ファミリーコンピュータゲームによる交感神経系覚醒 : ストレス反応性要因及びβ-adrenergic 活動の解析
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(2) . フ ァ ミ リ ー コ ン ピ ュ ー タ ゲー ム によ る 交 感 神 経 系. 覚醒. -- ス ト レ ス 反 応 性 要 因 及 び β‐adrenergic 活 動 の 解 析. 田 中 豪 一* , 新 岡. 一1 正+ , 山 越 憲. *北海道教育大学札幌分校養護教育学科 +北海道大学大学院環境科学研究科環境医学講座 !北海道大学応用電気研究所. Abstract. i “ l i softhe cardiovascular t : Analys tFami l Ef fect sof{ y Computer Games on au onom c arousa ivi ty cact iv i ty and β‐adrenergi , react K i hiYAMAKOSHI! hiNnoKA十 Gohi ,and eル c chi TANAKA* , Tadas i ivers ty of Cl l , Hokkaoido Un l th * De a tment of SchooI Hea , Sapporo o ege r. p o02 ion Educat , ,Japan , Sapporo S h l f EnvironmentaI i 十 Department o cine ed f EnvironmentaI N【 , Graduate c oo o. i t,Sapporo060 kk id U i , Sci ,japan ence , Ho a o nvers y i ty kkaido Univers H i i ty i o c r ect ,sapporo ! The Researchlns i edE1 t tuteof Appl , o60 . ,Japan. tFami l fects oft y Computer i ovascular ef ion examined the card igat t The.presentinves l i to cblood pressure,and i tol cbl oodpressure i toredthesys imentl mon ,dias Game (FG) ,Exper i i t ons(CT), The ing FG and under control cond lay ject sp heart rate of6 undergraduate sub ivi tytothestandard mentalstresstests, iovascul arreact l tedforcard ious ytes jectswereprev sub i task‐ The d i t es ord interference t ‐Wr in t roop Co1or ,and m rror raw ng ida‐Krepe1 est i e ,St ・ ・ , ’Ut ivi ty underthe lat ionshipsbetweenthereact imatedbythere t logi calstress ofFG wases psycho iger heart ly h f i ign i cant ion ject sshoweds t ionand underthe FG condi i t ,Sub lstresscond menta lt ionbetweenthechangescoresunder ii ion t ,There wasapostvecorrea eunder ・the FG condi rat iment ion(FG‐CT) t ,ln Exper ferencescoresunderthe FG condi i f ‐Wordtest andthed the Color b t d j t c s played l i tored whi e16undergra uaesu e imeinterval i sandheartrate were mon 2 tol ct sys , i f igni 鴫 cant ivi ty wass i cact t c βadrenergi i ionper odasa measureofsympathe FG,Thepre ject e ‐ i i t i t a s w adrenergcac v y tthatanexaggerated β‐ ingssugges ind ing FG.Thesef ly decreased dur ion i t . evoked underthe FG cond. 241.
(3) . 田 中 豪 一* ,新岡. 1. 正+ , 山 越 憲 一!. 序. 論. ファミリー コンピュ ータ ゲーム の生体影響 について 従来 の衛生学的 研究 は, 視覚系と疲労感 へ ,. の 影 響 に 注 目 し て き た(坂 田 ら 1986; 宮 尾 ら 1986; 瀬 戸 ら 19 , , , しか し, フ ァ ミ リ ー コ ン ピ ュ ー , 86). タ ゲームの健康 への影響は より広 い視 野に立 て検討され なければ , っ ならない, 敵の攻撃か らの回 避行動, 敵 を打ち落 した り宝物を探 して得点 を得 る行動など 行動 要因が豊富 に含まれているゲー , ムソフトは, 精神ストレスとしての意義があ り 代謝要求以上 の循環器 系の過剰 反応を誘発するこ , とが考え られる,. 精神ストレスとしての葛藤・攻撃・競争・欲求不満などの諸要因の心 ・血管反応 への影響を個 別的実 験的 に実証 し, 病因論と の関連にお いて考察していく方策がある . ストレス事態 に誘発され, 交感 神経 に媒介される心・血管反応の覚醒機序 には主に2種類があ り i r ad ene r c 活動 で , その第1は β‐ g あり,これは心 筋の収縮力と心拍 出量を増加させる(obi 198) これ t 1 rs に対し 2 d て は 第 α‐a renergic , , ,. 