在宅重症心身障碍者の親の将来への思いとニーズの定性的定量的把握と支援策の明確化
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(2) I 緒言 重症心身障害者(以下重症者)は全国で 38,400 人、そのうち在宅重症者は 24,520 人程度存 在すると推定されている。平成 23 年度統計によると、横浜市の重症児・者は、約 1,110 人 で、過去 5 年を見る限り、毎年増加傾向にある。厚生労働省は、 「重症心身障害児者の地域 生活モデル事業」として、全国の重症者の地域生活を支える仕組みづくりを推進している。 しかし、その多くは同居の家族が主たる介護者であることを前提とした仕組みであり、家 族の支援が困難となった場合の重症者単身での地域生活は、まだ十分な基盤ができている とはいえない。 在宅での主たる介護者は、飯島ら(2005)によると、そのほとんどが母親である。山本(2008) によると、在宅介護を担う母親は自らの加齢による体力低下や、祖父母の介護との両立に よる介護力低下など、将来的な介護に対する不安を感じている。また、近年の医療技術の 進歩により、重症者の死亡年齢は確実に上昇しており(佐々木ら(2009)、福田ら(2011))、か つては重症の我が子を看取ることが親の願望だと言われた時代もあったが、今は親亡き後 の子どもの生活をどうするかを考えておかなければならない時代に入っていると言える。 在宅重症者の家族にとって「将来への不安」は「生活困難」の 1 項目として過去の研究 でも取り上げられてきたが、 「将来の不安」の具体的な内容までの探究はなされていない。 また、将来への思いというのは不安だけではなく、期待や願望といった前向きな思いもあ り、そういった不安や期待を複合的に探究している研究もなされていない。また、日々の 生活の困難さを単純集計する試みは散見されるが、その関連要因までを分析する試みは、 中川ら(2009)、矢次ら(2013)などごく限られている。 本研究では、以下の 3 点を目的とする。第 1 に、重症者を在宅で介護している親が将来、 高齢となり家庭での養育が困難になった場合、あるいは死別により養育できなくなった場 合の子の居場所や自分自身の将来についてどのような不安を持っているのかを質的調査で 明らかにすること、第 2 に、将来への期待をどの程度の深さと広がりをもって抱えている かを質的調査と量的調査で明らかにすること、第3に、親の生活状況を QOL で把握しその 関連要因を明らかにすることである。 さらに以上の 3 点を通じて、将来にわたり安心して地域で暮らすための、本人と介護者 およびその家族への支援策についての示唆を得ることを目的とする。 Ⅱ 研究方法 1.本研究の対象 本研究の対象地域は、全国的にみて重症者の福祉サービスが先進的であるといわれてい る横浜市とし、対象者は、重症者通所施設へ通う 18 歳以上の重症者の親とした。ここでい う「重症者」とは、「寝たきり」または「座れる」と同時に知的機能が IQ35 以下の重症者 である (大島分類による) 。なお、本研究は、日本福祉大学「人を対象とする研究」に関す る倫理委員会の承認を得て実施した。. 2.
(3) 2.質的研究の方法 1)対象と方法 まず対象者は、某重症心身障害者通所施設の保護者会にて、インタビュー協力のお願い をし、賛同を得られたことを確認した後、以下の手順で選定した。在宅の重症者を年代(20 歳未満、20 歳代、30 歳代、40 歳代以上)に分け、当施設の年齢層の割合に準じて 20 歳未 満 1 名、20 歳代 4 名、30 歳代 5 名、40 歳代以上 8 名を選定した。そして、グループホー ムから通所している利用者の数少ないケースをより詳しく知るために、インタビュー可能 な親 4 名にインタビューすることにした。抽出した対象者は表1に示す通りである。イン タビューは一人 30 分程度行った。 2)調査項目と分析方法 ①将来に対してどのように考えているか、 ②将来に対して不安に思っていることは何か、 ③将来はこうあってほしいという願いは何か、 ④どのような環境ならば子どもを安心して委ねられるか、 について半構造化面接を実施した。インタビュー記録を事例-コードマトリクスの形式で「将 来への不安」と「将来への期待」に整理した。 3.量的調査の方法 1)対象と方法 質的調査で得られた「将来への期待」に関する項目を含めた質問紙調査票を作成し、在 宅重症者の親の将来への思いと「生活の質(以下QOL)」を明らかにすることを目的に、無記 名、自記式の質問紙調査票を通所施設や重症者の親の会などを通じで配布し、郵送法によ って回収した。315部配布し138部の回答(回収率43.8%)があり、そのうちの122件の有効 回答を分析対象とした。 2)調査項目 (1)将来への思い 質的調査で整理した21項目の「将来への期待」について「全くそう思わない」から「と てもそう思う」までの4件法による質問項目とした。また、 「あなたは、お子さんの介護が 出来なくなった時、お子さんの生活する場所をどこにするか考えていますか」という質問 に対して、 「考えている」か「考えていない」かを選択し、 「考えている」を選択した場合 は、考えている場所を「入所施設」 「グループホーム」 「自宅以外のどこか」 「自宅」 「その 他」から選択(複数選択可)するようにした。 最後に、 「子の将来について考えていること(不安、希望、要望など)」についてを自由記. 3.
(4) 述とした。 (2)「QOL」とその関連要因として用いた項目 WHO-QOL26から抜粋した5件法による15の質問項目(身体的領域、心理的領域、社会的 関係、環境領域のサブスケールを含む)を設定した。 また、「QOL」の関連要因として用いた項目は以下の通りである。 対象者の属性としては、 「親の年代」 「職業」を用いた。 「性別」は1名を除いてすべて女 性であたったため除外した。 子の属性としては、「子の重症度」「性別」を用いた。「子の重症度」は超重症児スコア を利用した。そのほか子の年代は「親の年代」と相関が高い(r=.73、p<.001)ため除外 した。 「ソーシャル・サポート」は、中川ら(2009)が作成した提供者別(配偶者、配偶者以外 の同居家族、別居親族、友人・知人・近所の人、専門家・サービス機関)サポート量を参 考に設定した。4段階の情緒的サポートすなわち、心の支えに「全くなっていない」 「あま りなっていない」 「少しなっている」「とてもなっている」と、4段階の手段的サポート、 すなわち、あなたに代わって子どものお世話を「全くやらない」 「数時間やってくれる」 「日 中(朝9時から夕方6時くらいまで)やってくれる」「数日間やってくれる」を設定した。 情緒的サポートと手段的サポートについて「配偶者」 「配偶者以外の同居家族」 「別居の家 族」 「友人・知人・近所の人」 「居宅ヘルパー」 「訪問看護師」 「通所先の職員」に分けて尋 ね、 「(心の支えに)全くなっていない」 「(子どものお世話を)全くやらない」 「該当しない」 を0点、 「(心の支えに)あまりなっていない」 「(子どものお世話を)数時間やってくれる」を 1点、同様に「少しなっている」「日中やってくれる」を2点、「とてもなっている」「数日 間やってくれる」を3点として、提供者別に尺度を構成した。但し、自明であることから 「居宅ヘルパー」と「訪問看護師」を利用している場合は手段的サポートを1点(数時間 やってくれる)、「通所先の職員」は2点(日中やってくれる)とした。情緒的サポートと手 段的サポートの点数を単純加算し、提供者別にサポート量を算出した。すなわち、「配偶 者サポート」 「同居家族サポート」 「別居親族サポート」 「友人・知人・近所サポート」 「ヘ ルパーサポート」 「訪問看護師サポート」「通所職員サポート」である。 3)分析方法 「将来への期待」は単純集計し、各項目に対する期待の分布と高さを検証した。 「QOL」は単純集計するとともに国民平均値と比較した。そして「QOL」との関連要因に ついては、母親の属性、子の属性、7つの提供者別ソーシャル・サポートとの関連性につ いてPearsonまたはKendallのタウbの相関係数を算出して検討した。その後、QOLおよび そのサブスケールである「身体的領域」 「心理的領域」 「社会的関係」 「環境領域」を従属変 数とし、上記の母親の属性、子の属性、7つの提供者別ソーシャル・サポートを独立変数. 4.
