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財政金融統計月報第720号

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平成24年度予算と財政の現状

Ⅰ 平成24年度予算

1 予算編成の前提となる経済情勢及び財政事情

(資料1)

⑴ 経済情勢

東日本大震災により我が国の経済活動は深刻な

打 撃 を 受 け,マ イ ナ ス 成 長 が2四 半 期 続 く な

ど,23年度は厳しい状況からのスタートとなっ

た。その後,官民の総力を結集した復旧・復興努

力を通じてサプライチェーンの急速な立て直しが

図られ,景気は持ち直しに転じたが,夏以降は急

速な円高の進行や欧州政府債務危機の顕在化によ

る世界経済の減速が,景気の持ち直しを緩やかな

ものにしていた。こうした状況に対し,政府は累

次の補正予算を編成し,復興への支援を図りつつ

景気の下方リスクに先手を打って対処した。復興

需要を中心とする政策効果が景気を下支えするこ

とから,景気は緩やかな持ち直しが続くものと見

込まれた。物価の動向を見ると,緩やかなデフレ

状況が続いていた。消費者物価は3年連続の下落

となった。23年度の国内総生産の実質成長率は,

成長の発射台がマイナスであったことから,その

後の景気の持ち直しにもか か わ ら ず マ イ ナ ス

0.

1%程度,国民の景気実感に近い名目成長率は

マイナス1.

9%程度と見込まれた。

24年度の日本経済は,本格的な復興施策の集中

的な推進によって着実な需要の発現と雇用の創出

が見込まれ,国内需要が成長を主導する。世界経

済については,欧州政府債務危機を主因とする世

界の金融資本市場の動揺が,各国政府等の協調し

た政策努力により安定化することを前提とする

と,主要国経済は減速から持ち直しに転じていく

と期待される。これは,我が国の輸出や生産に

とって望ましい環境をもたらしていくと考えられ

る。こうしたことから,我が国の景気は緩やかに

回復していくことが見込まれる。物価について

は,消費者物価上昇率は GDP ギャップの縮小等

により0.

1%程度になると見込まれる。GDP デフ

レーターは緩やかに下落する。完全失業率は,雇

用者数の緩やかな増加から低下する。こうした結

果,24年度の国内総生産の実質成長率は2.

2%程

度,各目成長率は2.

0%程度と,実質,名目とも

プラスに転じる。先行きのリスクとしては,欧州

政府債務危機の深刻化等を背景とした海外経済の

更なる下振れ,円高の進行やそれに伴う国内空洞

化の加速,電力供給の制約等が挙げられる。

⑵ 財政事情

我が国財政は,23年度補正(第4号)後予算で

は公債依存度が51.

9%にも及び,国・地方合わせ

た 長 期 債 務 残 高 が23年 度 末 に お い て GDP 比

192%程度になると見込まれた。我が国財政は主

要先進国中最悪の水準であるなど,極めて深刻な

状況にあり,こうした厳しい財政事情の下,政府

としては,「財政運営戦略」(22年6月22日閣議決

定。以下「財政運営戦略」という。)で示された,

国・地方の基礎的財政収支について,遅くとも27

(2015)年 度 ま で に そ の 赤 字 の 対 GDP 比 を22

(2010)年 度 の 水 準 か ら 半 減 し,遅 く と も32

(2020)年度までに黒字化するとの収支目標を達

成することとし,国単独の基礎的財政収支につい

ても,同様の収支目標を達成することとしてい

る。また,残高目標としても,33(2021)年度以

降において,国・地方の公債等残高の対 GDP 比

を安定的に低下させることとしている。

2 平成24年度予算の成立の経緯

平成24年度予算の編成 作 業 は,「中 期 財 政 フ

レーム(平成24年度∼平成26年度)」(23年8月12

日閣議決定。以下「中期財政フレーム」という。)

を遵守しつつ,東日本大震災からの復旧・復興及

び,震災と世界的な金融経済危機に直面している

我が国経済社会の再生を優先課題として進められ

た。

まず,年内編成を目指す観点から,財務大臣通

(2)

知という形で,23年8月23日に暫定的・機械的な

作業手順が発出され,前年度予算額と同額の要求

を基本としつつ,一定の経費については所要の削

減を織り込んだ要求とすることとする一方,復

旧・復興対策及び B 型肝炎関連経費については,

その財源と併せて別枠で管理することとし,これ

を踏まえて各省庁において必要な実務的作業が開

始された。その際,上記による要求・要望の期限

については,例年の8月末日から9月末日に改め

られた。その後,「平成24年度予算の概算要求組

替え基準について」(23年9月20日閣議決定。以

下「組替え基準」という。)において,上記の通

知で示した作業手順を土台として,「日本再生重

点化措置」が設定され,各省庁から概算要求書が

提出された。

さらに,予算編成作業が本格化する中で,「日

本再生重点化措置」については,「組替え基準」

を踏まえ,10月∼12月にかけて「予算編成に関す

る政府・与党会議」において政策の優先順位付け

が検討された。また,11月には行政刷新会議にお

いて「提言型政策仕分け」が行われた。こうした

取組を踏まえつつ,12月16日には「平成24年度予

算編成の基本方針」が閣議決定され,「日本再生

重点化措置」を最大限活用し,予算配分の重点化

を図るとともに,「提言型政策仕分け」等を適切

に反映させつつ,特に公務部門において徹底して

無駄を排除すること等が確認された。大臣折衝等

を経て,12月24日に平成24年度予算の政府案が閣

議に提出され,概算の閣議決定が行われた。

その後,予算書の作成等の準備を進め,平成24

年1月24日に平成24年度予算は第180回国会(常

会)に提出され,3月8日に衆議院において政府

案どおり可決されたが,4月5日に参議院におい

て否決されたため,両院協議会が開かれた。しか

しながら,両院の意見が一致しなかったため,日

本国憲法第60条第2項前段の規定により衆議院の

議決が国会の議決となり,同日成立をみた。ま

た,予算の空白を避ける観点から,平成24年4月

1日から4月6日までの期間に係る平成24年度暫

定予算が3月29日に国会に提出され,3月30日に

成立した。

3 平成24年度予算の概要

⑴ 平成24年度予算のポイント(資料2)

平成24年度予算においては,引き続き東日本大

震災からの復興に切れ目なく全力で対応するた

め,東日本大震災復興特別会計を創設し,必要な

予算を計上している。また,「日本再生重点化措

置」を実施し,我が国経済社会の真の再生のため

に予算を重点配分しているほか,「提言型政策仕

分け」等を予算に適切に反映し,公務部門におい

て徹底してムダを排除することなどにより,「中

期財政フレーム」を遵守しつつ,予算の大胆なメ

リハリ付けを行っている。

基礎的財政収支対象経費は,68兆3,

897億円で

あり,前年度当初予算と比べ,2兆4,

728億円の

減少となっている。

これに国債費21兆9,

442億円を合わせた一般会

計総額は,前年度当初予算と比べ,2兆777億円

減少の90兆3,

339億円としている。

一方,歳入については,租税等の収入は,42兆

3,

460億円を見込んでおり,前年度当初予算と比

べ,1兆4,

190億円の増加となっている。その他

収入は,3兆7,

439億円を見込んでおり,前年度

当初予算と比べ,3兆4,

427億円の減少となって

いる。

国債費が増加し,税外収入が大幅に減少する中

で,歳出・歳入両面において最大限の努力を行っ

た結果,新規国債発行額については44兆2,

440億

円,公債依存度は49.

