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2014年度在宅医療助成指定公募完了報告書
(指定公募②後期)
研 究テーマ:
人 生 の 最 終 段 階 に お け る 医 療 に か か る 相 談 員 の 研 修 会
(Education For Implementing End-of-Life Discussion: E-FIELD)
を全国に普及させるための日本縦断研究会
申 請者 名: 西 川満則
協 力者: 三浦 久幸
申 請者 の所 属 機 関・職 名:
国立研究開発 法人国立長寿 医療研究センター
緩和ケア診療部 ・在宅連携医 療 部 医師
申 請者 の所 属 機 関 所在 地:
愛知県大府市 森岡町7丁目430番地
提 出年 月 日:
2
2014年3月31日
【要 約 】
人 生 の 最 終 段 階 に お け る 医 療 に か か る 相 談 員 の 研 修 会 プ ロ グ ラ ム ( Education For
Implementing End-of-Life Discussion: E-FIELD)を全 国 に普 及 させるため、北 海 道 の静 明
館 診 療 所 、北 海 道 の西 岡 病 院 、群 馬 県 の公 立 富 岡 総 合 病 院 、新 潟 県 の南 魚 沼 市 民 病 院 、
福 井 県 のオレンジホームケアクリニック、徳 島 県 の稲 次 整 形 外 科 、愛 知 県 の春 日 井 市 民 病
院 、長 野 県 の諏 訪 赤 十 字 病 院 の協 力 のもと、4地 域 で、4回 にわたり、研 修 会 を実 施 した。
医 療 、介 護 、福 祉 関 係 者 、行 政 等 に対 し、全 E-FIELDを普 及 啓 発 できた。
キーワード: Education For Implementing End-of-Life Discussion: E-FIELD
【目 的 】
人 生 の最 終 段 階 における医 療 にかかる相 談 員 の研 修 会 (Education For Implementing
End-of-Life Discussion: E-FIELD)を全 国 に普 及 させる。
【方 法 】
・ 在 宅 看 取 り を テ ー マ に 含 む 、 Education For Implementing End-of-Life Discussion:
E-FIELDに関 する講 演 、講 義 、シンポジウム、ワークショップ等 を行 う。
・講 師 やファシリテーターは、平 成 26年 度 27年 度 人 生 の最 終 段 階 における医 療 体 制 整 備
事 業 に採 択 された 10事 業 所 に所 属 する相 談 員 や本 事 業 にかかわりの深 い医 療 者 等 に依
頼 した。
・参 加 者 は、各 々の地 域 の実 情 に応 じ、医 療 、介 護 、福 祉 関 係 者 、行 政 、市 民 等 とした。
・E-FIELDの有 用 性 の根 拠 は、下 記 を参 照 されたい。
※ 1 E-FIELD は 、 Advance care planning : ACP ; ア ド バ ン ス ・ ケ ア ・ プ ラ ン ニ ン グ や 、
End-of-Life Discussion:EOLD;エンド・オブ・ライフ・ディスカッションのための教 育 プログラ
ムである。
Miura, etc 3rd poster prize: Benefits of the Japanese version Advance Care Planning facilitators education program, the 5th International Society of Advance Care Planning and End of Life Care Conference , Munich, Germany
Miura, etc :
Benefits of the Japanese Version of the Advance Care Planning
Facilitators Education Program,
Geriatrics and Gerontology International, in press.
3
【結 果 】
北 海 道 の静 明 館 診 療 所 、群 馬 県 の公 立 富 岡 総 合 病 院 、福 井 県 のオレンジホームケアク
ニック、愛 知 県 の春 日 井 市 民 病 院 の、合 計 4地 域 で、4回 にわたり、研 修 会 を実 施 した。
(研 修 会 資 料 欄 を参 照 )
【考 察 】
全 国 で、在 宅 医 療 に資 する形 で、E-FIELDが周 知 され、普 及 啓 発 された。
人 生 の最 終 段 階 の難 しい医 療 選 択 、すなわち療 養 ・最 期 の場 所 の選 択 に係 る意 思 決 定
支 援 が普 及 啓 発 された。
在 宅 での看 取 りが、量 と質 の両 面 から推 進 されることに資 する、活 動 が展 開 された。
【研 究 成 果 の公 表 (公 表 予 定 を含 む)】
なし4
資 料(1)
【北 海 道 :静 明 館 診 療 所 】
(協 力 )北 海 道 :西 岡 病 院
資 料(2)
【群 馬 県 :公 立 富 岡 総 合 病 院 】
(協 力 )新 潟 県 :南 魚 沼 市 民 病 院
資 料(3)
【福 井 県 :オレンジホームケアクリニック】
(協 力 )徳 島 県 :稲 次 整 形 外 科 病 院
資 料(4)
【愛 知 県 :春 日 井 市 民 病 院 】
(協 力 )長 野 県 :諏 訪 赤 十 字 病 院
主催:札幌市在宅医療協議会
医療法人財団老蘇会 静明館診療所
国立長寿医療研究センター在宅連携医療部
助成:公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団
後援:札幌市医師会
札幌訪問看護ステーション協議会
札幌市介護支援専門員連絡協議会
昨年度から国立長寿医療研究センター在宅連携医療部を中心に厚生労働省
事業E-FIELD相談員研修会が開催されています。 厚生労働省モデル事業
「人生の最終段階における医療体制整備事業」では、エンドオブライフケ
アの普及が行われています。
今回、国立長寿医療研究センター在宅連携医療部の先生と一緒に、札幌で
居宅と施設両方を含めた在宅看取りの現状と課題を明らかにし、支援の体
制をどのように構築していくかを検討します。
在宅看取りの重要な要素である「意思決定支援」「多職種連携」「病診連
携」「在宅緩和ケア」「施設での看取り」などに焦点をあてて議論します。
後日結果はまとめて公表し、提言とする予定です。
多くの皆さまのご参加をお待ちしています。
2015年
12
月
6
日(日)
13:00-17:00
札幌市医師会館
(札幌市中央区大通り西19丁目1)
5階東ホール
在宅看取り研究会
-札幌における在宅看取りの支援と後方支援体制の構築の方向性-
厚生労働省事業E-FIELD相談員研修会を在宅ケアへ
対象:
医師(病院・診療所)、看護師(病院・診療所・訪問看護ステーション
など)、ケアマネジャー、医療ソーシャルワーカー、居住施設職員、
行政職員など在宅看取りに関わる職種の方々
定員:80名
プログラム
(一部変更になる可能性があります)
•
13:00~13:05 開会の挨拶
•
13:05~13:20 長寿センター挨拶・趣旨説明
•
13:20~14:20 ワールド・カフェ「札幌における在宅看取りの課題」
•
14:20~14:30 休憩
•
14:30~14:50 厚生労働省事業E-FIELD相談員研修について
•
14:50~15:30 グループワーク「意思決定支援の研修のあり方」
•
15:30~15:40 休憩
•
15:40~15:50 西岡病院の取り組み
•
15:50~16:00 静明館診療所の取り組み
•
16:00~16:40 テーマ別セッション<参加人数により変更します>
(病院と在宅ケアの連携、在宅での多職種連携、在宅緩和ケア、施設での看取り)
•
16:40~17:00 テーマ別セッション発表、全体まとめ
講師紹介
①三浦久幸先生:国立長寿医療研究センター在宅連携医療部長
②西川満則先生:国立長寿医療研究センター緩和ケア診療部
申込方法
下記申込に記入し、011-622-5040(静明館診療所)にファックスを送
信してください。
申し込み
〆切
11月30日(月)
*申込多数の場合には職種や職域のバランスを考え採否を
検討させていただきます。
お問い合わせ
医療法人財団老蘇会 静明館診療所 担当 総務部 井上
TEL 011-613-5282 FAX 011-622-5040
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター在宅連携医療部 日高
TEL0562-46-2311内線6215
▲ ▲
FAX番号
011-622-5040 ▲ ▲
申し込み
(下記に記入してファックスしてください)
氏名
事業所
区
職種
連絡先
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-札幌における在宅看取りの支援と後方支援体制の構築の方向性- 厚生労働省事業 E-FIELD 相談員研修会を在宅ケアへ 報告 2016 年 2 月 15 日 開催 日時:2015 年 12 月6日(日)13:00-17:00 場所:札幌市医師会館(札幌市中央区大通り西19丁目1)5 階大ホール 主催:札幌市在宅医療協議会 医療法人財団老蘇会 静明館診療所 国立長寿医療研究センター在宅連携医療部 助成:公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団 後援:札幌市医師会 札幌訪問看護ステーション協議会 札幌市介護支援専門員連絡協議会 報告書監修 医療法人財団老蘇会 静明館診療所 監修責任 大友宣 監修協力 板橋直之、井上薫、中坂昌子在宅看取り研究会発刊にあたって
医療法人財団老蘇会 静明館診療所
院長 矢崎一雄
近年在宅看取りに関する関心が高まっています。色々な背景があ
るものと思います。終末期の過剰な医療に対する反省、高齢化多死
時代をむかえこのままでは団塊の世代が死ぬ場所がなくなってしま
うという危機感(いわゆる 2025 年問題)、癌告知が日本の社会に
ほぼ定着し自分の死に方葬儀のやり方などを自分で決めようと言う
動き、「終活」と称して自分の死にまつわる様々な希望を記録とし
て残しておくことがトレンドになったりしています。平成 25 年の
札幌市の 65 歳以上の人の意識調査によれば実に 44.9%の人が「自宅
で最期を迎えたい」と答えています。しかし、一方では札幌市にお
いてはここ 10 年間在宅看取りの率はそれほど増えてはいません。
政令指定都市の中で札幌市の自宅死亡率は下から3位というのが現
状です。なぜでしょうか?そのあたりを掘り下げてみよう、という
のが今回の在宅看取り研究会のねらいです。よく言われているの
は、札幌は病院がたくさんあるから死に場所には困らない、本州に
比べて家族関係が希薄で死ぬまで家族が見てくれない、高齢者だけ
の世帯が多くなかなか自宅では死ねない...しかし、病床数はこ
れ以上増えませんし、家族構造は元には戻りません。高齢者だけの
世帯特に単身高齢者だけの世帯はますます増えて行きます。こう言
う流れの中でどうやって「自宅で最期を迎えたい」という希望をか
なえて行ったらよいのでしょうか?直ちに答えの出る問題ではあり
ませんが、そろそろ真剣に考える時期でしょう。日本の社会に癌告
知が根付くのに 20 年かかりました。そして 2025 年はあと 10 年後
に迫っています。私たちはあと 10 年でどれだけのことができるで
しょうか。
「在宅看取り研究会」報告
厚生労働省では 2014(平成 26)年度からモデル事業として「人生の最終段階における医療体制整備事 業」を実施し、エンドオブライフケアの普及を行ってきた。国立長寿医療研究センター在宅連携医療部 を中心にEducation For Implementing End-o f -Life Discussion (以下 E-FIELD)相談員研修会を開催 している。 札幌市内各区では在宅ケア連絡会があり、在宅ケアに関わる多職種が一同に会し顔の見える関係を構 築し、様々な勉強会を行ってきた。しかし、札幌市の自宅死亡率は10.8%(2014 年)であり全国の政令指 定都市の中でも低率になっている。札幌市内の高齢者の調査では住み慣れた自宅で過ごし、最期を自宅 で迎えたい市民が多くいることが分かっている。市民が住み慣れた場所で最期まで生活するために、在 宅看取りのための基盤整備は札幌においての課題のひとつである。その様な中で、札幌市在宅医療協議 会が2015 年 9 月 29 日に、札幌市内の在宅医療を行う医師、在宅医療の後方支援を行う病院医師がメ ンバーとなって設立された。協議会の目的のひとつは「在宅看取りの支援と後方支援体制の構築」であ り、そのための活動を行うこととなった。 2015 年度札幌市中央区にある医療法人財団老蘇会静明館診療所では、厚生労働省のモデル事業であ る「人生の最終段階における医療体制整備事業」を受託し、実施しているところである。静明館診療所 は在宅療養支援診療所であり、これまで地域の在宅ケア関係事業所と協働で、人生の最終段階における 医療を提供してきた。今年度、経験を集大成し、明文化し、個々の医師の技量の範囲にとどめるのでは