(5) とした重回帰分析を行った。 なお、これらの統計分析には、SPSS for Windows Ver.23.0を用いた Ⅲ 結果 1.将来への「不安」について 半構造化面接での、①将来に対してどのように考えているか、②将来に対して不安に思 っていることは何か、に関するインタビュー記録を事例-コードマトリクスの形式で整理し た。(表2) 将来に対する「不安」のほかに「葛藤(ジレンマ) 」「あきらめ」といったマイナスな思い だけでなく、 「前向きな思い」があることが分かった。 ただし、 「前向きな思い」は、インタビュー後半に語られることが多かった。対象者が不 安や葛藤などいわゆる「負の思い」を吐露したことによって、気持ちが落ち込んでしまっ た状態を上向きにさせるために自らへ言い聞かせるように、前向きな思い(すなわち「正 の思い」 )を語っているとも考えられる。 2.将来への「期待」について 1)質的調査結果 半構造化面接での、③将来はこうあってほしいという願いは何か、④どのような環境な らば子どもを安心して委ねられるか、に関するインタビュー記録を事例-コードマトリクス の形式で整理した。 将来への期待は、 「人」「場所」 「制度」に対する期待の3カテゴリに分けられた。 (表3) これらの将来への期待については、インタビュー対象者以外の親はどのように思ってい るのかを質問紙調査の質問項目に流用して検証した。 2)量的調査結果 (1)分析対象者の属性、および特性 年代は、40歳代から70歳代以上のうち50歳代が48%を占め、性別では男性が1名と女性 が圧倒的に多く、職業は85%が無職であった。子の年齢は18歳から40歳代のうち20歳代が 52%を占め、 「超重症者」が14%「準超重症者」が25%で4割近くが何かしらの医療的ケアの 必要な状態であった。 (2)「将来への期待」の高さと広がり 平均値3.8以上の高い期待となったのは、 「介護員を増やす制度」 「体調管理をしてくれる 人がいる」 「お子さんのことを親身になって考えてくれる人がいる」「医療的ケアの出来る 介護員を増やす制度」など7項目であった。子を支えてくれる人への期待、支えてくれる人 を増やす制度への期待、そして医療面の充実への期待の高いことが示された 。(表3). 5.
(6) (3)子の将来の居場所について 子の将来の居場所を「考えている」と答えるのが 40 歳代は 50%、50 歳代は 63.8%、60 歳代は 75.9%、70 歳代以上では 100%と年代とともに子の将来について考えていた。親の 年齢と弱い順位相関(r=.23、p<.005)の関係にあることがわかった。将来の子の居場所は、 療養型入所施設が 55 名、 グループホーム/ケアホームが 50 名でこの 2 施設に集中しており、 療養型入所施設のみを選択したのが 28 名、グループホーム/ケアホームのみを選択したの が 22 名、両者を選択したのが 27 名となった。(図1) 3.「生活の質」について 1)QOLの特徴 全国平均との有意差は認められなかったが、身体的、心理的、環境的領域の値は低く、 社会的関係のうち人間関係の項目のみ全国平均より高かった。(表4) 特に「3)体の痛みや不快感のせいで、しなければならないことがどのくらい制限されてい ますか」は全国平均より大幅に低い値を示していた。そのなかで、 「11)人間関係に満足して いますか」は全国平均よりもやや高いという結果が示された。 「14)医療施設や福祉サービス の利用しやすさに満足していますか」も全国平均よりもやや高いという結果が示された。 また、領域別年代別でみると、高年齢層ほど QOL が高く、70 歳代はすべての領域にお いて「QOL」が高かった。国民平均値においても「身体的領域では、50 歳代は 20 歳代、 30 歳代より有意に高い結果となった」とあり、本調査でも、40 歳代よりは 50 歳代、60 歳 以上のほうが高いという傾向にあることが示された。(表5) 2)ソーシャル・サポートの特徴 情緒的サポートは、配偶者(2.14±1.16)と通所先職員(2.31±0.80))のポイントが高かった。 特に通所先職員の標準偏差は低くばらつきが少ないのが特徴的であった。(表6). 3)QOLとの関連要因 分析に用いた変数間の相関係数、変数の平均値、標準偏差を表7に示す。さらに、QOL の合計値とその下位尺度である「身体的領域」 「心理的領域」 「社会的関係」「環境領域」を 従属変数とし、親の属性、子の属性、ソーシャル・サポートを独立変数として投入した重 回帰分析の結果、および従属変数と独立変数の相関関係数を表8に示す。 (1)QOL 有意な相関関係が見られたのは、「配偶者サポート」「別居家族サポート」「友人・知人・ 近所サポート」であったが、重回帰分析の結果からは「配偶者サポート」のみ有意な正の 関連を持っていた。. 6.
(7) (2)身体的領域 有意な相関関係は認められなかった。 (3)心理的領域 有意な相関関係がみられたのは、 「配偶者サポート」 「別居家族サポート」 「友人・知人・ 近所サポート」であったが、重回帰分析の結果からは有意な関連性は認められなかった。 (4)社会的関係 有意な相関関係がみられたのは、 「友人・知人・近所サポート」のみであり、重回帰分析 の結果からも「友人・知人・近所サポート」のみ有意な正の関連を持っていた。 (5)環境領域 有意な相関関係がみられたのは、 「配偶者サポート」 「別居家族サポート」 「友人・知人・ 近所サポート」 「職員サポート」であったが、重回帰分析の結果からは「配偶者サポート」 のみ有意な正の関連を持っていた。 Ⅳ 考察 1.医療の担い手と医療施設への期待 質的調査では、ほとんどの親が医療に対する不安、期待、要望を挙げていた。 量的調査では、対象者のうちの 4 割近くが胃ろう、腸ろう、気管切開、導尿、呼吸器な どの医療的ケアを必要とする状態であり、年齢とともにさらに医療的ケアが必要となる場 合も多く、医療に対する問題は身近な問題である。 質的調査では、 「親に代わって医療的ケアを担う人がいるのかどうか」という不安と、 「小 児科から卒業させられた重症者にとって、将来にわたり安心して頼れる医療機関が存在し ないのでは」という不安が挙げられた。 量的調査においても、将来子の周りにいてほしい人として医師は「とてもそう思う」と 「ややそう思う」を合わせると 95%を占め、看護師は 96%を占めている。また、将来の暮 らしに望まれる制度として小児科の受け皿となる新たな診療科設立の制度も同様に 95%を 占めている。このことからも、質的調査で得られた医療に対する不安は、多くの重症者の 親にとって切実な問題であることが分かる。 重症者は、体調の変化を自らが伝える事が出来ないこともあり、悪化してから周囲が気 づくということも少なくない。抵抗力も低く風邪をひくとすぐに肺炎となり入院する場合 も珍しくない。 このように、常に体調の変化を気にしながら医療的ケアを日々行っている親にとって、 自分がいなくなった時、自分に代わってこれらのことをやってくれる人がいてくれること を期待している。長年本人とかかわってこなければ得られないノウハウが必要なので、単 に人を割り当てるだけでは実現できない。しかし、質的調査で「施設 A の職員がいるから 大丈夫」 「施設 A の看護師さんが何かあったら駆けつけてくれる」と話しているように、親 でなくとも長年重症者と関わることで、親に代わって本人を支えていかれる存在になりう. 7.