0%となっている。

⑵ 一般会計の概要

〔歳出〕(資料3)

(社会保障関係費)

社会保障関係費については,高齢化等に伴って

必要となる年金・医療等の経費について,重点化

を図りつつ所要額を確保するとともに,子ども手

当制度の支給対象等も参考としつつ,新たな児童

手当制度を構築することとしている。また,経済

成長や人材育成,安全・安心社会の実現に資す

る,ライフ・イノベーションの一体的推進や在宅

医療・介護の推進,新卒大学生の現役就職支援な

どの施策を充実することとしている。基礎年金に

ついては,歳出予算(国庫負担36.

5%分)と税制

抜本改革により確保される財源を充てて償還され

る交付国債により,国庫負担2分の1を確保する

こととしている。これらの結果,24年度の社会保

障関係費は,23年度当初予算額に対して23,

177億

円(▲8.

1%)減の263,

901億円を計上している。

(文教及び科学振興費)

文教及び科学振興費については,基礎学力の向

上等を目指して,教育環境を整備し,学校・家

庭・地域の連携を支援するとともに,高等教育の

振興を図ることとし,科学技術においては,科学

(3)

技術イノベーションの推進の基盤を成す基礎研究

や,最先端の研究開発に対する支援等に重点化を

図ることとし,5兆4,

057億円を計上している。

(地方交付税交付金等)

地方財政については,震災対応に万全を期すほ

か,地方歳出について国の歳出の取組と基調を合

わせつつ,前年度に引き続き,地方の財源不足の

状況を踏まえた加算を1兆500億円行うこととし

ている。この結果,地方交付税交付金等につい

て,前年度当初予算と比べ1,

905億円減少し,16

兆5,

940億円となっているが,地方自治体に交付

される地方交付税の総額は5年連続で増加し,地

方の安定的な財政運営に必要となる地方の一般財

源の総額を適切に確保するなど,引き続き地方に

最大限配慮している。

(防衛関係費)

防衛関係費については,防衛計画の大綱及び中

期防衛力整備計画を踏まえ,引き続き,防衛力の

構造改革を行い,即応性,機動性等を重視した動

的防衛力の整備を図るとともに,コスト削減への

取組みなど経費の合理化・効率化を行うことと

し,4兆7,

138億円を計上している。

(公共事業関係費)

公共事業関係費については,23年度補正に引き

続き,復興のための施策を着実に推進するほか,

概算要求組替え基準の下,「選択と集中」やコス

ト縮減の徹底を通じて引き続き合理化・効率化を

図りつつ,国民生活の安全・安心の確保や新成長

戦略の実現のため,真に必要な社会資本整備等に

重点的に予算を配分することとし,4兆5,

734億

円を計上している。

(経済協力費)

経済協力費については,経費の見直しを行い,

コスト削減の徹底や予算の縮減・重点化等のメリ

ハリを強化しつつ,国際的な評価の対象となる

ODA 全体の事業量の確保を図ることとし,5,

216

億円を計上している。

(中小企業対策費)

中小企業対策費については,資金調達の円滑化

に必要な経費,中小企業の海外展開支援,研究開

発支援等について資金の重点的な配分を図ること

とする一方,事業の執行状況等を踏まえた既存事

業の見直し等により支出の抑制を図り,1,

802億

円を計上している。

(エネルギー対策費)

エネルギー対策費については,東京電力福島第

一原子力発電所事故を踏まえ,原子力安全対策や

電力供給不足への対応等に重点化を図ることと

し,8,

202億円を計上している。

(農林水産関係予算)

農林水産関係予算については,「我が国の食と

農林漁業の再生のための基本方針・行動計画」

(平成23年10月食と農林漁業の再生推進本部決

定)に基づき,競争力・体質強化を図り,若者が

担う農業を目指して,農地の集約化,若者の新規

就農を進め,6次産業化を始め,若者が魅力を感

じ,安心して創意工夫を活かせる農業への改革を

推進し,2兆1,

727億円を計上している。

〔歳入〕(資料4)

歳入項目について概要を説明すると以下のとお

りである。

租税及び印紙収入は,平成23年度当初予算額に

対して1兆4,

190億円増の42兆3,

460億円になると

見込まれる。

その他収入は,平成23年度当初予算額に対して

3兆4,

427億円減の3兆7,

439億円になると見込ま

れる。

公債金は,平成23年度当初予算額を540億円下

回る44兆2,

440億円である。

公債金のうち,5兆9,

090億円については,「財

政法」(昭22法34)第4条第1項ただし書の規定

により発行する公債(4条公債)によることと

し,38兆3,

350億円については,第180回国会に提

出した「平成二十四年度における公債の発行の特

例に関する法律案」の規定により発行する公債(特

例公債)によることとしている。この結果,平成

24年度予算の公債依存度は49.

0%(平成23年度当

初予算47.

9%,補正(第4号)後予算51.

9%)と

なっている。

Ⅱ 我が国の財政の現状

1 我が国の財政事情の推移等(資料5)

我が国の財政事情の推移を,公債の発行状況か

ら見てみると,昭和30年度から続いていた財政均

衡原則が,昭和40年度補正予算における歳入補て

ん公債発行で破られた後,昭和50年度補正予算に

おいて初めて,特例公債が発行された。その後,

公債発行額は急増し,昭和54年度には公債依存度

(歳出総額のうち公債発行でまかなわれている割

合)が34.

7%にも達した。

このような状況に鑑み,昭和59年度,次いで昭

和65年度を特例公債脱却の目標年次として掲げつ

(4)

つ,概算要求基準においていわゆるゼロ・シーリ

ングやマイナス・シーリングを設定すること等に

より財政再建路線がとられた。こうした財政再建

努力とバブル期における好調な税収増により,

「65年度脱却目標」は達成された。しかし,バブ

ル経済崩壊後,景気低迷による税収減や景気対策

としての減税等により歳入が減少した一方,歳出

については,公共事業をはじめとした景気対策や

高齢化による社会保障費の増大により伸び続けた

結果,歳出と歳入の乖離幅は拡大し,我が国の財

政は急速に悪化した。

急激に悪化する財政事情に対する危機感から,

平成9年11月には財政構造改革法が成立し,平成

10年度当初予算における公共投資関係費を前年度

比7%以上減額する等,予算の歳出分野毎に量的

縮減目標(キャップ)が設定された。また,平成

15年度までに特例公債への依存から脱却し,同年

度までに国・地方を合わせた財政赤字の対 GDP

比を3%以下とする等の財政構造改革の目標など

が定められた。平成10年度当初予算はこの法律に

したがって編成されたが,その後,経済活動の著

しい停滞等の場合に特例公債の減額規定の例外を

認める弾力条項が設けられたのを受けて,平成10

年度第1次補正予算が編成され,さらに財政構造

改革法の凍結を前提に11月の緊急経済対策に基づ

く第3次補正予算,平成11年度当初予算が編成さ

れ た。こ の 結 果,平 成10年 度 当 初 予 算 で15兆

5,

570億円であった公債発行額は第3次補正後予

算で34兆円,平成11年度当初予算で31兆500億円

となり,公債依存度も37.