活動であ り,こ れ は 末 梢 血 管 収 縮 を も た らす(Manuck&Schaefr 1978 M e ,. i i t ; anuck & Pro et , ,1982). このうち前者が, 精神ス トレスによる心 ・血管反応と疾病発展を結ぶ 重要な機序と考えられる. す なわち, 第1に, いわゆる能動的対 処を要 求される行動場面 では, β‐ i adr ene rg c 活動の増加が優 勢 に認められる(obr i l 1 teta 9 8 ) s 7 また 実験室 で標準的 に用いら . , れる認知 ・精神運動作業はある , , 程度非特異的に β‐ i adr ene rg c 活動の増加を誘 導すると考えられる (McKi nneyetalり1985), 第 2 に, 虚血性 心疾患 の行動的 なリスク ファクターである A 型行動パ ターン に関する精神生理学的研究 において, A 型者 のストレス反応の特徴が SBP に最も明瞭 に現われると の報告が多く, その生理 ストレスに対する心臓血管反応・疾病の動的構造 環. 境. 物理化学生物的 精神的ストレス. 葛藤・競争. 攻撃・欲 求不満. 社会文化的背景. 個. 人. 反応性 遺伝・学習因子 人. 格. /\. 行. 動. A型行動パターン. 対処行動 生活習慣. 《相互作用的ストレス状況》. 反応・疾病 正常範囲の機能変動 →疾病 高 血 圧 高 脂 血. 虚血性心疾患 図1 242. 心・血管疾 患リスク フ ァ クタ ー にお ける動的 構造の概 念モデ ル.
(4) . ファミリーコンピューターゲームによる交感神経系覚醒. ), l i te ta i gh , rg c活動が推定されてきた (Wr ,1985 ene adr 学的な機序として A 型者の過剰な β‐ iveGroupStudy(Rosenman laborat t e rnCol s 本態性高血圧症・虚血性心疾患に関し,欧米では,We. ive 代 表 さ れ る 大 規 模 で prospect tStudy(Haynesetal )や Framingham Hear l , ,1980) に eta , ,1975. 的知見か な疫学調 査が, 心・血管疾患のリスクファクターを明らかにしてきた. 図には, 行動疫学 と環 人間の生活 ) らみた心・血管疾患のリスクファクタ ーとその動的構造を仮説的に示 した (図1 . 捉え, この中で, 境の中で, 種々のリスクファクター がどのような関係構 造をとって現われるのかを がある, そのため 個人の生活・行動の様態と精神ス トレスか ら発病に至る機序を明 らかにする必要 然に発生する刺激の には, ストレス要因の厳密な統制 による方策に加えて, より日常 生活場面で自 要がある, 影響や, 日常生活場面の心・血管反応の水準や動謡の 度合を直接扱う方策も併用される必 おいて レス事態に , 高校生 )は, 公衆の前でス ピーチするという自然発生的なスト 1 9 86 Mat thews( した, 本研究では, このよ の心・血管反応を調べ, 不安の高い者 がSBP と HR の増 加を示すと報告, ータゲー ムを取り うな観点 から, 日常生活場 面の自然発生的なストレスと してファミリーコ ンピュ ・ミリーコ ン ピュー 上 げ 個人差としてのス トレス 反応性要因及 び自律性覚醒パターンの面から,ファ , タゲームの精神ストレスと しての意義を検討しよう とした. 本研究の実験工では, 個人差としてのストレス 反応性要因を取りあ げた, 第1に, 実験室で標準 ミリー 的に用い られる精神作業に対する心・血管反応を測定 して個人の反応性を推定 し,第2にファ 相関 応性の個人内 上記2種類の反 コン ピュ ータ ゲームに対する心・血管反応を測定した. 第3に, ミリーコン を分析した, 即ち, 標準的ストレスに対す る心o血管系の反応性が大きい者ほど, フ ァ. ピ ー タ ゲー ,ピ ュ ー タ ゲー ム に対 す る 反 応 も 大 で あ る と 仮 説 で き る, 実 験 2 で は, フ ァ ミ リ ー コ ン ュ. i rg c 活動であるとの仮説 を立証 r ene ムによる心・血管反応を媒介する生理学的機序 が交感神経 βad i rg c 活動の指標としては, 心拍数, 頚動脈脈波の1次微 r ene ad すること を目的と した。 交感神経 β‐ 心室前駆出時 分波の振幅, 脈波伝達時間 などがあるが, 最近の研究で は, 心室の収縮性を反映する ) 9 97 l i n&Levenson , i d PEP)が最も有 望な指標として注目されてきた(New ,1 i 間(pree jectonpero ;. 本実験では, ファミリーコ ン ピュータゲー ム遂行中のPEP経事変動を中心に解析 した.. 1 1 1. 実. 験. 1. 法. 方. 1) 被. 験. 者. ・名, 計6名の健康な大学 4年生を被験者とした, 男子4名, 女子2. 2) 精 神 作 業. 実験室のス トレス作業として標準的に用い られる3種類の作業と した,. i) 暗算作業 (KP). 内田ク レペリン検査を用いた. この作業は,1桁の加算を連続的に行う もので, 課題への挑 ように 戦の要素 を含む認知・運動 作業である, 時間内にできるだけたく さんかつ正確に行う 教示した,. →w) t(C s i i) Stroop Color Wrordlnterference Te t の カ ー ド C (干 渉 カ ー ド) を 参 考 ferenceTes dl t W r C l ‐ or ner Thurs roop oor ton 改 訂 の St 243.
