集積二重結合化合物の光化学
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(2) f42. 集積 二重結合化合物 の光化学. の生成機構 は ビラジカル中間体 2を 経 る二段階反応 か,あ るいは遷 移状態 2′. ヽ劇﹁︲︲ 2ノ H H. H. *_→. ヽ︱ ︱ ︱ ﹁ ノ H H. H. c崚 ド K 〆l. .上二 〔 .〕. 2 H H 一 ︶ 綺 ﹁ ︵ C C. を経 る協奏反応 かについて明 らかで ないが, シクロヘ キセ ンの水銀増感光反. CH2=CH CH=CH2. →. 十. CH2=CH2. 2′. 応 で ビラジカル中間体 2が 生成 し,■ の 光反応 と同 様 な生成物 を与 えるが その生成物比が異 なるこ とや,■ の反応で 2が 中間体 であれば,そ の 1, 6. -炭 素間 が結合 して シクロヘ キセ ンの生成 が期待 され,一 方,協 奏反応であ れば末端炭素間 の結合生成 が立体的 に困難 であることなど考 えると,反 応は 協 奏的 に行なわれて い るよ うに思 われる。 この反応 の励起種 は平面構造 を持 った振動励起状態 の 1と いわれている。. 2)Cyclopropylidene生 成 反応 化合物 旦 は ■ と同様 な光反応条件下 で Tricyc10〔. 4。 3。 0。. 0. 〕nonane■ を. 254 nm. 3. 4. Φ =0。 17. 与 える。 生 の 生成 につ い て,ア レ ンの 中心 炭素原子 によって水 素 が引 き抜 か れ,つ い で ア リルー シクロプロ ピル ラ ジカル異性 化 反応 が起 こ り,分 子 内 ラ ジカ ル カ ップ リング を経 る機構 (式 1)と. ,中 間体 に シクロプロ ピ リデ ンが生. 成 し,つ い で トラ ンスア ンニ ュ ラー押 入反応 が起 る機構 (式 2)と が考 え られ る。.
(3) 山. 143. 正. 和. 本. 6). ア リル ラジカ ル か ら シクロプロ ピル ラジカ ルヘ の異性 化 の 反応 熱 が30kcal. /moleほ ど吸 熱 で あ り,逆 反応 の 活性 化 エ ネ ルギ ーの値 が22kca1/moleで あ るこ とや ,中 間体 にア リル ラジカ ル が生成 す れば ,そ の 分子 内 ラジカ ル カ ッ プ リ ン グ化合物 で あ る Bicyc10〔 5。. 2.0〕. nOneneゃ. BicyC10〔 4.3.0〕 nOnene. の 生成 が期 待 され るが,ま った く生成 しな い こ とな どか ら,反 応 は式 1で 進 行 して い な い といっ て よ い。 一 方 ,励 起 した ア レ ンか ら シク ロプロ ピ リデ ン 3). へ の異性 化 は,理 論的 な考察 によれば ,ア レ ンの Anti― planar一 重項 ,11. pp電 子状 態 の planar一 重項 お よび. Anti―. planar二 重項 の いずれ の励起状. 態 か らも起 ると されて い る。 ベ ンゼ ン増感光反応 においては,ベ ンゼ ンの. lB2u. 態 か らの エ ネ ル ギ ー移動 によってア レ ンは非垂 直遷 移 を起 し,直 接 planar. )1犬. 一 重項 (1 l pp電 子状 態)状 態 をとる こ とが可能 で あ る。 一 方 ,環 状 ア レン化 合物 は,そ の 1 lpp電 子状 態 の エ ネ ル ギ ー準位 が下 が り,planar二 重項 との 系 間交差 が可能 に な るため,ベ ンゼ ンの 3Blu状 態 か らの エ ネル ギー移動 によ って一 旦 planar二 重 項状 態 が 生 成 し, つ い で系 間交差 によって planar 一 重項 (1 lpp)状 態 に な るこ とが出来 る。 A lleneの 励起状態 のエ ネルギー. A Heneの 電子状態図. 準位 および相関関係. o日 \ 一“0喜︶、¨﹄OC国 ︵Φ一. は 、 O. lB2u◎ ―. H6. Triplet. sttld“ _3B lu◎. 坤. Singlet(112p) Triplet. ".
