[翻 訳]
『トテナムの馬上槍試合』について
松
原
良
治
234行よりなる『トテナムの馬上槍試合』The Tournament of Tottenham)は 北部方言で書かれており、十五世紀前半の作と考えられている。このバーレス ク的作品は三つの写本で伝わる。すなわち、英国図書館所蔵MS Harley 5396 (H)、ケンブリッジ大学図書館所蔵MS Ff.5.48(C)、ハーバード大学図書館 所蔵MS English 590 F(E)である。(なお、一部の版本でC写本の書架番号が 誤って記載されている。)HとCは15世紀後半の写本であり、EはCを十六世紀 に近代的に書き改めたものである。この作品を1631年に初めて刊行したトテナ ムの教区牧師William BedwellはCに拠ったが、Hの方が善本であることを知っ たThomas Percyが1775年にこれを出版して以来、Hを底本としてCの読みを随 時 取り入 れた ものが 一般的 とな った。 本翻訳 で用 いたW.H.French and C.B.Haleの版本、その他参照した文献も、その例に洩れない。なお、Bedwell はGilbert Pilkingtonなる人物を本作品の作者と考えたが、後の研究者たちに よって否定されている。 詩形について述べておくと、この詩はaaaabcccbと押韻する9行スタンザを一 つの単位とする。a行はそれぞれが脚韻を踏む上に四強勢をもつ頭韻長行でも あるが、頭韻は規則的とは言えない。b行、c行はそれぞれbob, wheelと呼ばれ、 前者には一般的に二つの強勢が、後者には二つないし三つの強勢が置かれる。 これはイングランド北部地方によく見られた詩形である。 ロンドン北郊、トテナムの近郷の人々が一杯加減で楽しくやっていると、陶 工のパーキンが来て、代官のランドルフに「あなたの娘ティブに似合いの花婿 候補は誰か」と問う。自分がその気なのである。息巻く若者たちに対し、代官 は一週間後に馬上槍試合を行い、最も勇敢に戦った者にティブと、その他持参 の品々を取らせると宣する。一週間後、若者たちは農具を武器に騎士よろしく やって来ると、激しく戦い始める。ティブはおめかしをして高みの見物である。
パーキンは幾人かを打ち負かすが、もう一人の参加者が娘を連れ去ろうとする のを見て、彼女を取り返す。彼が勝者と認定され、二人は結ばれることとなる。 怪我をした他の者たちも祝いに駆けつける…。他のロマンスの合戦シーンでも おなじみのboastingを互いにぶつけ合うトテナムの「戦士」は勇ましげではあ るが、その実、名前がkynで終わるようなイングランドの庶民にすぎない。こ れは疑似英雄詩の世界なのである。 『トテナムの馬上槍試合』を巡っては二つの謎がある。一つは、北部方言の 詩がなぜロンドン郊外を舞台にしているのか、という問題で、解決を見ていな い。今一つは、この詩がどんな意図で書かれたのか、という点である。ここで は特に後者の問題に焦点を絞りたい。この作品が刊行された当初、Percyやそ の他の評者たちは、これを陳腐な騎士道ロマンスを嘲る、もしくはそこに描か れた騎士道そのものを揶揄する目的で書かれたバーレスクであると考えていた。 現在でもこの説を採る研究者もいる。ロマンスのパロディーといえば、チョー サーの「トパス卿の話」を思い出す読者も多いであろう。しかし、「トパス」 の場合、『カンタベリー物語』という名作集の中に組み込まれ、しかも戯画化 されたチョーサー自身によって語られることによって、詩人のユーモアが十分 感知されうるのである。一方、『トテナム』の場合そのような状況にはなく、 確たるところは不明である。
ところが、G.F.Jones, “The Tournaments of Tottenham and Lappenhausen” という論文が『トテナムの馬上槍試合』研究に新しい視点をもたらした。筆者 は、本作品やドイツの喜劇的教訓詩に描かれているカーニバル的光景は、 Shrovetide(四旬節前の三日間を指し、人々は告解をしてから楽しみごとに興 じた)の時期に実際に行われた風習に根ざしているが、結局、これらにおいて 笑いの種になっているのは民衆たちであるという。ロマンスや騎士道のパロ ディーとしての一面も否定しないものの、この作品の本質は農民層への嘲笑だ と結論づけている。この論考が出て以降、先に述べた説はやや劣勢になったか に見えるが、折衷説などもあり、結論が出ているとは言いがたい。 折衷説を採っている研究者の一人にD.B.Sandsがおり、『トテナムの馬上槍 試合』の笑いの矛先は社会階層の上下両方に向けられていて、この作品を本当 に楽しみえたのは当時の都市民であったであろう、という。C.Mealeは、1996 年の「ヨーク写本会議」での発表(“Romance and Its Antitype? The Turna