(5) . 田 中 豪 一* ,新岡. 正+ , 山 越 憲 一!. にして自作したも のを使用 した, 干渉カー ドは4種類の色名(あか あお きいろ みどり) , , , を平仮名 で, その色名とは一 致しない他の3色のいずれかで印字した刺激を ランダム に10 , 行1 0列に配列したものである, 作業は 色名 を無視して印字された色を口頭 で読みあげ てい , くもので, 反応の際 に色名と色調 の認知水準 での葛藤が生 じるストレス作業である 被験者 . には, できるだけ速くかつ間違 えず に読みあげるよ うに教示した , i i i ) 鏡映描写作 業 (MD) 星型図形 の周囲線上を, その鏡映像を見ながら鉛筆でなぞ ていく精神運 動作業であ っ る, できるだけ速くかつ線上か ら逸脱せ ずに行うよう に教示した ,. i v) フ ァ ミ リ ー コ ン ピ ュ ータ ゲ ー ム 作 業 (FG) 家 庭 用 カ セ ッ ト 式 ビ デ オ ゲ ー ム(任 天 堂 フ ァ ミ リ ー コ ン ピ. ュ ー タ HVC O O I)を用 いた. ゲー ム ソ フ ト は最 も 普 及 し て い る ス ー パ ー マ リ オ ブ ラ ザ ー ズ であ る こ の ゲ ー ム は, テ レ ビ .. 画面に次々 と現われる敵 (キャ ラクター) の攻撃を避けながら 弾丸を発射してこれ を破壊 , し隠されたコインを探して得点 を稼いでいくというゲームである 被験者は 両手でボ タン . , を操作して行っ た, できるだけ高得点を稼 ぐように教示 した , v) 統制条件 (CT) FG 作業を統制条件として 被験者 に各自の好みの本を持参させ FG 作業の代りに読書 , を , 行わせた, 3) 心臓血管反応の計測 心・血管反応のパ ラメーターとして血圧 を採用 し その測定は容積 補償法を測定 原理とした非 , 観血的連絡血 圧測定法 (Yamakosh iet a l 1 ) によ った, 本法は従来 の空気力 フ圧迫法によ り 979 る動脈閉塞を利用 した計測法 とは異なり 手指を計測部位として一心拍毎の動脈血圧の連続測 定 , を可能 にした全く新しい方法 である 直接法 との相関 により 本法 の優れた血圧測定精度が実 , 証 , され, また生理心理学領域 への本法の適用も期待されている (S awadaetalり1983). 本 法 によ る 容積補償型血圧計 (ウェダ製 作所 USM‐ 801 S) を用い, 連続血圧 をペン書 きレコーダー (グラフ ‐. テ ッ ク WR3701) に 記 録 した,. 4) 手. 続. き. 精神作業 のセ ッ ショ ンでは 被験者 を防音室の椅子にすわ らせ 血圧測定装 置のセン , サー (指 , 尖容積脈波) を左手第3指基部 に装着 した後 約1分間の安静時記録 を行い 被験者 に血圧測定 , , 状態を会得させた, その後血圧測定 を中断後 精神作業 の教示を与え KP CW MD , , , , , の順に 各30秒ずつ練習をさせた. 続いて 安静3分 作業3 分の手順を引続き3回繰 り返した , , . 血圧測 定 は安静の後半1 分間と作業中3分間実施し 安静の前半2分間は測定中断し た. 作業 の順序 は , KP‐CW‐MD とし, 実験実施 時間は午前1 0時から午後 3時までの中で 約30分間であ った , . 精神作業セ ッションの1週間後に FG 作業のセ ッションを行 た 被験者はこのゲームに未経験 っ , であっ たため,精神作業セ ッ ションと FG 作業セ ッションの間の1週間の中 で1日1 時間計4時間. の練習を行わせ, ゲーム方法 に習熟させ た FG 作業の手続 きは以下の如くである 血圧測定は , 安 , 静状態下 で3分間測定 を行っ た(PRE ブロック) 続く ゲーム作業 では 3 0 分連続作業 と休憩3 , 分 , の手順を4 回繰り返し, 血圧 の測定は全 て休憩時間 に行 た(BL14 ブ ロ ッ ク) CT 条 件 は F っ ‐ . , G セ ッションの1週間後に 前記した同一の手続 きで行 た , っ .. 244.
