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シンポジウム「生きがいづくりと在宅医療」

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Academic year: 2021

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(1)報告書 【テーマ】 シンポジウム「生きがいづくりと在宅医療」 【申請者名】 宮島 敏 【所属機関】 健康生きがい学会 【職名】 常務理事 【所属機関所在地】 〒112-0002. 東京都文京区小石川5-2-2わかさビル4階 一般財団法人健康・生きがい開発財団内. 【助成対象年度】. 2014年度前期. 【提出年月日】. 平成26年9月17日.

(2) 1. 実施概要 申請者等は健康生きがい学会第5回大会において、貴財団からの助成を受けたシンポ ジウムとして、下記のシンポジウムを企画、開催した。 シンポジウムには約500名の参加があり、盛会のうちに終了した。 (1)大会名称:健康生きがい学会第5回大会 (2)大会テーマ:在宅ケアと健康生きがい (3)開催日時 平成26年8月6日(水)12:30 ~8月7日(木)12:15 (4)開催会場 弘前医療福祉大学 青森県弘前市大字小比内 3 丁目 18-1 (5)主 催. 健康生きがい学会. (6)共 催. 公益財団法人フランスベッド・メディカルホームケア研究・助成財団 公益財団法人在宅医療助成勇美記念財団. (7)参加者数 約500名 (8)プログラム <2014 年 8 月 6 日(水曜日)> 基調講演. 12:50~13:35. テーマ「共生と互恵の精神で」 講師. 木川田. 典彌氏. 医療法人勝久会理事長 前公益社団法人全国老人保健施設協会会長. シンポジウム 13:40~15:00 テーマ 「生きがいづくりと在宅医療」 シンポジスト 石澤 誠 氏. (医療法人聖誠会石沢内科胃腸科院長). 木川田 典彌 氏(医療法人勝久会理事長) 辻. 哲夫 氏 (東京大学高齢社会総合研究機構特任教授). コーディネーター 下田 肇 氏(弘前医療福祉大学学長) 分科会. 15:10~17:00. 第1分科会 災害被災者の生きがい支援 座. 長:矢嶋 和江氏(弘前医療福祉大学保健学部看護学科長). 発表者:板垣 喜代子氏(弘前医療福祉大学保健学部看護学科准教授) 西條. 一恵氏(障害者就労継続支援事業所あすなろホーム施設長). 服部 安子氏(浴風会ケアスクール校長) 第2分科会 高齢者のスポーツ 座. 長:宮島 敏. (社会福祉法人浴風会本部事務局研修企画部長). 発表者:佐藤 逸郎氏(社会福祉法人桃人会ケアハウス城東施設長).

(3) 島田. 肇 氏(東海学園大学准教授). 千葉 智博氏(弘前医療福祉大学短期大学部救急救命学科講師) 第3分科会 子育てと生きがい 座長 :寺見 陽子氏(神戸松蔭女子学院大学教授) 発表者:右京 昌久氏(社会福祉法人岩手県社会福祉協議会福祉経営支援部 部長) 杉野 聖子氏(江戸川大学総合福祉専門学校保育科教員) 福士. 敬博氏(光田寺保育園園長). 第4分科会 高齢期の生き生きとした食生活 座. 長:下田 敦子氏(学校法人弘前城東学園理事長). 発表者:牛田 泰正氏(弘前医療福祉大学短期大学部生活福祉学科食育福祉 専攻長) 加藤. 正子氏(NPO 法人よしかわたすけあい理事長). 戸原 玄 氏(東京医科歯科大学大学院准教授) 第5分科会 老後生活とロボットの活用 座長 (兼演者) :和田 一義氏(首都大学東京システムデザイン研究科准教授) 発表者:井上 薫 氏(首都大学東京健康福祉学部作業療法学科准教授) 砂庭 忍 氏(老人保健施設ほほえみ三戸作業療法士) 第6分科会 高齢期の多様な住まい 座. 長:児玉 桂子氏 (日本社会事業大学特任教授). 発表者:金沢 善智氏(介護環境研究所所長) 辻. 哲夫氏(東京大学高齢社会総合研究機構特任教授). 三木 得五郎氏(㈱ハーフ・センチュリー・モア代表取締役社長) <2014 年 8 月 7 日(木曜日)> 自由発表. 9:00~10:30. 神川 輝彦氏 小池 妙子氏 齋藤 榮作氏 鈴木 悟氏 村上 暁子氏 津軽三味線と語り部 10:35~11:05 大條 和雄氏(一般社団法人日本民謡文化振興協会名誉教授) 記念講演. 11:10~11:55. テーマ「心の健康を求めて」 講. 師 坂東 眞理子 氏(昭和女子大学学長).

(4) (9)シンポジウムの内容(シンポジスト・レジメより) テーマ: 「生きがいづくりと在宅医療」 ① 石澤 誠氏 医療法人聖誠会石沢内科胃腸科院長 生きがいづくりは安定した生活基盤の上に成立する。 医、食、住がないとコミュニティは崩壊する。生きがいをもって住み慣れた町 にいつまで生活できるように、当院は「ケアタウン」を提唱してきた。小規模 であるがほぼどのような状態になっても同じ地域で暮らせるような体制を完 成しつつある。 弘前市の現状:人口は18万人弱で65歳以上は2012年で24%を超して いる。 介護保険料は青森県で1番高く、全国でも13位と高額である。周辺地域から の移住、転入も多く、全国平均を上回るスピードで高齢者の人口は今後も増加 する予定である。20年後には年間死亡者数は3500人を超える予定で、そ のうち1000人以上が死に場所難民となることが懸念されている。 (2012 年調査) 弘前市の在宅医療の現状:訪問看護ステーションが26カ所ある。内科系外科 系診療所は74カ所あり、その半数は在宅療養支援診療所であるが、積極的に 看取りまで取り組みをしている診療所は10カ所だけである。病院は15カ所 あるが在宅療養支援病院としては実質1カ所だけである。 (2012 年度調査による) 当院の活動:当院は介護療養病床のある19床の有床診療所である。15年前 に社会福祉法人オリーブ会を立ち上げ、表裏一体となってケアタウンを形成し てきた。ショートステイ2カ所、有料老人ホーム、サ高住、デイサービス4カ 所、訪問介護、居宅支援事業所などを稼働させている。国は在宅医療、在宅介 護を提唱しているが、高齢者の入所希望は根強いものがあり小規模ながら入所 施設を作った。「食」としてのスーパーマーケットなどを巻き込むことがケア タウンの形成に重要な要素と考えている。 弘前市医師会の動向:今年、在宅医療連携拠点事業を開始した。相談所として の「そよかぜ」を設置し、多職種の情報共有ツールとして、ipad を関係者に 貸与し、支援ソフトとしては THP+を採用した。その機能、活動内容を当日は 紹介する。 考察:生きがいづくりは、しっかした生活基盤の上で活動できるものであり、 在宅医療はその基盤の一部にすぎない。ようやく在宅医療に目覚めた診療所も 多いが、その中核となり得る有床診療所は経営難となって閉鎖するケースが後 を絶たない。今後在宅医療を安定して継続するには急変時搬送先となる病院と の連携が重要なキーとなる。.