(8) ると親たちは期待している。 一方、体調が悪化した際の入院先の病院の問題については、深刻な問題である。量的 調査においても、 「何かあったときに入院させてもらえる病院との連携が密な施設」に対し て 99%が「とてもそう思う」または「ややそう思う」と肯定的にとらえており、 「小児科の 受け皿となる新たな診療科設立の制度」に対しては同様に 95%が肯定的にとらえている。 二十歳までは、小児科で全面的に手厚い医療で支えられ成人を迎える事ができたが、そ れ以降は病院側から婉曲に、場合によっては強制的に小児科から出されてしまい、 「かかり つけ医」を親が自力で探さなければならなかった親は多い。信頼のおける「かかりつけ医」 を見つける事ができたとしても、それが診療所の医師の場合は、まさかの時の入院先を見 つけておく必要がある。成人の重症者は全体の人口に比べればきわめて少数であり、重症 者の治療を数多くこなしている病院も小児科以外の診療科ではきわめて少数しか存在しな い。このような状況でもし救急車搬送されることになったら、子は適切な治療をしてもら えるのかと不安に思うわけである。 以上のように、医療に対する重要度は高く、量的調査においてもグループホームや一人 暮らしをさせるかどうかの判断には、まずわが子が健康に暮らしていかれるための医療環 境が整っていることが最優先事項であった。それが整っていなければいかに生活面で充実 していたとしても無理だと判断し療養型施設にはいるしかないと考えている。生活面でも 充実した暮らしをさせたいと思ってはいるが、それよりもまず子の命にかかわる部分であ る医療面は絶対必要条件であり、それに対する期待は大きい。 2.周囲のサポートと前向きな気持ちとの関係 すべての重症者の親が、将来に対して不安に思っているとは限らず、 「○○に任せておけ ば安心」 「いざとなったら、○○が何とかしてくれる」 、 「だから心配していない」と答える 親が存在する。自分(親)と同様に、子の状態や子がどのようなことを望んでいるかなどを理 解している人の存在は、重症者や親にとって心強い存在である。そして、組織の中の人間 がそのような存在であるということで、組織的に継続的にその存在であり続けられるとい うことも安心感を持つ要因であると考えられる。さらに、配偶者や家族の支援、通所先の 職員の示唆、あるいは親の会での説得力のある励ましなどが、不安な気持ちを安心感へと 変えている。すなわち、こうした周囲のサポートがあることで、マイナスな気持ちから前 向きな気持ちへと変える事ができことを示している。 また対象者の QOL と「配偶者サポート」 「別居家族サポート」 「友人・知人・近所サポー ト」とが相関関係にあった。質的調査のインタビューでは配偶者について言及する事例は 多くはなかっただけに、配偶者の支えが対象者の QOL を高めている傾向にあることが統計 的に示されたことは意味のあることと考える。配偶者からの支援が強要ではなく自発的な ものであり、日々の生活の中でごく自然に執り行われている姿が想像される。一方、同じ ような境遇の母親の支えに感謝していると答える親は多く、ピアサポートの重要性が示唆. 8.
(9) された。 このように配偶者、施設の職員、親の会など、周囲のサポートは、不安や葛藤と言った マイナスな気持ちを前向きに変えていく力を持っている。今後も、周囲の支援が重症者の 親の日々の生活の質を高め、将来へ前向きに進んでいくための力を与える重要な支えとな っていくと考えられる。 3.本研究の限界と今後の課題 本研究の意義は、第一に従来の不安のみならず、期待の把握と解明が出来た点、第二に 医療との密接な関わり、すなわち医療が重症者にとって必要不可欠の要素であることを統 計的にも検証できた点、第三に配偶者など周囲の人々が重症者の親の QOL を高めたり不安 を安心に変えるような重要な役割を担っていることを明らかにした点、そして第四に将来 の重症者の地域生活を支える仕組みづくりの方向性を検討する際の科学的基礎資料として 期待できる点である。 研究の限界は、今回の対象地域を横浜市のみという一地域の事例としており、調査結果 の一般化までには至っていない点である。先進的な地域に限らず様々な地域での調査が今 後の課題である。また実践の場では、重症者を地域で支えていくコミュニティ作りやその 維持の方策について継続した研究が期待される。 本研究の一部は、公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団の助成を受けて行われた。 謝辞. 調査にご協力いただきました対象者の皆さま、関係機関の皆さまに深く感謝いた. します。. 9.
(10) 図表 表 1 インタビュー実施一覧. No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18. 子の年代 子の性別 40代 女性 40代 女性 40代 女性 30代 男性 20代 女性 20代 男性 30代 男性 40代 男性 30代 女性 40代 女性 30代 女性 40代 男性 40代 女性 30代 男性 10代 男性 30代 男性 40代 男性 20代 男性 合計. 子の居住地 グループホーム グループホーム 在宅 在宅 在宅 在宅 在宅 在宅 在宅 在宅 在宅 グループホーム グループホーム 在宅 在宅 在宅 在宅 在宅 7時間30分. 10. 実施日 2014/2/25 2014/2/25 2014/2/25 2014/2/25 2014/3/3 2014/3/3 2014/3/13 2014/3/13 2014/3/13 2014/3/13 2014/3/13 2014/3/17 2014/3/17 2014/3/18 2014/3/18 2014/3/20 2014/3/25 2014/4/7 平均. 時間 10分 10分 15分 15分 30分 30分 10分 10分 10分 30分 30分 30分 30分 20分 20分 40分 50分 60分 25分.
(11) 表 2 将来に対する不安の構成 大項目. 中項目. 小項目 健康状態へ の不安. 医療機関・ 医療的ケアへ の不安. 子の将来への不安 入所施設・ ケアホームへ の不安. 不安. 生活への不安 金銭、経済 仕組み、制度 への不安. 健康状態へ の不安. 親の将来への不安 生活への不 安. 子離れしなくてはいけないができな い自分. 具体的表現 今は安定しているけれど、何があるかわからないので予断は許さない 体調ってある日突然ガタガタって落ちてくる 気管切開するとは思ってもみなかった、この先胃ろうになるのかな いつかは医療的ケアが必要になるのだろう 自宅から救急車で運ばれた時、かかっていた病院には断られ、少し遠くの縁の無い病 院に入った。これがケアホームで起きると心配 小児科の無い病院は、ウチの子のようなケースに慣れていない。検査用の血液さえも 採取できない(技術が無い)のが心配。 主治医の先生がお元気なうちはいいけれど、その後先生のように親身に看てくれる医 者がいてくれるかどうかわからない。 大人になると小児科を出されてしまう。本人はしゃべれないので、顔色や状態を見て 判断をする小児科の医師が持っているスキルが必要なのに 夜間に看護師がいない施設は不安 母親以外に医療的ケアができるかどうかはとても不安 けいれん発作の薬の量と生活のリズムとのバランスが難しい。医者は薬を増やすこと しかしないので医者任せにはせず、少なくする努力を母がしている ケアホームで手がないために体調を崩しているケースを聴くとちょっと入れたくないな と思う 入所施設での虐待などいやなニュースをきくと不安になる 交通の便の悪いところだと、将来自分が車を運転できなくなったとき、会いに行かれな くなってしまわないか 親が望むこととグループホームでやれることとのギャップを感じる ケアホームに入って、何年か年を重ねるに従って医療的ケアが必要になってきた場 合、追い出されたいしないだろうか いいヘルパーさんはよそへいってしまう 子どもも親元を離れた新しい環境に慣れるまでは大変なんだと思う 医療的ケアがある子どもをグループホームへ入れようとするとお金がかかるのではな いか。 今は子どもの障害者年金と生活保護でなんとか経済的に自立はできているが、この 先、生活保護の制度などが厳しくなって兄弟姉妹へ負担がかかるようなことにならな いか 今ある補助が永遠に続くかどうかもわからない 自分の体調によって子の将来への思いも変わる、弱気になる ひざに爆弾をかかえているので、突然子どもの介護ができなくなる可能性がある 他のお母さんも突然けがで介護ができなくなり、離れたくないけれど離れなければな らない、泣く泣く子を入所させた姿を見た。つらい気持ちがとてもよくわかる 60歳を超えると、夫の病気、自分の病気、等色々とでてくる お父さんが最近手術して、子どもの介護(抱きかかえ等)ができなくなって私一人だけ では、子どもの介護は厳しい 60歳くらいになると5年後、10年後がだいたい見えてくるかな 子ども中心の生活だったので、子をケアホームへ入れた後、近所とのつながりが無い ことに気付いた いままで地域との付き合いは余裕が無くてできていなかった 子どものためだけでなく、自分たちの老後も含めて考えなければならない 子育でのころは、兄弟(姉妹)には我慢させていた。将来の面倒は兄弟(姉妹)にはか けたくない 二世帯(息子家族と同居)だけど、子どもの介護があったから息子家族との適度な距 離が保てていたが、子どもが入所してしまうと息子家族との距離感が不安、うまくやっ ていけるだろうか 親子3人で暮らしていきたいが、いつまでも元気では無いので、元気なうちに何とかし たいとは思っている 元気なうちから将来のことを考えておかなければとは思うけれど、子離れができない. 葛藤. ケアホーム希望をしておいて、いざ声がかかったときにどうするか悩む、まだ家で看た いと思うかも 自分が見れるうちは家でみたいと思う 今考えていても状況が変われば考えも変わるのではないか 医療があるからグループホームは無理 健康状態が厳しいので無理だと思う 希望する暮らしは無理 医療ケアが必要で、重症だと療養型入所施設しか行き先が無い 「グループホームに入りたい」と手を挙げてもいろんな条件、制限があって受け入れて くれないじゃないかと思っている あきらめ 今ある施設が理想じゃないけど仕方ないという選択 今無いところをこうだったらいいなって言っていてもしょうがない、無い物ねだり どうせ考えたってなるようにしかなら 入れてもらえるところに入るしかないと思っている ない 今でも入れたいけど空きがない 入所を受け入れてもらえるかどうかは、ごねた者勝ちってところもある。 入所先の施設に、家庭と同じことをやってもらおうと思うのは無理 施設やケアホームなどへ住まわせ るタイミングに悩む. 11.