なく、医療チームとして共有し、ひいては社会全体のコンセンサスを得るため、モデル事業の申請を行 った。 国立長寿医療研究センター在宅連携医療部では全国の「人生の最終段階における医療体制整備事業」 を実施している医療機関をまとめ、評価する役割を担っている。勇美記念財団から助成を受け、在宅看 取りをテーマに含み、 (E-FIELD)に関する講演、講義、シンポジウム、ワークショップ等を行うことと なった。 2015 年 12 月 6 日札幌市医師会館にて、札幌市在宅医療協議会、国立長寿医療研究センター在宅連携 医療部、静明館診療所が主催し、在宅看取り研究会を行うこととした。研究会の目的として、 1)札幌における、居宅と施設両方を含めた在宅看取りの現状と課題を明らかにし、支援の体制をどの ように構築していくかを検討すること 2)在宅看取りの重要な要素である「意思決定支援」「多職種連携」「病診連携」「在宅緩和ケア」「施設 での看取り」などに焦点をあてて議論すること とし、後日結果はまとめて公表し、提言とすることとした。 日程 2015 年 10 月 札幌市在宅医療協議会、国立長寿医療研究センター、静明館診療所の三者の主催で在宅 看取り研究会を行うことを決定し、チラシを作成(資料1)した。 2015 年 11 月 札幌市在宅医療協議会、札幌訪問看護ステーション協議会、札幌市介護支援専門員連絡 協議会に案内を送付し可能な範囲での配布を依頼した。静明館診療所を事務局としFAX にて参加を受け付けた。 2015 年 12 月 6 日午後 1 時から午後 5 時に在宅看取り研究会を開催した。 参加者: 医師28 名、看護師 41 名、医療ソーシャルワーカー14 名、ケアマネジャー5 名、介護福祉士 6 名、その 他7 名で、合計 101 名の参加者があった。札幌市内の全区から参加者があった。
プログラム • 13:00~13:05 開会の挨拶 坂本仁氏(札幌市在宅医療協議会 会長) • 13:05~13:20 長寿センター挨拶、趣旨説明 三浦久幸氏(国立長寿医療研究センター在宅連携医療部長) 西川満則氏(国立長寿医療研究センター緩和ケア診療部) • 13:20~14:20 ワールド・カフェ「札幌における在宅看取りの課題」 • 14:20~14:30 休憩 • 14:30~14:50 厚生労働省事業 E-FIELD 相談員研修について 西川満則氏(国立長寿医療研究センター緩和ケア診療部) • 14:50~15:30 グループワーク「意思決定支援の研修のあり方」 • 15:30~15:40 休憩 • 15:40~15:50 西岡病院の取り組み 澤田格氏(西岡病院内科医長) • 15:50~16:00 静明館診療所の取り組み 大友宣氏(静明館診療所医師) • 16:00~16:40 テーマ別セッション 病院と在宅ケアの連携 司会:松本美奈氏(手稲渓仁会病院 看護師) 在宅での多職種連携 司会:岡村紀宏氏(西岡病院 MSW) 在宅緩和ケア 司会:坂本仁氏(坂本医院 医師) 施設での看取り 司会:熊谷明史氏(くまさんクリニック 医師) • 16:40~17:00 テーマ別セッション発表、全体まとめ 講評:三浦久幸氏(国立長寿医療研究センター在宅連携医療部長) 閉会の挨拶:矢崎一雄氏(静明館診療所院長)
国立長寿医療研究センター
在宅連携医療部長 三浦久幸
ご挨拶・趣旨説明
趣旨
•
在宅医療助成 勇美記念財団の助成
•
厚生労働省事業
–
人生の最終段階における医療体制整備事業
–
難しい医療・ケアの選択について、患者の意思
を尊重した意思決定支援のための仕組みつくり
•
教育プログラム
–
Education For Implementing End-of-Life
Discussion:E-FIELD
【北海道】 西岡病院 【岩手県】 二戸病院 【東京都】 東京都健康長寿 【千葉県】 亀田総合 【大阪府】 国立循環器病 【徳島県】 稲次整形 【熊本県】 くわみず病院 【岐阜県】 長良医療セ 【長野県】 諏訪赤十字 【新潟県】 ゆきぐに大和 【北海道】 静明館診療所 【群馬県】 公立富岡 【東京都】 東京医療セ 【福井県】 オレンジ 【愛知県】 (知多半島+名古屋南) ・公立西知多病院 ・市立半田病院 ・常滑市民病院 ・知多厚生病院 ・国立長寿医療研究セ ・中京病院 ・南生協病院 【愛知県】 春日井市民
平成26-27年度
人生の最終段階における医療体制整備事業
Education For Implementing End-of-Life
Discussion:E-FIELD
相談員 相談員 相談員 相談員 相談員 【相談員の要件】 E-FIELD研修受講した者 ・医療機関の長が、(人生の最終段階についての)対話を推進すると宣言する。 ・医療機関の長が、臨床倫理委員会をつくる。 ・相談員の周囲の医療ケアチームの協力で相談支援を導入する。(患者の意思を汲む) ※倫理的判断を支援するチームも組織化のオプションとしてありうる。 ・相談員の周囲の医療ケアチームの協力で相談支援を継続する。(患者の意思を繋ぐ) 相談員≒ACPFE-FIELDの原点である
ガイドライン
•
H19年
•
厚生労働省は「終末期医療の決定プロセ
スに関するガイドライン」を策定
•
H26年
•
「人生の最終段階における決定プロセス
に関するガイドライン」と名称変更
•
本人の意思決定を尊重する原則を明示
諸外国の試みから見た
E-FIELD
•
欧米豪・シンガポール等で導入されている
Respecting Patients Choices Programに基
づいた、意思決定を推進する人材(ACPファ
シリテーター)を育成する試みの日本版
–
患者の意思が尊重され、患者家族の満足度が高
まり、遺族の抑うつが減る
– Karen M Detering,BMJ. 23;340, 2010
– Arianne Brinkman-Stoppelenburg, systematic review
Palliative Medicine,1–26,2014
E-FIELDの背景にある
日本国の動き
•
H25年、社会保障制度改革国民会議報告
書の中で、病院完結型から地域完結型で
Quality Of Death:QODを高める医療を
推進し、国民的合意を形成することが提
言
•
QODとは、H13年米国において、患者が本来
望んでいた死の姿と実際の死亡時の状況との
一致度として定義され、終末期医療の質を評
価する有効な指標の1つとして提唱
E-FIELDの背景にある法律
• 社会保障改革推進法(第2章第6条三)
•
(H24年8月22日)・・、患者の意思がより尊
重されるような必要な見直しを行い、特に人生
の最終段階を穏やかに過ごすことができる環境
を整備する・・
• 持続可能な社会保障制度の確立を図るための
改革の推進に関する法律(第2章第四条5)
•
(H25年12月5日)・・、患者の意思がより尊
重され、人生の最終段階を穏やかに過ごすこと
ができる環境の整備を行う・・
E-FIELDの背景
骨太の方針
• 経済財政運営と改革の基本方針2015
•
いわゆる骨太の方針(第三章5.[1]社会保
障)
•
(H27年6月30日)・・、人生の最終段階にお
ける医療の在り方の検討・・
(6) 人生の最終段階を支える医療・介護等の連携 ○ 人生の最終段階にあっても本人の尊厳が尊重された医療・介護等が提供さ れることが重要であり、その在り方について検討を進める。特に認知症の人 には意思能力の問題があることから、例えば延命処置など、将来選択を行わ なければならなくなる場面が来ることを念頭に、多職種協働により、あらか じめ本人の意思決定の支援を行っておく等の取組を推進する。
在宅看取り研究会
ワールド・カフェ「札幌市の在宅看取りの課題」のまとめ