ment of Totenham, the Carnivalesque, and Popular Culture”)において、特にC 写本に注目し、そのマニュスクリプト・コンテクストを論じた。この写本には 『トテナムの馬上槍試合』以外に、『中世英国ロマンス集』第三集所収の『エ ドワード王と羊飼い』、そして本作品の続編である『トテナムの披露宴』(The Feast of Tottenham)が収められている。前者は善良だが無学な羊飼いが国王 の知己を得て、宮廷で滑稽ぶりを見せる作品であり、後者は例の新婚の二人を 祝う珍妙な祝宴が描かれる。この写本の製作者や所有者にはこのような作風を 好む人達がいたのであろうか。また、こういった写本の所有者には新興の都市 中産階級層が多かったとも考えられている。とすれば、先程のSandsの説も説 得力が増すと言えるかもしれない。解釈はともあれ、本第四集のどのロマンス とも一味も二味も違う、ユーモア溢れるこの小品をお楽しみいただきたい。
THE TOURNAMENT OF TOTTENHAM
Of all es kene conquerours to carpe it were kynde: Of fele fe tyngfolk ferly we fynde;
The Turnament of Totenham haue we in mynde: It were harme sych hardynes were holden byhynde,
In story as we rede 5
Of Hawkyn, of Herry, Of Tomkyn, of Terry, Of em at were dughty And stalworth in dede.
It befel in Totenham, on a dere day, 10
er was mad a schurtyng be e hyway. eder com al e men of e contray Of Hyssyltoun, of Hygate, and of Hakenay,
And all e swete swynke[rs].
er hopped Hawkyn, 15
er davnsed Dawkyn, er trumped Tomkyn;
And all were trewe drynkers, Tyl e day was gon, and euynsong past,
at ay schuld rekyn er scot and er contes cast;20 Perkyn e potter in to e press past,
And sayd, “Rondol e refe, a do ter ou hast, Tyb, e dere:
erfor wyt wold i
Whych of all ys bachelery 25
トテナムの馬上槍試合
世の全ての勇敢な征服者たちの話をしたくなるのは人情の常、 多くの戦う者たちの見事な業が見られるのです。 私達は今、トテナムの馬上槍試合の事に思いを致します。 物語に記されているように ホーキンや、ハリー、 5 トムキンや、テリーたちについて、 戦いぶりにおいて勇猛にして果敢であった者たちの あのような勇敢な振る舞いを語らずにおくとすれば、 それはけしからぬことでありましょう。 トッテナムで、ある祭りの日に、 10 街道のそばで余興が催されました。 近郷の人々が皆そこに集まって来ましたー イズリントンやハイゲイトやハックニーからも。 そして気のいい働き手たちも皆集まりました。 ホーキンは飛び跳ね、 15 ドーキンは踊り、 トムキンはラッパを吹き、 そして皆よく飲みました。 やがて日が暮れ、晩課の時刻を過ぎて、 彼らは代金を計算し、勘定を済まさねばならぬ時がきました。 20 陶工のパーキンが、その集まりの中に割って入って言いました。 「代官のランドルフさん、あなたには ティブという可愛い娘さんがいますね。 だから私は、ここにいる全ての若者の中で、 一体誰が娘さんを妻に娶るのに 25 最も相応 ふさわ しい人物なのかTo wed hur to hys fere.”
