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低リン酸耐性ニンジン培養細胞におけるクエン酸輸送関連タンパク質の解析

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Academic year: 2021

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Title

低リン酸耐性ニンジン培養細胞におけるクエン酸輸送関連

タンパク質の解析( 内容の要旨 )

Author(s)

大野, 隆史

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 甲第344号

Issue Date

2004-09-10

Type

博士論文

Version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2685

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(本(国)籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 員 会 大 野 隆 史 (岐阜県) 博士(農学) 農博甲第344号 平成16年9月10日 学位規則第4条第1項該当 連合農学研究科 生物資源科学専攻 岐阜大学 低リン酸耐性ニンジン培養細胞におけるクエン酸輸送 関連タンパク質の解析 主査 岐阜大学 教 授 原 副査 岐阜大学 助教授 副査 信州大学 教 授 副査 静岡大学 教 授 小 山 鹿 田 久保井 夫 之 満 徹 徹 博 論 文 の 世界に広く分布する酸性土壌では、劇毒性や刃との不掛ヒ(リン酸亜によるリン酸の欠乏が植物 の重大な生育阻害要因となっている。それに対し、根端からの有機酸放出が有効的な手段のひとつとし て活発に研究されている。一般のニンジン野性型細胞と比較して、低リン酸耐性培養細胞は余剰にクエ ン酸を合成、放出し、リン酸封培地でも良好に生育することができる。本研究では、低リン酸耐性細胞 の細胞膜上でのクエン酸放出に着目し、その特性及び関連タンパク質の解析を行った。 低リン酸耐性細胞のクエン酸放出に対するアニオンチャネルブロッカーの影響を調べたところ、 nifltmicacid、anthracene・9・Car叫cacidにより40%以下に放出が阻害されたが、DIDSでは殆ど阻 害されなかった。この結果は、低リン酸耐性細胞のクエン酸輸送体は、活樹ヒはゆっくりだが継続的に その浄性を維持するS一切eのアニオンチャネルであることを示している。次に、Ca溶液中における野 生型細胞及び低リン酸耐性細胞の什、貯、クエン酸の輸送関係について調査したQその結果、E+とク エン酸の間には何ら関係は認められなかったが、=+とクエン酸に関しては、野生型細胞ではクエン酸、 H+放出が殆どなかったのに対し、低リン酸耐性細胞ではクエン酸:=十=1‥2の放出関係が認められた。 このクエン酸と酔の定量的な関係は、クエン酸が、放出に伴いpHの関係上H+と結合して3価から2 価へ変化することを考慮すると電荷的に釣り合っているといえる。 また、クエン酸の放出がバナジン酸により阻害されたことから、H鳴pla弧amembrane(PM) H+・ATPafX,により放出されていると考えられ、水性二層分配法により細胞膜を精製しPMH+・ATPasc 活性を測定したところ、野生型細胞と比較して低リン酸耐性細胞で3倍浄性が高く、変異が起こってい ることがわかった。 PMH+・AJPaseについて、CDNAの単離を試み、皿上之・且4∴久βの6種類の全長をクロー ニングすることができた0系統樹を作製したところ、劇彪=∴之4∠昭植物のPMH+・皿Pa鋸にお