(4) 集積二重結合化合物 の光化学. 144. 化合物 上およびこの光反応 で, シクロプロピリデ ンに由来す る生成物 の量 子 収量 が後者 は 前 者 の 約 25倍 であった。 この ことは,上 記 の シクロプロピ リデ ン生成過程 の可能性 や,ベ ンゼ ンの lB 2uか ら3Blu状 態 への量子収量 が 0.72で あること,更 に生成す るシクロプロピ リデ ンによる分子内水素引 き抜. きの難易 さを考 えると うまく説明出来 る。 しか しながら,ベ ンゼ ンの代 りに ベ ンゾフェノン(Et=68.5kca1/mole)を 増感 剤 とした実験 では. 4は まっ. た く生成 しないでベ ンツピナ コールの み を与 える。増感剤 の役割 がアレ ンヘ のエ ネルギー移動 のみであると考 えた場 合,ベ ンゼ ンとベ ンゾフェノンの光 増感反応 の差異 を説明す ることが出来 ない。Bordenら は, シクロプロピ リ デ ンは励起 したア レンーベ ンゼ ン複合体 か ら直接生成す ると考 え,Hammond らは,ア レンーベ ンゼ ンの励起複合体 か ら一旦 1 lpp状 態 の planar一 重項 が生成 し,つ いで シクロプロピ リデ ンヘ異性化す るとして い る。 4). 3)光 Cope転 位反応. 化合物 ュおよびヱは ■ と同様 な光照射条件下 で前者は Qを. ,後 者は 8を 与. える。 これ らの結果 は対応す る飽和 ア レン化合物 とは著 しく異 な り,後 者 に. CH2=C=CH\ CH2. 254 nm. 1. CH2. CH2、 /CH=CH2 CH2 │. \ CH=CH2. CH2==CH/. 6. 5. 0=0。 24. 254nm ││││││. :::││││. 7. 8. Φ =0。 02. おいては, シクロプロピ リデ ンに由来す る生成物 はまった く確認 されなかっ た。 ュ か らQへ の異性化 は,(1)二 段 階機構 (ラ ジカル生成)(2)1,3-シ グマ トロピ ック移動 (3)3,3-シ グマ トロピ ック移動 (Cope転 位 )な どの機構 が 考 えられる。反応 バ 1)の 機構 で進 めば,ラ ジカル中間体 の交差 カ ップ リ ング.
(5) 山. 本. 145. 正. 和. 化合物 の生成 が期待 されるが,そ れ らの化合物 が得 られていないこ とか ら ,. この反応 は協奏的 な機構(2)又 は(3)で 進行 して いる と考 えられて いる。7)の 反. 応で,交 差カップリング生成物および(2)の 機構の中間体 と考えられる2や 』 が光 照射初期 において も確 認 され な い こ とか ら, この 反応 は(3)の Cope転 位. げ⊇. 反応 で進 行 して い るよ うで あ る。 *. 9 ”8 一. 〔 ヱ〕. ヱ ー. 8. ュの光 および熱反応 の生成物 が同 じであ り,こ について も同様 な結果 が得 られるこ と,そ の他 2, 3の 知見 よ りこれ らの光反応 の励起種 は振動励起状 態 をとっているといわれて い る。 7). 4)Di― π―methane転 位反応. 化合物 理 およびその異性体 薯 は t― ブチルアルコール又はベ ンゼ ン中低圧水. H. Me Me. M. Me. Me-7 H. 十. づh. 理 Φ=0.384 壺 Φ =0。. 106. 2” ︲. : h. e + eM. 銀灯照射 によって生成物 壺 および聾 を与 える。 シクロプ ロピル置換 ア レンJ. ` H Φ ==0.095. 聾 Φ =0。 183. Me Me 」 型 →. 12Φ =0。. はHの. Di―. 282. 壺 Φ =0.043. 十. 聾 Φ =0。 099. 十. 聾 Φ =0.140. π―methane転 位反応生成物 であ り, アセ トン増感光反応 の実験. によって,理 の一重項状態 から生成す ることが示唆 された。 シス体 2は 一旦 トラ ンス体 に異性化 し,つ いで転位反応 が起 ることか ら,こ れ らの反応 には 次 の機構 が提唱 された。.
