36 (1) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
サイ トウ ヒロシ斎藤 博(昭和28
医学博士 甲第165号昭和62年6月19日
学位規則第5条第1項該当(医学研究科専攻,博士課程修了者)
インターロイキン2で増殖するヒト末梢血単核細胞の性状 (主査)教授 滝沢 敬夫 (副査)教授 平田 幸正,教授 内山 竹彦論 文 内 容 の 要 旨
目的 インターロイキン2(IL・2)は,リンパ球を増殖させ たり,癌細胞に対して強い障害活性を有するlympho・ kine・activated killer(LAK)細胞を誘導したりする, などの働きを有している.本研究では,正常者末梢血 単核細胞を高濃度のIL2で2週間培養したのちの増 殖細胞に関して,その表面形質,形態,LAK活性を解 析した。 方法 10%ヒトAB血清を含むRPMI 1640培養液に正常 者末梢血単核細胞(PBMC)を浮遊させ, IL-2を2500 U/ml添加し,培養した.培養細胞の表面形質は, FITC 標識またはPE標識のCD3, CD4, CD8, CD16, NKH- 1の5種のモノクロナル抗体問で二重染色を行い,フ ローサイトメトリーで解析した.さらに表面形質の異 なる増殖細胞は,FACS440を用い各亜集団に分離した のち,形態を観察するとともに,K562, Daudiに対す るキラー活性を51Cr放出試験で測定した, 結果 1.表面形質:増殖細胞は以下の6つの亜集団より成った.i)CD3+4+8一, ii)CD3+4-8+, iii)CD3+仁 8 ,iv)CD3-16+NKH・1+, v)CD3-16-NKH-1+, vi) CD3-16『NKH・1』 CD3+4-8+細胞, CD3+4-8一細胞はNKH-1+, NKH-1一 の2つの異なった亜集団より成った. 2.形態:いずれの細胞集団もlarge granular lymphocyte(LGL)様の形態を有していた, 3.LAK活性:検討しえたCD3+4+8 , CD3+4-8+, CD3+4-8一, CD3-16+NKH-1+, CD3+NKH-1+, CD3+ NKH-r細胞のいずれもがK562, Daudiに対しLAK 活性を有していた. 考察 IL・2で比較的長期間培養したのちのPBMCに関し て,本研究のように詳細にその性状を検討した報告は ない.LAK細胞を癌患者に投与する場合,より大量の LAK細胞を投与した方が有効である事が動物実験で 証明されている事からみても,IL・2で大量に増殖した 細胞の性状を検討することは臨床的にも有用であると 考える. 結語
PBMCを高濃度のIL-2で2週間培養すると,表面
マーカーの異なる3種類のTリンパ球と,2種類の
natural killer細胞の増殖を認めた.このうち検討しえ た細胞集団すべてがLGL様の形態を有し,かつLAK 活性を有していた. 一700一37
論 文 審 査 の 要 旨
本研究は正常者末梢血単核細胞を高濃:度のインターロイキン2で2週間培養,表面の異なる3種類
のTリンパ球と2種類のnatural killer細胞の増殖をみとめ,これらの細胞集団のすべてがLGL
(large granular lymphocyte)様の形態を有し,かつLAK(lymphokine-activated killer)活性を有していることを示したもので学術上価値ある論文と認める. 主論文公表誌 インターロイキン2で増殖するヒト末梢血単核細胞 の性状 東京女子医科大学雑誌 第57巻 第7号 736~750頁(昭和62年7月25日発行) 副論文公表誌
1) Cytotoxicity of interleukin 2-activated 玉ymphocytes for leukemia and lymphoma cellS.
Blood 68(4)938~948(1986)