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大学院学位論文の題目および概要 博士学位論文

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大学院学位論文の題目および概要

Graduation Thesis Title and Abstract

博 士 学 位 論 文

Doctor’s Thesis

修 士 学 位 論 文

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博士学位論文(甲,課程博士)の題目・概要等       (工学研究科都市デザイン工学専攻) ① 氏 名 今川 雄亮 ② 学 生 番 号 D06-101 ③ 指 導 教 授 氏 名 栗田 章光 ④ 補助担当教員氏名 ⑤ 論 文 題 目 鋼・コンクリート合成桁橋の耐火性状に関する研究 ⑥ 論 文 の 概 要  今日,桁下での車両事故,放火あるいは不審火などによって橋梁が火災を受けて損傷した事例が数多く 報告されている.例えば,わが国では, 2008 年8月,首都高速5号線北池袋 IC 付近の高架橋においてタ ンクローリーが横転・炎上し,鋼主桁に大きな座屈や面外変形が生じ,2ヵ月を要して損傷部の架け替え 工事が行われるほどの大被害を受けた.鋼橋およびコンクリート橋が被災した場合,鋼材の強度低下や変 形量およびコンクリートの強度低下やひび割れ状況などを調査することによって安全性を確認するのが一 般的である.一方,鋼・コンクリート合成桁橋(以下,合成桁橋と略記)が火災を受けた場合も,基本的 な調査項目は,前述のように鋼桁やコンクリート床版の強度低下を確認することである.これに加えて, 合成桁橋は,単一部材のみならず合成桁全体としての挙動を把握することや,合成構造で最も重要な接合 部における損傷の有無も確認することが重要である.そこで,本論文は,合成桁橋の耐火性能に着目し, 火災時および火災後のスタッドの力学特性,火災時の合成桁橋の終局曲げ耐力ならびに火災後のスタッド の疲労寿命を明らかにすることを目的としてとりまとめられたものである.  論文は,8章から構成されており,各章ごとの内容は以下のとおりである.  第1章では,本研究の背景が述べられ,本研究の目的ならびに本論文の構成が示されている.  第 2 章では,近年報告された橋梁の火災事例の一覧が示されるとともに,国内外における橋梁の代表的 な4件の火災事例について述べられている.  第3章では,高温下における鋼材およびコンクリートの力学特性に関する既往の実験研究による成果に ついてまとめ,かつ Eurocode の力学特性モデルが示されている.加熱時における SS400 材の降伏点強度 ( 0.2%耐力)は, 500℃で常温時の 50%まで低下するのに対し,加熱冷却後は, 900℃まで加熱されて冷却 された状態でも常温時とほぼ同等の降伏強度に回復すること,また,加熱時における普通コンクリートの 圧縮強度は, 500℃で常温の 60%まで低下し,加熱冷却後においても加熱時と同等な強度低下が見られる ことなどが示されている.  第4章では,火災時および火災後のスタッドの力学特性を把握するために, 300℃, 500℃および 700℃ で 90 分間加熱した状態のスタッドに対する静的押抜き試験結果と加熱冷却後のスタッドに対する静的お よび繰返し押抜きせん断試験結果が示されている.まず,加熱時の静的押抜き試験の結果から,せん断耐 力は,700℃で常温の 75%程度の値まで低下する.つぎに,加熱冷却後の静的および繰返し押抜き試験より, 700℃で加熱した場合,せん断耐力は常温の 75%まで低下するが,規準値を下回るほどではない.しかし, ずれ定数は常温の 30%程度まで低下する.この過大なずれ定数の低下によって,疲労強度は加熱温度の上 昇とともに著しく低下し, 700℃では国内外の設計規準での規定値を大きく下回るとの新しい知見が得ら れた.  第5章では,合成桁橋が火災を受けた場合の各部材の受熱温度を算定することを目的として, Eurocode における火災温度 - 時間曲線,火災荷重,鋼材およびコンクリートの熱特性値,1次元差分モデルによる 鋼桁およびコンクリート床版の受熱温度算定法について述べられている.さらに,1次元差分モデルによ る受熱温度算定法の妥当性を確認するために,実物の合成桁橋を用いた火災試験から得られた鋼板接着補 強 RC 床版の受熱温度に着目して,試験値と解析値とを比較検討した結果が示されている.この結果,1 次元の差分モデルを用いる場合,火災時における鋼板接着補強 RC 床版の受熱温度は鋼板と RC 床版との 間に生じる空気層を考慮することで,比較的精度よく算定できるとの結果が得られている.  第6章では,まず,火災下における合成桁の終局曲げ耐力に着目した耐火性能評価法が示され,つぎに, 単純合成桁橋を対象とした数値解析結果が述べられている.数値解析の結果,火災時の合成桁は,鋼桁に