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いて5つの由b叫に分類される中の加e・ⅠⅠに、以祖且のま切e・Ⅰに属していた。q叫a止血血柁 RTPCRによる転写量解析の結果、淵Jのみが低リン酸耐性細胞で3倍転写量が増加しており、他 の5種類よりも優勢的であった。また、We細汀nblotの結果は低リン酸耐性細胞で発現量が増加してい ることを示しており、低リン酸耐性細胞の高いPMH+一朗?ase活性は淵Jの転写量増加によるタン パク質量の増加によるものと判断された。低リン酸耐性細胞におけるPMH+・∬Pa駈のan也・銀皿Se組 換え体については、PMH+・ATPase活性の低下に伴いクエン酸放出量も減少し、両者間に高い相関関係 が認められた。よってアニオンチャネルを介したクエン酸放出には、PMH+・∬Pa鋸からのH・放出が 必須であると考えられた。 これらの結果より、低リン酸耐性細胞では、PMH+・〟ⅣaseからのH+の放出とS・切)eのアニオンチ ャネルからのクエン酸放出が電荷のバランスを保って行われ、かつPMH・・ATPaseは転写量の増加 (助♪ により、タンパク質量及び活性が増加していることが明らかにされた。 審 査 結 果 の 本論文は、一般のニンジン野性型細胞と比較して、余剰にクエン酸を放出する低リン 酸耐性培養細胞について、クエン酸放出特性及び関連タンパク質の解析を行ったもので ある。 第1章で、低リン酸耐性細胞のクエン酸放出に対するアニオンチャネルブロッカーに よる影響を調べたところ、niflumicacid、anthracene・9・Carboxylicacidにより40%以下 に放出が阻害されたが、DIDSでは殆ど阻害されなかった。この結果は、低リン酸耐性細 胞のクエン酸輸送体は、活性化はゆっくりだが継続的にその活性を維持するS・tyPeのア

ニオンチャネルであることを示している。次に、Ca溶液中における野生型細胞凍び低リ

ン酸耐性細胞のH+、K+、クエン酸の輸送関係について調査した。その結果、E+とクエ ン酸の間には何ら関係は認められなかったが、H+とクエン酸に関しては、野生型細胞で はクエン酸、H+放出が殆どなかったのに対し、低リン酸耐性細胞ではクエン酸:H+=1: 2の放出関係が認められた。このクエン酸とH+の定量的な関係は、クエン酸が、放出に 伴いpHの関係上H+と結合して3価から2価へ変化することを考慮すると電荷的に釣り 合っているといえる。 第2章では、クエン酸の放出がバナジン酸により阻害されたことから、H+はpl左sma membrane(PM)H+・ATPaseにより放出されていると考えられ、水性二層分配法により 細胞膜を精製しPMH+・ATPase活性を測定したところ、野生型細胞と比較して低リン酸 耐性細胞で3倍活性が高く、変異が起こっていることがわかった。そこで、PMH・-ATPase について、CDNAの単離を試み、助ム之且4久βの6種類の全長をクローニン グすることができた。系統樹を作製したところ、以狙1,2L4.5は植物のPMH・-ATPase において5つのsubfami1yに分類される中のtype・ⅠⅠに、劇刻3、61ま吋pe・Ⅰに属して いた。quantitativeRT-PCRによる転写量解析の結果、皿創1のみが低リン酸耐性細胞 で3倍転写量が増加しており、他の5種類よりも優勢的であった0また、WeSter鱒blot の結果は低リン酸耐性細胞で発現量が増加していることを示しており、低リン酸耐性細 胞の高いPMH+・ATPase活性は助Jの転写量増加によるタンパク質量の増加による

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ものと判断された。低リン酸耐性細胞におけるPMH+・ATPa甲のanti・SenSe組換え体に ついては、PMH+・ATPase活性の低下に伴いクエン酸放出量も減少し、両者間に高い相 関関係が認められた。よってアニオンチャネルを介したクエン酸放出には、PM H+・ATPaseからのH+放出が必須であると考えられた。 これらの結果より、低リン酸耐性細胞では、PMH+・ATPaseからのH+の放出とS・type のアニオンチャネルからのクエン酸放出が電荷のバランスを保って行われ、かつPM H+・ATPaseは転写量の増加(助J)により、タンパク質量及び活性が増加しているこ とが明らかにされた。

以上について、審査委員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合農学研究科の学位

論文として十分価値があるものと認めた。

学位論文の基礎となる学術論文は以下の通りである。 l)0lm0,T.,Koyama,H.andHara,T(2003)Characterizationofcitratetmnsportdmughthe plasmamembraneinacarrotmutantCelllinewithenhancedcitrateexcretion・PhmtCell タメ卵ねJ.44:156-162 2)Ohno,T.,Nakahira,S.,Su加ki,Y,Kami,T,Koyama,H.andHara,T( )Molecular

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