9%となった。

その後,平成11年度,平成12年度と大量の公債

発行が続いたが,平成13年度予算においては,厳

しさを増している財政状況に鑑み,公債発行額を

可能な限り縮減することとし,公債発行額は第2

次補正後予算で30兆円となった。平成14年度当初

予算においては,「公債発行額30兆円以下」との

目標の下,歳出の徹底した見直しを行い,公債発

行額は30兆円(補正後予算34兆9,

680億円),公債

依存度は36.

9%(補正後予算41.

8%)となった。

平成15年度以降,歳出改革路線を堅持すること

により,公債発行額の抑制に努め,平成18年度当

初予算において平成13年度当初予算以来5年ぶり

に新規国債発行額が30兆円を下回る水準となっ

た。公債依存度は37.

6%に低下し,当初予算では

平成14年度当初予算以来4年ぶりに30%台となっ

た。平成19年度から平成20年度当初予算において

は,「基本方針2006」に定められた歳出改革を確

実に実施し,歳出・歳入にわたる努力を行った結

果,新規国債発行額は減額を続けた。しかし,平

成20年秋以降の世界経済危機の影響で税収が大幅

減になるとともに経済対策を行った結果,歳出・

歳入の差額が拡大し,平成22年度当初予算では,

公債発行額は44兆3,

030兆円,公債依存度48.

0%

という異常な事態となった。

こうした厳しい財政事情の下,政府としては22

年6月22日,「財政運営戦略」を策定し,財政健

全化目標として収支(フロー)にかかる目標と残

高(ストック)にかかる目標を定めた。収支目標

としては,国・地方の基礎的財政収支について,

遅くとも2015年度までにその赤字の対 GDP 比を

2010年度の水準から半減し,遅くとも2020年度ま

でに黒字化するとの目標を達成することとしてお

り,国単独の基礎的財政収支についても,国・地

方と同様の目標を定めている。また,残高目標と

しては,2021年度以降において,国・地方の公債

等残高の対 GDP 比を安定的に低下させることと

している。

これを踏まえ,平成23年度予算編成では,「中

期財政フレーム」に基づき,基礎的財政収支対象

経費については,歳出の大枠71兆円以下を堅持す

るとともに,新規国債発行額を22年度当初予算の

水準(約44兆円)を上回らないものとするよう全

力をあげた。また,平成24年度予算編成について

も,23年度に引き続き,基礎的財政収支対象経費

については,歳出の大枠68.

4兆円以下を堅持する

とともに,新規国債発行額を23年度当初予算の水

準(約44兆円)を上回らないものとするよう全力

をあげた。その結果,24年度当初予算の国債発行

額は44兆2,

440億円,公債依存度は49.

0%となっ

ている。

2 財政事情の国際比較(資料6∼8)

我が国の財政事情は,主要先進国の中で極めて

厳しい状況にある。

1990年代後半に主要先進国がそろって財政収支

を改善する中,我が国の財政収支は大幅な赤字が

続いた。2000年代に入り,我が国の財政収支は改

善傾向にあったが,2008年秋以降の世界金融経済

危機の影響により,足元で再び悪化している。

また,債務残高の対 GDP 比についても,90年

代後半に財政の健全化を着実に進めた主要先進国

と比較して,我が国は急速に悪化しており,最悪

の水準となっている。

諸外国の財政健全化に向けた取組については,

不況への対応により悪化した財政を健全化すべ

(5)

く,新たな目標を定め,中期的に財政の持続可能

性を確保することとしている。

3 財政健全化の必要性・重要性(資料9)

財政赤字及び債務残高が増大した場合の影響に

ついて,最近の欧州の政府債務問題の動向も踏ま

えると,以下のように,自国内の経済・財政・国

民生活に重大な影響を与えると同時に,世界経済

にも悪影響を及ぼすと考えられ,財政の健全化は

緊急の課題となっている。

⑴ 金利上昇に伴う利払費増による財政の硬直化等

一般に,財政収支の悪化が進むと長期金利が上

昇する傾向が見られる。その結果,毎年の利払費

が増加して利払費以外の歳出を抑制せざるを得な

くなり,財政における政策の自由度が減少するこ

ととなる。

⑵ 政府部門の資金調達増大による民間の資金調

達の阻害

政府部門の資金調達が増大すると,設備投資等

のために民間企業が行う資金調達を阻害すること

となる。その結果,民間企業の生産活動が低下

し,経済成長にマイナスの影響を与えることが懸

念される。

⑶ 負担・給付における世代間の不公平拡大と将

来の負担増に備えた消費抑制

財政赤字や債務残高の累増は,いわば,現在の

世代がその受益に見合って負うべき負担を将来の

世代に先送りしていることを意味する。高齢化の

進展により,担い手世代1人当たりの負担が増加

すると見込まれる中で,現在の世代が負うべき負

担まで将来世代に負わせれば,現在の世代と将来

の世代の間に著しい不公平を生みかねない。

また,そうした状況の下では,もはや現在の社

会保障などの制度自体も立ち行かなくなることが

想定され,このような将来に対する懸念は,家計

の消費を抑制して貯蓄を増加させるという行動に

つながる可能性がある。その結果,民間消費が減

速し,経済成長にマイナスの影響を与えることが

懸念される。

⑷ 将来における税の超過負担による将来世代の

経済的損失

我が国においては,今後とも社会保障給付の増

大が見込まれており,それを賄うためには,いず

れかの時点で税率の引上げによる負担増が必要と

なる。

これについて,ロバート・バロー教授の「課税

平準化理論」によれば,仮に負担増を先送りして

将来の税負担を増加させれば,将来世代に税率の

二乗に比例した経済的損失を負わせることに加

え,平準的に課税をした場合に比べて期間を通じ

た経済に対する悪影響が大きくなる。

⑸ 財政危機による国民生活・経済に対する直接

的な影響

財政赤字や債務残高の累増により,財政につい

ての市場の信認が失われれば,金利が上昇するだ

けにとどまらず,市場からの資金調達ができなく

なる事態に至ることも想定される。現に,ギリ

シャを始め,欧州の政府債務問題を抱えた国々

は,市場からの資金調達が困難となり,IMF や

EFSF からの融資を受けるため,厳しい財政健全

化策を実施せざるを得ない状況となった。その結

果,国民に対して,厳しい負担増を強いつつ,社

会保障給付を始めとする行政サービスを削減せざ

るを得なくなり,国民生活や経済に大きな影響が

及んでいることに加え,デモやストライキも頻発

し,社会全体の安定性も脅かしかねない状況と

なっている。

⑹ 財政危機の世界経済・市場への影響

経済のグローバル化が進んでいる現在,ある国

の財政危機の及ぼす悪影響は一国だけにとどまら

ない。まず,ある国の財政状況に対し市場におい

て不信感が生じた場合,格下げ等を通じて国債金

利が上昇(すなわち国債価格が下落)し,その国

債を保有する内外の金融機関の自己資本が毀損し

てその経営状況に懸念が生じることになる。その

結果,金融機関の株価下落やそれに連動した株式

市場全体の株価下落,為替の急激な変動に加え,

金融機関間での資金の融通が困難となることによ

る流動性の枯渇や信用収縮が発生する。そして,

このような動きは,市場を通じて,世界全体に拡

大し,世界経済に悪影響を及ぼすことになる。

(6)