(12) 表 2 将来に対する不安の構成(続き) 大項目. 中項目. 小項目. 自己肯定感 信頼感 安心や前 向きな思 い 感謝の気持ち. 通所先職員 への感謝の 気持 ピアサポート への感謝の 気持ち. 表 3. 具体的表現 若いころ沢山遊んで楽しんだので、今はそれができなくてもそんなにつらくない 人の幸せはお金とかそういうものではない、客観的に見て恵まれた生活をしているよ うに見えても実際はそうではないこともある 何かあったときに、通所先だったらなんとかしてくれるっていう安心感はある 体調が悪くなっても、通所先の看護師さんが駆けつけてくれるから心強い 職員が家に来てくれてヘルパーへ抱き方などを伝授してもらった。ありがたい 体調が悪くなったときすぐ分かってもらえるのは安心。自分で歯を磨いてもわかんない ところまでよく、見てくださってるからありがたいわ 職員さんが「今度どこ行こうか」っていって、本人交えて話してくれる。親はそのときも ノータッチです ドクター以上に他のお母さんから教えられることが多かった 自分が鬱になりそうになったとき、お母さんが色々声をかけてくれて感謝している. 「将来への期待」の分布、評定値. (N=122) 評定値 回答の分布(%) 平均値 全くそう あまりそ ややそう とてもそう (標準偏差) 思わない う思わな 思う 思う い. 将来の「子の望ましい居場所」. 「人」に対する期待 主治医が常にいてくれる(又は、すぐに来てくれる) 3.57( .62) .83 4.13 32.23 62.81 看護師が常にいてくれる(又は、すぐに来てくれる) 3.65( .58) .83 2.50 27.50 69.17 体調管理をしてくれる人がいる 3.87( .36) .00 .83 11.57 87.60 お子さんの気持ちを読み取れる人がいる 3.84( .41) .00 1.69 12.71 85.59 お子さんのことを親身になって考えてくれる人がいる 3.87( .34) .00 .00 13.45 86.55 「場所」に対する期待 実家(両親の家)から近い場所 3.58( .61) .85 3.42 32.48 63.25 保養地のように静かで、自然豊かな場所 2.37( .81) 12.17 46.96 32.17 8.70 10人以上の利用者がいる大規模な施設 2.48( .87) 12.39 39.82 35.40 12.39 5,6人の利用者からなる小規模な施設 2.94( .78) 4.50 19.82 53.15 22.52 何かあったときにお子さんを入院させてもらえる病院と 3.84( .43) .84 .00 13.45 85.71 の連携が密な施設 散歩や買い物など気軽に外出ができる施設 3.47( .70) 1.69 6.78 33.90 57.63 旅行や遠出などのイベントを実施している施設 3.07( .83) 1.71 25.64 36.75 35.90 地域の行事に参加したり地域との交流に積極的な施設 3.17( .80) 2.54 16.95 41.53 38.98 家族が気軽に会いに行ける施設 3.81( .49) .85 1.69 13.56 83.90 高齢者(親)と障害者(子)が一緒に暮らせる施設 3.19( .95) 5.93 18.64 25.42 50.00 障害者と同年代の健常者とが助け合ってくらせるシェア 2.62( .89) 9.40 36.75 35.90 17.95 ハウスのような施設 「制度」に対する期待 生活保護を受けなくても生活できるような制度 3.63( .60) .00 5.93 25.42 68.64 介護員を増やす制度(介護員の待遇改善のような制度) 3.87( .36) .00 .84 10.92 88.24 医療的ケアのできる介護員を増やす制度 3.85( .38) .00 .84 13.45 85.71 地域での暮らしを実現するグループホーム/ケアホームを 3.60( .64) .00 8.40 23.53 68.07 増やす制度 小児科の受け皿となる新たな診療科設立の制度 3.73( .55) .00 5.08 16.95 77.97 評定値:1「全くそう思わない」、2「あまりそう思わない」、3「ややそう思う」、4「そう思う」 平均値が3.8以上を下線で表示. 12.
(13) 図 1 将来の居場所(将来子の居場所を「考えている」と回答した 78 名の内訳). 表 4. WHO-QOL26 平均値一覧. (N=122). 1) 2) 3) 4) 5) 6) 7) 8) 9) 10) 11) 12) 13) 14) 15). 項目 全体的なQOL 全体的な健康状態 身体的領域:痛みや不安 身体的領域:医薬品と医療への依存 身体的領域:活力と疲労 身体的領域:睡眠と休養 心理的領域:肯定的感情 心理的領域:自己評価 心理的領域:否定的感情 社会的関係:人間関係 社会的関係:社会的支援 環境領域:金銭関係 環境領域:余暇活動への参加と機会 環境領域:健康と社会的ケア:利用しやすさ 環境領域:交通手段. 13. 本研究の対 象者平均 (標準偏差) 3.17( .75) 2.75( .98) 2.54(1.14) 3.76(1.11) 3.13( .81) 2.58(1.04) 3.05( .83) 2.99( .85) 3.32(1.11) 3.39( .62) 3.30( .67) 2.74( .81) 2.52( .72) 3.00( .86) 3.09( .92). 全国 平均 (標準偏差) 3.18( .72) 3.03( .87) 4.05( .97) 4.04( .93) 3.60( .86) 3.12( .95) 3.31( .83) 3.05( .87) 3.61( .96) 3.22( .83) 3.44( .78) 2.87( .92) 3.08( .97) 2.84( .80) 3.40(1.02).
