第2学年〇組道徳科学習指導案 1 主題名 思いを形に C(14) 家族愛、家庭生活の充実 2 教材名 「ごめんね、おばあちゃん」(東京書籍「新しい道徳2」) 3 主題設定の理由 〇 本学級の生徒は、家庭環境に恵まれた生徒が多く、家族から経済的にも精神的にも多くの恩恵を受けて生活 を送っている。事前のアンケートによると、「家族と一緒にいることでよかったと感じたことがありますか。」 という質問に対して、学級全員が「はい」と答え、理由として、「悩んだときに見守ってくれるとき」などを挙 げている。その一方で、一緒に同居していなかったり、関わりがあまりなかったりする家族に対しては、家族 という意識が希薄であることがわかった。このことから、多くの生徒は育ててもらったことやお世話になった ことなどの自分が受けてきた恩恵に着目し、家族のつながりを相互扶助の関係で捉えている傾向性があること がわかった。そこで、家族愛の見方を個人と個人の関係から、命の連続性から家族のつながりへと見方を発展 させることができるこの期に、本主題を設定し、かけがえのない家族について考えを深めることをねらう。 〇 家族は、親子及び兄弟姉妹という関係により一般的に成り立ち、その一人一人が誰かと取り替えることがで きないかけがえのない価値を有する存在である。そのような家族同士の敬愛の情による内面的なつながりが 「家族愛」である。この家族愛を基盤とし、家族一人一人がお互いを信頼し、尊重し合いながら家族みんなの 幸せを願って行動することが家族愛の実践であり、家庭生活の充実へとつながる。 本主題は小学校(高学年)では「父母、祖父母を敬愛し、家族の幸せを求めて、進んで役に立つことをする こと」と設定されており、中学校では「父母、祖父母を敬愛し、家族の一員としての自覚をもって充実した家 庭生活を築くこと」と内容が発展しているものである。中学校1年生では主に、これまでの父母、祖父母の深 い愛情に気付き、自分の状況や能力に応じてできることを実行していくことの大切さに気付かせることをねら う。中学校3年生では主に、今後家庭をもったときのことも視野に入れながら、家庭生活の充実や発展を考え、 将来にわたって家族の幸せにつながることを実行していくことの大切さに気付かせることをねらう。そこで中 学校二年生では、父母、祖父母のおかげで今の自分がいることに気付き、かけがえのない家族について考えを 深めることをねらい重点的に指導を行いたい。 〇 教材「ごめんね、おばあちゃん」は祖母と同居している中学生の聡が中心の生活文である。聡の祖母はこれ まで聡や妹の世話をしてきた。しかし、近頃は耳も遠くなり、体も思うように動かなくなってきていた。そん な祖母の言動に対して、聡は、祖母にきつく当たることも日常茶飯事となっていた。ある日、聡が学校から帰 ると、祖母が骨折で入院したことを聞かされる。その翌日、帰宅した聡だったが、祖母がいない家の中で、こ れまでの祖母との思い出が脳裏に浮かび、病院まで自転車を走らせるのであった。祖母から深い愛情をもって 育てられてきたことに気付き、自分にできることを考え行動する聡に共感させ、家族のありがたさや家庭生活 の充実のために家族の一員としての自覚をもち、役割を果たすことの大切さについて考えを深めることができ る教材である。さらに、この教材は聡、父母、祖父母の三世代が登場する家族愛の教材であることから、生命 のつながりから家族愛を深めさせることができる教材であると考える。 本時の授業では、聡が「祖母からお世話をしてもらったから大切にする」という本時にねらう家族愛に対す る弱さに気付かせた上で、家族との関わりについて話し合わせ、家族との関わりの有無に関わらず、家族間の 命のつながりから、かけがえのない家族を大切にしてこうという心情を育てることをねらう。 本主題を指導するに当たっては、まず、見つめる段階では、本時の問題意識をもたせるために、アンケート 結果を基に家族に対する意識について話し合わせる。次に、気付く段階では、聡が置かれた状況と、聡のねら いに対する弱さに気付かせるために、聡の心情を可視化させ、ペアや全体で話し合わせる。さらに、深める段 階では、「関わりのあまりない祖母だったら」という場面設定を基に話し合わせる。最後に、あたためる段階で は、今後の実践意欲をもたせるために、本時で学んだことを書かせる。