Vp styrt es gadelyngys with er long staues, And sayd, “Randal e refe, lo ! is lad raues!
Baldely amang us y du ter he craues, 30
And we er rycher men e[n] he, and more god haues, Of catell and corn.”
en sayd Perkyn, “To Tybbe i haue hy t at i schal be alway redy in my ry t,
If at it schuld be ys day seueny t, 35
Or ell[is] et tomorn.”
en sayd Randolfe e refe, “Euer be he waryed at about ys carpyng lenger wold be taryed! I wold not at my do ter at scho were myscaryed,
But at hur most worschyp i wold scho were maryed. 40 erfor a turnament schal begin
ys day seueny t, With a flayl for to fy t, And [he] at ys of most myght
Schall brouke hur with wynne. 45
“Whoso berys hym best in e turnament,
Hym schall be granted e gre, be e comon assent, For to wynne my do ter with dughty[nes] of dent, And Coppeld, my brodehenne, was bro t out of Kent,
And my donny kowe. 50
F[or] no spens wyl i spare, For no catell wyl i care: He schal haue my gray mare,
知りたいのです」 一同の者は長い棒を手にして一斉に立ち上がり、 言いました。「代官のランドルフさん、いいですか。 こいつは気が変なんです。私たちを差し置いて、 30 厚かましくもあなたの娘さんを欲しがっています。 我々の方が奴より金持ちで、家畜やら穀物やら財産も多いというのに」 するとパーキンが言いました。 「私はティブと結婚の約束をしているのですが、いつだって私の権利を守る 用意が有ります。たとえそれが一週間後の今日であろうとも、 35 はたまた明日であったとしても」 すると代官のランドルフが言いました。 「こんな話をこれ以上長々とする奴は呪われてしまえ。 わしは娘に不幸な結婚はして欲しくないのだ。 娘には最も誉れとなるような結婚をしてもらいたいのだ。 40 だから一週間後の今日、 殻竿を武器にして戦う 馬上試合を催すことにしよう。 そして最も強い者が喜びのうちに わが娘を自分のものにすることができることにしよう」 45 「馬上試合で最もよい働きをした者には、 その見事な腕前により、皆の同意のもとに わしの娘と、ケントから連れてきた雌鶏のコッペルドと、 それにわが褐色の牝牛とを得るという 戦勝の褒美を取らすことにしよう。 50 いかなる出費も惜しみはしないし、 どんな家畜だって構いはしない。 その者にはわしの灰色の牝馬も、 班の牝豚だってくれてやろう」
er was many bold lad er bodyes to bede; 55 an ay toke ayr leue, and homward ay ede,
And all e woke afterward ay gray ed er wede, Tyll it come to e day at ay suld do er dede.
ay armed ham in mattis:
ay set on er nollys, 60
For to kepe er pollys, Gode blake bollys,
For batryng of battis.
ay sowed am in schepeskynnes, for ay suld not brest;
Ilkon toke a blak hat insted of a crest, 65
A harow brod as a fanne aboune on er brest, And a flayle in er hande, for to fyght prest.
Furth gon ay fare! er was kyd mekyl fors
Who schuld best fend his cors; 70
He at had no gode hors, He gat hym a mare. Sych ano er gadryng haue i not sene oft!
When all e gret cumpany com rydand to e croft,
Tyb on a gray mare was set upon loft, 75
On a sek ful of sedys, for scho schuld syt soft, And led hur to e gap.
For cryeng of al e men, For er wold not Tyb en
Tyl sche had hur gode brodehen 80
Set in hur lap.
