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抗原抗体反応を利用したカドミウムの簡易測定法

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Academic year: 2021

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(1)主要な研究成果. 抗原抗体反応を利用したカドミウムの簡易測定法 背 景 カドミウムは人への健康影響が指摘されていることから、その迅速な検出法が求められている。特に米を主 食とする我が国では、高濃度のカドミウムを含む汚染米の流通を未然に防ぐ必要がある。これまでに、当所で はカドミウムを特異的に認識する抗体を開発し、抗原抗体反応を利用した測定法(イムノクロマトグラフィー) に応用した。また、試料中に含まれるイムノクロマトグラフィーを妨害する成分を除去するための試料処理法 の開発を行い、玄米を試験対象とした新たなカドミウムの簡易測定法として提案した。本測定法を実用化する には、試料処理法の効率を向上させる必要がある。. 目 的 迅速な試料処理法を開発し、カドミウムの簡易測定法の実用化を目指す。. 主な成果 1.迅速な試料処理の実現 試料中の測定妨害成分とカドミウムを分離するカラム処理の工程を迅速化するために、カラム充填剤の粒 径、充填量、通液速度の最適化を行った。その結果、新規に開発したカラム(図 1)は処理に要する時間を、 従来の 4 分の 1 以下の約 10分に短縮することができた。また、カラム処理の効率をさらに向上させるために、 複数のカラム処理を同時に実行するためのシステムを構築した。 2.新しい試料処理法を用いた測定 (1)カドミウム含量の異なる玄米 50 試料に上記処理法を適用した。それに続くイムノクロマトグラフィー によるカドミウム濃度の測定結果は、機器分析(ICP-AES)による玄米中カドミウムの全量分析の結 果と良い相関を示した。このことから、上記試料処理法によって、十分な精度を持つ測定が可能である ことが分かった(図 2A)。 (2)将来、イムノクロマトグラフィーの測定対象を玄米以外の農作物に拡大することが考えられるため、稲 の茎葉部試料を用いてカドミウムの精製に上記処理法が適用できるか確認した。その結果、本法によっ て稲茎葉部のカドミウムのほぼ全量が回収できること(図 3A)、および測定を妨害する金属を十分に除 去できること(図 3B)が分かった。イムノクロマトグラフィーによるカドミウム濃度の測定結果も、 機器分析による全量分析の結果と良い相関を示した(図 2B)。 以上より、今回開発した試料処理法は従来法に比べ迅速であり、さらに測定の対象を玄米以外に拡大でき る可能性のあることが明らかとなった。 なお、本研究は、関西電力株式会社、株式会社住化分析センターとの共同研究として実施した。. 今後の展開 既に作製済みの鉛、クロムなどの抗体を用いてバイオセンサーを構築し、環境試料の計測に適用する。 主担当者 関連論文. 環境科学研究所 バイオテクノロジー領域 主任研究員 佐々木 和裕 「イムノクロマトグラフィーによる玄米中のカドミウムのスクリーニング」分析化学 2008 年2月. 42.

(2) 2.環境/先端的基礎研究. 図1 カドミウムの測定に用いる器具 前処理用のカラム(左写真)、色素標識された抗体、イムノクロマトグラフィーなど(中写真)測定に必要な 器具一式。右写真は、測定後のイムノクロマトグラフィーであり、カドミウム濃度を表す赤いバンドが出現 している(矢印)。. 2. 図2 新しい試料処理法を用いたイムノクロマトグラフィーの測定結果 イムノクロマトグラフィーと機器分析(ICP-AES)の結果を比較したところ、両者には良好な相関関係が見 られた。点線は 95% 信頼区間の範囲を示す。. 図3 稲茎葉部の試料処理結果 (A)稲茎葉部中のカドミウムの濃度とカラム処理後のカドミウム濃度の比較。カラム処理後も、ほぼ 100% のカドミウムが残っている。(B)カラム処理前後の Mg, Mn, Fe, Cu, Zn の濃度。Fe 以外の金属はカラム処理 によって 95% 以上が除去されている。なお、Fe は、この濃度では測定に影響しない。. 43.

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