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統合報告書2015

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エーザイの価値創造のプロセスとフロー

(編集方針)

エーザイの価値創造のプロセスとフローのモデル*

*1 IIRC, 2013, “The International IR Framework”, International Integrated Reporting Council *2 Kaplan, Robert S. and Norton, David P., 1996, “Using The Balanced Scorecard as

a Strategic Management System”, Boston, MA:Harvard Business Review, January-February, 1996

*3 Jensen, Michael C., 2002, “Value Maximization, Stakeholder Theory, and The Corporate Objective Function”. Business Ethics Quarterly 12(2)

*4 Porter, Michael E. and Kramer, Mark R., “Creating Shared Value”, Harvard Business Review, June pp8-31  エーザイでは企業理念の実現を通して、企業価値の向上をはかる ために、顧客、株主、地域の皆様など幅広いステークホルダーズの 皆様との信頼関係の構築に努め、「患者様価値」「株主価値」「社員価値」 の最大化、ならびに企業の社会的責任の遂行を経営における重要課 題と捉え、企業活動を展開しています。  企業活動により創出された価値は、「資本」として蓄積され、ビジネ スモデルを通じて増減し、変換されます。  ここでいう資本は、財務的な資本だけでなく、組織が利用し、影響 を与えるあらゆる資源および関係を総称しています。本レポートでは、 IIRC(International Integrated Reporting Council、国際統合報 告評議会)が2013年12月に公表したフレームワーク*1に則り、エーザ イの資本を6つに分類(知的資本、人的資本、製造資本、社会・関係 資本、自然資本、財務資本)し、解説します。  また、資本を投入して事業活動を行い、付加価値を創出し、インプッ トした以上に資本を増加させるプロセスを、“価値創造のプロセス”と して本レポートでは捉えています。この考え方は、IIRCのフレームワー クに準拠しています。  一方、事業活動によりどのようにして価値が創出されるのかといった “価値創造のフロー”については、バランスト・スコアカード*2の4つの 視点(学習と成長の視点、顧客の視点、内部ビジネス・プロセスの視点、 財務の視点)に基づき、最終的には財務の視点にフォーカスした形で 把握することで、投資家・株主の皆様への企業価値向上のルートを説 明する形をとっています*3、*4  以上より、本レポートでは、IIRCのフレームワークとバランスト・ス コアカードを包含した、新しい価値創造のプロセスとフローのモデル を取り入れました。これはエーザイの企業理念に基づく目的と結果の 連続順   とも合致したものといえます。本稿では、この価値創造 のプロセスとフローのモデルに基づき、エーザイの持続的な価値創 造について説明します。 図表1 企業理念に基づく目的と結果の連続順 出典:嶋口充輝氏の理論に基づき作成 図表1 4つの視点(バランスト・スコアカードをベースに定義) ● 学習と成長の視点:企業理念であるhhc理念の実現のために、変革と改善を可能にする社員や組織の能力をいかに向上、持続するか ● 顧客の視点:患者様の満足のためにどのように行動すべきか ● 内部ビジネス・プロセスの視点:ビジネスモデルのどこが秀でるべきか、またはどこを変革すべきか ● 財務の視点:財務的に成功するため、および企業価値を高めるためにどのように行動すべきか 結果 売上、利益・・・ 目的 顧客満足 事業活動 顧客の創造と維持 知的資本 ストック ビジネスモデル バランスト・スコアカードに 基づく価値創造のフロー 学習と成長の視点 顧客の視点 財務の視点 内部ビジネス・ プロセスの視点 人的資本 製造資本 自然資本 財務資本 社会・関係資本 知的資本 ストック 人的資本 製造資本 自然資本 財務資本 社会・関係資本 ガバナンス 戦略と 資源配分 リスクと 機会 見直し 実績 資本(ストック)の増加 IIRCフレームワークに基づく 価値創造のプロセス 企業理念

hhc

(ヒューマン・ヘルスケア) *伊藤和憲、2014年、「管理会計の視点から見た 統合報告」『企業会計』、2014年5月号

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●人財の能力や経験およびイノベーションへの意欲 ●パイプラインや知的財産など知識ベースの無形資産

Contents

本報告書にはGRIサステナビリティ・レポーティング・ガイドラインによる標準開示項目の情報が記載されています。 将来予想に関する記述とリスク要因  この統合報告書において提供される資料ならびに情報は、現在における予想、目標、評価、見通し、リスクを伴う想定などの不確実性に基づくものを含んでいます。従って、 様々な要因の変化により、将来予想などが実際の結果と大きく乖離する可能性があります。リスクや不確実性には、一般的な業界ならびに市場の状況、金利、通貨為替変動 といった日本および国際的な経済状況が含まれています。  エーザイグループの連結業績を大幅に変動させる、あるいは投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは、次の通りです。なお、これらのリスクは、本報告書作 成日現在において判断、予想したものです。  海外展開におけるリスク、新薬開発の不確実性、他社とのアライアンスにおけるリスク、医療費抑制策、ジェネリック医薬品に関するリスク、知的財産に関するリスク、副作 用発現のリスク、法規制に関するリスク、訴訟に関するリスク、工場の閉鎖または操業停止、使用原材料の安全性および品質に関するリスク、外部への業務委託に関するリスク、 環境に関するリスク、IT セキュリティおよび情報管理に関するリスク、金融市況および為替の動向に関するリスク、内部統制の整備等に関するリスク、災害等に関するリスク。 エーザイの価値創造のプロセスとフロー 企業理念 ヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業をめざして エーザイの歴史 エーザイが取り扱う主な製品と開発中の化合物 トップメッセージ ステークホルダーズの皆様へ 2 4 6 8 10 13 14 18 20 22 23 24 28 35 コーポレートガバナンスの体制…60  役員一覧…62  コンプライアンス・リスク管理…66  リスク情報…67  社会的責任に関する指標と付加価値の分配…68  会社情報…70  会社概要…70  グローバルブランドの育成と2大フランチャイズの構築(認知症領域、がん領域) 認知症フランチャイズの構築 オンコロジーフランチャイズの構築 グローバルブランド レンビマ オンコロジーフランチャイズの構築 グローバルブランド ハラヴェン グローバルブランド Fycompa グローバルブランド BELVIQ 医薬品アクセス向上への取り組み 研究開発体制…28  パイプライン…30  知的財産戦略…34  グローバルな環境変化とグローバル・ビジネス・マトリクス体制への移行…35   グローバルなマーケティング体制…36 社員…40 労働安全衛生への取り組み…43 エーザイデマンドチェーンシステムズ…44   エーザイのパートナーシップ展開…46  社会的責任への取り組み…48  地球環境に配慮した事業活動…50  連結財務ハイライト…52  セグメント別の情報…54  財務戦略…55  中長期的なROE経営…56  株主還元…58  株式の状況…59  財務情報に関する詳細は「決算短信」をご参照ください。▶http://www.eisai.co.jp/ir/financial/reports/ 知的資本 グローバルブランドの育成と 2大フランチャイズの構築 価値創造を支える仕組み 特集 会社概要 人的資本 製造資本 ●製品の生産またはサービス提供に利用される設備 社会・関係資本 ●共通善を目的とし、社会やステークホルダーズと信頼関係を築く体制 自然資本 ●企業活動を支え、企業活動により影響を受ける環境資源とプロセス 財務資本 ●企業活動を行うために使用できる資金のプール エーザイとは 44 46 50 52 対象期間 データは2014年度(2014年4月1日から2015年3月31日)の実績です。一部の活動については2015年度の状況も掲載しています。