(14) 表 5 親の年代 40歳代以下. 平均値 標準偏差 平均値 標準 偏差 平均値 標準 偏差 平均値 標準 偏差 平均値 標準 偏差. 50歳代 60歳代 70歳代 合計. 表 6. 年代別領域別 QOL 平均値一覧. 身体的領域別 心理的領域別 社会的関係別 環境領域別QOL QOL平均値 QOL平均値 QOL平均値 平均値 2.96 3.04 3.22 2.93 0.52 0.77 0.62 0.51 3.00 3.12 3.38 2.73 0.44 0.69 0.57 0.60 2.99 3.09 3.29 2.93 0.44 0.78 0.55 0.52 3.07 3.52 3.64 3.04 0.53 0.33 0.48 0.49 3.00 3.12 3.34 2.84 0.46 0.72 0.57 0.56. QOL平均値 2.99 0.44 3.00 0.44 3.04 0.46 3.25 0.36 3.02 0.44. 「ソーシャル・サポート(情緒的サポート)」提供者別一覧. 配偶者. 回答の分布(%) 評定値 平均値 全くなっていな あまりなってい とてもなってい 少しなっている (標準偏差) い/いない* ない る 2.14(1.16) 18.33 5.83 19.17 56.67. 配偶者以外の同居家族. 1.42(1.27). 40.68. 4.24. 27.97. 27.12. 別居の家族. 1.47(1.15). 31.90. 11.21. 35.34. 21.55. 友人. 1.88(0.97). 14.78. 9.57. 48.70. 26.96. 居宅ヘルパー. 1.28(1.31). 46.90. 5.31. 20.35. 27.43. 訪問看護. 0.92(1.24). 61.74. 2.61. 17.39. 18.26. 施設職員. 2.31(0.80). 4.31. 7.76. 40.52. 47.41. *. 該当しない場合も含む. 14.
(15) 表 7 分析に用いた変数間の相関係数 1)、変数の平均値、標準偏差 1. 1 QOL 2 身体的領域 3 心理的領域 4 社会的関係 5 環境領域 6 年代 7 同居 8 家族数合計 9 子の性別 10 超重症児スコア 11 配偶者サポート 12 同居家族サポート 13 別居家族サポート 14 友人・知人・近所サポート 15 ヘルパーサポート 16 訪問看護サポート 17 職員サポート 平均値 標準偏差. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. 15. 16. .691**. 1. .461**. .840**. .461**. 1. .657**. .298**. .535**. 1. .769**. .379**. .486**. .414**. 1. .111. .088. .084. .076. .042. 1. .138. .122. -.006. -.018. .046. .315**. 1. .040. .049. -.022. .012. .106. -.125. -.104. 1. .075. .078. -.019. -.024. .145. .067. .092. .099. 1. .026. -.057. .079. .124. -.001. -.069. .159. .056. -.076. 1. .273**. .067. .235**. .179. .351**. -.166. -.167. .305**. .015. .051. 1. .049. .046. .047. .152. .018. -.101. .000. .481**. .112. .006. .162. 1. .238**. .104. .231*. .102. .249**. -.068. -.047. -.163. .074. .028. .172. .076. 1. .248**. .034. .217*. .367**. .245**. -.045. -.092. -.002. -.055. .120. .255**. .108. .360**. 1. .043. .040. -.002. .044. .103. .012. .008. -.209*. .097. .012. -.032. -.132. .181*. .249**. 1. .019. .033. .022. .101. .022. -.048. .081. -.009. -.121. .440**. .031. -.024. -.005. .248**. .308**. 1. .110. -.032. -.030. .146. .212*. .045. .113. -.031. -.089. .162. .147. .024. .079. .329**. .319**. .273**. 17. 1. 45.47. 1. 12.01. 9.34. 6.70. 11.37. 4.24. 1.07. 2.61. 1.45. 10.75. 3.39. 1.88. 1.78. 1.95. 1.69. 1.24. 4.05. 6.80 1.90 **. 相関係数は 1% 水準で有意 (両側) です。 *. 相関係数は 5% 水準で有意 (両側) です。 1) Pearsonの相関係数. 2.21. 1.13. 2.24. 0.86. 0.25. 0.93. 0.50. 11.16. 2.02. 1.73. 1.57. 1.30. 1.78. 1.69. 1.37. 15.
(16) 表 8 QOLおよびそのサブスケールの合計得点を従属変数にした重回帰分析の結果 β 親の属性 年代 同居有無 家族数合計 子の属性 子の性別 超重症児スコア ソーシャルサポート 配偶者サポート 同居家族サポート 別居家族サポート 友人・知人・近所サポート ヘルパーサポート 訪問看護サポート 職員サポート R R2 adjusted R2. QOL γ 1). β. 身体的領域 γ 1). β. 心理的領域 γ 1). β. 社会的関係 γ 1). β. 環境領域 γ 1). .107 .157 .042. .111 .138 .040. .066 .135 .051. .088 .122 .049. .149 .002 -.058. .084 -.006 -.022. .142 -.024 -.064. .076 -.018 .012. .061 .087 .119. .042 .046 .106. .049 -.025. .075 .026. .031 -.112. .078 -.057. -.042 .078. -.019 .079. -.002 .101. -.024 .124. .120 -.052. .145 -.001. .236* -.028 .164 .153 -.006 -.017 .000 .414 .171 .074. .273** .049 .238** .248** .043 .019 .110. .061 .042 .097 -.014 .055 .082 -.092 .238 .056 -.050. .067 .046 .104 .034 .040 .033 -.032. .225 .026 .160 .155 -.023 -.013 -.141 .389 .152 .055. .235** .047 .231* .217* -.002 .022 -.030. .129 .121 -.028 .353** -.047 -.005 .015 .450 .203* .112. .179 .152 .102 .367** .044 .101 .146. .278** -.113 .178 .096 .021 -.021 .132 .467 .218** .129. .351** .018 .249** .245** .103 .022 .212*. *. p<0.5、 **p<0.1 1) Pearsonの相関係数. 16.
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(20) 財団法人日本訪問看護振興財団(2008)「重症心身障害児者の地域生活支援のあり方に関する 調査研究事業」厚生労働省障害者保険福祉推進事業. 善生まり子(2005)「重症心身障害児(者)と家族介護者の在宅介護ニーズと社会的支援の検討」 埼玉県立大学紀要. Vol.7, 51-58.. 20.
(21) <感想> かねてより、重症者の親が子の将来に対して漠然とした不安を持っている姿を目にし、 その漠然とした不安は何なのか、そしてその不安を取り除くために将来はどうあればよい のか、自問自答していた時期があり、今回それを定性的、定量的に把握することができた ことは大変有意義であった。 また、インタビューやアンケートに対して多くの重症者の親と通所先施設の職員が快く 協力いただけたことは大変ありがたかった。本研究に対する期待であると受け止め、今後 も本研究テーマを掘り下げていくとともに、行政への政策提言や実践の場での研究にも取 り組んでいきたい。. 以上. 21.
(22) <参考資料1>. 「重症心身障害者の母親が抱える将来への思い」 に関するアンケート Ⅰあなたご自身についておききします 問1. あなたの年齢は次のうち、どこにあてはまりますか。(1つ選ぶ) 1 20 代 2 30 代 3 40 代 4 50 代 5 60 代 6 70 代以上. 問2. あなたの性別を教えて下さい。(1つ選ぶ) 1 男性 2 女性. 問3. あなたの職業を教えて下さい。(1つ選ぶ) 1 パート/アルバイト 2 自営業 3 公務員 5 無職(専業主婦(夫)を含む). 4. 会社員. 6 その他( 問4. ). お子さんの介護を始めてどのくらいになりますか。(1つ選ぶ) 1 10 年未満 2 10 年~20 年未満 3 20 年~30 年未満 4 30 年~40 年未満 5 40 年~50 年未満 6 50 年以上. Ⅱお子さんのことについておききします 問5. 問6. お子さんの年齢は次のうち、どこにあてはまりますか。(1つ選ぶ) 1 18 歳未満 2 18 歳~19 歳 3 20 代 4 30 代 5 40 代 6 50 代以上 お子さんの性別を教えて下さい。(1つ選ぶ) 1 男性. 2. 女性. 問7 お子さんの障害者手帳と愛の手帳に記載された障害の程度を教えて下さい。 (1)身体障害者手帳(1つ選ぶ) 1 1級 2 2級 3 3級 4 取得していない (2)愛の手帳(1つ選ぶ) 1 A1. 2. A2. 3. B1. 4 1/11. B2. 5 取得していない.