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著しい温度上昇がみられるものの,コンクリート床版では,温度上昇が加熱面付近に限られ,全体として の温度上昇は小さいことが明らかになった.すなわち,火災時の合成桁の終局曲げ耐力は,鋼桁の受熱温 度に依存し,温度が 400℃以上になると耐力の低下が著しくなる.  第7章では,加熱冷却後のスタッドに対する繰返し押抜きせん断試験の結果に基づいて,単純合成桁橋 が火災を受けた場合のスタッドの疲労耐久性照査を種々の条件下で実施した結果が述べられている.本照 査の結果,道路橋示方書によって設計された既設の合成桁橋が火災を受けた場合,支点部のスタッドが 供用期間中に疲労破断する可能性は低いものの,中央部が火災を受けた場合,40 年程度で疲労耐久性を 損なう可能性があるとの知見が得られている.一方,土木学会 複合構造物の性能照査指針(案)および Eurocode によって設計された場合,支点部でも火災後 20 〜 30 年程度で疲労耐久性に問題が生じる,さらに, 中央部では火災後5年程度で疲労破断に至る危険性があるとの結果が得られている.  第8章では,本文で得られた結論が要約されるとともに,今後の課題が述べられている.

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博士学位論文(乙,論文博士)の題目・概要等       (工学研究科都市デザイン工学専攻) ① 氏 名 沼田 克 ③ 主 査 氏 名 栗田 章光 ④ 副 査 氏 名 堀川 都志雄,井上 晋 ⑤ 論 文 題 目 熱プレストレス工法による連続合成桁橋の耐久性および耐荷力向上に関する研究 ⑥ 論 文 の 概 要  わが国は, 21 世紀を迎えて本格的な高齢化社会へ加速している状況であり,日本経済は,これまでの高 度成長時代から一変して厳しい状況となっている.かかる状況が長期化するなかで,国民の公共事業に対 する価値観は大きく変化し,「良いものを安く」が社会的ニーズとなった.  このような社会的背景のもと,既設の橋梁に対して,合理的な維持・管理による延命化を図るとともに, 新規事業においては,建設当初にかかるイニシャルコストだけではなく,建設後のメンテナンスコストの 両方を考慮したライフサイクルコストの低減を図る必要がある.すなわち,耐久性に優れ,メンテナンス のし易い橋梁構造のシステム開発が必要となっている.  最近では, PC 床版をはじめとした耐久性が確保された床版形式を前提とした連続合成桁形式が,上記 のニーズを満たす形式として採用されているが,中間支点上のコンクリート床版の耐久性確保が重要な課 題とされている.このため,当該部位を対象として,圧縮応力を導入することが計画される.その工法と して,中間支点のジャッキアップ・ダウン工法や,内外 PC 鋼材を使用してプレストレス導入を図る工法 などが主流となっている.しかしながら,この種の工法では,中間支点上のひび割れ発生の防止,制御な どによる耐久性確保といった使用限界状態は改善されるものの,終局限界状態は,元の合成桁断面が保有 する強度のままで,改善され得ない.  