東京医科大学看護専門学校紀要 第 25 巻第 1 号,2016 年 3 月
成田みゆき
*佐藤ユキ子
**関川久美子
***高城 由紀
****中野八重美
**** Key Words : 夜間実習,教育効果,新人看護師,初夜勤,不安【要旨】 学生時代に夜間実習経験があった新人看護師となかった新人看護師の,就職後初夜勤時の不 安に差があるのかを明らかにすることを目的に,都内 A 大学病院に新採用され,手術室・外来以外の病 棟に配属された,夜勤経験のない新人看護師 114 名を対象に,初夜勤後に,無記名式の自作の質問紙調 査を行った.調査票の有効回答数 67 名,回答率は 58.8%であった.分析は,選択肢質問は,4 件法を 点数化し,夜間実習経験の有・無に分け,Mann-Whitney の検定を行った.自由記載は内容を要約し分 析した.その結果,以下の 6 点が明らかになった.1. 初夜勤時の不安の「初めての夜勤だから」「夜勤 のイメージが付かない」については,夜間実習経験の有無により有意差があった.2.「夜勤のイメージ が付かない」については,朝までの夜間実習経験者と夜間帯の一部経験者の間に有意差があった.3.「責 任の重さ」「インシデント・アクシデントのリスクが高い」「勤務時間が長い」「集中していられるか」「急 変・急患に当たらないか」など夜勤の特徴ともいえる不安では,夜間実習経験の有無による有意差はな かった.4. 初夜勤時の不安の軽減には先輩の存在・アドバイスが効果的であった.5. 新人看護師は,初 めての夜勤に期待も抱いた.6. 夜間実習経験者の多くは,夜間実習を,夜勤の「イメージ」を持ち「流 れ」を知り「不安や緊張」を軽減することに効果的であり,「学生の内に経験できて良かった」「自信が 持てた」と受け止めていた.
I. は じ め に 平成 21 年 4 月のカリキュラム改正に伴い,「看護 の統合と実践」という科目が新設され,臨地実習で は複数患者の受け持ち,一勤務帯を通した実習,夜 間実習など,より実践に即した「統合実習」が求め られるようになった.B 看護専門学校でも,平成 23 年 11 月に「統合実習」を行い,その一部として 夜間実習を実施した.実習後に質問紙調査を行っ た1).その結果,「夜間実習に入る前の気持ち」では, 「起きていられるか,起きられるか,眠さに耐えら れるか,寝てしまわないか」など睡眠や眠気に関す る「不安」や,「緊張」が強かった.「夜間実習後の 気持ち」では,約 9 割が「夜勤のイメージが付いた」, 約 8 割が「夜間の病院の雰囲気が分かった」「実習 して良かった」,約 7 割が「卒後に役立つ」と答え ていた.人数が少なく責任が重い,急変時に対応で きるかなどから,夜勤を不安に感じる新人看護師は 多い.しかし,調査結果から,夜間実習経験は初夜 勤時の不安軽減には役立つのではないかと考えた. そこで夜間実習経験があった新人看護師と,なかっ た新人看護師の就職後の初夜勤時の不安に差がある のかを明らかにし,今後の夜間実習内容や,新人教 育に反映させていきたいと考えた. 夜間実習については,解説や会議録,教務主任を 対象にした実態調査を行ったもの等の報告がいくつ かある2)3)4)5)6).また,夜間実習を経験した学生 の学びとして,実習記録やレポートを分析した報告
夜間実習の教育効果
――新人看護師の初夜勤時の不安への影響――
*東京医科大学医学部看護学科 **杏林大学保健学部看護学科 ***埼玉医科大学短期大学 ****東京医科大学病院看護部もある7)8).飯室9)は,夜間実習体験が卒業後の初 回夜間勤務に与える影響を調査し,「夜間実習経験 の有無と夜間勤務への不安や心配の有無に有意な関 連は認められなかった」と述べている.その結果と も比較したい. II. 研究目的 夜間実習体験があった新人看護師と,なかった新 人看護師の就職後の初夜勤時の不安に差があるのか を明らかにする. III. 