身体を張って槍試合に出ようとする勇敢な若者が多くいました。 55 やがて彼らは別れを告げ、各々家路に就きました。 そしてその後の一週間をかけて、腕前を披露すべき 試合の当日まで、彼らは武具の準備をしたのでした。 彼らは藁のむしろで身を固めました。 殻竿の打撃から 60 脳天を護るために、 しっかりした黒いお鉢のかぶとを 頭に被っておりました。 彼らは大怪我をしないように羊の皮で身を包み、 めいめい兜飾りの代わりに黒い帽子を被り、 65 胸の上方あたりに箕のような幅広の柳細工の盾を持って、 直ぐにも闘えるように、手には殻竿を携えていました。 彼らは勇んで出ていきました。 誰が最もよく身を護るかということで、 大いに力が発揮されました。 70 良馬を持たない者は、 牝馬を手に入れるのでした。 これ程までの人の集まりにはそう度々お目にかかったことはありません。 この大集団の全員が、馬に乗って試合の場所に来たとき、 ティブは心地よく乗れるようにと灰色の雌馬の背に置かれた、 75 種 た 子 ね が詰め込まれた袋の上に、高々と座らされていました。 彼女は生け垣の切れ目のところまで連れられて来ましたが、 男たちが皆歓声をあげたので、 ティブは膝の上に 自分の立派な雌鶏を乗せてもらうまで、 80 決して先に進もうとはしませんでした。 ティブはその日のために借りた華やかなベルトを着け、
And a garland on hur hed, ful of rounde bonys, And a broche on hur brest, ful of safer stonys
With e holy rode tokenyng was wrethyn for e nonys: 85 No catel was er spared!
When ioly Gyb saw hure are, He gyrd so hys gray mere
at sche lete a fauconfare
At e rereward. 90
“I wow to God,”quod Herry, “i schal not lefe behende! May i mete with Bernard, on Bayard e blynde,
Ich man kepe hym out of my wynde; For whatsoeuer at he be befor me i fynde,
I wot i schal hymgreue!” 95
“Wele sayd!” quod Hawkyn; “And i avow,” quod Dawkyn, “May i mete with Tomkyn,
His flayl hymrefe.”
“I vow to God,”quod Hud, “Tyb, sone schal ou se 100 Whych of all is bachelery grant is e gre!
I schal scomfet aymall, for e loue of i;
In what place so i come, ay schal haue dout of me, Myn armes ar so clere:
I bere a reddyl and a rake, 105
Poudred with a brenand drake, And iii cantell of a cake
In ycha cornare.”
“I vow to God,”quod Hawkyn, “yf i haue e, gowt,
鯨骨でできた細工物の花冠を被り、 胸には、その日のために沢山のサファイアで 聖なる十字架の印が細工されたブローチを着けていました。 85 そのためには財産は糸目をつけず使われました。 陽気なギブは、そこで彼女を目にし、 彼の灰色の雌馬に激しく拍車を当てたので、 この馬は、 尻から一発ぶっ放したのでした。 90 「神に誓って」とハリーは言いました。 「たとえ盲目のベイヤードに跨ったバーナードに見 まみ えようとも、 俺は決して尻込みなどはしない。誰も皆俺様の進路から離れろ。 たとえ誰であれ、俺の行く手を遮る奴は、 必ずや痛い目に遭わせてやる」 95 「よくも言ったな」とホーキンが言いました。 「では俺も誓う」とドーキンが言いました。 「もしトムキンと出会ったら、 奴から殻竿を奪ってやる」 「神に誓って」とフッドが言いました。 100 「ティブさん、君には間もなくこの全ての若者の中で、 誰が褒美を勝ち取ることになるか見てもらおう。俺は君への愛にかけて、 奴ら全てを打ち負かそう。俺がどこへ行こうと、奴らを震え上がらせてやる。 俺の武具はこんなにも光り輝いている。 俺はどの隅にも、 105 火を吹く龍と 三切れのケーキの飾りの付いた 篩 ふるい と熊手を持っている」 「神に誓って」とホーキンが言いました。 「たとえ俺が痛風持ちでも、この試合の場に群がっている連中はなど、 110
Haue i twyes or thryes redyn urgh e route,
In ycha stede er ay me se, of me ay schal haue doute When i begyn to play.
