《書評》青山浩之著『基本が身につく 書道の教科書』
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(2) 横浜国立大学国語教育研究 No.44(2019) を整えて書く必要がある。本書では、課題に合わせ た文字を練習することで、文字を整えて書くコツが つかめ、毛筆力をアップすることが図られる。本書 のねらいは毛筆力を向上させるところにあるが、こ うして習得した文字を整えて書くためのコツは、普 段の硬筆での書字にも生きるものである。 本書の実践の際には一度、半紙に課題の文字を把 握した上で手本を見ずに課題の文字を書き、その文 字とお手本とを見比べることで自分の課題点が見え てくるだろう。この方法は著者である青山が書写書 道の授業において実践している方法である。 本書の実践を通して、「“毛筆力”」の向上を図る とともに、普段の手書き文字を見直し、硬筆での書 字にも生かしていくと良いだろう。. 4.暮らしの中に息づく書 第 7 章では、毛筆を使って書きたくなるような言 葉、そして、年賀状やのし袋など実用的な書の書き 方が紹介されている。これまで身につけた毛筆力を 日常へと生かし、毛筆で書くことがさらに楽しくな るような内容となっている。 毛筆・書道文化は日本の伝統文化の一つであり、 今もなお私たちの生活に根付き、大切に受け継がれ ている。毛筆は長い歴史の中で日常筆記具として用 いられてきた。しかし、デジタル化にある今日では、 毛筆を普段使いすることは、ほとんどなくなってき ている。本書を通して毛筆・書道にふれ、毛筆で書 くことの楽しさを味わう中で気付かされることがあ るだろう。それは自由に思うままに表現ができると いうこと。決して達筆でなければならないというこ とではない。毛筆は自分らしさを表現できる一つの ツールといえよう。本書に紹介されている言葉や実 用例を参考にして、暮らしの中に書を取り入れ、日 本の文化である書に親しんでみてはどうだろうか。. 86.
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