(5) 大規模な社会福祉法人は診療所や配食センターの建設も行うなど、医療を飲み 込む勢いである。一般企業は老人ホームの建設などに続々参入している。診療 所は専門医として進むか、往診診療所、総合医として生き残れるか、リスクを 承知で介護保険事業に参画するかの選択を迫られている。 ② 辻. 哲夫氏 東京大学高齢社会総合研究機構特任教授 世界に例のない超高齢化が日本で進行している。 当面、急速に進む後期高齢者の急増への対応は、高齢化最前線国日本の試金. 石である。そのあるべき方向は、生活習慣病の予防と虚弱化の予防をまず進め ることである。一方、長生きの結果として虚弱な状態を経て死に至るというこ とが普通になる中で、生きていてよかったと安心して地域の中で生き切れる、 次なる社会システムを作ることである。 とりわけ今後の医療は、治すことを主眼としてきた「病院医療」に加えて、 「在宅医療を含む地域包括ケア」の展開が大きな課題となっている。 柏プロジェクトでは、柏市、柏市医師会等が中心となって、地域のかかりつ け医が在宅医療に合理的な形で取り組めるようにするため研修や他職種連携 のシステム化等の様々な実践を行う一方、高齢化最前線ともいえる UR 豊四季 台団地で、地域包括ケアを目指す典型的なモデルシステムの導入に取り組んで いる。 人生の最期を在宅という日常性の世界で迎えられるかどうかは、我が国社会 の在り方に係る重要課題である。それは、高齢期の生きがいの問題の基本に触 れることでもある。 2025年という我が国の転換期を控えて残された時間は少ない。 我が国の国の形として、市民が在宅医療の意義を論じつつ、市町村、地区医 師会をはじめ関係者が前向きの姿勢で取り組むことを時代が求めている。 (10)主催者としての感想 今大会は、生きがい学会の会員をはじめ、会場となった弘前医療福祉大学の関係者、 地元の老健施設等の福祉関係者、弘前医療福祉大学の学生など、前回の大会の参加者数 を大幅に上回る 500 名を超える、本当にたくさんの方々に来ていただきました。 そして、大会テーマである「在宅ケアと健康生きがい」について学術的に研究を深め る場を十分に提供することができたものと思っております。 特に、 「生きがいづくりと在宅医療」をテーマとしたシンポジウムでは、基調講演(演 題「共生と互恵の精神で」 )に引き続きご登壇いただいた前(公財)全国老人保健施設協 会会長の木川田典彌先生をはじめ、この分野における著名なスペシャリストの方々には、 シンポジスト・コーディネーターとしてシンポジウムの場を大いに盛り上げていただき.

(6) ました。会場の体育館はほぼ満席状態で、参加者からの熱気もすごく感じられる、たい へん中身の濃いシンポジウムでありました。 「生きがいづくり」という切り口から在宅医療について論じられた、このシンポジウム は非常にユニークであり、述べられたコメントからは在宅医療の未来への発展を感じさ せられることも多く、とても有意義な内容だったと思います。 本大会のシンポジウムは、公益財団法人在宅医療助成勇美記念財団の助成により開催 しました。心より感謝申し上げます。 3.資料 ・健康生きがい学会第5回大会プログラム.

(7) Hirosaki 2014. 健康生きがい学会 第5回大会 プログラム 大会テーマ 在宅ケアと健康生きがい. 日程 会場 主催 共催. 2014年8月6日(水)7日(木) 弘前医療福祉大学 健康生きがい学会 公益財団法人 フランスベッド・メディカル ホームケア研究・助成財団 公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団.

(8) 健康生きがい学会第5回大会プログラム 2014 年 8 月 6 日(水曜日) ご挨拶. 12:30~12:50. 実行委員長. 宮島 敏. 会長. 京極 髙宣 (国立社会保障・人口問題研究所名誉所長. (社会福祉法人浴風会本部事務局研修企画部長). 社会福祉法人 浴風会 理事長 社会福祉法人全国社会福祉協議会中央福祉学院長. 歓迎のあいさつ 基調講演. 下田 敦子氏(学校法人弘前城東学園理事長). 12:50~13:35. テーマ 「共生と互恵の精神で」 木川田 典彌氏. 医療法人勝久会理事長 前公益社団法人全国老人保健施設協会会長. シンポジウム 13:40~15:00 テーマ 「生きがいづくりと在宅医療」 シンポジスト 石澤 誠 氏. (医療法人聖誠会石沢内科胃腸科院長). 木川田 典彌 氏(医療法人勝久会理事長) 辻. 哲夫 氏 (東京大学高齢社会総合研究機構特任教授). コーディネーター 下田 肇 氏(弘前医療福祉大学学長) 分科会. 15:10~17:00. 第1分科会 災害被災者の生きがい支援 座. 長:矢嶋 和江氏(弘前医療福祉大学保健学部看護学科長). 発表者:板垣 喜代子氏(弘前医療福祉大学保健学部看護学科准教授) 西條 一恵氏(障害者就労継続支援事業所あすなろホーム施設長) 服部 安子氏(浴風会ケアスクール校長) 第2分科会 高齢者のスポーツ 座. 長:宮島 敏. (社会福祉法人浴風会本部事務局研修企画部長). 発表者:佐藤 逸郎氏(社会福祉法人桃人会ケアハウス城東施設長) 島田 肇. 氏(東海学園大学准教授). 千葉 智博氏(弘前医療福祉大学短期大学部救急救命学科講師) 第3分科会 子育てと生きがい 座長 :寺見 陽子氏(神戸松蔭女子学院大学教授) 発表者:右京 昌久氏(社会福祉法人岩手県社会福祉協議会福祉経営支援部部長) 杉野 聖子氏(江戸川大学総合福祉専門学校保育科教員) 福士 敬博氏(光田寺保育園園長).

(9) 第4分科会 高齢期の生き生きとした食生活 座. 長:下田 敦子氏(学校法人弘前城東学園理事長). 発表者:牛田 泰正氏(弘前医療福祉大学短期大学部生活福祉学科食育福祉専攻長) 加藤 正子氏(NPO法人よしかわたすけあい理事長) 戸原 玄 氏(東京医科歯科大学大学院准教授) 第5分科会 老後生活とロボットの活用 座長(兼演者):和田 一義氏(首都大学東京システムデザイン研究科准教授) 発表者:井上 薫 氏(首都大学東京健康福祉学部作業療法学科准教授) 砂庭 忍 氏(老人保健施設ほほえみ三戸作業療法士) 第6分科会 高齢期の多様な住まい 座. 長:児玉 桂子氏 (日本社会事業大学特任教授). 発表者:金沢 善智氏(介護環境研究所所長) 辻. 哲夫氏(東京大学高齢社会総合研究機構特任教授). 三木 得五郎氏(㈱ハーフ・センチュリー・モア代表取締役社長) 2014年8月7日(木曜日) 自由発表. 9:00~10:30. 神川 輝彦氏 小池 妙子氏 齋藤 榮作氏 鈴木 悟氏 村上 暁子氏 津軽三味線と語り部 10:35~11:05 大條 和雄氏(一般社団法人日本民謡文化振興協会名誉教授) 記念講演. 11:10~11:55. 「心の健康を求めて」坂東 眞理子 氏(昭和女子大学学長) 表彰. 11:55~12:05 学会賞 奨励賞. 閉会. 12:05~12:15 挨拶.

(10) 健康生きがい学会第5回大会. 基調講演. 「共生と互恵の精神で」. 木川田 典彌 医療法人勝久会理事長 前公益社団法人全国老人保健施設協会会長. プロフィール 昭和 11 年岩手県生まれ。岩手医科大学大学院(基礎医学科電気生理学)修了。岩手県立大船渡病 院第 3 外科長などを経て、平成 2 年医療法人勝久会理事長に就任。昭和 54 年都道府県透析医会連 合会創設理事、昭和 62 年社団法人日本透析医会理事、平成 15 年全国認知症 GH 協会代表理事、平 成 17 年社団法人全国老人保健施設協会副会長に就任、平成 21 年更生保護法人岩手県更生保護協会 理事長、平成 24 年第 6 代全国老人保健施設協会会長を歴任。.

(11) 健康生きがい学会第5回大会. 基調講演. 共生と互恵の精神で 医療法人 勝久会 理事長. 木川田 典彌. 日本の高齢化率の推移をみると、1970 年(昭和 45 年)に高齢化率が 7.1%となり、日本が初め て高齢化社会を迎えました。この事実に合わせて、国は高齢者へのディサービス事業(1979 年) を開始し、更に老人保健法(1982 年)を制定して、約 6 年後に医療施設である介護老人保健施設 事業も開始しました。そして 1994 年(平成 6 年)に高齢化率 14.1%に達し、日本は、初めて高齢 社会を迎えたことから、高齢化対策の一つとして、グループホームの制度化(1997 年)、そして介 護保険法が制定(2000 年)されると共に、その介護保険法が改正されて、初めて、地域密着型サ ービス事業(2005 年)が創設されました。日本は 1994 年に高齢社会を迎え、13 年後の 2007 年、 日本は高齢化率 21.0%に達し、世界に先駆けて、超高齢社会に突入しました。 その 5 年後の 2012 年に高齢化率 24.1%に達した年に、介護保険法が改正され、国が地域包 括ケアシステムの構築を初めて掲げ、その推進を図りました。 この地域密着型介護サービスと地域包括ケアシステムの構築の推進を図るには、地域、地域に 生き、住んでいる老若男女や、その人達を支援する人々に、共生と互恵の精神の育成・共有と組 織構築が大切であると思われます。.