用語の定義 夜間実習: 看護師の夜間勤務帯(一部を含む)の 実習 初夜勤: 夜勤経験のない新人看護師の初めての夜 勤 IV. 研究方法 1. 対象:平成 24 年 4 月に都内 A 大学病院に新 採用され,手術室・外来以外の病棟に配属された, 夜勤経験のない新人看護師 114 名 2. 調査期間:平成 24 年 5 月∼ 6 月 3. 研究デザイン:自記式質問紙法を用いた横断 的研究 4. 調査方法:初夜勤後に,無記名式の自作の質 問紙調査を行い,データ収集は留め置き法とした. 5. 調査内容 調査項目については,新人看護師 3 名に聞き取り 調査を行い,以前行った夜間実習後の調査結果,文 献を参考に下記の内容で作成した.質問項目は全体 で 42 項目,加えて自由記載欄も設けた. 対象者の背景は,性別,年齢,夜間実習経験の有 無,夜間実習時間(朝まで・夜間帯の一部),夜間 実習形態(見学のみ・見学一部実施・ほとんど実施) の 5 項目について,選択式で回答を求めた. 初夜 勤に入る前の気持ちについては,『不安などのマイ ナス感情』として 16 項目,『楽しみや期待などのプ ラス感情』として 6 項目,計 22 項目,初夜勤時の 不安・緊張軽減に効果的だったことについては 5 項 目,初夜勤後の気持ちについては 4 項目,夜間実習 経験が初夜勤時の不安軽減に効果的であったかにつ いてと,その理由について 4 項目,それぞれ とて もそう思う・そう思う・あまり思わない・思わない, の 4 件法で回答を求めた.初夜勤後の夜勤に対する 不安の変化については,増えた・変化なし・軽減し た,の 3 件法で回答を求めた.看護学生時代の夜間 実習については自由記載欄を設けた. 6. 分析 選択肢質問は,4 件法を「思わない」は 0,「あま り思わない」は 1,「そう思う」は 2,「とてもそう 思う」は 3 と点数化し,夜間実習経験有・無に分け, 統計解析ソフト(SPSS Statistic 22.0)を用い Mann-Whitney の検定を行った.自由記載は内容を要約し 分析した. V. 倫理的配慮 東京医科大学医学研究倫理審査の承認を得て実施 しており,個人が特定されることはなく,秘密は保 全されること,調査の協力は任意で,強制ではなく, 調査に協力しなくとも人事考課には一切影響せず, 不利益がないこと,結果公表等について書面で説明 し,調査票への回答・提出を持って同意を確認した. VI. 結 果 調査票の有効回答数 67 名,回答率は 58.8%であっ た.性別,年齢,夜間実習経験の有・無,夜間実習 時間,夜間実習形態については表にまとめた(表 1). 表 1 対象者の背景 n = 67 項目 n (%) 性別 年齢 夜間実習経験 夜間実習時間 夜間実習形態 女 男 21 ∼ 25 歳 26 ∼ 30 歳 31 ∼ 35 歳 有 無 朝まで 夜間帯の一部 見学のみ 見学一部実施 62 5 58 4 5 54 13 45 9 6 48 (92.5) (7.4) (86.5) (5.9) (7.5) (80.6) (19.4) (67.1) (13.4) (11.1) (88.8) 夜勤に入る前の気持ちについて,マイナス感情 16 項目,プラス感情 6 項目の 22 項目について,と てもそう思う 3 点,そう思う 2 点,あまり思わない 1 点,思わない 0 点で集計し,平均値と標準偏差を 求めた. 『不安などのマイナス感情』について,【夜間実習 経験有】(n=54)の内,「夜勤のイメージが付かない」 の一項目だけが,「朝まで経験(n=45)」1.0±0.6(平