そこで,本研究では,加熱した補強材を高力ボルトで鋼桁に取り付け,鋼桁の補強と同時に,熱収縮に よるプレストレス力を導入する「熱プレストレス工法」を採用することにより,使用限界状態を改善する とともに,終局限界状態における耐荷力の向上も図ることが目的とされた.  まず,熱プレストレス工法の原理を示すとともに,実験供試体を使用して熱プレストレス力導入実験, およびプレストレス導入後1年半におよぶクリープ・乾燥収縮による経時変化の観察を行い,計画どおり のプレストレス導入が,比較的簡単に精度よく実施できることを確認するとともに,クリープ・乾燥収縮 による導入プレストレス力の損失量が計測された.そして,熱プレストレス工法の特徴であるプレストレ スの再導入実験が行われ,計画どおりのプレストレス導入が行えることが示されている.  つぎに,複合構造物のずれ止めとして,近年採用され始めた孔あき鋼板ジベルの施工性の改善を目的と した「フィンガージベル」が提案され,2回の押し抜きせん断試験が実施され,その基本的な力学的特性 を調べ,鋼板剛性に留意すれば,孔あき鋼板ジベルと同等のせん断耐力が期待でき,実用に供することの 可能性が示されている.  また,熱プレストレス工法を実橋へ適用する場合に,期待するプレストレス力に大きな影響を及ぼすク リープ・乾燥収縮の評価方法が示され , 2径間連続合成桁橋を対象として,支間長,および主桁数(多主桁, 2主桁)を変化させ,合成桁断面に占める鋼桁断面の割合(断面構成比)をパラメータとしたケーススタディ が実施され,クリープの影響により,導入したプレストレス力は 70%程度の残存率となること,乾燥収縮 による変化応力度は 1.2 〜 2.0N/㎟であり,鋼桁断面比により変化することなどが示されている.これらの ことから,断面構成比により,プレストレス力の損失量を事前に予測することで,合理的なプレストレス 力の計画が可能となる.さらに,熱プレストレス力を適切な時期に追加導入することで,床版の耐久性を さらに向上させることができることを解析的に論述している.  さらに , 熱プレストレス工法により取り付けた補強材による合成桁橋の断面性能増大により,終局耐力 向上が図れることを,前述した実験供試体を用いた荷重載荷実験により確認されている.その終局強度は, 全塑性モーメントによって簡便,迅速に推定できることを示すとともに,その精度が弾塑性有限要素解析 によって確認されている.

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 最後に,熱プレストレス工法の実用化を目的として,一連の実験的,解析的研究,および試設計を通じて, 熱プレストレス工法を適用した連続合成桁の設計法,ならびに施工法に関する要点が纏められている.  本研究で提案している熱プレストレス工法は,ここで示した橋梁だけでなく,様々な構造物に対して, 応用が可能である.また,新設構造物だけでなく,既設の補修,補強技術に有効である.本工法の提案後 の歴史が浅く,この工法が実際に適用された事例はないが,今後大いに活用され,合理的,かつ高い耐久 性を有する社会インフラの整備に寄与することが期待される.