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 エーザイでは、社員一人ひとりが企業理念を一人の想いだけでなく共通の価値観として認識し、それぞれの日常業務の中で 具現化するために、様々な活動を提案・推進しています。

企業理念 

ヒューマン・ヘルスケア(

hhc)企業をめざして

エーザイの定款には、企業理念が明記されています

日常業務の中で具現化する

hhc

 エーザイは、医療の主役が患者様とそのご家族、生活者であることを明確に認識し、そのベネフィット向上を通じてビジネ スを遂行することを企業理念に掲げています。  この理念を一言に集約したものをhhc(ヒューマン・ヘルスケア)理念と呼んでいます。社員一人ひとりが患者様の傍らに寄り 添い、患者様の目線でものを考え、言葉にならない想いを感じ取ることが重要であると考えています。そして、すべての社員 が就業時間の1%を患者様とともに過ごすことを推奨しています。  エーザイの依って立つ基盤、実現したい姿を株主の皆様と共有して、事業運営にあたるために、2005年6月の株主総会にお いて定款の一部変更を行い、株主の皆様のご賛同を得て企業理念を条文として設けました。

企業理念

患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する 定款 第 2 条 本会社は、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのべネフィット向上に貢献することを企業理念と定め、 この企業理念のもとヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業をめざす。 ② 本会社の使命は、患者様満足の増大であり、その結果として売上、利益がもたらされ、この使命と結果の順序を重要と考える。 ③ 本会社は、コンプライアンス(法令と倫理の遵守)を日々の活動の根幹に据え、社会的責任の遂行に努める。 ④ 本会社の主要なステークホルダーズは、患者様と生活者の皆様、株主の皆様および社員である。 本会社は、以下を旨としてステークホルダーズの価値増大をはかるとともに良好な関係の発展・維持に努める。 1. 未だ満たされていない医療ニーズの充足、高品質製品の安定供給、薬剤の安全性と有効性を含む有用性情報の伝達 2. 経営情報の適時開示、企業価値の向上、積極的な株主還元 3. 安定的な雇用の確保、やりがいのある仕事の提供、能力開発機会の充実  業務の一環として患者様とともに時間を過ごす体験を実践 するため、様々な機会を提供しています。  「現場体験研修」では、医療現場や介護施設に赴いて今日の 医療・介護の実態を学びます。また、新入社員研修では体に おもりやサポーターを装着し高齢者の視点を体験する「高齢 者疑似体験プログラム」を実施しています。  このほかにも、患者様団 体の工場見学や患者様を招 聘した講演会などを企画し、 社員が患者様とともに過ご す場を設けています。  エーザイでは、組織やプロジェクト単位でhhcの実現をめ ざし具体的な行動計画を立て、実行する一連の活動を「hhc 活動」と呼んでいます。毎年500以上のhhc活動がグローバ ルに展開され、特に患者様に大きく貢献した活動を表彰する 「hhcイニシアティブ」を毎年開催しています。このイベント には受賞者と各国グループ企業のトップマネジメントが参加 し、お互いのベスト・プラク ティスを発表します。創造さ れた「知」を共有することによ り、さらなる患者様貢献をめ ざしていきます。 患者様との共体験の場の設定

hhc

イニシアティブ」による「知」の共有

hhc(human health care)のマークは、ナイチンゲールの直筆サインをもとにデザインされたものです。治療する側の発想だけでなく、ベッドの 上にいらっしゃる人びとの視線で医療を見つめることの大切さ。みずから志し傷ついた人の看護に身を捧げた彼女の行動のあり方に、エーザイ の想いが込められています。

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 エーザイがめざすhhcは、事業活動に必ずしも寄与しない慈善活動を含む社会貢献活動を中心としたCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)や、社会価値と経済価値を同時に実現するというCSV(Creating Shared Value) のようなビジネスモデルとは異なります。  まず、利益創出ではなく、患者様満足の増大という社会価値創造を唯一の目的として掲げ、継続的な組織変革と企業活動を 繰り返しながら、結果として売上や利益である経済価値を創出する経営モデル。それがエーザイの考えるhhcです。

hhc

というビジネスモデル

 2014年のhhcイニシアティブでは、2つのがんに関す るプロジェクトが奨励賞を受賞しました。  日本で行われた「女性の視点を活かした乳がん患者様 のサポート」プロジェクトでは、首都圏のがん領域担当 女性MR約10名が看護師の方々との対話を通じ、がん化 学療法を受ける女性患者様向けのヘアケアに関する小冊 子を作成しました。  英国では、現地社員ががん患者様や栄養士、看護師の 方々とともに、がん患者様のための料理本「Around the Kitchen Table」を作成しました。本書は、社員ががん 患者様支援施設を訪問した際、家庭で簡単に作れるがん患者様向けの食事の情報が少ないと知り、作成に至ったもの です。がんでは、症状の進行や治療の副作用などにより、味覚障害や食欲減退などが起こることがあります。本書の レシピは、がん患者様に少しでも食事を楽しんでいただけるよう、盛り付けや風味、栄養バランスを工夫した内容となっ ています。 2014年

hhc

イニシアティブ受賞事例 看護師の方々との対話 利益創出よりも大義である経営目標を掲げて組織を変革し、経済価値と社会価値を同時追求する経営モデル(CSV)から、 は社会価値創造を唯一の目的とし、結果として経済価値を創出します。

hhc

human health care

CSR

Corporate Social Responsibility Creating Shared Value

CSV

出典:Michael E. Porter: Creating Shared Value, Harvard Business ReviewなどよりデロイトCSR/CSV作成後, エーザイ修正. 野中郁次郎一橋大学名誉教授監修.

価値は社会貢献という共通善 価値は「善行」 価値はコストと比較した経済的便益と社会的便益 地域社会ニーズに合わせ 企業が共同で価値を創出 シチズンシップ、 フィランソロピー、持続可能性 企業と地域社会が共同で価値を創出 競争にこだわりを持たない 任意、あるいは外圧によって 競争に不可欠 利益は目的である共通善の 結果として得られる 利益の最大化とは別物 利益の最大化に不可欠 テーマは企業ごとに共有される テーマは、外部の報告書や 個人の嗜好による テーマは企業ごとに異なり、内発的である 企業の日常業務予算として 組み込まれている 企業の業績やCSR予算の 制限を受ける 企業の予算全体を再編成する 例えば、バリューチェーンに 顧客ニーズをインプット 例えば、フェアトレードで 購入する 例えば、調達方法を変えて品質・収穫量を向上させる hhc

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1941年 日本衛材株式会社設立 1955年 「日本衛材株式会社」から      「エーザイ株式会社」へ社名変更 エーザイは、2015年におかげさまで、創業74 年を迎えることができました。 私たちは、その前身である日本衛材株式会社の 設立以来、幾多の試練と難局を乗り越え、世界 の国々の多くの人々の健康福祉に貢献するとい う創業精神のもと、患者様と想いをともにする企 業文化や企業風土を育み、革新的な新薬をお届 けできるよう挑戦し続けています。 創業者:内藤豊次 (1889年〜1978年) 1941年(創業時) 現在のエーザイの母体となった「日本衛材株 式会社」のマーク ●ロゴマークの変遷 1955年(社名変更時) 社名を、当時とても珍しかったカタカナ表記 に改称するとともに、マークも赤と青の意匠 を凝らしたデザインに刷新 現在 色の意味: 赤い血は動脈から、青い血は静脈から、心臓 を中心に一刻も休まずに活動しつづけていま す。われわれの仕事はこの動きが滞らないよう にと、健康を保ち生命を続けさせることです