医療法人財団老蘇会 静明館診療所 背景と目的 札幌市内各区では在宅ケア連絡会があり、在宅ケアに関わる多職種が一同に会し顔の見える関係を構 築し、様々な勉強会を行ってきた。しかし、札幌市の自宅死亡率は10.8%(2014 年)であり全国の政令指 定都市の中でも低率になっている。札幌市の高齢者に対するアンケート調査(平成 25 年高齢社会に関す る意識調査;65 歳以上対象)では、体が弱くなった場合の生活の場所として、42.5%が現在の場所で生 活を続けたいとし、最期を迎えたい場所として44.9%が自宅としている。このような現状の中で、市民 が希望通りの療養生活を送るため、札幌市の在宅看取りの現状と課題について、2015 年 12 月 6 日在宅 看取り研究会において、グループワークを行ったので報告する。 方法 グループワークのファシリテーターおよび、補助スタッフは医療法人財団老蘇会職員が行った。 <ワールド・カフェ> 参加者は自由に席を選び6 名程度の 12 グループに分かれワールド・カフェ形式でグループワークを行 った。『ワールド・カフェは、メンバーの組み合わせを変えながら4~5 人単位の小グループで話し合い を続けることにより、あたかも参加者全員が話しあっているような効果が得られる会話の手法』1)であ る。開始前に、なるべく別の事業所の参加者とのテーブルに座るようにアナウンスし、ファシリテータ ーから全体に対して趣旨説明を行った。参加者全員が所属と名前のみ自己紹介してからワールド・カフ ェを開始した。最初にテーブル毎にホストを決定し、第1 ラウンドとして「札幌市の在宅看取りの課題」 について 20 分間話し合った。話した内容はテーブル上に用意してある模造紙に黒色のマジックで記載 した。ファシリテーターと補助員が話した内容を書くように参加者を促した。テーブルホストのみを残 し別の参加者は別のテーブルに移った。第2 ラウンドとして、まずテーブルホストから第 1 ラウンドで 話し合った内容を手短に説明したあと、「看取りの課題の解決策」について15 分間話し合った。話した 内容はテーブル上に用意してある模造紙に 赤色のマジックで記載した。最後に、はじめ のグループに戻り、テーブルホストは第2 ラ ウンドで話し合った内容を手短に説明した あと、第 3 ラウンドとして、「提言まとめ」 について10 分間話し合った。話した内容は テーブル上に用意してある模造紙に青色の マジックで記載した。話し合った内容を各グ ループ15 秒以内で全体に発表した。ワール ド・カフェのエチケットについて図に示す。<分析方法> 回収された模造紙の内容を色ごとに分けてテキスト化した。「札幌市の在宅看取りの課題」「看取りの 課題の解決策」について、一項目ごとに一枚のカードを作成し、KJ 法を用いて分析を行った。KJ 法は 川喜田二郎氏が考案したブレインストーミングで出たアイディアを構造あるものに組み立てていく方 法である 2)。ひとつのアイディアを 1 枚のカードにして、同じような内容が書いてあるものをまとめ、 見出しをつける。似ている内容のまとまりは近くに配置し、図解にまとめていく手順を踏む。「提言まと め」については、「札幌市の在宅看取りの課題」「看取りの課題の解決策」をグループディスカッション でまとめた内容であることから、カードのグループ解析は行わなかった。データ分析の妥当性、信頼性 を担保するため、複数のスタッフによってKJ 法を行った。 <倫理的配慮> 在宅看取り研究会でのワールド・カフェ実施については静明館診療所の承諾を得て行った。参加者に対 しては、今回のワールド・カフェの内容をまとめ、報告する旨を在宅看取り研究会の案内文に入れ、更 に、当日アナウンスした。発言の内容により個人が特定されることのないように留意した。 結果 2015 年 12 月 6 日在宅看取り研究会を開催した。参加者は合計 101 名であり、医師 28 名、看護師 41 名、医療ソーシャルワーカー14 名、ケアマネジャー5 名、介護福祉士 6 名、その他 7 名であった。 結果を図に示す。本文中で、カテゴリーを『』、サブカテゴリーを《》で示す。またカードの内容は< >で示す。ワールド・カフェの模造紙から黒字(第1 ラウンド)の項目 256 枚、赤字(第 2 ラウンド) の項目136 枚の合計 392 枚のカードが抽出された。 「札幌市の在宅看取りの課題」として、『患者と家族の課題』『病院の課題』『在宅ケアの課題』の3 つ のカテゴリーが抽出された。『患者と家族の課題』に属するサブカテゴリーとして、《介護力の不足》《独 居高齢者が多い》《不安感が解消されていない》《救急車を呼んでしまう》《看取りの理解が乏しい》《家 族への死に対する教育がされていない》《意思決定支援が必要》が挙げられた。『病院の課題』に属する サブカテゴリーとして《病院ステッフの在宅ケアへの理解が少ない》《在宅に移行するタイミングが図 れない》《入院ベッドは多いがバックベッドが少ない》が挙げられた。『在宅ケアの課題』に属するサブ カテゴリーとして、《在宅ケアの事業所が少ない》《スタッフへの教育不足》《職種間の連携が足りない》 《施設での看取りが十分ではない》が挙げられた。 「看取りの課題の解決策」として、『患者・家族・市民へのアプローチ』『行政へのアプローチ』『病院 スタッフへのアプローチ』『在宅ケアスタッフへのアプローチ』の4 つのカテゴリーが抽出された。『病 院スタッフと在宅ケアスタッフの連携』に属するサブカテゴリーとして、《在宅看取りに関する啓蒙活 動》《事前指示書への記載》《意思決定支援》《調整やコーディネート》《家族の意見調整》が挙げられた。 『行政へのアプローチ』に属するサブカテゴリーとして《法と制度の整備》《独居高齢者と孤独死の対 策》が挙げられた。『病院スタッフへのアプローチ』に属するサブカテゴリーとして、《退院調整の迅速 化》《病院スタッフが在宅ケアを知る研修》が挙げられた。『在宅ケアスタッフへのアプローチ』に属す るサブカテゴリーとして、《在宅看取りの教育》《在宅看取りに関わる多職種連携》《施設看取りの推進》 が挙げられた。 考察 参加者が多く、多面的な課題の指摘と解決策の提示となった。「患者・家族・市民」「行政」「病院スタ
ッフ」「在宅ケアスタッフ」など多方面へのアプローチが課題として挙げられた。「患者・家族・市民」 に対しては主に啓蒙活動と個別のケアを行うことが必要となる。行政には法や制度、独居者対策などが 求められている。「病院スタッフ」には入退院時の連携とスタッフの意識改革が必須である。「在宅スタ ッフ」には、連携の仕組みづくり、サービス提供体制の整備などが主な対策であった。解決策の提示と しては抽象的な事柄も多く挙げられている。それぞれが課題の解決に取り組むことが必要ではあるが、 いずれも多職種のノウハウが必要となると考えられる。今後誰が主体となり、どのように解決につなげ ていくかが問われていると言える。 参考文献 1)「ワールド・カフェをやろう!」香取一昭、大川恒、日本経済新聞出版社 2009 年 p19~20 2)「発想法」川喜田二郎、中公新書 1967 年 p61~114
国立長寿医療研究センター