(12) 健康生きがい学会第5回大会. シンポジウム 「生きがいづくりと在宅医療」. シンポジスト. 石澤. 誠. 木川田. (医療法人聖誠会 石澤内科胃腸科院長). 典彌 (医療法人勝久会理事長 前公益社団法人全国老人保健施設協会会長. 辻 コーディネーター 下田. 哲夫 肇. (東京大学高齢社会総合研究機構特任教授) (弘前医療福祉大学学長). コーディネーター プロフィール 昭和 49 年 3 月 平成元年 12 月 平成 3 年 4 月 平成 5 年 9 月 平成 16 年 5 月 平成 19 年 3 月 平成 20 年 4 月 平成 22 年 4 月 平成 23 年 4 月 平成 25 年 6 月. 国立弘前大学大学院医学部研究科卒 医学博士 医療法人サンメディコ設立、理事長就任 医療法人サンメディコ 介護老人保健施設ヴィラ弘前開設 社会福祉法人桃仁会設立、理事長就任 青森県老人保健施設協会副会長 就任 青森県精神神経科診療所協会会長 就任 全国私立リハビリテーション学校連絡協議会(現名称:全国リハビリテーション学校協会)副会長 就任 青森県医師会常任理事 就任 学校法人弘前城東学園 弘前医療福祉大学 学長就任 公益社団法人日本認知症グループホーム協会常務理事 就任.

(13) 健康生きがい学会第5回大会. シンポジウム. 生きがいづくりと在宅医療 医療法人聖誠会 石澤内科胃腸科 院 長. 石澤 誠. 生きがいづくりは安定した生活基盤の上に成立する。 医、食、住がないとコミュニティは崩壊する。生きがいをもって住み慣れた町にいつまで生活できる ように、当院は「ケアタウン」を提唱してきた。小規模であるがほぼどのような状態になっても同じ 地域で暮らせるような体制を完成しつつある。 弘前市の現状:人口は18万人弱で65歳以上は2012年で24%を超している。 介護保険料は青森県で1番高く、全国でも13位と高額である。周辺地域からの移住、転入も多く、 全国平均を上回るスピードで高齢者の人口は今後も増加する予定である。20年後には年間死亡者数 は3500人を超える予定で、そのうち1000人以上が死に場所難民となることが懸念されている。 (2012年調査) 弘前市の在宅医療の現状:訪問看護ステーションが26カ所ある。内科系外科系診療所は74カ所あ り、その半数は在宅療養支援診療所であるが、積極的に看取りまで取り組みをしている診療所は10 カ所だけである。病院は15カ所あるが在宅療養支援病院としては実質1カ所だけである。 (2012年度調査による) 当院の活動:当院は介護療養病床のある19床の有床診療所である。15年前に社会福祉法人オリー ブ会を立ち上げ、表裏一体となってケアタウンを形成してきた。ショートステイ2カ所、有料老人ホ ーム、サ高住、デイサービス4カ所、訪問介護、居宅支援事業所などを稼働させている。国は在宅医 療、在宅介護を提唱しているが、高齢者の入所希望は根強いものがあり小規模ながら入所施設を作っ た。 「食」としてのスーパーマーケットなどを巻き込むことがケアタウンの形成に重要な要素と考え ている。 弘前市医師会の動向:今年、在宅医療連携拠点事業を開始した。相談所としての「そよかぜ」を設置 し、多職種の情報共有ツールとして、ipad を関係者に貸与し、支援ソフトとしては THP+を採用した。 その機能、活動内容を当日は紹介する。 考察:生きがいづくりはしっかした生活基盤の上で活動できるものであり、在宅医療はその基盤の一 部にすぎない。ようやく在宅医療に目覚めた診療所も多いが、その中核となり得る有床診療所は経営 難となって閉鎖するケースが後を絶たない。今後在宅医療を安定して継続するには急変時搬送先とな る病院との連携が重要なキーとなる。 大規模な社会福祉法人は診療所や配食センターの建設も行うなど、医療を飲み込む勢いである。一般 企業は老人ホームの建設などに続々参入している。診療所は専門医として進むか、往診診療所、総合 医として生き残れるか、リスクを承知で介護保険事業に参画するかの選択を迫られている。. プロフィール 弘前市生れ、1972年弘前大学医学部卒、37歳で石澤内科胃腸科を開業、認定内科医、COH 労働 衛生コンサルタント、弘前市医師会理事(介護保険担当).

(14) 健康生きがい学会第5回大会. シンポジウム. 生きがいづくりと在宅医療 東京大学高齢社会総合研究機構 特任教授. 辻 哲夫. 世界に例のない超高齢化が日本で進行している。 当面、急速に進む後期高齢者の急増への対応は、高齢化最前線国日本の試金石である。そのあるべき 方向は、生活習慣病の予防と虚弱化の予防をまず進めることである。一方、長生きの結果として虚弱 な状態を経て死に至るということが普通になる中で、生きていてよかったと安心して地域の中で生き 切れる、次なる社会システムを作ることである。 とりわけ今後の医療は、治すことを主眼としてきた「病院医療」に加えて、 「在宅医療を含む地域包 括ケア」の展開が大きな課題となっている。 柏プロジェクトでは、柏市、柏市医師会等が中心となって、地域のかかりつけ医が在宅医療に合理的 な形で取り組めるようにするため研修や他職種連携のシステム化等の様々な実践を行う一方、高齢化 最前線ともいえる UR 豊四季台団地で、地域包括ケアを目指す典型的なモデルシステムの導入に取り 組んでいる。 人生の最期を在宅という日常性の世界で迎えられるかどうかは、我が国社会の在り方に係る重要課題 である。それは、高齢期の生きがいの問題の基本に触れることでもある。 2025年という我が国の転換期を控えて残された時間は少ない。 我が国の国の形として、市民が在宅医療の意義を論じつつ、市町村、地区医師会をはじめ関係者が前 向きの姿勢で取り組むことを時代が求めている。. プロフィール 1971年東京大学法学部卒業後、厚生省(当時)に入省。老人福祉課長、国民健康保険課長、大臣官 房審議官(医療保険、健康政策担当) 、官房長、保険局長、厚生労働事務次官等を経て、2009年東 京大学高齢社会総合研究機構教授、2011年同機構特任教授、現在に至る。厚生労働省在任中に医療 制度改革などに携わった。著書として、 「日本の医療制度改革がめざすもの」 (時事通信社)等がある。.

(15) 健康生きがい学会第5回大会. 第1分科会 災害被災者の生きがい支援. 座 長. 矢嶋 和江. 弘前医療福祉大学保健学部看護学科長. 発表者. 板垣 喜代子. 弘前医療福祉大学保健学部看護学科准教授. 発表者. 西條 一恵. 障害者就労継続支援事業所あすなろホーム施設長. 発表者. 服部 安子. 浴風会ケアスクール校長. 座長プロフィール 出身大学:東洋大学社会学部社会学科 杏林大学:大学院国際協力研究科博士課程修了 職歴:群馬パース大学看護学科教授 弘前医療福祉大学看護学科教授 平成21年4月~現在に至る 専門:災害看護 国際看護 現在の活動 災害:1) 阪神淡路大震災および新潟中越地震における被災者支援活動 2) 23 年3月の発災時から石巻災害被災者支援活動を継続している。 現在は「石巻復興支援プロジェクト in 河南」で仮設住宅生活者の健康相談を月1回行っている。 国際協力の分野では、主な活動として以下がある。 1) 昭和 55 年 JICA カンボジア難民支援国際医療チーム(3 ケ月難民キャンプで活動) 2) 国際緊急援助隊医療チーム:災害派遣で 4 ケ国の災害支援 3) NGO ヨルダンでのイラク難民救援活動(1ケ月) 4) JICA アフガニスタン病院建設事前調査(1ケ月) 5) JICA 看護専門家(平成 18 年5月~平成 20 年4月ウズベキスタン看護教育プロジェクト).

