第 (1)開会 18:00∼18:05 (2)講演 ①国際善隣協会による日中環境協力事業 18:05∼18:45 (社)国際善隣協会環境推進センター首席研究員 王 青躍氏 ②日本鳥類保護連盟の対中国環境協力 18:45∼19:30 −中国トキの保護・増殖の支援活動 (財)日本鳥類保護連盟総務室長 杉本 吉充氏 コーヒーブレーク 19:30∼19:45 (3)意見交換 19:45∼20:30 (4)閉会 20:30 5.講演概要 (1) 国際善隣協会による日中環境協力事業 (社)国際善隣協会環境推進センター首席研究員 王 青躍氏 王氏は国際善隣協会が取り組んできた下記の対中国環境協力事例を紹介した。 1)中国の環境問題について 中国の主要環境問題は以下とおりである。 ・ 石炭の燃焼による大気汚染、酸性雨問題 ・ 長江や湖沼の水汚染 ・ 上海などの大都市では、自動車の普及による排ガス汚染 ・ 都市部のゴミ問題 ・ 砂漠化、自然生態の破壊等 2)国際善隣協会環境推進センターが実施している主な対中国環境協力事業 ① 人材養成事業と環境セミナーの開催 人材育成は9 年間に渡って実施してきた。年間 60 名余りの研修生を受け入れてお

(25)

り、大学や国の研究機関で研修を行っている。 また、昨年、少数民族の大学生を対象に、環境セミナーを実施した。 ② 技術交流 環境技術の交流会の開催により、中国の現状に合致する環境技術を調査した。 ③ 対策技術の事業化 バイオブリケットの事業化 ④ 自然保護関連事業 経団連の自然保護基金の助成を受け、長江の支流である岷江流域の少数民族(チ ベット族、チャン族)集中地域で日中モデル林を植林している。同時に、地域住民 と幹部を対象に植林知識の普及を行っている。 また、希少動物の保護(オグロ鶴、チベット中南部)協力活動も行っている。 3)中国の大気汚染対策事業 ① 石炭の燃焼と大気汚染 中国の石炭の年間使用量は14 億トンにのぼる。石炭燃焼による粉じん、SO2の汚染が深 刻化しており、健康や自然環境の被害が確認されている。 ② 対策モデル事業の実施 ・ 重慶市と鞍山市で、環境庁の委託を受けて民生用バイオブリケットの普及事業を 実施している。 ・ 国務院の国家環境技術委員会は、選炭とバイオブリケットを最も中国に適応した 技術として認めている。 ・ 重慶市で96 年から実証プラントを建設し研究を重ねた。現地での実験及び日本で の燃焼効率調査の結果、環境効果が確認された。 ③ バイオブリケットの効果 ・ 硫黄固定率が高い → 酸性雨対策 ・ ばい煙が少ない → 室内汚染、住民の健康改善 ・ バイオマスの利用 → 資源の有効利用・温暖化対策 ・ 高い着火性・燃焼性 → 温暖化対策 ④ バイオブリケット事業化の推進 ・ 主要都市、中小都市での普及を目指す。 ・ 中国の東北地域で事業化の実現。鞍山市で 1 万トン/年の工場を中国側と共同で 建設した。 ・ 製品のバイオブリケットは、中国で一番良質な山西省大同産石炭とほぼ同等な火 力を得ることができるが、値段は大同炭の半額の 200 元/トンと低価格を実現で きた。ばい煙の発生がなく、環境効果も大きい。 ・ 事業は中国政府と日本側の支援を受けて進んでいる。 ⑤ バイオブリケットは、今年の環境賞優秀賞を受賞し、中国以外の途上国でも普及させた い。 4)乾式選炭技術の普及事業 ① 環境庁の支援で、3年前から実施。

(26)