(資料1) 平成24年度経済見通し主要経済指標 (注)民間在庫品増加の( )内は国内総生産に対する寄与度。 (注)労働・雇用については岩手県,宮城県及び福島県を含む全国値。なお,22年度は,一定の仮定の下で内閣府が試算したもの。 (注)消費者物価指数は総合である。 (備考)上記の諸計数は,現在考えられる内外環境を前提とし,「平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」(24年1月24日閣議決 定)において表明されている経済財政運営の下で想定された24年度の経済の姿を示すものであり,我が国経済は民間活動がその主体をな すものであること,また,特に国際環境の変化には予見し難い要素が多いことにかんがみ,これらの数字はある程度幅をもって考えられ るべきものである。 22年度 (実績)(実績見込み)23年度 (見通し)24年度 対前年度比増減率 23年度 24年度 名目・兆円 名目・兆円 程度 名目・兆円程度 名目・%程度 実質・%程度 名目・%程度 実質・%程度 国 内 総 生 産 479.2 470.1 479.6 △1.9 △0.1 2.0 2.2 民 間 最 終 消 費 支 出 284.2 282.7 285.4 △0.5 0.3 1.0 1.1 民 間 住 宅 13.0 13.5 14.5 4.1 2.9 7.3 6.3 民 間 企 業 設 備 62.1 61.0 64.2 △1.7 △1.1 5.2 5.1 民 間 在 庫 品 増 加 △1.5 △2.4 △1.8 (△0.2) (△0.2) (0.1) (0.1) 政 府 支 出 117.1 119.8 120.3 2.3 2.3 0.4 0.6 政 府 最 終 消 費 支 出 95.8 97.9 98.3 2.2 2.5 0.4 0.8 公 的 固 定 資 本 形 成 21.4 21.9 21.9 2.0 0.9 0.1 △1.0 財 貨 ・ サ ー ビ ス の 輸 出 73.8 72.5 77.2 △1.8 0.0 6.6 6.5 (控除)財貨・サービスの輸入 69.5 76.9 80.2 10.7 4.6 4.2 3.3 内 需 寄 与 度 △0.1 0.6 1.7 1.8 民 需 寄 与 度 △0.6 0.0 1.6 1.6 公 需 寄 与 度 0.6 0.6 0.1 0.2 外 需 寄 与 度 △1.8 △0.7 0.3 0.4 国 民 所 得 349.3 342.3 349.4 △2.0 2.1 雇 用 者 報 酬 244.3 244.5 246.9 0.1 1.0 財 産 所 得 19.8 19.1 19.7 △3.5 2.7 企 業 所 得 85.2 78.6 82.9 △7.7 5.4 労 働 ・ 雇 用 (実 績)22年度 (実績見込み)23年度 (見通し)24年度 対前年度比増減率 23年度 24年度 万人 万人程度 万人程度 %程度 %程度 労 働 力 人 口 6,587 6,538 6,551 △0.7 0.2 就 業 者 総 数 6,257 6,243 6,269 △0.2 0.4 雇 用 者 総 数 5,469 5,474 5,518 0.1 0.8 % %程度 %程度 完 全 失 業 率 5.0 4.5 4.3 − − 生 産 (実 績)22年度 (実績見込み)23年度 (見通し)24年度 % %程度 %程度 鉱 工 業 生 産 指 数 ・ 増 減 率 8.9 △1.9 6.1 物 価 (実 績)22年度 (実績見込み)23年度 (見通し)24年度 % %程度 %程度 国内企業物価指数・変化率 0.7 1.9 0.7 消 費 者 物 価 指 数 ・ 変 化 率 △0.4 △0.2 0.1 GDPデフレーター・変化率 △2.0 △1.8 △0.2 国 際 収 支 (実 績)22年度 (実績見込み)23年度 (見通し)24年度 対前年度比増減率 23年度 24年度 兆円 兆円程度 兆円程度 %程度 %程度 貿 易 ・ サ ー ビ ス 収 支 5.2 △3.6 △1.7 − − 貿 易 収 支 6.5 △1.6 0.1 − − 輸 出 64.5 64.2 69.1 △0.4 7.6 輸 入 58.0 65.8 69.0 13.6 4.8 経 常 収 支 16.1 9.9 12.2 − − % %程度 %程度 経 常 収 支 対 名 目 G D P 比 3.4 2.1 2.5 − − 6

(7)

(資料2) 平成24年度予算のポイント 平成24年度予算フレーム (単位:億円) (単位:億円) 23年度予算 24年度予算 23 →24 備 考 (歳 入) ○財政投融資特別会計積立金(9,967億円)については,復興債償還 財源として財政投融資特別会計から国債整理基金特別会計へ繰入れ ○公債依存度 49.0%(23年度 47.9%) ○中期財政フレーム「平成23年度当初予算の水準(約44兆円) を上回らないものとするよう,全力をあげる。」 税 収 409,270 423,460 14,190 そ の 他 収 入 71,866 37,439 △34,427 うち特例法によるもの 24,897 ― △24,897 公 債 金 442,980 442,440 △540 うち4条公債(建設公債) 60,900 59,090 △1,810 うち特例公債(赤字公債) 382,080 383,350 1,270 計 924,116 903,339 △20,777 (歳 出) ○中期財政フレーム「少なくとも前年度当初予算の『基礎的 財政収支対象経費』の規模を実質的に上回らない」 ○24年度の年金差額分については,税制抜本改革により確保 される財源を充てて償還される交付国債により確保 (参考)地方交付税総額(特会出口ベース)174,545億円 (対23年度+812億円) 国 債 費 215,491 219,442 3,951 基 礎 的 財 政 収 支 対 象 経 費 708,625 683,897 △24,728 うち社会保障関係費 287,079 263,901 △23,177 うち地方交付税交付金等 167,845 165,940 △1,905 うち経済危機対応・地域活性化予備費 8,100 9,100 1,000 うち東日本大震災復興特別会計繰入れ ― 5,507 5,507 その他 245,601 239,448 △6,153 計 924,116 903,339 △20,777 (歳 入) 復興特別税 ! # % うち,復興特別法人税 復興特別所得税 " $ & 一般会計からの繰入 ! # # # % うち,子ども手当見直し 高速無料化見直し エネルギー対策特会株式売却収入 公務員宿舎等売却収入 " $ $ $ & 税外収入 (公共事業費負担金等) 復興債 5,305 ! # % 4,810 495 " $ & 5,507 ! # # # # % 4,272 1,200 20 15 " $ $ $ $ & 118 26,823 計 37,754 (歳 出) 東日本大震災復興経費 ! # # % うち,復旧・復興事業 除染等事業 交付税特会への繰入(震災復興特別交付税財源) " $ $ & 交付税特会から地方への出口ベース:6,855億円 国債整理基金特会への繰入 東日本大震災復興予備費 32,500 ! # # % 22,497 4,513 5,490 " $ $ & 1,253 4,000 計 37,754

一般会計予算フレーム

① 「日本再生重点化措置」において,我が国経済社会の真の再生に資するために予算を重点配分 ② 「提言型政策仕分け」の提言等を踏まえ,既存予算を見直し ③ 公務部門における無駄を徹底して削減 ④ 23年度補正予算に引き続き,東日本大震災からの復旧・復興に全力で対応 ⑤ 市場の信認確保のため,「中期財政フレーム」(歳出の大枠約68.4兆円,新規国債発行額約44兆円)を堅持 (注1)計数は,それぞれ四捨五入によっているので,端数において合計とは一致しないものがある。 (注2)B型肝炎ウイルス感染者に対する給付金等の支給に係る歳入・歳出が上記には含まれている。 (注3)東日本大震災からの復旧・復興対策に係る歳入・歳出については,上記とは別途,東日本大震災復興特別会計に計上している。