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博士学位論文(甲,課程博士)の題目・概要等        (工学研究科生体医工学専攻) ① 氏 名 近藤 英雄 ② 学 生 番 号 D06-H01 ③ 指 導 教 授 氏 名 橋本 成広 ④ 補助担当教員氏名 藤里 俊哉 ⑤ 論 文 題 目 電気インピーダンス法を用いた再生組織の特性評価法に関する研究 ⑥ 論 文 の 概 要  近年,医療技術の発展に伴い患者自身の細胞を用いて損傷した組織を補い,本来有していた機能を再生 させる再生医療の実現化が行われている.しかし,再生組織作製に必要とされる scaffold や生体外で作製 された再生組織を移植する際の判断基準は未だ統一されておらず,非破壊的かつ定量的な評価技術が必要 とされている.本論文では,微小な交流電流を流す事により測定対象の構造を推定する電気インピーダン ス法を用いた scaffold および再生組織の新規評価技術の開発を行い,臨床応用への可能性を検討した結果 を記した.本論文は五章より構成されており,各章の概要を以下に記述する.  第一章では,再生医療の基本的思想, scaffold および再生組織の評価手法に関する最近の動向について 述べ,電気インピーダンス法の原理および応用例について説明を行った後,本論文の研究目的を示した.  第二章では,電気インピーダンス法を用いた再生医療材料の非破壊的定量評価法の開発を行う為に,ゼ ラチンハイドロゲルを用いて基礎的検討を行った結果について述べた.含水率の上昇に伴いゼラチンハイ ドロゲルの電気インピーダンスは低下し,同じ含水率であっても架橋したゼラチンハイドロゲルの電気イ ンピーダンスの方が高かった.また,塩化ナトリウム濃度の上昇に伴いゼラチンハイドロゲルの電気イン ピーダンスは低下した.よって,ハイドロゲルの電気インピーダンスは高分子鎖ネットワークとその間隙 に存在する溶媒中の電解質イオンとの相互作用に依存することが示された.圧縮試験を行い電気インピー ダンスと力学特性との関係を調べた所,ゼラチンハイドロゲルの電気インピーダンスと圧縮剛性との間に 相関関係が見られた.これらの結果はハイドロゲルの電気インピーダンスがハイドロゲルの構造に起因す る力学特性を捉えている事を示唆しており,電気インピーダンス法はハイドロゲルの構造変化とそれに伴 う力学特性の変化を検出する手法として応用出来る事を示した.  第三章では,電気インピーダンス法を用いた培養骨格筋の非破壊的定量評価法を検討する為,培養骨格 筋および生体骨格筋の構造と電気インピーダンスとの関係を調べた.本研究では C2C12 細胞をコラーゲン ゲルで包埋した後,一定期間培養したものを培養骨格筋とした.培養過程に伴い培養骨格筋の電気インピー ダンスは上昇する傾向が見られた.組織学的評価を行った所,筋芽細胞が筋管細胞へと分化し,長軸方向 に配向していることが確認された.また,酵素処理により構造を変化させた骨格筋の電気インピーダンス を測定した所,含水率の増加に伴い電気インピーダンスが低下する傾向が見られた.よって,培養骨格筋 の電気インピーダンスは組織構造の変化を捉えている事が示された.これらの結果は電気インピーダンス 法が培養骨格筋の構造推定手法として応用出来る事を示した.  第四章では,電気インピーダンス法を用いた再生軟骨の非破壊的評価法の開発の為に,軟骨組織を用い て酵素モデルを作製し,軟骨組織における電気インピーダンスと力学特性との関係を調べた.酵素処理時 間に伴い軟骨組織の電気インピーダンスは低下し,含水率は上昇する傾向が見られた. indentation 試験お よび流動電位の測定より,酵素処理時間に伴い組織内部水の影響を強く受ける力学特性は低下する傾向が 見られた.電気インピーダンスと力学特性との関係を調べた所,軟骨組織の電気インピーダンスと圧縮剛 性との間に相関関係が見られた.組織学的評価を行った所,酵素処理時間に伴い細胞外基質の分解範囲が 拡大されている事が確認された.よって,軟骨組織の電気インピーダンスは組織構造の変化に伴う組織内 部の水分状態の変化を捉えている事を示した.これらの結果は電気インピーダンス法が軟骨組織の構造の 変化に起因する力学特性の評価手法として応用出来る可能性を示した.  第五章では,以上の各章で述べた研究成果と問題点をまとめ,結論と将来の展望を述べた.  本研究により電気インピーダンス法を用いて再生組織の構造の変化を非破壊的かつ定量的に評価出来る 事が示された.また,構造の変化に伴う再生組織の力学特性を推定出来る事が明らかとなった.