・ 従来の選炭:水を使用するので、水資源の浪費、水不足につながる。 ・ 乾式選炭:水を使用しない。水資源の保護、水不足の解消となる。 ② 重慶市南桐炭鉱に実験装置を搬入し、1999 年 8 月から共同実験を開始。 ・ 精炭回収率は 80%、硫黄分の除去率 30%、灰分の除去率 15%で、従来式選炭の 80%の効果を得ることができた。改良により、更に良い効果を出すことが期待で きる。 ・ 乾式選炭は硫黄分の回収と再利用、低品質石炭のバイオブリケットへの転用など によって、資源の有効利用に貢献できる。 5)現地事業化を実現するための要点 ・ 現地の実情に合わせた技術改良 ・ 現地の既存技術との調和 ・ 現地政府や関係者の支持 (2)日本鳥類保護連盟の対中国環境協力−中国トキの保護・増殖の支援活動 (財)日本鳥類保護連盟総務室長 杉本 吉充氏 1)日本鳥類保護連盟の紹介、配布資料の説明 2)中国トキの保護・増殖の支援活動 ・ 中国トキの保護は連盟の中心事業として、平成7 年から実施してきた。 ・ 活動の動機:個体数が少ないトキの種を保護するためには、繁殖可能な段階で緊急に 実施する必要があること。 ・ 1981 年、中国で 7 羽のトキを発見し、保護・増殖を行った結果、2000 年現在、野生・ 飼育下を合わせて250 羽までに増加した。 ・ 中国での人工飼育は北京動物園(約20 羽)と陝西省洋県にあるトキ救護飼養センター (約106 羽)の2ヶ所で行われている。 ・ 日本の新潟県佐渡トキ保護センターでは6 羽のトキを飼育している。 3)野生トキ生息状況 ・ 世界で唯一野生トキが生息している陝西省洋県では野生トキのほか、ジャイアント・ パンダ、ターキン、金絲猴など多くの希少動物が生息している。 ・ 現在、洋県で約120 羽の野生トキが生息している。 4)日中トキ保護の歴史 ・ 1985 年 6 月、東京で開催された「日中野生鳥獣保護会議」で基本合意され、相互ペア リングやJICA による保護増殖のための機材供与や専門家の派遣など、第 1 次協力が行 われた。 ・ 1995 年以降、環境庁の委託を受けて、第 2 次協力を開始。1995∼97 年、経団連自然 保護基金助成事業により、洋県における飼育ケージの増設などを行い、環境事業団地 球環境基金の助成で、パンフレット、ビデオ、ポスターの作成と普及啓発事業を実施 してきた。 ・ 1995 年 12 月、連盟内に「中国トキ保護基金」を創設し、調査研究及び飼育施設の拡 充等に努めた。

(27)

5)スライドの上映 ・ 陝西省の省都西安市の風景 ・ 陝西省洋県並びにトキが生息している秦嶺山脈の風景 ・ 秦嶺山脈に生息しているジャイアント・パンダ、ターキン、金絲猴など希少動物 ・ 省洋県トキ救護飼養センター並びに人工飼育されているトキ ・ 経団連自然保護基金によって設置された飼育施設、機材 ・ 洋県の町に設置されたトキ保護の看板等 ・ 野生トキの生息風景 ・ 野生トキの保護のため取り組み:監視、ネットの設置、餌の保護等 6)トキ保護の課題 ・ トキという種を維持できる個体数になっていない ・ 資金難 ・ 野生トキの生息環境の破壊:餌である泥鰌の減少 ・ 近親交配の問題:7 羽のトキからの繁殖 ・ 病理研究の遅れ:寄生虫の研究対策等 ・ 人工飼育施設の不足:収容能力の限界、病気発生時の対策 ・ 野生復帰:野生環境への対応、生息環境の破壊 ・ 西部開発による環境変化、汚染問題の懸念 ・ 官民一体となる協力体制の強化 6.意見交換要旨 Q.大気汚染防止法の改正に伴って、都市部のガス化、クリーンエネルギーへの転換が要求され ている。バイオブリケットはクリーンエネルギーとして認められているか。 A. 住民が集中している都市部では、ガス化されるだろう。東北など冬に暖房を必要とする地域で は、硫黄分が1.5%以下の石炭の使用は認められている。バイオブリケットの硫黄分は 1.5%以下 であるので使用できる。中国産石油は鉛含有量が高く、余り使われていない。クリーンエネルギ ーとは、天然ガス、石炭ガスとバイオブリケット等である。 Q.バイオブリケットの硫黄固定率を脱硫率に換算できるか。 A. 詳細な換算式はないが、中国政府が認めている脱硫技術は50%以上であるため、一応バイオブ リケットも認可されている。70∼80%の脱硫効果を得ることも可能だが、コストも高くつく。 Q.脱硫率の認可機関はあるか。 A. ある。燃焼効率に関しては各地域に熱功監測站がある。排ガスについては環境観測站が担当す る。地域によって、若干違ってくるが。