東日本大震災復興特別会計予算フレーム

(注1)23年度1次∼3次補正:14兆円台半ば+24年度当初:3.4兆円(予備費除き)−24年度当初除染:0.5兆円+その他地方が実施する緊急防災・減災事業 (地方単独事業を含む):0.6兆円≒18兆円程度 (注2)財政投融資特会積立金(9,967億円)については,復興債償還財源として,財政投融資特別会計から国債整理基金特会に繰入れ 7

(8)

1. 災害救助等関係経費 762億円 ○災害救助費負担金(民間賃貸住宅を活用した仮設住宅の提供) 494億円 ○大学等の授業料等の減免,奨学金 113億円 等 2. 災害廃棄物処理事業費 3,442億円 ○災害廃棄物処理事業 3,440億円 等 3. 公共事業等の追加 5,091億円 ○公共土木施設等の災害復旧 1,899億円 ○三陸沿岸道路の整備等 1,215億円 ○学校施設等の復旧 213億円 ○水道施設の災害復旧 200億円 ○水産基盤整備事業 178億円 ○農業農村整備事業 99億円 等 4. 災害関連融資関係経費 1,210億円 ○中小企業等金融関係経費 1,042億円 ○農林水産業金融関係経費 168億円 5. 地方交付税交付金 5,490億円 ○交付税特会への繰入(震災復興特別交付税財源) 5,490億円 6. 東日本大震災復興交付金 2,868億円 ○東日本大震災復興交付金 2,868億円 7. 原子力災害復興関係経費 4,811億円 ○ 除染,汚染廃棄物処理等 4,513億円 ○ 福島避難解除区域生活環境整備事業【新規】 42億円 等 − 原子力発電所事故による避難区域等の解除に伴い,長期避難のために放置されていた 公共施設の機能回復等を進め,住民の速やかな帰還を実現 8. 全国防災対策費 4,827億円 ○ 学校施設の耐震化・防災機能の強化 1,209億円 ○ 道路の防災・減災対策等 351億円 ○ 河川の津波対策等 263億円 ○ 社会資本整備総合交付金 1,462億円 ○ 災害対応型拠点石油基地等整備事業【新規】 145億円 等 − 大規模災害発生時に被災地に石油製品を確実に供給するための拠点となる石油基地・ SS・LPガス充填所等を整備するための支援 9. その他の東日本大震災関係経費 3,999億円 ○ 災害復興住宅融資等 539億円 ○ 大学等を活用した地域の再生 515億円(注1) ○ 中小企業組合等共同施設等災害復旧事業 500億円 ○ 国内立地補助事業 280億円 ○ 雇用対策(求職者支援制度等) 107億円 ○ 漁業・養殖業復興支援事業 106億円 等

総額

3兆2,

500億円

24年度予算における主な東日本大震災関係経費

※以下は全て東日本大震災復興特別会計に計上 (注1)一部,「3. 公共事業等の追加」に入る経費が含まれている。 (注2)計数は,それぞれ四捨五入によっているので,端数において合計とは一致しないものがある。 8

(9)

下記計数は,上段:復興除き,下段:復興込み (単位:億円) 主 要 経 費 23年度 (対前年度) 24年度 増減額 (対前年度) 伸率 (対前年度) 備 考 社 会 保 障 関 係 費 287,079 (+5.3%) 263,901 264,227 ▲23,177 ▲22,852 ▲8.1% ▲8.0% ・年金差額分(基礎年金国庫負担2 分の1と36.5%との差額)を追加 する前の23年度予算額は262,949 億 円(23年 度→24年 度(復 興 除 き):伸率+0.4%)。 ・24年 度 に お い て は,歳 出 予 算 (36.5%分)と税制抜本改革によ り確保される財源に充てて償還さ れる「年金交付国債(仮称)」(年 金差額分)により,国庫負担の2 分の1を確保。 文教及び科学振興費 55,100 (▲1.4%) 54,057 56,378 ▲1,043 +1,278 ▲1.9% +2.3% うち,科学技術 振興費 13,352 (+0.1%) 12,943 13,590 ▲409 +239 ▲3.1% +1.8% 恩 給 関 係 費 6,434 (▲9.9%) 5,712 ▲722 ▲11.2% 地方交付税交付金等 167,845 (▲4.0%) 165,940 171,430 ▲1,905 +3,585 ▲1.1% +2.1% 交付税特会出口ベース(対前年度) (+812億円) (+7,667億円) 防 衛 関 係 費 47,752 (▲0.3%) 47,138 48,274 ▲614 +522 ▲1.3% +1.1% 公 共 事 業 関 係 費 49,743 (▲5.1%) 45,734 53,022 ▲4,009 +3,279 ▲8.1% ▲ 3.2% +6.6% +11.4% □内の数値は一括交付金影響除き。 経 済 協 力 費 5,298 5,216 ▲82 ▲1.6% (復興除き) O D A(国 費) 5,727 (▲7.4%) 5,612 ▲116 ▲2.0% (復興除き) 中 小 企 業 対 策 費 1,969 (+3.0%) 1,802 3,356 ▲167 +1,388 ▲8.5% +70.5% エ ネ ル ギ ー 対 策 費 8,559 (+1.7%) 8,202 8,336 ▲357 ▲223 ▲4.2% ▲2.6% 食料安定供給関係費 11,587 (▲0.2%) 11,041 11,694 ▲545 +108 ▲4.7% +0.9% そ の 他 事 項 経 費 55,660 57,047 70,643 +1,387 +14,984 +2.5% +26.9% うち,一括交付金 5,120 8,329 +3,209 +62.7% 経済危機対応・地域 活性化予備費 8,100 9,100 +1,000 +12.3% 予 備 費 3,500 3,500 − − 復 興 特 会 繰 入 − 5,507 − − 合 計 708,625 683,897 ▲24,728 ▲3.5% (復興除き)

主要経費の分類

(10)

(単位 億円) 社会保障 263,901 (29.2%) 基礎的財政 収支対象経費 683,897 (75.7%) 基礎的財政 収支対象経費 683,897 (75.7%) 国債費 219,442 (24.3%) 国債費 219,442 (24.3%) 文教及び 科学振興 54,057 (6.0%) 文教及び 科学振興 54,057 (6.0%) 防衛 47,138 (5.2%) 防衛 47,138 (5.2%) 公共事業 45,734 (5.1%) 公共事業 45,734 (5.1%) その他 107,127 (11.9%) 地方交付税 交付金等 165,940 (18.4%) 債務償還費 120,896 (13.4%) 利払費等 98,546 (10.9%) 一般会計 歳出総額 903,339 (100.0%)

∼「日本再生重点化措置」の対象となる4分野∼

平成24年度一般会計歳出の構成

(※)一般歳出(*)における社会保障費の割合:51.5% *一般歳出は,基礎的財政収支対象経費から地方交付税交付金等と東日本大震災復興特別会計繰入を除いたものとしている。 (注1)計数については,それぞれ四捨五入によっているので,端数において合計とは一致しないものがある。 (注2)復興関連の歳入・歳出については,上記とは別途,東日本大震災復興特別会計に計上している。

