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Title
千葉病院矯正歯科における2015年初診患者の動向に
ついて−2012年,2013年との比較と今後の課題
−
Author(s)
升田, 菜穂子; 加瀬, 利美; 有泉, 大; 茂木, 悦子; 末
石, 研二
Journal
歯科学報, 116(5): 401-401
URL
http://hdl.handle.net/10130/4131
Right
Description
401
歯科学報 Vol.116,No.5(2016)
№36:卒後研修課程第39期生による症例展示
石川宗理1)
,伊尾歌織1)
,荒川啓太郎1)
,岡嶋伶奈1)
,新倉陽一朗1)
,宮本佳奈1)
,高橋一誠1)
2) 3) 4) 5) 1)
高野まどか1)
,阿部玲子1)
,加藤真麻1)
,茂木悦子1)
,永田順也1)
,末石研二1)
(東歯大・矯
,
正)
2) 3) 4) 5)
(栃木県)(東京都)(埼玉県)(京都府)
目的:東京歯科大学歯科矯正学講座の卒後研修課程
は,昭和50年に発足し本年3月末日現在319名が修
了している。この研修課程は,矯正歯科専門医養成
を目的とし,認定医資格の取得に向けた歯科矯正治
療に関する基本的な診断・治療・評価法を習得する
3年間のカリキュラムが組まれている。特に臨床
技能に関しては,第一期治療での Functional
appli-ance および顎外固定装置,第2期治療(外科的矯
正治療を含む)での Pre-adjusted appliance などの
習得を中心に治療および管理を行っている。また症
例は多岐にわたり,顎変形症,唇顎口蓋裂,各種症
候群,歯周疾患,顎関節症などを伴う症例も含まれ
ている。さらに,研修修了に際しては,研究論文1
編と治験例4症例,保定2年以上の1症例の報告が
義務づけられている。そこで,本報告では本年3月
に当講座の卒後研修課程を修了した39期生10名が研
修修了時に提出した治験例40症例について自己評価
を行い,学会展示することにより外部評価を得るこ
とを目的としている。
症例(事例):資料は,本年度の卒後研修課程修了
10名が提出した治験例40症例の治療前,治療後の模
型とレントゲン写真,顔面写真および口腔内写真で
ある。症例は抜歯症例16症例,非抜歯症例14症例,
外科的矯正治療10症例(うち抜歯症例が2症例)で
あ っ た。Angle 分 類 はⅠ級 が13症 例,Ⅱ級 が13症
例,Ⅲ級が14症例であった。また,性別は男性11
名,女性29名であった。動的治療期間は,1年2か
月~2年11か月で平均1年7か月であった。
結 果 お よ び 考 察:評 価 法 は,Gottlieb ’s Grading
Analysis を用い,全40症例について治療に対する
自己評価を行った結果,Good
が30症例,Satisfac-tory が10症例,と判定された。これらの治療過程
を経験することにより本研修課程の臨床研修では,
本格矯正治療に必要な基本的な知識と技術が習得で
きたと考えられる。
№37:卒後研修課程第39期生による症例展示 -リテンションケース-
高橋一誠1)
,荒川啓太朗1)
,伊尾歌織1)
,石川宗理1)
,岡嶋伶奈1)
,新倉陽一朗1)
,宮本佳奈1)
2) 3) 4) 5) 1)
阿部玲子1)
,加藤真麻1)
,高野まどか1)
,茂木悦子1)
,永田順也1)
,末石研二1)
(東歯大・矯
,
正)
2) 3) 4) 5)
(東京都)(埼玉県)(栃木県)(京都府)
目的:東京歯科大学歯科矯正学講座の卒後研修課程
は,昭和50年に発足し本年3月末日現在319名が修
了している。この研修課程は,矯正歯科専門医養成
を目的として,認定資格の取得に向けた歯科矯正治
療に関する基本的な診断・治療・評価方法を取得す
る3年間のカリキュラムが組まれている。卒後教育
では,動的矯正治療を中心とした診断学や治療学に
重点をおかれる傾向がある。しかし動的治療後の後
戻りや咬合の安定性についても,長期管理に関する
概念の修得が十分に行われる必要がある。そこで当
講座の卒後研修課程では,研修修了認定に際して,
引き継ぎ症例のリテンションを長期的に管理し,あ
るテーマをもってリテンション症例を提出すること
が義務づけられている。今回,平成28年3月に卒後
研修課程を修了した39期生のテーマは,第一期治療
の有効性とし,混合歯列期から矯正治療を開始し2
段階で治療が行われた症例について,第一期治療開
始時,第二期治療開始時,装置除去時,装置除去か
ら2年以上経過した資料を比較検討した。
症例(事例):症例は装置除去後2年0か月~3年
11か月経過している男性3例女性7例であった。診
断は骨格性上顎前突2例,骨格性下顎前突3例,歯
槽性反対咬合1例,叢生3例,歯槽性交叉咬合1例
であった。第一期治療で使用した装置として,緩徐
拡大装置7例,急速拡大装置1例,機能的矯正装置2
例であった。第二期治療において,抜歯症例が2例,
非抜歯症例が8例であった。保定装置は上顎におい
て Circumferential Type 単独9例,Fixed Type 併
用1例,下 顎 に お い て Circumferential Type 単 独
3例,Fixed Type 併用1例,Fixed Type 単独6例
であった。
結果および考察:治療開始時から II 期治療開始時
の変化とし て,ALD の 平 均 値 が-3.0mm か ら-
0.7mm と変化した。またリテンション期間中の変
化として,叢生が発現したのは1例であった。以上
より,第一期治療で歯列幅径を拡大し,早期に叢生
を解消することは,第二期治療において抜歯治療を
回避する可能性が高くなる事に加え,リテンション
期間中の叢生の発現が少ないことが考えられた。
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