I make a vow at i ne schall,
Butyf Tybbe wyl me call, 115
Or i be thryes doun fall, Ry t onys com away.” en sayd Terry, and swore be hys crede, “Saw ou neuer ong boy for i hys body bede,
For when ay fy t fastest, and most ar in drede, 120 I schal take Tyb by e hand and hur away lede.
I am armed at e full: In myn armys i bere wele A do trogh and a pele,
A sadyll withouten a panell, 125
With a fles of woll.”
“I vow to God,”quod Dudman, “and swor be e stra, Whyls me ys left my mere, ou getis hur not swa; For scho ys wele schapen, and ly t as e ro:
er ys no capul in ys myle befor hur schal ga; 130 Sche will me no t begyle.
She wyl me bere, i dar wele say, On a lang somerys day,
Fro Hyssyltoun to Hakenay,
No t o er half myle!” 135
“I vow to God,” quod Perkyn, “ ou spekis of cold rost! I schal wyrch wyselyer, withouten any bost:
やつらの中を俺が二、三度馬で駆け抜けたあとは、 どこでこの俺を見かけようと、 俺が闘い始めるや、かならず震え上がらせてくれる。 誓って言うが、 ティブが俺に止めてと言わない限り、 115 三度馬から落とされるまでは 一度たりとも退いたりはしない」 するとテリーは自分の唱える信経にかけて誓って言いました。 「お前はこれ程までに向こう見ずに身体を張る若者を見たことはないだろう。 奴らがこの上なく激しく闘い、大抵怖気づいたころには、 120 俺はティブの手を取り、必ず連れ去ってやるぞ。 私は完璧に武装している。 私の紋章には、パン粉をこねる鉢と パン焼き用の木べらを付けているし、 鞍敷きはないが、 125 羊毛のついた鞍が立派に付けてある。 「神に誓って」とダッドマンが言いました。 「そして藁にかけて誓うが、俺の雌馬が奪い取られない限り、 お前は彼女をそんな風には手に入れられない。俺の馬は姿形よく、 ノロジカのように軽やかだから、この辺りにはこれに優る馬は一頭だにいない。 130 この馬は絶対に俺を失望させない。 まず間違いないところだが、この馬は長い夏の日に、 イズリントンからハックニーまでの道程を この俺を乗せて行ってくれるだろう。 それ以上は半マイルでもだめだがな」 135 「神に誓って」とパーキンが言いました。 「お前はなんとつまらぬことを言うのだ。俺は何の大口もたたかずに もっとうまくやって見せよう。俺はこの軍勢の中にいる最良の馬五頭を手に入れ、
I wot i schal aym wynne, and bryng aym to my cost;
And here i graunt am Tybbe. 140
Wele, boyes, here ys he at wyl fy t and not fle, For i am in my iolytáe,
With io forth, Gybbe!”
When ay had er vowes [made], furth [g]an ey hye, 145 With flayles and hornes and trumpes mad of tre.
er were all e bachelerys of at contráe: ay were dy t i[n] aray as amselfe w c ld be.
ayr baners were áful bry t,
Of an old roten fell; 150
e cheuerone, of a plowmell And e schadow of a bell,
Poudred with monely t.
I wot it ys no chyldergame whan ay togedyr met!
When icha freke in a feld on hys felay be[t], 155 And layd o[n] styfly; for no yng wold ay let!