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博士学位論文(甲,課程博士)の題目・概要等        (工学研究科生体医工学専攻) ① 氏 名 山㟢 健一 ② 学 生 番 号 D06-H02 ③ 指 導 教 授 氏 名 橋本 成広 ④ 補助担当教員氏名 藤里 俊哉 ⑤ 論 文 題 目 人工関節と骨格筋に関する組織工学的研究 ⑥ 論 文 の 概 要  これまで,投薬や外科的手術で回復が困難な疾患には臓器移植や人工臓器への置換が施されてきた. これらの移植治療によって多くの患者さんが救われてきたが,臓器移植においては免疫抑制剤の投与や ドナー不足,人工臓器においては機能が生体の臓器に及ばないことなど多くの課題がある. 1993 年に Langer および Vacanti によって細胞,生体材料および細胞成長因子を組み合わせることで生体組織の一部 を再生する組織工学が提唱されて以来,拒絶反応やドナー不足などの問題がない移植医療の実現が期待さ れており,多くの研究が活発に行われている.今後,再生組織を移植して治療する再生医療技術は多くの 人々に恩恵を与え,臓器移植や人工臓器置換術と共に,多くの患者さんを救える可能性がある.  人々の生活の質( QOL)を維持するには運動機能の低下を防ぐことが大切である.近年の高齢化によっ て関節疾患を患う患者さんが増加しており,がんの摘出手術による筋欠損や筋ジストロフィーなどの筋疾 患によって身体機能が低下した患者も多い.重度の関節疾患の治療には人工関節が適用されており,良好 な結果が得られているが,人工関節と骨との接着には長い時間を要する.一方,筋欠損や筋疾患の治療に は筋移植が施されているが,採取部の機能低下や供給量が限られるなど問題が多い.骨格筋のような収縮 特性を有する人工臓器は今のところ存在しておらず,新しい治療法が必要とされている.これらのことか ら,組織工学技術を応用して新しい治療方法を確立するための研究が行われている.人工関節において, 骨との初期接着強度を高めるため,あらかじめ in vitro において培養骨組織を人工関節表面に形成させて から置換する試みがなされている.しかしながら,組織工学技術を人工関節に応用する場合,骨との早期 固着を得るための材料や表面処理方法などは検討されていない.一方,骨格筋の治療においては,生体材 料内で筋芽細胞を培養し,培養骨格筋組織を作製する試みがなされている.しかし,これまでの多くの研 究は生物学的特性の評価が中心で,生体骨格筋組織が本来有している機能がどこまで再生されているかを 検討した報告は少ない.そこで,本研究では組織工学的技術を応用した人工関節の骨との早期固着を得る ための表面処理方法および収縮弛緩特性を有した骨格筋組織を in vitro で作製するための方法について検 討することを目的とした.本論文は5章構成とし,以下に各章の要旨を述べる.  第1章では,再生医療の社会における必要性について検討し,人工関節置換術および骨格筋損傷の治療 における組織工学的手法を用いた方法の有用性について記述する.さらに生体組織の再生は,組織の構造 の再生だけでなく,生体が有している機能を再生する必要性があることを示し,本論文の目的を明確にす る.  第2章では,組織工学的手法を用いた人工関節と骨との初期固着強度を高めるための表面処理方法につ いて調べた.表面粗さを数μ m とし,ハイドロキシアパタイトをコーティングすることで初期固着強度が 高くなることが in vitro において示された.  第3章では,培養骨格筋組織の収縮弛緩特性の評価を目的として,筋管細胞の電気刺激に対する応答性 および興奮性を調べた.培養筋管細胞は電気パルスを印加されることによって収縮弛緩し,その収縮弛緩 動態および興奮性は生体骨格筋と類似した傾向を示すことがわかった.  第4章では,組織工学的手法による収縮弛緩機能を有した骨格筋組織の再生方法について記述し,さら に in vitro における培養骨格筋の再生過程における機能や構造の変化を調べた.人工腱として無細胞生体 由来組織を使用し,コラーゲンゲル中で筋芽細胞を培養することで,収縮弛緩特性を有する培養骨格筋組 織を作製することが可能となった.この培養骨格筋は培養に伴って収縮性タンパク質を次第に発現し,培 養 21 日目において生体骨格筋で観察されるサルコメア構造が形成されていることが確認された.これら の変化に伴って収縮力も次第に大きくなり,タンパク質の合成および形態変化によって収縮力が変化する