(28)

Q.外国人が大気を測定したい場合は許可されるか。 A. 基本的に事前に申請すればできる。趣旨、目的を明示することが必要である。最近、健康影響 のアンケート調査や、血液調査なども許可されるようになった。 Q.トキの寿命、性比、行動範囲について知りたい。 A. トキの行動範囲は約 3,000km2で、このため調査には車が必要である。性比についてはよく分 からないが、日本のキンチャンの場合は 33 歳、人間で言えば 100 歳を超えている。鳥の場合、 人工飼育と野生では個体の寿命が違う。現在はまだ研究段階にある。 Q.バイオブリケットの問題点について知りたい。 A. 耐水性が低く、水に弱い。このため屋内で貯蔵する必要がある。現在、耐水性の高いものを開 発している。 Q.硫黄分の再利用について、選炭と排ガス脱硫とどちらが効率的か。 A. 選炭の方がいいと思う。選炭の場合、硫黄分30%の廃石が出てくるので、再利用できる。中国 は年間500 万トンの硫化鉄鉱を輸入している。石膏から硫黄を取るのはコストが高いといわれて いる。他に電子ビーム法などもあるがやはりコストが高い。 Q.他にバイオブリケットを研究している組織と連携をとっているか。 A. 国際善隣協会は技術の開発研究より、如何に研究の成果を中国など途上国で普及させるかに力 を入れている。同じ目的で取り組んでいるところとは連携を取っている。 Q.中国の縦割り行政について知りたい。 A. 日本より連携がうまくいっている。特に地方政府の場合、各部門とも協力してくれた。特に最 近は環境保護局と経済発展委員会、計画委員会の関係が改善され、大きいプロジェクトで協力す るようになった。横のつながりが無ければ、事業全体が見え難いので、効果的な実施は困難にな る。 Q.ここ数年中国はものすごく変化してきた。現在の中国を従来のイメージで見ることは間違っ ている。もちろん地域の格差があるが、中国に対する考え方を変えるべきではないか。 A. そのとおりである。携帯電話で見ればわかるように、多少お金をかけてもいいものを持ちたい

(29)

と考えていることがわかる。すべてが効果で決まる。日本のいい技術を現地に渡して、後は現地 の人にまかせるべきだ。中心技術は日本の物で、周りのものは現地の既存技術を使う。アメリカ もそうやってきた。CPU だけがアメリカ製で、他の部品は中国で作っている。経過より、結果の 方が重要ではないか。

(30)

第 4 回日中環境協力関係者定例懇談会概要

1.日時:平成12 年 9 月 21 日(木) 18:00∼20:30 2.場所:社団法人海外環境協力センター会議室 3.出席者: 関係省庁等(4 名)、地方自治体(1 名)、公益法人(13 名)、民間企業(11 名)、NGO(1 名)、 計30 名 4.次第 (1)開会 18:00∼18:05 (2)講演 ①政府開発援助(ODA)による日中環境協力 18:05∼18:45 外務省経済協力局調査計画課長 駒野 欽一 氏 ②日中科学技術文化センターによる日中環境協力 18:45∼19:30 (社)日中科学技術文化センター参与 横山 寛 氏 コーヒーブレーク 19:30∼19:45 (3)意見交換 19:45∼20:30 (4)閉会 20:30 5.講演概要 (1) 政府開発援助(ODA)による日中環境協力 外務省経済協力局調査計画課長 駒野 欽一 氏 日本政府の対中国経済協力を巡り国内の批判が強まる中で、今後の対中国経済協力の重点分野、 21 世紀の日中環境協力のあり方について、事例を紹介しながら講演が行われた。 冒頭、今月、来日したSEPA(国家環境保護総局)の張副司長が、日本の環境協力について、「中 国側は評価しているし、感謝している。問題解決に当っては、双方の努力が必要だ。中国側の努 力も必要である。日中環境協力は日本にとっても有益だと思う」と述べたことが印象的だったこ とが紹介された。 1)対中国経済協力について ①1978 年、中国が改革開放政策を打ち出し、1979 年 2 月、日本の対中国経済協力がス タートした。 ②対中国ODA の三原則: ・ 軍事目的支援を行わない ・ 排他的なものとはしない