(6) . ファミリーコンピューターゲームによる交感神経系覚醒. 5) データ解析法 一拍毎 の収縮 期血 血圧曲 線は記録上4mmHg/mm で描記させ,2mmHg 以下の読みとり精度で 最も血 1分間の中で 圧 (SBP) および拡張期 血圧 (DBP) を直読した. 各精神作業の直前の安静 業時では作業中3分 圧動謡 が小さく安定している30秒間の平均値を安静値と した, 一方, 精神作 ける血圧曲線 (圧脈 ブ 間の平均値を算出 して作業 値とした. また, 心拍数 (HR) は各 ロック にお して, 作業値から安 波) から求めた. さらに, 精神作業 による相対的な反応変化の程 度の指標と 静値を減 じた差スコア を作業 毎に得た.. 毎 に, SBP, DBP 及 び HR の 平 FG お よ び CT 条 件 につ い て は, 各 ブ ロ ッ ク (PRE,BLI-4). 得た, 均値を求めた後, FG 条件の各値からCT 条件の各値を減じて それぞれの差スコアを 2. 結. 果. 1) 精神作業に対する心・血管反応 び , の差スコアの平均値と標準誤差を図に示す (図2) 精神作業にお けるSBP ,DBP 及 HR i) 収縮期血圧 ( SBP). すべての作業の差スコアにおいて, 有意な反応変化は認め られなかっ た, i i) 拡張期血圧 (DBP) . \KP およ び MD 作業の差スコア では有意 な反応変化 は認められなかっ た が, CW で有意な. ). 05 f=5 d 6 7 t=3 p<0 反応変化 が認められた ( , , , , i i) 心拍数 (HR) i ) 1 0 d f=5 3 0 t=2 p<0 , , , , MD 作業の差スコアでは有意 な反応変化 は認められなかったが,KIW( ) で有意な反応変化 が認められた, 05 f=5 d 15 と CW ( t=3 p<0 , . , ,. HR. DBP. SBP. 5 *Pく ,0 O ( * )Pく .-. 5 *P く 二 .0. E O ロ . が ェ EE に ー の 切 に閏 上U. KP. CW TASKS. 図2. MD. CW , TASKS. KP. 紬D. KP. CW TASKS. 精神ストレス 作業 による心・血管反 応変化. 245.