均値 ± 標準偏差)と「夜間帯の一部経験(n=9)」1.8±0.8 で p < 0.01 で有意差があった.他の 15 項目に有意 差は見られなかった.そのため,それ以外の項目に ついては,【夜間実習経験有】と【夜間実習経験無】 (n=13)で比較した.高得点だったのは,夜間実習 経験有では,「責任の重さ」2.2±0.6,「起きていら れるか,眠さに耐えられるか,眠くならないか不安」 で 2.1±0.9 であった.夜間実習経験無では,「初め ての夜勤だから不安」「起きていられるか,眠さに 耐えられるか,眠くならないか不安」がいずれも 2.5±0.7 で,次いで「夜勤のイメージが付かない」 2.3±0.9 であった.「夜勤のイメージが付かない」に ついては,夜間実習経験有 1.1±0.7,夜間実習経験 無 2.3±0.9 間で p < 0.01 で有意差があった.また,「初 め て の 夜 勤 だ か ら 不 安 」 で は, 夜 間 実 習 経 験 有 1.7±1.0 と夜間実習経験無 2.5±0.7 間で p < 0.01 で 有意差があった.その他のマイナス感情については, 夜間実習経験の有無による差はなかった(表 2). 表 2 夜勤に入る前の気持ち <不安などのマイナス感情> 夜間実習経験有 n=54 夜間実習経験無 n=13 朝まで 夜間一部 n=45 n=9 項目 平均値 ± 標準偏差 平均値 ± 標準偏差 p 値 夜勤のイメージが付かない 1.1 ± 0.7 2.3 ± 0.9 0.000** 責任の重さ 起きていられるか・眠さに耐えられるか 集中していれるか インシデント・アクシデントのリスクが高い 漠然とした不安 体力や精神力が持つか 勤務時間が長いから 何が起こるか予測不可能だから 適切に患者に対応できるか 初めての夜勤だから 急変・急患に当たらないか 受持ち患者数が増えるから 看護師の人数が少ないから 休憩・仮眠がとれるか 看護師間の人間関係 1.0 ± 0.6 1.8 ± 0.8 2.2 ± 0.6 2.1 ± 0.9 2.0 ± 0.8 2.0 ± 0.8 1.9 ± 0.9 1.9 ± 0.9 1.9 ± 0.8 1.9 ± 1.0 1.8 ± 0.7 1.7 ± 1.0 1.7 ± 0.8 1.6 ± 0.9 1.5 ± 0.7 1.4 ± 0.9 1.3 ± 1.0 2.2 ± 0.6 2.5 ± 0.7 2.2 ± 0.7 2.2 ± 0.7 2.2 ± 0.7 2.0 ± 0.9 1.9 ± 1.0 1.8 ± 0.6 2.1 ± 0.9 2.5 ± 0.7 2.0 ± 0.7 1.5 ± 1.1 1.6 ± 1.0 1.9 ± 0.8 1.8 ± 0.9 0.006** 0.005** Mann-Whitney の検定 * p < 0.05 ** p < 0.01 『楽しみや期待などのプラス感情』には,夜間実 習経験有の内,「夜勤を体験できる楽しみ」の一項 目だけ,「朝まで経験」1.7±0.8 と「夜間帯の一部経験」 2.3±0.9 の間で p < 0.05 で有意差があった.他の 5 項目については有意差が認められなかったため,そ れ以外の項目については,夜間実習経験有と経験無 で比較したが,有意差は認められなかった.高得点 は,夜間実習経験有では,「新たな知識が付く期待」 2.2±0.6,「夜間の病棟の雰囲気を知ることができる 期待」2.1±0.6,「夜間帯の患者を知ることができる 期待」2.0±0.6 で,夜間実習経験無では「新たな知 識が付く期待」2.3±0.5,「夜間の病棟の雰囲気を知 ることができる期待」2.2±0.4,「夜勤の実際を知る 期待」2.2±0.6 であった(表 3). 『初夜勤時の不安・緊張軽減に効果的だったこと』 では,夜間実習経験有では,「学生時代の夜間実習 経験」が最も高く 2.4±0.8,次に「先輩(プリセプター) の存在」2.2±0.7 だった.夜間実習経験無では,「先 輩(プリセプター)の存在」2.4±0.9,「先輩のアド バイス」2.0±0.8,であった(表 4). 『初夜勤後の気持ち』では,夜間実習経験有・無 ともに,「独り立ちが不安」が高得点であった(表 5). 夜間実習経験有に『夜間実習経験が初夜勤時の不 安軽減に効果的であったか』質問すると,とてもそ う思う 25 人(46.3%),そう思う 14 人(25.9%)と, 多くが効果的だったと答えていた.