(16) 健康生きがい学会第5回大会. 第1分科会 災害被災者の生きがい支援 弘前医療福祉大学 保健学部 看護学科 准教授. 板垣 喜代子. テーマ:東日本大震災後の仮設住宅住民の健康と生きがい支援活動 -石巻市、気仙沼市、陸前高田市発表要旨: 東日本大震災後の平成 23 年 4 月に岩手県野田村で被災地ボランティア(瓦礫拾い) 、5 月の 連休に宮城県石巻市で看護師ボランティア(避難所健康管理)を行い、その後、太平洋沿岸の 被災地を青森県から岩手県まで現地調査を行った。その結果、被災地への継続した支援の必要 性を感じた。同年 10 月に宮城県石巻市市役所仮設住宅担当者と相談後、現地調査を実施し同年 11 月から石巻市河南地区にあるA仮設住宅とB仮設住宅で住民の健康と生きがい支援活動を 開始して、現在も継続中である。 今回は、宮城県石巻市河南地区仮設住宅住民の支援を中心に活動報告をするが、この震災後 のボランティア活動を介して広がった宮城県気仙沼市と隣接する岩手県陸前高田市での健康と 生きがい支援活動も報告する。 1.石巻市復興支援プロジェクト,宮城県石巻市仮設住宅の住民の健康と生きがい支援 活動時期:平成 23 年 11 月~現在 (平成 24 年度までは月 2 回訪問、25 年度から月 1 回 訪問) 活動内容:仮設住宅集会所で健康と生活相談、お茶っこ会、毎月内容を変えた手芸教室 地元の河南鹿嶋ばやし山車祭り、仮設住宅内の夏祭り・クリスマス会手伝い 2.宮城県気仙沼市仮設住宅住民と高齢者施設の支援 活動時期:平成 24 年 3 月~現在 活動内容:住民参加のぼたもち作り、さかなの駅での健康相談、高齢者施設の訪問 3.岩手県陸前高田市仮設住宅住民の支援 活動時期:平成 26 年 4 月~現在 活動内容:健康教室「早ぐ病院さ、あべ!(行こう!) 」 、お茶っこ会、健康相談. プロフィール 資格:看護師・精神保健福祉士・社会福祉士 平成 12 年 3 月 常磐大学大学院人間科学研究科修士課程修了 平成 19 年 4 月 日本赤十字北海道看護大学看護学科 講師 平成 23 年 4 月 弘前医療福祉大学保健学部看護学科 准教授 平成 25 年 3 月 常磐大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得後退学 編集協力:矢嶋和江著,東日本大震災-その時介護士はどう行動したのか-,路上社.平成 25 年..

(17) 健康生きがい学会第5回大会. 第1分科会 災害被災者の生きがい支援 社会福祉法人燦々会あすなろホーム 施設長. 西條 一恵. 「支えあって生きる社会に」. 誰でも自分の役割がありこの世に生まれ生きている。たとえ障がいがあっても社会の一員であるこ とを実感し、いきいきと人生を送れたら。 東日本大震災で陸前高田市は壊滅的な被害を受けた。多くの方を亡くし、家も大事な物も失った。 そんな中私たち高台に残った通所施設の役割とは。非日常の状況であってもいつもの場所でいつもの ように仲間と共に働くことが精神安定に繋がった。働くことによって得る喜びは大きい。その喜びが 意欲に繋がり、成長し続けている。そんな彼らを私たち職員や家族は、支えようと日々過ごしていた つもりだった。しかし気が付くと、彼らの働く姿や笑顔から、様々な不安や疲れで後向きになってい る心に力が与えられ、歩み続ける元気が湧いていた。 役割も生きがいもみんな違うからいいと思う。お互いにそれぞれの良さを感じ、支えあって生きて いくことが当たり前の社会に。. 1辛かった東日本大震災 2働くということ 3社会の一員として. プロフィール 1959 年岩手県陸前高田市に生まれる。1979 年から 1997 年まで岩手県内の小学校教諭として勤務。そ の後陸前高田市の障がい児の療育指導員として療育教室で勤務。2000 年より福祉作業所であった「あ すなろホーム」に勤務。現在の理事長と共に 2003 年に社会福祉法人を立ち上げ、施設を建設し障がい 福祉サービス事業所を開始した。 「あすなろホーム」には、主に知的障がいがある方が働くことを目的 に毎日通所している。震災後、11 月には福祉型仮設住宅でグループホーム事業も開始した。昨年度本施 設を建設し 2 月に入居開始している。.

(18) 健康生きがい学会第5回大会. 第1分科会 災害被災者の生きがい支援 浴風会本部ケアスクール 校長. 服部 安子. 社会福祉法人浴風会(遠隔地)からの被災者・生きがいつくりへの取り組み ~心のケアの視点から“思い”をつなぐ継続支援活動 「つながろう こころとこころ」プロジェクトより~ 1.社会福祉法人の社会的責任と震災後の浴風会1 ① 社会福祉法人の社会的責任・・社会、地域における福祉の充実・発展 福祉の受け皿機能だけではなく、社会的援護等を必要とするソーシャルワーク機能の使命 ② 社会福祉法人浴風会(大正14年1月15日) ・・関東大震災の被災老人の援護を目的に内務省 社会援護局によって財団法人として発足。 (昭和27年)社会福祉法人と改組。創立経緯から、 震災の関心・広域的な役割を担う拠点の構想・・法人の理念『地域との協働と社会貢献』を具現化へ ③ 東日本大震災発生(平成 23 年 3 月 11 日 14 時 46 分)・(東京帰宅難民352万人)日本全国暗澹へ 無縁社会と言われた東京にも励まし助け合う姿「東京も捨てたものではない」と貴重な体験。 2.震災 3 日目仙台へ・GW8 日間・東北横断での実態調査…地域格差のある支援体制 ① 3 月 22 日介護講座修了生、認知症家族会浴風語ろう会発起人「被災地応援プロジェクト」支援グループ ② 3 月 26 日「つながろうこころとこころ・提案型コンサート」近隣の市民 138 名参加。 ③ 6月11日「つながろうこころとこころ・フリーマーケット&青空コンサート」近隣の市民300名以 上参加。「箱に義捐金だけを入れていくのではなく、こうした企画に深謝」『東京からの支援を』 (多数 の声と多くの支援物資提供を受け、後の全島民アンケート・訪問調査により個別配布する。 ) 3.被災者の孤立防止と心のケア・・浴風会(遠隔地)からの支援の目標・・エンパワーメント(共に) 『津波で助かったものの、生きていて良かったのか・・』心のケアの立ち遅れ。 (朝日新聞 H23.5.27) 4.これまでの取り組みと今後の方向 ①・・.震災から 4 カ月・・支援が全く入っていない島へ・・甚大な被害に人海戦術【多様な人の動員】 東京の“思い”の支援部隊と被災地直接部隊の組織を編成し、中央共同募金に申請し「ボランティアバ ス」導入。6 月から 3 月まで一泊三日、10回、総勢349名参加。専門職個別訪問と生活支援の編成 ② 「見捨てられた島」 ・・喪失体験「孤立・人間不信」から「信頼」を得るまでの心へのアプローチ ③ 「宮戸島地区復興街づくり委員会」 ・・コミュニティの場づくりと生きがい・就労支援 『市民アンケート調査』遠隔地委員として未来予想図『産業と福祉を融合した街つくり』を提案・採用 宮城県少年自然の家の誘致・元民宿の婦人部中心名産食堂開店【トヨタ財団等企画書作成 SOS】等 5.未来に向けての課題・・ハードな『家』再建のみならず、ソフトの個別的な生きがいの保持・島外の 情報発信・交換、自立的な生活再建への支援、孫まで安心して暮らせる街への課題等の整理・人材育成. プロフィール 「障害児福祉・高齢者福祉に30年間地域実践する。特別養護老人ホーム・老人保健施設開設運営本部長、 法人老人部門統括責任者・副施設長(兼務)等を経て、日本社会事業大学専門職大学院一期生を経て、 所属団体名等 現在は社会福祉法人浴風会本部「浴風会ケアスクール」校長。 (兼)日本大学歯学部医療人間科学教室・ 日本社会事業大学専門職大学院非常勤講師。アドバンスソーシャルワーカー・社会福祉士・精神保健福 祉士・介護支援専門員・第三者評価委員・介護認定審査委員等、2004 年【21 世紀の提言】財団法人 2001 年日本委員会[堀田力委員長]優秀賞 1. 「大災害における社会福祉法人の対応 宮島敏 京極高宜 MS&AD 研究所 2014 年 3 月.