And faght ferly fast, tyll er horses swet, And fewe wordys spoken. er were flayles al toslatred,
er were scheldys al toclatred, 160
Bollys and dysches al toschatred, And many hedys brokyn.
er was clynkyng of cartsadellys and clattiryng of cannes; Of fele frekis in e feld, brokyn were er fannes;
Of sum were e hedys brokyn, of sum e braynpanes; 165 And yll ware i[t] be sum or ay went ens,
俺の陣営に連れて来よう。 そしてここでそれらをティブに献上しよう。 140 さあ、みんな、この俺様は闘志満々、 逃げる気など全くない人間だよ。 俺はまさに意気軒昂なのだから。 さあ、ギブ、かかってこい」 各々誓いを立て終ると、彼らは殻竿や角笛や 145 木製のラッパを携えて急いで進み出ました。 近郷の若者たちは全員出てきており、 それぞれが思いのままに武装していました。 古いぼろ皮で作られてはいましたが、 彼らの旗は色鮮やかでした。 150 山形模様ついた旗印は 月の光に照らされた 鋤槌と影絵の鐘が描かれていました。 彼らが相見えるや、もはや子供の戯れ事ではありませんでした。 戦いの場に集まった剛の者たちは互いに打ち合い、 155 激しく攻めかかりました。そして決して止めようとしませんでした。 そして馬が汗を吹き出すまで大層激しく闘い、 殆ど口をききませんでした。 殻竿はことごとくばらばらに裂かれ、 盾はすっかり打ち壊され、 160 鉢や皿は粉々に打ち砕かれ、 頭がたくさん割られました。 駄馬の鞍がちりんちりんと鳴り、鉄の壷ががらんがらんと鳴りました。 戦いの場にいた多くの猛者たちの柳細工の盾が壊されました。 ある者は頭を割られ、またある者は脳天を割られました。 165 そして殻竿の端で打ちつけられて、
With swyppyng of swepyllys. e boyes were so wery forfught at ay my t not fy t mare oloft,
But creped en about in e [c]roft 170
As ey were croked crepyls. Perkyn was so wery at he began to loute; “Help, Hud! i am ded in ys ylkrowte! A hors for xl pens, a gode and a stoute,
at i may ly tly come of my noye out! 175
For no cost wyl i spare.” He styrt up as a snayle And hent a capul be e tayle, And ra t Dawkyn hys flayle,
And wan er a mare. 180
Perk yn wan v and Hud wan twa;
Glad and bly e ay ware at ay had don sa: ay wold haue am to Tyb and present hur with a. e capull were so wery at ay my t not ga,
But styl gon ay stand. 185
“Allas!” quod Hudde, “my joye i lese! Me had leuer en a ston of chese
at dere Tyb had al ese, And wyst it were my sand.”
Perkyn turnyd hym about in at ych thrange; 190 Among es wery boyes he wrest and he wrang:
He threw am doun to e erth, and rast aim amang, When he saw Tyrry away with Tyb fang,
その場を去らなければ、気分が悪くなる者もいたことでしょう。 若者たちは戦いに疲れ切っていたので、 馬に跨がって闘うことができず、 足のたたない人のように、 170 その時、戦いの場を這いずりまわりました。 パーキンは疲れ切ってくずおれそうになり、 「フッド、助けてくれ。俺はこの混戦の中で死んでしまう。 この苦しみからすばやく逃げ出すために、 四十ペンス出してもいい、頑丈でよい馬が欲しい。 175 決して金に糸目はつけたりしないから」 彼は蝸牛のようにさっと立ち上がるや、 馬の尻尾を掴むと、 ドーキンから殻竿を奪い取って、 その場で牝馬を一頭手に入れたのでした。 180 パーキンは五頭、フッドは二頭の馬を手に入れました。 彼らはかくやりおおせたことを大層喜びました。 彼らはそれらの馬をティブの所に連れて行き、献上しようとしました。 馬は大層疲れていて進むことができず、 ただじっと立ちつくすのみでした。 185 「ああ悲しい」フッドは言いました。「俺の喜びは失せてしまうのか。 愛しいティブがこれらの馬全てを手にし、 それが俺からの贈り物だと知ってもらう方が、 チーズを一ストーンもらうよりは嬉しいのに」 パーキンは向きなおって人だかりの中に入って行き、 190 疲れ切った若者たちと組んずほぐれつの格闘をしました。 彼は若者たちを地面に叩きつけ、殻竿で突きました。 そのとき彼はテリーがティブを連れ去ろうとするのを見つけると、 彼を走って追い掛けました。
Of hys hors he hym drogh, 195 And gaf hym of hys flayl inogh.