(7) . 田 中 豪 -* ,新岡. 正+ , 山 越 憲 一!. 2) フ ァ ミ リ ー コ ン ピ ュ ー タ ゲ ー ム に 対 す る 心 ・ 血 管 反 応. FG 条件と CT 条件間の差スコアの各値の平均値と標準誤差を 反応別ブロ ック別に図に示す(図 ,. 3) ,. i) 収縮期血 圧 (SBP) すべての ブロ ックの差スコア について 有意な反応変化は認められな か た , っ . i i) 拡張期血圧 (DBP) すべての ブロ ックの差スコア について 有意な反応変化は認められ なか た , っ . i i i ) 心拍数 (HR) PRE お よ び BLI ブロックの差スコア について 有意な反応変化は 認められなかったが、BL2 ,. ( t=7 07 01) と BL3( 84 t=9 p<0 01) お よ び BL4( , ,df=5 . , 40 t=2 p<0 , 10) , ,df=5 , . ,df=5 , ,P<0. で有意な反応変化が認められた. SBP. lo. DBP. , 0 切 工 E E. 【 こ o 80 ;. { こ o 0 =壱. 仁 8. 仁o u. Gー. 51 の仏. ① U に きの 冊 こ 宮. ) の u [ ① 冊 」 選 ー Q. PRE BL I BL2 B L 3 BL4. { こ o 一 = T - - ) に に ノ o u ー “ U ‐O ] } ① u [ ① 」 o L に = u 0. t l・ 1 」 - PRE BL I BL2B L 3BL 4. BLOC K. 図3 表1. - - 」 Q n. PRE 8LI BL2 B L 3BL4. BLOC K. . 1 0. デ EE. 岸}. H R. BLOC K. FG 条件と CT 条件 の差スコアの時間的変 動 * (” p 〈0 01 ) 1 , . , p 〈0. 精神作業と フ ァ ミリー コン ピュ ータ ゲーム条件間の相関関係 反応 指標 :SBP 差 ス コア. 実験 ブロ ック PRE BLI BL2 BL3 BL4. KP -, 36 - -. 19 21 , 13 . ‐「05. 精神作業. :DBP 差ス コア. CVV. FG. KP. -. 24 27 , 61 . 73 . 68 ・. - -. 72 - -. 69 -. 31 -, 28 一 -. 40. -. 02 -. 05 - -. 32 13 . - -. 38. 精神作業 CW. 08 . 56 . 30 . * .74 44 .. :HR 差ス コア FG. KP. - -. 16 -. 19 -. 15 25 . 15 .. -, 28 -. 44 74* . 00 , 2 .2. 精神作業 CW. FG. 29 , 11 . 21 . -. 05 -. 68. - -. 74* -. 76* 32 . 47 . 36 .. * p<010 ,. 246.
(8) . ファミリーコンピューターゲームによる交感神経系覚醒. 3) 精神作業とファ ミリーコン ピュータゲームの相関分析 差スコ 精神作業 における 反応変 化量(差スコア)と, CT 条件に対 する FG 条件の相対的変化(. ア) の間の相関関係を検討 した (表1) , ) が認められた( 74 r=, KP作業と FG における差スコア の相関は,BL2の HR の相関に有意傾向. 他は, 全体に低い相関係数であった. が認められた( r=. CW 作業と FG における差スコアの相関は, BL3の DBP の相関に有意傾向 およ びDBP において, 後半 ブロ ックで正の相関 が見られた, ) 74 , また, 有意ではないがSBP 傾向が認めら MD 作業と FG にお ける差スコア の相関 は,BL1と BL2の HR の負の相関に有意 示した 76) 他は, 全体に低い相関関係を 74 . れた (各々r=-. ,一, 1 実 1 1 1. 2. 法. 方. 1) 被. 験. 験. 者. ミーマリオ ブラザーズ」 で遊んだ経験 が全く ないか, 経験はあっ ても熟練 9~22歳) を被験者 とした, 1 していない 女子大学 生16名 ( ゲ ー ム ソ フ ト 「ス ー. 2) 心室収縮期時間の計測 -駆出終了時を同定するための, 耳柴容積脈波 大動脈への動脈血駆 出開始時及び大動脈弁閉鎖- てよい一致 を示す(Lance の一次微分波の利用 は, 従来の頚動脈波の一次微分波による方法と極め 期に関する指標, すなわち電気的機械的全収 ) 977 i &Spod ck , 従って本実験で は, 心臓の収縮 ,1 f l tventricular )及び左心室駆出時間( e I ) I l t l o e 縮 期(e cals romechani ;QS ect ys , 前駆出時間(PEP 柴容積脈波の一次微分 i i t , 心音園 (PCG) 及び耳 r od j onpe e c ;LVET) の計測は,心電図 (ECG) e 波 (dp/dT) の同 時測定によ って行っ た. 2)により標 準第 ECG 電極は右第 一肋間と左右の第5肋間に装着 し, 心電計(日本 電気三栄2E3 幅器(日本 心音増 2誘導で測定した, PCG 測定では, 右第2肋間に心音マイクロホンを装着し, で増 ) を用いた. 光電式の耳柴容積 脈波は生体電気増幅器 (日本電気三栄1253A) 256 電気三栄1 びE の G C 0003秒に設定した同増幅器を通して,dP/dT を得た, これら反応波形及 幅後, 時定数0, )すると同 時に, サン プリングタイム1ミ リ秒で A/ R 波検出パ ルス を紙記録(日本電気三栄8K21 . D 変 換 し FD に 記 録 した (リ ンク シ ス テ ム LS6010). PCG 及 びdp/dT の 実験終了後, 後述する手続きの実験 ブロック 別に, FD に記録した ECG, 801E) を用 の R 波 検 出 パ ルス で 同 期 さ せ パ ー ソ ナ ル コ ン ピ ュ ー タ (NECPC9. そ れ ぞ れ を ECG. ,. 上で. 形の , 2心拍分の ensembleaveraging を 行 っ た,こ う して 得 ら れた 加 算 平 均 波 いて,連続する3 ピー ク 小 の 最 点 か ら ゼ ロ ス ロ ク T / の p d I I ) d S 間( , ECG の Q 波からPCG の第2心音までの時 Q ら LVET を 減 じて PEP を 得 ま で の 時 間 (LVET) を パ ソ コ ン の カ ー ソ ル で 読 み と っ た, QS2 か. 2心拍 に要した時間 を計測して求め た, た, 最後に心拍 数 (HR) は対応する3 3) 手. 続. き. 練習を行 実験実施前に,ゲームの方法について最小限の説明を与えた後,1日1時間計4時間の わせゲーム方法 を習熟させた, 実験手続は以下のとおり である. ・ 247.