緩和ケア診療部/EOLケアチーム
E-FIELDについて
平成26-27年度
人生の最終段階における医療体制整備事業
Education For Implementing End-of-Life
Discussion:E-FIELD
相談員 相談員 相談員 相談員 相談員 【相談員の要件】 E-FIELD研修受講した者 ・医療機関の長が、(人生の最終段階についての)対話を推進すると宣言する。 ・医療機関の長が、臨床倫理委員会をつくる。 ・相談員の周囲の医療ケアチームの協力で相談支援を導入する。(患者の意思を汲む) ※倫理的判断を支援するチームも組織化のオプションとしてありうる。 ・相談員の周囲の医療ケアチームの協力で相談支援を継続する。(患者の意思を繋ぐ) 相談員≒ACPFWhy:
ACPの有用性
•
ACPのトレーニングを受けた医療者等が、意思
決定支援を行うと、そうでない場合に比べて、
患者の意思が尊重され、患者・家族の満足度が
高まり、残された遺族の心の傷が小さくなる。
–
Karen M Detering, BMJ. 23;340, 2010
•
だから、ACPを推進することが必要である。
What:
ACPを行う時よく出る話題
•
70%以上で話題にあがった内容
–
望んでいる療養場所、受けたくない医療行為
•
30%以上70%未満で話題にあがった内容
–
心配なこと、困っていること、病状に関する
こと
–
代理決定者の選定に関すること、大切にして
いること
(平成26年度人生の最終段階における医療体
制整備事業 総括報告書 P36)
What:
ACPの開始初期に頻度の低い話題
•
30%未満で話題にあがった内容
–
人工呼吸器の装着(NPPVを含む)
–
胃ろう、輸液等の人工栄養の選択
–
最期を迎えたい場所の選択
(平成26年度人生の最終段階における医療体
制整備事業 総括報告書 P36)
未来
EOLD
60歳
本人にとっての最善の医療とケア
家族の意向
医学的判断
現在の
気持ち
未来の選択
最善の利益
ACP
現在
過去
未来
75歳
40歳
生活・人生
振り返り
本人
意思
How:
本人の意思の過去・現在・未来
How:
病状理解、先について考えた経験を問う
•
病状理解を問う
–
カルテをみて承知しているが、@@さんの言葉で
伺いたい
•
「もしも・・・」→患者・家族に非侵襲的コミュニ
ケーション
•
Hope for the best, Prepare for the worst.
–
希望→「もしも・・・」
•
経験を問う
How:
家族に対するコミュニケーション
•
ケアの対象である、患者を心配している「家
族」
–
家族とのコミュニケーションの90%は、家
族のつらい気持ちについて、とにかく聞く
•
患者の意思の代弁者としての「家族」
–
残りの10%で、「もし、患者の@@さんで
あれば、 どのように考えられるでしょう
か?」と、患者の意思を中心に据える言葉を
添える
When:
ACPを行うチャンス(1)
•
比較的元気な人に・・・
–
例えば、病院や診療所の外来で・・・
–
タバコは何本?お酒は何合?ところでACPをしまし
たか?
•
より元気な人に出会う確率の高い職種は・・・
–
病院医療者?MSW?かかりつけ医?在宅医?
訪問看護師?ケアマネジャー?薬局薬剤師?
When:
ACPを行うチャンス(2)
•
一時的に病状が改善した人に・・・
–
がん疼痛がやわらいだ時
–
高齢の認知症患者の誤嚥性肺炎が改善
した時
–
慢性心不全や慢性呼吸器疾患の急性増
悪をのり切った時
EducationForImplementingEnd-of-LifeDiscussion
ロールプレイで学ぶ内容
生命の危機に直面している患者と今後の人生、
生活、医療について話し合うことができる
–
病状の認識を確かめる
–
話し合いを導入する
–
代理決定者を選定する
–
療養や生活での不安・疑問を尋ねる
–
療養や生活で大切にしたいことを尋ねる
–
治療の選好を尋ね、最善の選択を支援する
–
代理決定者の裁量権について尋ねる
EducationForImplementingEnd-of-LifeDiscussion
グループ和ワークで学ぶ内容
ケアの目標を揃える
アライメントをそろえる
自宅で最期ま で生きる 安全に 過ごせる できるだ け長生き する 患者の希 望通りにす るE-FIELD
•
ドイツのミュンヘンで開催された
•
人生最終段階についての、難しい医療ケ
アの意思決定支援の在り方を研究する、
国際学会において
•
銅賞をもらいました
3% 54% 10% 9% 6% 4% 3% 52% 68% 6% 9% 12% 36% 14% 7% 7% 15% 11% 11% 30% 19% 15% 13% 26% 7% 34% 29% 26% 26% 26% 34% 15% 10% 28% 33% 43% 2% 36% 41% 46% 42% 41% 38% 3% 2% 43% 27% 16% 6% 13% 14% 13% 22% 14% 1% 9% 18% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 不安や心配が和らいだ 不安や心配がかえって強くなった 患者、家族間の話し合いが深まった 患者、家族間の話し合いを始めるきっかけになった 今までわからなかったことを理解することができた 悩みなど自分たちの思いが医療者にわかってもらえた気がする 患者の希望がより尊重されたと思う 家族の希望がより尊重されたと思う あまり知りたくない内容だと感じた 縁起でもないと感じた 相談に同席していない家族に病状などを伝えやすくなった 「しておきたいと考えていたこと」をすることができた そうは思わない あまりそう思わない 少しそう思う そう思う とてもそう思う 人生の最終段階における医療にかかる相談に対する患者の満足度 相談を受けた患者へのアンケート調査によると、「患者の希望がより尊重されたと思う」と回答した者 が89%に達した。(「とてもそう思う」「そう思う」「少しそう思う」の合算) 次に多かったのは、「家族の希望が尊重されたと思う」(86%)と「今まで分からなかったことを理解 することができた」(86%)であるが、不安軽減や家族間の話し合いにも役に立っている。 一方で、「あまり知りたくない内容だと感じた」と評価する者も存在し、患者の心の準備状態に沿った 相談支援を行うことが重要である。 【相談に関するアンケート調査結果(回答率26.7%:106人/397人中】
EducationForImplementingEnd-of-LifeDiscussion
最後にメッセージ
北海道民の皆様
、自分の意思が尊重される
ため、家族の気持ちの負担を小さくするた
め、思いを大切な家族に伝えましょう。
医療・ケアに携わる皆様
、早い段階から、
患者家族の思いを酌めば、患者の意思が尊
重され、満足度が高まり、遺族の心の傷が
小さくなる、これは明らかです。
–
E-FIELDを学びのツールにしませんか。
–
患者の思いを地域で繋ぎませんか。
静明館診療所、西岡病院、ご一緒に!
