Title
Genetic and Breeding Studies on Functional Components of
Galangal and Chili Pepper( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
Orapin Saritnum
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(農学) 甲第525号
Issue Date
2009-09-09
Type
博士論文
Version
publisher
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/33666
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏 名(本個)籍) 主 指 導 教 員 名 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 員 会 OrapinSaritnum 信州大学 教授 南 (タイ王国) 峰 夫 博士(農学) 農博甲第525号 平成21年9月9日 学位規則第3条第1項該当 連合農学研究科 生物資源科学専攻 信州大学 GeneticandBreedingStudiesonFunctional ComponentsofGalangalandChiliPepper (ナンキョウとトウガラシの機能性成分に関する遺 伝育種学的研究) 主査 静岡大学 教 授 副査 信州大学 教 授 副査 信州大学 准教授 副査 岐阜大学 教 授 男 夫 範一 三 峰 康 修 村 渦 川 大 南 濱 宮 論 文 の 内 容 の 要 旨 香辛料作物であるナンキョウ(A缶血ノ∂g∂血刀卵Willd.)とトウガラシ (Cbp封七u皿Spp.)はタイなど東南アジア地域をはじめとした広い地域において 重要な作物として利用されている.これらについてはその成分等について多く の研究が進められているが,遺伝育種学的研究は十分ではない.そのため,収 稽物の付加価値を高める機能性成分について改良された品種は無く,在来系統 が栽培されている.本研究はこのような観点から,これらの香辛料作物の機能
性成分の効率的育種に向けて,分子生物学的手法を用い五逝伝的な解析をおこ
なったものである. ナンキョウの根茎はスパイスやスープの香り付けなどの多くの料理に使われ る他,薬用,香料用としても使われており,その最も重要な機能性成分の一つ である1′・aCetOXyChavicolacetate(ACA)には,抗腫瘍,抗真南などの効果が知 られている.そこで,タイ国で収集したナンキョウ 37系統についてRAPD法 により類縁関係を分析するとともに,ACA含盈との関係を調べた.その結果, 5つのクラスターに分けられたが,クラスターと根茎の大きさ,色などの形態的 形質との関係は見いだせなかった.しかし,最も大きな2つのクラろタ一につ いては収集地域,およびACA含盤との関係を認め,タイの中央地域,東部地域 から収集した系統のACA含塵が高いこと,また高 ACA含塵と連鎖している RAPDマーカーを見出した.このマーカーを利用することによりACA含最に関 する効率的なマーカー選抜育種が可能なことを示した.-23-トウガラシの辛味成分(capsaicinoid)含量は塾的形質で不安定であるため,安 定的に辛味成分含盈を制御できる遺伝的技術が求められている.そこで安定的 に低辛味を発現する C 片びねβCe刀β系統`S3212,を見出し,辛味の強い C d上血刀βe系統`S3010'との交配後代における分離を調査した.この安定した低 辛味形質は,辛味の有無を支配しているC避伝子座とは異なる単因子のcr辿伝 子により支配されていることを初めて明らかにした.このc′過伝子座に連鎖す るマーカーを多数のSSRマーカー,RAPDマーーカー,CAPSマーカーから探索 し,Cf遺伝子座に最も近接するRAPDマーカーOPDll・400(8.1cM)および共 優性CAPSマーカーSCQ・600(10.7cM)を得るとともに連鎖地図を作製した. これらの分子マーカーを用いてc′遺伝子を導入することで,低辛味から高辛味 まで安定した辛味を発現するトウガラシ品種の開発が可能であると結論した. 以上の研究成果は,学位申請者の母国タイをはじめとする熱帯,亜熱帯地域 の重要な作物であるナンキョウおよびトウガラシの機能性成分に関する育種の マーカー選抜による効率化を可能にし,地域の発展に寄与するものである. 審 査 結 果 の 要 旨 香辛料作物のうち,ナンキョウ(Aね止血節通叫卵Willd.)とトウガラシ(伽由血皿 spp.)は,タイなど東南アジア地域をはじめとした広い地域において重安な作物とな っている.これら香辛料についてはその成分等を中心に躾理効果など多くの研究がな されている.しかし巨辿伝育種学的研究は十分とは言えず,育種的改良がすすんでい ないため,在来系統を用いた栽培が行われている.このような観点から,本研究は, ナンキョウとトウガラシに含まれる機能性成分含故の効率的な脊椎に向けて,分子生 物学的手法を用いて成分に関する迫伝学的解析とマーカーの開発を行ったものであ る.得られた成果は以下の通りである. 1.RAPDによるタイ産ナンキョウの迫伝学的関係とACA合一馳の■変輿 ナンキョウの根茎は薬用,香辛料用として使用されており,その展・も重要な成分の 一つである1'TaCetOXyChavicolacetate仏CA)には,抗癌作用,抗菌作用などが報告 されている.そこで,タイ国で収集したナンキョウ在束系統37系統についてその追 伝学的関係をRAPD法により分析し,さらにACA含量との関係を調べた.その結 果,8種類の10塩基ランダムプライマーにより73の多型バンドを得た.これらを UPGMA法でクラスター分析を行い,5つのクラスターに分離した.これらのクラ スターと根茎の形憶形質には関係が見られなかったが,収集地域およびACA含放と の関係を認め,タイの中央地域,東部地域の系統からなるクラスターにACA含起の 高い系統が多いことを明らかにした.またACA含盈と連鎖しているRAPDマーカ ーを見いだし,マーカーによるACA高含故系統の選抜が可能なことを示した. 2.トウガラシ低辛味迫伝子の解析と連鎖地図の作成 トウガラシの辛味は最も塵婆な形質であり,辛味成分であるカブサイシノイドには 椰々の薬理作用が報告されている.カブサイシノイドの生成は主働追伝子Cにより 支配されるが,合致は故的迫伝子により支配されている.学位申請者らは低辛味性の
ー24-系統を見いだし,F2世代における分離を調査して,低辛味性がC辿伝子座とは異な る迫伝子座に座乗する劣性の主働迫伝子c′により支配されている・ことを明らかにし た.さらに,C′迫伝子に辿鎖するRAPDマーカー,SSRマーカー,CAPSマーカー を開発して連鎖分析を行い辿鎖地図を作成した.これらのマーカーを利用することに より安定した低辛味系統の開発を効率的に行うことが可能になった. これらの成果は,これまで知見のなかったナンキョウのACA含故のマーカー選抜 による効率的な育椰を可能にするものであり,トウガラシの魂伝子についてはC 迫伝子以外で初めて柵告された辛味成分を支配する主働追伝子で,同時に辿鎖地図を 作成した点で大きな価値が認められる. 以上について,解査員全員一致で本論文が岐阜大学大学院迎合肋学研究科の学位論 文として十分価値あるものと認めた. 基礎となる学術論文 1.OrapinSaritnum,M.Minami,K.Matsushima,Y,Minamiyama,M・Hirai, T.Baba,H.Bansho,K.Nemoto
Inheritance of Few・PungentTraitin ChiliPepper`S3212'(伽situm 片〟ねgce刀∂ JournaloftheJapaneseSocietyforHorticulturalScience77:265・269・2008・ 2.OrapinSaritnum,P.Sruamsiri,M.Minami,K.Matsushima,K・Nemoto Geneticrelationshipofgalangal(A勿血jbg苫hD卵Willd.)inThailandby RAPI)analysis SABRAOJournalofBreedingandGenetics 41(1):69・76.2009.