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ことがわかった.  第5章では,以上の各章で述べた研究成果と問題点をまとめ,結論と将来の展望について記述する.  本研究によって組織工学的手法を応用し,最適な表面処理を施すことで人工関節の初期固着強度が高ま ることが示された.さらに,組織工学によって生体骨格筋と類似した収縮弛緩特性を有する培養骨格筋を 作製できることが示された.本研究で得られた人工関節の表面処理方法や骨格筋の作製方法などの新たな 知見は,運動機能の喪失で苦しむ患者さんの QOL を改善するための新しい治療方法の開発や,創薬や運 動生理学の発展のための実験モデルの開発に有用であると考えられる.

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① 氏 名 小山 政俊 ② 学 生 番 号 D06-301 ③ 指 導 教 授 氏 名 井上 正崇 ④ 補助担当教員氏名 ⑤ 論 文 題 目 InAs 系ナノ構造におけるバリスティック電子輸送とデバイス開発 ⑥ 論 文 の 概 要  半導体微細加工の進歩とともに急成長を遂げた Si CMOS 半導体集積回路は,微細化による集積度の向 上でクロック周波数をあげて高性能・高付加価値を実現するというビジネスモデルが約半世紀に渡って続 いて来たが,さらなる微細化には多くの課題が発生し,集積度の向上が絶対的な性能向上ではなくなり, 集積度の向上自身も課題となってきている.そのため,これまでの Si CMOS 技術のパラダイムを転換す るような新構造,新材料,新原理が注目されており,化合物半導体をチャネル層の代替材料として視野に 入れることや,量子力学的な効果を利用することが重要な役割をもつ時代となりつつある.Si CMOS 自身, 更なる微細化によって素子のゲート長が 10 nm を切ると電子が不純物などで散乱を受けずに伝導するバリ スティック伝導が電気伝導に影響することから,バリスティック伝導についてより知見を深めることは大 変意義がある.  本論文では,ナノ構造において電子のバリスティック伝導によって生じる非線形な電気特性を利用した 新原理の整流デバイスであるバリスティック整流デバイスに着目した.このデバイスはバリスティック伝 導する電子をナノ構造の形状によって制御できるため,高周波領域での動作が期待でき,従来の pn 接合 ダイオードのような閾値電圧を持たない低電圧での動作が期待される.本研究では,室温においても 500 nm 程度と非常に長い平均自由行程を有する InAs/AlGaSb へテロ構造を用いた高速動作可能な超低消費電 力整流デバイスを目指し,ナノ構造における基礎的なバリスティック電子輸送特性ならびにデバイス応用 の可能性について研究した結果をまとめたものである.  デバイスの作製にはナノスケールの構造を作製する必要があることから,電子線リソグラフィ法を用い, ナノ構造のエッチングはデバイスへのダメージを考慮してウェットエッチング法で行った.このデバイス では電子のバリスティック伝導とナノ構造が重要であることから,磁場下において「電子のフォーカシン グ」と呼ばれる現象の観測を行い,電子のバリスティック伝導状態によるフォーカシング現象が得られた. また,この結果からウェットエッチング法で形成したナノ構造の壁面の鏡面性の評価を行い,比較的よい 鏡面性が得られていることがわかった.  バリスティック整流デバイスを試作するにあたり,はじめに量子細線構造で形成される十字形の4分岐 構造の中心に上下の端子に電子が非対称に散乱されるようなアンチドット構造を有するデバイスを InAs/ AlGaSb へテロ構造に試作し,整流特性を評価した.この構造は十字型4分岐構造の左右の細線から電子 が流れてくる場合に,デバイス中央の3角形アンチドット構造が上下方向で非対称に形成されているた めに電子の散乱が上下非対称となり,上下の端子間に電位差が生じ,整流性が得られる.実際に InAs/ AlGaSb へテロ構造にデバイスを作製した結果,平均自由行程が 500 nm 程度の室温でも整流効果の観測に 成功した.得られた整流特性を解析するために,Landauer - Büttiker の式を用いたモデルと比較を行った 結果,半定量的に説明することができた.  上記バリスティック整流デバイスの動作は,通電時に電子が素子の形状に依存して散乱されることを利 用しており,2つの電圧端子に対して構造に非対称性を持たせることが本質的である.前述の4分岐構造 では,十字形の4端子の中央に,電子を散乱する壁面を作り込むアンチドット構造とよばれる構造を採用 している.バリスティック伝導を利用するためには,アンチドット構造を含め,素子全体の寸法を数百ナ ノメートルの大きさにする必要がある.そこで次に,素子の寸法をさらに小さくすることによって,整流 特性の改善を試みた.ここでは,電子を散乱するため必要であった,アンチドット構造を取り除き,素子 の側壁そのものを電子の散乱に利用することでさらなる素子寸法の微細化を実現した.そのために,電流 端子から出射される電子に方向性を持たせるよう斜め細線構造や電子の散乱に方向性を持たせるためのガ 博士学位論文(甲,課程博士)の題目・概要等        (工学研究科電気電子工学専攻)