(19) 健康生きがい学会第5回大会. 第2分科会 高齢者のスポーツ. 座 長. 宮島 敏. 社会福祉法人浴風会本部事務局研修企画部長. 発表者. 佐藤 逸郎. 社会福祉法人桃人会 ケアハウス城東施設長. 発表者. 島田 肇. 東海学園大学准教授. 発表者. 千葉 智博. 弘前医療福祉大学短期大学部救急救命学科講師. 座長プロフィール 1949年東京生まれ。音楽を志すも福祉を最終選択。日本社会事業大学社会福祉学部社会事業学科 卒。全社協、大学、知的障害者施設、有料老人ホーム、ケアハウス等に勤務。現職にて職員研修他に取 り組む(マスタープラン推進室長兼務) 。 1986年、第 1 回内閣総理大臣主催「福祉更生ボランティア表彰」 (作業所支援)を受賞。 加入学会;日本社会教育学会、日本社会福祉学会、日本地域福祉学会、日本ソーシャルワーク学会、 健康生きがい学会。2013年、第1回学会賞受賞(健康生きがい学会第4回大会) 。 趣味;歴史探訪、温泉めぐり、スキー、ウォーキング、サッカー観戦、音楽鑑賞と演奏(英国系ブル ースロック)。.

(20) 健康生きがい学会第5回大会. 第2分科会 高齢者のスポーツ 社会福祉法人桃仁会 ケアハウス城東 施設長. 佐藤 逸郎. テーマ 全国マスターズスキー大会出場へのトレーニング方法と日常のくらし方 発表趣旨 青森県は残念なことに永く全国一の短命県だと言われてきております。しかしその土地っ子である 小生が健康管理に気を配り食生活を整え禁煙をし、酒を慎み、効率的なトレーニングをすれば、全国 マスターズスキー大会で良い成績をあげることができたことを報告したい。 1.そのトレーニング方法 スキーシーズンのトレーニング シーズンオフのトレーニング 2.スキー用具の選択 スキーを滑る本人に合ったスキー用具 3.日常のくらし方 平日は朝早く短時間農園の耕作をする 月曜日~金曜日は 7 時 30 分から午後 5 時 30 分まで平常勤務 春~秋の土曜日・日曜日は雨の降らない限り岩木山麓の無農薬農園での農作業. プロフィール 弘前市役所青少年課長・商工部長(58 才で定年退職)弘前市医師会事務局長(21 年勤務) 弘前ホスピタリティーアカデミー副校長(勤務年数 6 年)社会福祉法人桃仁会ケアハウス城東施設長 (現職) 岩木山麓で無農薬農園を経営(30 年) 全国マスターズスキー大会に県代表最長年齢選手として出場している。.

(21) 健康生きがい学会第5回大会. 第2分科会 高齢者のスポーツ 東海学園大学スポーツ健康科学部 准教授. 島田 肇. テーマ:健康と生きがいー高齢者の運動を中心にー 発表要旨:高齢者の増加、少子化、労働者の減少、経済力が弱まることへの危機感、等、こんにち のわが国を取り巻く環境は、国民に自助による生き方を求めています。年金や公的支援へ の期待感が薄れていく昨今の時代情勢にあって、自分のことは自分で考え、備え、生活や 生き方を自らが見直していくことが必要な状況になりつつあります。その中身は多くの事 柄が考えられますが、ここでは、健康、運動(スポーツ)と生きがいについて見ていきた いと思います。 世界が考える「健康」の定義は、こんにち、目的としての健康から手段としての健康へ、 と変化しています。また、私たちが知っている健康の要素は、休養・栄養・運動の三つが ありますが、健康になって何がしたいのか、何の為に健康になりたいのか、という、健康 を手段としていかに生きるかという課題が、私たちには重要になってきています。さらに その中身は、自分だけの健康というものから、家族や友人を含めた地域や社会全体の健康 (健康度の高い社会)がその理想の姿として考えられるようになってきました。 運動のレベルには、筋力や柔軟性といった身体レベルの運動から、入浴、更衣、炊事と いった生活レベルの運動、そして、趣味やボランテイア活動といった人生レベルの運動が あります。私たち人間には、常に向上し、上を向いて生きるといった、生き方の有り様(生 きがいをもった生き方)があると思います。そうした生き方のために、身体・生活レベル の運動は必要であり、また、身体・生活レベルの充実のためにも、人生の目標(生きがい) は、大きな働きをもたらしてくれると考えられます。 地域や社会全体で健康になる取り組みは、すでに文部科学省によって進められています。 「大学・企業のスポーツ資源を活用した地域コミュニティー活性化促進事業」はその一つ ですが、私が勤める東海学園大学で行おうとしている「総合型地域スポーツクラブ」は、 その事業の一環として、大学の施設や教員(人材)を使って、地域(みよし市)の住民(多 くが高齢者、小学生、児童)を対象として、体操教室やポールウォーキング、サッカー教 室、運動指導のための授業、水泳教室等を実施します。 多くの住民が参加することで、コミュニティーが生まれ、人と人、人と社会が繋がるこ と(ソーシャッル・キャピタル)の重要性が、住民同士に自覚されてきます。私たちが目 指す健康とは、自分だけではない、人と人とがつながり、皆が健康な健康社会であり、こ の社会こそが、高い健康度を持った社会と言えるのではないでしょうか。 プロフィール 1958 年埼玉県生まれ。國學院大學法学部卒業、東洋大学大学院修士課程修了、中部学院大学大学院博 士課程修了(社会福祉学博士) 。現在、大学では、障害者スポーツを教えながら、高齢者や児童、障害 者等の「健康と生きがい」について研究している。また、社会福祉の領域では、社会福祉の歴史(明治 期以降) 、社会福祉理論等の研究に力を入れている。.

(22) 健康生きがい学会第5回大会. 第2分科会 高齢者のスポーツ 弘前医療福祉大学短期大学部 救急救命学科 講師. 千葉 智博. テーマ:高齢者へのトレーニング. 発表要旨: 様々な年代で多種多様なスポーツを楽しむ高齢者が増えています。その一方で、転倒・骨折 が原因で介護が必要になったという事例が多く報告されています(厚生労働省:国民生活基礎 調査 2010) 。特に高齢者の骨は若い人に比べてもろくなっているため、わずかな外力で骨折し てしまいます。その後、骨折にともない寝たきりになり QOL(Quality Of Life:生活の質)が 低下してしまいます。個人の QOL の低下も問題でありますが、一緒に生活しているご家族の肉 体的、精神的も負担が多くなることが考えられます。 そこで、今回の発表では高齢者を対象に、スポーツや運動をすることで身体的、精神的効果 について、認知症予防について理解してもらい、高齢になっても身体を鍛えることによって、 生き生きと生活できるようになってもらいたいと考えております。. 1. 様々なスポーツで活躍している高齢者の方々 2. スポーツをすることで身体的、精神的、生活習慣病の予防効果について 3. 高齢者の筋力トレーニング 4. ロコモティブシンドロームと日常生活自立、運動器の健康 5. 認知症予防のトレーニング. プロフィール 千葉智博(ちばともひろ) 、1978年宮城県生まれ。 中京大学体育学部 卒業 国士舘大学大学院スポーツ・システム研究科コーチングコース 修了 弘前大学大学院医学研究科 生体構造医科学講座 在学中 日本スプリント学会 会員 日本バイオメカにクス学会 会員 日本トレーニング科学会 会員 健康科学学会 会員 青森県救助・救護検討会 会員.

(23) 健康生きがい学会第5回大会. 第3分科会 子育てと生きがい. 座 長. 寺見 陽子. 神戸松蔭女子学院大学教授. 発表者. 右京 昌久. (社福)岩手県社会福祉協議会福祉経営支援部部長. 発表者. 杉野 聖子. 江戸川大学総合福祉専門学校保育科教員. 発表者. 福士 敬博. 光田寺保育園園長. 座長プロフィール 神戸松蔭女子学院大学大学院・人間科学部子ども発達学科教授。専門は、乳幼児発達心理学、乳幼児保 育学、保育カウンセリング(保護者支援・子育て支援)。1994 年9月から 1995 年 9 月まで、アメリカ・ ウィスコンシン大学マジソン校チャイルド・アンド・ファミリー・スタディーズで母子関係(母子相互 作用)とプレスクールにおける幼児教育について研究。現在は、母親の育児ストレスとソーシャルサポ ート、子どもの自我形成と保育者・養育者(親)のかかわり、養育者・保育者のアイデンティティの形 成について研究中。学校心理士・臨床発達心理士・上級教育カウンセラー。育児サークル「グリーグラ ス」、発達に気がかりのある子どもと親の会「JAM」、保育実践を考える会「保育カフェ」を主宰。.