(23) <参考資料1>. 問8. 障害者総合支援法による障害程度区分について、認定された区分を教えて下さい。 (1つ選ぶ) 1 区分6 2 区分5 3 区分 4 以下 4 申請していない. 問9. お子さんの重症度(超重症児スコア)についておききします。以下の表で「はい」 か「いいえ」どちらかの欄に○をしてください。. No.. 質問内容. はい. いいえ. 立てる. 1. 0. 座れる. 1. 0. (1) 運動機能. (2) 判定スコア (スコア) ①. 呼吸器(レスピレーター、バイパップ)を使用している. 1. 0. ②. 気管内挿管または気管切開している. 1. 0. ③. 鼻咽頭エアウェイを装着している. 1. 0. 1. 0. 吸引の頻度は1回/時間以上である. 1. 0. 吸引の頻度は6回/日以上である. 1. 0. ⑥. ネブライザを 6回以上/日または継続使用している. 1. 0. ⑦. 中心静脈栄養法(IVH)をしている. 1. 0. ⑧. 食事は 全介助での経口摂取である. 1. 0. 食事は経鼻または胃ろう栄養である. 1. 0. 食事は腸ろう・腸管栄養である. 1. 0. 腸ろう・腸管栄養時、持続注入ポンプを使用している. 1. 0. 1. 0. ④ ⑤. ⑨. ⑩. 酸素吸入している、または SpO2 90%以下の状態が 2.5 時間/日以上ある. 手術・服薬にても改善しない過緊張で、発汗による更衣と姿 勢修正を3回/日以上行っている. ⑪. 継続する透析(腹膜灌流を含む) をしている. 1. 0. ⑫. 定期導尿を3回/日以上行っている. 1. 0. ⑬. 人工肛門 である. 1. 0. ⑭. 体位交換 6 回/日以上行っている. 1. 0. 2/11.
(24) <参考資料1>. Ⅲご家族や支援して下さる方々についておききします 問10. あなたは現在お子さんと同居されていますか。(1つ選ぶ) 1 同居している. 2. 同居していない. 問11 ご家族の構成をおききします 以下の図から、あなたと同居しているご家族すべてを○で囲んでください。なお、続 柄はお子さんを「本人」としたときの続柄とさせていただきました。 表示されている以外のご家族と同居されている場合は、余白へ追記ください。. 問12 あなたの周りの方々が、どの程度あなたの心の支えになっているかについてお ききします。周りの方々は、あなたの心配ごとをきいてくれたり、元気づけてくれ たり、あるいはほっとさせてくれたりしていると思いますか。あてはまるところに ○をつけてください。該当する方がいない場合は「いない(該当しない)」に○をつ けてください。(それぞれ1つ選ぶ) 心の支えに 周りの方々. 全くなって. あまりなって. 少しなって. とてもなって. いない. いない. いない. いる. いる. (該当しない). 配偶者. 1. 2. 3. 4. 5. 配偶者以外の同居家族. 1. 2. 3. 4. 5. 別居の家族. 1. 2. 3. 4. 5. 友人・知人・近所の人. 1. 2. 3. 4. 5. 居宅ヘルパー. 1. 2. 3. 4. 5. 訪問看護. 1. 2. 3. 4. 5. 施設職員. 1. 2. 3. 4. 5. 3/11.
(25) <参考資料1>. 問13 あなたの周りの方々が、どの程度あなたに代わってお子さんのお世話をしてく れているかについておききします。以下の中からもっともあてはまるところに○を つけてください。該当する方がいない場合は 「いない(該当しない)」に○をつけ てください。(それぞれ1つ選ぶ) あなたに代わって子どものお世話を 日中(朝 9 時. 周りの方々. 全くやって. 数時間なら. ~夕方 6 時くら. 数日間. いない. くれない. やってくれる. いまで)なら. やってくれる. (該当しない). やってくれる. 配偶者. 1. 2. 3. 4. 5. 配偶者以外の同居家族. 1. 2. 3. 4. 5. 別居の家族. 1. 2. 3. 4. 5. 友人・知人・近所の人. 1. 2. 3. 4. 5. 4/11.
(26) <参考資料1>. Ⅳあなたの生活の質(QOL)についておききします 問14. あなたの生活の質(QOL)についてお聞きします。 (これは WHO(世界保健機構)が開発. した QOL 調査項目(一部抜粋)抜粋です). 次の 1)~15)の各質問について、過去 2 週間の生活の中で、あなたの望んだこと、喜ん だこと、関心を持ってもらえたことを思い出して下さい。一問ずつ読んでご自分の気持 ちを振り返りながら、もっともふさわしいと思われるところへ○を付けて下さい。 もし、どの答えが自分にあてはまるのかはっきりしない時は、その中で最もあてはま ると思うものを選んでください。(それぞれ1つ選ぶ) 1). 2). 自分の生活の質をどのよ うに評価しますか. まったく悪い. 悪い. ふつう. 良い. 非常に良い. 1. 2. 3. 4. 5. 自分の健康状態に満足し ていますか. まったく不満. 不満. どちらでもない. 満足. 非常に満足. 1. 2. 3. 4. 5. 次は、過去 2 週間にあなたが、どのくらい経験したか、あるいはできたかについてお ききします。 まったくない. 少しだけ. 多少は. かなり. 非常に. 1. 2. 3. 4. 5. 4). 毎日の生活の中で治療 (医療)がどのくらい必要 ですか. 1. 2. 3. 4. 5. 5). 毎日の生活の中でどのく らい楽しくすごしています か. 1. 2. 3. 4. 5. 6). 毎日の生活を送るための 活力はありますか. 1. 2. 3. 4. 5. 7). 必要なものが買えるだけ のお金を持っていますか. 1. 2. 3. 4. 5. 8). 余暇を楽しむ機会はどの くらいありますか. 1. 2. 3. 4. 5. 3). 体の痛みや不快感のせ いで、しなければならない ことがどのくらい制限され ていますか. 5/11.
(27) <参考資料1>. 次は、過去 2 週間にあなたが、どのくらいできたか、または満足したかについてお聞 きします。. 9). 睡眠は満足のいくもので すか. まったく不満. 不満. どちらでもない. 満足. 非常に満足. 1. 2. 3. 4. 5. 10). 自分自身に満足していま すか. 1. 2. 3. 4. 5. 11). 人間関係に満足していま すか. 1. 2. 3. 4. 5. 1. 2. 3. 4. 5. 医療施設や福祉サービス 13) の利用しやすさに満足し ていますか. 1. 2. 3. 4. 5. 周辺の交通の便に満足し ていますか. 1. 2. 3. 4. 5. 12). 14). 友人たちの支えに満足し ていますか. 最後に、過去 2 週間にあなたが、どのくらい頻繁に経験したかをお聞きします。 15) 気分がすぐれなかった り、絶望、不安、落ち込み といったいやな気分をど のくらい頻繁に感じます. まったく 感じない. 少し感じる. 多少は感じる. かなり感じる. 非常に感じる. 2. 3. 4. 5. 1. か. 6/11.