日本再生重点化措置 ∼対象となる4分野∼

○歳出削減により捻出された財源を用いて,再生に向けてより効果の高い施策に予算を重点配分する取組(「日本 再生重点化措置」)を実施。 ○我が国経済社会を再生し,国民一人ひとりが希望をもって前に進める社会を実現するため,以下の4分野におい て,予算を重点的に配分。 ○概算要求組替え基準段階の7,000億円規模から,予算編成過程における更なる歳出削減を活用し,1兆円規模に 拡大。 ⅰ)新たなフロンティア及び新成長戦略 (科学技術・エネルギー・海洋・宇宙等,インフラ整備を含めた成長基盤の強化) (例)準天頂衛星システムの整備・運用(内閣府), 新たな成長への取組(パッケージ型インフラ海外展開とグリーン成長の促進)(外務省), 資源権益の獲得(経済産業省),中小企業の海外展開・技術力の強化(経済産業省), 我が国の環境技術を活用したリサイクル対策等(環境省等) ⅱ)教育(スポーツを含む)・雇用などの人材育成 (例)新たなスポーツ文化創造プロジェクトによる日本再生(文部科学省) ⅲ)地域活性化(新たな沖縄振興政策を含む) (例)沖縄振興予算(内閣府),鉄道による地域活性化(国土交通省) ⅳ)安心・安全社会の実現 (例)治安水準の更なる向上のための総合対策の推進(警察庁),集中豪雨等による災害防止対策(農林水産省等), 水害・土砂災害・津波対策(国土交通省等),災害への対処能力の向上(防衛省) 10

(11)

○準天頂衛星システムの整備・運用(内閣府) 41億円 ○経済成長に資する情報通信技術の研究開発・利活用促進(総務省) 89億円 ○新たな成長への取組(パッケージ型インフラ海外展開とグリーン成長の促進)(外務省) 301億円 ○新たな成長を牽引する大学の教育研究基盤強化事業(文部科学省) 483億円 ○海洋フロンティアへの挑戦(文部科学省) 27億円 ○資源権益の獲得(経済産業省) 177億円 ○ヘルスケア産業の創出(経済産業省) 33億円 ○中小企業の海外展開・技術力の強化(経済産業省) 30億円 ○幹線道路ネットワークの整備(国土交通省等) 1,440億円(沖縄分含む) ○首都圏空港の強化(国土交通省) 118億円 ○我が国の環境技術を活用したリサイクル対策等(環境省等) 60億円(沖縄分含む) ○新たなスポーツ文化創造プロジェクトによる日本再生(文部科学省) 35億円 ○沖縄振興予算(内閣府) 773億円 ○鉄道による地域活性化(国土交通省) 150億円 ○情報収集衛星の研究・開発(内閣官房) 40億円 ○治安水準の更なる向上のための総合対策の推進(警察庁) 85億円 ○安心・安全社会の実現のための刑事司法の基盤強化(法務省) 72億円 ○在宅医療・介護の推進(厚生労働省) 18億円 ○集中豪雨等による災害防止対策(農林水産省等) 200億円(北海道,沖縄分含む) ○水害・土砂災害・津波対策(国土交通省等) 645億円(沖縄分含む) ○災害への対処能力の向上(防衛省) 56億円

安心・安全社会の実現

地域活性化(新たな沖縄振興政策を含む)

新たなフロンティア及び新成長戦略

教育(スポーツを含む)・雇用などの人材育成

日本再生重点化措置 ∼主な優先・重点事業〈4分野別〉∼

11

(12)

○準天頂衛星システムの整備・運用 (内閣府) 41億円 ○情報収集衛星の研究・開発 (内閣官房) 40億円 ○我が国の強み・特色を活かした宇宙開発 (文部科学省) 141億円 ○資源権益の獲得(経済産業省) 177億円 ○海洋フロンティアへの挑戦(文部科学省) 27億円 ○海洋権益確保を保全するための海洋調査 等の推進(海洋調査能力の向上) (国土交通省) 19億円

□主な例

○幹線道路ネットワークの整備 (国土交通省等)(沖縄分含む) 1,440億円 ○国際コンテナ戦略港湾の整備 (国土交通省) 303億円 ○首都圏空港の強化(国土交通省) 118億円 ○新たな成長への取組(パッケージ型インフラ 海外展開とグリーン成長の促進) (外務省) 301億円 ○中小企業の海外展開・技術力の強化 (経済産業省) 30億円 ○我が国の環境技術を利用したリサイクル 対策等(環境省等) 60億円 (北海道分含む)

成長インフラ

海外展開支援

提言のポイント ○医療においては,リスクや勤務時間に応じ て報酬配分を大胆に見直す。診療報酬本体 は,据え置き6名,抑制3名との意見。 ○年金においては,将来も持続可能な年金制 度とするために,まずは24年度から特例水 準を解消していくべき。 ○生活保護においては,その急増の要因が, 医療扶助であることから,真に必要な方へ の医療水準を維持しつつ,あらゆる方法で 適正化に取り組むべき。 24年度予算等への反映 ○診療報酬本体の引上げを+1.38%(5,500 億円程度)行うこととし(ネット+0.00%), これを救急,産科,小児,外科等の急性期 医療,地域生活を支える在宅医療の充実等 に重点配分することを大臣合意。 ○年金の特例水準は,24年度から3年間で解 消。24年度は▲0.9%分を解消。 ○生活保護受給者の医療扶助に対して,①後 発医薬品の利用促進を強化するとともに, ②電子レセプトを活用した医療機関に対す る指導強化等を実施(効果額▲124億円)。

日本再生重点化措置

∼〈府省の枠組みを越えた横断的検討・成長基盤の重視〉∼

○新たなフロンティア分野である「宇宙」「海洋」関連事業等については,府省の枠組みを超えて,重複排除等の 横断的検討を行った上で,重点的に事業を選定。 ○成長基盤の強化のため,成長インフラ,海外展開支援関連事業を重視。

「提言型政策仕分け」の提言の適切な反映⑴

■「提言型政策仕分け」の提言を,平成24年度予算においても最大限反映することで,歳出の見直しを徹底。 社 会 保 障 12

(13)

○大震災関連で必要な増員には適切に配慮しつつ,大幅な純減を確保 ・大震災関連(時限)及び振替除きで ▲2,018人 ※ 14年度以降で最大の純減規模(法人化等を除く) ・大震災関連等を含む全体の純減数でも ▲1,300人 ※ 23年度の純減数と同数 ○総定員法制定(昭和44年)以来初めて,全ての省庁で純増なし(大震災関連(時限)及び振替を除く) ○行政機関の行う事務・事業に必要な「庁費」について,全体として総額を厳しく抑制 24年度予算:38,898億円(対前年度:▲1,376億円) ※主な増減内訳 ・防衛に関連するもの(航空機,艦船等の修理費など)(+526億円)等の増 ・高速道路の無料化(▲1,200億円),米麦買入費(▲242億円)等の減 ○特に,行政機関が事務を行うために必要な庁費(※)については,過去30年間で初めて,全省庁・全特別会計 で前年度予算額を下回るよう厳しく抑制 ※備品費,消耗品費,光熱水料,機器借料等 24年度予算:2,337億円(対前年度:▲70億円) ※東日本大震災からの復旧・復興対策に係る経費を除く