16在宅看取り研究会
グループワーク「<在宅版>意思決定支援の研修のあり方」のまとめ
医療法人財団老蘇会 静明館診療所 背景と目的 厚生労働省では 2014(平成 26)年度からモデル事業として「人生の最終段階における医療体制整備事 業」を実施し、エンドオブライフケアの普及を行ってきた。国立長寿医療研究センター在宅連携医療部 を中心にEducation For Implementing End-o f -Life Discussion (以下 E-FIELD)相談員研修会を開催 している。在宅ケアスタッフに対する意思決定支援の相談に関しては、今のところカリキュラムに盛り 込まれていない。今回、在宅看取り研究会において、「<在宅版>意思決定支援に係る相談員研修のあり 方」についてグループワークを行ったので報告する。 方法 参加者は自由に席を選び6 名程度の 12 グループに分かれグループワークを行った。ディスカッショ ンする内容として、 <在宅版>意思決定支援に係る相談員研修を実施する場合に 1 相談員研修の対象者 2 相談員研修の内容や方法 とした。話し合った内容を、各グループに配布された用紙に記載するように指示した。提示したスライ ドは図1のとおりであった。 図1<分析方法> 回収された用紙をテキスト化した。一項目ごとに一枚のカードを作成し、KJ 法を用いて分析を行っ た。KJ 法は川喜田二郎氏が考案したブレインストーミングで出たアイディアを構造あるものに組み立 てていく方法である2)。ひとつのアイディアを1 枚のカードにして、同じような内容が書いてあるもの をまとめ、見出しをつける。似ている内容のまとまりは近くに配置し、図解にまとめていく手順を踏む。 データ分析の妥当性、信頼性を担保するため、複数のスタッフによってKJ 法を行った。 <倫理的配慮> 在宅看取り研究会でのグループワークの実施については静明館診療所倫理委員会の承諾を得て行っ た。参加者に対しては、今回のグループワークの内容をまとめ、報告する旨を在宅看取り研究会の案内 文に入れ、更に当日アナウンスした。発言の内容により個人が特定されることのないように留意した。 結果 2015 年 12 月 6 日在宅看取り研究会を開催した。参加者は合計 101 名であり、医師 28 名、看護師 41 名、医療ソーシャルワーカー14 名、ケアマネジャー5 名、介護福祉士 6 名、その他 7 名であった。 結果を図に示す。本文中で、カテゴリーを『』、サブカテゴリーを《》で示す。またカードの内容は< >で示す。回収された用紙から256 枚のカードが抽出された。 「意思決定支援の研修のあり方(在宅版)」として、『対象』『内容』『方法』『相談員の制度』の 4 つの カテゴリーが抽出された。『対象』に属するサブカテゴリーとして、《多くの関係者を対象とする》《医療 職を中心とする(看護師、保健師、医師)》《ケアマネジャーに対する研修》《病院スタッフに対する研修》 《施設スタッフに対する研修》《地域包括ケアセンター》《町内会》《患者に近い人》が挙げられた。『内 容』に属するサブカテゴリーとして《在宅医療・在宅ケアの特徴》《ACP とは》《コミュニケーション(患 者と家族の気持ちの変化)》《臨床倫理》《家族ケア》《看取りの指針とガイドライン(冊子の活用)》《多職 種連携(在宅移行のタイミング、情報共有)》《医療知識(疾患別・病期別の対応)》《法と制度》《地域の社 会資源》が挙げられた。『方法』に属するサブカテゴリーとして、《生活に対する価値観》《職種別の研修》 《職種が混ざる研修》《研修内容のラダー化》《ロールプレイ》《実地研修》《事例検討》が挙げられた。 『相談員の制度』に属するサブカテゴリーとして、《診療報酬化》《相談員の位置づけの明確化》が挙げ られた。 考察 対象としては専門職種から非専門職種まで多様な意見が見られた。これらは研修の目的や内容につい ての各参加者の考え方によって様々な対象を想定していると思われる。外来E-FIELD が病院での多専 門職種向けの研修であることから、在宅で意思決定支援に関わる専門職種である、医師、看護師、医療 ソーシャルワーカー、介護支援専門員が適切であると考えられた。他に施設での看取りを重要視する場 合には施設の相談(ケアマネジャーではないことも多い)も含めて良い。 グループワークで抽出された研修に含めるべき内容としては、E-FIELD にほとんど入っている。地 域の社会資源などは各地域で違っており工夫が必要と考えられる。在宅移行のタイミングは意思決定支 援と密接な関係にあると思われる。 方法として、各職種に対する研修が必要という意見と同時に、多職種の研修が有用との意見があった。 各職種が役割を果たしつつ連携することが求められている。各職種による研修と、多職種合同の研修を 組み合わせると更に良い研修になる。また、グループワークの意見としてラダー化が挙げられている。
全国的に展開するのであればE-FIELD と E-FIELD 指導者講習会の 2 段階として普及を図ることが現 実的かと思われた。また、実地研修が意見として挙げられているが、病院スタッフが在宅ケア同行研修 を行う、在宅ケアスタッフが病院で倫理カンファレンスの研修を行う等があると良い。病院で行われる 意思決定支援にも幅を持たせることができ、在宅ケアスタッフも臨床倫理の研修を行うことができる。 参考文献 2)「発想法」川喜田二郎、中公新書 1967 年 p61~114
恵和会西岡病院の取り組み
~平成26年度「人生の最終段階における医療体制整
備事業」に参加して~
社会医療法人 恵和会 西岡病院
内科 澤田 格
2015. 12. 6 在宅看取り研究会(札幌市医師会館)・全病床数 98床
※緩和ケア病棟なし48床 一般病棟
(一般病棟入院基本料 7:1/DPC) (うち地域包括ケア入院医療管理料1 12床)50床 医療療養病棟
(療養病棟入院基本料1)・標榜科目
内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科・
在宅療養支援病院
機能強化型(5在宅療養支援診療所と連携)
社会医療法人 恵和会 西岡病院
在宅医療連携拠点としての
西岡病院の役割
我々が身近な人に囲まれて在宅での最期を迎えることも選択で
きるよう、在宅における緩和ケア・看取りの体制を構築する
・ 急変時に対応できる24時間往診可能な体制
・ 緩和ケア・看取りを行うことができる体制
・ 緊急入院
が必要となった際に対応しうる体制
セキュリティー対策
→ 同意を得てエントリー