表 6 夜間実習経験が初夜勤時の不安軽減に効果的であっ たか (n=54) 夜間実習経験有 項目 n (%) とてもそう思う そう思う あまり思わない 思わない 無回答 25 14 3 2 10 (46.3%) (25.9%) (5.6%) (3.7%) (18.5%) その理由としては,「夜勤のイメージが付いてい た」2.2±0.7,「不安や緊張が少なかった」1.9±0.8 と 答えていた.自由記載では,「夜勤の流れが把握で きた」「病棟による違いはあるが学生の内に経験で きて良かった」「自信が持てた」などの意見が多かっ 表 3 初夜勤に入る前の気持ち <楽しみ期待などのプラス感情> 夜間実習経験有 n=54 夜間実習経験無 n=13 朝まで 夜間一部 n=45 n=9 項目 平均値 ± 標準偏差 平均値 ± 標準偏差 p 値 夜勤を体験できる楽しみ 1.8 ± 0.8 2.1 ± 0.8 夜勤の実際を知る期待 夜間帯の患者を知ることができる期待 夜間帯の病棟の雰囲気を知ることができる期待 新たな知識が付く期待 看護師になった実感や優越感が持てる喜び 1.7 ± 0.8 2.3 ± 0.9 2.0 ± 0.7 2.0 ± 0.6 2.1 ± 0.6 2.2 ± 0.6 1.7 ± 0.9 2.2 ± 0.6 1.8 ± 0.5 2.2 ± 0.4 2.3 ± 0.5 1.5 ± 0.5 0.041* Mann-Whitney の検定 * p < 0.05 ** p < 0.01 表 5 初夜勤後の気持ち 夜間実習経験有 n=54 夜間実習経験無 n=13 項目 平均値 ± 標準偏差 平均値 ± 標準偏差 何とかやっていけそう 独り立ちが不安 自信がなくなった 思ったより大変だった 1.7 ± 0.7 2.5 ± 0.7 1.4 ± 0.8 1.7 ± 0.7 1.8 ± 0.6 2.4 ± 0.5 1.4 ± 0.9 1.8 ± 0.7 表 4 初夜勤時の不安・緊張軽減に効果的だったこと 夜間実習経験有 n=54 夜間実習経験無 n=13 項目 平均値 ± 標準偏差 平均値 ± 標準偏差 学生時代の夜間実習経験 先輩(プリセプター)の存在 先輩のアドバイス 事前のオリエンテーション 同期のアドバイス 2.4 ± 0.8 2.2 ± 0.7 2.1 ± 0.8 1.5 ± 0.6 1.5 ± 1.0 2.4 ± 0.9 2.0 ± 0.8 1.3 ± 0.8 1.6 ± 1.0 た.しかし反面,「実習と配属病棟が異なり,業務 内容や看護師人数などにギャップを感じた」という 意見も聞かれた. 表 7 夜間実習経験が初夜勤時の不安軽減に効果的だった 理由 (n=54) 夜間実習経験有 項目 平均値 ± 標準偏差 夜勤のイメージが付いていた 不安や緊張が少なかった 実習と実際は違う 1 回の体験では効果的とは言えない 2.2 ± 0.7 1.9 ± 0.8 1.7 ± 0.8 1.1 ± 0.8 『初夜勤後に夜勤に対する不安に変化があったか』 について,増えた 3 点,変化なし 2 点,軽減した 1