世界中の患者様への貢献をめざして

エーザイの歴史

1960

年代

1970

年代

1980

年代

グローバルなマーケティング体制の構築

アリセプト、パリエットの拡大に伴う海外進出の加速

大グローバリゼーションの時代へ

グローバルブランドの創出

グローバル企業としての先進的な取り組み

●1960年代後半~1970年代前半 東南アジアに現地法人を設立 海外進出を本格的にスタート 1969年 シンガポール、タイ、台湾 1970年 インドネシア 1974年 マレーシア、フィリピン ●1980年代~1990年代前半 研究開発三極体制の構築 1982年 筑波研究所竣工(日本) 1989年 ボストン研究所竣工(米国) 1992年 ロンドン研究所竣工(英国) コーポレートガバナンスの充実 ●1990年代後半~2000年代 コンプライアンス推進体制の強化 ●1990年代後半~2000年代 アリセプト、パリエットの拡大 アリセプト 1997年 米国、欧州(英国)で発売 1998年 アジア(タイ)で発売 1999年 日本で発売 ●2010年代 新たなグローバルブランドの 時代へ 2010年 抗がん剤「ハラヴェン」      米国で発売 2012年 抗てんかん剤「Fycompa」      欧州で発売 2013年 肥満症治療剤「BELVIQ」      米国で発売 2015年 抗がん剤「レンビマ」      米国、日本、欧州で発売 アリセプト、パリエット 各国で独占販売期間終了(2010年代) ●2010年代 医薬品アクセス向上への 取り組みの強化

1990

年代

2000

年代

2010

年代 ●1990年代 海外主要国で医薬品販売会社を設立 1995年 米国、英国、ドイツ 1996年 フランス、中国 1997年 韓国 ●2000年代 欧州を中心に医薬品販売会社の 設立を加速 2001年 スペイン 2004年 インド 2005年 イタリア、スイス、スウェーデン 2006年 オーストラリア、ポルトガル 2007年 ベルギー 2009年 オーストリア 2010年 カナダ ●2010年代 新興国での医薬品販売会社の 設立 2011年 ブラジル、メキシコ 2013年 ロシア ●1990年代前半   理念の発動hhc 筑波研究所 ボストン研究所 ロンドン研究所 海外進出を推し進めた活動が認められ、当時の通商産業大臣か ら1969年度の「輸出貢献企業」の表彰を受けました。 国内製薬企業の海外進出戦略が、自 社製品を海外製薬企業にライセンス アウトする形態が主流であった当時、 エーザイはあくまでも、源流である研 究から生産までを自らの手で行うこと にこだわりました。“研究開発ベースの 多国籍製薬企業”の実現に向けて、い ち早く日米欧における研究開発拠点 を確立しました。このグローバルな研 究開発体制のもと、グローバルブラン ドの創出に取り組んできました。 海外展開を進めていた当時、“hhc”の3文字に込め られた想いは、海外の社員にも理解され、共感さ れ、覚えやすい共通のコアバリューとなりました。 WHOとの合意書の調印式<2012年1月> 中期戦略計画はやぶさ 2015年度までに世界の トップ20カ国の医薬品市場 すべてに進出することを目標 の1つとして掲げています。 がん領域への本格的参入 2009年 研究開発部門のグローバル新体制 「エーザイプロダクトクリエーションシステムズ(EPCS)」をスタート がん領域への取り組みを強化 2010年 米国にH3 Biomedicine Inc. 設立 2006年 米国ライガンド社と抗がん剤4品目の戦略的 製品買収に関する契約締結 2007年 米国モルフォテック社の買収に関する 契約締結 2008年 米国 MGIファーマ社の買収手続き完了 1999年 2000年 ● 企業倫理担当役員の任命 ● 社外の法律家を中心とする コンプライアンス委員会の設置 ● ENW(エーザイ・ネットワーク企業) 企業行動憲章・行動指針の制定 ● コンプライアンス・ハンドブックの発刊 ● コンプライアンス・カウンターの設置 2000年 2003年 2004年 2005年 ● 執行役員制度の導入 ● 社外取締役の選任 ● コーポレートガバナンス委員会の設置 ● 取締役会の議長と代表取締役社長を分離 ● 委員会設置会社に移行 ● 社外取締役を過半数選任 ● 社外取締役が取締役会の議長に就任 ● 企業理念を定款に規定(株主総会で承認) 1988年 1990年 1992年 内藤晴夫 代表取締役社長に就任 「世の中変ります。あなたは変れますか」というメッセージで 社員一人ひとりの革新を促す 「エーザイ・イノベーション宣言」を 発信 企業理念“  ”の制定hhc *詳細は66ページをご覧ください。 *詳細は60~61ページをご覧ください。 *詳細は24~27ページをご覧ください。 *詳細は18~19ページをご覧ください。 *詳細は23ページをご覧ください。 *詳細は22ページをご覧ください。 *詳細は20~21ページをご覧ください。 その他 パリエット/アシフェックス売上高 アリセプト売上高 3,0253,617 4,317 4,6665,002 5,330 6,0136,741 7,3437,817 8,032 7,689 6,480 5,737 6,004 2013年度 2012年度 2011年度 2010年度 2009年度 2008年度 2007年度 2005年度 2006年度 2004年度 2003年度 2002年度 2001年度 2000年度 1999年度 連結売上高、アリセプト・パリエット売上高の推移(日本基準)(億円) ピークセールス アリセプト 3,228億円(2009年度) パリエット 1,759億円(2007年度) 2品合計  4,708億円(2009年度) 1987年 筑波研究所にて自社抗がん剤の 研究開発グループが発足 パリエット(米国名:アシフェックス) 1997年 日本で発売 1998年 欧州(英国)で発売 1999年 米国、アジア(タイ)で発売 1948年に発売した 避妊薬『サンプーン』の広告 1951年に発売したチョコラブランド 第1号『チョコラA』の広告

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年代

1970

年代

1980

年代

グローバルなマーケティング体制の構築

アリセプト、パリエットの拡大に伴う海外進出の加速

大グローバリゼーションの時代へ

グローバルブランドの創出

グローバル企業としての先進的な取り組み

●1960年代後半~1970年代前半 東南アジアに現地法人を設立 海外進出を本格的にスタート 1969年 シンガポール、タイ、台湾 1970年 インドネシア 1974年 マレーシア、フィリピン ●1980年代~1990年代前半 研究開発三極体制の構築 1982年 筑波研究所竣工(日本) 1989年 ボストン研究所竣工(米国) 1992年 ロンドン研究所竣工(英国) コーポレートガバナンスの充実 ●1990年代後半~2000年代 コンプライアンス推進体制の強化 ●1990年代後半~2000年代 アリセプト、パリエットの拡大 アリセプト 1997年 米国、欧州(英国)で発売 1998年 アジア(タイ)で発売 1999年 日本で発売 ●2010年代 新たなグローバルブランドの 時代へ 2010年 抗がん剤「ハラヴェン」      米国で発売 2012年 抗てんかん剤「Fycompa」      欧州で発売 2013年 肥満症治療剤「BELVIQ」      米国で発売 2015年 抗がん剤「レンビマ」      米国、日本、欧州で発売 アリセプト、パリエット 各国で独占販売期間終了(2010年代) ●2010年代 医薬品アクセス向上への 取り組みの強化