(9) . 田 中 豪 一* ,新岡. 正+ , 山 越 憲 一!. 被験者を防音室 の椅子にすわ らせ電極類を装着した後 できるだけく つろぐよう に教示して , , 5分間の安静 をとらせた, 安静時の終了直 前の32心拍分の区間を PRE ブ ロ ッ ク と し た 続 い て, , ゲーム を連続して1時間行わせた, 1時間を15分ずつに分け ゲーム 開始から1 5~60分目のそれ , ぞれ直前 の32心拍 分の区間を BL1 ‐BL4とした, 最後に10分間安静 にさせ,10分目の直前32心拍分 の区間を POST ブ ロ ッ ク と し た, 2. 結. 果. 各実験 ブロ ックの PRE ブロックに対する差スコアを求め その平均と標準誤差を表 に示す(表2) , , 表2. PRE ブロ ックの安 静値ベー スラインに対す る各心・血管指標 の差スコア平 均 値およ び標 準誤差 (N=16) nαeasures. Exp ock .B1 BLI BL2 BL3 BL4 POST. QSII -3 1 (5 6) . . -2 8 ( 5 7) . . -9 5 ( 6 1 . ,). -2 3(4 8) , . -3 9( 4 3 , ,). LVET. PEP. 十0 2( 3 8) . . 十2 8 ( 4 4 . .) 十4 5 (4 0) , .. 十 十. HR. -1 8 (5 3) , , -5 3( 4 3) . . -14 0 ( 4 0 . .)**. -9 8 (5 5)! . , -7 0( 5 1 . .). 5 5(3 6 ) . . 3 0 ( 3 7 . .). **. 十1 8(2 4 ) . . 十1 9(2 8 ) . , +4 0(2 2 )! . .. 十1 9 (2 4) . . -2 0 (1 8) . .. !p<0 01 p<0 . . ,. 1) 電気的機械的全収縮期(QSI I ). 全て の実験 ブロ ックの差ス コアに関して 有意な反応変化は認 められなか た , っ .. 2) 左心室 駆出時間 (LVET) 全ての実験 ブロ ックの差スコアに関して 有意な反応変化 は認められなか た , っ ,. 3) 心室前駆出時間 (PEP) 実 験 ブ ロ ック BL3 の 差 ス コ ア に 有 意 性 が 認 め ら れ( 53 t=3 01),BL4 の 差 ス コ ア に , ,df=15 , ,p<0. 有意傾向が認 められた( t=1 76 df=15 1) p<0 . , , すなわち, 安静時 の PEP に比較して, ゲーム開 . , 始後45分目,60分目 にはPEP の減少が見 られた 他の実験 ブロ ック には有意な反応 変化は認め ら , れなかっ た.. 4) 心拍数 (HR) 実験 ブロ ック BL3の差スコアに有意傾 向が認められ ( t=1 87 d f=1 5 ) 1 p<0 . , HR の増加を示 , . ,. し て い た.. IV. 考. 察. 実験1 では, ファミリーコンピュータ ゲーム作業中の心・血管反応 の変動について 作業 1時間 , 248.