(31)

・ ASEAN 諸国を犠牲にしない ③中国に対する経済協力の総額は2兆4千億円に達し、日本の経済協力相手国の中でイ ンドネシアに次いで2番目に位置する。 ④この20 年間で、中国の経済力、軍事力は強化されている。 ⑤対中国経済協力に関する国内の議論 ・ 従来型援助の是非 ・ 日本国内経済状況の変化 ・ 中国は援助を受けながら、援助も行っている ・ 軍事費の伸び、ミサイルの開発問題 ・ 日本の援助が中国国民に十分知らされていない ・ 海洋調査船問題 2)今後の対中国ODA について考慮すべき事項 ・2つの転換要因:中国の経済力の向上、日本国内財政の逼迫 ・第十次五ヵ年計画、西部大開発の開始 ・現在検討中ODA の 9 割は円借款 ・円借款の複数年度方式から単年度供与方式への転換 ・対中国経済協力転換期の到来 3)ODA 透明性の向上策 ・ODA 中期政策の発表 ・「国別援助計画」の策定 4)21 世紀の対中国 ODA の在り方について ・国内有識者による対中国経済協力のあり方に関する懇談会の発足 ・来年の3 月までに「国別援助計画・中国」を完成する予定 5)中国に対する批判について 論点 批判 見解 経済力 GNP では世界 7 番目の経 済大国 ①トータルな経済力と沿岸部の経済力が向上し た。沿岸部中心とする経済協力の見直しが必要 ②沿岸部と内陸部の格差が依然として大きい ③一人当たりのGNP は 800 ドル未満で、貧困 人口も2 億数千万人いる 軍事力 軍事費は過去 11 年 2 桁の 伸び率を維持 ①「伸び率イコール軍事的脅威」には疑問があ る ②GNP に占める割合は依然として小さい ③透明性を向上させる必要がある 援助国 中国はアフリカに対して 援助を行っている 「援助を受けているから援助してはいけない」 ということではないはず 民営化 北京首都空港株の香港上 場 民営化には反対していない。援助の目的を損わ ない前提で事前に相談してほしい。 感 謝 さ れず 日本の援助が一般市民に 知らされていないのでは ないか 中国側も問題があると認識し、広報活動に努力 している 海 洋 調 査船 中国の艦船の日本近海で の調査が活発化している 厳しく申し入れた。日中間事前通報制度の作成 を急いでいる

(32)