スムーズな緊急入院支援
複数の診療所と連携する
クラウド型情報共有シス
テムの開発
病診連携システムの構築
平成26年度「人生の最終段階における医
療体制整備事業」に参加して
能動的プロセス
話し合うタイミング
平時には切り出しにくい 「きっかけ」が必要
相談のなかで
イメージはなんとなく 介護経験の有無 医療者と話す 家族内で話す
人間関係の構築
多くは必要に迫られて
重篤な状況、急変時の対応 受動的流れ
相談のなかで
イメージしにくい 専門用語の壁 身近な親族の死の経験 結論を出しにくい内容 すぐに結論を迫られる場面 メディアの影響・風潮様々な場面での多職種による意思決定支援の必要性
アドバンス-ケア-プランニング
リビング・ウィル
アドバンス-ケア-プランニングの
普及
と
標準化
に向けて
もしもの時に リビング・ウィル 最終段階 ご自宅 病 院 とよひら・りんくホームページ「療養支援」に掲載 ※ダウンロード可能 http://www.toyohiralink.jp/「アドバンス-ケア-プランニング」
の普及のために
・伝達講習
院内、関連施設
・地域講話(出張講座)
町内会
老人クラブ
介護サービス利用者 家族会
サービス付き高齢者住宅
有料老人ホーム
・出張講演
道内、道外
介護施設等
入院/退院、訪問診療 「とよひらりんく」情報共有の活用 ・病名、既往症、内服薬 ・入院/退院時の状況 ・ADL、移動 ・食事(形態、介助法) ・トイレ(尿・排便) ・入浴 ・家族(キーパーソン)の状況 ・介護サービス利用状況自身の
気持ち・考え方
必要な情報 アドバンス ケア プランニング(ACP) ・地域講話(出張講座) 町内会、老人クラブ 介護サービス利用者家族会 サ高住 有料老人ホーム 「今後の医療・ケアに 関する相談シート」西岡病院
1-6. 基本情報 氏名、年齢、性別など 7. 介護保険等の申請における身体状況 介護認定、身体障害者手帳 8. 主な疾患名 9. 『今後の医療・ケアに関する』意向 10. 全体的な医療の希望・考え方 • 受けたい医療 受けたくない医療 • 受けたい医療行為のイメージ 11. 代理決定者について 12. 既存のアドバンス・ディレクティブ 13. 療養環境・社会的支援などの希望 14. その他 15. 臨床倫理委員会への諮問の必要性「今後の医療・ケアについての相談シート」
Ⅰ. 登録シート 1. 身体面について • 痛み • 身体症状 • 日常生活動作 • 食事・薬剤 食事形態、嚥下評価、薬剤 管理 2. 精神面について 3. 社会的背景について 4. スピリチュアルな面について 5. 目標設定 短期、中期、長期 6. その他 Ⅱ. アセスメントシート 主に多職種カンファレンスで使用N
ishioka
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eam
“N-SELECT”
「今後の医療・ケ
アに関する相談
シート」
西岡EOLケアチームの立ち上げ
•
緩和ケアチームを兼ねる
•
入院・外来・関連介護施設等、一貫し
て本人・家族の考えかたに寄り添う
•
元気なうちからの意思決定支援
•
入院毎の意思確認
•
Total Painのコントロール
•
包括的・継続的リハビリテーション
•
本人のみならず、家族自身にもアプ
ローチ
チームカンファレンスで アセスメントシートを使用在宅看取り研究会 「 平成27 年度人生の最終段階における医療体制整備事業から」
どうしてこの事業をしているか
医療法人財団老蘇会
静明館診療所
2015年12月6日(日)
札幌市医師会館
今年度の実績・予定
• 各区在宅ケア連絡会などでガイドライン周知事業
– 手稲区10月20日
– 西区の病院10月23日
– 東区10月31日
– 中央区第1回11月10日
– 清田区11月11日
– 南区11月18日
– 中央区第2回12月1日
– 西区の施設12月4日
– 白石区、西区2月
今年度の実績・予定
• E-FIELD相談員研修会
「在宅・地域での療養バージョン」– 10月24日、12月5日、2月6日
• 在宅看取り研究会
– 12月6日
• その他
– 意思決定エイド作成
– 入院時共同診療
この一点
•自宅で最期まで過ご
したい人の希望を叶
えたい
最期まで自宅で過ごすためにしてい
る工夫
神奈川県在宅医療推進フォーラム2014年11月16日 発表スライドより最期まで自宅で過ごすための工夫は、
独居の方でも、家族がいる方でも基本
的には同じ。
①症状緩和
②生活の支援
③不安の解消
④意思決定支援
+独居生活者には安否確認
•診察室に来ない人の
ことも考慮する
(地域医療の5つの軸)
=地域全体のことを考慮する
⇒地域全体が変わらないと在宅ケ
アへ移行する患者が増えない
⇒地域全体が在宅看取りする体
制
• 70歳台女性、胃がん
• 看取りも視野に退院調整
• 退院カンファレンスの日に痛みが強くなり、在
宅療養を断念
• 60歳代 筋萎縮性側索硬化症
• 退院調整していたが、家族の受け入れ体制
が整わず入院継続
横須賀市の死亡場所の構成比の推移
11 2 3 2 2 3 3 3 4 4 4 3 2 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 1 1 4 4 4 3 3 2 2 2 2 3 3 3 2 3 2 3 3 3 5 6 6 6 8 9 14 13 13 12 15 17 17 18 18 18 20 21 78 78 79 80 76 74 73 71 69 67 65 64 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013死亡の場所の内訳(%)
その他 介護老人保健施設 診療所 老人ホーム 自宅死亡 病院 ※死亡数及び自宅での死亡数は、県衛生統計年報及び横須賀市衛生年報 より ※在支診での看取り報告数は厚生局に情報開示請求し横須賀市内の在宅療養支援診療所の自 宅看取り数を合算した在宅看取り研究会
テーマ別セッションのまとめ