(10) . ファミリーコンピューターゲームによる交感神経系覚醒. 後から後半 ブロックで HR の有意な増加 が実証された, 一方, SBP およびDBP には有意な変化は 認められなかっ た, 以前の研究で は, ビデオテニスとハ ンドボールの ビデオゲーム中 に顕著な心・ tス ペ ー ) は t. ietal , ;1981) , ま た, Turner ら (1983 sk 血管反応が報告されてい る (Dembro , ,1978 べて, ゲー もに調 呼吸率などとと ガス産生 “ 炭酸 , スインベーダー ゲーム中の HR を, 酸素消費量, が“ス ペー 増加 ム中に認められた HR の大幅 な増加に関 して, その個人差のパターンからみて, HR これらと一致し スインベーダー”ゲームに特異的なことを示唆した,HR 増加に関して本実験結果は 測される. ており, 種々の ゲー ムはソフトが違っても類似 した心・血管反応を誘発すると推 )にも影響され トーヌス 緊張度( 迷走神経の 生理学的機序に関し, HR は, 交感神経だけではなく HR の増加 ており」 その変 動ま交 感申経.副交 感申経の二重支配の面から考察しなけれ ばならない,. は ゲー は副交感神経活動の減少によ っ ても起こるのである, 中断なく ゲームを行わせた実験2で , 交 ム45分目と60分目で PEP の減少 が, また,60分目に HR の増加 が認められた. 心臓活動に対する 変力作 ている . 感神経の変力作用は, 心臓の 収縮性を変 えることによ って, 心拍出量の調 節を行っ PEP を 敏な指標として が心筋収縮性の鋭 ぱ 理学研究 i 用の基礎 はβ‐ c 活動であり,もっ ら生 r energ ad l b ) rを使用 した精神 薬理的研究は, 能 977 974 ocke l 有望視してきた (Lewi seta ;1 , 加えて, β‐ , ,1 i rg c 活動の支配下にあることを立証 し ene adr 動的対処を含む行動場面 で見られる pEp の減少 が β‐ ) こ れ らの知見 を総合的 i ◆etal t l s Sherwoodeta i t ;obr L i t & obr . て きた ( s ,1987. ; . gh ,1986 ,1983. ゲームにより に見ると,本実験で認められた PEP の減少と HR の増 加が, ファミリーコ ンピュータ するものと i 誘導された β‐ rg c活動の現われであると推測され,本実験の2番目の仮説を立証 ene adr 体 考えられる, しかし, 本実験でSBP の有意な変化 が同時に認められ なかった事実は, 循環器系全 血管抵抗・ を通しての循環動態パターンの変動を示唆するものであり, 心筋収縮力・心拍出量・末梢 血圧な どの一拍毎の同時測定による, 今後のより進んだ検討によってその詳細が明らかにされると 考えられる. ピ 一方,本実験の1番目の仮説に関しては,少数例であっ たために,精神作業とファミリーコン ュー 応増加を 心・血管反 タゲームの相関関係に有意性 が認められなかっ た, しかし, 特に, 最も大きい につ い て 正 誘 発 し た CW 作 業 と フ ァ ミ リ ー コ ン ピ ュ ータ ゲ ー ム の 間 に, ゲー ム 後 半 の SBP と DBP. →W で血圧のより大きな増加を示した被験者ほ の相関関係 が得られた, すなわち, 精神ストレスの C 1 ど, ファミリーコンピュータ ゲームにおいても血圧のより大きな増加を示す傾向 が推測される. が B P 名の被験者 において, FG 条件を平均す ると CT 条件 に 比較 して, SBP が33mmHg 大, D て 2 9mmHg 大であっ たことか らも, 血圧が HR ほど一貫した結果を示さない とはいえ, 個人によっ は増加することが考えられる, ゲームをはじめとする種々の精神ストレスの影響を媒 介すると思われる 心理過程に注目す ると, 認知的 報酬への接近行動, 罰の能動 的回避, 行動的コントロール, 結果の不確実性, 課題困難度, 主に動 機 づけに 評価, 及び対処過程などからの分析が重要視 されよぅ, なぜなら ば, これらのぅち 方向づけられる行動的概 念は,情動の精神過程を明らかにしていくア プローチにおいて 重要であり, は 他方, 認知に方向づ けられる概 念は, 人間の生活と疾病発展の因果関 係を究明しよう とする際に が明らかだからである, 前者に関 して, 報酬へ (例え ば, 生活ストレスの問題) , 鍵概念と なること ) によって, 行動活性化機構 (BAS) とし 1982 の接近行動と罰の能動的回避の中枢機構は, Gray( ) は, HR が BAS の活動 水準の指標であるという 仮説を提唱 し 982 1 980 て構想された. Fowl e s( ;1 パターンを理 た. このよう な動機 づ けの中枢機構を基礎にする理論化に即して, 心・血管系の覚醒 よっ づ けの因子に 解しようとす れば, 過剰 な心・血管系覚醒を誘発する環境刺激や行動場面は, 動機 そ の ソ フ ト に含 ま れ る 誘 因 価 を て 記 述 で き る で あ ろ う(Perkins , 種 々 の ゲー ム にお い て は, ,1984). 249.