“We, tehe!”quod Tyb, and lugh, “ e er a dughty man.”
us ay tugged and rugged tyl yt was nere ny t.
All e wyues of Totenham come to se at sy t, 200 With wyspes and kexis and ryschys er ly t,
To fech hom er husbandes, at were am trouthply t; And sum bro t gret harwes,
er husbandes hom for to fech;
Sum on dores and sum on hech, 205
Sum on hyrdyllys and sum on crech, And sum on welebaraws.
ay gaderyd Perkyn about, euerych syde,
And graunt hym er [ e gre]; e more was hys p[r]ide.
Tyb and he, with gret merthe homward con ay ryde, 210 And were al ny t togedyr, tyl e morntyde;
And ay in fere assent: So wele hys nedys he has sped
at dere Tyb he has wed;
e pryse folk at hur led 215
Were of e turnament. To at ylk fest com many, for e nones:
Some come hyphalt, and sum tryppand on e stonys; Sum a staf in hys hand, and sum two at onys:
Of sum were e hedys tobroken, and sum e schulderbonys: 220 With sorow com ay edyr!
彼はテリーを馬から引きずりおろし、 195 いやという程殻竿を見舞いました。 「わーい、ほほほ」とティブは笑いながら言いました。 「あなたって勇敢な人ね」 こうして彼らは暗くなるまで取っ組み合いを続けました。 藁や亜麻や藺 い 草 ぐさ の縄に火を灯して、 200 トテナムの全ての女房たちがその光景を見に来ました。 彼女たちは自分と夫婦の契りを交わしている亭主たちを連れて帰るために やって来たのでした。女房たちの中には亭主たちを連れて帰るために、 大きな荷ぞりを持って来ているものもいました。 ある者は戸板に乗せられ、ある者は木戸に乗せられ、 205 ある者は編み細工の荷ぞりに、またある者は格子戸に乗せられ、 ある者は手押し車に乗せられて連れ帰られました。 彼らは四方八方からパーキンを囲み、 その場で彼に賞品を与えたので、彼の名誉はいや増したのです。 ティブと彼は大層喜んで馬に乗って家路につきました。 210 そして一夜を共に過ごし、朝を迎えました。 二人は意気投合したのでした。 彼は自分の望みを十分にかなえ、 愛するティブと結婚しました。 彼女を先導するお歴々は 215 あの馬上試合に出場した面々でした。 結婚の祝宴には、実際、多くの人々がやって来ました。 足をひきずっている者、石につまずく者、 片手で杖をついたり、両手で杖をついている者もいました。 また頭を割られた者や肩の骨を折られた者もいました。 220 彼らは惨めな思いでそこへやってきました。 ホーキンも哀れ、ハリーも哀れ、
Wo was Tomkyn, wo was Terry; And so was al e bachelary,
When ay met togedyr. 225
At at fest ay were seruyd with a ryche aray: Euery v and v had a cokenay;
And so ay sat in iolytáe al e lang day,
And at e last ay went to bed, with ful gret deray.
Mekyl myrth was em amang: 230
In euery corner of e hous Was melody delycyous, For to here precyus,
Of vi menys sang.
トムキンも哀れ、テリーも哀れ、 彼らが一堂に会したとき、 若者たちは全てそうだったのです。 225 祝宴の席で若者たちは、大層手厚くもてなされました。 五人に一人の料理人が割り当てられ、 彼らは終日楽しく過ごしました。 そしてついに大騒ぎのうちに床につきました。 彼らは大いに楽しみました。 230 その家の隅々まで 楽しい音楽が流れました。 六人の声が調和して 聞くも妙なるものでありました。 おわり