(6) f46. 集積二重結合化合物 の光化学. H Me 基 一一 ― 一. 一. 3” ︲. hν. hν. 薯. 1*. 〔 基〕. h. 5)環 化付加反応 化合物 上および化合物 理 (望 )の 光反応 において,そ れぞれ シクロブタン誘. 3),後 者 の. 導体 が生成す る。前者 の生成 には協奏機構 が考 えられてお り(式. 場合,ア セ トン増感光反応 は シクロブタン誘導体 聾 のみ を与 えることか ら ,. メ ﹁ “ 一 H % C. 〓. H. H. 卜le H”. L. 11〕 〔. 3*. NIe. ≧ ≧ 三 ≦. _. L≧. ll:二. Me. ;1\. Me Me H Ph. -. 14. (式. 4). 聾. 准 6)光 極性 付加 反応. 4)。. 田. H. * ■土与 〔1〕. 型 端 三 三 三. その生成 には二重項状 態 の理 が関与 してい ることが示唆 されている(式. Ph. ア リー ル置換 ア レ ン化 合物 壼 a∼ dは 酢酸 中光 照射 によって,そ の 酢酸付加 体 16a∼ dを 与 える。. C=C=C(l:: :≫. ≫C=く il兆. 15a∼ d. 16a∼ d Yield(%) Irradiation periOd(hr). a b c d. Φ =Ph,. 65. 48. Φ =Ph,. R.=He, R2=R3=H a Rl=R2=Me, R3=H b Φ =m_MeO― Ph, Rl=Me, R2=R3=H C Φ =m― CF3 Ph, R.==Me, R2=R3=H d. 45. 48. 40. 48. trace. 96.
(7) 山. 本. 和. f47. 正. これ らの 光反応 生成物 は既 に知 られて い る酸触 媒付加 反応 (熱 反応 )に よっ て得 られ る生成 物 とは異 な って い る。酸触 媒 付加 反応 では,プ ロ トン攻 撃 が 中央 炭素原子 に起 り,つ い で末端 炭 素原子 にア ニ オ ンが付加 するのに対 して. ,. 光反応 では,プ ロ トンが末端 炭 素原子 を攻 撃 し,ア セ ター トア ニ オ ンが 中央 炭素原子 に付カロす るとい う逆 の付 力日配 向性 を示 す。 酸触媒反応. C=CH一 C((1レ 』〉. -H OAc. :>CI =`fi::. ♪C=C(:I:2R3. 早 光反応. この ことは,ア リー ル置換 ア レ ンが励起状態 において,y又 は聾の分極構 造 を取 って い るこ とが示 唆 され る。 17の 構造 は理論的 に計算 された励起状 態 の ア レ ンの電 子構 造 か ら考 え られ. 9). ,. 一方,聾 は双性 イオ ンリ と概念的 に同 じ. で あ る。 これ らの 分極構 造 は, フェ ニル環 に電子吸 引基 が置換 す ると反応 +δ. ― δ. R3 9” ︲. 7” ︲. 18. が著 しく阻害 され るこ と,酢 酸 の位 置選 択的付加 がみ られ る こ とな どの結 果 を うま く説明出来 る。 憂 aの 消光 実験 によって,一 重 項 状 態 (10%)と 励起 二重項状 態 (90%)が 反 応 に関与 して い るこ とが明 らか に された。一般 に鎖状 ア ル ケ ンお よび鎖状 ア ル キ ンの 光極性付カロ反応 において,反 応 が励 起一重項状 態 か ら進行 す るの に 対 して,環 状 ア ル ケ ンおよび歪 みの かかった ア ル キ ンに お い て は 二 重 項 状 態 か ら進 む とい われて い る。鎖状 ア レン化合物 壼 aの 場 合 ,主 と して二重項 状 態 か ら反応 が行 なわれ るこ とは興 味深 い こ とで あ る。 この こ とは, ア リー.
