マイクロ波ビームを照射する行為と特別公務員職権濫用致傷罪の成否
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(2) 情報処理学会第 80 回全国大会. 従って,警護出動した自衛隊員は,警察の職 務を行う者と解される. 2.4 その職務を行うに当たり 警護出動した自衛官は犯人の逮捕若しくは逃 走の防止,自己若しくは他人に対する防護又は 公務執行に対する抵抗の抑止のため必要である と認める相当な理由のある場合においては,そ の事態に応じ合理的に必要と判断される限度に おいて,武器を使用することができるので(自 衛隊法 91 条の2第2項が準用する警察官職務執 行法7条),武器を使用する一般的職務権限が あると解される. ちなみに,武器を使用するときには,地理的 範囲は限定されていない(自衛隊法 91 条の 2 第 4 項). 本件事実では,この武器として上述のマイク ロ波兵器が使われていると仮定されている. 警護出動はテロ対策として認められているの だが,特定秘密保護法別表 4 号はテロ対策を秘 密に指定することを認めているので,警護出動 という名目でマイクロ波兵器からマイクロ波ビ ームを照射して精神疾患を誘発する実態を秘密 に維持していると解される. 2.5 行為 本罪における暴行は広義の暴行と解され,マ イクロ波ビームを特定の人に照射する行為は暴 行に該当すると解される. 凌辱については,マイクロ波ビームが脳内の 中枢神経を直接刺激して,わいせつ又は姦淫が されたという認識を誘発した場合に成立すると 解する.思うに凌辱に伴って被害者が経験する 屈辱は脳で認識しており,脳の認識というレベ ルでは,加害者の身体が被害者の身体に直接, 接触して,わいせつ,姦淫という行為がされて いる場合もマイクロ波ビームを被害者の脳に照 射する行為であって,加害者の身体と被害者の 身体が直接,接触することなく,被害者がわい せつ,姦淫を認識する場合も同視できる. 加虐については,マイクロ波ビームが脳内の 中枢神経を直接刺激して,精神的に苦痛を与え る行為も本罪の加虐に該当すると解される. 3. 特別公務員職権濫用致傷罪 3.1 概略 マイクロ波兵器からマイクロ波ビームを被害 者の頭部に照射することにより,マイクロ波聴 覚効果で被害者に音声を強制的に聞かせ精神疾 患を誘発する行為は刑法 196 条に定める特別公 務員職権濫用致傷罪を構成すると解される. 頭部に照射されたマイクロ波が電波安全基準 を満たしていても本罪が成立すると解される.. マイクロ波帯域における電波安全基準はマイク ロ波の熱的効果を考慮して定められているのだ が,身体と精神を区別するというデカルトに由 来する心身二元論に基づいて,身体疾患が発生 するか否かという観点のみが考慮されているの に過ぎず,精神疾患まで考慮しているものでな い.電波安全基準を満たすマイクロ波であって もマイクロ波聴覚効果は発現するし,マイクロ 波聴覚効果を応用したマイクロ波通信により被 害者の頭部に音声を送信して,精神疾患を誘発 することができる.すると,精神疾患を誘発す る以上,電波安全基準を満たしていても傷害と 評価することができる. 3.2 違法性 マイクロ波兵器は対人レーダーの一種であり, 被害者の頭部で反射した反射波を利用して,被 害者の位置を 1 日 24 時間,1週間 7 日間,自動 的に監視することができる.そこで,被害者の 将来の犯罪を予防すべく,2 段階の保安処分が秘 密裡に実施される.第1段階はマイクロ波ビー ムを照射して精神疾患を誘発し,第2段階は精 神保健福祉法に基づいて精神科医が自傷他害の おそれを判断して措置入院させたり,統合失調 症の治療という名目で向精神薬という睡眠薬を 投与して,一日中眠らせ,犯罪を防止する. 自由を制限するという人に対する保安処分は 憲法秩序に鑑みて,立法措置が見送られている のだが,マイクロ波兵器の悪用により秘密裡に 保安処分を実施するのは憲法秩序上,到底,容 認できず,違法と評価することができる. また,精神疾患に起因して被害者は学校や仕 事に行くという平穏な日常生活を過ごすことが できず,これに伴って,日常生活における様々 な権利の行使が妨害されているのだが,このよ うな妨害を甘受するいわれはない.刑法 193 条 に規定する公務員職権濫用罪との平仄に鑑み, 違法と評価することができる. 4. おわりに マイクロ波兵器からマイクロ波ビームを被害 者の頭部に照射して,精神疾患を誘発する行為 は特別公務員職権濫用致傷罪を構成すると解さ れる. 参考文献 [1] Robert G. Malech, US Patent No. 3,951,134, April 20, 1976. [2] 小池誠,信学技報,vol. 116, No. 286, MICT2016-54, pp.35-42, Nov. 2016. [3] 小池誠,情報処理学会第 79 回全国大会,pp. 4531-4-532,2017. [4] 小池誠,信学技報,vol. 117, no. 20, MICT2017-5, pp. 19-23, May, 2017.. 4-402. Copyright 2018 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..
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