氏 名(本籍)
学 位 の 種
類
学位授与番号
学位授与日付
専
攻
木 村 力(岐阜県)
博′士(工学)
甲第 252 号
平成17 年 3 月 25 日
物質工学専攻
学位論文題目 Syntheses and Characterization ofPiChiralPhosphinosele
Derivatives
伊-キラルセレノホスフィン酸誘導体の合成と性状)
学位論文審査委員
(主査)教 授 村 井 利 昭
(副査)教 授 稲 垣 都 士 教 授 石 原 秀
論文内容の要旨
リン原子上がキラルな(声キラルな)有機リン化合物は、触媒反応における光学括性配
またリン原子上における反応の立体化学に関する研究において重要な化合物である。こカ
ラルホスフィン酸誘導体およびチオホスフィン酸誘導体に関しては広く研究が行われて
ホスフィン酸誘導体の酸素原子をセレン原子で置き換えたセレノホスフィン酸誘導体に
少ない。酸素原子をセレン原子で置き換えることで、化合物の極性、リン原子上のルイ
従利こない性質を与えることができる。そこで本研究ではターキラルセレノホスフィン酸
物、エステル、塩、アミド等)に着目し、これらの化合物の新規合成法の開発と構造お
解明を目的として、以下の1」iのテーマについて検討した。
1.ターキラルセレノホスフィン酸クロリドの合成と性状
′
2.声キラルセレノホスフィン酸エステルの系統的合成、スペクトル、構造
3.セレノチオホスフィン酸塩の効率的合成および求麗子剤との反応
4.光学括性アーキラルセレノホスフィン酸アミドの合成とアミノホスフィンヘの還元
5.セレノホスフィン酸クロリドと炭素求核剤との反応
6.光学氾性声キラルセレノホスフィン酸クロリドの合成と反応
第1草では、一連のP・キラルセレノホスフィン酸誘導体の鍵出発化合物であるターキラ
フイン酸クロリ.ドの簡便かつ効率的合成法を確立し、スペクトルおよび構造を明らかに
イン酸クロリドとは対照的にセレノホスフィン酸クロリドは水に対して非常に安定であ
リカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて容易に精製することができる。次に、セレ
酸クロリドの種々のセレノホスフィン酸誘導体への変換反応について検討した。窮2野
相互作用(】1E・→ロ司くp=E)か重要であることが明らかになった。また、分子軌道計算から導ニ
セレン結合長と、エステルの77se NMRの化学シフトやリンーセレン間の)J結合定数と
が見られた。第3苧では、フッ素原子のケイ素原子に対する高L・、親和性を利用してセレ
イン酸塩の効率的合成法を確立した。すなわち、セレノチオホスフィン酸J-2-(トリメチノー
ルエステルにアルカリ金属フッ化物またはフッ化アンモニウムを作用させることで種々(
ホスフィン酸アルカリ金属塩およびアンモニウム塩を高収率で得た。この塩の求麗子剤
討したところ、ハロゲン化アルキルとはセレン原子上で選択的に、ハロゲン化アシルとi
で優先的に反応した。また、塩と塩化水素を反応させることでセレノチオホスフィン酸二
反応性を解明するために分子軌道計算を行ったところセレノチオホスフィン酸塩のHO♪
原子上に大きく広がっていた。また、一連のヤレノチオホスフィン酸誘導体のスペクトノ
塩のリンーセレンニ重結合性は減少しているが残存していることがわかった。第4章で`
リチウムアミドと ターキラルセレノホスフィン酸クロリドとの反応から、これまでに例の;
上がキラルな光学活性セレノホスフィン酸アミドの合成に成功した。トリプチルホスフー
セレノホスフィン酸アミドの三価への還元反応は立体保持で進行した。また、アミノホニ
セレンの付加反応も立体保持で進行した。第5章ではセレノホスフィン酸クロリドの炭…
する反応性について検討した。この反応では、通常予想されるリン原子上での置換反応l
するホスフィンセレニドだけでなく、セレン原子上への攻撃に由来するとみられるジセ1
ン酸エステルも得られた。第6章では光学活性アーキラルセレノホスフィン酸クロリドの1
た。この化合物はターキラルセレノホスフィン酸(S)-1-フェニルエチルアンモニウム塩の一
テレオマーを(COCり2で塩素化することで高収率かつ高エナンチオ選択的に得られた。ご
種々の求核斉『との反応の立体化学ついても検討した。
以上、本研究ではこれまでに前例のないリンーセレンニ重結合を有するターキラルセレ.
酸誘導体の新規合成法を開発し、構造、スペクトルおよび反応性を明らかにした。
論文審査結果の要旨
リン原子上がキラルな(アーキラルな)有機リン化合物は、触媒反応におけ
配位子やリン原子上における動的立体化学探索ブロープなどとして重要な化
とつである。従来、広く研究が行われてきたアーキラルホスフィン酸誘導体や
イン酸誘導体とは対照的に、ホスフィン酸誘導体の酸素原子をセレン原子で
セレノホスフィン酸誘導体に関する化学は、ほとんど未開拓領域であり、学
このことに着目している。一般に酸素原子のセレン原子による置き換えは、
性、リン原子上のルイス酸性などの点で従来にない性質を付与することがで
で-▲連のアーキラルセレノホスフィン酸誘導体の新規合成法の開発、構造およ
解明を行った結果が、六つの項目に分けて述べられている。
まず一連の誘導体を導く鍵出発化合物となるアーキラルセレノホスフィン酸
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