(24) 健康生きがい学会第5回大会. 第3分科会 子育てと生きがい 社会福祉法人岩手県社会福祉協議会 福祉経営支援部長. 右京 昌久. テーマ 子育て世代に増える自殺念慮 【発表要旨】 社会福祉法人盛岡いのちの電話における 2013 年活動統計では、受信した 13,109 件のうち、自殺傾 向があった電話相談が 1,616 件と全体の 12.3%を占めた。また、自殺傾向があった電話相談は子育 て世代に比較的多く、20 歳代が 13.2%(男 144、女 76、計 220) 、30 歳代が 14.1%(男 317、女 170、 計 487) 、40 歳代 14.3%(男 250、女 130、計 380)と、男性に自殺傾向が高い。だだし、過去 13 年 の統計では男性が女性を上回った年が 7 回とほぼ拮抗している。また、全ての年代を通じた自殺傾向 が 3.5%と最も低かった 1996 年以降、この 18 年で 3.5 倍、2004 年からの 10 年では 2.2 倍と異常と もいえる増加となった。 統計では未婚、既婚の別や子どもの有無は把握されていないため、 “子育て”と“自殺念慮”の 関係を推定することはできないが、子育て世代の全体に覆う“生きがいの喪失”が透けて見える。相 談の内容も「人生」が最も多く 28.2%、 「家族・夫婦」14.5%と続く。 子育てを冒とくする“子どもの虐待”の増加も子育て世代の危機を表している。危機は、一方では 自分に向かい(自殺念慮) 、他方では子育てに向かっている(虐待) 。 子育ては、親にとって生きがいの全てである必要はないが、 “生きがい感”や“はりあい”の源に なる。未婚や非婚の選択に伴う“子育てに縁が無い男女”の増加と自殺念慮の相関は定かではないが、 自殺念慮を解き放す何かの一つとして、子育ては重要な意味を持つに違いない。 ○. 生きがいの対象としての子ども、子育て. ○. 生きがいを奪うものとしての子ども、子育て. (注)いのちの電話は匿名の電話相談です。活動統計は、電話ボランティアの育成、研修に役立て ることを目的に全国連盟の基準により最低限の傾向を分類するもので、電話の内容が他に遺漏するこ とはありません。. プロフィール 昭和 59 年 3 月日本社会事業大学社会福祉学部卒業。社会福祉法人玉山秀峰会特別養護老人ホーム 秀峰苑に入職。61 年 5 月社会福祉法人岩手県社会福祉協議会に転職。現在、福祉経営支援部長、 社会福祉法人盛岡いのちの電話理事、一般社団法人全国福祉サービス第三者評価調査者連絡会副理 事長、日本地域福祉学会会員.

(25) 健康生きがい学会第5回大会. 第3分科会 子育てと生きがい 江戸川大学総合福祉専門学校 こども福祉科. 杉野 聖子. いきいきとした子育てを創造する若い母親たちのグループワーク実践 はじめに 「子どもを産み育てにくい時代」と言われて早や四半世紀が経過している。便利な家電が次々と商品化され、 昔ほど家事労働に手を取られないこの時代に「子育て」がこうも負担と言われるのは納得がいかない、という高 齢世代の方は少なくないであろう。子育ての大変さと喜びは、人間の一生にとって普遍的なものである。しかし 何らかの要因で、それをバランスよく感じ得ない現役の若い母親たちが多くなっている現状がある。そしてその 負担感、不安が深刻化したときには、自責、自虐をしたり、逆に自己の合理化に子どもの存在を言い訳にしたり、 また子どもへの虐待につながることで事件に発展してしまうケースもある。いくつかの虐待事件が明らかになっ たときに多くの母親たちが口にするのは「そんなことをするなんて信じられない。 」という意見と、 「一歩間違え ば自分も同じことをしてしまうかもしれない」 「気持ちはわかる」という意見である。後者の意見は育児不安に 端を発する事件の場合、多数派となることもある。 子育ての負担感は、家族形態の変化や社会状況の変化、そこからくる価値の変化が大きく影響している。核家 族化や地域力の低下が問題視されるが、実のところ親世代の「他者との協働と関係づくり」を進める力がそのキ ーになるのではないかと考える。本報告は、そういった視点から報告者が関わってきた子育て支援の活動母親が 「試行錯誤しながらの子育て中」であることを共通基盤としたグループワーク実践を紹介する。現代の母親たち が子育て期をいきいきと過ごすために不可欠なこと、またそのためにできる子育て支援とは何か、ということに ついて考える契機としたい。 <報告内容> 1.少子化時代の子育ての現状 ・2000 年以降、子育て支援花盛りの時代に ・場づくりは数あるけれど 2.現代の若い母親たち ・自ら「コミュ障」と表する若者たち・・・ちょっとした後押しの必要性 ・新しい人間関係構築におけるリスク管理 3.①東京都国立市子ども家庭支援センターでの母親たちの仲間づくり実践 ②東京都稲城市中央公民館「私らしく子育てを楽しむための講座/ママのブレイクタイム」での実践 4.講座をとおしてみえたこと ・子どもと離れて、子どものことも自分のことも見つめなおす機会に ・利害が生じない場での関係づくりの安心感 ・現在・過去・未来を安心してカミングアウトする場の有効性 ・参加が前提となるグループワークの限界 ・子育てを生きがいにできない母親に対する個別フォローの必要. プロフィール 江戸川大学総合福祉専門学校こども福祉科専任講師 大妻女子大学・国士舘大学非常勤講師 京都市ユースサービス協会ユースワーカー(1990-2000)、国立市子ども家庭支援センター地域活動ワーカ ー(2003-2009)を経て現職。子どもから若者、若い親世代の支援、及び専門職養成に携わっている。.

(26) 健康生きがい学会第5回大会. 第3分科会 子育てと生きがい 社会福祉法人幸成会 光田寺保育園 園長. 福士 敬博. 現代のストレス わが国では高度成長の時期を境に、あらゆるものが社会や家庭に普及し、目覚しい経済発展を遂げた。 企業の海外進出を含め技術革新に伴う社会、労働環境の変化は、大きな社会変動をもたらした。その結果、 OA 化、伝統価値の崩壊、人間関係の希薄化、高齢社会と団塊世代の退職、少子化現象に伴う晩婚化、核家 族化、家族のコミュニケーションの断絶など多くの新しいストレッサーが生み出されているといえるだろ う。 ストレッサーは、その種類として「生理的ストレス」や「物理的ストレス」があるが、今日、最も問題 となるのは「心理的・社会的ストレス」といえる。 それらには、環境の変化によってもたらされる要因や心の支えとなるものが喪失することによってもた らされるストレッサー要因、身体的苦痛や不安としてのストレッサー要因や自尊心の喪失によってもたら されるストレッサー要因などが含まれる。 このように日常生活に潜むストレッサー要因は、ごくありふれたもの、いわば誰でも遭遇して不思議で はない生活上の出来事である。 これらのうち、職場と家庭生活と学校生活にみられるストレッサーがある。 それに付け加え、ストレッサーが個々により「感じ方」や「受け止め方」が違うということを理解しな ければならない。これは、育った環境や適応能力など個人差などだけでは整理することのできないストレ ッサーの存在があり、それが性格構造の特性であり、その人の個性とも呼べるのではないか。 このようなことを前提とし、子育てと生きがいについて、人間理解や人間関係、男性脳と女性脳の違い、 子育てに必要な知識を議論していきたいと考える。. プロフィール 東京農業大学農学部農業経済学科、日本社会事業大学専門職大学院、福祉マネジメント研究科、東北 女子短期大学保育科、弘前福祉短期大学生活福祉学科を経て、現在、社会福祉法人幸成会光田寺保育 園園長、学校法人弘前厚生学院非常勤講師として保育相談支援の演習を教えている。 学歴と資格は、農学士、専門職修士、保育士、幼稚園教諭二種免許、介護福祉士、社会福祉主事任用 資格、社会福祉士受験資格.