(11) . 田 中 豪 一* ,新岡. 正+ , 山 越 憲 一!. 通して心・血 管系覚醒 の程度が決定されると考えられる 換言すれば ゲームの魅力 と面白さの生 . , 物的な基礎が動機づ けの中枢機 構であり その身体的表出として心・血管系覚醒があるのかもしれ , なし・ .. )は, コントロールの失われそうな脅威の状況 に対して 1977 ÷方, 認知的概念 に関して, G1 as s( , コントロールを達成しようとする認知様式あ るいは対処行動が 過剰な心・血管反応を示す A 型者 , の行動パターン を特徴づけているとしている, また 権力志向 の強い個人は ア ドレナリン分泌が , , 大で, 免疫グロ プリン濃度が高く 権力 への強い志向が妨害き れると慢性的 な交感神経覚醒が生じ , , それが免疫 抑制的な作用 につながるという(McC 1 l l l land& Jemmot e andetal e t 1980) ;McC1 , ,1980. Lazarus 一 派 は, s t full i fee ress tの研究を批判 して ven. ,. .. , 毎日の生活パ ターンにおける対処過程を. 混乱させ る因子 (Da i l l es) y Hass , す な わ ち 認 知 過 程 と 疾 病 の 関 係 を 強 調 し て い る (KanneretaL , 19 81 ) これら最近 の研究動向が示唆 するものは, ストレスへの個人的な認知・対処要因が 日常生 , , 活上 のストレスと疾病 を媒介す るものとして重要だということ である D b k 19 ) は, 81 , em rosiら ( テ ニ ス の テ レ ビ ゲ ー ム の 実 験 か ら ゲ ー ム に よ る HR と DBP の増加が大きい大学生は 軽い病気 , に , 羅患しやすいことを報告 している. すなわち ゲームをはじめとする精 神ストレスへの心・血管系 , 覚醒の反応性が疾病発展のマーカー であることが示唆されるが 認知過程要因の意義 の多く は今後 , の検討に待たれよう.. 謝. 辞. 本研究の一部は北海道大学大学院環境科学研究科環境医学講座の施設を利用して行われたもので. あり, 同講座小島. 豊教授並 びに関係各位 に対して深謝致します また 常日頃御指導頂いている . ,. 北海道大学医学部斎藤和雄教授に感謝致します.. 引用 文 献 Dembroski T,M, MacDougal l lds i t to e , , ,M, ,J . ,Shi , ,Pet ,J , & Lushene , Components ,R. (1978) A b h oft i e c o r n o a r ‐ r tern and cardiovascularresponsesto psychomotor yp y p one e av orpat. l l lofBehavioraI Medi performance cha enge ine 176 c ,Journa ‐ . ,1 ,159 Dembroski T.M, MacDougal l S 1 S E 1 i t R S & B t a a s l l C o J l , , u e ,M. ,J . enge , ‐ , , , ,, , , Chal , . . (1981) induced cardiovascular response as a pred i f i t i lnesses c or o m nor l ,Journal of Human Stress 7 2‐5 , , ,. Fowl es i ions of Gray’s two‐factor learnlng . The three‐arousal model :1 1 ・ l cat , D.C. (1980) pl h t eory for hear t rate, electrodermal act iv ty i io logy , and psychopathy . Psychophys ,17 , 87 104 ‐ , Fowl es sher 1982) tbeat ,D,C, fec ,Fi storeward , A,E. tof , & Tranel . The hear : Theef , D,T. ( ive on heartr monetary incent iology ate 1 9 5 0 6 5 1 3 ‐ .Psychophys . , , G1ass 1977 ) l l ,D,C.( . Behavior patterns,stress,and coronary di lbaum. sease sdal e :Er . Hi , NJ Gray A ( J 1 T h h 9 2 ) 8 l e neuropsyc o ogy ofanxiety. New York:oxford Un , ,. iv P . r s e s . . Haynes S G Fe l ib l e lat ionshipofpsychosoc , .. ialfactorsto , i , M. , & Kanne , There , W.B, (1980) 250.
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