1990

年代

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年代

2010

年代 ●1990年代 海外主要国で医薬品販売会社を設立 1995年 米国、英国、ドイツ 1996年 フランス、中国 1997年 韓国 ●2000年代 欧州を中心に医薬品販売会社の 設立を加速 2001年 スペイン 2004年 インド 2005年 イタリア、スイス、スウェーデン 2006年 オーストラリア、ポルトガル 2007年 ベルギー 2009年 オーストリア 2010年 カナダ ●2010年代 新興国での医薬品販売会社の 設立 2011年 ブラジル、メキシコ 2013年 ロシア ●1990年代前半   理念の発動hhc 筑波研究所 ボストン研究所 ロンドン研究所 海外進出を推し進めた活動が認められ、当時の通商産業大臣か ら1969年度の「輸出貢献企業」の表彰を受けました。 国内製薬企業の海外進出戦略が、自 社製品を海外製薬企業にライセンス アウトする形態が主流であった当時、 エーザイはあくまでも、源流である研 究から生産までを自らの手で行うこと にこだわりました。“研究開発ベースの 多国籍製薬企業”の実現に向けて、い ち早く日米欧における研究開発拠点 を確立しました。このグローバルな研 究開発体制のもと、グローバルブラン ドの創出に取り組んできました。 海外展開を進めていた当時、“hhc”の3文字に込め られた想いは、海外の社員にも理解され、共感さ れ、覚えやすい共通のコアバリューとなりました。 WHOとの合意書の調印式<2010年11月> 中期戦略計画はやぶさ 2015年度までに世界の トップ20カ国の医薬品市場 すべてに進出することを目標 の1つとして掲げています。 がん領域への本格的参入 2009年 研究開発部門のグローバル新体制 「エーザイプロダクトクリエーションシステムズ(EPCS)」をスタート がん領域への取り組みを強化 2010年 米国にH3 Biomedicine Inc. 設立 2006年 米国ライガンド社と抗がん剤4品目の戦略的 製品買収に関する契約締結 2007年 米国モルフォテック社の買収に関する 契約締結 2008年 米国 MGIファーマ社の買収手続き完了 1999年 2000年 ● 企業倫理担当役員の任命 ● 社外の法律家を中心とする コンプライアンス委員会の設置 ● ENW(エーザイ・ネットワーク企業) 企業行動憲章・行動指針の制定 ● コンプライアンス・ハンドブックの発刊 ● コンプライアンス・カウンターの設置 2000年 2003年 2004年 2005年 ● 執行役員制度の導入 ● 社外取締役の選任 ● コーポレートガバナンス委員会の設置 ● 取締役会の議長と代表取締役社長を分離 ● 委員会設置会社に移行 ● 社外取締役を過半数選任 ● 社外取締役が取締役会の議長に就任 ● 企業理念を定款に規定(株主総会で承認) 1988年 1990年 1992年 内藤晴夫 代表取締役社長に就任 「世の中変ります。あなたは変れますか」というメッセージで 社員一人ひとりの革新を促す 「エーザイ・イノベーション宣言」を 発信 企業理念“  ”の制定hhc *詳細は66ページをご覧ください。 *詳細は60~61ページをご覧ください。 *詳細は24~27ページをご覧ください。 *詳細は18~19ページをご覧ください。 *詳細は23ページをご覧ください。 *詳細は22ページをご覧ください。 *詳細は20~21ページをご覧ください。 その他 パリエット/アシフェックス売上高 アリセプト売上高 3,0253,617 4,317 4,6665,002 5,330 6,0136,741 7,3437,817 8,032 7,689 6,480 5,737 6,004 2013年度 2012年度 2011年度 2010年度 2009年度 2008年度 2007年度 2005年度 2006年度 2004年度 2003年度 2002年度 2001年度 2000年度 1999年度 連結売上高、アリセプト・パリエット売上高の推移(日本基準)(億円) ピークセールス アリセプト 3,228億円(2009年度) パリエット 1,759億円(2007年度) 2品合計  4,708億円(2009年度) 1987年 筑波研究所にて自社抗がん剤の 研究開発グループが発足 パリエット(米国名:アシフェックス) 1997年 日本で発売 1998年 欧州(英国)で発売 1999年 米国、アジア(タイ)で発売

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エーザイが取り扱う主な製品と

開発中の化合物

医療用医薬品事業 

連結売上収益に占める売上高構成比 86.7%(2014年度)  急性ならびに遅発性のがん化学療法に 伴う悪心・嘔吐(CINV)予防と、術後の 悪心・嘔吐(PONV)予防の両適応を持つ セロトニン3受容体拮抗剤です。2008 年1月のMGIファーマ社買収に伴い、 エーザイが米国で販売しています。  自社創製の抗がん剤です。クロ イソカイメン由来のハリコンドリ ンBの合成類縁体で、微小管の伸 長を阻害し細胞周期を停止させる ことで抗腫瘍活性を示します。約 60カ国で乳がんに係る承認を取得 しています。 *詳細は20〜21ページをご覧ください。  自社創製の新規 結合型選択的チロ シンキナーゼ阻害 剤です。VEGFR、 FGFRおよびRETを 特異的に阻害しま す。VEGFR2との 共結晶解析により 新たな結合様式(タ イプV)を示すことが確認されており、素早く強力なキナーゼ阻害 作用を発揮します。  甲状腺がんに係る適応で、2015年2月に米国、5月に日本、6 月に欧州にて新発売しました。 *詳細は18〜19ページをご覧ください。  自社創製の認 知症治療剤です。 神経伝達物質ア セチルコリンの 分解酵素を阻害 し、アルツハイ マー型認知症の 進行を抑制しま す。世界90カ国 以上で承認されています。2014年9月には、日本においてレビー 小体型認知症の効能・効果の追加承認を取得しました。 *詳細は17ページをご覧ください。  自社創製のメコバラミ ン(生体内補酵素型ビタ ミンB12)製剤であり、傷 ついた末梢神経を修復す る作用があります。末梢 性神経障害治療剤として 日本やアジアで広く使わ れています。  自社創製のAMPA受容体 拮抗剤であり、12歳以上の 部分てんかんの併用療法の 適応で45カ国以上で承認 を取得しています。また、 2015年6月には、米国およ び欧州において、全般てん かんの強直間代発作に対す る併用療法に係る適応拡大に関する承認を取得しました。 *詳細は22ページをご覧ください。 制吐剤 抗がん剤/微小管ダイナミクス阻害剤 抗がん剤/分子標的治療薬 アルツハイマー型、レビー小体型認知症治療剤 末梢性神経障害治療剤 抗てんかん剤 ALOXIⓇ(一般名:パロノセトロン) ハラヴェンⓇ(一般名:エリブリン) レンビマⓇ(一般名:レンバチニブ) アリセプトⓇ(一般名:ドネぺジル) メチコバールⓇ(一般名:メコバラミン) FycompaⓇ(一般名:ペランパネル) がん領域 神経領域

(9)

エーザイ製品について詳細はこちらをご参照ください。 http://www.eisai.co.jp/products/index.html

ジェネリック医薬品事業

連結売上収益に占める売上高構成比 4.9%(2014年度)

診断薬事業

連結売上収益に占める売上高構成比 1.1%(2014年度)