6)今後の課題 ・ 一部の誤解もあるが、援助効果の向上に努力する必要がある。 ・ 中国の現状に相応しい経済協力 7)ODA による日中環境協力について ① 環境は重点分野の一つである ② 99 年度、19 件の円借款案件の内 14 案件が環境案件であり、総額の3分の2が環境案件 である。この内、上水道、洪水対策、汚水処理案件が多く、日中環境開発モデル都市構 想案件もある。 ③ 環境協力の基本理念:「21世紀に向けた環境開発支援構想(ISD)」 ④ 日中環境協力の柱 ・日中友好環境保全センター 1996 年、北京で開所した。プロ技のフェーズⅡの終了時調査では、中国全体の環境政 策及び人づくりに貢献し、日中環境協力の窓口として十分機能しているとの高い評価 を受けている。今井リーダー、小柳シニアアドバイザーは中国政府から友誼賞を受賞 した。中国側は引き続きフェーズⅢを要請している。 ・日中環境協力総合フォーラム 定期的に日中両国相互で開催されている。 99 年 11 月、第三回会合において、初めて自然環境保全をテーマに入れた。 ・21 世紀に向けた日中環境協力 −日中環境開発モデル都市構想:重慶、貴陽、大連 3 都市をモデルとして、大気汚染 対策を実施し、その成功例を他都市へ普及する構想。8 プロジェクトについて 99 年度の円借款供与が決定された。 −環境情報ネットワークの整備:2000 年 3 月、無償資金協力により、39 都市の情報 センターのネットワーク化に必要な機材供与を決定した。将来的に100 都市まで拡 大する。 ・日中緑化交流基金 日中民間団体等による植林協力を支援するため、「日中緑化交流基金」並びに日中民間 緑化委員会が設立された。平成12 年度 23 件の助成事業が決定された。 (2)日中科学技術文化センターによる日中環境協力 (社)日中科学技術文化センター参与 横山 寛 氏 1)活動の紹介 ・ 日中ボイラ技術交流会:81 年、84 年、86 年 3 回開催 ・ 電力関係の交流会:93 年、95 年、97 年 3 回開催 ・ 環境保護日中技術交流会:97 年、中国で第1回開催、98 年中国環境科学研究院の 専門家を日本に招いて、講演会を開催、99 年中国で第 2 回交流会を開催 2)技術交流の主要内容 ・ 中小規模ボイラの大気汚染防止:NOx、SOxの低減対策 ・ ゴミ処理問題:焼却技術の交流、ダイオキシン対策

(33)

3)中国のゴミ焼却について ・ 深セン市(広東省)で三菱重工及びカナダの技術によるごみ焼却工場が建設され た。 ・ 深セン市側は、ゴミの無害化処理、発電等のメリットを強調している。 ・ 北京の中国環境科学研究院は、焼却施設の総合対策の重要性を強調している。 4)第2回交流会における中国側発表内容の紹介 ・ 国家環境保護総局科学技術処所長の挨拶要旨 前回の交流会で日本のボイラ技術が中国の大気汚染防止の参考になった。石炭 燃焼による大気汚染を解決するため、国家環境保護総局はボイラの脱硫について の政策を作成している。ごみ焼却は始まったばかりであるが、中国の多くの都市 に必要となる大きな産業である。中国は関連技術が不足しているので、日本の技 術支援を期待している。 ・ 中国環境科学研究院副院長の挨拶要旨 中国では、ゴミの量を正確にまとめたデータがなく、ゴミの発生と処理の実態 は把握されていないが、ゴミの問題は主要環境問題の一つである。中国はごみ焼 却法の立法を検討している。深セン市で建設した焼却炉をモデルとして普及させ ることも検討している。上海、沈陽なども建設する計画があるが、ゴミの分別回 収は進んでいないため、難航している。焼却炉の大気汚染防止、ダイオキシン対 策にも力を入れなければならない。焼却炉の排出基準の作成も急いでいる。(関連 情報:「生活ゴミ焼却汚染規制基準」、国家環境保護総局、2000 年 2 月 29 日発表、 2000 年 6 月 1 日より執行) ・ 有害廃棄物の処理について中国環境科学研究院羅研究員の講演要旨 ① 有害廃棄物の埋め立て処理による被害が発生したため、集中焼却処理が必 要である。 ② 埋め立て処理技術の研究の強化が必要 ③ 総合処理計画研究(貯蔵、運搬、処理) ④ 焼却装置の開発 ・ 固体廃棄物について中国環境科学研究院王琪研究員の講演要旨 ① 95 年固体廃棄物管理体制の確立:減量化、資源化、無害化 ② 固体廃棄物の総合利用促進:固体廃棄物を原料とする製品の減免税制度 ・ 中国の酸性雨問題について中国環境科学研究院王偉研究員の講演要旨 ① 92 年の統計では、大気汚染被害は 850 億元で、GNP の 5%を占め、損失は 300 億元に達した ② 石炭燃焼による二酸化硫黄、ばい煙による汚染が深刻である ③ グラフを用いて中国の酸性雨状況の説明 5)今後の協力について 石炭燃料使用を減らし、大気汚染防止を如何に効果的に進めるかを中心に、中国側のニー ズを引き出して、環境協力を進めていくことを目指している。