4 本時 日時、場所 令和元年〇月〇日 第〇校時 2年〇組教室 (1) ねらい 〇 父母、祖父母がいるおかげで今の自分は存在しているという家族間のつながりに気付き、父母、祖父母の 存在に感謝し、自分が今できることをしていこうという心情を育てる。 〇 聡が「祖母からお世話をしてもらったから大切にする」という本時にねらう家族愛に対する弱さに気付 いた上で、家族との関わりについて話し合い、大切にする理由を多面的に考えることができるようにする。 (2)準備 教材「ごめんね、おばあちゃん」、学習プリント (3) 学習指導過程 段階 学習活動 主な発問と予想される反応 指導上の留意点 見 つ め る 1 本時の問題意識をもたせるために家 族に対する思いと行為の違いを基に家 族や家庭生活について話し合う。 (大切にすべきと思う) ・支えてもらっている。 ・これまで育ててもらった。 ・悩みを聞いてくれる。 (嫌に思うことがある) ・やろうと思っていることを言っ てくる。 ・口をはさんでくる。 〇めあてにつなげるため に、「どうして家族を大 切にすべきと思ってい るのに、大切にできな いことがあるのか」を 問う。 気 付 く 2 教材の状況と中心人物がもつ弱さに 気付くために、中心人物の心情につい て話し合う。 (1) 教材の状況を明らかにするため に、聡と祖母の関係を心情円で表し たものを基に対話する。 ① 「以前」「最近」の聡の祖母に対する 気持ちを個人で心情円に表し、ペアで 説明し合う。 ② ペアで説明し合ったことを基に、全 体で「以前」「最近」の心情について話 し合う。 【以前】 【最近】 〇ペアでの対話の中で聡 の心情の変容を比較で きるように、心情図で 可視化したものを、ワ ークシートにも書くよ うに指示する。 〇祖母と聡の関係に気付 かせるために、心情円 に表した根拠を問う。 家族を大切にすべきと思っている のに、家族を大切にできていないこ とがあるのはなぜだろう。 めあて:家族を大切にするためにどのような考え方が大事なのだろうか。 発問1 「以前」「最近」の聡は祖母に対し てどんな気持ちだったのか。 家族と一緒 にいて嫌に 思うことが ある。 家族を 大切に すべきと 思う ・聡や妹の世 話をしてくれ たから。 ・父母の代わ りに家事をし てくれた。 ・友達のプラ モデルを壊さ れた。 ・これまでお 世話になって いるから。
気 付 く 深 め る (2) 中心人物が抱く弱さに気付かせる ために、病院に行くことを決めた聡 の心情を心情円で表し、それを基に 対話する。 ① 病院に行こうと思った聡の祖母に対 する気持ちを個人で心情円に表し、ペ アで説明し合う。 ② ワークシートに聡の心情を書き、 全体で聡の心情について話し合う。 3 家族愛についての見方を広げるため に、場面設定を基に、家族を大切にす る理由について話し合う。 ① 「祖母と関わりがなかったから聡は 病院に行くのか」という場面設定を もとに自分の考えと理由をワークシ ートに書く。 ② 「行く/行かない」と判断した理由 について小集団で話合う。 (1)行かない側主張 (2)行かない側への質問・反論 (3)行く側主張 (4)行く側への質問・反論 ③ 「行く/行かない」と判断した理由 について班で話したことを基に全体 で話合う。 ・謝りたい。(謝罪) ・今までお世話になった。(弱さ) ・かわいそう。(弱さ) ・自分にできることをしたい。 (役割) ・関わりがなくても、同じ家族で あることに変わりはない ・関わりがなくても、いるだけで かけがえのない存在である。 〇病院に行くことを決め た聡の心情をつかませ るために、最近の聡の 心情と比較しながら説 明するように指示す る。 〇ねらいに対する弱さに 気付かせるために、生 徒の考えを整理し、共 通点を考えさせる。 〇かけがえのない祖父母 の存在に気付かせるた めに、教材の条件を変 えた場面設定を基に発 問を行う。 〇小集団での話合いが活 発に行われるように、 話合いの流れを司会に 渡す。 〇家族の命のつながりに 気付かせるために、補 助発問を行う。 あ た た め る 4 学んだことを基に今後の意欲化を図 る。 〇 価値の一般化を図る。 〇 今後の意欲化を図る。 ・これまで自分は○○だった。 ・今日の授業では□□のことを学ん だ。 ・これからは△△・・・。 〇今後の実践意欲につな げるために、「今日の 授業で学んだこと」 「これまで」「これか ら」の視点で振り返る ように指示する。 発問2 病院に行くことを決めた聡は祖母に対 してどのような気持ちだったのか。 まとめ:今自分があるのは父母、祖父母のおかげであり、誰にもかえられない存在である。 補助発問 関わりの大小で家族の大切さ は決まるのか。 関わりの大小で家族の大切さ は決まるのか。 発問3 あまり関わりがない祖母だっ たら病院に行くのか。 (行く) ・家族だから。 ・大切な存在。 ・いることに 意 味 が あ る。 (行かない) ・お世話にな っていない。 ・感謝の気持 ちもない。