(8) 集積二重結合化合物 の光化学. 148. ル置換 ア レン化合物 の励起状 態 が その 多重度 に関係 な く光極性付加反応 を 行 な うに十分 に活性 であること を示唆 してい る。 ア レ ン化合物 以外 の クムレン化合物 の光反応 は,置 換 ブタ トリエ ン化合物 の例 が矢日られてい る。化合物 型 は,光 照射 によって環化付加反応 が起 リアレ ン誘 導体 21を 与 える。 これは熱反応 の結果 と異 な り興味深 い。 Ph. Ph. Ph. Ph △. Ph¬. Ph. Ph\. C=C=C=( Ph/. /Ph sun light 、 \ Ph Olid State. P Ph. 20. 21. おわ りに 11). 12). 13). 光励起 したカルボ ニル化合物 ,チ オカルボ ニル化合物 又は一重項酸素 と 基底状態 のアレン化合物 との反応 はよ く知 られて いるが,光 励起 したア レン 化合物 が反応 に関与す る例 は上記 に示 したよ うに数少 ない。 アレン化合物以 外 の クムレン化合物 の光反応 についてはなおさらである。 この こ とは, これ らの研究 が有機光化学 の未開拓 の分野 として残 っているとい うこ とであ り ,. 今後益 々活発 な研究 が期待 される。 なお,ヘ テ ロ クムレン化合物 の光反応 に ついて も若干知 られて い るが,別 の機 会 に紹介 した い。. 文献. 1)R.Hoffmann,Tetrahedron,22,521(1966) 7olsh,JoChemo Soc。 2)A.D.ヽ ,2266(1953) ∼ 3)W.T.Borden,Jo Chem.Phys。 ,45,2512(1966):Tetrahedron Lett。 ,447(1967) 4)H.R.ヽ Vord and Eo Karafiath,Jo Amer.Chemo Soc.,90,2193(1968):ibid。 ,. 91,522, 7475(1969) 5)Go R.deMare,0。 PoStrausz and H.E.Gunning,Can.Jo Chem。 ,43, 1329(1965) 7oodaH,A.GoSherwood and H.E. 6)0。 Po Strausz,P。 」.Kozak,Go N.C.Ⅵ Gunning,Can。 」.Chem。 ,46, 1317(1968).
(9) 山. 本. 和. 7)Do C.Lankin,Do Mo Chihal,NoSoBhacca and G.Ⅵ Soc。. 149. 正. r.Griffin,」 .Amero Chem.. ,97, 7133(1975). 8)K.Fuiita,K.Matsui and T.ShOno,」 .Amero Chemo Soc。 ,97,6256(1975) 9)S.So HixsOn,TetrahedrOn Lett。 ,4211(1971). 10)M.Lahav,Z.Berko宙 tch_YeHin and L.Leiserowitz,J.Amer.Chem.Soc., 96,919(1974) 11)Ho GOtthardt,Ro Steinmetz and Go S.HammOnd,J.Orgo Chem。 ,33,2774(1968) 12)R.G.Visser and H.」 .T.BOs,TetrahedrOn Lett。 ,4857(1979) 13)T.Greibrokk,TetrahedrOn Lett.,1663(1973).
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