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イド構造とよばれる構造を検討・開発し,整流特性の改善だけではなく,室温での整流特性の観測にも成 功した.このバリスティック伝導の詳細を調べるため,磁場を印加した条件下で整流特性がどのような変 化を示すかを測定し,磁場の方向により整流特性が消失することなどからバリスティック電子の状態に関 する知見を得ることに成功した.  最後に,バリスティック整流デバイスの更なる微細化と高性能化のために,量子細線構造を T 字型に接 合した量子細線3分岐構造(TBJ)の試作と評価を行った.TBJ はバリスティック整流デバイスと同様に バリスティック伝導が支配的となるようなナノ構造において整流特性が得られるデバイスであり,アンチ ドット構造がないことや3分岐構造で実現できることから更なる微細化が期待できる.また,バリスティッ ク整流デバイスでは決定できなかった基準電位が存在することから,回路応用の観点でバリスティック整 流デバイスよりも有用である.回路応用では動作電圧が比較的広いため,バリスティック領域外での動作 も考慮できる FET モデルを用いて,整流特性など,素子の基本動作を解析し,簡単なモデルにも係わら ず比較的良い一致を得た.TBJ では,研究が先行する GaAs 系材料でも同形状の素子を試作し,素子特性 の詳細な比較を行った.整流特性では GaAs 系材料に作製した TBJ が優れているものの,高速動作におい ては本質的に抵抗値が低くなる InAs/AlGaSb ヘテロ構造が有利であることを明らかにした.  以上の結果から,デバイスの構造をより微細に作製し,バリスティック伝導の影響がより強く現れる状 態において整流特性が大きくなることから,構造を微細化することがナノ構造において整流特性の改善に 繋がることがわかった.また,これらの結果は InAs/AlGaSb へテロ構造がバリスティック伝導を利用し た整流デバイスの試作に有用であること示すものである.