(28) <参考資料1>. Ⅴお子さんの将来への思いについておききします 問15 あなたは、お子さんの介護ができなくなった時、お子さんの生活する場所をど こにするか考えていますか。(1つ選ぶ) 1. 考えている 3 その他(. 2. まだ考えていない ). 問16 問 15 で「1考えている」と答えた方、 それはどのようなことでしょうか、具体的にお聞かせ下さい。(複数選択可) 1 療養型入所施設 2 3 4 5 問17. グループホーム、ケアホーム 自宅以外のどこか 自宅 その他(. ). 療養型入所施設以外に、グループホーム/ケアホームでの共同生活や自宅での一. 人暮らしをしている方がいらっしゃいます。これらの新たな暮らし方について皆さ んはどのようにお考えでしょうか。あてはまるところに○をつけてください。 (1)グループホームとは、日中は通所施設で過ごし、それ以外の時間は少人数の家庭 的な環境で暮らすことを目的に開設された施設です。在宅での生活に近いものを実 現することが可能です。 1)あなたは重症心身障害者がグループホームで暮らしていることをご存知ですか。 1 はい 2いいえ 2)あなたのお子さんがグループホームで暮らすことについてどうお考えですか。 1 是非グループホームで生活させたい 2 グループホームで暮らすことが可能であれば生活させたい 3 あまりグループホームでの生活はさせたくない 4 3). 絶対グループホームでの生活はさせたくない 2)でそうお考えになる理由を差し支えなければお聞かせ下さい。. 7/11.
(29) <参考資料1>. (2)一人暮らしとは、日中は通所施設で過ごし、それ以外の時間は自宅で居宅ヘルパ ー(24 時間見守りの体制)にサポートしてもらって一人で暮らす方法です。 1)あなたは重症心身障害者が一人暮らしをしていることをご存知ですか。 1 はい 2いいえ 2)あなたのお子さんが一人で暮らすことについてどうお考えですか。 1 2 3 4 3). 是非一人暮らしさせたい 暮らすことが可能であれば一人暮らしさせたい あまり一人暮らしはさせたくない 絶対一人暮らしはさせたくない 2)でそうお考えになる理由を差し支えなければお聞かせ下さい。. (3)将来のお子さんの居場所について、療養型入所施設、グループホーム、一人暮ら し以外に何かお考えでしょうか。あれば具体的にお聞かせ下さい。. 8/11.
(30) <参考資料1>. 最後に お子さんの望ましい居場所についておききします 問18 将来の「お子さんの望ましい居場所」とはどのようなものとお考えでしょうか。 どのような環境であれば、安心してお子さんを託せるとお考えでしょうか。「人」、 「場所」、そして「制度」に対するあなたの理想の姿についておききします。1)~21) の各質問について「全くそう思わない」~「とてもそう思う」までで、あなたの思 いに近いところに○をつけてください。(それぞれ1つ選ぶ) (1)人について 将来お子さんの周りには、どのような人たちがいることが理想でしょうか。 全くそう. あまりそう. やや. とても. 思わない. 思わない. そう思う. そう思う. 1). 主治医が常にいてくれる(又は、すぐに来て くれる). 1. 2. 3. 4. 2). 看護師が常にいてくれる(又は、すぐに来て くれる). 1. 2. 3. 4. 3). 体調管理をしてくれる人がいる (たとえば、表情や顔色などから体調不良を 察知し早めに対処できるような人). 1. 2. 3. 4. 4). お子さんの気持ちを読み取れる人がいる. 1. 2. 3. 4. 1. 2. 3. 4. (たとえば、表情やしぐさで Yes と No を読み 取ることができるような人) 5). お子さんのことを親身になって考えてくれる 人がいる (たとえば、本人にとって最適なことは何な のかを常に考え実行に移すことができるよう な人). これ以外に「こういう人がいて欲しい」という希望がありましたらご記入ください。. 9/11.
(31) <参考資料1>. (2)場所について 将来お子さんが暮らす場所は、どのような場所が理想でしょうか。 全くそう. あまりそう. やや. とても. 思わない. 思わない. そう思う. そう思う. 6). 実家(両親の家)から近い場所. 1. 2. 3. 4. 7). 保養地のように静かで、自然豊かな場所. 1. 2. 3. 4. 8). 10 人以上の利用者がいる大規模な施設. 1. 2. 3. 4. 9). 5,6 人の利用者からなる小規模な施設. 1. 2. 3. 4. 10). 何かあったときにお子さんを入院させてもら える病院との連携が密な施設. 1. 2. 3. 4. 11). 散歩や買い物など気軽に外出ができる施 設. 1. 2. 3. 4. 12). 旅行や遠出などのイベントを実施している 施設. 1. 2. 3. 4. 13). 地域の行事に参加したり地域との交流に積 極的な施設. 1. 2. 3. 4. 14). 家族が気軽に会いに行ける施設. 1. 2. 3. 4. 15). 高齢者(親)と障害者(子)が一緒に暮らせる 施設. 1. 2. 3. 4. 16). 障害者と同年代の健常者とが助け合ってく らせるシェアハウスのような施設. 1. 2. 3. 4. これ以外に「こういう場所であって欲しい」という希望がありましたらご記入ください。. 10/11.
(32) <参考資料1>. (3)制度について 将来お子さんが暮らしていくにあたり、どのような制度があるとよいでしょうか。 全くそう. あまりそう. やや. とても. 思わない. 思わない. そう思う. そう思う. 17). 生活保護を受けなくても生活できるような制 度(障害者年金、給付金などの増額). 1. 2. 3. 4. 18). 介護員を増やす制度(介護員の待遇(報酬) 改善をするような制度). 1. 2. 3. 4. 19). 医療的ケアのできる介護員を増やす制度 (手続きの簡易化、医療的ケアのできる介. 1. 2. 3. 4. 1. 2. 3. 4. 1. 2. 3. 4. 護員の待遇改善) 20). 地域での暮らしを実現するグループホーム /ケアホームを増やす制度(設立/運営助成 金制度). 21). 小児科の受け皿となる新たな診療科設立 の制度(小児科を卒業した成人患者(キャ ーリーオーバー)の受け入れ先となる新た な診療科を設立する制度). これ以外に「こういう制度があるとよい」という希望がありましたらご記入ください。. 問19 最後に、将来についてお考えのこと(不安、希望、要望など)がありましたら、 お聞かせ下さい。(書ききれない場合は裏面にご記入いただいて結構です). お忙しいところ、ご協力ありがとうございました。 11/11.
(33) <参考資料2>. 「重症心身障害者の母親が抱える将来への思い」に関する質問紙調査 集計結果 1. 調査概要 横浜市内の 18 歳以上の通所施設へ通所している重症心身障害者の親を対象に、平成 26 年 5 月 19 日~7 月 31 日で調査を実施した。調査票は無記名、自記式で、郵送法に て回収した。配布部数は 315 部、138 部が回収(回収率 43.8%)された。そのうち、重 症者ではないまたは、18 歳未満のデータを除いた 121 部の有効回答で分析を行った。 分析は SPSS Statistics Version 22.0 および、Microsoft Excel 2007 を使用した。 2. 回答者の属性 (1)年代. 70代 以上 9%. 40代 18%. 60代 24%. 年代 40代 50代 60代 70代以上. 50代 49%. 人数 22 58 29 11. 50 代が約 1/2 を9占めている。 (2)回答者の性別 女性 119 名(98%)、男性 1 名(1%)であった。 (3)回答者の職業 パート/アルバ イト 5%. 自営業 2%. 公務員 2% 会社員 4%. 職業 パート/アルバイト 自営業 公務員 会社員 無職(専業主婦(夫)を含む. 無職(専業主 婦(夫)を含む 87%. 専業主婦(夫)を含む無職が 8 割以上を占めている。. 1. 人数 6 2 2 5 103.