(27) 健康生きがい学会第5回大会. 第4分科会 高齢期の生き生きとした食生活. 座 長. 下田 敦子. 学校法人弘前城東学園理事長. 発表者. 牛田 泰正. 弘前医療福祉大学短期大学部生活福祉学科 食育福祉専攻長. 発表者. 加藤 正子. NPO 法人よしかわたすけあい理事長. 発表者. 戸原 玄. 東京医科歯科大学大学院准教授. 座長プロフィール ◆学校法人弘前城東学園 弘前医療福祉大学 理事長 ◆超高齢社会の昨今、 “食”と“福祉”の両面をサポートする新しい時代の専門職である「介護食士」 を青森県内で唯一養成している。また、誤嚥による窒息事故を防ぐために「介護食」の啓蒙、普及に 努めている。 嚥下障害の機能回復を支援する「言語聴覚士」の養成とあわせて、高齢者が健康で楽しい食生活を過 ごせるよう取り組んでいる。 ◆前参議院議員(1 期 6 年)、元青森県議会議員(3 期 12 年)、青森県女性議員懇談会会長 ◆(公社)日本介護福祉士養成施設協会理事・東北ブロック会会長、日本栄養士連盟顧問・青森県支部長、 弘前消費者の会会長、弘前食品衛生協会理事 ほか ◆著書: 「わたしの弘前」 「青森県女性議員史」 「女ゴ県会議員けっぱる」 「りんご料理 100 選」 「ほたて 料理 100 選」 ほか.

(28) 健康生きがい学会第5回大会. 第4分科会 高齢期の生き生きとした食生活 弘前医療福祉大学短期大学部 生活福祉学科食育福祉専攻長. 牛田 泰正. タイトル:高齢者に望まれる外食産業 発表要旨:日本は空前の高齢社会を迎えている、日本の高齢化率は昨年 10 月 1 日時点で 25.1%。 総人口は 1 億 2700 万人となっており、今後も高齢化は進行すると予想される。 この年齢構造の変化が地域経済に与える影響は労働人口の減少による生産力の低下と いう可能性がある一方、高齢者の増大で新たな需要が生まれ、高齢者のニーズに対応し た商品・サービスを提供するビジネスチャンスが生まれる。平成21年度実施された全 国消費者実態調査の結果から、高齢者世帯の消費支出をみると、まず、若い世代に比べ て食料費関連の比率が高いことが目立つ。量が多いわけではなく質が高まっていると言 えるのではないだろうか。では外食には何を期待するのだろうか?この件につき考察す る 1 内食・中食・外食比率将来推計 2 高齢社会における外食産業の役割とは 3.高齢者が元気になること。それを経済学的に見てみると・・ 4.高齢者が好むレストラン、好まないレストラン 5.成功例のケーススタディ. プロフィール 明治大学卒業後、ミシガン州立大学経営学部修士課程(MBA)修了。東京フードサービスカレッジ設立 に参画。KFC 新規事業部長。タコベル総支配人。 (株)グリーンハウスフーズ新規事業部長など歴任。前 城西国際大学教授。現・弘前医療福祉大学短期大学部教授。.

(29) 健康生きがい学会第5回大会. 第4分科会 高齢期の生き生きとした食生活 NPOよしかわたすけあい 代表. 加藤 正子. 【中山間地で「食」がつなぐ健幸長寿と安心】. 1.「食」に対する現実を知る。 ・ 福祉アンケートからみえたもの(ニーズの把握・課題の共有). 2.笑顔の輪「食がつなぐコミュニティ再生」 ・ 居場所がもたらす食事サービスの意義 ・ 「食」に関わるいろいろな形態(実践事例紹介) ・ 老いは楽しく健康第一・健幸寿命をのばそう!. 3.市民力が「ないないづくし」の中山間地で「食」を起爆剤に仕組みを考える。 ~生きがい・やりがいをつなげよう~. プロフィール 平成 10 年 5 月 福祉グループよしかわたすけあい設立 入職 平成 13 年 9 月 NPO法人よしかわたすけあい 理事長 兼職 財団法人さわやか福祉財団 さわやか北陸ブロック代表 上越市地域協議会委員 桃林福祉会サンクス米山評議員 くびき野市民福祉ネットワーク代表 上越市立吉川小学校学校運営協議委員 上越の食を育む会(上越食育推進協議会)理事.

(30) 健康生きがい学会第5回大会. 第4分科会 高齢期の生き生きとした食生活 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科老化制御学系口腔老化制御学講座高齢者歯科学分野 准教授. 戸原 玄. テーマ:摂食嚥下障害の評価と訓練の実際. 発表要旨: 超高齢社会である日本では、肺炎による死亡数は昨年度 3 位となった。その原因は人口の高齢化に より誤嚥性肺炎が増加したためではないかと考えられている。誤嚥は摂食・嚥下障害により起こるが、 全ての患者に対して検査環境が整っているとは言いがたいのが現状であり、特に通院できない患者へ の対応を困難としている。 現在の日本では摂食・嚥下の評価に長けた人材が不足していることに加え、DPC や療養病床の削減 などの影響により、入院中に摂食・嚥下のリハビリテーションを十分に行うことができないまま退院 もしくは転院する場合が多い。嚥下障害が残存している状態で在宅へ移行すると、その先で何も行わ れなくなる、もしくは退院時の状態が永続的なものとされて対応を続けられるのが問題なのである。 極端な表現をすると、食べる機能についてのリハビリテーションが中途なまま退院しても、退院後、 “ただそのまま”になっている患者が多いのである。そのような現状を打破するために、我々は訪問 診療にて嚥下内視鏡検査を行っている。そのような中、在宅療養患者は嚥下機能に不適切な食事を摂 取していることが多いこと、胃瘻でも約 8 割の患者が食事の練習が可能な嚥下機能を有していること などがわかってきた。 今回は地域医療の現状や新しい訓練法などを紹介し、摂食・嚥下障害への対応の今後を考えたい。 プロフィール 1997 年 1998-2002 年 1999-2000 年 2001-2002 年 2003-2004 年 2005-2007 年 2008-2013 年 2013 年―. :東京医科歯科大学歯学部歯学科卒業 :東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科老化制御学系専攻高齢者歯科学分野大学院 :藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座研究生 :ジョンズホプキンス大学医学部リハビリテーション科研究生 :東京医科歯科大学歯学部付属病院高齢者歯科 医員 :東京医科歯科大学歯学部付属病院高齢者歯科 助手 東京医科歯科大学歯学部付属病院摂食リハビリテーション外来 外来医長 :日本大学歯学部摂食機能療法学講座 准教授 :東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科老化制御学系口腔老化制御学講座高齢者. 歯科学分野 准教授.

(31) 健康生きがい学会第5回大会. 第5分科会 老後生活とロボットの活用. 座長兼演者 和田 一義. 首都大学東京システムデザイン研究科准教授. 発表者. 井上 薫. 首都大学東京健康福祉学部作業療法学科准教授. 発表者. 砂庭 忍. 老人保健施設ほほえみ三戸作業療法士. 座長兼演者プロフィール 博士(工学) .04 年 4 月(独)産総研知能システム研究部門・特別研究員,07 年より首都大学東京シス テムデザイン研究科・准教授,現在に至る.ロボット・セラピー,福祉ロボットの研究等に従事..

(32) 健康生きがい学会第5回大会. 第5分科会 老後生活とロボットの活用 首都大学東京システムデザイン学部 准教授. 和田 一義. - ロボットと介護福祉 -. ロボットが介護・福祉の場にて利用されるようになってきました。本発表では既に利用され ているロボットから、近い将来利用が期待されているロボットまで概説します。そして、動 物型ロボットを用いた心のケア“ロボット・セラピー”について紹介します。. 1. はじめに. 2. 身体的サポートをするロボット. 3. 心理的サポートをするロボット. 4. まとめ. プロフィール 博士(工学) .04 年 4 月(独)産総研知能システム研究部門・特別研究員,07 年より首都大学東京シス テムデザイン研究科・准教授,現在に至る.ロボット・セラピー,福祉ロボットの研究等に従事..