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博士学位論文(甲,課程博士)の題目・概要等        (工学研究科応用化学専攻) ① 氏 名 西下 直希 ② 学 生 番 号 D06-501 ③ 指 導 教 授 氏 名 中村 吉伸 ④ 補助担当教員氏名 ⑤ 論 文 題 目 ペプチドの二次構造を利用したバイオマテリアルの創出に関する研究 ⑥ 論 文 の 概 要  へリックス構造やシート構造などの二次構造を形成するペプチドの中で,アミノ酸側鎖の性質に起因 した非共有結合の働きにより,自己組織化の性質を示すペプチド(自己組織化ペプチド)の存在が知られ ている. このような性質を示すペプチドは,数 nm~ 数十 nm の分子が精密な非共有結合により組み上げ られる(ビルディングブロック)ことにより,緻密で規則性の高いナノファイバーやナノスフェア,ナノ チューブなどのナノ材料の構築が報告されている. ペプチドを用いたナノ材料の設計は,再生医工学用の 足場材料やドラッグデリバリー担体などの生医学材料,センシング技術,ナノリアクターやエレクトロニ クスなど幅広い分野への応用が期待されている.なかでも,ペプチドを用いたナノ材料は,酵素などの生 体分子により分解される生体吸収性を示すため,生体内のタンパク質や細胞外マトリックスと同様の分解 メカニズムであり,足場材料として有用であると考えられている.しかし,ペプチドのナノ材料を直接利 用しても,再生医工学用足場材料に求められる充填材としての役割を果たすことはできない.つまり,ペ プチドのナノ材料を立体的な三次元材料にボトムアップしなければ,足場材料として役立つ材料とはいえ ない.  そこで本博士学位論文では,二次構造を形成するペプチドの自己組織化を利用することで,ペプチドの ナノ材料をマクロな材料へと組織化させ,三次元集合体の創出を目的とした.また,創出したペプチドの 三次元集合体の有用性を検討するため,足場材料として必要な細胞接着,細胞伸展,細胞増殖,分化誘導 などの生物機能をもつ人工の細胞外マトリックスの構築を目指した.

 細胞接着性を付加させるため,親水性アミノ酸である Arg( R)と Asp( D),疎水性アミノ酸の Ala (A)を配列させた(RARADADA) 2:( RAD16)のβストランドペプチドに,細胞接着性ペプチドである

RGDS を組み込んだ RAD16RGDS を合成した. AFM や SEM の結果より,RAD16RGDS はナノファイバー からバルク状のファイバーへの形成を確認することができ( Figure 1),ナノからマクロへの材料構築メ カニズムを推察した.さらに,これらのペプチドから構築した三次元集合体が細胞接着性を示したことか ら足場材料としての利用に期待できることを見出した.また,外部環境変化により,ランダム構造からβ ヘアピン構造に変化するペプチドを設計し,温度や pH 変化に応じて自己組織化を制御したハイドロゲル の構築も行った( Figure 2).このハイドロゲル上で細胞の接着も確認でき,温度や pH の変化により, 足場材料の性質を制御できる機能性足場材料の構築を可能とした.その他にも,天然高分子のアルギン酸 に自己組織化ペプチドを修飾することで,ペプチドを架橋点に利用したペプチド −アルギン酸ハイブリッ ト材料の創成も行った.  上記に示したように自己組織化ペプチドを利用し,三次元集合体の創出を行った上,足場材料としての 有用性を検討するため,細胞接着性や心筋細胞への分化誘導,遺伝子導入などを行った. その結果,本研究で創出したペプチド材料は,材料学的評価に加え,生物学的観点からも大変有望な足場 材料であると結論付けた.

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Figure 1 Photograph of RAD16RGDS peptide sponge. a) stereoscopic microscope image, b) Scanning electron microscope image (Bar= 10 μ m, × 1500) .

Figure 1 Photograph of RAD16RGDS peptide sponge. a) stereoscopic microscope image, b) Scanning  electron microscope image (Bar= 10 μ m, × 1500) .

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1、研究の目的 本研究の目的は、開発教育の主体形成の理論的構造を明らかにし、今日の日本における

雑誌名 博士論文要旨Abstractおよび要約Outline 学位授与番号 13301甲第4306号.

氏名 学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位授与の題目

beam(1.5MV,25kA,30ns)wasinjectedintoanunmagnetizedplasma、Thedrift

学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位授与の題目

氏名 学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位授与の題目

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