点として集計し平均値と標準偏差を求めた.得点に 有意差は見られなかったが,夜間実習経験無の者で 「不安が軽減した」と答えた者の割合は 53.8%だっ た. VII. 考 察 マイナス感情の中で,夜間実習経験有と夜間実習 経験無の間では,「初めての夜勤だから不安」「夜勤 のイメージが付かない」の 2 項目に有意差があっ た.夜間実習経験がそれらの不安の軽減に効果的で あったと言える.これは夜間実習を経験していない 新人看護師の「初夜勤時の不安」の特徴とも言うこ とができる.また,「夜勤のイメージが付かない」 については,「朝まで経験」した者と「夜間帯の一 部経験」した者の間に有意差はなく,「夜間帯の一 部経験」であっても,経験無よりはイメージ化がで き,「夜勤のイメージが付かない不安」の軽減には 効果的だったと言える.「責任の重さ」「インシデン ト・アクシデントのリスクが高い」「勤務時間が長 いこと」「集中していられるか」「急変・急患に当た らないか」などの夜勤の特徴ともいえる不安につい ては,夜間実習経験は関係しないことが分かった. 飯室9)は,「夜間実習経験の有無にかかわらず,新 人看護職員の 9 割以上が初回夜間勤務への不安があ る」とし,その理由は「『急変時の対応』が最も多く, 次いで『看護業務について』『看護師の責任』」と述 べている.また,責任の重さについては,「夜間帯 の少ない看護師の 1 人として…中略…チームの一員 として求められる責任が自身の現状で果たせるか」 という不安や,「急変時の対応については,基本的 看護実践能力に加えて臨機応変な状況判断能力も求 められるため,不慣れな新人看護職員にとっては不 安につながりやすい」と述べている.夜勤の特徴と もいえるこれらの不安は,一度の夜間実習経験で軽 減できるものではなく,臨床経験を積んでいかなけ れば軽減できない不安と考える. 新人看護師は,初めての夜勤に期待も抱いている ことが分った.また「夜間帯の一部経験」した者は, 自分が経験した後の時間帯がどうなるのか興味を感 じており,その気持ちが「夜勤を体験できる楽しみ」 に繋がったのではないかと考える.管理者,指導者 は,新人看護師の初夜勤時の不安などのマイナス感 情ばかりに注目しがちだが,期待などのプラスの感 情を高める関わりも重要と考える. 初夜勤の不安や緊張を軽減するのに効果的だった のは,夜間実習経験有では「夜間実習経験」が最も 高かったが,夜間実習経験の有無にかかわらず高 かったのは「先輩(プリセプター)の存在」「先輩 のアドバイス」であった.不安や緊張を感じながら 初夜勤を行う新人にとって,先輩の存在が非常に大 きな役割を果たしていることが確認できた.教育的 関わりのできる先輩看護師の育成も重要と考える. 夜間実習経験者の多くが,夜間実習経験を,夜勤 の「イメージ」を持ち「流れ」を知り「不安や緊張」 を軽減することに効果的であり,「学生の内に経験 できて良かった」「自信が持てた」と受け止めてい ることが分かった.しかし反面,「実習と配属病棟 が異なり,業務内容や看護師人数などにギャップを 表 8 初夜勤後の夜勤に対する不安の変化(1) 夜間実習経験有 n=54 夜間実習経験無 n=13 項目 平均値 ± 標準偏差 平均値 ± 標準偏差 初夜勤後の夜勤に対する不安の変化 2.3 ± 0.9 1.9 ± 1.0 表 9 初夜勤後の夜勤に対する不安の変化(2) 夜間実習経験有 n=54 夜間実習経験無 n=13 項目 n( % ) n( % ) 増えた 変化なし 軽減した 20 (37.0%) 15 (27.8%) 18 (33.3%) 5 (38.5%) 1 ( 7.7%) 7 (53.8%)