薬粧事業

連結売上収益に占める売上高構成比 3.1%(2014年度)  ジェネリック医薬品事業は、エーザイの100%子会社であるエル メッド エーザイ株式会社が担っています。患者様にとって服用しや すい「付加価値型ジェネリック医薬品」を開発し、エーザイMRとの 連携の上、医療関係者の皆様へきめ細やかな情報提供活動を行って います。  診断薬事業は、エーザイの100%子会社であるエーディア株式会 社が担っています。エーザイとの連携により、診断と治療に関する 製品と情報をお届けし、早期診断、早期治療、ならびに治療効果の モニタリングに貢献することをめざしています。  トロンボポエチン受容体のアゴニストで、血小板増加を促進させ る経口の新規化合物です。血小板減少を示す病状への効果を期待し ています。  エーザイが次世代経口アルツハイマー型認知症治療剤として開発 している、自社創製のBACE阻害剤です。アミロイド前駆体タンパ ク質のβサイト切断酵素であるBACEを阻害することで、ベータア ミロイドの総量を減少させます。病態の進行を抑制するなどの疾患 修飾作用を期待しています。 *詳細は16ページをご覧ください。  自社創製の睡眠導入剤として開発しています。覚醒状態を維持す るオレキシン受容体に拮抗することで、覚醒状態を鎮め、自然な睡 眠の誘発を期待しています。  Aβプロトフィブリルを除去することで、アルツハイマー型認 知症の進行を抑制することが期待される薬剤です。エーザイは、 BioArctic Neuroscience ABとのライセンス契約により、全世界に おけるアルツハイマー型認知症を対象とした研究・開発・製造・販売 に関する権利を取得しています。 *詳細は16ページをご覧ください。  アッヴィ社が開発した関節リウマチ をはじめとする自己免疫疾患の治療剤 です。日本では、エーザイとアッヴィ社 が共同開発および共同プロモーションを 行っています。  自社創製のプロトンポ ンプ阻害剤です。胃潰瘍、 十二指腸潰瘍、逆流性食 道炎、ヘリコバクター・ ピロリ除菌などの適応症 で、世界100カ国以上で 承認されています。2014年12月には、低用量アスピリン投与時 における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制の効能効果を取得し、 2015年2月に5mg錠を発売しました。  Pfizer Inc.が開発し、 世界100カ国以上で承 認されている疼痛治療 剤です。日本において は、ファイザー株式会社 とエーザイが共同プロ モーションを行っており、 本剤に関連する適正使用情報を提供しています。

 Sunovion Pharmaceuticals Inc. によって創製された、非ベ

ンゾジアゼピン系のGABAA受容体作動薬です。日本では、エー ザ イ が S u n o v i o n Pharmaceuticals Inc. より独占的開発・ 販売権を獲得して開発 を進め、2012年4月に 発売しました。

 Arena Pharmaceuticals, Inc. 創製の新規化 合物であり、選択的に脳内のセロトニン2C受 容体を刺激することにより摂食を抑制し、満腹 感を促進すると考えられています。米国では、 肥満症治療のための処方薬として13年ぶりに 承認され、2013年6月に発売しました。 *詳細は23ページをご覧ください。  口内炎・肌あれに効き目のあるチョコラBBプラスをは じめ、第3類医薬品、指定第2類医薬品、指定医薬部外品、 栄養機能食品など多数のラインナップを揃えています。 Chocola.com▶http://www.chocola.com/product/index.html *薬粧事業の詳細は39ページをご覧ください。 チョコラBBシリーズ 血小板減少症治療剤/トロンボポエチン受容体作動剤 アルツハイマー型認知症治療剤/BACE阻害剤 不眠症治療剤/オレキシン受容体拮抗剤 アルツハイマー型認知症治療剤/ ヒト化抗ベータアミロイド(Aβ)プロトフィブリルモノクローナル抗体 ヒト型抗ヒトTNFα モノクローナル抗体 プロトンポンプ阻害剤 疼痛治療剤 不眠症治療剤 肥満症治療剤 E5501/AKR-501(一般名:avatrombopag) E2609 E2006(一般名:lemborexant) BAN2401 ヒュミラⓇ(一般名:アダリムマブ) パリエットⓇ(米国名:アシフェックス、一般名:ラベプラゾール) リリカⓇ(一般名:プレガバリン) ルネスタⓇ(一般名:エスゾピクロン) BELVIQⓇ(一般名:lorcaserin) 開発中の化合物 開発中の化合物 その他

(10)

10

 製薬企業を取り巻く環境は、大きく変化しています。グ

ローバルに進展する高齢化や新興国・開発途上国の経

済発展に伴って市場が拡大するとともに、iPS細胞などの

再生医療や遺伝子治療、先制医療などの先端的な取り

組みが進み、事業機会が拡大しています。

 グローバルに拡大する事業機会を確実に捉えるため、

当社は2014年5月よりグローバル・ビジネス・マトリクス

体制を導入しました。オンコロジー(がん)とニューロロジー

(神経)の2領域のグローバルビジネスユニットと、日本、

アメリカス、中国、アジアおよびEMEA(欧州、中東、ア

フリカ、ロシア、オセアニア)の5リージョンによるマトリクス

体制のもと、早期にグローバルブランドの価値最大化を

実現する体制を整備しました。

 さらに、2015年度以降の成長回帰を実現するため、

2014年度は、1)グローバルブランドの育成、2)プロダク

トクリエーションの加速、3)ストラテジックマーケットの拡大、

の3つの分野に積極的に戦略投資を行いました。

 エーザイは、患者様とそのご家族の喜怒哀楽

を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献す

ることを企業理念としています。このヒューマ

ン・ヘルスケア(

hhc)

理念に則り、アンメット・

メディカル・ニーズを充足する革新的新薬を創出

して世界の患者様に一日でも早くお届けするこ

とがエーザイの使命です。

トップメッセージ

ステークホルダーズの皆様へ

2014年度の取り組み

〜グローバル・ビジネス・マトリクス体制の始動と  成長回帰にむけた積極投資〜

(11)

 グローバルブランドについては、自社創製の抗がん剤

「ハラヴェン」は売上収益23%増を達成しました。自社

創製の新規結合型選択的チロシンキナーゼ阻害剤「レン

ビマ」は米国での2015年2月の発売以降、順調に患者

様貢献が拡大しています。肥満症治療剤「BELVIQ」、

自社創製の抗てんかん剤「Fycompa」については、効

率的な費用投入で最大限の効果を得る新たなマーケティ

ング手法を見出しました。

 プロダクトクリエーションについては、「レンビマ」のグ

ローバル開発・承認取得、複数の次世代アルツハイマー

型認知症治療薬の開発推進をはじめとして、がん領域

と神経領域での開発が加速しました。

 将来の成長を担う「ストラテジックマーケット」と位置

づけているカナダ、メキシコ、ブラジル、ロシア、オー

ストラリアの5カ国においては、グローバルブランドの申

請および発売が着実に進展しました。

 2015年度は本業での成長回帰を果たすべく、戦略意

思として5つの重点テーマに取り組みます。

 まず、

グローバルブランドの拡大を着実に果たします。「ハ

ラヴェン」は、転移性乳がんに続き、軟部肉腫に適応を拡

大することで化学療法の基幹療法としてのポジショニング

を確立していきます。新製品「レンビマ」については、2015

年度中にグローバル20カ国以上での発売を予定しています。

「Fycompa」については、米国および欧州における全

般てんかんの強直間代発作に対する併用療法の適応追

加により、成長加速をめざします。「BELVIQ」は、米国に

おいて費用対効果を強く意識し優先度の高い活動にフォー

カスしたレーザー フォーカス マーケティング ミックスを展開

し、成長継続と利益確保の両立をはかります。

 日本医薬品事業においては、「アリセプト」のレビー小

体型認知症、ならびに「パリエット」の低用量アスピリン

潰瘍再発抑制の新適応による患者様貢献を拡大して

いきます。さらに「ハラヴェン」や2015年5月に新発売し

た「レンビマ」などの抗がん剤および「ヒュミラ」、「ルネ

スタ」、「リリカ」の持続的拡大で成長につなげます。

 中国事業においては、本格稼働を開始したオートノミー

モデルのもとで戦略投資に対する迅速な意思決定を行

うと同時に、中規模都市や未進出エリアへのアクセス

を拡大し、高い成長性を維持していきます。

 アジア事業についても、主力市場である韓国、台湾、

タイの2桁成長継続と次世代コアマーケット(ベトナム、

ミャンマー、インド、インドネシア)の躍進により、高成

長の維持をめざします。

 ストラテジックマーケットについては、事業開始後の早い

段階での利益貢献をめざし、他社との提携なども視野に入

れて各国における最適なビジネスモデルを展開していきます。

 さらに、積極的な研究開発投資を維持しつつ事業の

採算性の改善がはかられるよう、成長と投資のバランス

を重要な経営課題として捉え、生産、研究開発、販売、

管理のあらゆるレベルにおいて抜本的な業務・費用構

造の改革に取り組んでいきます。

2015年度 戦略意思 1. グローバルブランド 4 品目の拡大 2. 日本医薬品事業の成長確保 3. 中国/アジアにおける高い成長性の維持 4. ストラテジックマーケットにおける早期採算化 5. 成長と投資のバランスをはかる費用管理の徹底