定員縮減への取組み

庁費抑制への取組み

提言のポイント ○高速増殖炉の研究開発について,もんじゅ を用いた研究開発の存続の是非を含め,従 来の体制・計画を抜本的に見直し,再検 証。 ○再生可能エネルギー利用等の促進方策に関 して,重複排除,優先順位付け等の調整を 行う仕組みを構築すべき。 24年度予算等への反映 ○高速増殖炉サイクル研究開発費を縮減 (対前年度▲102億円(▲25%))。 ○特にもんじゅについては,対応調整費の計 上を見送り(対要求▲22億円),維持管理 費も減額(対要求▲18億円)。 ○重複していると例示された3省7事業の予 算を縮減(対要求▲193億円)。 提言のポイント ○大学の自律的改革の促進,法科大学院の抜 本的見直し,大学改革全体に向けての国の 明確なビジョン作りや運営費交付金等の算 定基準の見直し。 24年度予算等への反映 ○国立大学法人運営費交付金を縮減(対前年 度▲161億円)する一方,「国立大学改革強 化推進事業」(138億円)を創設。 ○私立法科大学院に対する補助を1割程度減 額(対前年度▲4億円)。

「提言型政策仕分け」の提言の適切な反映⑵

原子力・エネルギー等 教 育(大 学)

公務部門における無駄の削減 ∼定員管理・庁費について∼

東日本大震災後最初の当初予算であり,更に社会保障・税一体改革を控えていることから,全省庁を挙げて厳格 な定員管理に取り組み,大幅な縮減を実現。 また,行政機関の行う事務・事業に必要な「庁費」についても,徹底して無駄を排除。 13

(14)

○平成24年度予算見込額 一般会計 官庁営繕費 168億円(対前年度▲5.3%) うち新営整備費(全て継続案件) 6億円(同▲77.0%) 財政投融資特別会計特定国有財産整備勘定 特定国有財産整備費(庁舎分) 189億円(同▲4.4%) (国土交通省官庁営繕部実施分) (注)合同庁舎の新規建替案件の予算計上は行わない。 ○平成24年度予算見込額 一般会計 公務員宿舎施設費 66億円(対前年度▲26.2%) うち公務員宿舎建設経費 8億円(同▲71.5%) 財政投融資特別会計特定国有財産整備勘定 特定国有財産整備費(宿舎分) 161億円(同▲4.3%) (注)公務員宿舎の新規建替案件の予算計上は行わない。

官庁営繕への対応

公務員宿舎への対応

①国債発行額 ・平成24年度の新規国債発行額(復興債を除く)について,平成23年度当初予算の水準(44兆円) を上回らないものとするよう全力をあげる。 ②歳入面での取組 ・税制の抜本的な改革については,平成22・23年度税制改正大綱や「社会保障・税一体改革成案」 等を踏まえて更に検討を進め,平成21年度税制改正法附則第104条に示された道筋に従って平 成23年度中に必要な法制上の措置を講じる。 ③歳出面での取組 (平成24∼26年度) ・「基礎的財政収支対象経費」について,前年度当初予算の規模(「歳出の大枠」)を実質的に上回らないこととする。 ・ただし,東日本大震災の復旧・復興対策に係る経費であって,既存歳出の削減により賄われる 額を超えた金額のうち,復興債,更なる税外収入の確保及び時限的な税制措置により確保さ れた金額については,財源と併せて別途管理し,「歳出の大枠」に加算。 ・また,B型肝炎ウイルス感染者に対する給付金等の支給に係る経費のうち,時限的な税制措置 等により確保された金額については,財源と併せて別途管理し,「歳出の大枠」に加算。 (注)以下については,改訂後も引き続き適用。 ・地方の一般財源の総額については,上記期間中実質的に23年度地方財政計画と同水準を確保する。 ・歳出増につながる施策を新たに実施又は拡充しようとする場合には,当年度当初予算の「基礎的財 政収支対象経費」の規模が上記の「歳出の大枠」の範囲内となるよう,恒久的な更なる歳出削減に より,これに要する財源を賄うこととする。 歳出の大枠 24年度 25年度 26年度 基礎的財政収支対象経費 71(注) 71(注) 71(注) (年金差額分以外の金額) 68.4 68.4 68.4 うち経済危機対応・地域活性化予備費(23年度 0.8) 1 1 1

公務部門における無駄の削減

∼官庁営繕・公務員宿舎への対応について∼

財政規律 ∼中期財政フレームに基づく予算編成∼

○ 財政運営戦略における中期財政フレームを23年度に引き続き遵守 ⇒ 歳出の大枠約68.4兆円以下,新規国債発行額約44兆円以下の財政規律を堅持 〔基礎的財政収支対象経費:24年度当初 68.4兆円, 新規国債発行額:24年度当初 44.2兆円〕 中期財政フレーム (注)平成24年度以降の「歳出の大枠」は,税制抜本改革により確保される財源を活用して年金財政に繰り入れる年金差額分(基礎年金国庫負担割合2分の1 と36.5%の差額)を含む。 14

(15)