(34)

6.意見交換要旨 Q.国別援助計画は円借款の方向性及び重要分野の決定に影響を及ぼすものになるか。西部大開 発における開発と環境が両立できない場合、この援助計画ではどちらが優先されるのか。また、 CDM について外務省の考えを伺いたい。 A. ・ 計画に基いて援助を行うために、国別援助計画は当然影響力のあるものである。 ・ 西部大開発に関しては、中国国内でも議論の段階であり、具体的な内容が明らかになれば援 助計画に合わせて開発と環境の両立という視点もふまえ援助を検討することになる。 ・ CDM は難しい議論で、日本政府としては、ODA がないと温暖化対策が進まない国もある ことを考えて、ODA を活用したい方針であるが、中国等は強く反対している。アメリカも 公的資金の導入に反対している。 Q.専門家の立場では、中国に対する技術移転はうまくいっていないと感じている。例えば、自 動車都市走行モードを日本側の専門家が現地に入って作ったが、その後の進展が何もない。その 原因として3 つ考えた。①日中友好環境保全センターの自動車チームと試験施設の設置目的がは っきりしていないこと。車の認証等は機械工業部等の所管で、汚染物質の排出量の計算は各地方 政府が担当していること。②民営化の問題。研究機関の民営化により人件費と業務費の一部は自 分で稼ぐ必要があるため、収入になる業務が優先されがちであり、技術移転の受け入れに専念す る余裕がない。③人事異動の問題。せっかく技術移転を行った人間が人事異動のためいなくなっ た。技術移転について、何か対策を検討されているか。 A. JICA の評価ミッションが先週帰国したが、まだ報告を聞いていない。恐らくセンターだけの問 題ではなく、中国全体の問題ではないかと思う。ここ数年間、中国はものすごく変化してきた。 民営化については、中国全体の流れであり、ODA 全体で検討する必要がある。人の異動は中国だ けではなく、日本の技術協力全般に共通する問題である。現地の人間をプロジェクトに縛ること は不可能であり、相手国全体で考えれば、技術者を育てたことは事実である。 Q.自動車エンジンの専門家で、天津のトヨタ自動車に 3 年間駐在していたが、日中友好環境保 全センターに自動車関連の施設があること、走行モードをやっていることは知らなかった。天津 に大きな自動車技術研究所があり、通産省の関連機関ともコンタクトを取っている。自動車関連 の研究は高度な技術であり、民間の力を活用すればうまく行く可能性が高いのではないか。 A. 一つは情報公開の問題である。日本の援助国は150 カ国もあり、中国、インドネシア等に対す る援助は多岐に渡っている。JICA や JBIC もインターネットを使って情報公開に努めているが、 徹底することは難しい。もう一つは、「顔の見えない援助」といわれている日本の技術、経験、ノ ウハウ、マネジメント能力などソフト面の援助である。また、民間企業社員の専門家派遣はコス トなどの問題もある。

参照

関連したドキュメント

1 月13日の試料に見られた,高い ΣDP の濃度及び低い f anti 値に対 し LRAT が関与しているのかどうかは不明である。北米と中国で生 産される DP の

 左記の3つの選択肢とは別に、ユーロ円 TIBOR と日本円 TIBOR の算出プロセス等の類似性に着目し、ユーロ円 TIBOR は廃止せ ず、現行の日本円 TIBOR

(注)本報告書に掲載している数値は端数を四捨五入しているため、表中の数値の合計が表に示されている合計

「新老人運動」 の趣旨を韓国に紹介し, 日本の 「新老人 の会」 会員と, 韓国の高齢者が協力して活動を進めるこ とは, 日韓両国民の友好親善に寄与するところがきわめ

層の積年の思いがここに表出しているようにも思われる︒日本の東アジア大国コンサート構想は︑

本部事業として「市民健康のつどい」を平成 25 年 12 月 14

らに常に量目過多に包装されている」 (森 1983、 17 頁)と消費地からも非常に好評を博し た。そして日本の対中国綿糸輸出は 1914

(注)本報告書に掲載している数値は端数を四捨五入しているため、表中の数値の合計が表に示されている合計