2015年度 Aspiration

The Daybreak of Growing Eisai

〜成長回帰に向けて〜

(12)

12

 高齢化の進展による認知症の患者様の増加とそれに

伴う様々な社会コストの増加は、グローバルに取り組むべ

き課題としてクローズアップされています。当社は、「ア

リセプト」の創薬以来、認知症分野における創薬活動

で培った経験・知識・ノウハウを活かし、「先制医療」を担

う次世代アルツハイマー型認知症治療薬の開発に取り

組んでいます。

 BACE 阻害剤 「E2609」および抗ベータアミロイド

(A

β)プロトフィブリル抗体「BAN2401」については、アルツ

ハイマー型認知症の病因の一つとされているAβを標的と

し、現在フェーズⅡ試験が進行中です。開発期間の短縮

や成功確度の向上をはかるため、臨床試験ではPET(陽

電子放射断層撮影)を用いたAβイメージングを活用し

てターゲットとする患者様を正確に組み入れるとともに、薬

効判定における評価力を向上させた自社開発のADコン

ポジットスコア(ADCOMS)を評価スケールとして使用して

います。また、早く確実に有効性・安全性に優れた至適用

量を見出すため、ベイジアンアダプティブデザインと呼ばれ

る試験デザインを導入しています。

 株主価値を最大化するための財務戦略としては、積

極投資、安定配当方針、グローバルIR戦略の3つの施

策が重要であると考えています。中長期の成長実現に

向けて、認知症領域およびがん領域での研究開発投資

を今後も積極的に行っていきます。また、配当について

は、DOE8%レベルを維持し、今後も安定配当を行う

方針です。2014年度末においてNetDERは0.06倍、

自己資本比率は55%超にまで改善しました。自己資本

は6,000億円レベルと過去最高に到達し、積極投資と

安定配当を両立できる健全な財務状況を確保してい

ます。さらにグローバルIR戦略として、タイムリーかつ

フェアに情報を開示して投資家の皆様への説明責任を

果たし、持続的な株主価値の向上に努めてまいります。

 また、エーザイでは、コーポレートガバナンスを

企業価値最大化の礎と捉え、常に最良のコーポレー

トガバナンスを追究し、その充実に継続的に取り組

 「E2609」および「BAN2401」については、Biogen Inc.

と共同開発・共同販促契約を締結しています。一方、

Biogen Inc.の抗Aβ抗体「aducanumab」および抗タウ

抗体に対しては、共同開発・共同販促のオプション権を保有

しています。今後、本提携の価値を最大に活かし、次世代

アルツハイマー型認知症治療薬の早期開発をめざします。

 がん領域においては、遺伝子情報などを活用した新た

な治療法が次々と誕生しているものの、未だ治療困難なが

んも多く、大きなアンメット・メディカル・ニーズが存在していま

す。当社は、がん領域において「ハラヴェン」

「レンビマ」の2

品を自社創製し、製品価値極大化に向けて適応拡大をめ

ざしています。また、「ハラヴェン」ならびに「レンビマ」と抗

PD-1抗体「KEYTRUDA」

(一般名:pembrolizumab)

の併用療法の研究提携について、Merck & Co., Inc.,

Kenilworth, N.J., U.S.A.と2015年3月に合意しました。

さらに、2015年7月、「レンビマ」については現在開発

中の腎細胞がんの適応に対して米国FDAよりブレイ

クスルーセラピーの指定を受けました。

んでいます。10年以上前から、社外取締役が過半数

を占め、かつ社外取締役が議長を務める取締役会に

より、経営を監督しています。引き続き、経営の質

を高め、株主、顧客、社員などのステークホルダー

ズのベネフィット向上に資するコーポレートガバナ

ンス体制の強化に取り組みます。

 引き続き、

hhc

理念とコンプライアンスのもと、持続

的な企業価値向上をめざしステークホルダーズ各位の

負託に応える所存です。今後ともご支援を賜りますよう

お願い申し上げます。

2015年8月

認知症領域ならびにがん領域での革新的新薬の創出に向けて

中長期の株主価値実現に向けて

代表執行役 CEO

(13)

 これまでグローバル事業の柱としてエーザイを支えてきたのは、アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」とプロトンポンプ 阻害剤「パリエット/アシフェックス」の2大ブランドです。2品の合計売上は、ピーク時の2009年度には4,708億円に到達しました。 しかし、独占販売期間が終了したことから売上収益は減少し、2014年度の2品合計売上収益は1,217億円となりました。  エーザイは、成長回帰を果たすため、新たな グローバルブランドの育成に取り組んでいます。 抗がん剤「ハラヴェン」、抗てんかん剤「Fycompa」、 肥満症治療剤「BELVIQ」に加え、2015年には抗 がん剤「レンビマ」を発売しました。2015年度は、 費用対効果を重視したマーケティングの展開に より、グローバル4品の拡大と利益確保の両立を 果たす見込みです。  エーザイは、アンメット・メディカル・ニーズの高い認知症領域ならびにがん領域を重点領域と位置づけ、長年にわたって創薬活 動に取り組んできました。この2大フランチャイズにおいて、我々は大きな成長の機会を目前にしています。  認知症領域においては、Biogen Inc.との連携のもと、革新的な次世代アルツハイマー型認知症治療薬の開発が進展しています。 認知症患者様の増加に伴い、次世代アルツハイマー型認知症治療薬の市場は2025年に約1.5兆円、2030年に約3.2兆円へ拡大す ると推定しています。  がん領域においては、甲状腺がんの適応で「レンビマ」を2015年度中に20カ国以上で発売する予定です。現在、肝細胞がんや腎 細胞がんなど複数のがん腫を対象に適応拡大をめざしています。また、抗PD-1抗体「KEYTRUDA」(一般名:pembrolizumab)と の併用療法の研究提携に関してMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.と2015年3月に合意し、フェーズⅠb/Ⅱ試験を7月に 開始しました。これらの適応拡大により、「レンビマ」のピーク時のグローバルなポテンシャルセールス(リスク調整後)は1,200億 円超に達すると推定しています。 グローバルブランドの育成 2大フランチャイズの構築

グローバルブランドの育成と

2大フランチャイズの構築

(認知症領域、がん領域)

次世代アルツハイマー型認知症治療薬の市場予測 「レンビマ」のポテンシャルセールス

Decision Resources (Patient Base)、Global Data、The Global Impact of Dementia 2013-2050を利用したエーザイ試算(Given Success)

市場予測 2025年 2030年 抗体医薬品市場 約5,000億円 約1.2兆円 低分子医薬品市場 約1兆円 約2兆円 次世代アルツハイマー型認知症治療薬計 約1.5兆円 約3.2兆円 甲状腺がん 1st ライン+ ポテンシャルセールス 400億円超 ポテンシャルセールス 800億円超* ポテンシャルセールス 合計1,200億円超* 免疫チェックポイント阻害剤 との併用 子宮内膜がん 肝細胞がん 腎細胞がん 非小細胞肺がん 甲状腺がん