0 20 40 60 80 100 120 24 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 元 63 62 61 60 59 58 57 56 55 54 53 52 51 50 (兆円) 一般会計歳出 復興債発行額 特例公債発行額 4条公債発行額 一般会計税収 (注1)平成22年度までは決算,23年度は4次補正後予算,24年度は予算による。 (注2)平成2年度は,湾岸地域における平和回復活動を支援するための財源を調達するための臨時特別公債を約1.0兆円発行。 (注3)平成23年度は,東日本大震災からの復興のために平成23年度∼平成27年度まで実施する施策に必要な財源について,復興特別税の収 支等を活用して確保することとし,これらの財源が入るまでの間のつなぎとして復興債を発行(平成23年度:11.6兆円) (注4)一般会計基礎的財政収支(プライマリー・バランス)は,「国債費−公債金」として簡便に計算したものであり,SNAベースの中央 政府の基礎的財政収支とは異なる。 (年度) 2.1 2.1 3.53.5 4.54.5 4.34.3 6.36.3 7.27.2 5.95.9 7.07.0 6.76.7 6.46.4 6.06.0 5.05.0 2.52.5 1.01.0 0.20.2 4.14.1 4.84.8 11.0 11.0 8.58.5 16.9 16.924.324.3 21.921.9 20.920.9 25.8 25.8 28.728.7 26.826.8 23.523.5 21.1 21.1 19.319.326.226.2 36.9 36.9 34.734.7 35.935.9 38.338.3 3.2 3.2 3.73.7 5.05.0 6.36.3 7.1 7.1 7.07.0 7.07.0 7.07.0 6.86.8 6.46.4 6.36.3 6.26.2 6.9 6.9 6.26.2 6.4 6.4 6.36.3 6.76.7 9.59.5 16.2 16.212.312.3 16.4 16.410.710.79.99.9 17.0 17.0 13.2 13.2 11.1 11.1 9.1 9.1 9.1 9.1 6.76.7 8.78.7 7.8 7.8 6.4 6.4 6.0 6.0 7.0 7.0 15.0 15.0 7.6 7.6 8.48.4 5.9 5.9 5.3 5.3 7.27.2 9.69.6 10.7 10.713.513.5 14.214.2 12.912.9 14.014.0 13.513.5 12.812.8 12.312.3 11.311.3 9.4 9.4 7.2 7.2 6.66.6 7.37.31.01.0 6.76.7 9.59.5 16.2 16.2 16.516.5 21.2 21.2 21.721.7 18.5 18.5 34.0 34.0 37.5 37.5 33.0 33.0 30.0 30.0 35.0 35.0 35.335.3 35.535.5 31.3 31.3 27.5 27.5 25.4 25.4 33.2 33.2 52.0 52.0 42.3 42.3 55.8 55.8 11.6 11.6 44.2 44.2 13.8 13.8 15.715.7 17.3 17.3 21.9 21.923.723.7 26.9 26.929.029.0 30.5 30.532.432.4 34.9 34.9 38.2 38.2 41.9 41.9 46.8 46.8 50.8 50.8 54.9 54.9 60.1 60.1 59.859.8 54.4 54.4 54.1 54.1 51.0 51.0 51.951.9 52.152.153.953.9 49.4 49.4 47.2 47.250.750.747.947.9 43.8 43.8 43.343.3 45.6 45.649.149.1 49.1 49.1 51.051.0 44.3 44.3 38.7 38.7 41.541.5 42.0 42.0 42.342.3 20.9 20.9 24.5 24.5 29.1 29.1 34.1 34.1 38.8 38.8 43.4 43.446.946.9 47.2 47.250.650.6 51.5 51.553.053.0 53.6 53.6 57.7 57.7 61.5 61.5 65.9 65.969.369.3 70.5 70.570.570.5 75.1 75.1 73.673.675.975.9 78.8 78.8 78.5 78.5 84.4 84.4 89.0 89.0 89.389.3 84.8 84.8 83.7 83.7 82.482.484.984.9 85.585.581.481.4 81.8 81.884.784.7 101.0 101.0 95.3 95.3 107.5 107.5 90.3 90.3 一般会計税収 公債発行額 一般会計基礎的財政収支 21年度決算 38.7兆円 52.0兆円 ▲33.5兆円 22年度決算 41.5兆円 42.3兆円 ▲22.8兆円 23年度補正後 42.0兆円 55.8兆円 ▲35.6兆円 24年度予算 42.3兆円 44.2兆円 ▲22.3兆円 ○税収と公債発行額が  4年連続で逆転 ○公債依存度が過去最高  (49.0%)※当初予算ベース 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 550 600 650 700 750 24 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 元 63 62 61 60 59 58 57 56 55 54 53 52 51 50 49 48 47 46 45 44 43 42 41 40 (兆円) 4条公債残高 復興債残高 公債残高(普通国債残高) 国及び地方の長期債務残高 平成24年度末(対GDP比) 709兆円程度(148%) 940兆円程度(196%) 28 15 21 10 5 2 33 4047 53 59 64 65 65 64 65 64 63 61 64 6777 83 108 134158 176199 231 258280288 305321 356 390415 450 13 17 2228 3542 49 5663 69 75 8187 91 97 102108116131 142158 168175 187 197 209216 222 226 241 247243237225 238 246 249 247 12 13 0 1 2 2 2 3 4 6 8 1015 22 32 4356 71 8296 110122134145 152157161166172178 193207 225245 258 295 332 368392 421 457 499 527 532541546 594 636 676 709 (注1)公債残高は各年度の3月末現在額。ただし,平成23年度末は4次補正後予算,平成24年度は予算に基づく見込み。 (注2)特例公債残高は,国鉄長期債務,国有林野累積債務等の一般会計承継による借換国債を含む。 (注3)平成23年度は,東日本大震災からの復興のために平成23年度∼平成27年度まで実施する施策に必要な財源について,復興特別税の収 入等を活用して確保することとし,これらの財源が入るまでの間のつなぎとして復興債を発行。(平成23年度末及び平成24年度末の 公債残高には復興債の残高(平成24年度末で12.7兆円)を含む。) (注4)平成24年度末の翌年度借換のための前倒債限度額を除いた見込額は697兆円程度。 (年度末) 特例公債残高

財政規律 ∼税収と国債発行額∼

財政規律 ∼公債残高の累増∼

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(16)

◆診療報酬・介護報酬等の改定 ! 診療報酬本体は+1.38%,薬価等は▲1.38%の改定を実施。 ※いわゆるネットの改定率は+0.00% ! 診療報酬の配分の見直し等 ・救急,産科,小児,外科等の急性期医療に係る病院勤務医の負担軽減・処遇改善の推進,在宅医療の充実等に診療報酬の 配分を重点化。 ・特許が切れた長期収載品について価格を引き下げ。 ! 介護報酬改定率は+1.2%(在宅:+1.0%,施設:+0.2%) ◆「子どものための手当」 ! 平成23年8月4日の3党合意を踏まえ,「子どものための手当」制度に移行(国費:13,283億円) ・3歳未満,3歳以上から小学生の第3子以降の子ども一人につき月額15,000円支給 ・3歳以上から小学生の第1子・第2子,中学生の子ども一人につき月額10,000円支給 ・所得制限(※)以上の者については,中学校修了までの子ども一人につき月額5,000円を支給(国費:382億円)。 ※ 所得制限は,夫婦,子ども2人で960万円を基準 ◆基礎年金国庫負担の取扱 ! 平成24年度の基礎年金国庫負担割合 ・歳出予算(36.5%分)と,税制抜本改革により確保される財源を充てて償還される「年金交付国債(仮称)」により,国 庫負担2分の1を確保。 ◆その他 ! 年金特例水準の解消 ・年金特例水準(※)については,24年度以降3年間で解消することとし,24年度は▲0.9%分を解消(24年度は,10月施 行(12月支払い分から反映))。 ※ 過去の物価下落時に,特例的に年金の物価スライドを行わなかったことにより,現在支払われている年金額の水準 (特例水準)は,本来水準と比較して2.5%高い。 ! 雇用保険料の引下げ ・平成24年度の雇用保険料については,積立金の水準や保険収支等を踏まえ,失業等給付に係る保険料率(実行料率)を 1.2%から1.0%に引下げ。これにより,事業主,労働者の負担を軽減(▲3,000億円程度)。 ○既存予算の大幅な縮減と安全・事故対策等へのシフト ●既存予算の大幅な縮減 対前年度▲529億円(▲13%)。 −既存の研究【文科省】2,095億円(対前年度▲327億円) −立地対策等【経産省】1,310億円(対前年度▲202億円) ●安全・事故対策等へのシフト −全体を圧縮する中で,文科省・経産省合わせ対前年度+264億円(復興込み+481億円,2.6倍)。 (参考)安全・事故対策等は合計783億円(うち441億円が原子力安全庁に移管*)(左記いずれも復興込み) *事務費等を含めれば原子力安全庁504億円(対前年度(現行組織合計)+139億円)。 ○提言型政策仕分け等への対応 ●文科省においては『もんじゅ』を含む既存の研究を2,095億円まで縮減。概算要求から▲397億円(対前年度▲327 億円)。 ●高速増殖炉サイクル研究開発費は300億円の措置。対前年度 ▲102億円(▲25%)。 『もんじゅ』については,175億円まで圧縮して措置し,概算要求から▲合計40億円。 −対応調整費は計上せず ▲22億円 −維持管理費についても ▲18億円

(参考)社会保障関係予算のポイント

(参考)主な原子力関係予算

○ 文科省と経産省の既存予算を大幅に削減し,それぞれ安全・事故対策等ヘシフトし,原子力安全庁に大きく移 管。 ○ 仕分け等で指摘された『もんじゅ』を含む高速増殖炉サイクル研究開発費を大幅に削減。 16

参照

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