医療法人財団老蘇会 静明館診療所 背景と目的 在宅看取りを推進するためには地域において多方面からのアプローチが必要であり、関係する多専門 職種からの現状の提示が必要である。病院と在宅ケアとの連携がうまく行かなければスムーズな入退院 をすることができず、在宅看取りに繋がりにくくなる。在宅で多専門職種が互いに連携を取り合わない と在宅看取りだけでなく、在宅ケア自体が難しくなる。ターミナル期に緩和ケアを受けることができる ことは病院でも在宅でも重要である。居宅に代わり施設でターミナル期を、迎えることはこれから大き な課題となることが考えられ、施設での看取りも検討していく必要がある。在宅看取り研究会では特に、 「病院と在宅ケアの連携」「在宅での多職種連携」「在宅緩和ケア」「施設での看取り」をとりあげてテー マ別セッションを行ったので報告する。 方法 司会は事前に現場での実践経験のある専門職に依頼した。参加者は自由に「病院と在宅ケアの連携」 「在宅での多職種連携」「在宅緩和ケア」「施設での看取り」の 4 つのグループのうちひとつを選んだ。 なるべく人数が均等になるようにアナウンスした。 テーマ別に分かれた上で3分間参加者それぞれが、用 意された用紙にテーマについて考えた内容を記載した。 総合司会がカウントダウンタイマーを用意し、50 秒間 カウントしその間に各テーマで一人の参加者がテーマ について話した。50 秒カウントしたところで右隣りの 参加者が話しはじめ、50 秒カウントするということを 繰り返した。全員が50 秒ずつ話したところで、テーマ 別にフリーディスカッションを行った。各参加者がテー マについて自由記載した用紙は回収した。説明の際のス ライドを示す。<分析方法> 回収された用紙をテキスト化した。一項目ごとに一枚のカードを作成し、KJ 法を用いて分析を行っ た。KJ 法は川喜田二郎氏が考案したブレインストーミングで出たアイディアを構造あるものに組み立 てていく方法である2)。ひとつのアイディアを1 枚のカードにして、同じような内容が書いてあるもの をまとめ、見出しをつける。似ている内容のまとまりは近くに配置し、図解にまとめていく手順を踏む。 データ分析の妥当性、信頼性を担保するため、複数のスタッフによってKJ 法を行った。 <倫理的配慮> 在宅看取り研究会でのテーマ別セッションの実施については静明館診療所倫理委員会の承諾を得て 行った。参加者に対しては、今回のテーマ別セッションの内容をまとめ、報告する旨を在宅看取り研究 会の案内文に入れ、更に当日アナウンスした。発言の内容により個人が特定されることのないように留 意した。 結果 2015 年 12 月 6 日在宅看取り研究会を開催した。参加者は合計 101 名であり、医師 28 名、看護師 41 名、医療ソーシャルワーカー14 名、ケアマネジャー5 名、介護福祉士 6 名、その他 7 名であった。 結果を図に示す。本文中で、カテゴリーを『』、サブカテゴリーを《》で示す。またカードの内容は<
>で示す。回収された用紙から「病院と在宅ケアの連携」173 枚、「在宅での多職種連携」140 枚、「在 宅緩和ケア」130 枚、「施設での看取り」148 枚の合計 591 枚のカードが抽出された。 ●病院と在宅ケアの連携 病院と在宅ケアの連携に関わる事柄として、『連携のタイミングが重要』『連携の前提になること』『連 携をスムーズにするために必要なこと』『連携の課題が起きやすい患者』『病院と在宅ケアのズレ』の5 つのカテゴリーが抽出された。『連携の前提になること』に属するサブカテゴリーとして、《症状コント ロール》《患者や家族の意向をくみ取る》が挙げられた。『連携をスムーズにするために必要なこと』に 属するサブカテゴリーとして《カンファレンス、振り返り》《連携の仕組みづくり》が挙げられた。『連 携の課題が起きやすい患者』に属するサブカテゴリーとして、《独居高齢者》《認知症の人》《精神疾患を 抱える人》が挙げられた。『病院と在宅ケアのズレ』に属するサブカテゴリーとして、《病院スタッフが 在宅ケアについて知らない》《在宅ケアスタッフが病院について知らない》《病院と在宅ケアのスタッフ 間に思いのズレがある》《病院と在宅ケアのスタッフ間に知識のズレがある》が挙げられた。 ●在宅での多職種連携 在宅での多職種連携に関わる事柄として、『在宅での多職種連携の目標』『連携の仕組みづくり』『多職 種連携教育』『多職種チームのあり方』『在宅での多職種連携の課題』の5 つのカテゴリーが抽出された。 『在宅での多職種連携の目標』では、<患者・家族の思いを支えることを目標として多職種連携をする ><思いがゆれることを理解して連携する>などが挙げられた。『連携の仕組みづくり』では、<担当者 会議やカンファレンスでの顔の見える関係づくりを行うことが重要>。また、<情報共有することが重 要>。そのためには、<(IT)ツールを検討する>などが挙げられた。『多職種連携教育』では<職種が違 うと言葉が違うことを理解して連携ができるような多職種連携教育必要><共通言語も必要になって くる>が挙げられた。『多職種チームのあり方』では、<病院のようなユニットでチームを組むことも考 える>が挙げられた。『在宅での多職種連携の課題』として、<医療職と介護職の間に壁がある>。また、 <各職種での教育が違い、連携が取りにくいことがある>が挙げられた。 ●在宅緩和ケア 在宅緩和ケアに関わる事柄として、『在宅の特色』『情報提供と情報共有』『患者と家族の思いをくみ取 る』『緩和ケアとして行うこと』の5 つのカテゴリーが抽出された。『在宅の特色』に属するサブカテゴ リーとして、《うまくコーディネートすることが重要》《多職種連携が必要》《病院と在宅で緩和ケアには 違いはない》《がんの人も非がんの人もいる》《在宅でできること、できないことの区別》が挙げられた。 『患者と家族の思いをくみ取る』に属するサブカテゴリーとして《患者や家族の死生観を聞き取ること》 《意思決定支援》《ギアチェンジの支援(病院から在宅へ)》が挙げられた。『緩和ケアとして行うこと』 に属するサブカテゴリーとして、《身体的苦痛の緩和》《精神的苦痛の緩和》《スピリチュアルケア》《不 安の解消》《家族ケア》が挙げられた。 ●施設での看取り 施設での看取りに関わる事柄として、『施設の方針』『多職種との連携』『施設のハードと制度の整備』 『介護職員への看取りの教育』『一般の方々への啓蒙活動』『本人と家族の思い』の6 つのカテゴリーが 抽出された。『施設の方針』では、<施設長の方針によって施設で看取りをするかどうかが決まってくる という現状がある>が挙げられた。『多職種との連携』では、<施設でのかかりつけ医を含めた医療職と 介護職との間などの多職種の連携が必要>が挙げられた。『施設のハードと制度の整備』では<鍵やオ ートロックなど施設の設備><費用が加算で取れるかどうかなどの制度などで施設看取りのハードル が変わる>が挙げられた。『介護職員への看取りの教育』では、<介護職員は不安を抱えて>おり、<研