(14)

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 2013年における認知症の患者様数は、全世界で4,400万 人と推計されています。世界の人口高齢化が進む中、認知 症患者様は増加の一途をたどり、2030年には1.7倍の7,600 万人、2050年には3.1倍の1億3,500万人に達すると予測さ れています。特に低・中所得国においては、先進国を上回る スピードで患者様数が増加する見込みです。認知症への取り 組みは世界的な課題であり、アンメット・メディカル・ニーズを 充足する治療薬の早期開発が期待されています。  従来の認知症医療においては、患者様の記憶や臨床機能(認知機能等)が衰退してはじめて、認知症と診断され、治療が開始さ れる状況でした。しかし、近年では認知症の研究が進み、その前段階である軽度認知障害(MCI)の時期、さらに前段階のプレクリ ニカルAD*と呼ばれる無症状期において、重要なマーカーであるベータアミロイド(Aβ)ペプチドやタウ蛋白の蓄積がすでに始まっ ていることが分かりました。  このため、現代の認知症においては、早期の段階から治療や介入を行う「先制医療」が重要なテーマとなってきています。エー ザイが現在、次世代認知症治療薬として開発している薬剤は、先制医療の中で重要な役割を果たすことが期待されています。 増加の一途をたどる認知症患者様数 先制医療の可能性/次世代アルツハイマー型認知症(AD)治療薬の開発

認知症フランチャイズの構築

認知症患者様数の推移 アルツハイマー型認知症発症過程におけるバイオマーカーの変化

出典:The Global Impact of Dementia 2013-2050, Alzheimer's Disease International, The global voice on dementia.2013,一部改編 ※ 2013年時点の定義

出典:Jack CR, Knopman DS, Jagust WJ, Shaw LM, Aisen PS, Weiner MW, Petersen RC, Trojanowski JQ. Lancet Neurol. 2010 Jan.9(1):119-28,一部改編 * アミロイドPET陽性により検出可能で、アルツハイマー型認知症(AD)の病理変化あり、 認知機能が正常な時期 ** 詳細は16ページをご覧ください。 2013年 2030年 2050年 (百万人) 0 35 70 105 140 135 96 76 50 44 28 ■認知症患者様数 ■低・中所得国※  認知症患者様数 1.7倍へ 拡大 3.1倍へ 拡大 バイオマーカーの変化 正常 異常 臨床病態 先制医療 認知機能正常 プレクリニカルAD* 軽度認知障害 (MCI) 認知症 Aβペプチド タウ蛋白 脳構造の変化 記憶 臨床機能 Aβイメージング スクリーニング を活用** 薬効判定に評価力を アップした独自の ADコンポジットスコア (ADCOMS)を使用**

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 Biogen Inc.との提携では、4つのプロジェクトが進行しています。(Biogen Inc.の2プロジェクトはエーザイがオプション権を保有)  2014年3月、エーザイは神経変性疾患領域に強みを持つBiogen Inc.と次世代アルツハイマー型認知症治療薬に関する共同 開発、共同販促契約を締結しました。エーザイでは、この提携には3つの意義があると考えています。 ❶ 神経変性疾患領域における両社のベストなノウハウと経験を結集することができる ❷ 4つの次世代アルツハイマー型認知症治療薬プロジェクトを連携して進展することができる ❸ 共同開発と商業化に向けた共同投資が可能となる  本提携により、次世代アルツハイマー型認知症治療薬の開発成功確率を向上させるとともに開発速度を高めることができる と考えています。 進展中の4つの次世代アルツハイマー型認知症プロジェクト 次世代アルツハイマー型認知症治療薬の開発・商業化に向けたBiogen Inc.との提携

 エーザイがBioArctic Neuroscience ABと共同で創出し、開発を進めている抗Aβプロトフィブリル抗体です。Aβの凝集体 であり神経毒性が高いAβプロトフィブリルに対して、高い親和性と選択性を示しています。現在フェーズⅡ試験が進行中であり、 2015年度中にトップライン結果の取得を予定しています。その後、フェーズⅢ試験を経て、2019年度以降の承認申請をめざし ています。

● 抗Aβプロトフィブリル抗体「BAN2401」(Biogen Inc.と共同開発) ● 自社創製のBACE阻害剤「E2609」(Biogen Inc.と共同開発)

 筑波研究所が創製した化合物であり、アミロイド前駆体タンパク質のβサイト切断酵素であるBACEを阻害します。フェーズⅠ 試験では、ヒトの血漿中および脳脊髄液中のAβの顕著な減少が確認されています。現在、フェーズⅡ試験の安全性確認ステージ (Stage A)が進行中であり、2015年度中に安全性に関するトップライン結果の取得を予定しています。その後の開発計画につ いては、継続してBiogen Inc.と協議中です。 Biogen Inc.との提携による4つのプロジェクト

認知症フランチャイズの構築

抗タウ抗体 Biogen Inc. タウの高度リン酸化と 細胞内への蓄積

BAN2401

(抗Aβプロトフィブリル抗体)

aducanumab

(抗Aβ抗体) Biogen Inc. 神経細胞の 機能障害 神経細胞死 老人斑 神経原 線維変化 認知機能の低下

E2609

(BACE阻害剤) APPのN末端側を切る βセクレターゼ(BACE) γセクレターゼ

ベータアミロイド

(Aβ)

モノマー 凝集性が高い

Aβフィブリル

可溶性重合体 強い神経毒性 (神経変性過程を誘発・促進し神経細胞死を引き起こす) 不溶性凝集体 沈着して老人斑を形成 (神経細胞死を引き起こす可能性) アミロイド前駆体 タンパク質(APP) APPのC末端側を切る

Aβ

プロトフィブリル

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16

認知症フランチャイズの構築

 エーザイでは、アルツハイマー型認知症治療薬開発における豊富な経験を踏まえ、「E2609」ならびに「BAN2401」の開発成功 確度を上げるため、様々な独自の工夫を行っています。  第1に、PET(陽電子放射断層撮影)を用いたAβイメージングを活用し、スクリーニングの段階でAβの蓄積が見られる患者様の みを臨床試験に登録しています。  第2に、軽度認知障害(MCI)〜軽度ADの臨床機能の変化や記憶の変化を感度よく捉えるため、エーザイ独自のADコンポジッ トスコア(ADCOMS)を開発し、患者様の診断や治療効果の判定に活用しています。ADCOMSは、認知機能を評価するスケール 「ADAS-Cog」、「MMSE」、認知症の重症度を評価するスケール「CDR」からより早期(軽度認知障害(MCI)〜軽度AD)に感度よく 変動する項目として組み合わせたもので、薬効判定の評価力をアップした独自のスコアです。  第3に、至適用量をより早期に決定するため、ベイジアンアダプティブデザインを用いた臨床試験を進めています。ベイジアン アダプティブデザインに基づく臨床試験では、50例ごとに中間解析を実施し、コンピュータがもっとも安全かつ有効性の期待でき る投与量に患者様を割り振ります。このため、より短期間で効果を検証できると期待しています。 次世代アルツハイマー型認知症治療薬開発を成功に導くためのエーザイ独自の工夫 ベイジアンアダプティブデザインのイメージ図 (「BAN2401」の場合) エーザイが保有するオプション権の行使条件の詳細については、こちらのリリースをご参照ください▶ http://www.eisai.co.jp/news/news201507.html (注)