感じた」という意見もあった.夜間実習中の経験内 容は,実習病棟により差が生じており,配属病棟と の違いからギャップを感じることは予測できる.学 生時代に行う 1 回の夜間実習の目標をどこに置くの か,また経験内容をどこまで具体的に把握していく のかなど更なる見当が必要と考える. VIII. 結 論 1. 初夜勤時の不安の「初めての夜勤だから」「夜 勤のイメージが付かない」については,夜間実 習経験の有無により有意差があった. 2. 朝までの夜間実習経験者と夜間帯の一部経験者 では,「夜勤のイメージが付かない」について, 有意差があった. 3. 「責任の重さ」「インシデント・アクシデントの リスクが高い」「勤務時間が長い」「集中してい られるか」「急変・急患に当たらないか」など の夜勤の特徴ともいえる不安については,夜間 実習経験の有無による有意差はなかった. 4. 初夜勤時の不安の軽減には先輩の存在・アドバ イスが効果的であった. 5. 新人看護師は,初めての夜勤に期待も抱いた. 6. 夜間実習経験者の多くは,夜間実習を,夜勤の 「イメージ」を持ち「流れ」を知り「不安や緊張」 を軽減することに効果的であり,「学生の内に 経験できて良かった」「自信が持てた」と受け 止めていた. IX. おわりに 新人看護師のリアリティショックの軽減が,夜間 実習導入の目的ともいわれる.今回の調査で,新人 看護師の初夜勤時の「初めての夜勤だから」「夜勤 のイメージが付かない」という不安の軽減に,学生 時代の夜間実習経験が効果的であることが明らかに なった.リアリティショックの軽減につながる効果 が得られるよう,今後も更なる検討が必要と考える. 本調査は一施設で行っており,一般化は難しいと 考えるが,この結果を,今後の夜間実習内容や,新 人教育に生かしていきたい. 引用・参考文献 1) 成田みゆき,佐藤ユキ子,吉田久美子,他.夜 間実習の教育効果.東京医科大学看護専門学校 紀要.22(1),57 64,2012. 2) 前田孝子.夜間実習のこと知ってる?夜間実習 ならではの学習のポイントは?,クリニカルス タディ.32(2),5 11,2011. 3) 林 慶子,澤田幸子.夜間実習を円滑に行う条 件.看護教育.51(7),542 548,2010. 4) 森口真由美,名村かよみ,柳めぐみ.夜間実習 の先行導入 病院との連携を密にして.看護教育. 51(7),550−555,2010. 5) 前田聡子,鹿倉みさ子,田辺洋子,他.夜間実 習導入に向けた取り組み.日本看護教育学会誌. 20,240,2010. 6) 照川眞木,南雲マリ子,藤田美江,他.神奈川 県内の看護師養成機関における夜間実習実施状 況 の 実 態 調 査. 看 護 教 育.51(7),572 575, 2010. 7) 鹿倉みさ子,前田聡子,田辺洋子,他.夜間実 習を経験した学生の学び 学生の実習記録の分析 を通して.日本看護学会論文集.看護教育 41, 182 185,2010. 8) 北川さなえ.長年積み重ねた夜間実習 学生の学 び に つ い て の 調 査. 看 護 教 育.51(7),556 559,2010. 9) 飯室淳子,横島啓子,土江順子,他.夜間体験 実習の教育内容の検討―初回夜間勤務における 新人看護職員の不安内容と関連―.看護管理. 41,133−136,2010.