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三島由紀夫『仮面の告白』論(二〇〇四年度卒業論文要旨集)

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Academic year: 2021

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(1)Title. 三島由紀夫『仮面の告白』論(二〇〇四年度卒業論文要旨集). Author(s). 和田, 美香. Citation. 札幌国語研究, 10: 99-99. Issue Date. 2005. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/2720. Rights. 本文ファイルはNIIから提供されたものである。. Hokkaido University of Education.

(2) 三島由紀夫﹃仮面の告白﹄論. 近代史学研究室一一六三. 和田. 美香. ﹃仮面の告白﹄は従来の研究において、主人公﹁私﹂の性倒 錯を中心に論じられてきた。本研究は、その中でも、﹁作品と. ︵第三章︶を読み解くことによって、作品の新た. しての無力と衰弱を示している﹂と酷評され、﹁私﹂の性的志 向が宿命的であるこ てこなかった. なテーマを見出すことをねらいとしたものである。 への感動を﹁愛﹂. へと転. 作品を読み進める上で、﹁私﹂が惹かれる﹁美﹂に注目した。 ﹁私﹂は園子の純粋で神聖な﹁美﹂. させる。その﹁愛﹂は、﹁美﹂を媒体とした﹁観念﹂の﹁愛﹂ であった。人間の日常的な営みを恐れる﹁私﹂は、園子との関 係に行為や進展を必要とせず、ただその﹁美﹂を眺めることだ けを求めた。二人の破局は、﹁私﹂ の性的志向がその原因なの ではない。さらに﹁私﹂の男性への﹁愛﹂も同様に、その﹁美﹂ を眺めることのみを求めたものであったことが読み取れた。 つまり﹃仮面の告白﹄とは、﹁視線の物語﹂なのである。﹁私 は、それらの﹁美﹂に触れることも、﹁美﹂と現実的な関係を 築いていくこともできなかった。そこに措かれているのは、﹁宿 命的な同性愛者﹂の姿でもなく、﹁臥性愛者の擬似的恋愛﹂で もない。自らの視線の中でしか他者との関係を持ち得ない一人 の人間の姿なのである。.

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