* Alzheimer’s Disease Composite Score

患者様数の比率 各実薬群では 用法・用量が異なる プラセボ群 実薬群1 実薬群2 実薬群3 実薬群4 実薬群5 時間 中間解析 1回目 196例 中間解析 2回目 250例 50例ごとに中間解析実施 有効性・ 安全性の 高い群 早期AD患者様の診断と 臨床経過や治療効果の判 定を可能にする認知機能 に対する感度の高い エーザイ独自の ADコンポジットスコア (ADCOMS* により評価

*Alzheimer’s Disease Composite Score

● Biogen Inc.が開発中の抗Aβ抗体「aducanumab」(BIIB037)(エーザイがオプション権を保有)

● Biogen Inc.が開発中の抗タウ抗体(エーザイがオプション権を保有)

 Biogen Inc.が開発中の抗Aβ抗体です。Biogen Inc.は、「aducanumab」のフェーズⅠb試験の中間解析結果として以下の内容 を発表しています。

『「aducanumab」投与群において、用量依存的なアミロイドプラーク(Aβの沈着)の減少、用量依存的な認知機能の低下抑制、 許容できる安全性が認められた』

 また、Biogen Inc.は2015年6月より新たにフェーズⅢ試験を開始したことも発表しています。早期のアルツハイマー型 認知症患者様を対象とした18カ月間の試験を2本実施します。主要評価項目は、CDR-SBスコア(Clinical Dementia Rating-Sum of Boxes:臨床的認知症重症度判定尺度)です。

エーザイの「aducanumab」に対するオプション権行使条件について

エーザイは、「aducanumab」について、以下の1)または2)の時点でオプション権を行使することができます。 1)Post-Phase II BIIB037 Option

 「aducanumab」のフェーズⅠb試験およびBAN2401のフェーズⅡ試験双方の完了後 2)Post-Phase III BIIB037 Option

 「aducanumab」のフェーズⅢ試験終了後

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 エーザイは、1983年に筑波研究所で探索研究を開始して以来、30年以上にわたって認知症領域で創薬活動に取り組ん できました。認知症フランチャイズの構築に向けて、長年培ってきた知識・経験・ノウハウを活かし、エーザイ独自のアプロー チで認知症領域の創薬研究を行っています。Biogen Inc.との提携のもとで進展している次世代アルツハイマー型認知症 治療薬のプロジェクト以外にも、周辺症状に効果がある症状改善型治療剤の開発に取り組んでいます。また、抗がん剤領 域の研究では大きく成功している遺伝学的情報から標的を見つけ創薬を行う、いわゆる「ゲノム創薬」によるアプローチ についても、アカデミアなどとの連携を通じて認知症領域の創薬研究に活用しています。  「アリセプト」は、自社創製の認知症治療剤であり、1997年の米国・欧州での発売、1999年の日本発売以来、アルツ ハイマー型認知症治療剤として世界90カ国以上で承認され、患者様貢献を果たしてきました。2014年には日本において 新たにレビー小体型認知症に関する効能・効果の承認を取得しました。また、エーザイは、認知症の啓発、「認知症を知る e-65.net(イーローゴ・ネット)」の運営など、国内外で認知症への正しい理解、認知症の患者様やそのご家族への支援を 行ってきました。患者様が少しでも飲みやすい薬を提供するため、様々な剤形の開発も行ってきました。  さらに日本では、エーザイの社員一人ひとりが認知症をもっとよく知り、地域社会の一員としてさらなる貢献をすること をめざして、各地の事業所において自治体の協力も得ながら、認知症サポーター養成講座を開催しています。社員自身も 認知症サポーターとなることを推進しています。  エーザイは、「アリセプト」への取り組みを通じて認知症フランチャイズの基盤を構築してきました。今後は次世代アルツ ハイマー型認知症治療薬の開発を通じて、認知症フランチャイズをさらに発展させていきたいと考えています。 30年以上にわたって培ってきた知識・経験・ノウハウを活かした創薬活動 「アリセプト」を通じて構築してきた認知症フランチャイズの基盤 日本におけるアリセプトの歩み 1983 1989 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 研究・承認発売状況 エーザイが行った主な啓発活動 医療行政 AD治療薬の創薬研究開始(筑波研究所) 臨床試験開始 米国・欧州新発売 日本 新発売 軽度・中等度AD適応 3mg・5mg製剤 日本 細粒0.5% 新発売 日本 D錠 新発売 3mg・5mg製剤 日本 高度AD適応追加 10mg錠・10mgD錠 新発売 日本 ゼリー剤 新発売 3mg・5mg・10mg製剤 日本 D錠バラ包装 新発売 日本 ドライシロップ1% 新発売 D錠10mg 剤形変更 フィルムコート錠カナ印字 日本 レビー小体型認知症適応追加 2013年  オレンジプランスタート 認知症有病率等 調査結果発表 2015年  新オレンジ プランスタート e-65.net 地域支援マップ公開 認知症に関する意識・実態調査実施 新疾患啓発活動「単なるもの忘れと認知症は違います」開始 「まちづくり」支援活動 開始 認知症を知るホームページ e-65.netとしてリニューアル アルツハイマー病研究会 開始 痴ほう症をあきらめないe-65.net(イーローゴ・ネット)開始 クリニカル・カンファレンス・セミナー開始 2000年  介護保険法、成年後見法施行 2004年  痴呆から認知症へ用語変更 2005年  厚生労働省 「認知症を知り地域をつくる10カ年 キャンペーン」開始 2006年  地域包括支援センター開設 2009年  75歳以上 運転免許更新時に 認知機能検査導入 AD:アルツハイマー型認知症 赤字:一般向け啓発活動 青字:医療従事者向け啓発活動

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 「レンビマ」は、分子標的抗がん剤として3つの分子: VEGFR、FGFR、RETの活性を特異的に阻害します。が ん細胞の増殖に関わる信号や、がん細胞に酸素や栄養を 与える血管をつくる信号をブロックし、抗がん作用を発 揮します。  開発においては、標的となる分子の情報をもとに対象 となるがん腫を選択し、様々ながん腫でグローバルに臨 床試験を展開しています。もっとも開発が先行していた 甲状腺がんでは、アンメット・メディカル・ニーズが高い 放射性ヨウ素抵抗性の分化型甲状腺がんの患者様を対 象としたフェーズⅢ試験において、レンビマ投与群では 顕著な有意差をもって無増悪生存期間(がんが進行する ことなく患者様が生存している期間の長さ)を延長する 効果が示されました。  2015年2月には米国、同年5月には日本、6月には欧 州で新発売しました。  甲状腺がんは希少疾患であり、対象となる患者様数は 日米欧で8,000人強と推定されています。そのため、現 在は専門医を中心とした情報提供を展開し、「レンビマ」 による速やかな患者様貢献をめざしています。2015年 度は、グローバル20カ国以上での発売をめざしています。

革新的なメカニズムと甲状腺がん治療のパラダイムシフトへの期待

■「レンビマ」の作用機序 レンビマ がん細胞の増殖に関わる 信号をブロック がん細胞の増殖を抑制 レンビマ 酸素や栄養をがん細胞に 与える血管をつくる 信号をブロック 血管新生の阻害 「レンビマ」の由来:LENVIMA

Lenvatinib

  +  vim

一般名:レンバチニブ 生命・活発 「New Horizon (水平線から昇る太陽)」 をイメージしたロゴにより、 レンビマの有効性を表現

2015年に新発売した自社創製の分子標的抗がん剤

グローバルブランド

レンビマ

オンコロジーフランチャイズの構築 グローバルピークセールス(予想、リスク調整後)

1,200

億円

2015年度発売国数(予定)

20

カ国

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