(34) <参考資料2>. (4)子の介護年数 10年未満 3% 40年~ 50年未 満 14% 30年~40年未 満 20%. 10年~20年未 満 14%. 介護年数 10年未満 10年~20年未満 20年~30年未満 30年~40年未満 40年~50年未満. 20年~30年未 満 49%. 人数 3 17 59 24 17. 介護年数 20 年以上が 8 割を占めており、長年介護に携わっていることがわかる。 (5)子の年代. 40代 15%. 18歳~19 歳 10%. 子の年代 18歳~19歳 20代 30代 40代. 30代 23%. 20代 52%. 人数 12 63 27 18. 20 代が半数以上を占めている。 (6)子の性別 男性が 65 名(54%)、女性が 54 名(45%)で男性の割合が多かった。 (7)身体障害者手帳 1 級が 114 名(94%)、 2 級が 6 名(5%)であった。 (8)療育手帳 A1(重度の知的障害(IQ35 以下))が 102 名(84%)とほとんどを占め、取得していない が 9 名(7%)だった。 (9) 障害者総合支援法の障害程度区分 区分申請をしている中では、ほとんどが区分 6 となっている。. 2.
(35) <参考資料2>. 区分5 3%. 申請していな い 2%. 区分認定 区分6 区分5 申請していない. 区分6 95%. 人数 99 3 2. (10)子の重症度(超重症児スコア) 超重症児スコア 10~24 点が準超重症児、25 点以上が超重症児である。医療的ケア(口 腔内、鼻腔内吸引など)があると超重症児スコア 10 点以上になる。10 点以下の医療 的ケアが無い場合は重症児と呼ぶ。重症者のうちの 4 割近くが医療的ケアを必要とす る状態であった。 超重症者 14%. 準超重症者 25%. 重症児者種別 重症者 準超重症者 超重症者. 重症者 61%. 人数 74 30 17. (11)子との同居状況 同居している回答者は 113 名(93%)、同居していない回答者は 8 名(7%)で、そのうちの 5 名は「グループホームで生活している」と回答していた。 (12)家族の家族構成 家族数の集計結果を以下に示す。. 家族数合計 1人 2人 3人 4人 5人 6人 合計. 同居 同居している 同居していない 1 - 10 4 41 3 46 0 14 0 2 0 113 8. 3. 合計 1 14 44 46 14 2 121.
(36) <参考資料2>. 3. ソーシャルサポートの検証 中川(2009)が重症者の母親の生活困難の構造を解析する際に活用した「情緒的サポー ト」と「手段的サポート」の考え方を参考に周囲の支援レベルを確認するための質問項 目を設定した。対象者の周りの人々がどの程度心の支えになっているか(情緒的サポー ト) 、どの程度介護の手助けをしてくれているか(手段的サポート)を明確にするための 質問項目である。 (1)情緒的サポート (心の支え) 全くなって いない 配偶者 配偶者以外の家族 別居の家族 友人 ヘルパー 訪看 職員. 度数 比率(%) 度数 比率(%) 度数 比率(%) 度数 比率(%) 度数 比率(%) 度数 比率(%) 度数 比率(%). あまりなっ ていない 7. 7. 6.67. 6.67. 2 2.78 10 11.24 7 6.67 4 6.25 3 6.38 2 1.77. 5 6.94 13 14.61 11 10.48 6 9.38 3 6.38 9 7.96. 少しなって とてもなっ 合計 いる ている 23 68 105 21.90 64.76 100.00 33 32 72 45.83 44.44 100.00 41 25 89 46.07 28.09 100.00 56 31 105 53.33 29.52 100.00 23 31 64 35.94 48.44 100.00 20 21 47 42.55 44.68 100.00 47 55 113 41.59 48.67 100.00. (2)手段的サポート(介護の手伝い). 度数 比率(%) 度数 配偶者以外家族 比率(%) 度数 別居家族 比率(%) 度数 友人 比率(%) 配偶者. 全くやって 数時間なら 日中なら 数日間やっ 合計 くれない やってくれ やってくれ てくれる 9 46 22 21 98 9.2 46.9 22.4 21.4 100.0 21 48 3 2 74 28.4 64.9 4.1 2.7 100.0 39 33 3 2 77 50.6 42.9 3.9 2.6 100.0 93 10 2 2 107 86.9 9.3 1.9 1.9 100.0. (3)支援レベルでの検証 情緒的サポートを「全くなっていない:1」から「とてもなっている:4」とし、手 段的サポートを「全くやってくれない:1」から「数日間やってくれる:4」としてそ れぞれの平均値を情緒的サポート、手段的サポートとした。さらに両者の平均値を支援 レベルとし、それぞれの値を以下に示す。 (手段的サポートについては、居宅ヘルパーと 訪問看護は「数時間ならやってくれる」 、施設職員は「日中ならやってくれる」とした). 4.
(37) <参考資料2>. 4.00 3.50 3.00 2.50 2.00. 情緒的サポート 手段的サポート. 1.50. 支援レベル(平均) 1.00. 配偶者. 配偶者以外. 別居家族. 配偶者 情緒的サポート 手段的サポート 支援レベル(平均). 友人. 配偶者以外 別居家族. ヘルパー. 友人. 訪看. ヘルパー. 職員. 訪看. 職員. 3.45. 3.32. 2.91. 3.06. 3.27. 3.26. 3.37. 2.56. 1.81. 1.58. 1.19. 2.00. 2.00. 3.00. 3.03. 2.57. 2.27. 2.12. 2.63. 2.63. 3.19. 配偶者と職員の情緒的サポートが高い傾向にある。 4. 生活の質(WHO-QOL26)の検証 (1)生活の質の集計結果 世界保健機構(WHO)が開発した 26 の QOL 調査項目(WHO-QOL26)から 15 項目を抜粋 し、対象者の生活の質についての質問項目を設定した。 (WHO-QOL26 については補足資 料参照) 分析の際には、「全くそう思わない:1(1 点)」から「とてもそう思う:5(5 点)」ま での中から選択された点数を集計した。ただし、3)、4)、15)は反転項目として、1は 5 点、2は 4 点、3は 3 点、4は 2 点、5は 1 点として計算した。各設問の平均値は以下 の通りとなった。 NO. 1) 2) 3). QOL 26 Q1 Q2 Q3. 項目 全体的なQOL 全体的な健康状態 身体的領域:痛みや不安. 質問内容 自分の生活の質をどのように評価しますか 自分の健康状態に満足していますか 体の痛みや不快感のせいで、しなければな らないことがどのくらい制限されていますか 4) Q4 身体的領域:医薬品と医療への依存 毎日の生活の中で治療(医療)がどのくらい 必要ですか 5) Q5 心理的領域:肯定的感情 毎日の生活の中でどのくらい楽しくすごして いますか 6) Q10 身体的領域:活力と疲労 毎日の生活を送るための活力はありますか 7) Q12 環境領域:金銭関係 必要なものが買えるだけのお金を持ってい ますか 8) Q14 環境領域:余暇活動への参加と機会 余暇を楽しむ機会はどのくらいありますか 9) Q16 身体的領域:睡眠と休養 睡眠は満足のいくものですか 10) Q19 心理的領域:自己評価 自分自身に満足していますか 11) Q20 社会的関係:人間関係 人間関係に満足していますか 12) Q22 社会的関係:社会的支援 友人たちの支えに満足していますか 13) Q24 環境領域:健康と社会的ケア:利用し 医療施設や福祉サービスの利用しやすさに やすさと質 満足していますか 14) Q25 環境領域:交通手段 周辺の交通の便に満足していますか 15) Q26 心理的領域:否定的感情 気分がすぐれなかったり、絶望、不安、落ち 込みといったいやな気分をどのくらい頻繁に 感じますか. (2)全体的な傾向分析 5. 度数 最小値 最大値 平均値 120 1 5 3.17 121 1 5 2.75. 標準 偏 差 .748 .977. 121. 1. 5. 2.54. 1.148. 121. 1. 5. 3.76. 1.111. 120. 1. 5. 3.04. .824. 121. 1. 5. 3.12. .812. 120. 1. 5. 2.73. .817. 121 121 121 120 120. 1 1 1 1 1. 4 5 4 5 5. 2.51 2.59 2.99 3.40 3.30. .720 1.046 .851 .614 .669. 121. 1. 5. 3.01. .861. 121. 1. 5. 3.10. .917. 121. 1. 5. 3.31. 1.111.
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