(33) 健康生きがい学会第5回大会. 第5分科会 老後生活とロボットの活用 首都大学東京人間健康科学研究科 准教授. 井上 薫. 「アザラシ型ロボット「PARO」が支援する高齢者の在宅生活」 筆者は作業療法士として高齢者と接する機会が多い。そこで、人生の先達から、 「生き様」 「価値観」に ついて実に様々な考えや思いをうかがい、学ばせていただいている。そこでは、 「やっぱり、 『ピンピンコ ロリ』が最高だね」という言葉をしばしば耳にする。多くの人が理想とするこの生き方、人生の終え方は、 多くの要因が重なって可能となることであり、場合によってその実現は簡単ではない。生活に支障をきた すほどの、何らかの疾患や障がいをもつ人の数は決して少なくないだろう。そのような中でも、人は理想 的な自分らしい生き方、人生の終え方を目指し、日々、生活を送っている。一方で、 「あちこち体が弱って くるのは仕方ないが、気持ちの面では幸せでいたいものだ」という意見もうかがった。この語りが示すよ うに、加齢現象は生物の宿命であるため不可避であるが、幸せであると感じる状態が保たれることが大切 であることも事実である。 一方で、独居高齢者が増加してきている昨今、人と人とのつながりの重要性が強調されている。このこ とを否定する人は皆無であろう。しかし、独居高齢者は一歩外に出れば人と触れ合うことができるが、自 宅に戻れば一人になる。そして、毎日外出できる人、外出先で人と触れ合える人ばかりではないだろう。 家族と同居していても孤独を感じている人もいるかもしれない。もちろん、孤独を愛する人もいるだろう が、人と触れ合うことが心身機能を良い状態に保つために必要であることは周知の通りである。このよう な独居高齢者、あるいは孤独な高齢者の生活を支援する手段の一つとして、ロボットに注目が集まってい る。 近年、ロボット技術の発展に伴い、高齢者、障がいをもつ人の生活を支援する様々な高性能ロボットが 開発されている。その中で高い実用性をもつロボットの筆頭が、柴田崇徳博士( (独)産業技術総合研究所) が開発したアザラシ型ロボット「PARO」である。PARO は、その愛らしい外観、優れた人工知能、リアルな 動物のような動きや鳴き声をもって人の心に働きかける。PARO の効果は、科学的検証や多くの事例検討に より、高齢者の楽しみを増やし、より良いコミュニケーションを促し、うつや孤独感を減少させることが 世界中から報告されている。 今回は、在宅生活を送る障がいをもつ高齢者に対し、筆者らが PARO を使用して行った作業療法支援の実 例を紹介し、今後の高齢者の在宅生活にロボットがどのように寄与できるのか、作業療法士の視点から講 演する。. プロフィール 《現職》首都大学東京大学院 人間健康科学研究科 作業療法科学域 准教授 《資格》作業療法士,博士(学術),英ブラッドフォード大学認定Dementia Care Mapping: DCM基礎マ ッパー 《研究分野》医療福祉工学:産学連携による家電製品・福祉用具の開発,脳血管障害者に対する自動車 運転支援に関する研究,ロボットの臨床応用に関する研究 作業療法教育学:作業療法学生に対する教育プログラムの開発,医療・福祉専門職の生涯教育に関する 研究.

(34) 健康生きがい学会第5回大会. 第5分科会 老後生活とロボットの活用 老人保健施設 ほほえみ三戸 作業療法士. 砂庭 忍. 「ロボットと共存する生活」 ~リハビリテーションにおけるイノベーション~ 日本社会は、すでに世界一の高齢社会となり、青森県でも独居高齢者や高齢者夫婦のみの世帯が急 増している現状である。この様な中、高齢者・障害者が住み慣れた自宅で生活を送れる様に自立を支 援するリハビリテーション技術は老人保健施設に於いて、必要に迫られている。 介護保険領域でリハビリテーションを提供する場面では、発症からの経過年数の長さ、加齢に伴う 介護度の重度化により、機能改善やADL能力の改善、生活範囲の拡大を期待する事が困難な事例に 遭遇する。しかし、今まで行えなかった動作を、ロボットを用いて練習する事で、自身の意思で動作 可能となり、さらに日常生活場面における行為に反映する事が出来た事例を経験した。 ロボットを用いてリハビリテーションを行う事で得られる効果は、高齢や障害の為に、不自由を感 じる方々に対して、生活の質を向上させるためのツールになっていると実感した。 ロボットは、リハビリテーションのツールとして期待されている。しかし、開発者や生産者立場に おいて、素晴らしいロボットであっても、運用する側が臨床の場で効果を出せなければ、製品開発を 盛んにし、生活の場で使用しやすいロボットに改良して行く事は難しいと思われる。人のために活用 するロボットの利点を、リハビリテーション技術の中で発揮出来る様、新しいツールを悲観せず、自 己研鑽を重ねていくことが、リハビリテーションにおけるイノベーションには欠かせない事であると 感じている。 リハビリテーションにおけるイノベーションは、今まで経験的に行っていた技術を実践し続けて形 成するのではなく、新たな技術を活用する事で成し得た結果を形にし、生活を創り出す事であると演 者は思う。 人とロボットの新しい関係を築きあげる事は、身体機能に障害のある方や高齢者が自立して安心・ 安全に生活出来る活力ある健康長寿社会に向けた未来開拓に挑戦している事であると考える。 当日は、当施設で運用しているロボットや、リハビリテーションの補助機器について、運用方法や 事例を紹介したいと思っています。 プロフィール 1977 年 青森県三戸郡南部町に生まれる。 1999 年 城東学園弘前ホスピタリティーアカデミー作業療法科を卒業。 同年免許取得。その後、地元の病院にて作業療法士として勤務。 2004 年 大里脳神経リハビリテーションクリニック勤務(開設に携わる) 。 リハビリテーション医師のもとで、自分の仕事の素晴らしさを経験する事が出来た。 2006 年 老人保健施設ほほえみ三戸 勤務。 2011 年 ロボットスーツ HAL を施設で運用する事となる。 第 47 回日本作業療法学会、第 16 回世界作業療法士連盟大会・第 48 回日本作業療法学会にて ロボットスーツ HAL の運用について発表。.

(35) 健康生きがい学会第5回大会. 第6分科会 高齢期の多様な住まい. 座 長. 児玉 桂子. 日本社会事業大学特任教授. 発表者. 金沢 善智. 介護環境研究所所長. 発表者. 辻. 東京大学高齢社会総合研究機構特任教授. 発表者. 三木 得五郎. 哲夫. ㈱ハーフ・センチュリー・モア代表取締役社長. 座長プロフィール 日本社会事業大学大学院特任教授、工学博士。2013 年 3 月まで認知症介護研究・研修東京センター副セ ンター長。専門は高齢者の居住環境の評価と計画、認知症高齢者に配慮したケア環境づくり。著書は 「PEAP にもとづく認知症ケアのための施設環境づくり実践マニュアル、2010、中央法規」 「認知症 高齢者が安心できるケア環境づくり、彰国社、2009」 「高齢者が自立できる住まいづくり、彰国社、 2003」 「超高齢社会の福祉居住環境、2008、中央法規」等。.

(36) 健康生きがい学会第5回大会. 第6分科会 高齢期の多様な住まい 株式会社バリオン 介護環境研究所 かなざわ. 代表取締役 医学博士. よ しの り. 金沢 善智. テーマ:自宅で最期まで!地域包括ケアの最初の一手、 「住環境整備」の重要性 1.住宅改修の実際 ①トイレの改修 ・40 代男性脳出血・左半身まひ(片まひ)要介護 4 ・何かに強くつかまれば、何とか立っていられる。車いすで移動。 ・要望:トイレだけは、何としても、自分一人でできるようになりたい。 ②風呂場の改修 ・70 代女性変形性脊椎症(亀背)筋力弱化バランス障害(原因不明) 要介護 3 ・何とか歩ける(調子の良い時) 。何かに強くつかまれば、段差を越えられる。 ・要望:介助や見守りなしで、風呂に入りたい。 2.良き「住環境整備」の諸条件=良き「住宅改修施工事業者」の育成 ①明確な目標を持って、住宅改修を行っているのか? 住宅改修によって、何を達成しようとしているのか ②継続した向上心があるのか? 達成するためには、どのような知識や技術が必要なのか ③終了後の確認と評価をしているのか? 実際、目標は達成できたのか 自らの仕事の確認(モニタリング)が、事業者を成長させる! プロフィール 理学療法士として訪問リハビリを行う中で、過酷な住環境により「寝たきり」となった多くの利用者 さんに出会い、より適切な住環境の構築を目標に、大学および大学院にて建築学を学ぶ。住宅改修の現 場で、医療と建築の両視点から実践と研究を行う一方で、弘前大学(医学部保健学科・大学院助教授) と目白大学(保健医療学部教授)にて約 17 年間、より適時・適量・適切な住宅改修などについて教鞭 をとる。 2009 年大学教員を辞し、起業。一部上場企業を複数含む十数社のメーカーでの商品開発顧問の経験を生 かして、医療・保健・介護の分野で「現場や大学の成果を産業につなげる方法」と、自らの起業と経営 者の経験をもとにした「起業家魂と経営者思考を持つ学生の育成方法」について、日夜、模索している。 博士(医学) 、修士(工学) 。 「一本の手すりから」 (祥伝社)など著書多数。.

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